JP4059154B2 - 情報送受信装置、情報送受信用プログラム - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、所定の待ち合わせ場所で他のユーザと待ち合わせをする一のユーザ側に設けられ、他のユーザに待ち合わせ場所の映像を撮像させる情報送受信装置および情報送受信用プログラムに関する。
【0002】
【背景技術】
待ち人が待ち合わせ場所の位置情報を車両へ向けて送信し、車両は受信した位置情報を目的地として経路検索を行うナビゲーションシステムがある(特許文献1参照)。このナビゲーションシステムによれば、ドライバは目的地検索の操作をしなくとも目的地までの経路を検索することができ、誘導経路に従えば待ち合わせ場所周辺にまで到達することができる。
しかし、待ち合わせ場所周辺の土地勘がないドライバは、待ち合わせ場所周辺まで到達できたとしても、実際に待ち人を見つけ出すことができない場合があるという問題があった。
【0003】
また、特許文献2には、自車両位置の緯度、経度、高度、進行方向を特定し、自車両の進行方向の景色に係わる地形情報を保持したCD−ROM等のデータベースから取り出し、この地形情報に基づいて、運転者の視線方向の景色を表す映像を生成し、生成した映像を表示装置に表示させる技術が記載されている。
しかし、特許文献2に記載された技術では、CD−ROM等の記憶装置に保持された情報に基づいて景色映像を生成するため、ランドマークや目印の変化に対応することができないという問題があった。すなわち、特許文献2に記載の技術によっては、季節や天候によって変化するランドマーク(草花、木等)や、一時的に配置され経時的に変化する目印(カート、ノボリ等)を反映させた景色映像を生成することができないという問題があった。
【0004】
つまり、待ち人を迎えに行く者は、待ち合わせ時における待ち合わせ場所の状況を正確に把握することができず、待ち人を容易に探し出すことができないという問題があった。
【0005】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−141478号公報
【特許文献2】
特開平8−327375号公報
【0006】
【発明の開示】
本発明は、待ち合わせ場所付近で待ち人を探すドライバが、待ち人を発見するときにドライバが見るであろう景色を、待ち人に撮影させることを目的とする。
【0007】
この発明によれば、所定の待ち合わせ場所で他のユーザと待ち合わせをする一のユーザ側に設けられ、前記他のユーザ側と相互に情報の送受信を行い、前記一のユーザの現在位置を取得する現在位置取得機能と、前記一のユーザと他のユーザとの待ち合わせ場所を取得する待ち合わせ場所取得機能と、前記一のユーザの現在位置と前記待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、前記待ち合わせ場所に到着する前記一のユーザの進行方向を予測する進行方向予測機能と、前記進行方向予測機能により予測された前記進行方向に基づく所定の撮像方向で、前記待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成する撮像命令生成機能と、前記撮像命令生成機能により生成された撮像命令を、前記他のユーザに向けて送出する送受信機能とを有するコンピュータ(情報送受信装置)を提供することができる。
待ち人を探すドライバは、待ち人に撮影させた映像を参照することにより、待ち人を容易に探し出すことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の情報送受信装置100は、所定の待ち合わせ場所で第2ユーザ(「他のユーザ」に対応、以下同じ)と待ち合わせをする第1ユーザ(「一のユーザ」に対応、以下同じ)が搭乗する車両に設けられ、第2ユーザ側と相互に情報の送受信を行うことができる装置である。第2ユーザはカメラ手段および送受信手段を少なくとも備えた携帯端末200を所持している。第2ユーザ側の携帯端末200と情報送受信装置100とは、通信回線を介して相互に情報の授受が可能である。第2ユーザ側は、携帯端末200のほか、第1ユーザと同じ車載の情報送受信装置100を有していてもよい。
【0009】
情報送受信装置100は、第1ユーザが搭乗する車両に搭載され、同じく当該車両に搭載された情報入力装置300、ナビゲーション装置400、提示装置500および記憶装置600と相互に情報の授受が可能であるように車載LANにより接続されている。
【0010】
情報送受信装置100と相互に情報の送受信を行う携帯端末200は、少なくとも送受信手段201と、撮像を行うカメラ手段202と、モニタ等の提示手段203と、電子コンパス204とを有している。送受信手段201は、情報送受信装置100の送受信手段6と同様の機能を有する。カメラ手段202は、撮像倍率の制御機能、撮像距離の制御機能、自動焦点機能、露出設定機能、絞り制御機能、自動フラッシュ機能その他の通常のデジタルカメラが有する機能を備えた撮像手段である。このカメラ手段202によれば、逆光となってしまう場合や、露出度が十分でない場合であっても、撮影環境を補正することが可能である。電子コンパス204は、携帯端末200がどの方位を向いているかを検出する機能を有する。本実施形態の電子コンパス204は、地磁気の3成分を検出する地磁気センサを備え、携帯端末200が向けられた方位を検出する。GPS機能(Global Positioning System)等のロケータ機能を利用してもよい。
【0011】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、情報送受信装置100およびその関連装置を説明する。
図1に示すように、本実施形態の情報送受信装置100は、現在位置取得手段1と、待ち合わせ場所取得手段2と、進行方向予測手段3と、視点位置算出手段4と、撮像命令生成手段5と、送受信手段6とを有している。具体的には、少なくとも、待ち合わせ場所に到着する第1ユーザの進行方向を予測し、予測された進行方向に基づく所定の撮像方向で待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成させるプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行することで、進行方向予測手段3、撮像命令生成手段5として、機能するCPUと、記憶装置600として機能するRAMとを備えている。
【0012】
また、ROMは、予測された進行方向と算出された第1ユーザの視点位置とに基づいて、待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成させるプログラムをさらに格納し、CPUはこのプログラムを実行することで、視点位置算出手段4、撮像命令生成手段5として機能する。
【0013】
本装置は、車両のイグニッションオンで電源が起動する。もちろん、車両駆動バッテリとは別の小型バッテリを内蔵させて、常時起動させてもよい。なお、消耗を防ぐため、走行時に小型バッテリを充電することが好ましい。
【0014】
「現在位置取得手段1」は、第1ユーザと第2ユーザとの待ち合わせ場所を取得する。現在位置取得手段1は、ナビゲーション措置400の現在位置検出手段410を介して現在位置を取得する。現在位置検出手段410は、GPS機能(Global Positioning System)およびジャイロセンサー等の自車位置検出機能を用いて第1ユーザが搭乗する車両の現在位置を検出する。
【0015】
「待ち合わせ場所取得手段2」は、情報入力装置300、または目的地取得部422を介して第1ユーザと第2ユーザとが待ち合わせる場所の位置情報を取得する。取得される待ち合わせ場所の情報は、待ち合わせ情報入力手段310に入力された位置情報であってもよいし、ナビゲーション装置400に目的地として入力された位置情報であってもよい。また、所定の方式で記述されたスケジュールデータから待ち合わせ場所の位置情報を取得してもよい。
【0016】
「進行方向予測手段3」は、経路算出部31と、道路形状参照部32とを有し、第1ユーザの現在位置と待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、待ち合わせ場所に到着する第1ユーザの進行方向を予測する。進行方向予測手段3の進行方向予測処理を図2に基づいて説明する。
【0017】
「経路算出部31」は、現在位置取得手段1により取得された第1ユーザの現在位置と、待ち合わせ場所取得手段2により取得された待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、記憶装置600に記憶された地図情報を参照し、現在位置から待ち合わせ場所までの経路を算出する。図2は、地図情報に基づいて算出された経路を示す。算出された経路と第1ユーザの走行履歴(現在位置を含む)から、待ち合わせ場所Aに到着した第1ユーザの進行方向aを推測することができる。
【0018】
本実施形態では、誘導経路の終点となる待ち合わせ場所と待ち合わせ場所から誘導経路上の数メートル手前の地点を結んだ線を進行方向と推測する。なお、経路の算出処理をナビゲーション装置400の経路算出手段420に行わせ、算出された経路を取得してもよい。情報送受信装置100が車両に搭載されていない場合には、電子コンパス、3軸地磁気サンセ、加速度センサを用いて、第1ユーザの経路を算出する。
【0019】
「道路形状参照部31」は、記憶された道路形状を予め取得する。道路形状参照部31が起動した場合、進行方向予測手段3は、第1ユーザの現在位置と待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、取得した道路形状を参照し、待ち合わせ場所に到着する第1ユーザの進行方向を予測する。先述した、待ち合わせ場所と待ち合わせ場所から数メートル手前の地点を結んだ線を進行方向と推測した場合、道路形状が複雑であると、進行方向に第2ユーザを見つけることができない場合もある。そこで、本実施形態では、道路形参照部31を設け、進行方向予測手段3は、道路形状に沿った方向を進行方向と推測する。
【0020】
これにより、待ち合わせ場所の道路がロータリーなど特殊な形状である場合でも、道路形状を参照することによって、待ち合わせ場所における正確な進行方向を判断することができる。予測結果として得られた進行方向は、撮像命令生成手段5に送出される。
【0021】
経路算出部31が算出した経路に基づいて推測された進行方向と、道路形状参照部32が読み込んだ道路形状に基づいて推測された進行方向とが異なる場合、進行方向予測手段3は、いずれかを優先させることにより1の進行方向を決定してもよいし、推測された2つの方向の合成方向を進行方向として決定してもよい。
【0022】
「視点位置算出手段4」は、第1ユーザの視点の位置を算出する。第1ユーザが待ち合わせ場所で見る映像は、第1ユーザの視点に応じて異なる。しかし、第1ユーザが利用する車両の車高は様々であり、第1ユーザの背丈も異なることから、車両を運転する第1ユーザ(ドライバ)の視点は一定ではない。第1ユーザが見る映像を正確に撮像するためには、車高と車両のドライバの背丈に応じた第1ユーザの視点位置を考慮する必要がある。本実施形態では、撮像させる映像の撮像位置を第1ユーザの視点位置に応じて決定するため、視点位置算出手段4を設け、第1ユーザの視点位置を算出する。
【0023】
具体的に、視点位置算出手段4は、車内に備え付けられたカメラにより車両に搭乗する第1ユーザの目の位置を検出して視点位置を算出する。また受信した車高に関する車両情報を取得して第1ユーザの視点位置を算出してもよいし、あらかじめ車両IDと関連づけられた車高と、ドライバIDと関連づけられた身長とを記憶しておいてもよい、算出された第1ユーザの視点位置は、必要に応じて撮像命令生成手段5へ送出される。
【0024】
「撮像命令生成手段5」は、少なくとも進行方向予測手段3により予測された進行方向に基づく所定の撮像方向で、待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成する。また、第1ユーザの視点位置を考慮して、「撮像命令生成手段5」は、進行方向予測手段3により予測された進行方向に基づく撮像方向、および視点位置算出手段により算出された第1ユーサの視点位置に基づく撮像位置で、待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成してもよい。具体的に、撮像命令生成手段5は、撮像命令に含める撮像方向を走行方向に基づいて算出する撮像方向算出機能を有し、この撮像方向算出機能により算出された撮像方向を用いて撮像命令を生成する。また、撮像命令生成手段5は、撮像命令に含める撮像位置を視点位置に基づいて算出する撮像位置算出機能を有し、この撮像位置算出機能により算出された撮像位置を用いて撮像命令を生成する。すなわち、撮像命令生成手段5により生成される撮像命令は、撮像方向および/または撮像位置を特定するための情報を含む。
【0025】
撮像命令には、第2ユーザを撮像する命令を含ませてもよい。第2ユーザの容姿、服装、服の色、持ち物等を予め知ることができれば、第2ユーザを容易に探すことができるからである。
【0026】
まず、撮像方向を含む撮像命令について説明する。
撮像命令に含まれる撮像方向を特定する情報は、少なくとも、東西南北の2次元の方位情報に基づく情報である。撮像命令に含める撮像方向は、進行方向予測手段3により予測された進行方向と、少なくとも水平方向において略同一の方向であることが好ましい。これにより、待ち合わせ場所に到着する第1ユーザの進行方向に沿った撮像方向の映像を撮像させることが可能となる。ただし、進行方向と撮像方向とは略同一方向であることに限定されず、撮像方向を進行方向に対して所定の角度を有するように定義してもよい。所定の角度は特に限定されず進行方向を基準に左右方向(0°〜30°)の範囲で設定することができる。たとえば、情報送受信装置100が車両に搭載されている場合、撮像方向は、進行方向に対して、道路の路肩側に所定の角度だけ回転させた方向とすることが好ましい。このような場合、進行方向を基準に左側又は右側(0°〜20°)の範囲で設定することができる。車道を走行する車両の進行方向と同一方向の映像よりも、店舗や施設がある路肩側の映像のほうが、待ち合わせ場所の目印となる情報が多く含まれていると考えられるからである。
【0027】
撮像命令生成手段5は、予測された進行方向に基づく撮像方向を第2ユーザが認識できるような情報に加工し、撮像命令に含ませる。撮像方向の加工手法は特に限定されず、撮像方向を方位(東西南北)として第2ユーザに示してもよいし、撮像方向を矢印等の画像に変換して第2ユーザに示してもよいし、撮像方向を、方位の特定が可能なアイコンにより表現して第2ユーザに示してもよい。第2ユーザの携帯端末200は、電子コンパス204を備えているので、撮像命令に含まれた撮像方向をデータとして認識し、撮像方向をアイコン等により表示することが可能である。
【0028】
図3に、第2ユーザに示された「所定の撮像方向で待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令」の一例を示した。この撮像命令では、方位の特定が可能なアイコンにより「撮像方向」を第2ユーザに指示する。
【0029】
図3(a)は第2ユーザが所持する携帯端末200の正面を示し、図3(b)は携帯端末200の背面を示す。携帯端末200の正面および背面には、モニタM.M´が設けられている。モニタM,M´には、方位の特定が可能なアイコンが表示される。
【0030】
図3(c)には、撮像方向、すなわちカメラの方向が正しくない場合のアイコンの表示を示した。図3(c)に示すように、撮像するために向けられた携帯端末200のカメラ手段202の向きが正しくない場合、アイコンには×印が表示される。「×」が示された場合、車両に搭乗する第1ユーザから見える方向と第2ユーザ(待ち人)が撮像した映像の撮像方向が異なることを意味する。これだけの表示では、撮像方向が正しいか否かしか判断することができないため、第2ユーザのカメラをどのくらい回転させればいいかを示した表示を付加してもよい。本実施形態において、アイコンの隣に示された矢印は、カメラの向きを修正する方向と修正度合を示す矢印である。大きな矢印はカメラの向きを回転させる角度が大きいことを示し、小さな矢印はカメラの向きを回転させる角度が小さいことを示す。図3(c)のアイコンは、カメラの向きを大きく左回転することを第2ユーザに指示し、図3(d)のアイコンは、カメラの向きを少しだけ左回転することを第2ユーザに指示している。第2ユーザの調整により、カメラの向き、すなわち撮像方向が撮像命令に従う方向となったとき、図3(e)に示すようにアイコンの表示が変化(「×」から「・」へ)する。このように、第2ユーザは、図3(e)のアイコンが示されるように、携帯端末200の向きを調整する。
【0031】
このように、進行方向に基づく撮像方向で待ち合わせ場所の映像を撮像させる命令を第2ユーザへ送出することにより、第1ユーザが待ち合わせ場所を見る方向と同じ方向から見た映像を第2ユーザに撮像させることができる。
【0032】
つぎに、第2ユーザの視点位置に基づく撮像位置を含む撮像命令について説明する。
視点位置を特定する情報は、少なくとも、重力方向に沿った2次元の高さ情報である。撮像命令に含める視線位置は、第2ユーザの搭乗する車両の車高、第2ユーザの身長に基づいて算出されてもよいし。もちろん、車内に装備されたカメラにより第2ユーザの目を検出し、検出された目の位置を視線の位置としてもよい。
【0033】
撮像命令生成手段5は、算出された視点位置に基づく撮像位置を第2ユーザが認識できるような情報に加工し、撮像命令に含ませる。撮像位置の加工手法は特に限定されず、撮像位置を高さとして第2ユーザに示してもよいし、撮像位置を、位置の特定が可能なアイコンにより表現して第2ユーザに示してもよい。
【0034】
図4に、第2ユーザに示された「所定の撮像位置で待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令」の一例を示した。この撮像命令では、方位の特定が可能なアイコンにより「撮像方向」を第2ユーザに指示する。
【0035】
図4(a)(b)に示す携帯端末200は、図3(a)(b)に示した携帯端末200と同じである。図4(c)には、撮像位置、すなわちカメラの位置が正しくない場合のアイコンの表示を示した。図4(c)、図4(d)に示すように、撮像するために向けられた携帯端末200のカメラ手段202の位置が正しくない場合、アイコンに示した丸印が重ならない。第2ユーザの調整により、カメラの位置、すなわち撮像位置が撮像命令に従う位置となったとき、図4(e)に示すようにアイコンに表示された2つの丸印が重なる。このように、第2ユーザは、図4(e)のアイコンが示されるように、携帯端末200の位置を調整する。
【0036】
このように、第1ユーザの視点位置に基づく撮像位置で待ち合わせ場所の映像を撮像させる命令を第2ユーザへ送出することにより、第1ユーザが待ち合わせ場所を見る場所と同じ場所から見た映像を第2ユーザに撮像させることができる。
【0037】
また、視点位置に基づく撮像位置を合わせる作業は、先に述べた撮像方向が確定してから行う。つまり、第2ユーザ(待ち人)は、携帯端末200のモニタにアイコン「・」が表示されている状態(撮像命令に従う撮像方向)を維持しつつ、アイコンの2つの円が重なった状態(撮像命令に従う撮像位置)とし、待ち合わせ場所を撮影する。
【0038】
このように、走行方向に基づく撮像方向および第1ユーザの視点位置に基づく撮像位置で待ち合わせ場所の映像を撮像させる命令を第2ユーザへ送出することにより、第1ユーザが待ち合わせ場所を見る方向および場所と同じ方向および場所から見た映像を第2ユーザに撮像させることができる。
【0039】
以上のように、第1ユーザは、第1ユーザが見る映像と方向および/または位置が一致する映像を第2ユーザに撮像させ、撮像させた映像を参照することができるため、第2ユーザを容易に探し出すことができる。
【0040】
このようにして待ち合わせ相手によって撮影された映像は、車両側に送信される。車両側でこの映像を受信すると、車載情報端末のモニタに表示される。この表示された映像を参考にすることによって、車両のドライバーは待ち合わせ相手を探し出し、スムーズに待ち合わせを遂行することが可能になる。
【0041】
「送受信手段6」は、情報の送受信機能を有し、少なくとも携帯端末200と相互に情報の送受信を行う。送受信される情報には、少なくとも撮像命令と、第2ユーザ側の携帯端末200で撮影された待ち合わせ場所の映像が含まれる。
【0042】
送受信手段は特に限定されない。例えば、公衆回線網を用いた一般電話、携帯電話、PHS電話、車載電話、通信機能内蔵モジュール等公衆通信網を用いる移動通信機、MCA(Multi Channel Access System)無線システム、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11系(802.11a、802.11b、802.11gなど)その他の無線LAN規格等に従う無線通信機能、DSRC(Dedicated Short Range Communications)であってもよい。本実施形態では、通信料の低減の観点から、無線LAN、またはDSRC(Dedicated Short Range Communications)を採用する。
【0043】
なお、送受信手段6は、Bluetooth(登録商標)や赤外線(IrDA)等の無線、もしくはRS−232C(シリアルインターフェイス)やUSB(Universal Serial Bus)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の有線によって、情報送受信装置100の各構成と接続される。
【0044】
次に、本実施形態に係る情報送受信装置100の制御手順を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
送受信手段6は、車両に搭載された情報送信装置100と車両内に存在する通信端末との間にリンクが確立されていることを確認する(S111)。リンクが確立されるまで第1ユーザが接続動作を行い、リンクが確立されるまで待機する。リンクが確立されていることを確認した場合、S112に遷移する。
【0045】
S112では、ナビゲーション装置400のイニシャライズを行う。具体的には、DVD−ROMやハードディスクの内容を読み取るとともに、車載された現在位置検出手段410の起動を行う。
【0046】
現在位置取得手段1は、ナビゲーション装置400の現在位置検出手段410を介して、第1ユーザの搭乗する車両の現在位置を取得する(S113)。
【0047】
待ち合わせ場所取得手段2は、待ち合わせ場所を、待ち合わせ情報入力手段310、またはナビゲーション装置400の目的地取得部422を介して取得する(S114)。待ち合わせ場所の入力手法は限定されず、一般のナビゲーション装置における目的地入力と同様の手法により入力できる。たとえば、メニュー等からジャンルを選択して入力する手法、電話番号を入力する手法、直接住所を入力する方法などを用いることができる。
【0048】
進行方向予測手段3の経路算出部31は、現在位置と待ち合わせ場所との位置関係から、現在位置から待ち合わせ場所までの誘導経路を算出する(S115)。この誘導経路の算出処理は、ナビゲーション装置400の経路算出手段420に行わせてもよい。道路形状参照部32は、記憶装置600にアクセスし、道路形状を読み出す(S116)。
【0049】
進行方向予測手段3は、現在位置と待ち合わせ場所との位置関係から、待ち合わせ場所に到着する第1ユーザの進行方向を予測する。本実施形態では、現在位置と待ち合わせ場所との位置関係に加えて、道路形状を参照して進行方向を予測する(S117)。
【0050】
撮像命令生成手段5は、進行方向予測手段3により予測された進行方向に基づいて撮像方向を決定する(S118)。視点位置算出手段4は、第1ユーザの視点位置を算出する(S119)。撮像命令生成手段5は、視点位置算出手段4により算出された視点位置に基づいて撮像位置を決定する(S120)。すなわち、撮像命令生成手段5は、進行方向に基づく撮像方向と視点位置に基づく撮像位置とを決定する。
【0051】
撮像命令生成手段5は、少なくとも撮像方向を特定し、特定された撮像方向で待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成する。撮像命令には視点位置に基づく撮像位置を含ませてもよい(S121)。
【0052】
撮像命令生成手段5は、撮像命令を、第2ユーザ側の携帯端末200へ送受信手段6を介して送出する(S122)。撮像命令の送信処理は、電子メールやインスタントメッセンジャー等の一般の情報送受信用アプリケーションを利用して行うことができる。
【0053】
撮像命令は、撮像方向と撮像位置を含み、第2ユーザ側の携帯端末200に、撮像方向(カメラの向き(水平方向))と撮像位置(ドライバの視点方向(垂直方向))をアイコンで表示させる(S123)。
【0054】
情報送信装置100は、携帯端末200から第2ユーザによりの撮像された待ち合わせ場所の映像の受信を待機する(S124)。送受信手段6を介して受信した映像は、提示装置500のモニタに表示する(S125,S126)。
【0055】
以上のように構成され、機能する情報送受信装置100は、以下の効果を奏する。
第2ユーザ(待ち人)を迎えに行く第1ユーザが、待ち合わせ場所に到着するときの進行方向を予測し、予測された進行方向に基づく撮像方向で、待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を第2ユーザに送信することから、第1ユーザは自身の視線方向に沿って撮像された映像を取得することができるため、この映像を参考にして容易に第2ユーザを探し出すことができる。
【0056】
車載のナビゲーション装置400の位置特定精度によっては、人間が立っている場所までをも特定することが困難な場合があるが、待ち人が立っている場所の映像を予め見ておけば初めて来た場所であっても、その場所を容易に特定することができる。つまり、第1ユーザはその映像を見ながら待ち合わせ相手を探すことが可能であり、込み入った場所や分かりずらい場所でも、スムーズに待ち人を探し出すことができる。しかも、撮像させた映像は、第2ユーザが目的地で見るであろう方向から撮像されたものであるため、その映像は待ち人を探す手がかりとして有意義である。
【0057】
第1ユーザの進行方向の予測にあたり道路形状を参照することから、駅のロータリーのように道路形状が複雑な場所でも、待ち合わせ場所に向かう第1ユーザの進行方向を適切に予測することができる。
【0058】
第2ユーザ(待ち人)を迎えに行く第1ユーザの視点位置を算出し、進行方向に基づく撮像方向と視点位置に基づく撮像位置で、待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を第2ユーザに送信することから、第1ユーザは自身の視点位置に合った映像を取得することができる。つまり、車高や身長の違いによる景色の見え方の違いを修正した映像を撮像させることができる。第1ユーザは、第1ユーザの視点と共通の視点から撮像された映像を参考にして容易に第2ユーザを探し出すことができる。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の情報送受信装置100について説明する。
第2実施形態の情報送受信装置100は、第2ユーザに、第1ユーザの視野範囲に応じた映像を撮像させる。つまり、本実施形態は、第1ユーザの視野範囲を算出し、視野範囲に基づく所定の撮像倍率または撮像距離で、待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成し、この撮像命令を第2ユーザ側へ送出する。第2実施形態の構成を図6に示した。図6に示すように、第2実施形態の情報送受信装置100の構成は、図1に示した第1実施形態の構成と基本的に共通する。異なる点は、第2実施形態の情報送受信装置100は視野範囲算出手段7を有する点である。また第2実施形態の撮像命令生成手段5は、撮像倍率算出機能と、撮像距離算出機能とを有している。ここでは、異なる点を中心に説明する。
【0060】
「視野範囲算出手段7」は、第1ユーザの視点の範囲を算出する。視野の範囲を算出する手法は特に限定されない。図7に車両に搭乗する第1ユーザの視野範囲を算出する2つの算出例を示した。
【0061】
図7(a)に示す例は、車内に備え付けられたカメラを利用して景色を撮影し、その映像の4角の3次元座標から第1ユーザの視野範囲を特定する手法である。図7(a)では第1ユーザがフロントガラスを介して見ることのできる範囲を視野範囲に対応させ、座標値r1〜座標値r4の4点により視野範囲を特定する。この視野範囲に応じた映像は、撮像された映像を表示するモニタ500の大きさにも対応していることが好ましい。
【0062】
第1ユーザは、実際に見る景色と第2ユーザが撮像した映像とを比較ながら第2ユーザを探すため、第1ユーザが実際に見る景色と、第2ユーザが撮像する映像とは同じ範囲の映像であることが好ましい。本実施形態では、第1ユーザの視野範囲に基づいて撮像命令を生成することにより、撮像命令に従う映像は、第1ユーザが実際に待ち合わせ場所で見る映像と同じ景色を映し出すものとすることができる。ちなみに、第2ユーザが撮像した映像が、図7(a)に示すような座標値r01〜座標値r04の小さい範囲の映像である場合、この映像は、第1ユーザが実際に待ち合わせ場所で見る映像とは異なる景色となり、この映像に基づいて第2ユーザを探すことは困難となる。
【0063】
図7(b)に示す例は、アイトラッキングの機能を利用して第1ユーザの視野範囲を測定する例である。図7(b)に示すように、視野範囲算出手段7は、第1ユーザの視点の動きを検出するカメラを用いて、視点の移動履歴を記憶し、その移動履歴の分布から座標値r11〜座標値r14を視野範囲として算出する。
【0064】
撮像命令生成手段5の撮像倍率算出機能は、座標値r1〜r4で囲まれた視野範囲に基づいて撮像倍率を決定する。また、撮像距離算出機能は、座標値r1〜r4で囲まれた視野範囲に基づいて撮像距離を決定する。撮像倍率、撮像距離は、少なくとも第1ユーザの視野範囲と略一致するように決定することが好ましく、第1ユーザの視野範囲およびモニタ600の表示範囲と略一致するように決定することがより好ましい。撮像倍率、撮像距離を決定するにあたり、携帯端末200のカメラ手段202の情報(撮像倍率、撮像距離等)が必要である場合には、第2ユーザの携帯端末200に要求命令を送出し、送受信手段6を介して必要な情報を取得しておく。もちろん、携帯端末200に関する情報を予め記憶又は取得しておいてもよいし、携帯端末200から機種情報を取得して、機種に対応する情報を記憶された情報から読み出してもよい。
【0065】
算出された撮像倍率および/または撮像距離は、撮像方向等に加えて撮像命令に含められる。すなわち、本実施形態の撮像命令には、撮像方向、撮像倍率および/または撮像距離が含まれる場合と、撮像方向、撮像位置、撮像倍率および/または撮像距離を含まれる場合とがある。
【0066】
撮像命令生成手段5は、算出された視野範囲に基づく撮像倍率、撮像距離を第2ユーザが認識できるような情報に加工し、撮像命令に含ませる。撮像倍率、撮像距離の加工手法は特に限定されず、撮像倍率、撮像距離を数値として第2ユーザに示してもよいし、撮像倍率、撮像距離をその特定が可能なアイコンにより表現して第2ユーザに示してもよい。
【0067】
図8に、第2ユーザに示された「所定の撮像倍率および/または撮像距離で待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令」の一例を示した。この撮像命令では、撮像倍率、撮像距離の特定が可能なアイコンにより「撮像倍率」「撮像距離」を第2ユーザに指示する。
【0068】
図8(a)は第2ユーザが所持する携帯端末200の正面を示し、図8(b)は携帯端末200の背面を示す。携帯端末200の正面および背面には、モニタM.M´が設けられている。モニタM,M´には、方位の特定が可能なアイコンが表示される。
【0069】
図8(c)には、撮像倍率および/または撮像距離が正しくない場合のアイコンM21の表示を示した。図8(c)に示すように、撮像倍率が大きい場合、撮像距離が近い場合、基準円(実線)に対して小さい比較円(点線)が示される。基準円と比較円との大きさの相対的な差が、撮像命令の撮像倍率、撮像距離と実際に撮像しようとしている撮像倍率、撮像距離との差に対応する。
【0070】
基準円(実線)に対して比較円(点線)が小さい場合または大きい場合は、撮像倍率、撮像距離の調整が必要である。図8(d)に示すアイコンは、図8(c)に示すアイコンと同様に、撮像倍率、撮像距離が適当ではない。さらに撮像倍率、撮像距離を調整し、図8(e)のような状態、すなわち基準円(実線)と比較円(点線)との大きさが略一致したとき、携帯端末200の撮像倍率、撮像距離は、撮像命令に従う撮像倍率、撮像距離となる。
【0071】
撮像命令には、撮像倍率と撮像距離とを含ませてもよいし、撮像倍率と撮像距離のうち、いずれか一方を含ませてもよい。撮像倍率には限界があるため、撮像倍率とともに撮像距離を撮像命令に含ませ、視野範囲に応じた景色を撮像させることが好ましい。
【0072】
算出された撮影倍率、撮像距離を含む撮像命令は、情報送受信装置100から第2ユーザ側の携帯端末200に送信される。第2ユーザは、撮像命令に基づく指示に従い待ち合わせ場所の映像を撮像する。
【0073】
このように、第1ユーザの視野範囲に基づく撮像倍率、撮像距離で待ち合わせ場所の映像を撮像させる命令が含まれた撮像命令を、第2ユーザへ送出することにより、第1ユーザの視野と同等の範囲の映像を第2ユーザに撮像させることができる。
【0074】
以上のように、第1ユーザは、第1ユーザが見る映像と視野範囲が一致する映像を第2ユーザに撮像させ、撮像させた映像を参照することができるため、第2ユーザを容易に探し出すことができる。
【0075】
次に、第2実施形態の処理手順を、図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0076】
図9に示すS111からS118までの処理は、図5に示した第1実施形態の制御処理と共通する。本実施形態では、撮像命令に、撮像方向と撮像倍率および/または撮像距離とを含める。もちろん第1実施形態のS119〜S121までの処理を含ませ、撮像命令に撮像位置を含ませるようにしてもよい。
【0077】
ここでは、第1実施形態とは異なるS201以降の処理について説明する。
【0078】
まず、車両に搭乗する第1ユーザの視野範囲を算出する(S201)。視野範囲は、上述した車載カメラやアイトラッキング機能を利用して算出する。撮像倍率決定機能は撮像倍率を、撮像距離決定機能は撮像距離を決定する。第1ユーザの視野範囲とモニタ500に表示される映像の範囲が一致するような倍率および距離を算出する。
【0079】
撮像命令生成手段5は、撮像方向と撮像倍率および/または撮像距離を含めた撮像命令を生成する(S203)。生成された撮像命令は、送受信手段6を介して携帯端末200へ送信される(S204)。第2ユーザの携帯端末200に撮像方向と撮像倍率および/または撮像距離を設定・変更させるアイコンを表示する(S205)。本実施形態では、アイコンにより第2ユーザに撮像倍率、撮像距離を設定・変更させたが、撮像命令が携帯端末200のカメラ手段202にインストールされているアプリケーション上で撮像倍率を直接変更させてもよい。撮像倍率の変更は、カメラ手段202に直接命令してもよいし、第2ユーザに命令してもよい。
【0080】
情報送受信装置100は、第2ユーザの撮像した映像の受信を待機する(S206)。撮像された映像を受信したら(S207)、モニタ500に表示する(S208)。
【0081】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、さらに、第1ユーザから実際に見える景色の範囲と、第2ユーザが撮像した映像の範囲とが一致するため、第1ユーザは、実際の景色と第2ユーザが撮像した映像とを直接対比することができ、第2ユーザを容易に見つけることができる。
【0082】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の情報送受信装置100は、第2ユーザから受信した映像を、撮像命令に従う映像に変換する。撮像命令により撮像方向、撮像位置、撮像倍率、撮像距離を指定しても、その命令に従わない映像が撮像される場合がある。本実施形態では、そのような場合に撮像された映像を撮像命令に従う映像に補正する。
第3実施形態の構成を図10に示した。図10に示すように、第3実施形態の情報送受信装置100の構成は、図6に示した第2実施形態の構成と基本的に共通する。異なる点は、第3実施形態の情報送受信装置100は映像変換手段8を有する点である。ここでは、異なる点を中心に説明する。
【0083】
本実施形態の情報送受信装置100は、映像変換手段8を備える。映像変換手段8は、撮像された待ち合わせ場所の映像と、当該映像の撮像方向を第2ユーザ側から取得し、取得した映像の撮像方向と撮像命令に含まれる撮像方向とを比較し、取得した映像を撮像命令の撮像方向に従う映像に変換する。
【0084】
「映像変換手段8」は、第2ユーザが撮像した映像を、撮像命令に従う映像に変換する。具体的には撮像方向Bで撮像された映像(投射面B)から、撮像方向A(撮像命令)で撮像された映像(投射面B)へ3次元の座標変換処理を行う。ここで行われる座標変換処理は一般の手法を用いることができるが、図11および図12にその一例を説明する。
【0085】
まず、図11に基づいて、撮像方向に関する変換処理を説明する。図11は、撮像ポイントと映像面とを上から見た図である。第2ユーザにより撮像された映像の投射面(映像面)がB平面であり、撮像命令に従う映像方向で撮像された映像の投射面(映像面)がA平面である。実際に撮像された映像の撮像方向は、第2ユーザ側の携帯端末200の電子コンパス204を用いて検出させ、撮像された映像とともに第2ユーザから取得する。実際に撮像された映像の撮像方向と撮像命令に含まれる撮像方向とを比較する。図11に示す例ではA面とB面とでは角度θの差がある。角度θに基づいて、B平面に投影された映像をA平面に変換する。つまり、撮像されたB平面上のランドマークPは、A平面上のランドマークP´に写像される。これにより、正しい角度から撮影されなかった映像をほぼ任意の角度から撮影したような映像に変換することが可能であり、撮像方向が撮像命令に従わない映像を、撮像命令に従う映像に変換することができる。
【0086】
図12に基づいて、撮像距離に関する変換処理を説明する。図12は、撮像ポイントと映像面とを上から見た図である。第2ユーザにより撮像された映像の投射面(映像面)がB平面であり、撮像命令に従う映像方向で撮像された映像の投射面(映像面)がA平面である。実際に撮像された映像の撮像距離は、第2ユーザ側の携帯端末200のカメラ手段202を用いて検出させ、撮像された映像とともに第2ユーザから取得する。実際に撮像された映像の撮像距離と撮像命令に含まれる撮像距離とを比較する。図12に示す例ではA面とB面とでは距離Δd=d2−d1の差がある。距離差Δdに基づいて、B平面に投影された映像をA平面に変換する。つまり、撮像されたB平面上のランドマークRは、A平面上のランドマークR´に写像される。これにより、正しい撮像距離で撮影されなかった映像をほぼ任意の撮像距離から撮影したような映像に変換することが可能であり、撮像距離が撮像命令に従わない映像を、撮像命令に従う映像に変換することができる。
【0087】
ここでは、撮像方向、撮像距離を例にして映像変換手段8の処理を説明したが、映像変換手段8は、撮像位置、撮像倍率についても座標変換処理を利用して、撮像命令に従う映像を求めることができる。
【0088】
図13に示すS111からS118までの処理は、第2実施形態と同様に、図5に示した第1実施形態の制御処理と共通する。本実施形態では、撮像命令に、撮像方向と撮像倍率および/または撮像距離とを含める。もちろん第1実施形態のS119〜S121までの処理を含ませ、撮像命令に撮像位置を含ませるようにしてもよい。
【0089】
ここでは、第1実施形態とは異なるS301以降の処理について説明する。
【0090】
第2ユーザの撮像した映像等を取得する。このステップでは映像とともに、当該映像の撮像方向、撮像位置、撮像倍率、撮像距離を必要に応じて取得する(S207)。映像変換手段8は、実際に撮像された映像面であるB平面と、撮像命令に従う映像面であるA平面との差異を検出する。具体的には、両平面の特徴点(画面角の4点)から、
【0091】
【数1】
平面方程式
A平面:aAx+bAy+cAz+dA=0
B平面:aBx+bBy+cBz+dB=0
を導き出し、そこから両平面の垂直ベクトル、および、その垂直ベクトルのなす角を算出する。
【0092】
S312では、実際に撮影した映像面(B平面)から第1ユーザが実際に見る映像年(A平面)への変換(写像作成)を行う。映像の変換(写像作成)には、S311で算出した両平面のなす角を利用し、図11に示した処理を行う。
【0093】
本実施形態によれば、第2ユーザが正しい撮像方向、撮像位置、撮像倍率、撮像距離に従って撮像できなかった場合に、撮像命令に従う撮像方向、撮像位置、撮像倍率、撮像距離で撮像した映像を第1ユーザに提供することができる。
【0094】
すなわち、第1ユーザは、待ち合わせ場所における進行方向に応じた映像を得ることができ、第2ユーザを容易に探すことができる。第1ユーザは、視点位置に応じた映像を得ることができ、第2ユーザを容易に探すことができる。第1ユーザは、視野領域に応じた映像を得ることができ、第2ユーザを容易に探すことができる。
【0095】
第2ユーザの携帯端末200が、図3、4、8に示したような、撮像命令をアイコンで表示するような機能を有していない場合、撮像命令に正確に従う映像を撮像することは難しい。本実施形態によれば、撮像命令をアイコンで表示する機能を有していない携帯端末200が撮像した映像であっても、撮像命令に従う映像に変換することができ、第1ユーザは第2ユーザから取得した映像を参考にして第2ユーザを容易に探すことができる。
【0096】
本実施形態では情報送受信装置100について説明したが、本発明の情報送受信用プログラムにより動作するコンピュータは、情報送受信装置100と同様に作用し、同様の効果を奏する。
【0097】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る情報送受信装置100のブロック図である。
【図2】進行方向予測手段3の処理を説明するための図である。
【図3】図3(a)〜(e)は、撮像命令の表示態様の第1の例を説明するための図である。
【図4】図4(a)〜(e)は、撮像命令の表示態様の第2の例を説明するための図である。
【図5】第1実施形態の情報送受信装置100の制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】第2実施形態に係る情報送受信装置100のブロック図である。
【図7】視野範囲算出手段7の処理を説明するための図である。
【図8】図8(a)〜(e)は、撮像命令の表示態様の第3の例を説明するための図である。
【図9】第2実施形態の情報送受信装置100の制御手順を示すフローチャート図である。
【図10】第3実施形態に係る情報送受信装置100のブロック図である。
【図11】映像変換手段8の処理を説明するための第1の図である。
【図12】映像変換手段8の処理を説明するための第2の図である。
【図13】第3実施形態の情報送受信装置100の制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
100…送受信装置
1…現在位置取得手段
2…待ち合わせ場所取得手段
3…進行方向予測手段
31…経路算出部
32…道路形状参照部
4…視点位置算出手段
5…撮像命令生成手段
6…送受信手段
7…視野範囲算出手段
8…映像変換手段
200…携帯端末
300…情報入力装置
400…ナビゲーション装置
500…提示装置
600…記憶装置
Claims (8)
- 所定の待ち合わせ場所で他のユーザと待ち合わせをする一のユーザ側に設けられ、前記他のユーザ側と相互に情報の送受信を行う情報送受信装置であって、
前記一のユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記一のユーザと他のユーザとの待ち合わせ場所を取得する待ち合わせ場所取得手段と、
前記一のユーザの現在位置と前記待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、前記待ち合わせ場所に到着する前記一のユーザの進行方向を予測する進行方向予測手段と、
前記進行方向予測手段により予測された前記進行方向に基づく所定の撮像方向で、前記待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成する撮像命令生成手段と、
前記撮像命令生成手段により生成された撮像命令を、前記他のユーザに向けて送出する送受信手段とを有する情報送受信装置。 - 前記進行方向予測手段は、前記待ち合わせ場所の道路形状を予め取得し、前記一のユーザの現在位置と前記待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、前記取得した道路形状を参照して、前記待ち合わせ場所に到着する前記一のユーザの進行方向を予測する請求項1に記載の情報送受信装置。
- 前記一のユーザの視点位置を算出する視点位置算出手段を有し、
前記撮像命令生成手段は、前記進行方向予測手段により予測された前記進行方向に基づく所定の撮像方向と、前記視点位置算出手段により算出された前記一のユーザの視点位置に基づく所定の撮像位置で、前記待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成する請求項1または2に記載の情報送受信装置。 - 前記撮像された待ち合わせ場所の映像と、当該映像が撮像された撮像方向を前記他のユーザ側から取得し、前記取得した映像の撮像方向と前記撮像命令に含まれる撮像方向とを比較し、前記取得した映像を前記撮像命令の撮像方向に従う映像に変換する映像変換手段を有する請求項1〜3のいずれかに記載の情報送受信装置。
- 前記映像変換手段は、前記撮像された待ち合わせ場所の映像と、当該映像の撮像位置を前記他のユーザ側から取得し、前記取得した映像の撮像位置と前記撮像命令に含まれる撮像位置とを比較し、前記取得した映像を前記撮像命令の撮像位置に従う映像に変換する機能をさらに有する請求項4記載の情報送受信装置。
- 前記一のユーザの視野範囲を算出する視野範囲算出手段を有し、
前記撮像命令生成手段は、前記視野範囲算出手段により算出された視野範囲に基づく撮像倍率および/または撮像距離で前記待ち合わせ場所の映像を撮像させる命令を、前記撮像命令にさらに含ませる請求項1〜5のいずれかに記載の情報送受信装置。 - 前記映像変換手段は、前記撮像された待ち合わせ場所の映像と、当該映像の撮像倍率および/または撮像距離を前記他のユーザ側から取得し、前記取得した映像の撮像倍率および/または撮像距離と前記撮像命令に含まれる撮像倍率および/または撮像距離とを比較し、前記取得した映像を前記撮像命令の撮像倍率および/または撮像距離に従う映像に変換する機能をさらに有する請求項6記載の情報送受信装置。
- 所定の待ち合わせ場所で他のユーザと待ち合わせをする一のユーザ側のコンピュータに、
前記一のユーザの現在位置を取得する機能と、
前記一のユーザと他のユーザとの待ち合わせ場所を取得する機能と、
前記一のユーザの現在位置と前記待ち合わせ場所との位置関係に基づいて、前記待ち合わせ場所に到着する前記一のユーザの進行方向を予測する機能と、
前記予測された前記進行方向に基づく所定の撮像方向で、前記待ち合わせ場所の映像を撮像させる撮像命令を生成する機能と、
前記生成された撮像命令を、前記他のユーザに向けて送出する機能とを実現させるための情報送受信用プログラム。
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