JP4059627B2 - グルタチオン誘導体とその投与形態 - Google Patents
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Description
本発明は造血促進を目的として生体に投与した際に、その造血促進活性を作用部位である骨髄で効率的に発現させ得るグルタチオン誘導体とその投与形態に関する。更に詳しくは、γ−glutamyl S(benzyl)cysteinyl−R(−)−phenyl−glycineを炭素数12以上の長鎖アルキルまたはアルケニルエステルとすることで、その生理活性を損なうことなく生体中での安定化をはかるとともに、標的組織である骨髄に効率的に分布し得る構造を付与し、さらに、特にその投与法として重要な注射剤における安全かつ効果的なコロイド状組成物の投与形態を提供することに関する。
背景技術
癌の治療における化学療法剤投与、或いは放射線療法による造血機能抑制は、副作用として好中球減少症や血小板減少症を引き起こす。このうち好中球減少症では、健常状態に比べて免疫力が低下して、重症の感染症に曝される危険性が高まるため、末梢血中の好中球数の回復促進効果のある生理活性タンパクである顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などが臨床的に投与され、十分な薬理効果が得られているものの、遺伝子組換技術を用いた培養細胞で製造しているために、高い薬価が医療経済学的に見て問題である。また、これらはその投与法についても、現状で実用的に確立されているのは注射に限られ、患者の苦痛や簡便性を考えると、注射剤とともに経口剤などの別の投与形態も可能な薬物が望まれている。
このようなG−CSFなどの生理活性タンパク医薬品に代替して、低コストで供給し得てかつ非注射ルートでの投与の可能性もある低分子性造血促進物質が望まれる状況下で、WO9640205号明細書で開示されるγ−glutamyl ethyl ester S(benzyl)cysteinyl−R(−)−phenyl−glycyl ethyl ester(TER199)とその類縁低分子化合物に、in vitroで顆粒球・マクロファージ前駆細胞コロニー形成を促進させる効果が見出された。また当該化合物は、in vivoでも60〜120mg/kg−体重という非常に高用量で、かつ必ずしも臨床的には許容し得ない投与法(腹腔内投与)での実験だが、化学療法剤(5−フルオロウラシル)投与による造血機能抑制モデルラットにおいて、末梢血中の好中球、血小板などの細胞数の回復を促進する活性があることも確認された。しかしながら本発明者らの実験によると、TER199はラットの血液などの生体試料溶液中では極めて不安定で、かかる造血促進作用を発現させるには非効率的であることがわかった。さらにWO9640205号明細書の実施例のような高用量を、例えば静脈内投与した場合に、その溶解度の低さや組織移行性など物性に起因する性質から、投与部位に炎症を生じるなどの問題があることがわかった。以上のことからWO9640205号明細書の実施例に記載のTER199は、そのデータから実用に耐え得る有効性を有していないと考えられた。
次に、TER199はグルタチオンを基本骨格構造とするグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)の阻害剤であることがWO9640205号明細書他に記載されている。GSTは、抗癌剤アルキル化剤などに対する耐性に関連している可能性が報告されているいる他、利尿剤として利用されるエタクリン酸や非ステロイド系消炎鎮痛剤として利用されるインドメタシン、ケトプロフェン等にも、TER199同様にこのGSTの作用を阻害する活性があることが知られている(臨床検査,Vol.39(4),p450−453(1995))。
また、骨髄における造血促進作用にもGST阻害能が関係している可能性が十分にある。実際に、TER199とは全く異なる構造を有するエタクリン酸が、in vitroで活性型ビタミンD3と協同的に白血病細胞の分化を誘導するような作用を有することが報告されている(Leukemia Research,Vol.20(9),p781−789(1996))。
発明の開示
以上ような従来技術における課題の解決法を鋭意検討した結果、本発明者らは以下の事実を見出し本発明に到達した。
すなわち、まずγ−glutamyl S(benzyl)cysteinyl−R(−)−phenyl−glycine(TER117)を炭素数12以上の長鎖アルキルまたはアルケニルエステルとすることで、その造血促進に関わる生理活性を損なうことなく生体中での安定化をはかるとともに、標的組織である骨髄に効率的に分布し得る構造を付与することができた。ここで炭素数12以上の長鎖アルキルまたはアルケニルエステルとはTER117に2ヶ所あるカルボキシル基のどちらか一方のみをエステル化したモノエステル、どちらか一方を炭素数12未満の短鎖または中鎖のアルキルまたはアルケニルとし、もう一方を炭素数12以上の長鎖アルキルまたはアルケニルエステルとしたジエステル、または両方を炭素数12以上の長鎖アルキルまたはアルケニルエステルとしたとしたジエステルのいずれでも一定の効果が得られた。尚、本発明においては、炭素数1〜2のを短鎖、炭素数3〜11を中鎖および、炭素数12以上を長鎖と定義する。長鎖エステルとすることで、WO9640205号明細書に好適例として開示されるジエチルエステル体TER199に比較して、生体中での安定性、具体的にはエステラーゼによる分解に対する安定性が向上した。一方で、in vitro実験で造血促進に関わる生理活性がTER199と同等であることを知見した。さらに、このTER117の炭素数12以上の長鎖エステルでは、脂肪乳剤のようなコロイド状の医薬組成物を利用することで、薬物動態学的パラメーターの分布容積とクリアランスをいずれも低下させることができ、結果的に標的組織である骨髄での薬理作用の効率的発現と、物性や生理作用そのものに関連する安全性上の問題回避を達成し得ることを知見した。
すなわち本発明は下記式(I):
(式中AはHまたはC1−C20のアシル基を表わし、R1はC1−C26のアルキル基またはC3−C26のアルケニル基を表わし、R2はH,C1−C26のアルキル基またはC3−C26のアルケニル基を表わすが、ただし、R1がC1−C10のアルキル基またはC3−C10のアルケニル基で、かつR2がH,C1−C10のアルキル基またはC3−C10のアルケニル基である場合を除く)
で表されるグルタチオン誘導体またはその塩に関する。
発明を実施するための形態
本発明のグルタチオン誘導体は、下記式(I):
(式中AはHまたはC1−C20のアシル基を表わし、R1はC1−C26のアルキル基またはC3−C26のアルケニル基を表わし、R2はH,C1−C26のアルキル基またはC3−C26のアルケニル基を表わすが、ただし、R1がC1−C10のアルキル基またはC3−C10のアルケニル基で、かつR2がH,C1−C10のアルキル基またはC3−C10のアルケニル基である場合を除く)
で表すことができる。
上記式(I)においてAはHまたはC1−C20のアシル基を表わす。かかるC1−C20のアシル基は飽和または不飽和のアシル基のうち、炭素数1〜20の直鎖状または分枝鎖状のアシル基を表わし、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、リノレオイル基、アラキドノイル基等が挙げられる。
Aの好ましい基としてはH、ホルミル基、アセチル基等が挙げられる。
上記式(I)においてR1はC1−C26のアルキル基またはC3−C26のアルケニル基を表わす。かかるR1のC1−C26のアルキル基は炭素数1〜26の直鎖または分枝鎖アルキル基を表わす。直鎖アルキル基またはアルケニル基としては、酵素分解を受けてアルコールを生成した場合を想定すると、代謝異常以外で天然に存在する長鎖脂肪酸等は炭素数が偶数であることが一般的であることから、主に炭素数が偶数のアルキル基またはアルケニル基を例示するが、奇数のアルキル基またはアルケニル基を除外するわけではない。
かかるR1のC1−C26のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基等が挙げられる。
R1がC3−C26のアルケニル基である場合、かかるアルケニル基は炭素数3〜26の直鎖または分枝鎖アルケニル基を表わすが、例えばアリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、オクタデカトリエニル基、イコサトリエニル基、イコサテトラエニル基、イコサペンタエニル基、ドコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、テトラコセニル基等が挙げらる。
上記式(I)においてR2はH,C1−C26のアルキル基またはC3−C26のアルケニル基を表わす。かかるR2のC1−C26のアルキル基およびC3−C26のアルケニル基は、それぞれR1で例示したC1−C26のアルキル基およびC3−C26のアルケニル基と同様の基を表わす。
式Iの化合物は、このようなA,R1、R2の組み合わせの全てを含むが、中でも好ましい組み合わせの具体例を表1に例示する。
このようなA,R1,R2の特に好ましい組み合わせとしては、AがHで、R1がエチル基で、R2がテトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデカジエニル基、オクタデカトリエニル基、イコシル基、イコサトリエニル基、イコサテトラエニル基、イコサペンタエニル基またはドコシル基の組み合わせ;AがHで、R1がドデシル基で、R2がデシル基またはドデシル基の組み合わせ;AがHで、R1がテトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基またはイコシル基で、R2がHまたはエチル基の組み合わせ等が挙げられる。
さらにこの中でも、エステラーゼによる分解物として生じる副生成物の高級アルコールの毒性が、炭素数8〜12のものよりも炭素数16や18のものの方がより低いことが知られていること(The Sigma−Aldrich Library of Chemical Safety Data,Edition I)などを考慮すると、AがHで、R1がエチル基で、R2がテトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデカジエニル基、オクタデカトリエニル基、イコシル基、イコサトリエニル基、イコサテトラエニル基、イコサペンタエニル基またはドコシル基の組み合わせか、AがHで、R1がテトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基またはイコシル基で、R2がエチル基の組み合せが最も好ましい例として挙げることができる。
本発明のグルタチオン誘導体を構成する3つのアミノ酸はそれぞれキラル中心を有するが、そのコンフィギュレーションはLLDかLLLで、好ましくはLLDである。
また、上記式(I)で表される化合物は酸付加塩、あるいは塩基付加塩を形成する場合がある。かかる酸付加塩としては、具体的には例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との付加塩が挙げられ、また、塩基付加塩としては、具体的には例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等の1価の金属塩;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム等の2価もしくは3価の金属塩;リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との付加塩;アンモニウム、あるいはメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム等の有機アンモニウム塩が挙げられる。さらに本発明には、上記式(I)で表される化合物の水和物、各種の溶媒和物や結晶多形の物質も含まれる。
本発明のグルタチオン誘導体は、この分野で公知のペプチドの合成法にならって合成することができる。そのような公知の方法としては、例えば「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著:丸善)、あるいは「第4版実験化学講座22−有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド」(相本三郎、楠本正一、竜田邦明、早川芳宏、山本景祚、若宮建昭著:丸善)等に記載の通常のペプチド合成法により合成後、精製する方法や、さらに、本発明のグルタチオン誘導体、またはその塩を構成する各アミノ酸残基の側鎖および/またはペプチドアミノ末端および/またはペプチドカルボキシ末端が化学修飾や保護がなされている場合には、ペプチド合成後に化学修飾するか、あるいは化学修飾されたアミノ酸を用いてペプチド合成するか、あるいはペプチド合成の最終脱保護の反応条件を適当に選ぶ等、ペプチド合成化学の分野において従来公知の方法(「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著:丸善)、「続医薬品の開発−第14巻−ペプチド合成」(矢島冶明監修:広川書店)、「生化学実験講座−1−タンパク質の化学IV−化学修飾とペプチド合成」(日本生化学会編、東京化学同人)、「タンパク質の化学修飾」上・下(大野素徳、金岡祐一、崎山文夫、前田浩))を挙げることができる。
好ましい合成スキームを実施例に記載したが、これにより本発明の化合物の合成方法を限定するものではない。
本発明のグルタチオン誘導体を有効成分とする医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾール剤、シロップ剤、トローチ剤、ローション剤、パップ剤、および坐剤等の形態を利用することができる。このような形態を利用することによって経口、経腸、経粘膜、経皮、点眼、経気道、および注射等でヒトまたは動物に投与することができる。
この内、好ましい投与ルートのひとつである注射剤の場合、コロイド状組成物を好ましい形態として挙げることができる。
尚、本発明のコロイド状組成物は以下のように定義する。
薬科学大辞典(第2版;廣川書店)によれば、「コロイド」は、「分散状態の1種。光学顕微鏡では直接見えない微粒子(直径1〜100nm)が分散している状態をいう。また分散相(粒子)のみを呼ぶこともある。分散媒及び分散相には固、液、気体があり、気−気以外の全ての組合わせが有り得る。コロイド分散系ともいう。膠質とも呼ぶ。」と説明されている。本発明のコロイド状組成物とは、通常のコロイドの定義よりその分散粒子がやや大きい粒度のものも含まれ、光学顕微鏡では分散粒子が容易には観察できず、90%以上の分散粒子の直径が1nm〜1μmの範囲に入る固体−液体、液体−液体、又は固体及び液体−液体分散液の状態である組成物を意味し、その中には日本薬局方(第十二改正)に記載の懸濁剤・乳剤が、その粒度分布の限定される範囲において含まれるとともに、脂肪乳剤、リポソームもこの中に含まれるものとし、さらに、乾燥固形状態のものを使用時に水を添加して、上記のコロイド状組成物を調製する場合も含まれるものとする。
本発明のコロイド状組成物としては、脂肪乳剤、リポソーム、及び固体懸濁物等を挙げることが出来る。このうち低コストで供給できることや、用時混合調製して投与することも可能であることから、脂肪乳剤が特に好ましい。
また、経口投与や経腸投与の場合にも、コロイド状組成物を用いることができる。この場合も脂肪乳剤を好ましいコロイド状組成物として挙げることができる。ここで用いる脂肪乳剤としては、後述する一般的な脂肪乳剤以外に、消化管でより速やかに代謝や吸収が進み、有効成分をリンパ液中キロミクロンを経由するルートで効率的に血流に乗せることができる中鎖脂肪酸を含有する脂肪乳剤や、ジグリセリドを含有する脂肪乳剤がより好ましい例として挙げられる。また、経口ルート等からリンパ指向性を目的として投与する医薬組成物は、コロイド状組成物に限定されるわけではなく、錠剤等の投与形態であっても良い。
本発明の脂肪乳剤は、全成分中約0.1〜50(w/v)%の油成分(ただし、脂肪乳剤と有効成分を用時混合調製して投与するような場合、全成分中の油成分の割合はこのさらに5分の1から1000分の1程度になることもある)、油成分100部に対して1〜300部(質量比)の乳化剤、適当量の水よりなる。さらに、必要に応じて乳化補助剤、安定化剤、等張化剤、抗酸化剤、pH調整剤などを添加することができる。また脂肪乳剤の油成分を核とする粒子(以下油相エマルション粒子と記述する)の表面を糖、ポリエチレングリコールなどの合成高分子、タンパク質などで修飾して、体内分布を変化させて効果を向上させることも可能である。そして、本発明の好ましい投与形態である脂肪乳剤に含まれる有効成分のグルタチオン誘導体の濃度は全成分に対して0.0001〜10(w/v)%である。
本発明の脂肪乳剤の油成分としては、大豆油、綿実油、サフラワー油、トウモロコシ油、ゴマ油、硬化油、ツバキ油、オリーブ油、ナタネ油、ヤシ油、ユーカリ油、ラッカセイ油、小麦胚芽油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ジグリセリド、セチルアルコール、ステアリルアルコール、トリアセチン、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸等が使用できるが、医薬品用として使用可能なものであれば特に制限はない。中でも高純度の精製大豆油(純度:トリグリセリド、ジグリセリド及びモノグリセリドとして99.9%以上含有)が注射剤として用いる脂肪乳剤には好適である。
本発明の脂肪乳剤の乳化剤としては、レシチン、水素添加レシチン、リン脂質とその誘導体、コレステロールとその誘導体、非イオン性界面活性剤等が使用できるが、医薬品用として使用可能なものであれば制限はない。レシチン、水素添加レシチン、リン脂質はその由来を特に限定されず、例えば、大豆油等の植物由来のものや卵黄等の動物由来のもの等が用いられる。レシチンは不飽和脂肪酸を持つものが多く、その不飽和結合部を接触還元などにより水素添加し酸化しにくくさせたものが水素添加レシチンである。また高純度のジパルミトイルホスファチジルコリン等を乳化剤として添加することも可能である。さらに血中のアポタンパクのリポ粒子への吸着を低下させて肝臓への取込みを抑制し、血中滞留性を向上させるような目的で、ポリエチレングリコール等で修飾されたリン脂質であるジステアロイル−N−(モノメトキシポリエチレングリコールスクシニル)−ホスファチジルエタノールアミン等を乳化剤に混合することも可能である。
本発明の脂肪乳剤の乳化補助剤としては炭素数6〜30、好ましくは12〜24の脂肪酸またはその塩が使用できるが、医薬品用に添加可能なものであれば特に制限はない。中でも天然脂肪酸が最も好ましくその具体例としてステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、リノレン酸が挙げられる。生理的に受け入れられる脂肪酸の塩としてはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
本発明の脂肪乳剤の安定化剤としてはコレステロール、ホスファチジン酸、アルブミン、ビニル重合体、非イオン性界面活性剤が好ましいが、医薬品に添加可能なものであれば特に制限しない。この中でビニル重合体にはポリビニルピロリドン等が、非イオン性界面活性剤にはポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレン共重合体、硬化ヒマシ油ポリオキシアルキレン誘導体、ヒマシ油ポリオキシアルキレン誘導体等を用いることができる。
本発明の脂肪乳剤の等張化剤としては、例えばグリセリン、グルコース等が挙げられるが医薬品に添加可能な等張化剤について特に制限はない。
本発明の脂肪乳剤の抗酸化剤は、該乳化剤がリン脂質の場合に配合することが好ましく、このようなものとしては医薬品に使用可能なものであれば特に制限はないが、ビタミンEを好ましいものとしてあげることができる。
本発明の脂肪乳剤のpH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、塩酸等が使用できるが医薬品に添加可能なpH調整剤であれば特に限定されない。
本発明の脂肪乳剤の油相エマルション粒子の平均的な大きさは200〜400nm程度のものが好ましいが、血漿リポタンパクのように5〜100nm程度のより小さい粒子径を持つものもまた好ましい例として挙げられる。
本発明のリポソームの脂質二重膜を構成する脂質成分としては、レシチン、水素添加レシチン、リン脂質とその誘導体、コレステロールとその誘導体等が使用できるが、医薬品用として使用可能なものであれば制限はない。レシチン、水素添加レシチン、リン脂質はその由来を特に限定されず、例えば、大豆油等の植物由来のものや卵黄等の動物由来のもの等が用いられる。レシチンは不飽和脂肪酸を持つものが多く、その不飽和結合部を接触還元などにより水素添加し酸化しにくくさせたものが水素添加レシチンである。また高純度のジパルミトイルホスファチジルコリン等のリン脂質を添加することも可能である。さらに血中滞留性を向上させるような目的で、ポリエチレングリコール等で修飾されたリン脂質であるジステアロイル−N−(モノメトキシポリエチレングリコールスクシニル)−ホスファチジルエタノールアミン等を混合することも可能である。また標的組織への指向性を高めるために、標的組織の抗原を認識する免疫グロブリン等を膜脂質成分に結合させることも可能である。
本発明の固体懸濁液の懸濁化剤としては、非イオン性界面活性剤、セルロースエーテル、デンプンとその誘導体、プルラン、ビニル重合体、アクリル酸重合体、アラビアゴム、アルギン酸とその誘導体、カンテン、ゼラチン、キサンタンガム、レシチン、水素添加レシチン、リン脂質等を用いることができるが、医薬品用に添加可能な懸濁化剤であれば特に制限はしない。この中で非イオン性界面活性剤としてはポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレン共重合体、硬化ヒマシ油ポリオキシアルキレン誘導体、ヒマシ油ポリオキシアルキレン誘導体等を挙げることができる。セルロースエーテルとしてはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等を挙げることができる。デンプン誘導体としてはヒドロキシエチルスターチ等を、アルギン酸誘導体としてはアルギン酸プロピレングリコールエステルを挙げることができる。
また本発明の固体懸濁液にはショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリアルキレングリコール等を安定化剤として添加することができる。
さらに、本発明のグルタチオン誘導体を有効成分とする医薬組成物は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸やその共重合体等の生体内分解吸収性ポリマーを用いて調製したマイクロスフェアに封入または混合したものであっても良く、注射、経口、経気道粘膜、経消化管粘膜または点眼により投与することができる。
本発明のグルタチオン誘導体を有効成分とするコロイド状組成物は例えば以下のような方法によって製造することが可能であるが、これら以外の方法による製造を制限するものではない。
脂肪乳剤では、大豆油等の油成分と精製卵黄レシチン等の乳化剤を約40〜90℃の加温下で混合し、これに必要量の水を添加してミキサーを用いて粗乳化を行う。次にフレンチプレス、マントンゴーリン等の高圧噴射型ホモジナイザーや、超音波破砕・分散装置を用いて精乳化して均一でサイズ調節されたエマルションとした後、さらにフィルター濾過し、高圧蒸気滅菌等の方法で滅菌することにより製造される。ここで有効成分であるグルタチオン誘導体は最初に油成分と乳化剤を混合する段階や粗乳化の段階で、固体状のものを直接添加するか、エタノール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール等の医薬品に添加可能な微量の溶剤に混和した後に添加することができる。また有効成分であるグルタチオン誘導体を医薬品用に使用可能な溶剤に溶解してフィルター滅菌等の処理を施した後、別途精乳化、フィルター濾過、高圧蒸気滅菌の処理を終えた脂肪乳剤に後添加するか、或いは用時調製方式で投与前に混合して医薬組成物を得ることも可能である。
リポソームでは、レシチン、リン脂質、コレステロール等の脂質二重膜構成成分と、有効成分であるグルタチオン誘導体をクロロホルム、テトラヒドロフラン等の溶媒に完全に溶解した後、ロータリーエバポレーター等を用いて溶媒を蒸発させることによりキャスト薄膜を作成し、これを注射用水かまたは塩、糖等の等張化水溶液中で超音波照射等の方法で分散させ、さらに高圧噴射型破砕処理やゲル濾過により粒子径が均一化された医薬組成物を構成するリポソームを得ることができる。或いは、レシチン、リン脂質等の脂質二重膜構成成分と、有効成分であるグルタチオン誘導体を、エタノール、ジエチルエーテル等に溶解し、加温下で注射用水などに低速度注入した後、これらの有機溶媒を限外濾過や蒸発によって除去することによってもリポソームからなる医薬組成物を得ることができる。
固体懸濁物では、有効成分のグルタチオン誘導体を、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース低級アルキルエーテルや、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコール等のポリオキシアルキレン共重合体とともに媒体攪拌ミルで乾式混合粉砕した後、注射用水に懸濁してナノマイザー等の高圧噴射型破砕・分散装置や、アッペクスミル等の媒体攪拌湿式粉砕機を用いて平均粒子径1μm以下の固体懸濁液を調製する。これをフィルター濾過後に高圧蒸気滅菌等の方法で滅菌処理してコロイド状の医薬組成物を得ることができる。
本発明の医薬組成物は血球産生の低下或いは血球機能の異常に起因する疾患、または末梢血幹細胞移植における造血幹細胞の採取に際し、造血促進剤として使用することができる。血球産生の低下或いは血球機能の異常に起因する疾患としては、例えば骨髄移植或いは癌化学療法による造血機能抑制、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、先天性または特発性好中球減少症或いは血小板減少症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症、免疫抑制療法(腎移植、肝移植等)に伴う好中球減少症、難治性感染症或いは幼児重症感染症の治療に支障を来す好中球減少症等が挙げられる。また本発明の医薬組成物は予防の目的でも使用することができる。
本発明のコロイド状組成物は皮下注、筋注、迅速静注、または単独或いは糖類、アミノ酸、電解質等からなる栄養等の補給用輸液に混合して点滴静注するか、もしくは経口または経腸的に投与して用いることができる。これらの場合有効成分の投与量は0.2μg/kg/day〜60mg/kg/dayで、通常20μg/kg/day〜30mg/kg/day程度である。
本発明で知見した、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)の阻害または結合能を有するγ−glutamyl S(benzyl)cysteinyl−R(−)−phenyl−glycine(TER117)等の医薬物質を、カルボキシル基がある場合にそれを炭素数12以上の長鎖アルキルまたはアルケニルエステル化すること、さらには、コロイド状医薬物質組成物を利用することによって、その標的組織である骨髄での造血促進作用を効率的に発現させる方法、或いはそのGSTの多彩な機能に関連する非選択的な生理作用の発現を抑制して安全性を高める方法は、TER117のようなグルタチオン誘導体に限らず例えばエタクリン酸等の構造が全く異なるグルタチオンS−トランスフェラーゼ阻害または結合性医薬物質にも利用することができる。
実施例
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例を含めて本明細書中において使用されている誘導体、あるいはこれらの構造中に存在する官能基、反応試薬等の略号は、有機化学の分野で慣用されているものであり、下記にその略語の意味をを示す。
Et2O:ジエチルエーテル、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、AcOEt:酢酸エチル、EtOH:エタノール、DMSO:ジメチルスルホキシド、Glu:グルタミン酸、Cys:システイン、Phg:フェニルグリシン、WSC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、NMM:N−メチルモルホリン、SOCl2:塩化チオニル、NaHCO3:炭酸水素ナトリウム、Pd/C:パラジウム炭素、Boc:t−ブトキシカルボニル、Ph:フェニル、Bzl:ベンジル、Ac:アセチル
本発明のグルタチオン誘導体は図1に示す一般ルートに従って合成した。以下に具体的な合成例を示す。
製造例1.D−Phg−OEt塩酸塩の合成
D−フェニルグリシン(8.00g)のEtOH(150ml)懸濁液に−50℃でSOCl2(4.3ml)を加え、冷却を止めて室温で71時間攪拌した。反応液を減圧で濃縮した後に、粗結晶にEt2Oを加えて濾取することでD−Phg−OEt塩酸塩を得た。
収量 11.3g
1H NMR(δppm,CDCl3):1.15(t,J=7.1Hz,3H) 4.08−4.21(m,2H) 5.12(s,1H) 7.30−7.39(m,3H) 7.49−7.59(m,2H)
製造例2.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−OEtの合成
Boc−Cys(Bzl)−OH(4.34g)およびD−Phg−OEt・塩酸塩(3.00g)のDMF(50ml)溶液にHOBt(1.90g)を加え、0℃でN−メチルモルホリン(1.65ml)とWSC(4.00g)を加えた。反応液を0℃で20分間攪拌し、さらに室温で80分間攪拌した後に水に注ぎ、AcOEtで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(n−hexane7/AcOEt=4/1→2/1)で精製することによってBoc−Cys(Bzl)−D−Phg−OEtを得た。
収量 6.41g
1H NMR(δppm,CDCl3):1.21(t,J=7.1Hz,3H) 1.45(s,9H) 2.71(dd,J=8.8Hz,4.1Hz,1H) 2.86(dd,J=8.8,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4.07−4.36(m,3H) 5.18−5.38(m,1H) 5.51(d,J=4.4Hz,1H) 7.18−7.39(m,11H)
製造例3.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−O(Hexadecyl)の合成
製造例2と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.13−1.35(m,26H) 1.39−1.61(m,11H) 2.71(dd,J=8.7Hz,4.1Hz,1H) 2.86(dd,J=8.7,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4,11(t,J=4.1Hz,2H) 4.23−4.34(m,1H) 5.21−5.34(m,1H) 5.51(d,J=4.6Hz,1H) 7.19−7.37(m,11H)
製造例4.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−O(Tetradecyl)の合成
製造例2と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1,13−1.35(m,22H) 1.39−1.63(m,11H) 2.71(dd,J=8.9Hz,4.1Hz,1H) 2.86(dd,J=8.9,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4.11(t,J=4.1Hz,2H) 4.23−4.35(m,1H) 5.21−5.35(m,1H) 5.51(d,J=4.4Hz,1H) 7.19−7.39(m,11H)
製造例5.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−O(Dodecyl)の合成
製造例2と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.11−1.35(m,18H) 1.39−1.66(m,11H) 2.71(dd,J=8.8Hz,4.0Hz,1H) 2.86(dd,J=8.8,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4.11(t,J=4.1Hz,2H) 4.24−4.35(m,1H) 5.21−5.35(m,1H) 5.51(d,J=4.4Hz,1H) 7.19−7.42(m,11H)
製造例6.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−O(Decyl)の合成
製造例2と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.13−1.35(m,14H) 1.37−1.66(m,11H) 2.71(dd,J=8.9Hz,4.1Hz,1H) 2.86(dd,J=8.9,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4.11(t,J=4.1Hz,2H) 4.23−4.35(m,1H) 5.19−5.35(m,1H) 5.51(d,J=4,4Hz,1H) 7.19−7.42(m,11H)
製造例7.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−O(Octyl)の合成
製造例2と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm.CDCl3):0.87(t,J=4.4Hz,3H) 1.13−1.34(m,10H)1.39−1.66(m,11H) 2.71(dd,J=8.9Hz,4.1Hz,1H) 2.86(dd,J=8.9,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4.12(t,J=4.2Hz,2H) 4.23−4.35(m,1H) 5.19−5.35(m,1H) 5.51(d,J=4.4Hz,1H) 7.19−7.42(m,11H)
製造例8.Boc−Cys(Bzl)−D−Phg−O(Hexyl)の合成
製造例2と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.84(t,J=4.3Hz,3H) 1.13−1.30(m,6H) 1.37−1.65(m,11H) 2.71(dd,J=8.7Hz,4.1Hz,1H) 2.86(dd,J=8.7,3.7Hz,1H) 3.70(s,2H) 4.12(t,J=4.2Hz,2H) 4.23−4.39(m,1H) 5.19−5.35(m,1H) 5.51(d,J=4.4Hz,1H) 7.19−7.42(m,11H)
製造例9.Boc−Glu(OBzl)−O(Octadecyl)の合成
Boc−Glu(OBzl)−OH(1.50g)のDMF(40ml)溶液に1−ブロモオクタデカン(4.45g)とNaHCO3(1.90g)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、AcOEtで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(n−hexane/AcOEt=25/1→8/1)で精製することによってBoc−Glu(OBzl)−O(Octadecyl)を得た。
収量 1.64g
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.19−1.35(m,30H) 1.43(s,9H) 1.59−1.66(m,2H) 1.90−2.01(m,1H) 2.15−2.26(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.11(t,J=4.3Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.05−5.16(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例10.Boc−Glu(OBzl)−O(Dococyl)の合成
製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.35(m,38H) 1.43(s,9H) 1.56−1.66(m,2H) 1.89−2.02(m,1H) 2.13−2.27(m,1H) 2.37−2.53(m,2H) 4.11(t,J=4.1Hz,2H) 4.26−4.37(m,1H) 5.05−5.15(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例11.Boc−Glu(OBzl)−O(Hexadecyl)の合成
製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.35(m,26H) 1.43(s,9H) 1.56−1.66(m,2H) 1.89−2.02(m,1H) 2.13−2.27(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.11(t,J=4.2Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.06−5.15(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例12.Boc−Glu(OBzl)−O(Tetradecyl)の合成製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.3Hz,3H) 1.21−1.37(m,22H) 1.44(s,9H) 1.58−1.68(m,2H) 1.90−2.02(m,1H) 2.15−2.26(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.11(t,J=4.3Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.06−5.15(m,1H)5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例13.Boc−Glu(OBzl)−O(Dodecyl)の合成
製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.35(m,18H) 1.43(s,9H) 1.58−1.68(m,2H) 1.90−2.02(m,1H) 2.13−2.26(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.11(t,J=4.1Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.06−5.15(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例14.Boc−Glu(OBzl)−O(Decyl)の合成
製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.35(m,14H) 1.43(s,9H) 1.58−1.68(m,2H) 1,90−2.02(m,1H) 2.13−2.26(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.12(t,J=4.3Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.06−5.15(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例15.Boc−Glu(OBzl)−O(Octyl)の合成
製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.35(m,10H) 1.43(s,9H) 1.58−1.68(m,2H) 1.90−2.02(m,1H) 2.13−2.26(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.12(t,J=4.3Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.06−5.15(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例16.Boc−Glu(OBzl)−OEtの合成
製造例9と同様の方法によって得た。
1H NMR(δppm,CDCl3):1.27(t,J=4.4Hz,3H) 1.43(s,9H) 1.90−2.02(m,1H) 2.15−2.26(m,1H) 2.37−2.55(m,2H) 4.19(q,J=4.4Hz,2H) 4.27−4.37(m,1H) 5.05−5.18(m,1H) 5.12(s,2H) 7.29−7.39(m,5H)
製造例17.Boc−Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O( Octadecyl)の合成
Boc−Glu(OBzl)−O(Octadecyl)(1.40g)のジオキサン(40ml)溶液に10%Pd/C(200mg)を加え、水素ガス雰囲気下で14時間攪拌した後に反応液を濾過し、母液を減圧で濃縮した。残渣にDMF(40ml)、Cys(Bzl)−D−Phg−OEt・塩酸塩(945mg)およびHOBt(345mg)を加えて攪拌し、0℃でN−メチルモルホリン(0.28ml)とWSC(670mg)を加えた。反応液を0℃で30分間攪拌し、さらに室温で4時間攪拌した後に水に注ぎ、AcOEtで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(n−hexane/AcOEt=2/1→5/3)で精製することによってBoc−Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Octadecyl)を得た。
収量 1.75g
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.3Hz,3H) 1.18(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.36(m,30H) 1.44(s,9H) 1.54−1.66(m,2H) 1.84−1.98(m,1H) 2.13−2.33(m,3H) 2.69(dd,J=8.7Hz,4.3Hz,1H) 2.86(dd,J=8.7,3.8Hz,1H) 3.71(s,2H) 4.07−4.26(m,4H) 4.32−4.42(m,1H) 4.48−4.58(m,1H) 5.30(d,J=5.0Hz,1H) 5.48(d,J=4.6Hz,1H) 6.67(d,J=4.6Hz,1H) 7.20−7.40(m,11H)
実施例1.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Octadecyl)塩酸塩の合成
Boc−Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Octadecyl)(1.73g)のジオキサン(10ml)溶液に4N塩酸のジオキサン溶液(5ml)を加えて室温で20時間攪拌した後に、反応液を減圧で濃縮した。残渣をジオキサンに溶かし、Et2Oを加えて終夜攪拌した。析出した固体を濾取し、Et2Oで洗浄後に乾燥することでGlu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Octadecyl)塩酸塩を得た。
収量 1.50g
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.16(t,J=4.4Hz,3H) 1.21−1.34(m,30H) 1.56−1.66(m,2H) 2.21−2.34(m,1H) 2.41−2.52(m,1H) 2.62−2.72(m,2H) 2.80(d,J=4.4Hz,2H) 3.66(s,2H) 4.03−4.25(m,5H) 4.56−4.64(m,1H) 5.51(d,J=4.6Hz,1H) 7.13−7.34(m,10H) 7.74(d,J=4.6Hz,1H) 7.87(d,J=5.0Hz,1H) 8.72(brs,3H)
前記実施例並びに製造例と類似の方法、並びに当業者に周知の有機化学的手法を用いることによって以下の化合物を製造した。
実施例2.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Docposyl)塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.16(t,J=4.4Hz,3H) 1.20−1.34(m,38H) 1.54−1.66(m,2H) 2.20−2.36(m,1H) 2.39−2.54(m,1H) 2.62−2.74(m,2H) 2.80(d,J=4.1Hz,2H) 3.67(s,2H) 4.05−4.25(m,5H) 4.54−4.66(m,1H) 5.51(d,J=4.4Hz,1H) 7.16−7.39(m,10H) 7.73(d,J=4.4Hz,1H) 7.87(d,J=4.7Hz,1H) 8.70(brs,3H)
実施例3.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(9,12,15−Octadecatrienyl)塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.97(t,J=4.6Hz,3H) 1.16(t,J=4.4Hz,3H) 1.23−1.43(m,10H) 1.56−1.69(m,2H) 1.93−2.13(m,4H) 2.20−2.36(m,1H) 2.39−2.52(m,1H) 2.59−2.89(m,8H) 3.65(s,2H) 4.03−4.26(m,5H) 4.57−4.69(m,1H) 5.28−5.64(m,6H) 5.50(d,J=4.4Hz,1H) 7.15−7.41(m,10H) 7.76(d,J=4.4Hz,1H) 7.87(d,J=4.9Hz,1H) 8.69(brs,3H)
実施例4.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Hexadecyl)塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.16(t,J=4.4Hz,3H) 1.20−1.34(m,26H) 1.56−1.66(m,2H) 2.21−2.36(m,1H) 2.41−2.52(m,1H) 2.61−2.72(m,2H) 2.79(d,J=4.4Hz,2H) 3.66(s,2H) 4.03〜4.26(m,5H) 4.56−4.64(m,1H) 5.50(d,J=4.5Hz,1H) 7.15−7.38(m,10H) 7.74(d,J=4.5Hz,1H) 7.87(d,J=5.0Hz,1H) 8.72(brs,3H)
実施例5.AC−Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Hexadecyl)
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.18−1.36(m,29H) 1.57−1.69(m,2H) 1.92−2.05(m,1H) 2.01(s,3H) 2.16−2.36(m,3H) 2.71(dd,J=8.9Hz,4.4Hz,1H) 2.85(dd,J=8.9Hz,4.1Hz,1H) 3.71(s,2H) 4.07−4.26(m,5H) 4.52−4.58(m,1H) 4.64−4.70(m,1H) 5.49(d,J=4.4Hz,1H) 6.55(d,J=4.7Hz,1H) 6.83(d,J=4.9Hz,1H) 7.20−7.38(m,10H) 7.40(d,J=4.4Hz,1H)
実施例6.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Tetradecyl)塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.6Hz,3H) 1.16(t,J=4.4Hz,3H) 1.20−1.34(m,22H) 1.56−1.66(m,2H) 2.21−2.36(m,1H) 2.41−2.52(m,1H) 2.61−2.72(m,2H) 2.80(d,J=4.4Hz,2H) 3.66(s,2H) 4.03−4.26(m,5H) 4.54−4.64(m,1H) 5.50(d,J=4.5Hz,1H) 7.15−7.38(m,10H) 7.73(d,J=4.5Hz,1H) 7.87(d,J=5.0Hz,1H) 8.71(brs,3H)
実施例7.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OEt)−O(Dodecyl)塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.6Hz,3H) 1.16(t,J=4.4Hz,3H) 1.20−1.34(m,18H) 1.56−1.66(m,2H) 2.20−2.36(m,1H) 2.41−2.52(m,1H) 2.61−2.72(m,2H) 2.79(d,J=4.3Hz,2H) 3.66(s,2H) 4.03−4.26(m,5H) 4.54−4.64(m,1H) 5.50(d,J=4.4Hz,1H) 7.15−7.38(m,10H) 7.73(d,J=4.4Hz,1H) 7.86(d,J=4.9Hz,1H) 8.70(brs,3H)
実施例8.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Hexadecyl))−OEt塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.1Hz,3H) 1.07−1.34(m,29H) 1.46−1.56(m,2H) 2.21−2.36(m,1H) 2.41−2.52(m,1H) 2.61−2.72(m,2H) 2.79(d,J=4.0Hz,2H) 3.67(s,2H) 4.00−4.25(m,5H) 4.56−4.64(m,1H) 5.50(d,J=4.5Hz,1H) 7.16−7.38(m,10H) 7.75(d,J=4.5Hz,1H) 7.82(d,J=4.9Hz,1H) 8.73(brs,3H)
実施例9.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Tetradecyl))−OEt塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.06−1.34(m,25H) 1.46−1.56(m,2H) 2.21−2.36(m,1H) 2.39−2.52(m,1H) 2.59−2.70(m,2H) 2.78(d,J=4.0Hz,2H) 3.66(s,2H) 4.00−4.25(m,5H) 4.56−4.64(m,1H) 5.50(d,J=4.4Hz,1H) 7.15−7.39(m,10H) 7.75(d,J=4.4Hz,1H) 7.82(d,J=4.4Hz,1H) 8.72(brs,3H)
実施例10.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Dodecyl))−OEt塩酸塩
1H NMR(δppm,CDCl3):0.88(t,J=4.4Hz,3H) 1.07−1.36(m,21H) 1.46−1.56(m,2H) 2.23−2.36(m,1H) 2.39−2.52(m,1H) 2.59−2.70(m,2H) 2.78(d,J=4.3Hz,2H) 3.66(s,2H) 4.00−4.30(m,5H) 4.57−4.69(m,1H) 5.50(d,J=4.4Hz,1H) 7.16−7.43(m,10H) 7.75(d,J=4,4Hz,1H) 7.82(d,J=4.9Hz,1H) 8.73(brs,3H)
実施例11.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Hexadecyl))塩酸塩
1H NMR(δppm,DMSO−d6):0.85(t,J=4.2Hz,3H) 1.17−1.36(m,26H) 1.54−1.66(m,2H) 1.95−2.12(m,2H) 2.26−2.53(m,3H) 2.62(dd,J=8.5Hz,3.7Hz,1H) 3.72(s,2H) 4.04(t,J=4.1Hz,1H) 4.14(t,J=4.1Hz,2H) 4.75−4.85(m,1H) 5.36−5.43(m,1H) 7.17−7.46(m,10H) 8.29(d,J=5.4Hz,1H) 9.05(d,J=4.9Hz,1H)
さらに、前記製造例で合成した中間体を用いることによって以下の化合物を製造した。
実施例12.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Hexyl))−O(Tetradecyl)塩酸塩
実施例13.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Hexyl))−O(Hexadecyl)塩酸塩
実施例14.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Octyl))−O(Dodecyl)塩酸塩
実施例15.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Octyl))−O(Tetradecyl)塩酸塩
実施例16.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Decyl))−O(Dodecyl)塩酸塩
同様にして、以下の対比化合物を製造した。
比較例1.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Et))−OEt塩酸塩
前述のTER199
比較例2.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Octyl))−OEt塩酸塩
比較例3.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−OH)−OH塩酸塩
前述のTER117
比較例4.Glu(Cys(Bzl)−D−Phg−O(Decyl))−OEt塩酸塩
本発明のグルタチオン誘導体のコロイド状組成物の具体的な製造例を以下に示す4。
実施例17.
実施例4のグルタチオン誘導体を有効成分とする脂肪乳剤の製造を、高圧噴射型ホモジナイザーを用いて行った。
(1)高圧噴射型ホモジナイザーはナノマイザー社のナノマイザーLAを用いた。精製卵黄レシチン、精製大豆油、グリセリンは静脈内注射可能なものを使用した。
(2)精製卵黄レシチン6gと精製大豆油55gを加温しながら混合しミキサーで均一化した。これに実施例4のグルタチオン誘導体を560mgを加えさらに攪拌して均一化した。適量のグリセリンと注射用水を加えてミキサーで粗乳化して水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.4に調整した。さらに水を加えて全量で560gとしたものを、ナノマイザーLAを用いて550kgf/cm2の乳化圧で11回乳化部を通過させることにより精乳化を実施した。精乳化したものを1.2μmフィルターで濾過したのち適当なガラスバイアルに封入した。
(3)このようにして得られたグルタチオン誘導体の医薬組成物は、動的光散乱法によるNICOMP−370(野崎産業)にて3回測定した油相エマルション粒子の粒度分布が平均径(標準偏差)=174.4nm(75.0nm),194.5nm(77.6nm),189.1nm(87.9nm)であった。また1.2μmフィルター濾過前後にテトラヒドロフランでエマルションを破壊してHPLCで実施例4のグルタチオン誘導体含量を測定したところ、濾過前の90%以上の含量を維持しており、均一性が良好であるとともに油相エマルション粒子に実施例4のグルタチオン誘導体が安定に混合されていることが確認された。なお、実施例4のグルタチオン誘導体のアルコール溶液を終濃度がほぼ同じ1mg/mLとなるように注射用水に5%以下の容量比率で混合した場合には、直ちにグルタチオン誘導体の析出を来たし1.2μmフィルター濾過後の含量は75%以下になることが確認された。
実施例18.
実施例4で得られたグルタチオン誘導体を簡易に小スケールで脂肪乳剤と混合する方法で製造した。
(1)実施例17の方法に従ってグルタチオン誘導体を添加しない空の脂肪乳剤を調製した。必要時に小スケールで使用できるように、ガラスバイアルに封入し高圧蒸気滅菌したものを冷蔵保存した。
(2)実施例4のグルタチオン誘導体を40mg/mLでエタノール:ベジルアルコール=4:1の混液中に溶解させたものを、2.5〜7.5%の容量比率で(1)で得られた空の脂肪乳剤に混合した。
(3)得られた医薬組成物は、少なくとも混合から5時間を経過しても(1)の空の脂肪乳剤と同程度の油相エマルションの粒度分布を呈し、また、1.2μmフィルターパス画分中のグルタチオン誘導体含量は仕込み値の90%以上を維持した。
以下、実施例1〜16で合成したグルタチオン誘導体の有効性を確認した
実施例19.グルタチオン誘導体の生理的な安定性の比較
(1)Bovine serum albumin(以下BSAと称す)、Dulbecco’s phosphate buffered saline(以下D−PBSと称す)、ブタ肝臓エステラーゼ及びウサギ肝臓エステラーゼはSigma社より、雄性SD系ラットは6週齢のものを日本エスエルシー社より、雄性Japanease whiteウサギは12週齢以上のものを市川屋よりそれぞれ購入した。そして、以下のインキュベーション実験当日に動物よりヘパリン存在下で採血・分離した血漿を使用した。ヒト血漿は健常な男性より同意を得て取得した。
(2)本発明の実施例及び比較例に記したグルタチオン誘導体を以下の組成の酵素液または血漿中で一定時間インキュベーションした後、反応液にアセトニトリルを添加して酵素を失活させて反応を停止し、徐タンパクした上澄液中のグルタチオン誘導体濃度をHPLCで測定した。エステラーゼ酵素実験では各時間点は2回以上の測定の平均値、またラット及びウサギは3個体の血漿サンプルの平均値を求めた。その一部の実験データについて、グルタチオン誘導体の初期濃度に対する百分率の経時変化を図2〜4に示した。
・ブタ肝臓エステラーゼ、ウサギ肝臓エステラーゼ実験
30mg−BSA/mL−D−PBS(pH7.4):36〜45部
ブタまたはウサギ肝臓エステラーゼ/D−PBS:4〜5部
10mg−グルタチオン誘導体/mL−エタノール:1部(反応液中の終濃度は、196〜244μg/mL)
・ラット、ウサギ、ヒト血漿
ヘパリン処理血漿:30〜40部
(ラット血漿は30mg−BSA/mL−D−PBS(pH7.4)で必要に応じて希釈使用)
10mg−グルタチオン誘導体/mL−エタノール:1部(反応液中の終濃度は、250〜323μg/mL)
(3)図2〜4で得られたグルタチオン誘導体分解の経時変化が、一次の消失曲線に従うとみなすことが妥当であると考えられたため、これらのグラフから分解速度定数や半減期をを求めて、表2、3に示した。
(4)以上の結果より本発明の炭素数12以上アルキルエステルからなるグルタチオン誘導体は、比較例の炭素数10以下のアルキルエステルからなるグルタチオン誘導体に比べて、相対的に生理的安定性が高いことがわかった。
実施例20.グルタチオン誘導体のin−vitroのHL−60
細胞分化誘導・増殖促進活性の比較実験−1
ヒト白血病細胞HL−60を9−シス−レチノイン酸(9−cis−RA)または活性型ビタミンD3(1α,25(OH)2D3)の存在下で培養して得られる顆粒球系または単球・マクロファージ系細胞への分化誘導作用を利用して、さらに本発明実施例及び比較例のグルタチオン誘導体を共存させた時の増殖促進活性を試験した。
(1)HL−60細胞は細胞バンク(ジャパニーズ・キャンサー・リサーチ・リソース・バンク、細胞番号:JCRB0085)から購入したものを用いた。常法により、細胞凍結保存ストックを実験開始前に解凍して継代培養を始めたものを使用した。継代は、浮遊培養状態の細胞を遠心回収(毎分1500回転、5分)して新鮮な培養液に1/100程度の濃度(1〜2×104細胞/mL)に希釈することで実施した。なお、培養液としては10%ウシ胎児血清を含むRPMI−1640培地を用いた。
(2)(1)で継代培養していた細胞を遠心回収(毎分1500回転、5分)して培養液に2×104細胞/mLに分散させ、24ウェル培養プレートに1mL/ウェルで播種した。この系に実施例4、実施例11、比較例1及び比較例2のグルタチオン誘導体と分化誘導物質(9−cis−RAまたは1α,25(OH)2D3)を添加した。すなわち、分化誘導物質である9−cis−RAは5×10−6M、1αおよび25(OH)2D3は2×10−6Mでエタノール溶液としたものをそれぞれ1ウェルあたり1μL添加した。続いて、グルタチオン誘導体を1×10−4〜1×10−2Mでエタノール溶液としたものを1ウェルあたり1μL添加した。なお、対照となる溶媒処理としてはグルタチオン誘導体の代わりにエタノールを1ウェルあたり1μL添加し、グルタチオン誘導体単独処理としては分化誘導物質の代わりにエタノールを1ウェルあたり1μL添加した。37℃、5%CO2下で4日間培養した後、細胞を遠心回収(毎分1500回転、5分)した。
(3)単球・マクロファージ系あるいは顆粒球系細胞への分化誘導作用の評価によく用いられる生物学的指標の一つであるニトロブルーテトラゾリウム(以下NBT)還元活性の測定は以下の手順に従って実施した。すなわち、(2)で記載した遠心回収した細胞を新鮮な培養液に浮遊させた後、NBT100ng/mL、12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート100nMとなるように添加し、37℃で25分間インキュベートした後、サイトスピン標本を作製した。風乾後、ケルネヒトロート染色を施し、光学顕微鏡下で標本1枚あたり500個の細胞を観察し、NBT還元活性陽性細胞の比率を求めた。
(4)グルタチオン誘導体を10−7〜10−5Mで、分化誘導物質とともに処理した結果を表4に示す。各グルタチオン誘導体はいずれも10−5Mまでの単独処理ではNBT還元活性の上昇は認められなかった。グルタチオン誘導体と分化誘導物質との組み合わせ処理では、分化誘導物質単独での処理と比較して、NBT還元活性陽性細胞の比率がグルタチオン誘導体の濃度に依存して上昇することが認められた。なお、本発明の実施例4、11と比較例1、2のグルタチオン誘導体間で作用強度に大きな差は認められなかった。
実施例21.グルタチオン誘導体のin−vitroのHL−60細胞分化
誘導・増殖促進活性の比較実験−2
実施例20と同様の手法で、実施例4、5、8及び比較例3のグルタチオン誘導体のin−vitro活性を比較した。
(1)実施例20との相違点としては、一点は、化合物の溶解性の理由から実施例及び比較例のグルタチオン誘導体は、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いたため、系中にエタノールではなく0.1〜0.3(v/v)%のDMSOが入った条件となった。また二つ目に、9−cis−RAの濃度を5×10−9Mから2×10−9Mに変更した。これらの影響で、実施例4のグルタチオン誘導体の試験結果に若干の感受性の差異を生じた。さらに、実施例21では9−cis−RAを共存させてHL−60細胞の顆粒球系細胞への分化誘導のみを評価した。
(2)実施例4は比較例3のグルタチオン誘導体より高い活性を示した。実施例5及び8のグルタチオン誘導体は比較例3と同程度の分化誘導能を示した。
実施例22.比較例1及び2のグルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混
合したものと実施例18との効果の比較
グルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混合したものをブタ肝臓エステラーゼとインキュベーションし、その分解に対する抵抗性を比較した。
(1)実施例18と同一の条件で比較例1及び2のグルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混合した。このとき脂肪乳剤中の実施例4、比較例1及び比較例2のグルタチオン誘導体濃度はいずれも1mg/mLとした。
(2)実施例18、比較例1または比較例2のグルタチオン誘導体の脂肪乳剤を15(v/v)%でブタ肝臓エステラーゼの反応液中に添加し、実施例19と同様に一定時間インキュベーション後のグルタチオン誘導体含量をHPLCで定量分析した。また対照実験として、実施例4、比較例1または比較例2のグルタチオン誘導体のアルコール溶液を、総容量調整のための生理食塩水とともにエステラーゼ反応液中に添加して、同じようにインキュベーションしてHPLCで分析した。
(3)実施例19と同様に一次の消失曲線に従ったので、それぞれの分解速度定数を求めてその比較を行い表6にまとめた。
(4)脂肪乳剤と混合することで、いずれのグルタチオン誘導体も分解速度が低下したが、その分解速度の低下度合は実施例4のグルタチオン誘導体でより強く現れた。
実施例23.比較例1のグルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混合した
ものと実施例18との効果の比較
グルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混合したものをグリセリン水溶液中で透析し、脂肪乳剤中のグルタチオン誘導体含量の変化を比較した。
(1)実施例18と同様に比較例1の脂肪乳剤を調製した。このときのグルタチオン誘導体の濃度は脂肪乳剤中2mg/mLとした。
(2)これらの脂肪乳剤を14mLを1Lの2.3(w/v)%グリセリン水溶液中で透析した。透析は2日間室温で行い、グリセリン水溶液を途中1回交換した。透析後の脂肪乳剤はいずれも約15.6mLとなっていた。これを1.2μmのフィルターで濾過してそのグルタチオン誘導体含量を測定した。
(3)実施例18(実施例4)のグルタチオン誘導体含量は、透析による容量増加を補正しない値で初期仕込み値の85.7%であったが、比較例1の含量は透析後に14.0%に低下していた。
この結果は次のように解釈される。すなわち、実施例4のグルタチオン誘導体は、透析膜をほとんど透過し得ない油相エマルション粒子に強く封入されるため、透析後も脂肪乳剤中の含量はあまり低下しないが、比較例1のグルタチオン誘導体は容易にエマルション粒子と強い相互作用をもたず、透析膜を透過して脂肪乳剤中の含量低下を来たしたと考察できる。
(4)この結果から、実施例4のグルタチオン誘導体は脂肪乳剤とともに投与した場合、in vivoでも血管を油相エマルション粒子を透過させない透析膜に見なした時に同様の効果が期待できると考えられた。
実施例24.実施例18の脂肪乳剤と比較例1の水溶液をマウスに
静脈内投与した時の血中グルタチオン誘導体濃度推移
の比較
血中のエステラーゼ活性が高い種であるマウスにおける血中動態を実施例4と比較例1のグルタチオン誘導体について比較した。
(1)マウスは日本エスエルシーから雄性8週齢のBDF1マウスを購入し実験に用いた。9週齢で実験に供するまでの期間、動物飼育用飼料(MF、オリエンタル酵母株式会社)および飲料水(0.4±0.2ppmの次亜塩素酸を処理した井水)を自由摂取できる条件下、温度24±2℃、湿度55±5%で飼育した。
(2)実施例4のグルタチオン誘導体濃度を3mg/mLとした実施例18の脂肪乳剤と、比較例1のグルタチオン誘導体を5mg/mLの濃度で含有する2.5(w/v)%−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの生理食塩溶液を、それぞれ有効成分用量が30mg/kg−体重、50mg/kg−体重となるように、液量としてともに10mL/kg−体重をマウスに尾静脈内投与した。一定時間後エーテル麻酔下で心臓より約1mLの血液を採取した。(各マウスの個体からは1回採血して殺処分する。)各試料群−各時間ポイントのN数は2で実施した。採血後の血液は直ちに氷冷し、クエン酸ナトリウム存在下で血漿を遠心分離した。得られた血漿は、アセトニトリルで除タンパク後、トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル系を移動相としてC18の逆相クロマトグラフィーカラムで分析し、血漿中の各グルタチオン誘導体濃度を測定した。
(3)各グルタチオン誘導体の血漿中濃度結果を表7、8にまとめた。比較例1のグルタチオン誘導体は投与5分後ですでに血漿中濃度が定量限界の約1μg/mL以下であった。一方、実施例18の脂肪乳剤を投与したマウスでは、グルタチオン誘導体が血漿中に投与後2時間まで検出された。
(4)以上の結果から、従来技術の比較例1は、マウスの血漿中から極めて速く消失するのに対して、本発明の実施例4のグルタチオン誘導体は、血漿中に比較的長時間に亘って存在し得ることがわかった。
各採血時間でそれぞれ2匹のマウスからほぼ全血を採血し殺処分した。
表中の単位はμg/mL、定量限界は約1μg/mL
各採血時間でそれぞれ2匹のマウスからほぼ全血を採血し殺処分した。
表中の単位はμg/mL、定量限界は約1μg/mL
実施例25.炭素数12以上の長鎖エステルを有するグルタチオン
誘導体の脂肪乳剤と比較例1の水溶液及び比較例2の
脂肪乳剤をウサギに静脈内投与した時の血中グルタチ
オン誘導体濃度推移の比較
血中のエステラーゼ活性が低い種であるウサギにおける血中動態を、炭素数12以上の長鎖エステルを有する本発明のグルタチオン誘導体と、従来技術である比較例1及び2のグルタチオン誘導体について比較した。
(1)ウサギは市川屋から雄性で12週齢以上の日本白色種を購入し、15週齢以上で体重が約3kgに達したものを実験に用いた。実験に供するまでの期間、動物飼育用飼料及び飲料水は自由に摂取させ、温度24±2℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。
(2)炭素数12以上の長鎖エステルを有するグルタチオン誘導体と比較例2のグルタチオン誘導体は、エタノールまたはエタノール:ベンジルアルコール混液で20〜200mg/mLの溶液を調製し、これを投与直前に脂肪乳剤に混合した後1.2μmフィルターで濾過したものを静脈内投与液とした。一方、比較例1のグルタチオン誘導体は、6%−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン/5%−グルコース水溶液に15mg/mLで溶解させたものを投与液とした。
(3)投与容量2mL/kgで(2)で得られたグルタチオン誘導体の投与液を、無麻酔拘束下のウサギの左耳介静脈から1mL/minの速度で急速にインフュージョン投与した。各グルタチオン誘導体は3匹以上のウサギに投与した。投与終了時点から5,10,15,30,60,120及び240分後に右耳介静脈からヘパリン存在下で1mLの血液を採取し直ちに氷冷した。血液から血漿を遠心分離して、アセトニトリルを1〜2倍容量加えてタンパクを沈殿させた後遠心分離し、さらに0.5μmのフィルターで濾過した上澄み液をHPLCで定量分析した。
(4)各グルタチオン誘導体の血漿中濃度の推移を投与用量で補正したものを図5に示した。また、これらのデータから2−コンパートメントモデルによる薬物動態解析を行い分布容積とクリアランスを算出し表9にまとめた。
(5)以上の血中エステラーゼ活性が比較的低いウサギの動態実験から、本発明の炭素数12以上のグルタチオン誘導体は、従来技術である比較例1及び2のグルタチオン誘導体と比較して、極めて顕著に高濃度で持続的に維持される傾向が確認された。
実施例26.実施例4と比較例1のグルタチオン誘導体の5−フル
オロウラシル投与造血機能抑制モデルラットにおける
薬理効果の比較
5−フルオロウラシル(以下5−FUと略す)投与造血機能抑制モデルラットにおける好中球数回復促進作用について、対照群との統計学的な有意性を比較することにより、本発明の実施例4を有効成分として含有する医薬組成物と、従来技術である比較例1の医薬組成物、顆粒球コロニー刺激因子G−CSFとを比較した。
(1)使用動物および飼育条件;ラットは日本エスエルシーから購入した6週齢の雄性SD系ラットを用いた。動物飼育用飼料(MF、オリエンタル酵母株式会社製)および飲料水(0.4±0.2ppmの次亜塩素酸を処理した井水)は実験期間を通して自由摂取させた。動物は1匹ずつ吊式ラットケージ(日本ケージ株式会社製)に収容し、温度24±2℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。
(2)5−FU投与ラット造血機能抑制モデルの作製;5−FU(協和発酵工業株式会社製)投与ラット造血機能抑制モデルの作製は、赤松ら(薬理と治療、18(Suppl.9),317−356(1990))の方法を参考に実施した。すなわち、実験1日目に(1)記載のラットに5−FU 50mg/kg−体重(投与容量は1mL/kg−体重)、または同容量の生理食塩液(扶桑薬品工業株式会社製)を腹腔内投与した。実験4、7〜12日目に頸静脈から採血してEDTA−2K処理血液を得て、この血液について総合血液学検査装置(Technicon H・1E、バイエル・三共株式会社製)を用いて好中球数を、網状赤血球測定装置(EPICS XL−MCL、コールター株式会社製)を用いて網状赤血球率を測定した。なお、採血は実験1日目にも実施し、その血液について測定した結果を投与前値とした。また、実験4日目の時点で網状赤血球率の減少が認められなかったラット(5−FU投与ラットのうちの約10%)は、5−FU投与の効果が認められなかったと判断して実験から除外して評価した。
生理食塩液投与群では実験期間を通じて好中球数に変化が認められなかったのに対し、5−FU投与群では、実験8日目を最低値とした好中球数の減少が認められ、実験10日目以降、好中球数は5−FU投与前値かそれ以上までに回復が認められた。以上の結果から、5−FUを50mg/kg−体重で単回腹腔内投与することにより、ラット造血機能抑制モデルが作製できることを確認した。
(3)実施例4及び比較例1の上記記載のモデルによる評価;(2)に記載のモデルに、実施例4のグルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混合したものを10〜30mg/kg−体重/日で、また、比較例1のグルタチオン誘導体を、2.5%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(以下HPCD)を含む生理食塩水に溶解したものを50mg/kg−体重/日で、実験2日目から10日目まで9日間反復尾静脈内投与した。また、陽性対照群として、遺伝子組換えヒトG−CSF製剤(以下G−CSF、中外製薬株式会社製)を10μg/kg−体重/日で、陰性対照群として空の脂肪乳剤を同様に投与した。なお、投与容量は陰性対照群、実施例4−脂肪乳剤群及び比較例1−HPCD溶液群は10mL/kg−体重/日、G−CSF群は1mL/kg−体重/日とした。
(4)5−FU投与ラット造血機能抑制モデルにおける好中球数回復促進作用の評価結果を図6、図7に示す。G−CSF 10μg/kg−体重/日投与群では、実験4日目に陰性対照群に対して統計学的に有意な好中球数の増加が認められ、一旦、実験7日目に陰性対照群とほぼ変わらない値まで減少した後、実験8日目以降は再び好中球数の統計学的に有意な増加(有意水準5%−0.1%)が継続して認められた。実施例4−脂肪乳剤群では、30mg/kg−体重/日投与群で実験8日目から継続して陰性対照群に対して統計学的に有意な好中球数の増加(有意水準5%−0.1%)が認められ、その程度はG−CSF 10μg/kg−体重/日投与群とほぼ同等であった。20mg/kg−体重/日投与群では、実験8日目から継続して好中球数の増加傾向が認められ、実験9〜11日目には陰性対照群に対して統計学的な有意差(有為水準1%−0.1%)をもって増加が認められた。10mg/kg−体重/日投与群は陰性対照群と比較して変化は認められなかった。一方、比較例1−HPCD溶液群では50mg/kg−体重/日まで投与しても、実験12日目に陰性対照群に対して統計学的に有意な好中球数の増加(有意水準5%)が認められたのみで、陰性対照群と比較して変化は認められなかった。
上記結果より、比較例1は溶解補助剤HPCDとともに50mg/kg−体重/日まで投与しても陰性対照群と比較して変化は認められなかった。一方、実施例4−脂肪乳剤の20mg/kg−体重/日以上の投与群において、5−FU投与ラット造血機能抑制モデルにおける投与量依存的な好中球数の回復促進作用を有することが示され、実施例4−脂肪乳剤の30mg/kg−体重/日投与群ではG−CSF 10μg/kg−体重/日投与群とほぼ同等の好中球数の回復促進作用を有することが明らかとなった。
実施例27.実施例1、4および7の5−フルオロウラシル投与造
血機能抑制モデルラットにおける薬理効果の比較
(1)使用動物は実施例26と同じで、飼育条件は温度23±2℃、湿度55±15%であった。
(2)5−FU投与モデルの作製、被験物質の投与及び採血スケジュールは実施例26と同様に実施した。血液学的検査には東亜多項目自動血球計数装置K−4500または東亜シスメックスCC−180A自動血球計数装置を用い、白血球百分率はメイ・ギムザ染色後鏡検で、網状赤血球数はBrecher法でそれぞれ計測した。
(3)実施例26と同一スケジュールで、5−FU投与後に脂肪乳剤のみを投与する陰性対照群、被験物質として実施例4のグルタチオン誘導体を30mg/kg−体重/日で脂肪乳剤とともに投与する群、同様に実施例1のグルタチオン誘導体を10または30mg/kg−体重/日で投与する群、実施例7のグルタチオン誘導体を30または60mg/kg−体重/日で投与する群を試験した。また、網状赤血球が減少しなかったラットは、5−FUの効果が認められなかったとして実験から除外した(1例)。
(4)試験期間中の好中球分節核球比の変化を図8に示す。実施例26と同様に実施例4−30mg/kg群で、好中球分節核球数の回復促進傾向(実験日9〜12日で有意水準5%−1%)が観察された。また、実施例1のグルタチオン誘導体では10,30mg/kgの両群で好中球数の回復促進作用(それぞれ実験日8〜12日、7〜12日で陰性対照群に対して有意水準1%)が見られた。さらに、実施例7のグルタチオン誘導体では30mg/kg群では陰性対照と比較して変化がなかったが、60mg/kgの高用量を投与した群では好中球数回復促進傾向(実験日11,12日でそれぞれ有意水準5%,1%)が確認された。
実施例28.実施例4のグルタチオン誘導体の正常ラットにおける
薬理効果
実施例4の化合物の正常ラットにおける好中球増加作用について検討した。
(1)ラットは日本エスエルシー株式会社から購入した6週齢の雄性SD系ラットを用いた。動物飼育用飼料(MF,オリエンタル酵母株式会社製)および飲料水(0.4±0.2ppmの次亜塩素酸を処理した井水)は実験期間を通して自由摂取させた。動物は1匹ずつ吊式ラットケージ(日本ケージ株式会社製)に収容し、温度24±2℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。
(2)実施例4のグルタチオン誘導体を脂肪乳剤に混合したものを10,20または30mg/kg−体重/日、及び、陰性対照群として脂肪乳剤のみをそれぞれ実験1日目から6日目まで6日間反復尾静脈内投与した。投与容量は10mL/kg−体重/日で行った。実験1日目から10日目まで毎日頸静脈から採血してEDTA−2K処理血液を得た後、総合血液学検査装置(Technicon H・1E,バイエル・三共株式会社製)を用いて好中球数を測定した。
実験1,7,10日目に陰性対照群の一部、実験3,5,7,10日目に実施例4−脂肪乳剤の30mg/kg−体重/日投与群の一部についてペントバルビタール・ナトリウム腹腔内麻酔下で腹大動脈より放血致死させた後、大腿骨骨髄を採取し、ウエッジ法にて塗抹標本を作製し、メイ・ギムザ染色を施して顕微鏡下で骨髄有核細胞分画を行った。
陰性対照群および実施例4−脂肪乳剤の30mg/kg−体重/日投与群の一部については、実験3,5,7日目のEDTA−2K処理血液から得た血漿を用いて血漿中インターロイキン1β(以下IL−1β)量および腫瘍壊死因子(以下TNFα)量を測定した。測定にはラットIL−1β−ELISAシステム(アマシャムファルマシアバイオテク株式会社製)、ラットTNFα−ELISAシステム(アマシャムファルマシアバイオテク株式会社製)およびバイオラッドマイクロプレートリーダー(MODEL550,日本バイオ・ラッド・ラボラトリーズ株式会社製)を使用した。
(3)正常ラットにおける好中球増加作用の評価結果を図9に示す。実施例4−脂肪乳剤群では、30mg/kg−体重/日投与群において実験2日目、5日目から8日目に陰性対照群に対して統計学的に有意な好中球数の増加が認められた(有意水準5%−1%)。
実験1,3,5,7,10日目に骨髄に対する影響を検討した結果を図10,11に示す。好中球性骨髄球系細胞を分裂能を有する好中球性骨髄球(骨髄芽球、前骨髄球、好中球性骨髄球、骨髄球系分裂細胞)と分裂能を有さない好中球性骨髄球(好中球性後骨髄球、桿状核好中球、分葉核好中球)に分けて評価すると、分裂能を有する好中球性骨髄球は実施例4−脂肪乳剤の30mg/kg−体重/日投与群において実験3,5日目に増加し、実験7日目に陰性対照群とほぼ同程度の値に戻った。一方、分裂能を有さない好中球性骨髄球は実施例4−脂肪乳剤の30mg/kg投与群において実験3日目は陰性対照群とほぼ同程度であったが、実験7日目を最大として実験5,7,10日目に増加が認められた。
実験3,5,7日目に血漿中IL−1β量およびTNFa量を検討した結果を図12,13に示す,IL−1βおよびTNFαともに、実施例4−脂肪乳剤の30mg/kg−体重/日投与群は陰性対照群と比較していずれの実験日においても増加は認められなかった。
(4)上記結果より、本発明の実施例4のグルタチオン誘導体を含有する脂肪乳剤からなる医薬組成物は、正常ラットにおいても好中球数の増加作用が確認され、末梢血での好中球数の増加変動に対応した形で骨髄における造血亢進作用も認められた。さらに、これらの好中球数の増加作用には炎症性サイトカイン(IL−1β,TNFα)の変動は関与していないことも明らかとなった。
実施例29.シクロフォスファミド投与造血機能抑制モデルウサギ
における薬理効果の比較
シクロホスファミド(以下CP)投与造血機能抑制モデルウサギにおける好中球数回復促進作用について、本発明の実施例4のグルタチオン誘導体を有効成分として含有する医薬組成物と、従来技術である比較例1の医薬組成物とを比較した。
(1)使用動物および飼育条件;ウサギは北山ラベスから購入した17週齢の雄性日本白色種(Kbl:JW)を用いた。動物飼育用飼料(LRC4、オリエンタル酵母株式会社製)および飲料水(0.4±0.2ppmの次亜塩素酸を処理した井水)は実験期間を通して自由摂取させた。動物は1匹ずつ吊式ウサギケージ(日本ケージ株式会社製)に収容し、温度24±2℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。
(2)CP投与ウサギ造血機能抑制モデルの作製;実験1日目および2日目に(1)記載のウサギにCP(和光純薬工業株式会社製)60mg/kg−体重/日(投与容量は2mL/kg−体重)を静脈内投与した。次に実験3日目から9日目まで左後耳介静脈から採血してヘパリンナトリウム処理血液を得た。この血液について総合血液学的検査装置(Technicon H・1E、バイエル・三共株式会社製)を用いて好中球数を測定した。なお、採血は実験1日目の投与前にも実施し、その血液について測定した結果を投与前値とした。その結果、実験5日目から7日目を低値として好中球数の減少が認められ、その後、実験8日目以降は投与前値かそれ以上までに回復していた。以上の結果からCP 60mg/kg−体重を2日間投与することによりウサギ造血機能抑制モデルが作製できることを確認した。
(3)実施例4及び比較例1のグルタチオン誘導体の上記記載のモデルにおける評価;(2)に記載のモデルにおいて、被験物質として、実施例4−脂肪乳剤を20mg/kg−体重/日で、また、比較例1−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(以下HPCD)溶液(比較例1の誘導体を3%HPCD−2.2%グリセリン水溶液に溶解したもの)を20mg/kg−体重/日で実験3日目から7日目に投与した。なお、陰性対照群には空の脂肪乳剤を投与した。
CP投与ウサギ造血機能抑制モデルにおける好中球数回復促進作用の評価結果を図14に示す。実施例4−脂肪乳剤群では実験6日目から8日目に継続して統計学的に有意な好中球数の増加(有意水準1%)が認められた。一方、比較例1−HPCD溶液群では対照群と比較して変化は認められなかった。
上記結果より、比較例1は溶解補助剤HPCDとともに20mg/kg−体重/日で投与しても陰性対照群と比較して変化が認められなかった。一方、実施例4−脂肪乳剤の20mg/kg−体重/日はCP投与ウサギ造血機能抑制モデルにおける好中球数の回復促進作用を有することが示された。
また、薬剤による造血促進刺激というものをここで考え直してみると、以下のような点を考慮することが重要であると思われる。自然に任せた造血には生体の定常状態における構成的造血と、感染や出血を始めとするさまざまな刺激に対する誘導的造血がある。好中球減少症や血小板減少症における造血機能抑制状態から、末梢血血球数を回復させるためには誘導的造血を起こす必要があり、現在臨床的に行われているG−CSFなどのようないわゆる生体由来の造血因子の場合、直接的に骨髄に存在する造血幹細胞や前駆細胞の分化や増殖を刺激して成熟血球が産生されるに至る。本発明者らが考える臨床上好ましい造血機構としては、感染や出血などの刺激と同様に炎症を伴って種々のサイトカインを変動させ、結果として二次的にG−CSF等の造血因子産生を引起こすものではなく、G−CSF等と同じように骨髄の幹細胞や前駆細胞の分化・増殖を直接誘導し得ることが必要である。従って、G−CSF等生体由来の生理活性タンパク性医薬品に代替し得る低分子性造血物質には、骨髄の幹細胞や前駆細胞に直接的に作用して造血促進作用を発揮するとともに、この薬物自体が骨髄に効率的に運ばれる形態で投与されるか、または生体内で効率的に骨髄に到達する仕組みを利用し得る性質がなければならないと思われる。実際に、造血幹細胞や顆粒球コロニー形成細胞などに作用するG−CSFは、高分子であるがゆえに小さい分布容積を示し(診療と新薬、Vol、26(11)、p1660〜、(1990)の実験データから本発明者らが試算した。)、骨髄に到達するのに効率的であると考えられる。WO9640205号明細書には、TER199が直接骨髄の前駆細胞に作用する可能性が示唆されているものの、炎症反応に伴う二次的な造血促進である可能性を否定するデータはなく、また、骨髄に効率的に送達され得る構造や投与形態についての明確な記載はない。
事実、以上の本発明者らの実験により、TER199はマウス、ラットなどの実験動物の血漿中で極めて半減期が短く、また、骨髄に効率的に達する構造や形態を有していない。したがって、WO9640205号明細書に開示されるTER199とその類縁化合物は、ドラッグデリバリーの観点から、造血促進作用を効率的に発現することができないのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のグルタチオン(中−長鎖アルキルエステル)誘導体の合成スキームである。
第2図は、実施例19のブタ肝エステラーゼ実験である。なお反応液中エステラーゼ濃度は、実施例4が、75ユニット/mL、比較例1が3.75ユニット/mLであった。
第3図は、実施例19のラット血漿実験である。なお比較例1では400倍にBSA溶液で希釈した血漿を用いた。
第4図は、実施例19のヒト血漿実験である。
第5図は、ウサギにおける静脈内投与後の血漿中グルタチオン誘導体濃度推移の比較である。
第6図は、実施例4と比較例1のグルタチオン誘導体の5−フルオロウラシル(5−FU)投与造血機能抑制モデルラットにおける薬理効果の比較であり、実施例4のグルタチオン誘導体の好中球数の変化を示している。各データはn=5〜8の平均値を用いた。
第7図は、実施例4と比較例1のグルタチオン誘導体の5−フルオロウラシル(5−FU)投与造血機能抑制モデルラットにおける薬理効果の比較であり、比較例1のグルタチオン誘導体の好中球数の変化を示している。各データはn=6〜8の平均値を用いた。
第8図は、実施例1、4および7のグルタチオン誘導体の5−フルオロウラシル投与造血機能抑制モデルラットにおける薬理効果の比較であり、該モデルラットにおける好中球分節核球比の変化を示している。各データはn=4〜8の平均値±標準偏差を用いた。
第9図は、実施例4のグルタチオン誘導体を正常ラットに反復投与した時の末梢血中の好中球数の変化である。各データはn=6〜12の平均値を用いた。
第10図は、実施例4のグルタチオン誘導体を正常ラットに投与した時の、分裂能を有する好中球性骨髄球(骨髄芽球、前骨髄球、好中球性骨髄球、骨髄球系分裂細胞)の変化である。各データはn=6の平均値を用いた。
第11図は実施例4のグルタチオン誘導体を正常ラットに投与した時の、分裂能を有さない好中球性骨髄球(好中球性後骨髄球、桿状核好中球、分葉核好中球)の変化である。各データはn=6〜12の平均値を用いた。
第12図は実施例4のグルタチオン誘導体を正常ラットに投与した時の、血漿中のIL−1β量の変化を示す、各データはn=2〜3の平均値±標準偏差を用いた。
第13図は実施例4のグルタチオン誘導体を正常ラットに投与した時の、血漿中のTNFα量の変化を示す。各データはn=2〜3の平均値±標準偏差を用いた。
第14図はシクロフォスファミド投与造血機能抑制モデルウサギにおける薬理効果の比較を示す。各データはn=4の平均値を用いた。
Claims (15)
- R1がC1−C22のアルキル基またはC10−C22のアルケニル基である請求項1に記載のグルタチオン誘導体またはその塩。
- R1がエチル基、C10−C22のアルキル基またはC16−C20のアルケニル基である請求項1に記載のグルタチオン誘導体またはその塩。
- R2がH,C1−C22のアルキル基またはC3−C22のアルケニル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載のグルタチオン誘導体またはその塩。
- R2がH,エチル基またはC10−C18のアルキル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載のグルタチオン誘導体またはその塩。
- AがHまたはアセチル基である請求項1〜5のいずれか一項に記載のグルタチオン誘導体またはその塩。
- R1がC12−C22のアルキル基またはC18−C20のアルケニル基で、R2がエチル基であるか、または、R1がエチル基で、R2がC12−C18のアルキル基である請求項1または6に記載のグルタチオン誘導体またはその塩。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のグルタチオン誘導体またはその塩を含んで成る医薬組成物。
- 該医薬組成物がコロイド状である請求項8に記載の医薬組成物。
- 該医薬組成物が脂肪乳剤、リポソーム及び固体懸濁物からなる群から選ばれる少なくとも一つの形態である請求項8に記載の医薬組成物。
- 該医薬組成物が脂肪乳剤である請求項8に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のグルタチオン誘導体またはその塩を含んで成る造血促進剤。
- 該造血促進剤がコロイド状の医薬組成物である請求項12に記載の造血促進剤。
- 該造血促進剤が脂肪乳剤、リポソーム及び固体懸濁物からなる群の少なくとも一つの形態を呈する医薬組成物である請求項12に記載の造血促進剤。
- 該造血促進剤が脂肪乳剤である請求項12に記載の造血促進剤。
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