JP4060466B2 - 操作機構 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シート調節装置の操作機構の特に取付部分の構成に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来、スライドレール1のロック機構の作動アームと操作レバーとの取付部分は、製作精度の誤差を吸収するため、所定量のがたを設けた構成は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知例は、製作精度の誤差を吸収するために、所定量のがたを設けているが、組立後にこの「がた」があると、操作感が頗る悪いので、解消させるが、この構成が相当に複雑で、部品が多く、組立ては面倒であり、コストが高くなるという課題がある。
本発明は、構成を簡素にし、部品を少なく、組立を容易にし、特に、左右両側に設けたロック機構の二つの作動アームを連結するように操作レバーを取付けたときの取付位置の誤差も吸収するものである。
【0004】
【発明の目的】
構成の簡素化、部品点数の削減、組立容易化、製作、組立て誤差の吸収、ガタ付きの防止。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート側に固定のアッパーレール3および該アッパーレール3を摺動自在に嵌合させた車体側に固定のロアーレール2と、前記アッパーレール3を任意位置にて固定するロック片5と該ロック片5が選択係合する係合部からなるロック機構4とを有するシート調節装置において、前記ロック片5をロックからアンロックに変位させる作動アーム7と該作動アーム7を操作する操作レバー12との取付部分には、予め所定量の「がた」を設け、この「がた」方向に作用するバネ体22を介在させて固定した操作機構としたものである。
本発明は、作動アーム7の前部には操作レバー12の端部19を所定量の「がた」を有して上下に挟持しうる隙間18を形成する突出片15、16を設け、該突出片15、16の前側には操作レバー12のレバー側係合孔20に係合するアーム側係合軸17を設け、前記上下の突出片15、16には前記操作レバー12を上下から弾圧するバネ体22を設けた操作機構としたものである。
本発明は、シート側に固定のアッパーレール3および該アッパーレール3を摺動自在に嵌合させた車体側に固定のロアーレール2と、前記アッパーレール3を任意位置にて固定するロック片5と該ロック片5が選択係合する係合部からなるロック機構4とを有するシート調節装置において、前記ロック片5をロックからアンロックに変位させる作動アーム7と該作動アーム7を操作する操作レバー12とは、前記作動アーム7と前記操作レバー12の何れか一方に設けたアーム側係合軸17と何れか他方に設けたレバー側係合孔20との係合部分と、前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に設けた上下方向から弾圧するバネ体22と何れか他方の端部19との嵌合部分の2か所により取付けた操作機構としたものである。
本発明は、前記バネ体22は前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に設けた所定量の「がた」を有する上下の隙間18を形成する突出片15、16間に嵌合させた操作機構としたものである。
本発明は、前記ロック機構4は左右のスライドレール1の両方に夫々設け、左右両側のロック機構4の夫々の作動アーム7を、操作レバー12の両端側に取付けた操作機構としたものである。
【0006】
【実施例】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は車両用シート等に取付ける左右一対のスライドレール1であり、各スライドレール1はロアーレール2を車体等の固定部に固定し、該ロアーレール2にアッパーレール3を摺動自在に取付け、ロアーレール2とアッパーレールアッパーレール3の間にはアッパーレール3を任意位置にて固定するロック機構4を設ける。前記スライドレール1およびロック機構4は公知の構成であり、ロック機構4は、アッパーレール3にロック片5を設け、該ロック片5が選択係合する係合部6をロアーレール2に設ける。
【0007】
前記ロック片5には作動アーム7を取付ける。作動アーム7はその前後中間部をアッパーレール3に取付軸10により回動のみ自在に取付け、その前部にはアーム取付部11を形成し、該アーム取付部11に操作レバー12のレバー取付部13を取付ける。
前記作動アーム7のアーム取付部11は、作動アーム7の上下端に内側に突き出る突出片15、16を設け、該突出片15、16の前側には内側に突き出るアーム側係合軸17を設ける。
【0008】
一方、操作レバー12のレバー取付部13は、前記突出片15と突出片16の間の隙間18に挿入したとき、上下に所定量の「がた(余裕)」が相対的にできる上下幅に形成した端部19と、前記隙間18に挿入した状態で前記アーム側係合軸17に対応する部分の端部19に形成したレバー側係合孔20により構成する。
しかして、作動アーム7の隙間18には上下側に突き出る弾着バネ片21を有するバネ体22を嵌合させる。バネ体22はコの字形形状に形成し、前記弾着バネ片21は操作レバー12の端部19の上下幅よりも狭く上下に突き出すように形成する。
【0009】
したがって、前記アーム取付部11とレバー取付部13とバネ体22によりがた吸収部Aを構成し、がた吸収部Aはバネ体22の上下の弾着バネ片21の間に操作レバー12の左右の端部19を夫々嵌合させ、レバー取付部13のレバー側係合孔20と作動アーム7のアーム側係合軸17とを夫々係合させると、操作レバー操作レバー12はアーム側係合軸17とレバー側係合孔20との係合部分と、バネ体22の弾着バネ片21による上下挟持部の2点により支持されて固定され、製作・取付精度のずれを吸収する。
【0010】
特に、前記操作レバー12を平面視逆U形形状に形成し、その両端を作動アーム7に取付けたとき、左右のずれをも吸収して、ガタ付きを防止する。
即ち、ロック機構4を左右のスライドレール1に夫々設けて両側ロックとした場合、これを操作する操作レバー12の取付に効果を発揮する。
しかして、前記がた吸収部Aは、前記したように、アーム側係合軸17とレバー側係合孔20との係合部分と、バネ体22の弾着バネ片21による上下挟持部の2点により支持されて固定されればよいから、前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に係合軸17を、何れか他方に係合孔20を設け、また、前記アーム取付部11の突出片15と突出片16は作動アーム7の上下端に「外側」に突き出るように設けてよく、また、該突出片15、16に対して前記係合軸17は後側に設けてもよい。
【0011】
なお、前記ロック機構4は前記したとおり公知であり、ロック片5と係合部6の関係は、何れか一方が係合突起で、何れか他方が係合孔であればよく、図2では、係合爪に形成したロック片5aとこれが係合する係合孔6aと、係合孔に形成したロック片5bとこれが係合する係合爪6bの二つの実施例が記載されているが、これらに限定されるものではない。
また、前記ロック片5の相違により前記作動アーム7との取付は、前記係合爪6bに係合するロック片5bの場合は作動アーム7と一体に形成するが、係合孔6aに係合するロック片5aでは係合軸25と係合孔26からなるリンク機構を介在させて取付けているが、この点も本願の要件ではない。
【0012】
【作用】
次に作用を述べる。
スライドレール1のロック機構4の操作機構は、ロック片5をロックとアンロックとに移動させる作動アーム7の前部に取付部アーム取付部11を形成し、該アーム取付部11に操作レバー12の端部19をバネ体22を介して取付けているから、製作誤差によるばらつきを吸収し、がたなく取りつけることができ、取付精度を向上させ、操作感を向上させる。
即ち、作動アーム7のアーム取付部11と操作レバー12のレバー取付部13は、作動アーム7の先端のアーム側係合軸17と、操作レバー12のレバー側係合孔レバー側係合孔20との係合部分により一か所が支持され、更に、操作レバー12のレバー取付部13の端部19を作動アーム7のアーム取付部11の上下の突出片突出片15、16間の隙間18に嵌合されているバネ体22の弾着バネ片21間に嵌合することにより2か所で支持されて、かつ、バネ体22によりずれを吸収して押さえて、ガタ付きを防止する。
【0013】
実施例では、作動アーム7の先端のアーム側係合軸17を操作レバー12のレバー側係合孔20に係合させると、操作レバー12はアーム側係合軸17とレバー側係合孔20との係合により前後方向の位置決めがされる。
この状態では、操作レバー12の先端はアーム側係合軸17中心に上下回動するが、操作レバー12の先端はアーム側係合軸17の後側の上下の突出片15、16間に挿入するから、上下方向の位置決めおよび回動が停止されるが、まだ、操作レバー12の上下幅と突出片15、16の上下幅の相違から、がたが発生する。
そこで、上下の突出片15、16間にバネ体22を嵌合させ、操作レバー12のレバー取付部13の端部19をバネ体22の間に嵌合すると、操作レバー12はバネ体22により上下から弾圧され、この弾圧挟持部と前記アーム側係合軸17とレバー側係合孔20との係合部分の2か所によりずれを吸収して押さえて、ガタ付きを防止する。
【0014】
この場合、作動アーム7はアーム側係合軸17と突出片15、16を形成するだけであり、バネ体22はコの字形形状に形成した上下の部分に夫々内側に突き出るように弾着バネ片21を設ければよく、頗る簡単で、組立ても容易にでき、コストも非常に低くできる。
しかして、特に、前記操作レバー12を平面視逆U形形状に形成し、その両端を作動アーム7に取付けたときは、左右のアーム側係合軸17の長さにより左右間の誤差を吸収できる。
次ぎに、突出片15と突出片16の間の隙間18と端部19とは、上下に所定量の「がた(余裕)」が相対的にできる上下幅に形成しているから、仮に、左右の作動アーム7の高さ位置がずれていても、左右の端部19は夫々の隙間18に嵌合させることができ、しかも、バネ体22により上下から弾圧されて上下のガタ付きを防止する。
【0015】
したがって、ロック機構4を左右のスライドレール1に夫々設けて両側ロックとした場合、これを操作する操作レバー12の取付に効果を発揮するのである。しかして、突出片15、16および係合軸17および係合孔20は、夫々、作動アーム7と操作レバー12を製作過程で製造できるので、部品は不要であり、「がた」はバネ体22で吸収するので、部品点数は頗る少なく、製造、組立て全ての面で簡単である。
【0016】
【効果】
本発明は、シート側に固定のアッパーレール3および該アッパーレール3を摺動自在に嵌合させた車体側に固定のロアーレール2と、前記アッパーレール3を任意位置にて固定するロック片5と該ロック片5が選択係合する係合部からなるロック機構4とを有するシート調節装置において、前記ロック片5をロックからアンロックに変位させる作動アーム7と該作動アーム7を操作する操作レバー12との取付部分には、予め所定量の「がた」を設け、この「がた」方向に作用するバネ体22を介在させて固定した操作機構としたものであるから、バネ体22により所定量の「がた(余裕)」を形成すると共に、バネ体22により「がた」を吸収するので、部品点数は頗る少なく、製造、組立が容易である。
本発明は、作動アーム7の前部には操作レバー12の端部19を所定量の「がた」を有して上下に挟持しうる隙間18を形成する突出片15、16を設け、該突出片15、16の前側には操作レバー12のレバー側係合孔20に係合するアーム側係合軸17を設け、前記上下の突出片15、16には前記操作レバー12を上下から弾圧するバネ体22を設けた操作機構としたものであるから、簡単な構成で、実施が容易である。
本発明は、シート側に固定のアッパーレール3および該アッパーレール3を摺動自在に嵌合させた車体側に固定のロアーレール2と、前記アッパーレール3を任意位置にて固定するロック片5と該ロック片5が選択係合する係合部からなるロック機構4とを有するシート調節装置において、前記ロック片5をロックからアンロックに変位させる作動アーム7と該作動アーム7を操作する操作レバー12とは、前記作動アーム7と前記操作レバー12の何れか一方に設けたアーム側係合軸17と何れか他方に設けたレバー側係合孔20との係合部分と、前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に設けた上下方向から弾圧するバネ体22と何れか他方の端部19との嵌合部分の2か所により取付けた操作機構としたものであるから、製造組立てが容易であり、異音の発生もなく、最も効果的なバネ体22の使用方法にできる。
本発明は、前記バネ体22は前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に設けた所定量の「がた」を有する上下の隙間18を形成する突出片15、16間に嵌合させた操作機構としたものであるから、最も効果的なバネ体22の使用方法にできる。
本発明は、前記ロック機構4は左右のスライドレール1の両方に夫々設け、左右両側のロック機構4の夫々の作動アーム7を、操作レバー12の両端側に取付けた操作機構としたものであるから、左右のロック機構4の製造取付誤差を吸収し、製造組立てが容易であり、異音の発生もなく、操作感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 左右のスライドレールの概略平面図。
【図2】 取付部分の斜視図。
【図3】 上下の誤差を示した断面図(左右のレバー位置は同じである)。
【図4】 他の実施例の斜視図。
【図5】 他の実施例の斜視図。
【符号の説明】
1…スライドレール、2…ロアーレール、3…アッパーレール、4…ロック機構、5…ロック片、6…係合部、7…作動アーム、10…取付軸、11…アーム取付部、12…操作レバー、13…レバー取付部、15…突出片、16…突出片、17…アーム側係合軸、18…隙間、19…端部、20…レバー側係合孔、21…弾着バネ片、22…バネ体、25…係合軸、26…係合孔。

Claims (5)

  1. シート側に固定のアッパーレール3および該アッパーレール3を摺動自在に嵌合させた車体側に固定のロアーレール2と、前記アッパーレール3を任意位置にて固定するロック片5と該ロック片5が選択係合する係合部からなるロック機構4とを有するシート調節装置において、前記ロック片5をロックからアンロックに変位させる作動アーム7と該作動アーム7を操作する操作レバー12との取付部分には、予め所定量の「がた」を設け、この「がた」方向に作用するバネ体22を介在させて固定した操作機構。
  2. 請求項1において、作動アーム7の前部には操作レバー12の端部19を所定量の「がた」を有して上下に挟持しうる隙間18を形成する突出片15、16を設け、該突出片15、16の前側には操作レバー12のレバー側係合孔20に係合するアーム側係合軸17を設け、前記上下の突出片15、16には前記操作レバー12を上下から弾圧するバネ体22を設けた操作機構。
  3. シート側に固定のアッパーレール3および該アッパーレール3を摺動自在に嵌合させた車体側に固定のロアーレール2と、前記アッパーレール3を任意位置にて固定するロック片5と該ロック片5が選択係合する係合部からなるロック機構4とを有するシート調節装置において、前記ロック片5をロックからアンロックに変位させる作動アーム7と該作動アーム7を操作する操作レバー12とは、前記作動アーム7と前記操作レバー12の何れか一方に設けたアーム側係合軸17と何れか他方に設けたレバー側係合孔20との係合部分と、前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に設けた上下方向から弾圧するバネ体22と何れか他方の端部19との嵌合部分の2か所により取付けた操作機構。
  4. 請求項3において、前記バネ体22は前記作動アーム7と操作レバー12の何れか一方に設けた所定量の「がた」を有する上下の隙間18を形成する突出片15、16間に嵌合させた操作機構。
  5. 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記ロック機構4は左右のスライドレール1の両方に夫々設け、左右両側のロック機構4の夫々の作動アーム7を、操作レバー12の両端側に取付けた操作機構。
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