JP2020094024A - レベチラセタム含有フィルムコート錠及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法 - Google Patents

レベチラセタム含有フィルムコート錠及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法 Download PDF

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裕美 池田
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Abstract

【課題】調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下、特に変色(退色)を抑制することができる、レベチラセタム含有フィルムコート錠及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法を提供する。【解決手段】レベチラセタムを含有する素錠を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆したフィルムコート錠であって、前記素錠と、前記フィルムコート層との間に、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層を有するレベチラセタム含有フィルムコート錠などである。【選択図】なし

Description

本発明は、レベチラセタム含有フィルムコート錠及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法に関する。
レベチラセタムは、下記構造式で表される化合物である(化学名:(2S)−2−(2−Oxopyrrolidine−1−yl)butyramide)。レベチラセタムは、現在、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法などに用いられている。
これまでに、有効成分としてのレベチラセタム、並びに薬剤組成物の全重量に対して、崩壊剤2.0〜9.0重量%、滑剤0.0〜3.0重量%、結合剤0.5〜6.0重量%、及び潤滑剤0.0〜1.0重量%を含む薬剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記提案では、有効成分の適時放出が遅れ、したがって薬物組成物の安定性の低下に至ることがあるという問題を解決することを課題としている。
また、市販品としては、青色のフィルムコート錠としたイーケプラ(登録商標)錠250mgなども販売されている。
一方、最近の医薬品の調剤現場では、錠剤などの一包化が普及するのに伴い、自動錠剤分包機が多く導入されている。この自動錠剤分包機では、錠剤が非包装状態でタブレットケース内に保管されるため、湿度、温度などの保存環境の影響などにより、品質低下を生ずる場合があることが報告されている。
したがって、調剤環境や保存環境などの影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下を抑制することができる技術の速やかな提供が強く求められているのが現状である。
特表2009−502835号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下、特に変色(以下、「退色」と称することがある。)を抑制することができる、レベチラセタム含有フィルムコート錠及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> レベチラセタムを含有する素錠を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆したフィルムコート錠であって、
前記素錠と、前記フィルムコート層との間に、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層を有することを特徴とするレベチラセタム含有フィルムコート錠である。
<2> 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のレベチラセタム含有フィルムコート錠である。
<3> レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する工程と、
前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する工程とを含むことを特徴とするレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法である。
<4> 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である前記<3>に記載のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法である。
<5> レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する工程と、
前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する工程とを含むことを特徴とするレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法である。
<6> 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である前記<5>に記載のレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下、特に変色を抑制することができる、レベチラセタム含有フィルムコート錠及びその製造方法、並びにレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法を提供することができる。
(レベチラセタム含有フィルムコート錠)
本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠は、レベチラセタムを含有する素錠を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆したフィルムコート錠であって、前記素錠と、前記フィルムコート層との間に、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層を有し、必要に応じて更にその他の構成を含む。
<素錠>
前記素錠は、レベチラセタムを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−レベチラセタム−
前記レベチラセタムは、下記構造式で表される化合物である(化学名:(2S)−2−(2−Oxopyrrolidine−1−yl)butyramide)。
前記レベチラセタムは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記レベチラセタムのレベチラセタム含有フィルムコート錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、70質量%〜98質量%などが挙げられる。
−その他の成分−
前記素錠におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動化剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、賦形剤、矯味剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記素錠におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記素錠におけるその他の成分のレベチラセタム含有フィルムコート錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−流動化剤−−
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−崩壊剤−−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デンプン(トウモロコシデンプン等)、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−結合剤−−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−滑沢剤−−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−賦形剤−−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マンニトール(以下、「D−マンニトール」と称することがある)、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、乳糖(無水物であってもよいし、水和物であってもよい)、白糖、タルク、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−矯味剤−−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−香料−−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記素錠の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−素錠の製造方法−
前記素錠の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記レベチラセタムと、必要に応じて前記その他の成分とを混合した混合物に、前記結合剤を水又は含水有機溶媒に溶解させた結合液を添加して造粒し、得られた造粒物に滑沢剤と、必要に応じて前記その他の成分とを添加し、これを打錠して製造する方法、前記レベチラセタムと、必要に応じて前記その他の成分とを混合した混合物を打錠して製造する方法などが挙げられる。
前記混合、造粒、及び打錠の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記素錠の製造工程では、更に、造粒物を解砕したり、乾燥したりする処理を含んでもよい。前記解砕は、湿式であってもよいし、乾式であってもよい。
<水溶性高分子含有層>
前記水溶性高分子含有層は、水溶性高分子を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−水溶性高分子−
前記水溶性高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、レベチラセタム含有フィルムコート錠の変色をより抑制することができる点で、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、レベチラセタム含有フィルムコート錠のフィルムの浮き等の外観変化をより抑制することができる点で、ポリビニルアルコールがより好ましい。
前記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合物である。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度、及びけん化度は、原料となる酢酸ビニルを適宜調整することにより、調整することができる。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200〜3,500が好ましく、300〜2,200がより好ましい。なお、前記平均重合度は、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記ポリビニルアルコールのけん化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65mоl%以上が好ましく、78mоl%以上がより好ましい。これらの中でも、前記けん化度が、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)、97mоl%以上(完全けん化物)がさらに好ましく、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)が特に好ましい。なお、前記けん化度は、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば、ゴーセノール(登録商標)EG−03、EG−05、EG−25、EG−30、EG−40(日本合成化学工業株式会社製)、ポリビニルアルコール4−88、5−88、8−88、26−88、40−88(メルク製)、PVA−102、103、105、110、117、120、124、HC、203、205、210、217、220、224、235、L−8、L−9、L−9−78、L−10、PVA−505(株式会社クラレ製)などが挙げられる。
前記水溶性高分子は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記水溶性高分子のレベチラセタム含有フィルムコート錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記素錠の質量に対して、1質量%〜6質量%が好ましく、1質量%〜4質量%がより好ましい。前記好ましい範囲内であると、レベチラセタム含有フィルムコート錠の変色をより抑制することができる点で、有利である。
−その他の成分−
前記水溶性高分子含有層におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した素錠におけるその他の成分と同様のものなどが挙げられる。
前記その他の成分の水溶性高分子含有層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水溶性高分子含有層は、少なくとも前記素錠の一部を被覆していればよいが、前記素錠の全体を被覆していることが好ましい。
前記水溶性高分子含有層は、1層であってもよいし、2層以上の複層であってもよい。
<フィルムコート層>
前記フィルムコート層は、着色剤(以下、「色素」と称することもある。)を少なくとも含み、コーティング剤と、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、青色2号アルミニウムレーキ、青色2号、青色1号、青色1号アルミニウムレーキ等の青色の着色剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記着色剤のフィルムコート層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−コーティング剤−
前記コーティング剤(以下、「コーティング基剤」と称することもある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記コーティング剤は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記コーティング剤のフィルムコート層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−その他の成分−
前記フィルムコート層におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した素錠におけるその他の成分と同様のものや、遮光剤、可塑剤、光沢剤などが挙げられる。
前記フィルムコート層におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分のフィルムコート層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−遮光剤−−
前記遮光剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−可塑剤−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、トリアセチン、ヒマシ油、プロピレングリコール、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴール35000等のマクロゴールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−光沢剤−−
前記光沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セタノール、硬化油、サラシミツロウ、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール、カルナウバロウなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フィルムコート層のレベチラセタム含有フィルムコート錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水溶性高分子含有層で被覆された素錠の質量に対して、1質量%〜8質量%が好ましい。
前記フィルムコート層は、少なくとも前記水溶性高分子含有層で被覆された素錠の一部を被覆していればよいが、前記水溶性高分子含有層で被覆された素錠の全体を被覆していることが好ましい。
前記フィルムコート層は、1層であってもよいし、2層以上の複層であってもよい。
<その他の構成>
前記その他の構成としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠は、調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下、特に変色を抑制することができる。
前記レベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法により製造することが好ましい。
(レベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法)
本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法は、第1の被覆工程と、第2の被覆工程とを少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
<第1の被覆工程>
前記第1の被覆工程は、レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する工程である。
前記レベチラセタム、素錠、水溶性高分子、及び水溶性高分子含有層は、上述した本発明の(レベチラセタム含有フィルムコート錠)の項目に記載したものと同様である。
−第1の被覆−
前記レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する方法としては、特に制限はなく、公知の被覆方法を適宜選択することができ、例えば、前記水溶性高分子と、必要に応じて前記その他の成分を含有するコート液を前記素錠に塗布又は噴霧したり、前記素錠を前記コート液に浸漬させたりする方法などが挙げられる。
前記第1の被覆は、ドリップ型コーティング、パンコーティング等の公知の装置を用い、適宜選択した条件で行うことができる。
<第2の被覆工程>
前記第2の被覆工程は、前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する工程である。
前記水溶性高分子含有層、着色剤、及びフィルムコート層は、上述した本発明の(レベチラセタム含有フィルムコート錠)の項目に記載したものと同様である。
−第2の被覆−
前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する方法としては、特に制限はなく、公知の被覆方法を適宜選択することができ、例えば、前記着色剤と、前記コーティング基剤と、必要に応じて前記その他の成分を含有するフィルムコート液を前記水溶性高分子含有層で被覆された素錠に塗布又は噴霧したり、前記水溶性高分子含有層で被覆された素錠を前記フィルムコート液に浸漬させたりする方法などが挙げられる。
前記フィルムコート液は、各種成分が予め配合されたプレミックスの市販品を用いることもできる。
前記第2の被覆は、ドリップ型コーティング、パンコーティング等の公知の装置を用い、適宜選択した条件で行うことができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レベチラセタムを含有する素錠を調製する素錠調製工程などが挙げられる。
本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法によれば、調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下、特に変色が抑制された本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠を効率良く製造することができる。
(レベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法)
本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法は、第1の被覆工程と、第2の被覆工程とを少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
<第1の被覆工程>
前記第1の被覆工程は、レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する工程であり、上述した本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法における<第1の被覆工程>の項目に記載したものと同様である。
<第2の被覆工程>
前記第2の被覆工程は、前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する工程であり、上述した本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法における<第2の被覆工程>の項目に記載したものと同様である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法における<その他の工程>の項目に記載したものなどが挙げられる。
本発明のレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法によれば、調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下、特に変色を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<素錠の製造>
−造粒用混合粉体の調製−
レベチラセタム(Lupin社製) 500gと、軟質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社製、アドソリダー101) 1.0gと、クロスカルメロースナトリウム(DFE Pharma社製、プリメロース) 15gとを混合し、造粒用混合粉体とした。
−結合液の調製−
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、グレードSSL) 5gをエタノール水溶液 50g(水 35g、エタノール 15g)に溶解させ、結合液とした。
−造粒−
前記造粒用混合粉体を攪拌造粒機(NMG−5型、株式会社奈良機械製作所製)に投入し、混合しながら前記結合液を添加した。更に、3分間造粒し、造粒物を得た。
−解砕−
前記造粒物をスクリーン径 1.58mmの解砕機(株式会社パウレック製、コーミル)で湿式解砕した。
−乾燥−
前記解砕した造粒物を、流動層乾燥機(株式会社パウレック製、MP−01)を用いて乾燥した。
−解砕−
前記乾燥後、スクリーン径 0.81mmの解砕機(株式会社パウレック製、コーミル)で乾式解砕した。
−滑沢剤混合前粉体の調製−
前記解砕した造粒物に対して、0.2質量%量の軟質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社製、アドソリダー101)を添加し、滑沢剤混合前粉体とした。
−打錠用顆粒の調製−
前記滑沢剤混合前粉体 200gに対して、0.96質量%量のフマル酸ステアリルナトリウム(レッテンマイヤージャパン株式会社製、PRUV(登録商標))を添加して混合し、打錠用顆粒とした。
−打錠−
前記打錠用顆粒を、ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製)と、直径 9.0mmの円形状杵とを用い、打圧 1,300kgで打錠し、錠剤(素錠)を得た。
<水溶性高分子含有層の形成>
−コート液の調製−
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、グレードL) 12gを水 188gに溶解させ、コート液とした。
−コーティング−
自動コーティング装置(フロイント産業株式会社製)を用いて、フィルムコート錠1錠あたりの水溶性高分子の量が5.3mg(素錠に対する水溶性高分子の量は、2質量%)となるように、前記コート液で前記素錠を被覆した。
<フィルムコート層の形成>
自動コーティング装置(フロイント産業株式会社製)を用いて、フィルムコート錠1錠あたりのフィルムコート層の量が10.5mgとなるように、着色剤として青色2号アルミニウムレーキを含むフィルムコート液(Colorcon社製、オパドライII 85F)で前記水溶性高分子含有層を形成した錠剤を被覆し、青色のフィルムコート錠を得た。
表1に錠剤1錠中の処方を示す。
(実施例2)
前記実施例1の<水溶性高分子含有層の形成>におけるヒドロキシプロピルセルロースをヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、TC−5R)に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、青色のフィルムコート錠を得た。
(実施例3)
前記実施例1の<水溶性高分子含有層の形成>におけるヒドロキシプロピルセルロースをポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールEG−05PW(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%))に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、青色のフィルムコート錠を得た。
(比較例1)
前記実施例1において、<水溶性高分子含有層の形成>を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にして、青色のフィルムコート錠を得た。
(評価)
前記実施例1〜3及び比較例1で得られたフィルムコート錠を以下の条件で保存し、試験用検体とした。
(1) 4℃、密閉(イニシャルに相当)条件で、2週間又は4週間保存した。
(2) 40℃、相対湿度75%、開放条件で、2週間又は4週間保存した。
−色差の測定−
分光測色計(コニカミノルタ製、型式CM−2600d)を用いて、イニシャルを基準にして、前記試験用検体の変色度(ΔE)を算出した(n=3)。結果を表2に示す。
表2の結果から、素錠とフィルムコート層との間に水溶性高分子含有層を有する実施例1〜3のフィルムコート錠は、水溶性高分子含有層を有さない比較例1のフィルムコート錠と比較して、変色(退色)が抑制されており、調剤環境や保存環境などの影響、特に高湿度の影響によるレベチラセタム含有フィルムコート錠の品質の低下を抑制することができることが確認された。
−外観変化−
前記変色の評価において、変色が抑制されていた実施例1〜3のフィルムコート錠の外観を以下の評価基準で評価した。結果を表3に示す。
[評価基準]
○ : フィルムの浮きが見られず、外観が良好である。
△ : フィルムの浮きが若干見られるが、製品として許容範囲内である。
× : フィルムの浮きが見られ、外観が不良である。
表3の結果から、水溶性高分子含有層における水溶性高分子をポリビニルアルコールとした実施例3のフィルムコート錠は、実施例1及び2のフィルムコート錠と比較して、外観変化も抑制されていた。

Claims (6)

  1. レベチラセタムを含有する素錠を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆したフィルムコート錠であって、
    前記素錠と、前記フィルムコート層との間に、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層を有することを特徴とするレベチラセタム含有フィルムコート錠。
  2. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のレベチラセタム含有フィルムコート錠。
  3. レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する工程と、
    前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する工程とを含むことを特徴とするレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載のレベチラセタム含有フィルムコート錠の製造方法。
  5. レベチラセタムを含有する素錠を、水溶性高分子を含有する水溶性高分子含有層で被覆する工程と、
    前記水溶性高分子含有層の外側を、着色剤を含有するフィルムコート層で被覆する工程とを含むことを特徴とするレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法。
  6. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載のレベチラセタム含有フィルムコート錠の変色抑制方法。
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