JP4059597B2 - 映像音声送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、通信回線を通じて映像および音声を送受信するTV会議システム、テレビ中継シテスム等に適用される映像音声送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信回線を通じて映像および音声を送受信するシステム、たとえばTV会議システムにおいて、映像と音声との同期、いわゆるリップシンクの調整は、例えば、受信側で、操作者がモニタ上の話者の口の動きとスピーカから再生される声とを見聞きしながら、違和感が無くなるように、音声の遅延量を調整することにより行われている。
【0003】
しかしながら、早い動きのある画像等を伝送する必要があるシステムにおいては、1回線で映像と音声とを伝送した場合には、その伝送路の伝送容量が足りなくなることがあるので、映像と音声とを異なった伝送路によって送ることが必要となる。このような場合、2本の伝送路のうちの少なくとも一方の伝送路として、加入者線のような回線交換が行われ、接続毎に伝送経路が変化するような伝送路が用いられると、音声と映像との遅延時間差も接続毎に変化するため、リップシンクの調整を接続の度に行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、映像と音声とが別々の伝送路を通じて伝送される場合において、映像と音声との同期を自動的にとることができる映像音声送受信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明による映像音声送受信装置は、送信側装置から受信側装置に、映像信号と音声信号とが別々の通信回線を介して送信される映像音声送受信装置において、送信側装置は、映像信号および音声信号の両方の回線が受信側装置とつながった後の所定のタイミングにタイミングパルスを発生するタイミングパルス発生手段、ならびにタイミングパルス発生手段がタイミングパルスが発生した時に、受信側装置に送信される映像信号と音声信号とに、受信側装置において検出可能なタイミング信号を付加するタイミング信号付加手段を備えており、受信側装置は、受信した映像信号に付加されているタイミング信号を検出する第1検出手段、受信した音声信号に付加されているタイミング信号を検出する第2検出手段、ならびに、第1検出手段によってタイミング信号が検出された時点と第2検出手段によってタイミング信号が検出された時点とに基づいて、受信した映像信号および受信した音声信号のうち、それらに付加されているタイミング信号が検出された時点の早い方の信号を、両タイミング信号が検出された時点の時間差だけ遅延させて出力させる手段を備えており、タイミングパルス発生手段は、映像信号の回線が受信側装置につながったことを示す信号と、音声信号の回線が受信側装置につながったことを示す信号とに基づいて、映像信号および音声信号の両方の回線がつながったことを認識し、当該認識時点から所定時間が経過した後において、映像信号の垂直同期信号が最初に入力された時に、タイミングパルスを発生させるものであることを特徴とする。
【0006】
送信側装置に、受信側装置に送信される音声信号にタイミング信号が付加される期間においては、音声信号を抑圧させる手段を設けることが好ましい。
【0007】
タイミング信号付加手段としては、例えば、映像信号の垂直同期信号に基づいて、映像信号の垂直ブランキング期間にタイミング信号を付加すると同時に音声信号にタイミング信号を付加するものが用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明を、TV会議システムに適用した場合の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、テレビ会議システムにおける一方の局の構成を主として示している。
【0012】
図1に構成が詳細に示されている局と、相手局27の構成とは、同じであるものとする。
【0013】
ビデオカメラ1から入力される映像信号(a)は、タイミング信号付加回路5に送られるとともに同期分離回路7に送られる。タイミング信号付加回路5では、映像と音声との同期をとるためのタイミング信号が、映像信号の垂直ブランキング期間に付加される。タイミング信号付加回路5によってタイミング信号が付加された映像信号(f)は、符号化器17によって符号化された後、通信装置19、第1伝送路23および交換機25を介して相手局27に送られる。
【0014】
マイクロフォン3から入力される音声信号は、相手局27から送られてきた音声信号が再び相手局27に送信されるのを防止するためのエコーキャンセラ2を介してタイミング信号付加回路6に送られる。タイミング信号付加回路6では、映像と音声との同期をとるためのトーン信号からなるタイミング信号が、音声信号に付加される。タイミング信号付加回路6によってタイミング信号が付加された音声信号(g)は、符号化器20によって符号化された後、通信装置22、第2伝送路24および交換機26を介して相手局27に送られる。
【0015】
タイミング信号付加回路5、6は、タイミング信号発生回路8からのタイミングパルス(e)に基づいて、映像信号、音声信号にタイミング信号を付加する。タイミング信号発生回路8は、同期分離回路7から出力される垂直同期信号(b)および通信装置19、22から出力されかつ相手局27との通信が成立したことを示す信号に基づいて、または垂直同期信号(b)および手動操作されるスイッチ9から出力される信号に基づいて、タイミングパルス(e)を発生する。
【0016】
相手局27から、交換機25および第1伝送路23を介して送られてきた映像信号は、通信装置19によって受信される。通信装置19によって受信された映像信号は、復号化器18によって復号化される。復号化器18によって得られた映像信号(h)は、タイミング信号検出回路15に送られるとともにフレームメモリ13に送られる。
【0017】
タイミング信号検出回路15は、映像信号(h)からタイミング信号を検出すると、検出信号(j)を比較/制御回路12に送る。フレームメモリ13に蓄積された映像信号は、比較/制御回路12からの制御信号に基づいて、所定のタイミングで読み出されて、モニタ14に送られる。
【0018】
相手局27から、交換機26および第2伝送路24を介して送られてきた音声信号は、通信装置22によって受信される。通信装置22によって受信された音声信号は、復号化器21によって復号化さる。復号化器21によって得られた音声信号(i)は、タイミング信号検出回路16に送られるとともにタイミング信号抜取回路10に送られる。
【0019】
タイミング信号検出回路16は、音声信号(i)からタイミング信号を検出すると、検出信号(k)を比較/制御回路12に送る。タイミング信号抜取回路10は、音声信号(i)からタイミング信号を抜き取る。タイミング信号抜取回路10によってタイミング信号が抜き取られた音声信号は、遅延回路11に送られる。遅延回路11に送られた音声信号は、比較/制御回路12からの制御信号に基づいて、所定の遅延量だけ遅延されて出力される。遅延回路11から出力された音声信号は、エコーキャンセラ2を介して、スピーカ4に送られる。
【0020】
比較/制御回路12は、映像信号に含まれているタイミング信号を検出するタイミング信号検出回路15からの検出信号(j)と、音声信号に含まれているタイミング信号を検出するタイミング信号検出回路16からの検出信号(k)とに基づいて、映像信号と音声信号との遅延時間差を検出するとともに、この遅延時間差が零となるように、フレームメモリ13からの映像信号の読み出しタイミングまたは遅延回路11の遅延量を制御する。
【0021】
図2は、送信時の各部の信号を示している。図2を参照して、送信時に映像信号および音声信号にタイミング信号が付加される様子について説明する。
【0022】
同期分離回路7は、ビデオカメラ1から入力される映像信号(a)から垂直同期信号(b)を抽出して、タイミング発生回路8に送る。映像信号の回線が、相手局27とつながると、通信装置19から、タイミング発生回路8に通信が確立したことを示す信号(c)が出力される。同様に、音声信号の回線が、相手局27とつながると、通信装置22から、タイミング発生回路8に通信が確立したことを示す信号(d)が出力される。
【0023】
タイミング信号発生回路8は、信号(c)および(d)に基づいて、映像信号および音声信号の両方の回線がつながったことを認識した時点から所定時間(たとえば、10秒)が経過した後に、最初に入力される垂直同期信号(b)を基準として、1個のタイミングパルス(e)を、タイミング信号付加回路5、6に出力する。
【0024】
映像信号(a)が入力されるタイミング信号付加回路5は、タイミングパルス(e)が入力されると、図2の(f)に示すように、映像信号(a)の垂直ブランキング期間に、タイミング信号Xを付加する。図2(f)において、Tは垂直ブランキング期間を示している。
【0025】
また、音声信号が入力されるタイミング信号付加回路6は、タイミングパルス(e)が入力されると、図2の(g)に示すように、映像信号(a)にタイミング信号Xが付加されたタイミングと同じタイミングで、トーン信号からなるタイミング信号Yを音声信号に付加する。タイミング信号を相手局で検出し易くするために、音声信号にタイミング信号Yを付加している間、マイクロフォン3から入力される音声信号を抑圧しておくことが好ましい。
【0026】
図3は、受信時の各部の信号を示している。図3を参照して、受信時に映像信号および音声信号からタイミング信号を検出される様子について説明する。
【0027】
相手局から受信した映像信号は、復号化器18によって復号化される。図3の信号(h)は、復号化された映像信号を示している。復号化された映像信号(h)は、タイミング信号検出回路15に送られる。タイミング信号検出回路15は、映像信号(h)の垂直ブランキング期間中の特定場所のレベルを判別することにより、映像信号に付加されているタイミング信号Xを検出して、検出信号(j)を出力する。
【0028】
相手局から受信した音声信号は、復号化器21によって復号化される。図3の信号(i)は、復号化された音声信号を示している。復号化された音声信号(i)は、タイミング信号検出回路16に送られる。タイミング信号検出回路16は、音声信号(i)に付加されているトーン信号からなるタイミング信号Yを検出して、検出信号(k)を出力する。
【0029】
比較/制御回路12は、両タイミング信号検出回路15、16からの検出信号(j)(k)に基づいて、両検出信号(j)(k)の時間差を測定する。図3に示すように、音声信号が映像信号より、時間差(Tdelay )だけ進んでいる場合には、比較/制御回路12は、遅延回路11から音声信号が時間差(Tdelay )だけ遅れて出力されるように、遅延回路11の遅延量を制御する。
【0030】
逆に、映像信号が音声信号より、所定の時間差だけ進んでいる場合には、比較/制御回路12は、フレームメモリ13から映像信号がその時間差だけ遅れて出力されるように、フレームメモリからの映像の読み出しタイミングを制御する。
【0031】
なお、上記実施の形態では、タイミング信号発生回路8は、映像と音声との通信が確立した後に、タイミングパルスを自動的に出力しているが、映像と音声との通信が確立した後において、手動スイッチ9が操作された際にもタイミングパルスを出力するようにしてもよい。これにより、映像と音声との同期をとるための調整を、通信中の任意の時点で行うことができるようになる。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、映像と音声とが別々の伝送路を通じて伝送される場合において、映像と音声との同期を自動的にとることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビ会議システムにおける一方の局の構成を主として示すブロック図である。
【図2】送信時の各部の信号を示すタイムチャートである。
【図3】受信時の各部の信号を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
5、6 タイミング信号付加回路
8 タイミング信号発生回路
10 タイミング信号抜取回路
11 遅延回路
12 比較/制御回路
13 フレームメモリ
Claims (3)
- 送信側装置から受信側装置に、映像信号と音声信号とが別々の通信回線を介して送信される映像音声送受信装置において、
送信側装置は、映像信号および音声信号の両方の回線が受信側装置とつながった後の所定のタイミングにタイミングパルスを発生するタイミングパルス発生手段、ならびにタイミングパルス発生手段がタイミングパルスが発生した時に、受信側装置に送信される映像信号と音声信号とに、受信側装置において検出可能なタイミング信号を付加するタイミング信号付加手段を備えており、
受信側装置は、受信した映像信号に付加されているタイミング信号を検出する第1検出手段、受信した音声信号に付加されているタイミング信号を検出する第2検出手段、ならびに、第1検出手段によってタイミング信号が検出された時点と第2検出手段によってタイミング信号が検出された時点とに基づいて、受信した映像信号および受信した音声信号のうち、それらに付加されているタイミング信号が検出された時点の早い方の信号を、両タイミング信号が検出された時点の時間差だけ遅延させて出力させる手段を備えており、 タイミングパルス発生手段は、映像信号の回線が受信側装置につながったことを示す信号と、音声信号の回線が受信側装置につながったことを示す信号とに基づいて、映像信号および音声信号の両方の回線がつながったことを認識し、当該認識時点から所定時間が経過した後において、映像信号の垂直同期信号が最初に入力された時に、タイミングパルスを発生させるものであることを特徴とする映像音声送受信装置。 - 送信側装置は、受信側装置に送信される音声信号にタイミング信号が付加される期間においては、音声信号を抑圧させる手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の映像音声送受信装置。
- タイミング信号付加手段は、映像信号の垂直同期信号に基づいて、映像信号の垂直ブランキング期間にタイミング信号を付加すると同時に音声信号にタイミング信号を付加することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の映像音声送受信装置。
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