JP4059354B2 - リコイルスタータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの始動に使用されるリコイルスタータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリコイルスタータは、図4および図5に示すように、樹脂製のスタータケース1の軸芯位置には軸2が固着され、軸2にはリール3が回転自在に取り付けられており、リール3の外周部に設けた凹溝3aにロープ4がゼンマイ5の復元力によって巻装されている。
リール3にはラチェット6が半径方向に出没自在に回動するよう取り付けられ、このラチェット6の中間位置にはピンが固定され、ラチェット6はリール3の周縁近傍に形成された傾斜面と突出面間に移動自在に位置して、リール3に取り付けられている。また、軸2にフリクションプレート9が取り付けられ、フリクションプレート9にはラチェット6のピンを案内することにより、ラチェット6を半径方向に出入りさせるガイド部が形成されている。
一方、エンジン側には、エンジンと連結するプーリが設けられ、その外周先端には凹部が形成されている。
【0003】
また、従来のリコイルスタータでは、図6および図7に示すように、スタータケース1の周面に開口10が形成され、この開口10に、例えば硬質樹脂材のロープガイド11が挿入され、開口10にカシメ付け固定され、リール3に巻装されたロープ4の端部が、ロープガイド11に挿通され、ロープガイド11を介して外部に導出されている。
【0004】
このような構成の従来のリコイルスタータでは、停止状態からゼンマイ5の復元力に抗して、ロープ4を引き出すと、フリクションプレート9は、軸2とのフリクションによって停止状態に維持され、一方リール3とラチェット6とが回転する。このために、ラチェット6のピンが、停止状態にあるフリクションプレート9のガイド部に案内されて突出し、ラチェット6が、プーリの凹部に係合して回転し、エンジンが始動する。
そして、エンジンが始動した状態で、ロープ4を離すと、ゼンマイ5の復元力によってリール3が逆方向に回転し、ロープ4が巻き戻されるととともに、ラチェット6は後退して原位置に復帰する。
この動作時において、ロープ4はロープガイド11の内周面を摺動するために、ロープ4の接触摺動によってスタータケース1が磨耗破損することがなく、エンジン始動のためのロープ4の引き出し動作は円滑に行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来のリコイルスタータでは、エンジン始動のためのロープ4の引き出し動作は、スタータケース1を磨耗破損させることなく円滑に行われるが、スタータケース1に開口10を形成し、この開口10に別途作製したロープガイド11を挿入し、カシメ止める煩雑な製造工程が必要となり、リコイルスタータの製造コスト上昇の要因となっていた。
【0006】
本発明は、前述したようなリコイルスタータの製造工程の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、リコイルスタータのスタータケースに、ロープガイドを簡単な作業で取付けることができ、製造コストを低減することができたリコイルスタータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、樹脂製のスタータケースに、リールが回転自在に取付けられ、前記リールにゼンマイの復元力によって巻き取られているロープを引き出すことによって、前記リールが回転して内燃機関を始動するリコイルスタータであって、前記スタータケースに前記ロープの前記リールからの巻装外れを防止する外れ防止材が設けられたリコイルスタータにおいて、前記スタータケースの内周面の端部に、前記リールの周面から前記ロープを水平面に対して上方に傾斜して導出するごとく設けられたロープ引出口と前記リール間に、予めスタータケース自体に形成された略U字形状の凹状部材に、前記ロープを案内する、断面が半円形で凹状となす金属材が開口側を外側にして全体がほぼU字形状に折り曲げられた金属製のロープガイドが嵌合方式にて取付けられたリコイルスタータを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図1ないし図3を参照して説明する。
図1は本発明の構成を示す平面図、図2は図1のA−A部分の断面説明図、図3は図1のロープガイドの構成を示す説明図であり、すでに説明した図4ないし図7と同一部分には、同一の図面参照番号が付されている。
【0009】
本発明では、図2に示すように、スタータケース1の内周面の端部に、リール3の周面の凹溝3aからロープ4を水平面から上方に傾斜して導出するロープ引出口13が形成され、ロープ引出口13とリール3の凹溝3a間において、スタータケース1に、ロープ4を案内する金属製のロープガイド15が取付けられている。
この金属製のロープガイド15は、図3(a)および(b)に示すように、断面が半円形で凹状の金属材が開口側を外側にして全体がほぼU字状に折り曲げられた形状をしていて、ロープ引出口13とリール3の凹溝3a間において、予めスタータケース1の内面に該ケースと一体に形成された略U字形状の凹状部材1aに嵌合方式にて取付けられている。
また、本発明では、このロープガイド15とリールの凹溝3a間に、ロープ4のリール3からの巻装外れを防止する外れ防止部材17が、図1に示すようにロープ4の凹溝3aからの導出部分をブリッジするように取り付けられている。
なお本発明のその他の部分の構成は、すでに説明した従来のリコイルスタータと同一なので説明を省略する。
【0010】
本発明では、従来のリコイルスタータと同様に、停止状態からゼンマイ5の復元力に抗して、ロープ4を引き出すと、フリクションプレート9は、軸2とのフリクションによって停止状態に維持され、一方リール3とラチェット6とが回転する。このために、ラチェット6が、停止状態にあるフリクションプレート9のガイド部に案内されて突出し、プーリの凹部と係合して回転しエンジンが始動する。
そして、エンジンが始動した状態で、ロープ4を離すと、ゼンマイ5の復元力によってリール3が逆方向に回転し、ロープ4が巻き戻されるとともに、ラチェット6は後退して原位置に復帰する。
【0011】
このように、本発明によると、エンジン始動のための引き出し動作に際して、ロープ4は、ロープガイド15に案内され、さらに外れ防止部材17によりブリッジされた状態で、スタータケース1に形成されたロープ引出口13から、水平面に対して斜め上方にスムーズに引き出され、エンジンの始動が操作性よく行われるとともに、ロープ4は金属製のロープガイド15の内面のみを摺動し、エンジンの始動動作を繰り返しても、スタータケース1が磨耗破損することがなく、またロープ4のリール3に対する巻装が外れることも防止され、安定して円滑なエンジンの始動を続けることが可能になる。さらに、ロープガイド15をスタータケース1に簡単な嵌装作業によって組み付け、低製造コストでリコイルスタータを製造することが可能になる。
【0013】
【発明の効果】
以上述べた通り本発明によると、樹脂製のスタータケースに、リールが回転自在に取付けられ、スタータケースの周面に、リールの周面からロープを水平面に対して上方に傾斜して導出するロープ引出口を設け、リールにゼンマイの復元力によって巻き取られているロープを引き出すことによって、リールが回転して内燃機関を始動するリコイルスタータにおいて、ロープ引出口とリール間のスタータケースの内面に、断面が半円形で凹状の金属材が開口側を外側にしてほぼU字状に曲げられた形状の金属製のロープガイドを嵌合方式にて取付けるので、流れ工程内でロープガイドを簡単な取付け作業によって低製造コストで取付けることができ、かつ前記ロープガイドの作用によりロープ引き出しも円滑に行われ、繰り返し動作によるスタータケースの摩耗破損のないリコイルスタータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A部分の断面説明図である。
【図3】 図1のロープガイドの構成を示す説明図で、(a)はロープガイドを示す斜視図、(b)はロープガイドの取付け状態を示す正面図である。ある。
【図4】 従来のリコイルスタータの構成を示す平面図である。
【図5】 図4の縦断面図である。
【図6】 図4のロープ取出し部分の構成を示す斜視説明図である。
【図7】 ロープ取出し部分の構成を示す図4のB−B線上の断面説明図である。
【符号の説明】
1 スタータケース
2 軸
3 リール
3a 凹溝
4 ロープ
5 ゼンマイ
6 ラチェット
9 フリクションプレート
13 ロープ引出口
15 ロープガイド
Claims (1)
- 樹脂製のスタータケースに、リールが回転自在に取付けられ、前記リールにゼンマイの復元力によって巻き取られているロープを引き出すことによって、前記リールが回転して内燃機関を始動するリコイルスタータであって、前記スタータケースに前記ロープの前記リールからの巻装外れを防止する外れ防止材が設けられたリコイルスタータにおいて、前記スタータケースの内周面の端部に、前記リールの周面から前記ロープを水平面に対して上方に傾斜して導出するごとく設けられたロープ引出口と前記リール間に、予めスタータケース自体に形成された略U字形状の凹状部材に、前記ロープを案内する、断面が半円形で凹状となす金属材が開口側を外側にして全体がほぼU字形状に折り曲げられた金属製のロープガイドが嵌合方式にて取付けられていることを特徴とするリコイルスタータ。
Priority Applications (5)
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JP07519996A JP4059354B2 (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | リコイルスタータ |
US08/638,806 US5676103A (en) | 1995-05-09 | 1996-04-29 | Recoil starter |
TW085105410A TW328555B (en) | 1995-05-09 | 1996-05-07 | Recoil starter |
KR1019960014965A KR100188834B1 (ko) | 1995-05-09 | 1996-05-08 | 리코일 시동기 |
IT96RM000319A IT1284389B1 (it) | 1995-05-09 | 1996-05-09 | Motorino di avviamento a contraccolpo. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07519996A JP4059354B2 (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | リコイルスタータ |
Publications (2)
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Family
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4059354B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5416261B2 (ja) * | 2012-08-22 | 2014-02-12 | スターテング工業株式会社 | リコイルスタータ |
JP5416262B2 (ja) * | 2012-08-22 | 2014-02-12 | スターテング工業株式会社 | リコイルスタータ |
-
1996
- 1996-03-05 JP JP07519996A patent/JP4059354B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09242651A (ja) | 1997-09-16 |
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