JP4059081B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明はガス絶縁開閉装置に係り、特に「入」「切」及び「接地」の三位置をとる三位置形断路・接地開閉機能を持つものに好適なガス絶縁開閉装置に関する。
従来、三位置形断路・接地開閉機能を持ったガス絶縁開閉装置としては、特開2000−134733号公報および特開平11−355926号公報に示されているものがある。この従来例には、ガス絶縁開閉装置の容器軸を導体軸に対して偏芯させて拡張したスペースを形成し、この拡張したスペースに三位置形断路・接地開閉機能を配置することが記載されている。
しかし、上記した従来例は、断路接地開閉機能が配置される容器内に拡張したスペースを設ける必要があるためにどうしても容器を大型化せざるを得ず、しかも、容器軸と導体軸とが偏芯している等構造が複雑となってしまい、これにより構成部品数が増大するという問題がある。
そのため、機器の縮小化および構造の単純化が要求されるが、それを実現する方策にも自と限界があり、さらに、構成が複雑なことから信頼性も低下する恐れがあった。
また、別な従来技術として特開昭60−5710号公報に記載されたものがある。この従来技術は、計器用変圧器と接続している導体中に可動子を設け、この可動子を動かすことで計器用変圧器を接地状態にするガス絶縁開閉装置である。
特開2000−134733号公報 特開平11−355926号公報 特開昭60−5710号公報
しかしながら、この従来技術には、単に計器用変圧器と接続している導体中に設けられている可動子を動かすことで計器用変圧器を接地状態にすることしか記載されてなく、上述した三位置形断路・接地開閉機能を有するガス絶縁開閉装置は何ら示されておらず、従って、どのようにコンパクトにガス絶縁開閉装置内に三位置形断路・接地開閉機能を組み入れるかについては全く考慮されていないことは明らかである。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、三位置形断路・接地開閉機能を有するものであっても、装置の縮小化および構造の単純化を図ることにより、装置全体のコンパクト化が実現できることは勿論、断路・接地開閉機能を行う可動接触導体を正確に直線運動させるガス絶縁開閉装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のガス絶縁開閉装置は、各相毎に接地された金属容器内に納められた複数の母線導体と、該複数の母線導体はそれぞれ断路器を構成する第1の固定側集電子と、該固定側集電子に一端が接触する可動接触導体と、該可動接触導体の他端と通電可能で接地開閉器を構成する第2の固定側集電子と、前記可動接触導体を駆動するギア機構と、該ギア機構を駆動させるロッドと、各相のロッドに取り付けたスプロケットを連結するチェーンと、一相のロッドに取り付けたスプロケットと電動機に取り付けたスプロケットを連結するチェーンとを備え、前記三相のロッドのうち、中央のロッドと電動機とをチェーンにて連結し、前記三相毎のそれぞれの可動接触導体が同一方向に駆動することを特徴とする。
本発明のガス絶縁開閉装置によれば、一つの可動接触導体で断路器と接地開閉機能を有するガス絶縁開閉装置を構成し、電動機により可動接触導体を直線運動させることで、機械的なインターロック機能を有するガス絶縁開閉装置を実現でき、また、三相分の三位置形断路・接地開閉器の可動接触導体をラック・ピニオン機構で動かす際に、スプロケットをチェーン駆動で回転させることで三相分の三位置形断路・接地開閉器の開閉機構を容易に同期して可動させることが実現できる。
断路・接地開閉機能を行う可動接触導体を正確に直線運動させるという目的を簡単な構成で実現できる。
本発明の一実施例のガス絶縁開閉装置を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例であり、二重母線方式に適用したガス絶縁開閉装置を示し、該図の如く、ガス絶縁開閉装置は、第1の母線導体である主母線201,第2の母線導体である主母線202,接地開閉器112,固定側集電子114,116,主母線201,
202を各相毎に「入」「切」し、各相毎に接地されたタンクに収められたガス遮断器
103,断路器122,計器用変圧器105,ケーブルヘッド107またはブッシング,変流器108等から概略構成される。
図2は本実施形態に係るガス絶縁開閉装置の一部構成を示す断面図であり、図3,図4は図2の動作状態を示した図面である。
図1に示した本実施形態のガス絶縁開閉装置は、後述の電動機を有する操作器から断路・接地開閉器を操作するための絶縁ロッドまでの動力伝達機構をチェーンにて駆動する方式を採用したものである。
これらの図において、三位置形断路・接地開閉器700は接地開閉器112,断路器
124を備えており、これらはガス絶縁開閉装置の絶縁ガスが満され接地されたタンク
109内に納められている。タンク109内には、第一の母線導体204と第二の母線導体203が配置されている。断路器124は固定側集電子114を備え、接地開閉器112は固定側集電子116を備えている。そして、第二の母線導体203を構成する可動接触導体130が移動することにより、断路器124は「入」,「切」および「接地」の三位置を形成する。接触部材132は固定側集電子114,116と電気的に接続できるよう導電性のある部材で構成されている。また可動接触導体130にはラックギア135が設けられており、ラックギア135はピニオンギア136と噛合して駆動力を伝達する構成となっている。絶縁ロッド502はピニオンギア136と接合されて外部からの駆動力を伝達している。つまり、絶縁ロッド502は、スプロケット402,チェーン140そしてスプロケット141を介して操作器150と結合されており、操作器150を操作することにより、機械的に可動接触導体130に駆動力を伝達するようにしている。
なお、タンク109内に封入された絶縁性ガスとしては、SF6 または他の絶縁性ガス、例えば、N2,CO2,CF4,O2,乾燥空気等の内で一種または二種以上とSF6 とを混合させたガスが用いられる。また、使用状況によってはタンク109内を真空で使用することも可能である。
母線導体203には接触部材132が設置されており、この母線導体203,接触部材132の内部に、接触部材132および固定側集電子114,116を電気的に開閉する可動接触導体130が摺動自在に設けられている。そして、可動接触導体130の両端に対向するように断路器124用の固定側集電子114および接地開閉器112用の固定側集電子116が設置されている。
ここで、固定側集電子116は接地が施されている。可動接触導体130にはラックギア135が設置され、固定側集電子114および116,接触部材132,母線導体203およびその中に設置されている可動接触導体130は、一直線上に同軸配置されている。母線導体203は直角に分岐した導体で絶縁スペーサ162に支持固定されている。その際、直角に分岐した導体は密閉構造を取っており、ラックギア135およびピニオンギア136が噛合する際、および可動接触導体130と接触部材132とが摺動する際に発生する導電性異物を、可動接触導体130が動く母線導体203の容器内に閉じ込めて高電界空間に混入しない構造となっている。
つまり、可動接触導体130上のラックギア135は長さL1で設けられており、これはピニオンギア136が回転して可動接触導体130が固定側集電子114および116に接合する形態になった場合でも、ラックギア135は、接触部材132とは接触しないように長さL1で構成されている。即ち、駆動力伝達部材のピニオンギア136を基準位置として、ラックギア135が移動する最長の長さL1より外側の場所(ポジションP1)に接触部材132を配置することにより、ピニオンギア136とラックギア135で発生する異物が接触部材132に付着することを防止している。
これにより、異物が接触部材132に付着しないので、可動接触導体130を駆動してもピニオンギア136とラックギア135で発生する異物が可動接触導体130の他の箇所に伝播せず、更には、可動接触導体130と接触部材132とが摺動する際に発生する導電性異物が、ピニオンギア136とラックギア135により伝播して高電界空間に混入することを防ぐことを実現できる。
従来構造では固定側集電子114および116に対向して接触部材として集電子が一個ずつ計2個設置されていたが、本実施例では、可動接触導体130に設置されるラックギア135と接触部材132とが接触して導電性異物が発生しないように接触部材132の配置構成を工夫し、一個の接触部材の集電子で断路器124および接地開閉器112の接触部分を兼用する構造となっている。このため、接触部材132とラックギア135との間では異物が発生せず、可動接触導体130の全周と接するように接触部材132を構成しているので、接触部材132に流れる電流密度を低くすることができる。
また、本実施例では、接触部材132を母線導体203から見て断路器124側に配置することにより、例えば電流が母線導体203から母線導体204に流れる時には、電流は母線導体203から接触部材132へ、そして、接触部材132から接触部材132と固定側集電子114を結ぶ可動接触導体130を介して、固定側集電子114より母線導体204へと流れるようになる。これにより、母線導体203と母線導体204の間で電流が流れる経路をなるべく最短にすることが可能で、電流が流れる際の抵抗によるジュール発熱の温度上昇を減らすことができる。
図3は可動接触導体130が断路器124の固定側集電子114側へ動き、接続された状態を示しており、断路器が「入」の状態となっている。
この状態においてラックギア135と接触部材132は接しておらず、ラックギア135で発生した異物は接触部材132に付着しないので、接触部材132を介して、異物が可動接触導体130の他の箇所に伝播しない。
従って、図3の構成によれば、母線導体203と母線導体204の間を制御対象とする定格電流を流すことができる。
また、図4は可動接触導体130が接地開閉器112の固定側集電子116側へ動き接続された状態を示しており、接地開閉器が入り、即ち「接地」の状態となっている。
この状態では、ラックギア135と固定側集電子116は接しておらず、ラックギア
135に異物があったとしても固定側集電子116に付着しないので、固定側集電子116を介して異物が可動接触導体130の他の箇所に伝播しない。
従って、図4の構成によれば、接地開閉器112は接地されているので、母線導体203は接地状態となり、電荷は蓄積されないようになる。
そして、この実施例が示すように、三位置形断路・接地開閉器700は断路器が開路しなければ接地開閉器が閉路できない構造になっており、機械的なインターロックが形成されている。
また、母線導体203と断路器124,接地開閉器112が並べられる線と直交する方向には上述した絶縁ロッド502が設けられている。この絶縁ロッド502は片端がタンク109外に伸びており、タンク109との境界に回転シールが施されガスの漏洩を防止して回転摩擦を低減し、絶縁ロッド502の回転運動をラック・ピニオン機構により直線運動に変換し、可動接触導体130を動作させるようになっている。
次に、三相の断路・接地開閉器も含めた駆動機構を説明する。
図5は、本発明のガス絶縁開閉装置において、三位置形断路・接地開閉器700,701,702が三相分平行配置されている構成を示している。
それぞれの三位置形断路・接地開閉器からの絶縁ロッドに設置されたスプロケット402,404,406は、チェーン182で結合されている。また前述した実施例と同様の構成で、三相のうち中央に配置された相のスプロケット402と操作器150のスプロケット141ともチェーン186で結合されており、これにより操作器150から各相の三位置形断路・接地開閉器へ駆動力を伝達する構成となっている。
本実施例の如く、各相の三位置形断路・接地開閉器700,701,702の絶縁ロッドをチェーン182を用いて駆動することにより、上下左右方向の軸調整が不要となり、更に1個の操作器150で各相の三位置形断路・接地開閉器700,701,702を駆動できる。
したがって、操作器150の設置個数が低減できて、簡略な構造で駆動力を伝達することができるため、構成部品数を少なくすることができる。このため信頼性が高く、安価に装置を提供することができる上に、組立調整作業の省力化が図れる。また、この操作器
150から三位置形断路・接地開閉器への動力伝達機構は、上述したチェーン駆動に限らず、ベルト駆動,リンク駆動,歯車駆動,シャフト駆動を採用することができるのは言うまでもない。
更に、本実施例では、電動機から構成される操作器150から三相の三位置形断路・接地開閉器への動力伝達において、操作器150から三相のうちもっとも中側の相へとチェーン186により結合され、中側の相から他相へ更にチェーン182により結合されている。これにより、チェーン182,186をはじめとして駆動系を構成する動力伝達部材のバックラッシから生じるガタおよび相間の断路および接地動作のバラツキを低減している。
前述の実施例では相分離(単相)母線に適用した場合について説明したが、本発明は、三相一括母線部にも適用可能である。図6は、本実施形態を三相一括型母線部に適用した例の一部構成を示す断面図である。
該図に示す例は、同一のタンク109内に三相分の三位置形断路・接地開閉器700,701,702を設置した構成であり、第1の母線導体204,第2の母線導体203,第3の母線導体(図示せず)を有し、第1〜第3の母線導体は、タンク109の径方向で切った場合に、それぞれの母線導体を頂点とした三角形状の配置を有しており、第1の母線導体204の横には、第3の母線導体(図示せず)が置かれている。そして、それぞれの母線導体には、前述で示した三位置形断路・接地開閉器と同様の構成が設けられている。
図7から図10は、本発明のガス絶縁装置を種々の結線方式を採用した電気所に適用した場合の例を示したものである。
図7は環状母線方式に用いられるガス絶縁開閉装置の構成図であり、図8は図7の環状母線方式に用いられるガス絶縁開閉装置の上面図を示している。
この図8が示すように、No1のBay〜No5のBay毎にNo1〜No5のBayユニットを備えており、図8のNo2のBayユニットのA−A′断面が図7のガス絶縁開閉装置の構成図に対応している。
この実施例においては、No2のBayユニットとNo4のBayユニットは同一の構成を有し、三位置形断路・接地開閉器711,713,716,731,734,737は同一の機能,構成を備えている。また、三位置形断路・接地開閉器712,715,
718,733,736,739も同一の機能,構成を備えている。
更に、No3のBayユニットとNo5のBayユニットは同一の構成を有し、三位置形断路・接地開閉器722,724,726,742,744,746は同一の機能,構成を備えている。また、三位置形断路・接地開閉器721,723,725,741,
743,745も同一の機能,構成を備えており、同一の三位置形断路・接地開閉器を用いることで使用する部品数を少なくしながら、コンパクトにすることを実現している。
そして、図7の実施例では、ガス遮断器103と第3の三相一括形の母線導体208の一相導体の間に、前述で示したものと同様の構成の第1の三位置形断路・接地開閉器700を設け、ガス遮断器103と第1の三相一括形の母線導体206の一相導体との間にも、同様の構成の第2の三位置形断路・接地開閉器711を設け、かつケーブルヘッド107と第3の三相一括形の母線導体208の一相導体の間にも、同様の構成を有する第3の三位置形断路・接地開閉器712を設けたものであり、これら三位置形断路・接地開閉器は三相分の三位置形断路・接地開閉器を1ユニットとして構成し、母線導体が曲がる箇所で縦配置及び横配置ユニットとして用いている。
また、第2の三相一括形の母線導体207は、No2のBayユニットを通過して他のBayユニットと他のBayユニットを接続しており、このNo2のBayユニットには接続されていない。
この実施例によれば、第1〜第3の三位置形断路・接地開閉器のそれぞれの操作器150に操作指令を与えることにより、それぞれの機器を断路器「切」接地開閉器「入」,断路器「切」接地開閉器「切」、そして断路器「入」接地開閉器「切」の3つの状態に保つことが可能になる。
これにより、例えばケーブルヘッド107を通電しない場合(使用しない場合)に、第3の三位置形断路・接地開閉器712の部分で断路器を「切」、接地開閉器を「切」として、それ以外の第1,第2の三位置形断路・接地開閉器の断路器を「入」とすることでケーブルヘッドの経路部分のみを休止状態にし、遮断器103および第1,第3の母線導体
206,208を通電状態にすることが可能になる。
また、別な実施例として遮断器103を「切」とし、第2の三位置形断路・接地開閉器711の断路器を「切」とし、接地開閉器を「入」とし、かつ、第1の三位置形断路・接地開閉器700の断路器を「切」とし、接地開閉器を「入」とすることで遮断器103の両端の母線導体部分を接地状態にすることが可能になり、遮断器103の点検を容易に行えるようになる。
図9は1−1/2母線方式に用いられるガス絶縁開閉装置の構成図であり、図10は図9の1−1/2母線方式に用いられるガス絶縁開閉装置の上面図を示している。この図
10が示すようにNo1のBay〜No6のBayユニットを備えており、そして、図
10のNo2のBayユニットのB−B′断面が図9のガス絶縁開閉装置の構成図に対応している。
この実施例においては、No2のBayユニットとNo5のBayユニットは同一の構成を有し、三位置形断路・接地開閉器751,753,757,771,774,777は同一の機能,構成を備えている。また、三位置形断路・接地開閉器753,756,
759,773,776,779も同一の機能,構成を備えている。
更に、No3のBayユニットとNo6のBayユニットは同一の構成を有し、三位置形断路・接地開閉器761,763,765,781,782,785は同一の構成を有し、三位置形断路・接地開閉器762,764,766,782,784,786も同一の機能,構成を備えており、このように同一の三位置形断路・接地開閉器を用いることで使用する部品数を少なくしながら、コンパクトにすることを実現している。
図9の実施例は、ガス遮断器103と第3の三相一括形の母線導体212の一相導体の間に、前述で示したものと同様の構成の第1の三位置形断路・接地開閉器700を設け、ガス遮断器103と第1の三相一括形の母線導体210の一相導体の間にも、同様の構成の第2の三位置形断路・接地開閉器751を設け、かつケーブルヘッド107と第3の三相一括形の母線導体212の一相導体の間にも、同様の構成を有する第3の三位置形断路・接地開閉器752を設けたものであり、この実施例では三相分の三位置形断路・接地開閉器を1ユニットとして構成し、母線導体が曲がる箇所で縦配置及び横配置ユニットとして用いている。
また、第2の三相一括形の母線導体211及び第4の三相一括形の母線導体213は、No2のBayユニットを通過して他のBayユニットと他のBayユニットを接続しており、このNo2のBayユニットには接続されていない。そして、特に言及していな限り図7,図8と同一の符号のものは、同様の機能,構成を備えている。
また、前述の図7,図8の実施例と同様に例えばケーブルヘッド107を通電しない場合(使用しない場合)に、第3の三位置形断路・接地開閉器752の操作器150に指令を送り、第3の三位置形断路・接地開閉器752で断路器を「切」、接地開閉器を「切」として、それ以外の第1,第2の三位置形断路・接地開閉器の断路器を「入」とすることでケーブルヘッドの経路部分のみを休止状態にし、遮断器103および第1の三相一括形母線導体210と第3の三相一括形母線導体212を通電状態に保つことが可能になる。
また、別な例では遮断器103を「切」とし、第2の三位置形断路・接地開閉器751の断路器を「切」とし、接地開閉器を「入」として、かつ、第1の三位置形断路・接地開閉器700の断路器を「切」とし、接地開閉器を「入」とすることで遮断器103の両端の母線導体部分を接地状態にすることが可能になり、遮断器103の点検を容易に行えるようになる。
尚、上述の実施例では一つのBayユニットに複数の三位置形断路・接地開閉器ユニットを設けた例として、環状母線方式及び1−1/2母線方式のガス絶縁開閉装置を示したが、これ以外にも二重母線方式及び単母線方式のガス絶縁開閉装置においても、縦横の構成で三位置形断路・接地開閉器を三相ユニット単位で設けることが出来る。
図11,図12及び図13は、図5に示した操作器の機構をより詳細に示したものである。
この実施例では、三位置形断路・接地開閉器が三相分並行配置された構成を示している。第1の相の三位置形断路・接地開閉器の絶縁ロッド502に設けられたスプロケット
402と、第2の相の三位置形接地・断路開閉器の絶縁ロッドに設けられたスプロケット404とはチェーン182で連結され、それぞれが同方向に回転するようになっている。
また、第1の相の三位置形断路・接地開閉器のスプロケット402と、第3の相の三位置形断路・接地開閉器の絶縁ロッドに設けられたスプロケット406とはチェーン184で連結されている。そして、絶縁ロッド502に設けられたスプロケット402は操作器150に設けられた電気モータ550の主軸に連結されたスプロケット141とチェーン
186で連結されている。
そして、外部からの命令信号に応じて電気モータ(図示せず)が回転し、この回転トルクがチェーンによりスプロケット141からスプロケット402へと伝達されることにより、三相のそれぞれのスプロケット402,404,406は互いに同方向に回転するようになり、それぞれのスプロケット402,404,406に連結している絶縁ロッド
502,504,506が回転することで、それぞれの三位置形断路・接地開閉器のラック・ピニオンギアが動き、三相分の可動接触導体を上下方向に同期して動かすことを実現している。
また、上述したチェーン182,184,186の両側にはそれぞれターンバックル
480,482,484,486,488,490が入れられており、その詳細な構成例としてターンバックル480の構成を図13に示す。
このターンバックル480の本体内部には、両端より別々の回転方向を向いて切られたネジ山があり、このネジ山と噛合うネジ山を備えたボルトが設けられている。そして、ターンバックル480を回転、又は逆回転させることでボルトの位置間隔を広げ、また縮めることでチェーンを結ぶターンバックル480全体の幅を縮めたり広げたりすることを実現している。
本実施例によれば、チェーンの両側にそれぞれターンバックルを設けたことで、例えば前述の三位置形断路・接地開閉器700,701の可動接触導体の位置合わせのために、スプロケット402を固定してターンバックル480の全長を縮め、ターンバックル482の全長を広げ、又はターンバックル480の全長を広げ、ターンバックル482の全長を縮めスプロケット404の回転位置を合わせることで互いの可動接触導体の位置合せが可能となる。
同様にしてチェーン184のターンバックル484,486、チェーン186のターンバックル488,490の全長を調整することでスプロケット141,402,404,406の回転位置を合わせることが容易に行えるようになり、これにより三相分の三位置形断路・接地開閉器の可動接触導体の位置を調整することを実現し、断路・接地開閉の
「切」「入」をそれぞれ同期して操作することを可能にしている。
また、本実施例の操作器の機構によれば、電動機に連結されたスプロケット141の径の大きさと、三位置形断路・接地開閉器のスプロケット402,404,406の径の大きさを調整することで、チェーン182,184,186を一回転させずに三相のそれぞれの三位置形断路・接地開閉器の可動接触導体を必要な上下方向に可動させると共に、可動接触導体を上下方向に可動させてもターンバックル480,482,484,486,488,490をそれぞれのチェーン両端のスプロケットに干渉しない位置に配置することが可能になり、このターンバックルでチェーン全長の調整を行うことを実現している。
以上のように、本発明によれば、一つの可動接触導体で断路器と接地開閉機能を有するガス絶縁開閉装置を構成し、電動機により可動接触導体を直線運動させることで、機械的なインターロック機能を有するガス絶縁開閉装置を実現でき、しかも、三相分の三位置形断路・接地開閉器の可動接触導体をラック・ピニオン機構で動かす際に、スプロケットをチェーン駆動で回転させることで三相分の三位置形断路・接地開閉器の開閉機構を容易に同期して可動させることが実現できる。
本発明のガス絶縁開閉装置の一実施例を示す全体構成図である。 図1における断路器部分の断面図であり、断路器が「切」の状態を示す図である。 図2に相当し、断路器が「入」の状態を示す図である。 図2に相当し、断路器が「接地」の状態を示す図である。 本発明に適用された三位置形断路・接地開閉器が三相分平行配置されている状態を示す平面図である。 本発明を三相一括型のガス絶縁開閉装置に適用した際の断路器部分を示す断面図である。 本発明の他の実施例を示し、環状母線方式に適用した際のガス絶縁開閉装置を示す全体構成図である。 図7の平面図である。 本発明の更に他の実施例を示し、1−1/2母線方式に適用した際のガス絶縁開閉装置を示す全体構成図である。 図9の平面図である。 本発明のガス絶縁開閉装置に適用される三位置形断路・接地開閉器の操作機構部を示す側面図である。 図11の平面図である。 図11に示した操作機構部を構成するチェーン機構を示す平面図である。
符号の説明
103 ガス遮断器
105 計器用変圧器
107 ケーブルヘッド
108 変流器
109 タンク
112 接地開閉器
114,116 固定側集電子
122,124 断路器
130 可動接触導体
132 接触部材
135 ラックギア
136 ピニオンギア
140,182,184,186 チェーン
141,402,404,406 スプロケット
150 操作器
162 絶縁スペーサ
201,202 主母線
203 第二の母線導体
204 第一の母線導体
480,482,484,486,488,490 ターンバックル
502,504,506 絶縁ロッド
550 電気モータ
700,701,702,711,712,713,715,716,718,721,722,723,724,725,726,731,733,734,736,737,739,741,742,743,744,745,746,751,752,753,756,757,759,761,762,763,764,765,766,771,773,774,776,777,779,781,782,784,785,786 三位置形断路・接地開閉器

Claims (3)

  1. 各相毎に接地された金属容器内に納められた複数の母線導体と、該複数の母線導体はそれぞれ断路器を構成する第1の固定側集電子と、該固定側集電子に一端が接触する可動接触導体と、該可動接触導体の他端と通電可能で接地開閉器を構成する第2の固定側集電子と、前記可動接触導体を駆動するギア機構と、該ギア機構を駆動させるロッドと、各相のロッドに取り付けたスプロケットを連結するチェーンと、一相のロッドに取り付けたスプロケットと電動機に取り付けたスプロケットを連結するチェーンとを備え
    前記三相のロッドのうち、中央のロッドと電動機とをチェーンにて連結し、前記三相毎のそれぞれの可動接触導体が同一方向に駆動することを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  2. 請求項1に記載のガス絶縁開閉装置において、
    前記ギア機構として、ラック・ピニオンギアを備えたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  3. 請求項1に記載のガス絶縁開閉装置において、
    前記チェーンの両側にターンバックルを設けたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
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