JP4059386B2 - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器において電子部品を搭載して相互に電気的接続を行うために用いられるプリント配線板およびその製造方法に関し、特に、ビルドアップ法により多層に回路パターンが形成されたプリント配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の薄型化・小型化に伴って、回路パターンが形成されたプリント配線板を高密度化することが要求されるようになっている。この高密度化を実現するために、回路パターンを多層に形成するビルドアップ多層プリント配線板が開発されている。
【0003】
図7(i)は、特開平6−26073号公報、特開平6−275959号公報に開示されているビルドアップ多層プリント配線板の概略構成を示す断面図である。
【0004】
この多層プリント配線板700は、絶縁性樹脂基材1を有しており、この絶縁性樹脂基材1の両面に、内層導電体パターン5がそれぞれ設けられて内層コア材が構成されている。絶縁性樹脂基材1には、一方の表面から他方の表面に貫通するインナーバイアホール3が設けられており、絶縁性樹脂基材1の一方の表面からインナーバイアホール3の内壁に沿って他方の表面まで設けられたインナーバイアホール導電体層6を介して両面の内層導電体パターン間5が電気的に接続されている。インナーバイアホール3は、樹脂7によって埋め込まれている。
【0005】
この内層コア材の両面には、絶縁性樹脂層8それぞれ設けられており、各絶縁樹脂層8のそれぞれの表面には、外層導電体パターン10が設けられている。各絶縁性樹脂層8には、それぞれ、内層導電体パターン5の一部が露出されるように外層側から内層側に貫通するバイアホール9が設けられており、絶縁性樹脂層8の表面からバイアホール9の内壁に沿って内層導電体パターン5まで達するように設けられたバイアホール導電体層11を介して内層導電体パターン5と外層導電体パターン10とが電気的に接続されている。
【0006】
なお、図7(i)には、ビルドアップ多層プリント配線板の一例として、絶縁性樹脂基材1の両面に内層導電体パターン5を1層ずつ形成し、ビルドアップ法により外層導電体パターン10を1層ずつ形成して4層の回路パターンを設けた多層プリント配線板を示しているが、これよりも少ない2層または3層の回路パターンを設けた構造、4層以上の多層に回路パターンを設けた構造などであってもよい。
【0007】
次に、このように構成された多層プリント配線板をビルドアップ法により製造する方法について、図7(a)〜(i)を用いて説明する。なお、ここでは絶縁性樹脂基材の両面に1層ずつ回路パターン(内層導電体パターン)を設けた内層コア材の両面に1層ずつ回路パターン(外層導電体パターン)を設けた4層構造の多層プリント配線板を作製する例を説明するが、2層または3層の回路パターンを設けた構造、4層以上の多層に回路パターンを設けた構造などであっても、基本的な作製手順は同様である。また、この例では、絶縁性樹脂基材の両面に1層ずつ2層の内層導電体パターンを設けた内層コア材を用いるが、絶縁性樹脂基材の片面にだけ内層導電体パターンを設けた内層コア材、3層以上の導電体パターンを設けた多層板等であっても、作製手順は同様である。
【0008】
まず、内層コア材を作製する手順について、図7(a)〜(d)を用いて説明する。この作製手順は、通常の多層配線板の作製手順と同様である。
【0009】
図7(a)に示すように、絶縁性樹脂基材1の両面に導電体層2を設けたものを準備する。このような絶縁性樹脂基材1に導電体層2を設けたものとしては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリエステル樹脂などからなる絶縁性樹脂基材1に、銅箔を導電体層2として設けたものが銅張り積層板として市販されている。絶縁性樹脂基材1は、その寸法安定性等、物理特性を改善するために、必要に応じてガラス繊維、紙、アラミド繊維などを混入することによって強化されている場合もある。また、銅箔は、通常、厚み18μmまたは35μmのものが用いられることが多い。
【0010】
次に、図7(b)に示すように、絶縁性樹脂基材1および導電体層2にドリル、レーザー光、金型等を用いて穴開け加工を行って、絶縁性樹脂基材1の両面に設けられた内層導電体パターン間(この例では第2層−第3層間)を電気的に接続させるためのインナーバイアホール3を形成する。
【0011】
次に、図7(c)に示すように、銅箔表面の清浄化、粗面化、触媒処理、化学メッキ、電解メッキなど、パネルメッキと称される一連の手順によって全面メッキを行って、インナーバイアホール3の内壁および導電体層(銅箔)2の表面に導電体層4を形成する。これによって、導電体層2および導電体層4からなる内層導電体層5aが作製される。
【0012】
次に、図7(d)に示すように、ドライフィルム、レジストインクなどからなるエッチングレジストを所望の回路パターンとなるようにパターン形成して、内層導電体層5aにエッチングを行って、所望の回路パターン(内層導電体パターン)5、および両面の内層導電体パターン5間を電気的に接続するインナーバイアホール導電体層6を形成する。
【0013】
次に、図7(e)に示すように、インナーバイアホール3を樹脂7で埋め込み、完全に硬化させる。このようなインナーバイアホール3の埋め込み樹脂7としては、一般に、絶縁性樹脂基材1を構成する樹脂と同系統の樹脂が用いられることが多く、例えばエポキシ樹脂等が用いられる。また、インナーバイアホール3の埋め込み樹脂7としては、導電性ペーストが用いられることもある。
【0014】
なお、上記インナーバイアホール埋め込み工程と内層導電体パターンのパターニング工程は、その順序が逆であってもよい。このようにして、内層コア材が完成する。
【0015】
次に、内層コア材の上にビルドアップ法により外層導電体パターンを作製する方法について、図7(f)〜(i)を用いて説明する。
【0016】
図7(f)に示すように、内層コア材の両面に感光性樹脂層8を積層する。この感光性樹脂層8は、最終的に外層導電体パターンと内層導電体パターンとの間の絶縁性樹脂層となるものであり、通常、感光性を付与したエポキシ樹脂等が用いられる。
【0017】
次に、図7(g)に示すように、感光性樹脂層8に対してフォトマスクを用いて露光を行い、両面の内層導電体パターンと外層導電体パターンとの間(この例では第1層−第2層間および第3層−第4層間)を電気的に接続するためのバイアホール9を形成する。ここで用いられる感光性樹脂には、ポジ型のものとネガ型のものとがあるが、例えばポジ型を用いた場合には、バイアホール9を形成したい箇所に光が照射されないように遮光部を設けたフォトマスクを用いて、感光性樹脂層8に対して露光・現像・硬化を行う。
【0018】
次に、図7(h)に示すように、適切な前処理を行って、基板全体にパネルメッキを行い、外層導電体層10aを形成する。このメッキ処理は、基本的には図7(c)で説明したメッキ処理と同様に行われる。
【0019】
最後に、図7(i)に示すように、適切なエッチングレジストをパターン形成して外層導電体層10aにエッチングを行い、所望の回路パターン(外層導電体パターン)10、および内層導電体パターン5と外層導電体パターン10とを電気的に接続するバイアホール導電体層11を形成する。なお、バイアホール導電体層11は、導電性ペーストが代りに用いられることもある。
【0020】
この後、ソルダレジストの形成、シンボル印刷、外形加工などを行って、多層プリント配線板700を完成させる。
【0021】
上記図7(a)〜(i)に示す方法は、フォト法と称される。この他に、ビルドアップ法により多層プリント配線板を作製する方法としては、レーザー法と称される方法が知られている。
【0022】
以下に、レーザー法によりビルドアップ多層プリント配線板を作製する方法について、図8(a)〜(d)を用いて説明する。
【0023】
レーザー法では、上記図7(f)に示す感光性樹脂層8の代わりに、図8(a)に示すように、半硬化樹脂材料21の片面に銅箔22が積層された銅箔付きプリプレグと称される材料を用いる。この半硬化樹脂材料21は、内層コア材を構成する絶縁性樹脂基材1と同様に、必要に応じてガラス繊維、紙、アラミド繊維などを混入することによって強化されているものが多い。
【0024】
この材料を、図8(b)に示すように、フォト法と同様に作製した内層コア材の両面に積層する。
【0025】
次に、図8(c)に示すように、レーザー加工処理を行って、両面の内層導電体パターンと外層導電体パターンとの間(この例では第1層−第2層間および第3層−第4層間)を電気的に接続するためのバイアホール9を形成する。ここでは詳細な説明は省略するが、バイアホールを形成する際には、直接穴加工を行う方法、穴加工箇所の銅箔22をエッチング等で取り除いておく方法など、いくつかの方法が挙げられる。
【0026】
次に、図8(d)に示すように、適切な前処理を行って、基板全体にパネルメッキを行い、バイアホール9の内壁および導電体層(銅箔)22の表面に外層導電体層23を形成する。このメッキ処理は、基本的には図8(c)で説明したメッキ処理と同様に行われる。
【0027】
以後の工程は、上述したフォト法と同様に行って、多層プリント配線板を完成させる。
【0028】
上述したフォト法、レーザー法ともに、図7(e)に示すインナーバイアホールの埋め込み処理は、主として、ビルドアップ層(絶縁性樹脂層と外層導電体パターン)を良好に形成するために行われる。内層コア材に図7(c)に示すインナーバイアホール3のような穴が空いていると、その上に形成されるビルドアップ層の表面平坦性に影響を及ぼし、外層導電体層のパターニングが良好に行われないからである。また、完成基板において部品実装時などに加熱処理を行う際に、ふくれ、層間剥離等の原因となるため、内層コア材に空隙を作らないようにする必要があるからである。また、レーザー法による場合には、熱プレスによってビルドアップ層となるプリプレグが積層されるため、内層コア材に空隙があると、その部分の空気が膨張して、ふくれ、接着不良の原因となるためである。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法では、以下のような問題がある。
【0030】
まず、第1の問題として、導電体層を積層する度にパネルメッキを行う必要があり、工程が複雑で長くなるという問題がある。特に、化学メッキ、電解メッキなどのメッキ工程は、表面処理が複雑で、処理時間がかかる。また、図8(a)で示すような銅箔付きプリプレグを使用する場合、特開平8−18241号公報に示されているように、メッキによって作製された銅箔層は薄くなるため、微細パターンを加工することが容易ではないという問題がある。
【0031】
次に、第2の問題として、全層を貫通する貫通スルーホールを一度に形成することができないため、特開平5−343854号公報、特開平7−283539号公報等に示されているように、一般には、同じ場所にバイアホールを重ねて貫通スルーホールを作製する方法、または場所をずらしながらバイアホールを重ねて貫通スルーホールを作製する方法が一般的に用いられている。バイアホールを同じ場所で重ねて貫通スルーホールを作製する方法では、その表面の平坦性を良好にするためには加工が容易ではなく、スルホールの信頼性が損なわれることが多い。また、バイアホールを少しずつ場所をずらしながら重ねて貫通スルーホールを作製する方法では、ビルドアップ法によって、ドリルによる穴開け加工を行う従来の方法よりもバイアホール径、ランド径等を小さくできるにも関わらず、図9に示すように、バイアホール同士の接続場所が必要とされるため、配線密度が低くなるという問題がある。
【0032】
この第2の問題を解決するために、例えば特開平7−283540号公報には、導電性樹脂ペースト、メッキ金属等でバイアホールを埋め込み、その上にビルドアップ層のバイアホールを重ねて形成する方法が開示されている。また、ALIVH法等のように、導電性樹脂ペーストでバイアホールを埋め込んだ基板同士を積層する方法などが知られている。
【0033】
さらに、貫通スルホールがバイアホールを重ねたもの、樹脂で埋め込まれたもの等であるため、実装される電子部品の接続用端子が基板を貫通することができず、表面実装型の電子部品しか実装することができないという問題がある。
【0034】
この第3の問題を解決するために、外層導電体層を形成するためのパネルメッキを行う前に、ドリル加工で貫通穴を開けて貫通スルホールを形成する方法が知られている。しかしながら、この方法では、感光性樹脂層の現像後または感光性樹脂層の積層後等のように、メッキ処理前の樹脂層表面が微妙な状態で、ドリル加工、レーザー加工等のような機械的加工を行うことになる。このため、樹脂表面に対する油・その他の物質による汚染、微細なバイアホール内壁へのゴミ付着、バイアホールの角が欠けるなどの形状的損傷が生じることが多く、取り扱いが容易ではないという問題がある。
【0035】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、貫通スルーホールを容易に形成して信頼性の低下・配線密度の低下を防ぎ、表面実装型以外の電子部品を搭載することができる多層プリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、絶縁性樹脂基材の両面に内層導電体パターンが設けられ、前記両面の内層導電体パターン同士を電気的に接続するためのインナーバイアホールが樹脂で埋め込まれた内層コア材の両面または片面に、絶縁性樹脂層を介して外層導電体パターンが設けられ、該絶縁性樹脂層に、該絶縁性樹脂層の両側にそれぞれ設けられた前記内層導電体パターンと前記外層導電体パターンとを電気的に接続するためのバイアホールが設けられていると共に、完成基板の一方の表面から他方の表面まで貫通する貫通スルーホールが設けられている多層プリント配線板を製造する方法において、前記内層コア材の両面に内層導電体パターンを形成するとともに該内層コア材のインナーバイアホールおよび貫通スルーホールとなる部分に貫通穴をそれぞれ形成する工程と、前記内層コア材の前記各貫通穴を樹脂で埋め込む工程と、次いで、前記内層コア材の両面または片面に絶縁性樹脂層を形成する工程と、該絶縁性樹脂層にバイアホールを形成するとともに、前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂上の前記絶縁性樹脂層除去して、前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂を除去する工程と、次いで、前記絶縁性樹脂層上に外層導電体パターンを形成し、該絶縁性樹脂層の両側にそれぞれ設けられた前記内層導電体パターンと前記外層導電体パターンとを接続するバイアホール導電体層を形成し、さらには、前記貫通スルーホールの内壁に該貫通スルーホールを貫通する貫通スルーホール導電体層を形成する工程とを含み、前記内層コア材の前記各貫通穴を樹脂で埋め込む工程は、前記インナーバイアホールとなる前記貫通穴内において前記内層コア材の両面にそれぞれ設けられた前記内層導電体パターン同士を導電性ペースト樹脂で接続する工程を含むことを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
前記導電性ペースト樹脂が、前記インナーバイアホール内に完全に埋め込まれていてもよい。
【0037】
前記インナーバイアホールおよび前記貫通スルホールとなる前記貫通穴の少なくとも一方を埋め込む樹脂として、感光性樹脂を用いてもよい。
【0038】
前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴を埋め込む樹脂として、前記絶縁性樹脂層と同等の感光性を有する樹脂を用いてもよい。
【0039】
前記インナーバイアホールおよび前記貫通スルホールとなる前記貫通穴の少なくとも一方を埋め込む樹脂として、前記絶縁性樹脂基材および前記絶縁性樹脂層と同等または同等以上のレーザー加工性を有し、完成基板に必要とされる耐熱性を有する樹脂を用いてもよい。
【0040】
前記絶縁性樹脂層にバイアホールを形成する際に、前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂上の前記絶縁性樹脂層および該樹脂が同時に除去されてもよい。
【0041】
前記貫通スルホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂および前記絶縁性樹脂層が感光性を有しており、該樹脂上の前記絶縁性樹脂層および該樹脂が、感光性を利用して除去されてもよい。
【0042】
レーザー光による加工処理により、前記貫通スルホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた樹脂上の前記絶縁性樹脂層および該樹脂が除去されてもよい。
【0043】
前記貫通スルーホール導電体層を介して前記内層導電体パターンと外部との電気的接続および部品実装を行ってもよい。
【0044】
前記貫通スルーホール導電体層を、前記内層導電体パターンよりも外層側に位置する絶縁性樹脂層の貫通スルーホール内壁面の一部または全部に繋がるように形成してもよい。
【0045】
本発明の多層プリント配線板は、前記多層プリント配線板の製造方法により作製されている。
【0056】
以下に、本発明の作用について説明する。
【0057】
本発明にあっては、内層コア材に貫通スルホールを開けて、一旦樹脂で埋め込んだ後、ビルドアップ層を構成する絶縁性樹脂層を積層することによって、表面の平坦性が良好なビルドアップ層を形成することができる。また、貫通スルーホールに埋め込んだ樹脂を除去してから、外層導電体層を形成するためのパネルメッキを行うことにより、全層を貫通する貫通スルーホールを容易に形成することができる。さらに、実装される電子部品の接続端子は貫通スルーホールを貫通することによって多層プリント配線板の全層を貫通することができるため、表面実装型以外の電子部品を搭載することができる。
【0058】
さらに、インナーバイアホールにおいて両面の内層導電体パターン間を導電性ペースト樹脂で接続することによって内層のパネルメッキが不要となり、メッキ回数を減らして容易に微細パターンを形成することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0060】
なお、以下の説明および図では、説明を分かりやすく簡単にするために、従来技術と同様に、内層コア材に2層の内層導電体パターンを形成し、ビルドアップ層として2層の外層導電体パターンを形成して4層の導電体パターンを設けた多層プリント配線板を例として示しているが、層数が変わっても、一部の手順を繰り返し行うだけであり、基本的な作製手順は同様である。また、導電体層としては、プリント配線板で最も一般的に用いられている銅を例として挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の導電体材料を用いることも可能である。さらに、実施形態中で示している導電体層の厚み、穴径などの数値についても、一般的に用いられている値を例示しただけであり、本発明はこれらに限定されるものではなく、技術的・工法的な必要に応じて自由に設定することができる。
【0061】
(実施形態1)
図1(f)は、本発明の一実施形態である多層プリント配線板の概略構成を示す断面図である。
【0062】
この多層プリント配線板100は、絶縁性樹脂基材1を有しており、この絶縁性樹脂基材1の両面に、内層導電体パターン5がそれぞれ設けられて内層コア材が構成されている。絶縁性樹脂基材1には、一方の表面から他方の表面に貫通するインナーバイアホール3および貫通スルーホール12が設けられている。そして、絶縁性樹脂基材1の一方の表面からインナーバイアホール3および貫通スルーホール12の内壁に沿って他方の表面まで設けられたインナーバイアホール導電体層6および貫通スルーホール導電体層13を介して両面の内層導電体パターン5間が電気的に接続されている。
【0063】
この内層コア材の両面には、絶縁性樹脂層8それぞれ設けられており、インナーバイアホール3は、この絶縁性樹脂層8によって埋め込まれており、貫通スルーホール12は絶縁性樹脂層8が除去されて開口されている。各絶縁樹脂層8のそれぞれの表面には、外層導電体パターン10が設けられている。各絶縁性樹脂層8には、それぞれ、内層導電体パターン5の一部が露出されるように外層側から内層側に貫通するバイアホール9が設けられており、その内壁に沿って設けられたバイアホール導電体層11を介して内層導電体パターン3と外層導電体パターン10とが電気的に接続されている。また、絶縁性樹脂層8の一方の表面から貫通スルーホール12の内壁に沿って他方の表面まで設けられた外層の貫通スルーホール導電体層14は、内層の貫通スルーホール導電体層13と電気的に接続されている。
【0064】
次に、このように構成された本実施形態の多層プリント配線板100をフォト法により製造する方法について、図1(a)〜(f)を用いて説明する。
【0065】
まず、内層コア材を作製する工程について説明する。ここで使用する材料および手順は、図7(a)〜(d)に示す従来技術と同様である。
【0066】
図1(a)に示すように、絶縁性樹脂基材1の両面に導電体層を設けたものを準備する。本実施形態では、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基材1の両面に銅箔を設けたものを用いた。
【0067】
次に、絶縁性樹脂基材1および導電体層に穴開け加工を行って、絶縁性樹脂基材1の両面に設けられた内層導電体パターン間(この例では第2層−第3層間)を電気的に接続させるためのインナーバイアホール3を形成する。さらに、本実施形態では、完成基板において貫通スルホール12となる部分にも穴を開けている。本実施形態ではドリルで機械的に穴開けを行っているが、レーザー光などによって加工してもよい。
【0068】
次に、パネルメッキを行ってインナーバイアホール3および貫通スルーホール12の内壁および導電体層(銅箔)の表面に導電体層を形成し、エッチングを行って、所望の回路パターン(内層導電体パターン)5、両面の内層導電体パターン5間を電気的に接続するインナーバイアホール導電体層6および内層の貫通スルーホール導電体層13を形成する。
【0069】
なお、本実施形態では、絶縁性樹脂基材1の両面に設けられた銅箔およびメッキ層により内層導電体パターン5を形成しているが、内層導電体層の厚みが厚くなることが望ましくない場合、内層導電体パターンが微細パターンである場合等には、必要に応じて、銅箔2の表面の全部または一部にメッキ層4が付着しないようにマスクを設けてメッキすることも可能である。
【0070】
次に、内層コア材の上にビルドアップ法により外層導電体パターンを作製する方法について説明する。
【0071】
図1(b)に示すように、内層コア材の両面に、外層導電体パターンと内層導電体パターンとの間の絶縁性樹脂層となる感光性樹脂層8を積層する。このとき、内層コア材に開けられているインナーバイアホール3および貫通スルーホール12にも樹脂が充填される。
【0072】
なお、本実施形態では、インナーバイアホール3および貫通スルーホール12に対して樹脂を埋め込む工程を、絶縁性樹脂層8を形成する工程と同時に行っているが、樹脂を埋め込む工程と絶縁性樹脂層8を形成する工程とを別々に行ってもよく、それぞれ異なる樹脂を用いてもよい。インナーバイアホール3および貫通スルーホール12を埋め込む樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニルサルフォン(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等を用いることができる。また、貫通スルホール12において埋め込み樹脂を確実に除去し、露光時の制御を容易にするためには、絶縁性樹脂層8よりも感光性の低い感光性樹脂、感光性は無いが絶縁性樹脂層8の現像液で容易に溶解する樹脂等を貫通スルーホール12の埋め込み樹脂として用いることができる。また、インナーバイアホール3に導電性樹脂を埋め込むことによって、さらに導通抵抗を低下させることもできる。
【0073】
次に、図1(c)に示すように、感光性樹脂層8に対してフォトマスク15を用いて露光を行う。ここで用いられる感光性樹脂には、ポジ型のものとネガ型のものとがあり、いずれも用いることができるが、本実施形態では、ポジ型感光性アクリル変成エポキシ樹脂を用いているので、バイアホール9および貫通スルーホール12部分に光が照射されないように遮光部15bを設け、それ以外の部分を透光部15aとしたフォトマスクを用いて露光を行った。フォトマスク15の透光部15aを通った光は、内層導電体パターンと外層導電体パターンとの間の絶縁性樹脂層となる部分8aおよびインナーバイアホール3となる部分8cに照射され、この部分を架橋・硬化させる。一方、フォトマスク15の遮光部5bの下に配置されたバイアホール9となる部分8bおよび貫通スルーホール12となる部分8dにおいては、光が照射されないために樹脂は硬化しない。
【0074】
なお、本実施形態では、感光性樹脂層8を露光するためにフォトマスク15を用いているが、このようなフォトマスクを用いず、感光性樹脂層8の表面上をレーザー光で走査しながら、レーザー光のon/off制御により適切に樹脂に露光を行う方法を用いてもよい。
【0075】
続いて、現像処理、ポストキュア工程を行って、図1(d)に示すように、両面の内層導電体パターンと外層導電体パターンとの間(この例では第1層−第2層間および第3層−第4層間)を電気的に接続するためのバイアホール9を形成する。このとき、貫通スルホール12の内層コア部分に埋め込まれていた感光性樹脂層8も、露光を受けていないので、現像工程において、他の穴部分と同時に溶解除去される。
【0076】
次に、図1(e)に示すように、適切な前処理を行って、基板全体にパネルメッキを行い、外層導電体層10aを形成する。
【0077】
最後に、図1(f)に示すように、適切なエッチングレジストをパターン形成して外層導電体層10aにエッチングを行い、所望の回路パターン(外層導電体パターン)10、内層導電体パターン5と外層導電体パターン10とを電気的に接続するバイアホール導電体層11、および内層の貫通スルーホール導電体層13と接続された外層の貫通スルーホール導電体層14を形成する。
【0078】
この後、金メッキ等の表面処理、ソルダレジストの形成、シンボル印刷、外形加工などを行って、多層プリント配線板100を完成させる。
【0079】
図2(a)は、本実施形態の多層プリント配線板100における貫通スルーホール12部分の拡大断面図である。
【0080】
ここでは、貫通スルホール12となる部分の内層導電体パターン(内層の貫通スルーホール導電体層)にランド13が設けられており、外層パネルメッキで形成された外層導電体パターン(外層の貫通スルーホール導電体層)14が、このランド13の表面上に重なっている。これは、配線領域に余裕があり、貫通スルホール12のランド13との電気的接続の確実性、導通抵抗の低減を最大限に考慮した場合の構成例である。この場合には、貫通スルホール12用の穴を絶縁性樹脂層8に開けるときに、穴径を内層コア材に形成した貫通スルホール12用の穴径よりも数十μm大きくする。
【0081】
また、図2(b)に示すように、絶縁性樹脂層8に設ける貫通スルホール12穴径と内層コア材の貫通スルホール12穴径とを同じにして、外層パネルメッキで形成された外層の貫通スルーホール導電体層14を内層ランド13の表面上に重ねず、貫通スルホール12の内壁を実用上フラットにすることもできる。この場合には、絶縁性樹脂層8の端部16を、貫通スルホール12の内壁に設けられた内層導電体パターン13の表面とほぼ同じ位置に配置する。また、穴加工の位置誤差等を吸収して、より平滑な内壁を得るために、一般には、平滑性の高いメッキ浴組成が選択される。
【0082】
また、図2(c)に示すように、絶縁性樹脂層8に開ける貫通スルホール12用の穴径を内層コア材の貫通スルホール12穴径より若干小さくして、絶縁性樹脂層8の端部16の位置を貫通スルホール12の内壁に設けられた内層導電体パターン13の表面の位置よりも突出させて形成し、メッキ導電体層(外層の貫通スルーホール導電体層)14によって、その段差を埋めて表面を平滑化してもよい。
【0083】
さらに、図2(a)〜図2(c)の構成とすると、貫通スルホール12における内層導電体層の厚さは、通常の2倍程度となる。
従来の貫通スルホールメッキ法では、メッキ液の流れの悪さ、電流密度分布等の関係によって、薄くなりがちであり、また、穴加工時のスルホール内壁荒れなどから、スルホール欠陥の原因となりやすいという問題があるが、貫通スルホール12における内層導電体層の厚さは、通常の2倍程度となることにより、基板の厚さ方向の中心部分のスルホールメッキ厚を稼ぐことができ、これにより、層間の導通抵抗を大幅に低減することができる。特に、内層には、通常、電源層、グランド層等があるため、電源の安定化、インピーダンスの低減、雑音発生の抑制等に効果がある。
【0084】
さらに、図2(e)に示す様に、内層コアを作成する際に、貫通スルホール部のスルホール穴部にはメッキを施さず、外層ビルドアップ層のメッキ工程で、貫通スルホールを形成する事も可能である。具体的には、図1(a)で示す内層コアとして、スルホールメッキを行わず、単に貫通スルホール穴部に穴をあけた両面基板を用い、外層・ビアホールメッキ工程で、貫通スルホールメッキも合わせて行うものである。この方法は、内層導体パターン間をつなぐインナーバイアが無い基板において特に有効であり、図1(a)の6で示すスルホールメッキ工程を省略する事ができるため、工程を簡素化できる。
【0085】
また、貫通スルホール12内壁の内層コア材部分のみ、導電体層の厚みが異なることが望ましくない場合等に、接続信頼性をさらに高めるために、外層パネルメッキ前に、貫通スルホール12部の内壁に設けられた内層導電体層13をエッチングで除去する場合もある。さらに、メッキ導電体層14の接続信頼性を改善するために、図2(d)に示すように、貫通スルホール12部のランド13を数十μmエッチバックしてから、その部分を埋めるように外層パネルメッキを行うことも可能である。
【0086】
(実施形態2)
本実施形態では、内層のパネルメッキを行わずに多層プリント配線板を作製する方法について、図3(a)〜(c)を用いて説明する。この方法によれば、工程が長くなりがちで、管理が容易ではない化学・電気メッキ工程を少なくすることができる。
【0087】
まず、内層コア材を作製する工程について説明する。図3(a)に示すように、両面に銅箔(導電体層)を設けた絶縁性樹脂基材1に対して、絶縁性樹脂基材1および導電体層に穴開け加工を行って、絶縁性樹脂基材1の両面に設けられた内層導電体パターン間(この例では第2層−第3層間)を電気的に接続させるためのインナーバイアホール3および完成基板において貫通スルホール12となる部分に穴を開ける。
【0088】
次に、パネルメッキは行わず、そのまま、導電体層にエッチングを行って内層導電体パターン2を形成する.なお、穴開け加工とパターニングとは、この順番に限られず、逆の順番で行ってもよい。
【0089】
次に、図3(b)に示すように、インナーバイアホール3となる部分の第2層の導電体パターン2aおよび第3層の導電体パターン2b間を導電性ペースト樹脂18で電気的に接続する。このとき、貫通スルホール12となる部分は、導電性ペースト樹脂18による電気的接続は行わない。
【0090】
以降の工程は、実施形態1と同様であり、図3(c)に示すように、内層コア材の両面に感光性樹脂層8を形成し、露光・現像・硬化を行ってバイアホール9を形成すると共に貫通スルーホール12に埋め込まれた感光性樹脂層8を除去する。そして、適切な前処理を行って、基板全体にパネルメッキを行い、外層導電体層10aを形成する。この場合、貫通スルホール12は、導電性ペースト樹脂18ではなく、外層パネルメッキ工程で形成された導電体層によって電気的に接続されている。
【0091】
本実施形態では、導電性ペースト樹脂18を形成するためにピン方式を用いたため、図3(c)で示すように、インナーバイアホール3は、導電性ペースト樹脂で埋められておらず、その中央部は感光性樹脂8にて埋められている。さらに層間の導通抵抗を下げたい場合、穴径が小さいために感光性樹脂による空隙充填が容易ではない判断される場合などには、インナーバイアホール3を印刷法等によって導電性樹脂ペースト18で完全に埋めてしまうことも可能である。
【0092】
以降の工程は、実施形態1と同様であり、メッキ導電体層10aにエッチングを行って所望の回路パターン(外層導電体パターン)10、内層導電体パターン5と外層導電体パターン10とを電気的に接続するバイアホール導電体層11、および内層導電体パターン2と電気的に接続された外層の貫通スルーホール導電体層14を形成する。そして、金メッキ等の表面処理、ソルダレジストの形成、シンボル印刷、外形加工などを行って、多層プリント配線板を完成させる。
【0093】
なお、本実施形態において、感光性樹脂層8の代りに、銅箔付きプリプレグを使用してレーザー法によりビルドアップ多層プリント配線板を作製することも可能である。
【0094】
(実施形態3)
本実施形態では、レーザー法によってビルドアップ多層内層のパネルメッキを行わずに多層プリント配線板を作製する方法について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。
【0095】
まず、図4(a)に示すように、絶縁性樹脂基材1の両面に導電体層2を設けたものを準備する。本実施形態では、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基材1の両面に厚み35μmの銅箔2を積層したものを用いた。
【0096】
次に、図4(b)に示すように、絶縁性樹脂基材1および導電体層2に穴開け加工を行って、絶縁性樹脂基材1の両面に設けられた内層導電体パターン間(この例では第2層−第3層間)を電気的に接続させるためのインナーバイアホール3を形成する。さらに、本実施形態では、完成基板において貫通スルホール12となる部分にも穴を開けている。本実施形態ではドリルで機械的に穴開けを行っているが、レーザー光などによって加工してもよい。
【0097】
次に、メッキ処理は行わず、図4(c)に示すように、樹脂7にてインナーバイアホール3および貫通スルーホール12を樹脂で埋め込む。通常、穴埋め樹脂7としては、内層コア材を構成する絶縁性樹脂基材1と同等の樹脂、例えば本実施形態例ではエポキシ樹脂が用いられることが多いが、本実施形態では、アクリル系樹脂を用いた。
【0098】
このようにアクリル系の樹脂を用いる理由は、穴埋め樹脂に必要とされる以下のような性能を考慮したためである。本実施形態においてインナーバイアホール3および貫通スルーホール12を埋め込む穴埋め樹脂に必要とされる性能は、従来のインナーバイアホール3を埋め込む穴埋め樹脂と同様に、絶縁性能、絶縁性樹脂基材1と近似した熱膨張係数、絶縁性樹脂基材1との良好な接着性能、積層・部品実装等を行った後の工程で必要とされる耐熱性等であるが、その他に、レーザー穴開け加工における加工性の良さ、特に、絶縁性樹脂基材1を構成する樹脂よりも速い加工速度、レーザー光による除去容易性、後の加工・スルホール信頼性に影響を及ぼす炭化物等の残渣の残りにくさ等が要求される。これらの観点から、本実施形態ではアクリル系樹脂を用いている。
【0099】
次に、図4(c)に示すように、内層コア材の両面に、銅箔付きプリプレグまたは接着剤付き銅箔などと称される、半硬化樹脂材料21の片面に銅箔22が積層された材料を積層する。
【0100】
次に、図4(d)に示すように、レーザー加工処理を行って、両面の内層導電体パターンと外層導電体パターンとの間(この例では第1層−第2層間および第3層−第4層間)を電気的に接続するためのバイアホール9を形成する。さらに、本実施形態では、貫通スルーホールとなる部分12に埋め込まれていた樹脂7も同時に除去している。
【0101】
以降の工程は、実施形態1および図8(d)に示す従来技術と同様であり、適切な前処理を行って、基板全体にパネルメッキを行い、バイアホール9の内壁および導電体層(銅箔)22の表面にメッキ導電体層(外層導電体層)を形成する。そして、メッキ導電体層にエッチングを行って所望の回路パターン(外層導電体パターン)、内層導電体パターンと外層導電体パターンとを電気的に接続するバイアホール導電体層11、および内層導電体パターンと電気的に接続された外層の貫通スルーホール導電体層を形成する。そして、金メッキ等の表面処理、ソルダレジストの形成、シンボル印刷、外形加工などを行って、多層プリント配線板を完成させる。
【0102】
(実施形態4)
本実施形態では、貫通スルーホール12を埋め込む樹脂としてエッチングレジストインクを用いた例について、図5(a)および図5(b)を用いて説明する。
【0103】
図5(a)は、実施形態1の図1(e)に相当する工程が完了した状態であり、内層導電体パターン5と外層導電体パターン10との間の絶縁性樹脂層8を形成し、バイアホール8および貫通スルホール12を開口して、パネルメッキにより外層導電体層10aを作製した状態である。なお、本実施形態では、実施形態1と同様に絶縁性樹脂層8を感光性樹脂によって形成しているが、実施形態2のように、銅箔付きプリプレグを積層して絶縁性樹脂層を作製してもよい。
【0104】
次に、図5(b)に示すように、貫通スルホール12内に、エッチング液に耐えるエッチングレジストインク19を充填し、その後、外層導電体層10aをエッチングするためのエッチングレジスト20を形成する。本実施形態では、外層導電体層10aをエッチングするためのエッチングレジスト20としてドライフィルムを用い、貫通スルホール12の穴埋め用にエッチングレジストインク19を用いている。このエッチングレジストインク19としては、エッチング終了後にドライフィルム剥離液にて容易に溶解・剥離できるものを用いている。
【0105】
図5(c)は、外層導電体層10aのエッチングを完了し、エッチングレジスト20を除去した状態の貫通スルーホール部の拡大断面図である。ここでは、貫通スルーホール12の内壁に、内層コア材の作製時に形成された内層の貫通スルーホール導電体層13、および外層パネルメッキ時に形成された外層の貫通スルーホール導電体層14が設けられている。なお、本実施形態では、外層の貫通スルホール導電体層14にランドが設けられていないが、ランドを設けてもよい。
【0106】
以降の工程は、実施形態1と同様であり、金メッキ等の表面処理、ソルダレジストの形成、シンボル印刷、外形加工などを行って、多層プリント配線板を完成させる。
【0107】
図6(a)は、このようにして作製された多層プリント配線板における貫通スルーホールに、部品を実装した状態を示す断面図である。ここでは、貫通スルーホール12に部品の接続端子31が挿入され、半田32によって貫通スルーホール導電体層13および14と電気的に接続されている。
【0108】
この状態は、所謂ランドレススルホールと称されるものであるが、以下の点で、従来のランドレススルーホールよりも優れている。
【0109】
第1に、部品の接続端子31を電気的に接続するための半田32が、カップ状の貫通スルーホール導電体層13および14で受けられているため、接続面積が広くなり、接続強度、接続信頼性が向上する。
【0110】
第2に、メッキ層10aのエッチングの際に貫通スルーホール12をエッチングレジストインク19によって穴埋めをしているため、通常のランドレススルホール作成手順よりも、安全確実にランドレススルホールを作製することができる。これは、エッチングの際に貫通スルーホールが穴埋めされて平坦化されているため、パターニングを良好に行うことができるためである。
【0111】
なお、図6(a)では、貫通スルホール12内に貫通スルーホール導電体層13および14の凸部が設けられているが、実施形態1において図2(b)〜図2(d)に示すように、貫通スルーホール12の内壁に凸部が無いように貫通スルーホール導電体層13および14を形成することもできる。
【0112】
また、貫通スルーホール12に部品を実装せずに、外部との接触により電気的接続を取るための接続端子、チェッカ端子等として用いることもできる。
【0113】
例えば、他の回路との接続端子として用いる場合には、図6(b)に示すように、コネクタ端子33およびコネクタハウジング34等の形状を適切に選択することによって、端子接触部を気密に近い状態とすることが容易となり、長期接続信頼性を与えることができる。ここでは、コネクタ端子9が貫通スルーホール12内に挿入されて貫通スルーホール導電体層13および14と電気的に接続されており、その周囲を囲むようにコネクタハウジング10が配置されている。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ビルドアップ法において、貫通スルホールを容易に形成することができ、搭載部品が表面実装型に限定されない。また、メッキ回数を減らして、工程の短縮化、管理の容易化、歩留まり向上、加工コストの削減を図ることができる。また、内層パネルメッキを行わないことによって、銅箔が厚くならず、微細パターンの加工が可能となる。また、インナーバイアホールの厚みを厚くすることによって導通抵抗を下げることができる。特に、内層導電体パターンは、電源、グランド等の用途に使用されるため、インピーダンスの低下に効果がある。さらに、内層導電体パターンに対して直接外部との電気的接続を行うことができ、また、部品を実装することもできる。この場合、コネクタ形状を工夫することによって、接続信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ、本発明の一実施形態である多層プリント配線板の製造工程を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、それぞれ実施形態1の多層プリント配線板における貫通スルーホール部の構成例を示す拡大断面図である。
【図3】(a)および(c)は、それぞれ、実施形態2の多層プリント配線板の製造工程を示す断面図であり、(b)はそのインナーバイアホール部の拡大断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、それぞれ、実施形態3の多層プリント配線板の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、実施形態4の多層プリント配線板の製造工程を示す断面図であり、(c)はその貫通スルーホール部の拡大断面図である。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ、実施形態4の多層プリント配線板における貫通スルーホールへの部品実装例を示す断面図である。
【図7】(a)〜(i)は、それぞれ、従来のフォト法によるビルドアップ多層配線板の製造工程を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、それぞれ、従来のレーザー法によるビルドアップ多層配線板の製造工程を示す断面図である。
【図9】従来のビルドアップ多層配線板における層間接続状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性樹脂基材
2、2a、2b 内層導電体層、内層導電体パターン(銅箔)
3 インナーバイアホール
4 内層導電体層(メッキ層)
5a 内層導電体層
5 内層導電体パターン
6 貫通スルーホール導電体層
7 埋め込み樹脂
8 絶縁性樹脂層(感光性樹脂層)
8a、8c 感光性樹脂露光部
8b、8d 感光性樹脂未露光部
9 バイアホール
10a 外層導電体層(メッキ層)
10 外層導電体パターン
11 バイアホール導電体層
12 貫通スルーホール
13 内層の貫通スルーホール導電体層(ランド)
14 外層の貫通スルーホール導電体層
15 フォトマスク
15a フォトマスク透光部
15b フォトマスク遮光部
16 絶縁性樹脂層の端部
17 ランドをエッチバックした部分
18 導電性ペースト樹脂
19 エッチングレジストインク
20 エッチングレジストマスク
21 半硬化樹脂材料
22 外層導電体層(銅箔)
23 外層導電体層(メッキ層)
31 部品の接続端子
32 半田
33 コネクタ
34コネクタハウジング
100、700 多層プリント配線板

Claims (11)

  1. 絶縁性樹脂基材の両面に内層導電体パターンが設けられ、前記両面の内層導電体パターン同士を電気的に接続するためのインナーバイアホールが樹脂で埋め込まれた内層コア材の両面または片面に、絶縁性樹脂層を介して外層導電体パターンが設けられ、該絶縁性樹脂層に、該絶縁性樹脂層の両側にそれぞれ設けられた前記内層導電体パターンと前記外層導電体パターンとを電気的に接続するためのバイアホールが設けられていると共に、完成基板の一方の表面から他方の表面まで貫通する貫通スルーホールが設けられている多層プリント配線板を製造する方法において、
    前記内層コア材の両面に内層導電体パターンを形成するとともに該内層コア材のインナーバイアホールおよび貫通スルーホールとなる部分に貫通穴をそれぞれ形成する工程と、
    前記内層コア材の前記各貫通穴を樹脂で埋め込む工程と、
    次いで、前記内層コア材の両面または片面に絶縁性樹脂層を形成する工程と、
    該絶縁性樹脂層にバイアホールを形成するとともに、前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂上の前記絶縁性樹脂層除去して、前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂を除去する工程と、
    次いで、前記絶縁性樹脂層上に外層導電体パターンを形成し、該絶縁性樹脂層の両側にそれぞれ設けられた前記内層導電体パターンと前記外層導電体パターンとを接続するバイアホール導電体層を形成し、さらには、前記貫通スルーホールの内壁に該貫通スルーホールを貫通する貫通スルーホール導電体層を形成する工程とを含み、
    前記内層コア材の前記各貫通穴を樹脂で埋め込む工程は、前記インナーバイアホールとなる前記貫通穴内において前記内層コア材の両面にそれぞれ設けられた前記内層導電体パターン同士を導電性ペースト樹脂で接続する工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記導電性ペースト樹脂が、前記インナーバイアホール内に完全に埋め込まれる請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 前記インナーバイアホールおよび前記貫通スルホールとなる前記貫通穴の少なくとも一方を埋め込む樹脂として、感光性樹脂を用いる請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴を埋め込む樹脂として、前記絶縁性樹脂層と同等の感光性を有する樹脂を用いる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  5. 前記インナーバイアホールおよび前記貫通スルホールとなる前記貫通穴の少なくとも一方を埋め込む樹脂として、前記絶縁性樹脂基材および前記絶縁性樹脂層と同等または同等以上のレーザー加工性を有し、完成基板に必要とされる耐熱性を有する樹脂を用いる請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  6. 前記絶縁性樹脂層にバイアホールを形成する際に、前記貫通スルーホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂上の前記絶縁性樹脂層および該樹脂が同時に除去される請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  7. 前記貫通スルホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた前記樹脂および前記絶縁性樹脂層が感光性を有しており該樹脂上の前記絶縁性樹脂層および該樹脂が、感光性を利用して除去される請求項6に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. レーザー光による加工処理により、前記貫通スルホールとなる前記貫通穴に埋め込まれた樹脂上の前記絶縁性樹脂層および該樹脂が除去される請求項6に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  9. 前記貫通スルーホール導電体層を介して前記内層導電体パターンと外部との電気的接続および部品実装を行う請求項1〜請求項8のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  10. 前記貫通スルーホール導電体層を、前記内層導電体パターンよりも外層側に位置する絶縁性樹脂層の貫通スルーホール内壁面の一部または全部に繋がるように形成する請求項9に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  11. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法により作製された多層プリント配線板。
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