JP4060722B2 - 液圧バルジ金型及び液圧バルジ加工装置、異形管の液圧バルジ加工方法 - Google Patents
液圧バルジ金型及び液圧バルジ加工装置、異形管の液圧バルジ加工方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧バルジ加工に供する異形素管を用いた液圧バルジ加工に使用する金型(以下、「液圧バルジ金型」という。)及びこの液圧バルジ金型を備えた液圧バルジ加工装置及びこの液圧バルジ加工装置を用いて液圧バルジ加工を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液圧バルジ加工には、通常の成形法に比べて以下の特長がある。
▲1▼ 長手方向に断面形状の異なるやや複雑な形状を得ることができるため、従来は溶接で組み付けられていた部品の一体成形が可能になる。
【0003】
▲2▼ 製品の全体に亘って加工硬化が得やすいため、軟質な素管を用いても高強度な製品を得ることができる。
▲3▼ スプリングバックが少なく、製品の寸法精度が良好である(形状凍結性が良好である)ため、手直しの工程が省略できる。
【0004】
以上のような優れた特長が評価され、近年、管の液圧バルジ加工は、特に自動車部品を始めとして種々の分野で盛んに採用されるようになってきた。
一般的な管の液圧バルジ加工は、図5(a)に示すように、上下の金型1,2内にセットされた素管P1 の中に注入孔3を通じて加工液を注入し、加工液の圧力(以下、「内圧」という。)を高めることに加えて、シール工具を兼ねた軸押し工具(以下、「シール工具」という。)4,5によって両管端から軸方向に押し加工を行うことで、例えば図5(b)に示したような断面形状を有する製品P2 を製造するものである。この際、シール工具4,5は図示しない油圧シリンダに接続されており、バルジ加工中に軸方向位置或いは軸押し力が制御されている。
【0005】
このような液圧バルジ加工において、軸方向に作用させる管端からの押し加工は、膨出時のメタルフローを助長せしめて拡管限界を向上させるために、極めて重要な加工と言える。すなわち、この液圧バルジ加工の工程において、管端からの軸押し加工工程を実施せず、単に素管両端部の軸方向位置を固定した状態で内圧を高めるだけでは、材料の膨出に対応して板厚が著しく減少するために、加工中の早い段階で材料の破断に至り、限られた成形範囲(拡管限界)しか得られないからである。
【0006】
しかしながら、上記の液圧バルジ加工においても以下に述べるような問題がある。
すなわち、軸方向に断面形状の異なるやや複雑な形状を得ることができるといっても、それには限界がある。周長増加率={(当該部位の外周長/素管の円周長)−1}×100%と定義すれば、製品の形状要求性能や素管の材質・板厚にもよるが、管端の軸圧縮が有効な管端部領域を除いて、限界周長増加率を0〜25%程度に設定するのが一般的である。つまり、製品の形状設計の自由度を上げ、より複雑な任意の断面形状を有する製品を得ようとするためには、更なる工夫が必要である。
【0007】
この問題に対しては、ストレートな素管に代えて略円錐状の素管(以下、「テーパ管」という。)を用いることで、ストレートな素管での成形が困難な部品、例えば自動車部品で軸方向に沿って大きく周長が変化する部品に対しても周長増加率を低く抑えることができるため、成形が可能になる(例えば特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−321842号公報(第1頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
軸方向に横断面形状が変化するテーパ管TP1 にバルジ加工を施し、製品TP3 を製造する場合の加工前後を、図6(a)〜(c)に示すが、これらの図6より明らかなように、テーパ管TP1 を使用した場合には、シールを維持した状態でシール工具4,5を金型1,2内に押し込むことができないので、管端からの軸方向への押し加工が困難であるという問題がある。なお、シール工具4,5が受ける力(押付力に相当する)は、▲1▼テーパ管の端部を塑性変形せしめる力、▲2▼加工液の内圧による力、▲3▼シールを維持するための押付力、の総和Fとなるため、シールを維持するためには軸押力Fが必要である。
【0010】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、軸方向に横断面形状が変化する例えばテーパ管の液圧バルジ加工を行う場合でも、管端からの軸方向への押し加工を可能にして従来以上に大きな拡管率を得ることができる液圧バルジ金型と、この金型を備えた液圧バルジ加工装置及びこの液圧バルジ加工装置を用いて液圧バルジ加工を行う方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、
一対の金型本体と、これら金型本体の一方の端部内に夫々配置される一対の管端保持金型と、これら一対の管端保持金型とで軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有すると共に、少なくとも小径側端部に、該小径側の端面に向かって前記周長が増加する保持部を形成した異形素管の一方端部を保持すべく、一対の管端保持金型に先端部を挿入される管端保持金型側シール工具と、前記一対の金型本体とで前記素管の他方端部を保持すべく、一対の金型本体の他方の端部に先端部が挿入される金型本体側シール工具と、前記夫々一対の金型本体と管端保持金型間に設けられ、少なくとも加工液注入後は、一対の管端保持金型に、金型本体の前記一方の端部方向に前記異形素管の端部を塑性変形せしめる力とシール維持するための押付け力以上のスラスト力を付与する弾性部材を備え、前記シール工具のどちらか一方には加工液の注入孔が設けられ、また、加工中、管端保持金型側シール工具の軸方向への移動に伴い、管端保持金型が弾性部材の前記スラスト力に抗して移動し、前記金型本体、管端保持金型、シール工具で構成される内部空間を変更可能とすることにより、前記異形素管の内圧を高めつつ、管端から軸方向への軸押し加工を可能にすることとしている。
【0012】
そして、このようにすることで、テーパ管等の異形素管に液圧バルジ加工を施す場合でも、管端からの軸方向への押し加工が可能になって従来以上に大きな拡管率のバルジ加工品を得ることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るバルジ加工方法に供する用異形素管は、軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有すると共に、少なくとも小径側端部に、該小径側の端面に向かって前記周長が増加する保持部を形成したものであり、前記保持部は、バルジ加工時におけるシールに必要な長さを有することが望ましい。
【0014】
上記のバルジ加工用異形素管において、「軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有する」とは、図4(a)に示したようなテーパが同一の単純なテーパ管に限るものではなく、図4(b)に示したように、軸方向においてテーパが変化するテーパ管であっても良い。また、上記のバルジ加工用異形素管において、漸次増加する割合が大きい場合であって、大径側端部に保持部を形成しなくてもシール性が確保できる場合には、大径側端部に保持部を形成しなくても良いが、シール性に不安がある場合に、大径側端部に保持部を形成する場合は、当該保持部は前記周長の増加割合よりも大きい増加割合となすことは言うまでもない。
【0017】
第1の本発明に係る液圧バルジ金型は、
一対の金型本体と、
これら金型本体の一方の端部内に夫々配置される一対の管端保持金型と、
これら一対の管端保持金型とで軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有すると共に、少なくとも小径側端部に、該小径側の端面に向かって前記周長が増加する保持部を形成した異形素管の一方端部を保持すべく、一対の管端保持金型に先端部を挿入される管端保持金型側シール工具と、
前記一対の金型本体とで前記素管の他方端部を保持すべく、一対の金型本体の他方の端部に先端部が挿入される金型本体側シール工具と、
前記夫々一対の金型本体と管端保持金型間に設けられ、少なくとも加工液注入後は、一対の管端保持金型に、金型本体の前記一方の端部方向に前記異形素管の端部を塑性変形せしめる力とシール維持するための押付け力以上のスラスト力を付与する弾性部材を備え、
前記シール工具のどちらか一方には加工液の注入孔が設けられ、
また、加工中、管端保持金型側シール工具の軸方向への移動に伴い、管端保持金型が弾性部材の前記スラスト力に抗して移動し、前記金型本体、管端保持金型、シール工具で構成される内部空間を変更可能とすることにより、前記異形素管の内圧を高めつつ、管端から軸方向への軸押し加工を可能にしたものである。
【0018】
また、第2の本発明に係る液圧バルジ金型は、
一対の金型本体と、
これら金型本体の両側の端部内に夫々配置される一対の管端保持金型と、
これら両側の一対の管端保持金型とで夫々軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有すると共に、少なくとも小径側端部に、該小径側の端面に向かって前記周長が増加する保持部を形成した異形素管の端部を保持すべく、前記両側の一対の管端保持金型に夫々先端部を挿入されるシール工具と、
前記一対の金型本体と両側の一対の管端保持金型間に設けられ、少なくとも加工液注入後は、両側の一対の管端保持金型に、金型本体の端部方向に前記異形素管の端部を塑性変形せしめる力とシール維持するための押付け力以上のスラスト力を付与する弾性部材を備え、
前記両シール工具のどちらか一方には加工液の注入孔が設けられ、
また、加工中、両シール工具の軸方向への移動に伴い、両側の管端保持金型が弾性部材の前記スラスト力に抗して移動し、前記金型本体、管端保持金型、シール工具で構成される内部空間を変更可能とすることにより、前記異形素管の内圧を高めつつ、管端から軸方向への軸押し加工を可能にしたものである。
【0019】
また、第3の本発明に係る液圧バルジ金型は、前記第1または第2の液圧バルジ金型において、前記一対の管端保持金型にスラスト力を付与する前記弾性部材と、前記一対の金型本体の間に、少なくとも1組の一対の中間保持金型及びこの一対の中間保持金型にスラスト力を付与する弾性部材を順に配置したものである。
【0020】
これらのようにすれば、簡易な構成で、シール工具を移動させることができるようになる。なお、弾性部材により一対の管端保持金型に前記金型本体の軸方向側に向くスラスト力を付与するのは、加工液注入後であれば、異形素管の内圧を高める前でも、内圧を高めた後、異形素管を拡管する直前でも良い。
【0021】
すなわち、上記の本発明に係る液圧バルジ金型では、例えば、金型を、金型本体と管端保持金型(及び中間保持金型)の二重スライド構造とし、金型本体と管端保持金型間(、或いは、管端保持金型と中間保持金型間及び中間保持金型と金型本体間)に弾性部材を設置したので、この金型とシール工具の駆動装置及びこの駆動装置の駆動制御装置を備えた本発明に係る液圧バルジ加工装置を採用した本発明に係る液圧バルジ加工方法によれば、テーパ管等の異形素管に液圧バルジ加工を施す場合でも、管端からの軸方向への押し加工が可能になって従来以上に大きな拡管率の本発明に係るバルジ加工品を得ることができるようになる。なお、前記駆動制御装置としては、シール工具の軸押し力を制御するものでも、また、この軸押し力を作用させた場合には金型本体側のシール工具も塑性変形するので、軸押し力を作用させた場合のシール工具の変位(以下、「軸押し変位」という。)を制御するものでも良い。
【0022】
そして、この液圧バルジ加工中、管端保持金型は弾性部材(及び中間保持金型と弾性部材)によりシール工具側にテーパ管の端部を塑性変形せしめる力とシールを維持するための押付け力以上のスラスト力が付与されているので、シール工具と異形素管との間から漏れが発生することはない。
【0024】
【実施例】
以下、本発明に係る液圧バルジ金型を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明し、本発明に係る液圧バルジ加工装置及びこの装置を用いた本発明方法の説明に及ぶ。
図1は本発明の第1実施例の説明図、図2は本発明の第2実施例の説明図、図3は本発明の第3実施例の説明図である。
【0025】
図1において、11a,11bは対をなす金型本体であり、これら対をなす例えば上下の金型本体11a,11b(以下、11aを上金型本体と、11bを下金型本体という。)の紙面左側に示す一方の端部内に、対をなす例えば上下の管端保持金型12a,12bが夫々配置されている。
【0026】
13は前記上下の管端保持金型12a,12b間にその先端部を挿入される管端保持金型側シール工具であり、この管端保持金型側シール工具13と上下の管端保持金型12a,12bとで後述する異形素管TP2 の紙面左側に示す小径側端部TP2aを挟んで密閉するようにしている。
【0027】
14は前記上下の金型本体11a,11bの紙面右側に示す他方の端部間にその先端部を挿入される金型本体側シール工具であり、この金型本体側シール工具14と上下の金型本体11a,11bとで前記異形素管TP2 の紙面右側に示す大径側端部TP2bを挟んで密閉するようにしている。本実施例では、この金型本体側シール工具14の例えば軸中心位置に加工液の注入孔14aを設けたものを示している。
【0028】
15は前記上下の金型本体11a,11bと上下の管端保持金型12a,12b間に夫々設けられた弾性部材、例えばガスクッションや油圧シリンダであり、少なくとも加工液の注入後は、上下の管端保持金型12a,12bが上下の金型本体11a,11bの他方の端部に向かって軸方向に移動しないよう、上下の管端保持金型12a,12bを上下の金型本体11a,11bの一方の端部方向に向かわせるスラスト力を付与している。
【0029】
本発明に係る第1の液圧バルジ金型は上記の構成部品からなり、加工前は、前記上下の管端保持金型12a,12bの先端が図1(a)のA点に位置して、上下の金型本体11a,11b、管端保持金型12a,12b、管端保持金型側シール工具13、金型本体側シール工具14で形成される内部空間が、上下の管端保持金型12a,12bの先端が図1(a)のA’点の位置となる製品形状よりも、A〜A’だけ軸方向に大きくなっている。
【0030】
そして、本発明に係る液圧バルジ加工を実施するに先立ち、上記の液圧バルジ金型を用いて本発明に供する異形素管TP2を製造する場合は、上下の金型本体11a,11b、管端保持金型12a,12b内に異形素管TP2の素材となる単なるテーパ管TP1をセットし、図示省略した例えば軸押し変位制御装置と軸押し力制御装置によって適正な力で前記テーパ管TP1の例えば両端部を押潰すことにより行う。その後、金型本体側シール工具14と管端保持金型側シール工具13でシールし、前記異形素管TP2の中に注入孔14aを通じて加工液を注入する。
【0031】
その後、異形素管TP2 の内圧を高めつつ、軸押し変位制御装置によって軸押し変位を適正に制御された駆動装置例えば油圧シリンダによって、上下の管端保持金型12a,12bの先端が、その内部空間が製品PT3 の形状と一致する図1(a)のA’点にくるまで、管端保持金型側シール工具13を紙面左側から紙面右側に向けて移動させて軸押し加工を行う。なお、加工液の注入後は、弾性部材15の作用によって上下の管端保持金型12a,12bと異形素管TP2 の間から加工液が漏れることはない。
【0032】
図1は上下の金型本体11a,11bの一方の端部内に上下の管端保持金型12a,12bを設けたものであるが、図2に示した実施例では、上下の金型本体11a,11bの両側の端部内に、夫々上下の管端保持金型12a,12bを設けたものである。
【0033】
この図2に示した実施例では、図1に示した実施例における金型本体側シール工具14に代えて、金型本体11a,11bの両側に管端保持金型側シール工具13を配置し、この管端保持金型側シール工具13の一方に加工液の注入孔13aを設けたものである。そして、液圧バルジ加工時には、金型本体11a,11bの両側から軸押し加工を行う他は図1に示した実施例と同じである。
【0034】
また、図3に示した実施例は、図1に示した実施例における前記上下の管端保持金型12a,12bにスラスト力を付与する前記弾性部材15と、前記上下の金型本体11a,11bの間に、例えば1組の上下の中間保持金型16a,16b、及び、この上下の中間保持金型16a,16bを、前記上下の管端保持金型12a,12bの方向に向かわせるスラスト力を付与する弾性部材15を順に配置した構成である。
【0035】
そして、この図3に示した実施例では、加工前は、前記上下の管端保持金型12a,12bの先端が図3のA点に、また、前記上下の中間保持金型16a,16bの先端が図3のB点に夫々位置して、上下の金型本体11a,11b、管端保持金型12a,12b、中間保持金型16a,16b、管端保持金型側シール工具13、金型本体側シール工具14で形成される内部空間が、上下の管端保持金型12a,12bの先端が図3のA’点の、また、上下の中間保持金型16a,16bの先端が図3のB’点の位置にある製品形状よりも、A〜A’、B〜B’だけ軸方向に大きくなっている。
【0036】
そして、上下の金型本体11a,11b、管端保持金型12a,12b、中間保持金型16a,16b内に異形素管TP2 の素材となる単なるテーパ管TP1 をセットし、図示省略した例えば軸押し変位制御装置と軸押し力制御装置によって適正な力で前記テーパ管TP1 の例えば両端部に金型本体側シール工具14と管端保持金型側シール工具13で押潰し加工を施して異形素管TP2 を形成し、この異形素管TP2 の両端部TP2a,TP2bをシールした後に、前記異形素管TP2 の中に注入孔14aを通じて加工液を注入する。
【0037】
その後、異形素管TP2 の内圧を高めつつ、軸押し変位制御装置によって軸押し変位を適正に制御された駆動装置によって、上下の管端保持金型12a,12b及び上下の中間保持金型16a,16bの先端が、その内部空間が製品PT3 の形状と一致する図3のA’、B’点にくるまで、管端保持金型側シール工具13を紙面左側から紙面右側に向けて移動させて軸押し加工を行う。なお、加工液の注入後、弾性部材15の作用によって上下の管端保持金型12a,12bと異形素管TP2 の間から加工液が漏れることがないことは、図1に示した実施例と同じである。
【0038】
上記図1〜図3に示した実施例は、あくまでも本発明の一つの具体例を示したものであり、金型の内部空間の形状を比較的簡単な形状としているが、当然、通常の自動車部品に代表される3次元の複雑な形状であっても良い。また、シール工具を移動させる構成も上記図1〜図3に示した構成に限るものではない。
【0039】
また、上記実施例は異形素管TP2 の素材として単なるテーパ管を使用するものについて説明したが、本発明は、曲げ加工やプリフォーム加工を施されて湾曲に加工された、或いは、押し潰し加工で偏平に加工されたテーパ管を異形素管TP2 の素材とするものでも良い。
【0040】
また、上記の実施例では、バルジ加工に先立って、本発明に係る液圧バルジ金型内でテーパ素管TP1 の端部に成形を施し、異形素管TP2 を製造しているが、本発明に係る液圧バルジ金型にセットする前に予め端部の成形を行い、異形素管TP2 を製造しておいても良い。
【0041】
また、図1や図3に示した実施例では、異形素管TP2 の小径側に上下の管端保持金型12a,12bを配置したものを示したが、異形素管TP2 の大径側に上下の管端保持金型12a,12bを配置したものでも良い。
【0042】
また、図3に示した実施例では、上下の中間保持金型16a,16bが異形素管TP2 と接するものを示したが、上下の中間保持金型16a,16bは必ずしも異形素管TP2 と接する必要はなく、任意の母線形状を有するものでも良い。
【0043】
また、図1〜図3に示した実施例では、管端保持金型側シール工具13や金型本体側シール工具14の先端形状を単純な円錐台形状としたものを示したが、必ずしもこの形状に限るものではなく、円錐台面に段差を有した形状や、Oリングによる内面シールや端面シールを併用した形状でも良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えばテーパ管のように軸方向に横断面形状が変化する異形素管に液圧バルジ加工を施す場合でも、管端からの軸方向への押し加工が可能になって、従来以上に大きな拡管率を得ることができ、成形の自由度が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の説明図であり、(a)は加工前の縦断面図、(b)は加工後の縦断面図、(c)は(a)の左側面図である。
【図2】本発明の第2実施例の説明図で、加工前の縦断面図を示した図である。
【図3】本発明の第3実施例の説明図で、加工前の縦断面図を示した図である。
【図4】 本発明に供する異形素管の説明図で、(a)は軸方向に同一のテーパを有するもの、(b)は軸方向の中途でテーパが変化するものを示し、夫々縦断面図を示した図である。
【図5】従来のストレート管の液圧バルジ加工の説明図で、(a)は加工前の金型の縦断面図、(b)は加工後の金型の縦断面図である。
【図6】従来のテーパ管の液圧バルジ加工の説明図で、(a)はテーパ管をセッティングした状態を示した図、(b)は端部加工を行った後、加工液を注入する前の金型の縦断面図、(c)は加工後の金型の縦断面図である。
【符号の説明】
11a 上金型本体
11b 下金型本体
12a 上管端保持金型
12b 下管端保持金型
13 管端保持金型側シール工具
13a 注入孔
14 金型本体側シール工具
14a 注入孔
15 弾性部材
16a 上中間保持金型
16b 下中間保持金型
TP2 異形素管
TP2a 小径側端部
TP2b 大径側端部
Claims (5)
- 一対の金型本体と、
これら金型本体の一方の端部内に夫々配置される一対の管端保持金型と、
これら一対の管端保持金型とで軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有すると共に、少なくとも小径側端部に、該小径側の端面に向かって前記周長が増加する保持部を形成した異形素管の一方端部を保持すべく、一対の管端保持金型に先端部を挿入される管端保持金型側シール工具と、
前記一対の金型本体とで前記素管の他方端部を保持すべく、一対の金型本体の他方の端部に先端部が挿入される金型本体側シール工具と、
前記夫々一対の金型本体と管端保持金型間に設けられ、少なくとも加工液注入後は、一対の管端保持金型に、金型本体の前記一方の端部方向に前記異形素管の端部を塑性変形せしめる力とシール維持するための押付け力以上のスラスト力を付与する弾性部材を備え、
前記シール工具のどちらか一方には加工液の注入孔が設けられ、
また、加工中、管端保持金型側シール工具の軸方向への移動に伴い、管端保持金型が弾性部材の前記スラスト力に抗して移動し、前記金型本体、管端保持金型、シール工具で構成される内部空間を変更可能とすることにより、前記異形素管の内圧を高めつつ、管端から軸方向への軸押し加工を可能にしたことを特徴とする液圧バルジ金型。 - 一対の金型本体と、
これら金型本体の両側の端部内に夫々配置される一対の管端保持金型と、
これら両側の一対の管端保持金型とで夫々軸方向の一方から他方にかけて外径が漸次増加又は減少する周長を有すると共に、少なくとも小径側端部に、該小径側の端面に向かって前記周長が増加する保持部を形成した異形素管の端部を保持すべく、前記両側の一対の管端保持金型に夫々先端部を挿入されるシール工具と、
前記一対の金型本体と両側の一対の管端保持金型間に設けられ、少なくとも加工液注入後は、両側の一対の管端保持金型に、金型本体の端部方向に前記異形素管の端部を塑性変形せしめる力とシール維持するための押付け力以上のスラスト力を付与する弾性部材を備え、
前記両シール工具のどちらか一方には加工液の注入孔が設けられ、
また、加工中、両シール工具の軸方向への移動に伴い、両側の管端保持金型が弾性部材の前記スラスト力に抗して移動し、前記金型本体、管端保持金型、シール工具で構成される内部空間を変更可能とすることにより、前記異形素管の内圧を高めつつ、管端から軸方向への軸押し加工を可能にしたことを特徴とする液圧バルジ金型。 - 請求項1又は2に記載の液圧バルジ金型において、
前記一対の管端保持金型にスラスト力を付与する前記弾性部材と、前記一対の金型本体の間に、少なくとも1組の一対の中間保持金型及びこの一対の中間保持金型にスラスト力を付与する弾性部材を順に配置したことを特徴とする液圧バルジ金型。 - 前記シール工具の駆動装置及びこの駆動装置の駆動制御装置と、請求項1〜3の何れか記載の液圧バルジ金型を備えたことを特徴とする液圧バルジ加工装置。
- 請求項1〜3の何れかを引用する請求項4に記載の装置を用いて液圧バルジ加工する方法であって、
前記異形素管の少なくとも一方の端部を管端保持金型側シール工具と管端保持金型で保持し、
前記異形素管の内圧を高めつつ、管端保持金型と金型本体の間に設けられた弾性部材により、金型本体の端部方向に前記異形素管の端部を塑性変形せしめる力とシール維持するための押付け力以上のスラスト力を付与した状態で、
管端保持金型側シール工具を移動せしめ、この管端保持金型側シール工具の移動に伴い管端保持金型が弾性部材の前記スラスト力に抗して移動することにより、前記異形素管の内圧を高めつつ、管端から軸方向への軸押し加工を行なって、前記金型本体、管端保持金型、管端保持金型側シール工具、シール工具で構成される内部空間の形状に異形管を成形することを特徴とする異形管の液圧バルジ加工方法。
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