JP4060027B2 - ビタミンk含有組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性、特に光安定性と加温安定性に優れたビタミンK含有組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂溶性ビタミンであるメナテトレノン、フィトナジオン等のビタミンKは、生体における強い止血作用を有し、低プロトロンビン血症、新生児低プロトロンビン血症、出血等の治療剤として広く使用されているが、光に非常に不安定である為、製剤化にあたっては種々の工夫がなされている。
カプセル剤としては、光に不安定なビタミンKを覆うカプセル皮膜中に着色剤、安定化剤を含有させた製剤化技術が知られており、例えば,特開昭42ー4062号公報および特開昭61ー275214号公報には油脂中に溶解させたメナテトレノンの遮光を行うために、軟カプセル基剤中に酸化チタン、食用赤色4号、食用赤色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等の着色剤を添加した経口用メナテトレノン軟カプセルが開示され、特開昭63ー215641号公報には、カプセルゼラチン皮膜中にカラメルとアミノ酸を配合することによりビタミンK等の光安定性が向上したゼラチン皮膜組成物が開示されている。
しかし、散剤、顆粒剤、細粒剤等への適用した例はほとんど知られておらず、例えば、特開2000ー7583号公報に、光に不安定な脂溶性薬物、油状成分並びに、黄色及び/又は赤色の着色剤を水溶性高分子溶液中に均一に乳化、分散又は懸濁させ、製剤化助剤を加えて混合、造粒又はコーティングし、乾燥してなる光安定性の向上した製剤が、開示されているにすぎない。しかしながら、この方法によってもビタミンKを含有する散剤、顆粒剤、細粒剤等の光安定化効果は十分ではなく、これら散剤、顆粒剤、細粒剤のバラ包装やその院内調剤における安定性が危惧される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記製剤化技術によっても、製剤中に含有されるビタミンKの光安定性は十分ではなく、更なる改善、特にバラ包装や院内調剤に耐えうる製剤が求められている。すなわち、光安定性を始めとして十分な安定性を有する散剤、顆粒剤及び/又は細粒剤が求められている。
以上の現状を鑑み、本発明は、ビタミンKを含有する組成物のより一層の安定化を目的とするものであり、特に、散剤、顆粒剤、細粒剤等の光安定性向上を図るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ビタミンKを配合してなる核に、中間皮膜を被覆し、更に着色剤を含有する遮光性皮膜を被覆してなるビタミンK含有組成物である。ビタミンKは、例えば、メナテトレノン、フィトナジオン又はメナジオンが挙げられる。
尚、ビタミンK含有組成物の剤形は特に限定されないが、経口製剤が望ましく、特に望ましくは、散剤、顆粒剤、細粒剤、又は錠剤である。
【0005】
本発明において、核とは、ビタミンKを配合した散剤、顆粒剤、細粒剤、又は錠剤などを意味する。
ビタミンKを配合してなる核は、ビタミンKと製剤化助剤を混合して造粒、整粒を施した散剤、顆粒剤、細粒剤を使用しても良いし、またそれを打錠した錠剤を用いてもよい。また、精製白糖、白糖・デンプン混合物若しくは結晶セルロース等から成る球状顆粒をシード顆粒として、その上にビタミンKを必要に応じて賦形剤や結合剤と共にコーティングを施した顆粒剤、細粒剤を使用しても良いし、またそれを打錠した錠剤を用いてもよい。特に、以下の方法により、ビタミンKを配合してなる核を製造することにより、ビタミンKの生体内吸収性に極めて優れた組成物とすることができる。即ち、ビタミンK及び油状成分を水溶性高分子溶液中に均一に乳化、分散又は懸濁させ、製剤化助剤を加えて混合、造粒又はコーティングし、乾燥して、必要に応じて整粒した粉体を核として使用することにより、これに中間皮膜を被覆し、更に着色剤を含有する遮光性皮膜を被覆してなるビタミンK含有組成物は、生体内吸収性と安定性に優れるという特性を有するのである。
ここで、油状成分としては、植物油、合成油等が挙げられ、植物油としては、例えば、大豆油、コーン油、コーン胚芽油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、ナタネ油等が、合成油としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、飽和ポリグルコール化グリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられるが、特に好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び/又は飽和ポリグルコール化グリセリドである。尚、飽和ポリグルコール化グリセリドは、天然の水素添加ヒマシ油をポリエチレングリコールでポリグリコリシスすることによって得られ、モノ、ジ及びトリグリセリドとポリエチレングリコールのモノ、ジ脂肪酸エステルを一定の比率で含んでいる合成油であり、例えばGelucire(商品名){製造販売 Gattefosse社}が挙げられる。
水溶性高分子基剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸フタル酸セルロース、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマー、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、マクロゴールなどが挙げられるが、特に好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースである。水溶性高分子溶液とは、上記の水溶性高分子基剤を含む水溶液もしくは種々の有機溶媒溶液もしくは含水有機溶媒溶液のいずれでも良い。
また、製剤化助剤とは、本発明にビタミンKを配合してなる核を製造する際に用いる賦形剤や添加剤を意味するものであり、例えば、乳糖、白糖、コーンスターチ、マンニット、デンプン、部分α化デンプン、結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、αーシクロデキストリン、βーシクロデキストリン、γーシクロデキストリン、プルラン、アラビアゴム、ケイ酸類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸フタル酸セルロース、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマー、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、マクロゴール等を挙げることができる。
また、本発明に係る光に不安定な脂溶性薬物と油状成分との配合比率は、通常、脂溶性薬物1重量部に対して油状成分0.1〜60重量部であり、好ましくは、0.5〜10重量部である。さらに、水溶性高分子溶液の濃度は、通常0.1〜40重量部であり、好ましくは、1〜20重量部である。
製剤化助剤を添加して行う混合、造粒又はコーティングは、通常用いられる装置により行うことができ、例えば、流動層造粒装置、転動造粒装置、押し出し造粒装置を使用することができる。得られた散剤、顆粒剤、細粒剤等は必要に応じて崩壊剤、滑沢剤等を混合して錠剤とすることもできる。
【0006】
ビタミンKは、光照射下で極めて不安定である為、ビタミンKを配合してなる核に着色剤を含有する遮光性皮膜を被覆する必要がある。
しかし、ビタミンKは加温加湿条件下で酸化分解し易い為、金属塩が主体である着色剤を含有する遮光性皮膜との直接接触は好ましくない。そこで、ビタミンKを配合してなる核と着色剤を含有する遮光性皮膜の中間に、不活性な中間皮膜を施すことが必要なのである。ここで不活性な中間皮膜とは、ビタミンKの安定性に悪影響を及ぼさない皮膜であり、ビタミンKは加温・加湿保存下において酸化を受ける為、特に、水分透過性及び酸素透過性の低い皮膜が好ましい。不活性な中間皮膜は水溶性高分子、水不溶性高分子、水溶解性物質、水分散性物質のいずれを含有していても良い。展延性のある膜を形成する主成分は、水溶性高分子及び/又は水不溶性高分子であり、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、エチルセルロース等が挙げられるが、望ましくは、水分透過性及び酸素透過性の低いメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び/又はポリビニルアルコールであり、特に望ましくは、メチルセルロースである。メチルセルロースは、特に、その水溶液の粘度が低く、顆粒、細粒、散剤同士の粘着を生じにくい特性を有している。水溶性高分子及び/又は水不溶性高分子を主成分とする皮膜中には、糖、糖アルコールなどの水溶解性物質、タルク、結晶セルロース等の水分散性物質を添加してもよい。
遮光性皮膜も、水分透過性及び酸素透過性の低い皮膜が好ましい。展延性のある遮光性皮膜を形成する主成分は、水溶性高分子及び/又は水不溶性高分子と着色剤である。遮光性皮膜中の水溶性高分子及び/又は水不溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、エチルセルロース等が挙げられるが、望ましくは、水分透過性及び酸素透過性の低いメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び/又はポリビニルアルコールである。また、遮光性皮膜中に含有される着色剤は、特に限定されないが、黄色、赤色、緑色及び/又は白色の着色剤が望ましく、黄色の着色剤としては、例えば黄色三二酸化鉄、黄酸化鉄、食用黄色4号アルミニウムレーキ及びベンガラを挙げられる。また、赤色の着色剤としては、例えば、三二酸化鉄を、緑色の着色剤としては、例えば、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウムを、白色の着色剤としては、例えば、酸化チタンを挙げることができる。本発明においては、これらを単独で用いることもできるし、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明における遮光性皮膜中の着色剤の配合比率は、5〜70重量%であり、好ましくは10〜60重量%であり、更に好ましくは20〜50重量%である。
【0007】
メナテトレノンは日本薬局方外医薬品規格に、フィトナジオンは日本薬局方に収載されている物質であり、市販のものを容易に入手可能である。
黄色の着色剤のうち黄色三二酸化鉄及び黄酸化鉄は、医薬品添加物規格に、食用黄色4号アルミニウムレーキ及びベンガラは食品添加物規格に収載されている物質であり、市販のものを容易に入手可能である。
さらに、赤色の着色剤の三二酸化鉄は医薬品添加物規格品であり、緑色の着色剤の銅クロロフィリンナトリウムは日本薬局方外医薬品規格であり、白色の着色剤の酸化チタンは日本薬局方規格品であり、市販のものを容易に入手できる。
【0008】
また、本発明は、ビタミンKを配合してなる核に、中間皮膜を被覆し、更に着色剤を含有する遮光性皮膜を被覆することを特徴とする安定なビタミンK含有組成物の製造方法である。本発明に係る中間皮膜及び遮光性皮膜は、ビタミンKの光安定性及び加温加湿安定性を確保する機能を有していることから、コーティング時には、ビタミンKを配合してなる核に対して十分に展延して、核のいずれの部位に対しても均一の厚さに被覆されることが望ましい。もし、皮膜の展延性が十分でなく、皮膜の一部に薄い部分や脆弱な部分が存在すると、その部分から水分や酸素が侵入すると共に、ビタミンKが着色剤を含有する遮光性皮膜と直接に接触する為に、ビタミンKの分解が促進される為である。中間皮膜及び遮光性皮膜のコーティング方法は、特に限定されず、例えば、流動層造粒装置、遠心流動型造粒装置を用いたコーティングが挙げられるが、望ましくは、流動層造粒装置を用いたコーティングである。流動層コーティング装置を用いたコーティングとしては、核を流動させて粉体の上部から噴霧を行なう通常の流動層法、核を装置下部の回転円板上で渦巻き状の転動をさせると共に低位置から粉体粒子層内部に噴霧を行なう転動流動層法などがあげられるが、特に望ましくは、転動流動層法による流動層コーティングである。転動流動法による流動層コーティングは、核表面における皮膜の展延性に極めて優れ、表面の滑らかな皮膜を形成する方法であるからである。
【0009】
本発明に係るビタミンK含有組成物及びビタミンK含有組成物の製造方法により、ビタミンK含有組成物、特に散剤、顆粒剤、細粒剤または錠剤の光安定性と加温加湿下での安定性の両者において、従来技術よりも驚くべき格段の安定性向上を図ることが可能である。したがって、本発明は、従来、ビタミンK製剤においては、その経時的安定性の低さの観点から、難しいと考えられていた散剤、顆粒剤、細粒剤のバラ包装や院内調剤の実施を可能とする画期的な技術である。
【0010】
本発明に係る組成物は、例えば、以下の方法により製造することができる。フィトナジオン30gをプロピレングリコール脂肪酸エステル170g中に加温溶解させた溶液中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの10%水溶液を1000g添加し乳化液を調製する。次にこの乳化液を、流動層造粒装置中で白糖1000g、乳糖500g、コーンスターチ100gの流動粉体にスプレーして造粒し、篩にかけて粒度を調整することにより、散剤、顆粒剤、細粒剤等のビタミンKを配合してなる核を調製する。又は、これらの散剤、顆粒剤、細粒剤等の1900gに、ステアリン酸マグネシウム10gとクロスカルメロースナトリウム100gの両者を混合し、径7.5mmの杵で打錠し、錠剤であるビタミンKを配合してなる核を調製する。
次に、核800gに、タルクを均一分散させた10%メチルセルロース水溶液をコーティングして中間皮膜60gを被覆し、更に、三二酸化鉄、酸化チタン及びタルクを均一分散させた10%メチルセルロース水溶液をコーティングして着色剤を含有する遮光性皮膜115gを被覆することにより、安定性に優れた散剤、顆粒剤、細粒剤又は錠剤等のビタミンK含有組成物を製造することができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明によるとメナテトレノン、フィトナジオン等のビタミンK含有組成物の優れた光安定性及び加温安定性の確保が可能である。その効果例を以下に示す。
実験例
【0012】
中間皮膜によるビタミンKの安定化効果
下記に示す実施例1〜3で得られた「メナテトレノンを配合した素顆粒(核)に、中間皮膜を被覆し、更に着色剤(三二酸化鉄、酸化チタン)を含有する遮光性皮膜を被覆したメナテトレノン含有顆粒」の安定性試験を行なった。光安定性試験は、シャーレ上にメナテトレノン含有顆粒を均一に配置して、25℃相対湿度75%の恒温槽内でキセノンランプ20000Lux光照射を60時間(120万lux・hr照射)行ない、また、加温加湿安定性試験は、メナテトレノン含有顆粒を褐色ガラス瓶(蓋なし)に入れ、40℃相対湿度75%開放条件下で1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の保存をすることにより行なった。この保存品について、高速液体クロマトグラフィーによりメナテトレノン含量(対初期残存率)を測定した。
尚、対照実験として、メナテトレノンを配合した素顆粒(対照例1)、メナテトレノンを配合した素顆粒(核)に中間皮膜を被覆せずに、着色剤(三二酸化鉄10〜30mg、酸化チタン14mg)を含有する遮光性皮膜で直接被覆したビタミンK含有顆粒」(対照例2〜対照例4)について、同様の実験を行なった。
表1に、実施例1〜3と対照例1〜4の処方を示した。またキセノンランプ120万lux・hr照射品におけるメナテトレノン含量を表2に示した。さらに、40℃相対湿度75%下での保存におけるメナテトレノン含量の経時変化を図1(実施例1〜3と対照例1)及び図2(対照例1〜4)に示した。
また、皮膜を構成する着色剤(三二酸化鉄、酸化チタン)及び賦形剤(タルク、メチルセルロース)とメナテトレノンとの接触試験による安定性の評価を、各添加剤ごとに行なった。即ち、各添加剤:メナテトレノン=50:1の重量配合比で乳鉢上でよく混合して、60℃で1ヶ月間保存し、高速液体クロマトグラフィーによりメナテトレノン含量(対初期残存率)を測定を行なった。
接触試験(60℃で1ヶ月間保存)の結果を表3に示した。
【0013】
【表1】
Figure 0004060027
【0014】
【表2】
Figure 0004060027
【0015】
【表3】
Figure 0004060027
【0016】
表2に示されるように、遮光性皮膜を施さない素顆粒(対照例1)では、光照射下において、メナテトレノン含量の大きな低下が認められたが、中間皮膜被覆後の遮光性皮膜の被覆量を多くするほど、また、遮光性皮膜中の着色剤(三二酸化鉄、酸化チタン)の量を多くするほど、光照射下におけるメナテトレノン含有顆粒中のメナテトレノン含量は高く維持され、光安定性の向上が認められた。ビタミンKを配合してなる核に、中間皮膜を被覆し、更に着色剤を含有する遮光性皮膜の被覆を施すことが、ビタミンKの光安定性改善に大きな効果があることは明らかである。
【0017】
さらに、図1に示す40℃相対湿度75%開放条件下における加温加湿安定性試験において、遮光性皮膜を施さない素顆粒(対照例1)と比較して、中間皮膜被覆後に遮光性皮膜を被覆した顆粒剤の安定性が高く(特に6ヶ月経過後)、遮光性皮膜の被覆量を多くするほど、メナテトレノン含有顆粒中のメナテトレノン含量の経時的安定性の向上が認められた。一方、図2に示したメナテトレノンを配合した素顆粒に中間皮膜を被覆せずに遮光性皮膜で直接被覆したビタミンK含有顆粒(対照例2〜対照例4)においては、遮光性皮膜を施さない素顆粒(対照例1)と比較して、メナテトレノン含量の経時的な低下が認められた。また、表3の添加剤との接触試験では、着色剤の三二酸化鉄及び酸化チタンとの接触によるメナテトレノンの分解が確認された。
以上から、ビタミンKを配合してなる核と着色剤を含有する遮光性皮膜の直接接触は、加温加湿条件下におけるビタミンKの分解を促進する為に好ましくなく、ビタミンKを配合してなる核と着色剤を含有する遮光性皮膜の中間に、不活性な中間皮膜を施すことは、ビタミンK含有顆粒中におけるビタミンKの安定性向上に大きく寄与することは明らかである。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるわけではない。
【0019】
実施例1〜3
マンニトール3640g、乳糖2860g、軽質無水ケイ酸1300g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース845g及びクロスカルメロースナトリウム390gを、攪拌混合した後に、あらかじめ、メナテトレノン195gをプロピレングリコール脂肪酸エステル325gとグリセリン脂肪酸エステル455gの混合油状成分中に加温して溶解させた溶液を加えて吸着させた。次に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース260gを精製水2000mlに溶解させた水溶液を添加して練合後に、円筒造粒機を用いて押出し造粒(スクリーン径0.8mm)を行なった後に整粒して素顆粒(ビタミンKを配合してなる核)を調製した。
次に、転動流動層造粒装置(パウレック社、MPー01)を用いて、素顆粒790gに、タルクを分散させたメチルセルロース水溶液を転動流動法によりコーティングして中間皮膜60gを被覆し、さらに、三二酸化鉄、酸化チタン、タルクを均一分散させたメチルセルロース水溶液を転動流動法によりコーティングして、着色剤を含有する遮光性皮膜(実施例1:76.6g、実施例2:115g、実施例3:153.4g)を被覆し、顆粒(実施例1:.926.6mg、実施例2:965mg、実施例3:1003.4mg)中にビタミンK15mgを含有する安定なビタミンK含有顆粒剤を得た。
処方を表1に示した。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1〜3と対照例1のビタミンK含有顆粒剤に関して、40℃相対湿度75%での保存下におけるメナテトレノン含量の経時変化の推移を示すグラフである。
【0022】
【図2】対照例1〜4のビタミンK含有顆粒剤に関して、40℃相対湿度75%での保存下におけるメナテトレノン含量の経時変化の推移を示すグラフである。

Claims (9)

  1. ビタミンKを配合してなる核に、中間皮膜を被覆し、更に着色剤を含有する遮光性皮膜を被覆してなるビタミンK含有組成物
  2. 着色剤が黄色三二酸化鉄、黄酸化鉄、三二酸化鉄、ベンガラ、銅クロロフィリンナトリウム、黄色4号アルミニウムレーキ及び/又は酸化チタンである請求項1記載のビタミンK含有組成物
  3. 中間皮膜及び/又は遮光性皮膜中に、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び/又はポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1記載のビタミンK含有組成物
  4. 中間皮膜が、水溶性高分子、水不溶性高分子、水溶解性物質及び/又は水分散性物質から成る請求項1記載のビタミンK含有組成物
  5. ビタミンKが、メナテトレノン、フィトナジオン又はメナジオンである請求項1記載のビタミンK含有組成物
  6. ビタミンKを配合してなる核が、ビタミンK及び油状成分を水溶性高分子溶液中に均一に乳化、分散又は懸濁させ、製剤化助剤を加えて混合、造粒し、乾燥してなる請求項1記載のビタミンK含有組成物
  7. 油状成分が、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び/又は飽和ポリグルコール化グリセリドである請求項6記載のビタミンK含有組成物
  8. ビタミンK含有組成物が、散剤、顆粒剤、細粒剤、又は錠剤である請求項1〜7のいずれか1項記載のビタミンK含有組成物
  9. ビタミンKを配合してなる核に、中間皮膜を被覆し、更に着色剤を含有する遮光性皮膜を被覆することを特徴とする安定なビタミンK含有組成物の製造方法
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