JP4060001B2 - 測角装置及び測角方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アレーアンテナを構成する素子アンテナから入射される複数の電波(入射信号)の入射角度を推定する測角装置及び測角方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は例えば「Roy,Kailath,‘ESPRIT−Estimation of Signal Parameters Via Rotational Invariance Techniques,’IEEE Trans.on Acoustics,Speech,and Signal Processiong,Vol.37,No.7,pp.984−995,July 1989」に示された従来の測角装置を示す構成図であり、図において、1は複数の素子アンテナA#1〜A#Mから構成されたサブアレーアンテナ、2はサブアレーアンテナ1と同型のサブアレーアンテナであり、サブアレーアンテナ2は複数の素子アンテナA#M+1〜A#2M から構成されている。
【0003】
また、AD#1〜AD#Mは素子アンテナA#1〜A#Mに入射するアナログの入射信号S1 〜SK をディジタルの入射信号x1 〜xM に変換するA/D変換器、AD#M+1〜AD#2M は素子アンテナA#M+1〜A#2M に入射するアナログの入射信号S1 〜SK をディジタルの入射信号y1 〜yM に変換するA/D変換器である。
【0004】
また、3は入射信号S1 〜SK の入射角度を推定する測角回路、4はA/D変換器AD#1〜AD#2M から出力されるディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を受信する受信部、5は受信部4により受信された入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM から信号空間の固有ベクトルを抽出して、固有行列Es (信号空間固有ベクトルを並べた行列)を決定する行列決定部、6は行列決定部5により決定された固有行列Es から固有行列Es の係数行列Ψを演算し、係数行列Ψの固有値φ1 〜φK から入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定する推定部である。
なお、図10は従来の測角方法を示すフローチャートである。
【0005】
次に動作について説明する。
入射信号の入射角度は、上記文献に開示されているESPRITアルゴリズムを用いて推定するので、最初に、ESPRITアルゴリズムの原理を説明する。
まず、ESPRITアルゴリズムは、入射信号の相関行列Rを固有値分解して得られる固有ベクトルを用いて、複数の入射信号の入射角度をそれぞれ独立に推定する混信分離測角手法である。
【0006】
ESPRITアルゴリズムは、図9に示される素子配列と素子アンテナの指向性パターンが同型である一対のサブアレーアンテナ1,2を用いることを前提とし、ここでは、同一周波数帯のk波の狭帯域信号である入射信号Sk がアレーアンテナから入射されているものとする。
この場合、サブアレーアンテナ1,2から入射される時刻iの入射信号Sk のベクトルx(i),y(i)は下記の通りとなる。
【0007】
【数1】
【0008】
ただし、
・Sk (i)は入射角度θk から入射される第k波の入射信号
・nx(i),ny(i)は各受信チャネルで発生するノイズを示すベクトル
・kは同一周波数帯に同時に入射される電波の数(k=1...K)
・a(θk )は入射信号Sk (i)に対するアレーアンテナの振幅及び位相遅を示すa1(θk )〜aM (θk )を要素とするステアリングベクトル(式(3)を参照)
・AはK個のステアリングベクトルa(θ1 )〜a(θk )が並べられた行列(式(4)を参照)
・行列やベクトルの右肩のTはベクトルや行列の転置を示す記号
・Φは式(5)により定義される対角行列
・dはサブアレーアンテナ1からサブアレーアンテナ2への方向ベクトルの長さ
・θk は方向ベクトルを基準とする入射信号Sk (i)の入射角度
【0009】
そして、ESPRITアルゴリズムでは、入射信号z≡[xT yT ]T の2M×2Mの相関行列Rを考える。
Rはエルミート行列であり、その第(n,m)要素が第n入射信号と第m入射信号の相関値で与えられるものである。E[・]は時間iについての平均を示す記号である。
【0010】
【数2】
【0011】
ただし、
・s=[s1 …sK ]T は入射信号のベクトル
・σ2 Σn はノイズの相関行列
【0012】
そして、相関行列Rが与えられると、次式に含まれる相関行列Rについて一般化固有値の問題を解くことを考える。
RE=Σn EΛ (10)
ただし、
・Λは相関行列Rの一般化固有値を要素とする2M×2Mの対角行列
・Eは固有ベクトルが固有値の降順に並べられた2M×2Mの固有行列
【0013】
具体的には、まず、固有行列Eを下記に示すように、信号空間に対応するEs(Es はσ2 より大きい固有値に対応する固有ベクトルが並べられた行列)とノイズ空間に対応するEn (En は残りのベクトルが並べられた行列)に分解する。
E=[Es En ] (11)
【0014】
そして、固有行列Eを信号空間に対応するEs とノイズ空間に対応するEn に分解すると、更に、2M×Kの行列Es を下記に示すように、M×Kの行列Ex ,Ey に分解する。
【0015】
【数3】
【0016】
このとき、行列Es とAバー(式(8)の左辺)の張る空間が同一であることから、下記に示すように、K×Kの正則な変換行列Tで関係付けることができる。
なお、式(13)を変形すると、式(14)、式(15)が成立するが、この関係がESPRITアルゴリズムの基本原理である。
【0017】
【数4】
【0018】
よって、ESPRITアルゴリズムの測角処理では、式(10)を解いてEx ,Ey を求め、直接、式(14)の最小二乗問題を解くか、あるいは、TLS(Total Least Squares)問題を解くことにより、固有行列Eの係数行列Ψを求める。そして、係数行列Ψの固有値φk は式(15)に示されるように、対角行列Φの対角成分であるから、係数行列Ψを固有値分解して対角化することにより対角行列Φを推定すれば、式(5)より第k波の入射信号Sk (i)の入射角度θk を推定することができる。
【0019】
以下、従来の測角装置の動作を具体的に説明する。
まず、受信部4は、A/D変換器AD#1〜AD#2M が素子アンテナA#1〜A#2M から入射されるアナログの入射信号S1 〜SK をディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM に変換すると、そのディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を受信して(ステップST1)、行列決定部5に出力する。
【0020】
そして、行列決定部5は、受信部4からディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を受けると、その入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を式(6)に代入して、入射信号の相関行列Rを演算する(ステップST2)。
そして、行列決定部5は、入射信号の相関行列Rを演算すると、その相関行列Rを固有値分解して固有値の分布を求め、その固有値の分布から入射波の数Kを推定する(ステップST3)。
また、行列決定部5は、入射信号の相関行列Rを演算すると、その相関行列Rを式(10)に代入して、2M×2Mの固有行列Eを演算する。
【0021】
そして、推定部6は、行列決定部5が2M×2Mの固有行列Eを演算すると、その固有行列Eから信号空間に対応する固有ベクトルを抽出して、信号空間に対応する行列Es を求めるが、上述したように、入射波の数がKであるので、2M×2Mの行列Eから2M×Kの行列Es を求め、その行列Es をM×Kの行列Ex ,Ey に分解する(ステップST4)。
【0022】
そして、推定部6は、M×Kの行列Ex ,Ey を求めると、その行列Ex ,Ey を式(14)に代入することにより、固有行列Eの係数行列Ψを演算する(ステップST5)。
そして、推定部6は、固有行列Eの係数行列Ψを演算すると、係数行列Ψを固有値分解して、係数行列Ψの固有値φ1 〜φK を求めることにより(ステップST6)、係数行列Ψの対角行列Φを推定し、その対角行列Φを式(5)に代入して、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定する(ステップST7)。
【0023】
このようにして、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定すると、推定部6は、その入射角度θ1 〜θK を外部出力して(ステップST8)、CRT等に表示させる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
従来の測角装置は以上のように構成されているので、サブアレーアンテナ1,2の指向性パターンが完全に一致すれば、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を精度よく推定することができるが、製造ばらつきや材料の経年劣化に伴ってサブアレーアンテナ1,2の指向性パターンが完全に一致しない場合があり(素子間のカップリングやアンテナ近傍における電波環境の不均一性等の理由からサブアレーアンテナ1,2の指向性パターンが完全に一致しない場合もある)、この場合には、サブアレーアンテナ1,2の間に特性差が存在するため、入射信号Sk のベクトルx(i),y(i)を正確にモデリングすることができず、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を精度よく推定することができなくなるなどの課題があった。
【0025】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、一対のサブアレーアンテナの間に特性差が存在する場合でも、入射信号の入射角度を精度よく推定することができる測角装置及び測角方法を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る測角装置は、一対のサブアレーアンテナの各ステアリングベクトルから特性差行列を特定し、決定手段により決定された固有行列と上記特性差行列から固有行列の係数行列を演算し、その係数行列の固有値から入射信号の入射角度を推定する推定手段を設けたものである。
【0028】
この発明に係る測角装置は、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合、ステアリングベクトルで定義される評価関数が最小になる行列を特性差行列として特定する推定手段を設けたものである。
【0029】
この発明に係る測角装置は、TLS−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定する推定手段を設けたものである。
【0030】
この発明に係る測角装置は、特性差行列を特定する際、入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定する推定手段を設けたものである。
【0031】
この発明に係る測角装置は、入射信号からマルチビームを形成して各ビームの電力を比較し、その比較結果に基づいて入射信号の測定角度を決定する推定手段を設けたものである。
【0032】
この発明に係る測角装置は、入射角度の概略値を認識している場合、入射角度の概略値近傍を入射信号の測定角度として決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定する推定手段を設けたものである。
【0037】
この発明に係る測角方法は、一対のサブアレーアンテナの各ステアリングベクトルから特性差行列を特定し、固有行列と上記特性差行列から固有行列の係数行列を演算し、その係数行列の固有値から入射信号の入射角度を推定するようにしたものである。
【0039】
この発明に係る測角方法は、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合、ステアリングベクトルで定義される評価関数が最小になる行列を特性差行列として特定するようにしたものである。
【0040】
この発明に係る測角方法は、TLS−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定するようにしたものである。
【0041】
この発明に係る測角方法は、特性差行列を特定する際、入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定するようにしたものである。
【0042】
この発明に係る測角方法は、入射信号からマルチビームを形成して各ビームの電力を比較し、その比較結果に基づいて入射信号の測定角度を決定するようにしたものである。
【0043】
この発明に係る測角方法は、入射角度の概略値を認識している場合、入射角度の概略値近傍を入射信号の測定角度として決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定するようにしたものである。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による測角装置を示す構成図であり、図において、11は複数の素子アンテナA#1〜A#Mから構成されたサブアレーアンテナ、12はサブアレーアンテナ11と同型のサブアレーアンテナであり、サブアレーアンテナ12は複数の素子アンテナA#M+1〜A#2M から構成されている。
【0049】
また、AD#1〜AD#Mは素子アンテナA#1〜A#Mに入射するアナログの入射信号S1 〜SK をディジタルの入射信号x1 〜xM に変換するA/D変換器、AD#M+1〜AD#2M は素子アンテナA#M+1〜A#2M に入射するアナログの入射信号S1 〜SK をディジタルの入射信号y1 〜yM に変換するA/D変換器である。
【0050】
また、13は入射信号S1 〜SK の入射角度を推定する測角回路、14はA/D変換器AD#1〜AD#2M から出力されるディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を受信する受信部(受信手段)、15は受信部14により受信された入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM から信号空間の固有ベクトルを抽出して、固有行列Es (信号空間固有ベクトルを並べた行列)を決定する行列決定部(決定手段)、16は行列決定部15により決定された固有行列Es とサブアレーアンテナ11,12の特性差を示す特性差行列Cから固有行列Es の係数行列Ψを演算し、その係数行列Ψの固有値φ1 〜φK から入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定する推定部(推定手段)である。
なお、図2はこの発明の実施の形態2による測角方法を示すフローチャートである。
【0051】
次に動作について説明する。
最初に、ESPRITアルゴリズムの原理を説明するが、基本的には、従来例と同様であるため、主に、従来例と異なる部分について説明する。
まず、サブアレーアンテナ11,12から入射される時刻iの入射信号Sk のベクトルx(i),y(i)は、K個(k=1...K)のステアリングベクトルa(θ1 )〜a(θK )が並べられた行列Aを用いて表現することができることは、上述した通りであるが(式(1)(2)を参照)、サブアレーアンテナ11,12の間に特性差が存在する場合、入射信号Sk (i)のベクトルy(i)については、行列Aを用いて表現することができない(入射信号Sk (i)のベクトルy(i)については、行列Bを用いて表現する必要がある)。
【0052】
そこで、観測対象の角度範囲内にあるP個の角度θ(1) ,θ(2) ,…,θ(P) を基準とするサブアレーアンテナ11のステアリングベクトルaで定義される行列Aを用いて、入射信号Sk (i)のベクトルx(i)を表現する場合(式(1)を参照)、入射信号Sk (i)のベクトルy(i)をサブアレーアンテナ12のステアリングベクトルbで定義される行列Bを用いて表現する(式(21)を参照)。
【0053】
【数5】
【0054】
ただし、
γm (θ)はサブアレーアンテナ12の素子アンテナA#M+mに対応するサブアレーアンテナ11の素子アンテナA#mの特性差(透過振幅,位相の差)を示す複素関数である(m=1...M)。
【0055】
このとき、行列Aと行列Bは、式(24)に示すような関係があるので、式(24)におけるCがサブアレーアンテナ11,12の特性差を示す特性差行列に相当する。
B=CA (24)
【0056】
ただし、この実施の形態1では、入射信号Sk (i)のベクトルy(i)については行列Bを用いて表現する関係上、式(8)の代わりに式(25)を使用する必要がある。
【0057】
【数6】
【0058】
これにより、式(6),(7),(9),(10)については、そのまま成立するが、この場合、式(13)に示されるステアリングベクトルの回転普遍性(相似形)が崩れるので、ESPRITが成立しなくなり、その結果、入射角度の推定誤差が増大したり、複数の入射波の分離測角に失敗してしまう場合が生じる。
【0059】
そこで、サブアレーアンテナ間の特性差に注意した測角処理を行う。サブアレーアンテナ11,12の間に特性差が存在する場合には、式(13)の代わりに式(26)のような関係が成立する(行列Es とA’バーの張る空間が同一になる)。
【0060】
【数7】
【0061】
式(26)を書き直せば式(27),(28)を得る。
Ex =AT (27)
Ey =BΦT (28)
ここで、式(27),(28)の行列A,Bに関し、
B=CA (29)
式(29)を満足する行列Cが見つかれば、式(27)の両辺にCを左から乗じると、CEx の張る空間とEy の張る空間が共にBの列ベクトルが張る空間となり、互いに同一であることが分かる。
【0062】
したがって、式(30)を満足するK×Kの係数行列Ψ’が存在する。また、係数行列Ψ’は、式(27)〜(29)より、式(31)の関係を満たすので、式(30)より係数行列Ψ’を求め、その係数行列Ψ’を式(31)に示すように対角化して対角行列Φを求めれば、対角行列Φの成分から入射角度θを求めることができる(式(5)を参照)。
CEx Ψ’=Ey (30)
TΨ’T-1=Φ (31)
【0063】
ただし、式(30)で定義される特性差行列Cは、このままでは決定することができないので(Cを定めるA,Bは、式(4),(23)で定義されるが、サブアレーアンテナ11,12を構成する素子アンテナの位置、指向性パターンが既知であっても、入射角度θ1 …θK が未知であるため、A,Bとも決定できないからである)、測定範囲中の互いに異なるP個の角度θ(1) ,…θ(P) に対応するサブアレーアンテナ11,12のステアリングベクトルa,bで、式(32),(33)のように定義される行列A’,B’を考える。また、行列A’とB’の特性差行列C’を式(34)のように定義する。
【0064】
【数8】
【0065】
そして、この実施の形態1では、特性差行列C’を式(29)のCと近似するが、C’≒Cであるならば、上述したように、CEx の張る空間と、Ey の張る空間が近似的に同一になるため、上記のような測角方式が成立する。
【0066】
以下、この実施の形態1における測角装置の動作を具体的に説明する。
まず、推定部16は、サブアレーアンテナ11,12のステアリングベクトルa,bを式(34)に代入して、サブアレーアンテナ11,12の特性差を示す特性差行列C’を算出する(ステップST11)。
【0067】
一方、受信部14は、A/D変換器AD#1〜AD#2M が素子アンテナA#1〜A#2M から入射されるアナログの入射信号S1 〜SK をディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM に変換すると、そのディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を受信して(ステップST12)、行列決定部15に出力する。
【0068】
そして、行列決定部15は、受信部14からディジタルの入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を受けると、その入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM を式(6)に代入して、入射信号の相関行列Rを演算する(ステップST13)。
そして、行列決定部15は、入射信号の相関行列Rを演算すると、その相関行列Rを固有値分解して固有値の分布を求め、その固有値の分布から入射波の数Kを推定する(ステップST14)。
また、行列決定部15は、入射信号の相関行列Rを演算すると、その相関行列Rを式(10)に代入して、2M×2Mの固有行列Eを演算する。
【0069】
そして、推定部16は、行列決定部15が2M×2Mの固有行列Eを演算すると、その固有行列Eから信号空間に対応する固有ベクトルを抽出して、信号空間に対応する行列Es を求めるが、上述したように、入射波の数がKであるので、2M×2Mの行列Eから2M×Kの行列Es を求め、その行列Es をM×Kの行列Ex ,Ey に分解する(ステップST15)。
【0070】
そして、推定部16は、M×Kの行列Ex ,Ey を求めると、その行列Ex ,Ey を式(30)に代入することにより、固有行列Es の係数行列Ψ’を演算する(ステップST16)。
そして、推定部16は、固有行列Es の係数行列Ψ’を演算すると、係数行列Ψ’を固有値分解して、係数行列Ψ’の固有値φ1 〜φK を求めることにより(ステップST17)、係数行列Ψ’の対角行列Φを推定し、その対角行列Φを式(5)に代入して、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定する(ステップST18)。
【0071】
このようにして、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定すると、推定部16は、その入射角度θ1 〜θK を外部出力して(ステップST19)、CRT等に表示させる。
【0072】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、行列決定部15により決定された固有行列Es と特性差行列C’から固有行列Es の係数行列Ψ’を演算し、その係数行列Ψ’の固有値φ1 〜φK から入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定するように構成したので、サブアレーアンテナ11,12の間に特性差が存在する場合でも、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を精度よく推定することができる効果を奏する。
【0073】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、推定部16が式(34)から特性差行列C’を算出するものについて示したが、行列A’,B’がM×Pの行列で、M<Pの場合、特性差行列C’を算出する式(34)が不定になる場合がある。
そこで、この実施の形態2では、M<Pの場合、ステアリングベクトルa,bで定義される評価関数f(C’)が最小になる行列C’を特性差行列として特定するようにしてもよい。
【0074】
即ち、式(35)または式(36)に示す評価関数f(C’)が最小になる行列C’を特性差行列として使用する。これにより、M<Pの場合でも、特性差行列C’を算出することができる。
【0075】
【数9】
【0076】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、推定部16が式(34)から特性差行列C’を算出するものについて示したが、式(37)から特性差行列C’を算出するようにしてもよい。
【0077】
【数10】
【0078】
(A’ H)+はA’ Hの疑似逆行列であり、A’ Hを特異値分解することにより得ることができる。式(35)を最小化することは‖A’ HC’ H−B’ H‖を最小化することと等価であるから、式(37)で求めた特性差行列C’は、式(34)の両辺の差を最小にするものになるからである。
【0079】
一方、式(34)の代わりに、式(38)の関係が成立する場合には、式(30)の代わりに、式(39)から係数行列Ψ’を求めてもよい。
D’B’=C’A’ (38)
C’Ex Ψ’=D’Ey (39)
これは、式(27),(28)にそれぞれC’,D’を乗じれば、式(39)の関係からC’Ex とD’Ey が同一の空間になるからである。
【0080】
また、上記実施の形態1では、式(30)から係数行列Ψ’を求めているが、次式から係数行列Ψ’を求めてもよい。
Ex Ψ’=C’-1Ey (40)
【0081】
実施の形態4.
上記実施の形態1等では、基本ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定するものについて示したが、より高精度のTLS(Total Least Squares)−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定するようにしてもよい。
なお、図3はこの発明の実施の形態4による測角方法を示すフローチャートである。
【0082】
具体的には、上記実施の形態1等と同様にして、行列Ex ,Ey を決定したのち、推定部16が式(41)の行列Exyを算出する(ステップST21)。
【0083】
【数11】
【0084】
そして、推定部16は、行列Exyを算出すると、行列Exyを固有値分解し、零空間固有ベクトルが並べられた行列Vを求め、行列Vを次のように分解して行列VU ,VL を決定する(ステップST22)。
【0085】
【数12】
【0086】
そして、推定部16は、行列VU ,VL を決定すると、行列−VU ,VL Hの固有値を求めて(ステップST23)、対角化することにより対角行列Φを求め、入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK を推定する。
【0087】
実施の形態5.
上記実施の形態1等では、特性差行列C’を決定する際、入射信号の測定角度を決定せず、全角度(例えば360゜)を測定対象とするものについて示したが、特性差行列C’の決定速度の向上と決定精度の向上を図るため、予め、入射信号の測定角度を決定するようにしてもよい。
なお、図4はこの発明の実施の形態5による測角方法を示すフローチャートである。
【0088】
具体的には、推定部16が、受信部14により受信された入射信号x1 〜xM ,y1 〜yM に対してマルチビームを決定し(ステップST31)、それぞれのビームの出力信号を求める。式(43)は第jビームの出力信号bj を示す。
【0089】
【数13】
【0090】
ただし、
Wm jは第jビーム形成のための荷重であり、ビームの指向方向,素子アンテナの配列,入射信号の波長で決定される係数である(m=1...M)。
【0091】
そして、推定部16は、各ビームの出力信号を求めると、図5に示すように、各ビームの出力信号の電力|b1 |,|b2 |,…,|b8 |を求める(ステップST32)。ただし、図5では、相互に異なる方向を指向する8本のビームが形成されていることを想定している。
【0092】
そして、推定部16は、各ビームの出力信号の電力を求めると、各電力を互いに比較し、電力が高い数個のビームを選択して、測定角度θ1 ,θ2 を決定する(ステップST33)。
例えば、図5の場合、3波の入射信号がビーム#2とビーム#6の指向方向から入射されるので、ビーム#2とビーム#6の電力|b2 |2 ,|b6 |2 が他のビームの電力に比べて大きくなり、ビーム#2とビーム#6が選択される。
したがって、図5の例では、ビーム#2とビーム#6の指向方向が測定角度θ1 ,θ2 として決定される。
【0093】
そして、推定部16は、測定角度θ1 ,θ2 を決定すると、特性差行列の算出に使用する行列として、下記の式(44)に示す角度範囲の列ベクトルa(θ),b(θ)が並べられた行列A’’,B’’を用意し、その行列A’’,B’’を式(45)に代入して特性差行列C’’を算出する。ただし、△θはビーム幅の半分に定める。
以後は、上記実施の形態1等と同様であるため説明を省略する。
【0094】
【数14】
【0095】
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、特性差行列を特定する際、予め入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定するように構成したので、全角度(例えば360゜)を測定対象とする必要がなくなり、その結果、特性差行列の決定速度の向上と決定精度の向上を図ることができる効果を奏する。
【0096】
実施の形態6.
上記実施の形態5では、△θをビーム幅の半分に定めたものについて示したが、必ずしもビーム幅の半分に定める必要はない。また、角度セクタはθ1 バー,θ2 バーを中心に△θの範囲としたが、単にθ1 バー,θ2 バーとしても同様の効果が期待できる。
【0097】
また、式(43)に示すように第jビームの出力信号bj を求めたが、他のビーム形成方法でも同様の効果を奏する。特に、式(43)ではサブアレーアンテナ11の入射信号xとサブアレーアンテナ12の入射信号yを共に用いているが、何れか一方でも構わない。また、すべての入射信号を用いなくても構わない。
【0098】
実施の形態7.
上記実施の形態5では、予め、入射信号の測定角度を決定するものについて示したが、入射角度の概略値が分かる場合には、測定角度の決定処理を実施せず、単に、θ(1) …θ(P) を入射角度の概略値近傍に限定するようにしてもよい。
これにより、上記実施の形態5と同様の効果を奏することができる。
【0099】
実施の形態8.
上記実施の形態5では、マルチビームの受信電力を比較することにより、予め入射信号の測定角度を決定するものついて示したが、上記実施の形態1による測角方法で入射信号の測定角度を決定することもできる。
なお、図6はこの発明の実施の形態8による測角方法を示すフローチャートである。
【0100】
推定部16は、サブアレーアンテナ11,12のステアリングベクトルa,bを式(34)に代入して、サブアレーアンテナ11,12の特性差を示す特性差行列C[0] を算出するとともに、繰り返し数iを1にリセットする(ステップST11)。
推定部16は、ステップST15で行列Ex,Eyを求めた後、次式(46)により固有行列Es の係数行列Ψ’を演算する(ステップST16)。
C[i-1] Ex Ψ’=Ey (46)
【0101】
そして、推定部16は、測定角度θ1 [ i ]〜θK [ i ]を決定すると、特性差行列の算出に使用する行列として、下記の式(47)に示す角度範囲の列ベクトルa(θ),b(θ)が並べられた行列A[ i ] ,B[ i ] を用意し(ステップST41)、その行列A[ i ] ,B[ i ] を式(48)に代入して特性差行列C[ i ] を算出する(ステップST42)。
θk [i-1]−Δθ<θ<θk [i-1]+Δθ (k=1,..,K) (47)
B[i] =C[i] A[i] (48)
【0102】
さらに、推定部16は、特性差行列C[ i ] を1ステップ前の特性差行列C[ i -1] と比較して、行列ノルム||C[ i ] −C[ i -1] ||が十分小さいか否かを判断する(ステップST47)。即ち、所定値より小さいか否かを判断する。
||C[ i ] −C[ i -1] ||が十分小さくない場合は、繰り返し数iをインクリメントし(ステップST44)、ステップST16へ戻り、同様の処理を繰り返す。
【0103】
||C[ i ] −C[ i -1] ||が十分小さい場合は、θ1 [ i ]〜θK [ i ]を入射信号S1 〜SK の入射角度θ1 〜θK として推定し、外部出力する(ステップST19)。
以上で明らかなように、この実施の形態8によれば、前回の繰り返しの測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定するように構成したので、全角度(例えば360゜)を測定対象とする必要がなくなり、その結果、特性差行列の決定精度の向上を図ることができる効果を奏する。
【0104】
実施の形態9.
上記実施の形態8では、行列ノルム||C[ i ] −C[ i -1] ||の大きさで収束の判断を行うものについて示したが、入射信号の測定角度の変動を表すΣk|θk [ i ]−θk [ i -1]|の大きさで収束の判断を行うようにしてもよい。
これにより、上記実施の形態8と同様の効果を奏することができる。
【0105】
実施の形態10.
上記実施の形態8では、行列ノルム||C[ i ] −C[ i -1] ||の大きさで収束の判断を行うものについて示したが、測定角度θk [ i ]における列ベクトルa(θk [ i ]),b(θk [ i ])で下記の式(49)で定義された2Mベクトルaバーと、相関行列Rのノイズ空間に対応する固有ベクトルとの直交性から収束の判断を行うようにしてもよい。
【数15】
なお、図7はこの発明の実施の形態10による測角方法を示すフローチャートである。
【0106】
推定部16は、下記の式(50)で定義された評価関数Jを求め(ステップST46)、Jの大きさで収束の判断を行う(ステップST47)。
【数16】
ここで、En は式(11)で定義された行列で、その列ベクトルがRのノイズ空間に対応する固有ベクトルである。
【0107】
測定角度θ1 [ i ]〜θK [ i ]が入射信号の入射角度θ1 〜θK と一致するとき、式(49)で定義されたaバーはRのノイズ空間に対応する固有ベクトルと直交する。なぜなら、このとき、式(49)で定義されたaバーは、式(25)で定義した行列A’バーの列ベクトルに一致し、A’バーの列ベクトルはRの信号空間上にあり、Rがエルミート行列であるからノイズ空間に対応する固有ベクトルと直交するからである。
また、式(50)で定義されたJの大きさはaバーとノイズ空間に対応する固有ベクトルの内積を意味している。
これにより、上記実施の形態8と同様の効果を奏することができる。
【0108】
実施の形態11.
上記実施の形態10では、式(50)で定義された評価関数Jのaバーを式(49)で定義されたベクトルを用いたが、aバーを式(51)で定義されたベクトルを用いるようにしてもよい。
【数17】
これは、式(48)に示す関係式から、b[ i ] =C[ i ] a[ i ] が成り立つからである。
これにより、上記実施の形態10と同様の効果を奏することができる.
【0109】
実施の形態12.
上記実施の形態1〜11では、サブアレーアンテナ11とサブアレーアンテナ12が別体のものであることを前提にして説明したが、サブアレーアンテナの一部の素子アンテナを共有して使用する場合にも、同様の効果を奏することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、一対のサブアレーアンテナの各ステアリングベクトルから特性差行列を特定し、決定手段により決定された固有行列と上記特性差行列から固有行列の係数行列を演算し、その係数行列の固有値から入射信号の入射角度を推定する推定手段を設けるように構成したので、一対のサブアレーアンテナの間に特性差が存在する場合でも、入射信号の入射角度を精度よく推定することができる効果がある。
【0112】
この発明によれば、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合、ステアリングベクトルで定義される評価関数が最小になる行列を特性差行列として特定する推定手段を設けるように構成したので、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合でも、特性差行列を特定することができる効果がある。
【0113】
この発明によれば、TLS−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定する推定手段を設けるように構成したので、入射角度の推定精度を高めることができる効果がある。
【0114】
この発明によれば、特性差行列を特定する際、入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定する推定手段を設けるように構成したので、全角度(360゜)を測定対象とする必要がなくなり、その結果、特性差行列の決定速度の向上と決定精度の向上を図ることができる効果がある。
【0115】
この発明によれば、入射信号からマルチビームを形成して各ビームの電力を比較し、その比較結果に基づいて入射信号の測定角度を決定する推定手段を設けるように構成したので、精度よく特性差行列を決定することができる効果がある。
【0116】
この発明によれば、入射角度の概略値を認識している場合、入射角度の概略値近傍を入射信号の測定角度として決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定する推定手段を設けるように構成したので、測定角度の決定処理を実施することなく、特性差行列を迅速かつ高精度に決定することができる効果がある。
【0121】
この発明によれば、一対のサブアレーアンテナの各ステアリングベクトルから特性差行列を特定し、固有行列と上記特性差行列から固有行列の係数行列を演算し、その係数行列の固有値から入射信号の入射角度を推定するように構成したので、一対のサブアレーアンテナの間に特性差が存在する場合でも、入射信号の入射角度を精度よく推定することができる効果がある。
【0123】
この発明によれば、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合、ステアリングベクトルで定義される評価関数が最小になる行列を特性差行列として特定するように構成したので、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合でも、特性差行列を特定することができる効果がある。
【0124】
この発明によれば、TLS−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定するように構成したので、入射角度の推定精度を高めることができる効果がある。
【0125】
この発明によれば、特性差行列を特定する際、入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定するように構成したので、全角度(360゜)を測定対象とする必要がなくなり、その結果、特性差行列の決定速度の向上と決定精度の向上を図ることができる効果がある。
【0126】
この発明によれば、入射信号からマルチビームを形成して各ビームの電力を比較し、その比較結果に基づいて入射信号の測定角度を決定するように構成したので、精度よく特性差行列を決定することができる効果がある。
【0127】
この発明によれば、入射角度の概略値を認識している場合、入射角度の概略値近傍を入射信号の測定角度として決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定するように構成したので、測定角度の決定処理を実施することなく、特性差行列を迅速かつ高精度に決定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による測角装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による測角方法を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態4による測角方法を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態5による測角方法を示すフローチャートである。
【図5】 角度セクタとビームの指向性と入射角真値の関係を説明する説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態8による測角方法を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態10による測角方法を示すフローチャートである。
【図8】 従来の測角装置を示す構成図である。
【図9】 一対のサブアレーアンテナの素子配列と素子アンテナの指向性パターンを説明する説明図である。
【図10】 従来の測角方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11,12 サブアレーアンテナ、14 受信部(受信手段)、15 行列決定部(決定手段)、16 推定部(推定手段)。
Claims (12)
- 一対のサブアレーアンテナから入射される入射信号を受信する受信手段と、上記受信手段により受信された入射信号の相関行列から信号空間の固有ベクトルを抽出して固有行列を決定する決定手段と、上記一対のサブアレーアンテナの各ステアリングベクトルから特性差行列を特定し、上記決定手段により決定された固有行列と上記特性差行列から固有行列の係数行列を演算し、その係数行列の固有値から入射信号の入射角度を推定する推定手段とを備えた測角装置。
- 推定手段は、複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合、ステアリングベクトルで定義される評価関数が最小になる行列を特性差行列として特定することを特徴とする請求項1記載の測角装置。
- 推定手段は、TLS−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定することを特徴とする請求項1記載の測角装置。
- 推定手段は、特性差行列を特定する際、入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定することを特徴とする請求項1記載の測角装置。
- 推定手段は、入射信号からマルチビームを形成して各ビームの電力を比較し、その比較結果に基づいて入射信号の測定角度を決定することを特徴とする請求項4記載の測角装置。
- 推定手段は、入射角度の概略値を認識している場合、入射角度の概略値近傍を入射信号の測定角度として決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定することを特徴とする請求項1記載の測角装置。
- 一対のサブアレーアンテナから入射される入射信号を受信し、その入射信号の相関行列から信号空間の固有ベクトルを抽出して固有行列を決定するとともに、上記一対のサブアレーアンテナの各ステアリングベクトルから特性差行列を特定し、上記固有行列と上記特性差行列から固有行列の係数行列を演算し、その係数行列の固有値から入射信号の入射角度を推定する測角方法。
- 複数のステアリングベクトルが並べられた行列の行数が列数より少ない場合、ステアリングベクトルで定義される評価関数が最小になる行列を特性差行列として特定することを特徴とする請求項7記載の測角方法。
- TLS−ESPRITアルゴリズムにしたがって入射信号の入射角度を推定することを特徴とする請求項7記載の測角方法。
- 特性差行列を特定する際、入射信号の測定角度を決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定することを特徴とする請求項7記載の測角方法。
- 入射信号からマルチビームを形成して各ビームの電力を比較し、その比較結果に基づいて入射信号の測定角度を決定することを特徴とする請求項10記載の測角方法。
- 入射角度の概略値を認識している場合、入射角度の概略値近傍を入射信号の測定角度として決定し、その測定角度に対応するステアリングベクトルから特性差行列を特定することを特徴とする請求項7記載の測角方法。
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