JP4058283B2 - 振動検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転角速度の大きさに応じた出力電圧を発生する角速度センサの静止時出力電圧を判定するための振動検出装置に係り、特にデジタルカメラ,アナログカメラにおける手振れ補正に使用する振動検出回路の静止時出力を判定するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−218953号公報に記載された手振れ検出装置は、角速度センサ,HPF(ハイパスフィルタ),増幅回路,CPUからなり、レリーズボタンが半押しされると、角速度センサに電源供給し、アナログスイッチをオンすることで、増幅器に入力される振れ信号を強制的に(直流の)ゼロレベル信号に置き換え、その後、アナログスイッチをオフし、増幅回路の出力をA/D変換して角速度ゼロ検出を行うものであり、そして、増幅回路の出力が角速度ゼロ検出値になると、CPUがアナログスイッチを、一旦オンしてオフセット値を低減した後、アナログスイッチをオフにして、以後は継続して角速度ゼロ検出を行って角速度ゼロ検出値を算出し、A/D変換出力から角速度ゼロ検出値を引いて、真の角速度すなわち手振れ量を求める構成のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特開平7−218953号公報に記載された発明は、アナログスイッチをオンすることで、増幅器に入力される振れ信号を強制的に(直流の)ゼロレベル信号に置き換えるようにしているが、このアナログスイッチとゼロレベル信号系のインピーダンスに比べ、増幅器前段の信号系もインピーダンスが低く、振動検出信号が重畳したゼロレベル信号となり、正確な角速度ゼロ検出を行えないという不都合がある。
【0004】
また、HPF後段の直流レベルを強制的にゼロレベルに設定するため、アナログスイッチのオフ後、しばらくの間は、HPFを構成するコンデンサの充放電動作となり、振れ検出が行えない構成になっている。
【0005】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、正確な角速度ゼロ検出が行え、スイッチ切り換え後のデッドタイムをなくした振動検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、振動を検出し振動検出信号を出力する振動検出部と、この振動検出部に供給される基準電圧を発生する基準電圧発生部と、振動検出信号の静止時出力がドリフトする影響を除去するために振動検出信号の直流成分を阻止するハイパスフィルタ部と、このハイパスフィルタ部を通過した振動検出信号と基準電圧とを差動増幅することにより振動信号を出力する差動増幅部と、振動信号を検知するための振動検知部とからなる振動検出装置において、前記ハイパスフィルタ部を、前記振動検出信号が入力されて前記作動増幅部の一方の入力端子に出力するコンデンサと、該一方の入力端子と前記基準電圧に接続される抵抗とで構成し、前記コンデンサの前もしくは後に振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部を備え、切断した状態において前記振動検出部に振動がない場合の静止時出力を検知するようにしたことを特徴とし、この構成によって、振動検出部に振動がない状態の静止時出力が振動検知部で正確に、簡単な回路構成で検知できることになる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1項記載の振動検出装置において、ハイパスフィルタ部を構成する抵抗の前段、およびハイパスフィルタ部を構成するコンデンサの後段にスイッチ部を備えたことを特徴とし、この構成によって、ハイパスフィルタ部を構成するフィルタコンデンサを充放電しないため、短時間に静止時出力を検知できる。
【0008】
請求項3記載の発明は、振動を検出し振動検出信号を出力する振動検出部と、この振動検出部に供給される基準電圧を発生する基準電圧発生部と、振動検出信号の静止時出力がドリフトする影響を除去するために振動検出信号の直流成分を阻止する第1ハイパスフィルタ部と、第1ハイパスフィルタ部を通過した振動検出信号と基準電圧とを差動増幅することで振動信号を出力する第1差動増幅部と、振動信号の直流成分を阻止する第2ハイパスフィルタ部と、この第2ハイパスフィルタ部を通過した振動信号と基準電圧とを差動増幅することにより第2振動信号を出力する第2差動増幅部と、第2振動信号を検知するための振動検知部とからなる振動検出装置において、前記第1ハイパスフィルタ部を、前記振動検出信号が入力されて前記第1作動増幅部の一方の入力端子に出力するコンデンサと、該一方の入力端子と前記基準電圧に接続される抵抗とで構成し、前記第2ハイパスフィルタ部を、前記第1作動増幅部の出力信号が入力されて前記第2作動増幅部の一方の入力端子に出力するコンデンサと、該一方の入力端子と前記基準電圧に接続される抵抗とで構成し、前記第2ハイパスフィルタ部を構成するコンデンサの後段で振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部を備え、切断した状態において振動検出部に振動がない場合の静止時出力を検知するようにしたことを特徴とし、この構成によって、振動検出部に振動がない状態の静止時出力が振動検知部で正確に、簡単な回路構成で検知できることになる。さらにハイパスフィルタを構成するフィルタコンデンサを充放電しないため、短時間に静止時出力を検知でき、また交流2段増幅回路の構成としたため、差動増幅器のオフセット電圧に伴う出力ドリフトをキャンセルできる。オフセット調整回路を削除できるため、オフセット調整回路の電源電圧変動あるいは温度変動による第2振動信号の出力変動をなくすことができる。しかも、調整に伴う時間あるいは工数を削除することができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3項記載の振動検出装置において、第2ハイパスフィルタを構成するコンデンサの前段、あるいは後段において振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部と、第1ハイパスフィルタ部および第2ハイパスフィルタ部の時定数を可変制御する起動回路部を備えたことを特徴とし、この構成によって、通常に常備される起動回路部を流用することで、振動検出部に振動がない状態の静止時出力が振動検知部で正確に、短時間に簡単な回路構成で検知できる。また交流2段増幅回路の構成としたため、差動増幅器のオフセット電圧に伴う出力ドリフトをキャンセルできる。さらに、オフセット調整回路を削除できるため、オフセット調整回路の電源電圧変動あるいは温度変動による第2振動信号の出力変動をなくすことができる。また調整に伴う時間や工数を削除することができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3項記載の振動検出装置において、基準電圧を振動検出部に振動がない場合の静止時出力とすることを特徴とし、この構成によって、振動検出部に振動がない状態の静止時出力を基準電圧とすることで、別途スイッチ部を設けることなく、簡単な回路構成で静止時出力を検知できることになり、またハイパスフィルタを構成するフィルタコンデンサの充放電に依存しないため、短時間に静止時出力を検知できる。また、交流2段増幅回路の構成としたため、差動増幅器のオフセット電圧に伴う出力ドリフトをキャンセルできる。オフセット調整回路を削除できるため、オフセット調整回路の電源電圧変動あるいは温度変動による第2振動信号の出力変動をなくすことができる。また調整に伴う時間あるいは工数を削除することができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4項記載の振動検出装置において、スイッチ部の開閉を制御する制御部を備えたことを特徴とし、この構成によって、スイッチ部の開閉を制御する制御部を設けることで、任意の時点で振動検出部に振動がない状態の静止時出力が振動検知部で検知できるようになり、基準電圧あるいは差動増幅器のオフセット電圧の電源電圧変動,温度変動,経年変化などに起因する静止時出力の変動を補償できるようになり、常に正確な静止時出力を検知できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る手振れ補正機能付き撮影装置の実施形態を説明するための外観斜視図であって、撮影装置1において、2は撮像レンズ、3は撮像光学系、4はレリーズスイッチであり、図1に示すようにXY軸をとった場合、レリーズスイッチ4の押下などに伴い、X軸回り振れと、それに直交するY軸回り振れが発生する。
【0013】
図2は撮影装置における基本的な振れ補正方法を実現するための構成の要部を示す説明図であって、5,6は振動角速度センサなどの振動検出部であり、一方の振動検出部5は撮影装置のX軸回りの振れを検出し、他方の振動検出部6は撮影装置のY軸回りの振れを検出する。8は振動検出部5,6からの振動検出信号の直流成分を阻止するハイパスフィルタ部、9は振動検出信号を増幅する差動増幅部、14はCCDなどの撮像素子7を含む撮像手段、15は位置規制用の与圧ばねを示す。
【0014】
差動増幅部9の出力である振動信号はAD変換器などの後述する振動検知部を有する演算処理手段10に送られる。演算処理手段10は出力インターフェイス,入力インターフェイス,メモリ,CPU(中央演算処理ユニット)などにより構成され、差動増幅部9からの出力に応じて、XY振れ量を検知し、手振れ補正量を算出する。この算出された手振れ補正量に対応した信号が補正駆動手段11に送られ、それにより補正駆動手段11を通じた振れ補正手段12,13が駆動され、撮像素子7を手振れを軽減させる方向へ変位させる。振れ補正手段12はX軸廻り方向の振れを補正する方向へ駆動、また振れ補正手段13はY軸廻り方向の振れを補正する方向へ駆動される。この一連の手振れ補正動作は露光中に繰り返し行われ、手振れ状態で露光されても手振れのない画像が撮像手段14から得られる。
【0015】
なお、AD変換器などの振動検出部5,6は、演算処理手段10に含まれるようにしても、また別途外部に設けてもその効果は同じである。また、振動検出部5,6と、ハイパスフィルタ部8と、差動増幅部9と、振動検知部を含む演算処理手段10とから本発明における振動検出装置を構成する。
【0016】
図3は振動検出系の具体的な回路構成を示す第1実施形態の回路図であって、X軸回りとY軸回りの振れを検出する回路構成は同一になるため、図3以降の説明においては一方のX軸廻りの振動検出のみについて説明する。
【0017】
第1実施形態の振動検出系は、X軸廻りの振れを検出する振動検出部5、振動検出部5の出力である振動検出信号に含まれるドリフト成分を除去するハイパスフィルタ部8X、振動検出信号と基準電圧Vrefを差動増幅する差動増幅部9X、差動増幅部9Xの出力である振動信号を検知するAD変換器などの振動検知部20を有する演算処理手段10、振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部SWAおよびSWBから構成される。
【0018】
なお、図3では基準電圧発生部(Vref)を振動検出部5に内蔵したものとしたが、外部に別途設けてもその効果作用は同じあり、振動検出部5のVoutは振動検出信号の出力端子、Vrefは振動検出部5に供給される電源電圧の約1/2の電圧を発生し、差動増幅用の基準電圧を出力する端子であり、また、ハイパスフィルタ8XはコンデンサC10および抵抗R10から構成される公知の回路である。
【0019】
差動増幅部9Xは、差動増幅器OP10,ゲイン設定抵抗R11,帰還抵抗R12,抵抗R12と共にローパスフィルタを構成するフィルタコンデンサC11から構成され、その増幅率は抵抗R11とR12の抵抗値より(1+R12/R11)で表される。手振れに伴う振動検出信号は、通常、1mVpp程度の出力電圧であり、振動検知部の感動範囲を3.3Vop、入力ダイナミックレンジの余裕を6倍取るとすれば、差動増幅部9Xの増幅率は約275となる。ここで、電源Vccとグランド間に接続された可変抵抗器VR10と抵抗R13とで公知のオフセット調整回路を構成し、差動増幅器OP10の+/−入力端子間に存在するオフセット電圧を補正するものである。オフセット電圧が4mVの差動増幅器OP10を使用した場合、このオフセット電圧が増幅率倍されたものが基準電圧との差分として差動増幅器OP10から出力される。すなわち、3.3/2±0.004×275=1.65±1.1Vとなり、振動検出部5に振動がない場合の静止時出力が0.55V〜2.75Vの間を変動することになる。
【0020】
オフセット調整回路は前記オフセット電圧を補正し、前記静止時出力を略1.65Vに設定するものである。図3に示す例では、オフセット調整回路を可変抵抗器VR10と抵抗R13とで構成したが、演算処理手段10などに制御されたDA変換器あるいはデジタルポテンショメータなどでオフセット調整を行っても良い。
【0021】
差動増幅器OP10の増幅率が低い場合、あるいは振動検知部のダイナミックレンジが広い場合はオフセット調整は不用であり、オフセット調整を行うことは本発明の範疇外である。なお、図3に示す例ではスイッチ部SWAおよびSWBをコンデンサC10の前後2箇所に設けたが、その位置を例示するためであり、そのどちらか一方を設置すればよい。
【0022】
図3に示す例では、スイッチ部をジャンパ端子あるいは回路基板パターンなどとしたが、ジャンパ線あるいは機械接点でもよく、特に限定したものではない。これらスイッチを工場における初期調整時に、振動検出信号の伝達を切断した状態でオフセット調整を行い、振動検知部20で振動検出部5に振動がない状態の静止時出力を検知し、図示しない記憶部に検知電圧を記憶する。この切断した状態で検知することで、工場などにおいて存在する振動要因を排除した静止時出力を検知することができる。工場出荷時このスイッチ部を接続し、実使用時は検知された振動信号と記憶された静止時出力電圧の差分を取ることにより、手振れの実振れ量を算出できることになる。
【0023】
図4は振動検出系の具体的な回路構成を示す第2実施形態の回路図であり、スイッチ部SWAおよびSWBをアナログスイッチなどで構成し、その開閉制御を演算処理手段10に含まれる制御部21で行う回路構成になっている。なお、以下の説明において、図3にて説明した部材と同一部材には同一符号を用いて示し、その説明も省略する。
【0024】
図4において、スイッチ部SWAおよびSWBをコンデンサC10の前後2箇所に設けたが、これは、スイッチ部の設置位置を例示するためであり、そのどちらか一方を設置すればよい。またスイッチ部SWAおよびSWBをアナログスイッチなどで構成するものとしたが、リレーなどの機械接点でもよく、特に限定されない。
【0025】
これらスイッチを手振れ補正動作の初期時および/または補正動作中に、振動検出信号の伝達を切断した状態で、振動検知部20で振動検出部5に振動がない状態の静止時出力を検知し、図示しない記憶部に検知電圧を記憶する。この切断した状態で検知することにより、カメラ本体などに印加される振動要因を排除した静止時出力を検知することができる。振動検出時はこのスイッチ部を接続し、検知された振動信号と記憶された静止時出力電圧の差分を取ることにより、手振れの実振れ量を算出できることになる。手振れ補正動作中に、このスイッチ切断と静止時出力の検知、および静止時出力電圧の更新記憶を定期的に行うようにすれば、差動増幅器OP10が有するオフセット電圧の温度変動などを除外できることになり、安価な差動増幅器を使用しても正確な手振れ量を検出できることになる。
【0026】
図5は振動検出系の具体的な回路構成を示す第3実施形態の回路図であり、図3および図4で示したハイパスフィルタ8Xと差動増幅部9Xとを2段直列接続した回路構成を示し、第1ハイパスフィルタ8X1はコンデンサC10および抵抗R10から、また第2ハイパスフィルタ8X2はコンデンサC20および抵抗R20から構成される公知の回路である。第1差動増幅部9X1は、差動増幅器OP10,ゲイン設定抵抗R11,帰還抵抗R12,この抵抗R12と共にローパスフィルタを構成するフィルタコンデンサC11から構成され、同様に第2差動増幅部9X2は、差動増幅器OP20,ゲイン設定抵抗R21,帰還抵抗R22,この抵抗R22と共にローパスフィルタを構成するフィルタコンデンサC21から構成される。スイッチSW1およびSW2は演算処理手段10に含まれる制御部により開閉制御され、それらにより起動回路部を構成する。スイッチSW1およびSW2は、図5に示す回路に電源投入された一瞬に閉成し、ハイパスフィルタ回路8Xを急速充電することにより、ハイパスフィルタ回路が有する長時定数に伴う起動遅延を補償するものである。スイッチ部SWAは図4におけるスイッチ部SWAおよびSWBと同一の構成機能である。
【0027】
図5において、第1差動増幅部9X1の増幅率≫第2差動増幅部9X2の増幅率に設定され、例えば前記の総増幅率275の場合、第1差動増幅部9X1の増幅率=55,第2差動増幅部9X2の増幅率=5に設定される。この場合、差動増幅器OP10の前記オフセット電圧4mVが増幅率倍(55倍)されたものが基準電圧との差分として差動増幅器OP10から出力される。すなわち、3.3/2±0.004×55=1.65±0.22Vとなり、振動検出部5に振動がない場合の静止時出力が1.43V〜1.87Vの間を変動することになる。
【0028】
この静止時出力変動1.43V〜1.87Vに手振れに伴う第1振動信号が重畳されるが、通常の手振れに伴う振動検出信号を1mVppとすれば、第1振動信号は、その55倍すなわち55mVppとなり、かなりの余裕を見込んでも差動増幅器OP10の出力を飽和させるものではなく、この静止時出力変動は次段の第2ハイパスフィルタ8X2で直流成分をカットされることから、図4に示すオフセット調整回路は図5の第1差動増幅部9X1からは削除することができることになる。
【0029】
同様に、第2差動増幅部9X2では、前記オフセット電圧4mVが増幅率倍(5倍)されたものが基準電圧との差分として差動増幅器OP20から出力される。すなわち、3.3/2±0.004×5=1.65±0.02Vとなり、振動検出部5に振動がない場合の静止時出力が1.63V〜1.67Vの間を変動することになる。この静止時出力変動1.63V〜1.67Vは手振れに伴う第2振動信号が275mVppであり、前記と同様、差動増幅器OP20の出力を飽和させるものではないことから、やはり第2差動増幅部9X2からもオフセット調整回路が削除できることになる。スイッチ部SWAを使用した、振動検知部20で振動検出部5に振動がない状態の静止時出力を検知する手法は図4に示す例と同じである。
【0030】
なお、図5に示すスイッチ部SWAは、図4に示したアナログスイッチ構成と同様の記載としたが、図3に示した例におけるスイッチ部の構成と同じにしてもよい。
【0031】
図6は振動検出系の具体的な回路構成を示す第4実施形態の回路図であり、この第4実施形態では図5に示したスイッチ部SWAを削除し、前記基準電圧を演算処理手段10に含まれるAD変換器などの振動検知部20で検知する回路構成を示し、図6に示す例では基準電圧を、振動検知部で振動検出部5に振動がない状態の静止時出力として取り扱う。すなわち、検知された基準電圧と第2振動信号との差分で手振れ補正動作を行うものである。これは前述したように、第2振動信号に含まれるオフセット電圧が20mVであり、第2振動信号の手振れ成分が275mVppであることから、第2振動信号に含まれるオフセット電圧が無視できるレベルであるからである。
【0032】
なお、振動検知部20の前段に切り換えスイッチ部を設け、第2振動信号と前記基準電圧を時分割切り換えて読み取り検知すれば、AD変換器などを節約する構成にすることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、振動検出部に振動がない状態の静止時出力が振動検知部で正確に、簡単な回路構成で検知することができる振動検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための撮影装置の外観斜視図
【図2】撮影装置における基本的な振れ補正方法を実現するための構成の要部を示す説明図
【図3】振動検出系の具体的な回路構成を示す本発明の第1実施形態の回路図
【図4】振動検出系の具体的な回路構成を示す本発明の第2実施形態の回路図
【図5】振動検出系の具体的な回路構成を示す本発明の第3実施形態の回路図
【図6】振動検出系の具体的な回路構成を示す本発明の第4実施形態の回路図
【符号の説明】
5 振動検出部(X軸回り)
6 振動検出部(Y軸回り)
7 撮像素子
8 ハイパスフィルタ部
9 差動増幅部
10 演算処理手段
11 補正駆動手段
12 振れ補正手段(X軸回り)
13 振れ補正手段(Y軸回り)
14 撮像手段
20 振動検知部
21 制御部
SWA,SWB スイッチ部
Claims (6)
- 振動を検出し振動検出信号を出力する振動検出部と、この振動検出部に供給される基準電圧を発生する基準電圧発生部と、振動検出信号の静止時出力がドリフトする影響を除去するために振動検出信号の直流成分を阻止するハイパスフィルタ部と、このハイパスフィルタ部を通過した振動検出信号と基準電圧とを差動増幅することにより振動信号を出力する差動増幅部と、振動信号を検知するための振動検知部とからなる振動検出装置において、
前記ハイパスフィルタ部を、前記振動検出信号が入力されて前記作動増幅部の一方の入力端子に出力するコンデンサと、該一方の入力端子と前記基準電圧に接続される抵抗とで構成し、
前記コンデンサの前もしくは後に振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部を備え、切断した状態において前記振動検出部に振動がない場合の静止時出力を検知するようにしたことを特徴とする振動検出装置。 - 前記ハイパスフィルタ部を構成する抵抗の前段、および前記ハイパスフィルタ部を構成する前記コンデンサの後段に前記スイッチ部を備えたことを特徴とする請求項1項記載の振動検出装置。
- 振動を検出し振動検出信号を出力する振動検出部と、この振動検出部に供給される基準電圧を発生する基準電圧発生部と、振動検出信号の静止時出力がドリフトする影響を除去するために振動検出信号の直流成分を阻止する第1ハイパスフィルタ部と、第1ハイパスフィルタ部を通過した振動検出信号と基準電圧とを差動増幅することで振動信号を出力する第1差動増幅部と、振動信号の直流成分を阻止する第2ハイパスフィルタ部と、この第2ハイパスフィルタ部を通過した振動信号と基準電圧とを差動増幅することにより第2振動信号を出力する第2差動増幅部と、第2振動信号を検知するための振動検知部とからなる振動検出装置において、
前記第1ハイパスフィルタ部を、前記振動検出信号が入力されて前記第1作動増幅部の一方の入力端子に出力するコンデンサと、該一方の入力端子と前記基準電圧に接続される抵抗とで構成し、
前記第2ハイパスフィルタ部を、前記第1作動増幅部の出力信号が入力されて前記第2作動増幅部の一方の入力端子に出力するコンデンサと、該一方の入力端子と前記基準電圧に接続される抵抗とで構成し、
前記第2ハイパスフィルタ部を構成するコンデンサの後段で振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部を備え、切断した状態において振動検出部に振動がない場合の静止時出力を検知するようにしたことを特徴とする振動検出装置。 - 前記第2ハイパスフィルタ部を構成する前記コンデンサの前段、あるいは後段において振動検出信号の伝達を切断するスイッチ部と、前記第1ハイパスフィルタ部および前記第2ハイパスフィルタ部の時定数を可変制御する起動回路部を備えたことを特徴とする請求項3項記載の振動検出装置。
- 前記基準電圧を振動検出部に振動がない場合の静止時出力とすることを特徴とする請求項3項記載の振動検出装置。
- 前記スイッチ部の開閉を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜4項記載の振動検出装置。
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