JP4057830B2 - 可動式ペーパーガイド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像色の異なる複数の画像形成手段を記録材の搬送方向に沿って複数並列に配置してなるタンデム型のカラー画像形成装置に係り、特に、白黒画像を形成する単色画像形成モードと、カラー画像を形成する多色画像形成モードと、を有するタンデム型のカラー画像形成装置に設けられる可動式ペーパーガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の色、一般的には、K:ブラック、M:マゼンタ、C:シアン、Y:イエローの4色の画像に対応する静電潜像が形成される像担持体を有する4つの各画像形成ステーション(画像形成ユニット、画像形成手段)を、記録材の搬送方向に沿って並列配置することにより、画像出力の高速化を図るようにしたタンデム型のカラー画像形成装置が知られている。
【0003】
このタンデム型のカラー画像形成装置においては、単色(通常はブラック:K)画像形成時には、他の色の画像形成ステーションを使用する必要がないため、通常、単色以外の画像形成ステーションでは、像担持体の回転を停止させるようにしている。
【0004】
このように、不要な像担持体の回転を停止させる場合には、該像担持体が記録材や中間転写媒体等と過剰に接触しなくなるため、摩擦等により像担持体が劣化するのを効果的に防止することができ、かつ、ランニングコストの低減化を図る上でも有利である。
【0005】
カラー画像形成装置においても、通常は、フルカラーあるいは単色カラーの画像形成に比べて、特に、白黒(モノクロ)画像形成の頻度が格段に高いため、K(ブラック)の画像形成ステーションを除いたC・M・Yの各画像形成ステーションについては、像担持体が、記録材や中間転写媒体と接触しないように構成されていることが多い。
【0006】
このような構成では、白黒画像形成とカラー画像形成の切り換え時には、回転させない像担持体を、転写用部材(転写担持体)である転写ベルトから離間させたり、当接させたりする操作が必要とされる。
【0007】
そこで、従来では、一般的に、記録材が転写ベルト上から排出された後に、像担持体の回転を開始すると共に、像担持体か、転写ベルトまたは転写ベルトを支持する転写搬送担持体の何れかを移動させることで当接を図ったり、転写ベルトまたは転写ベルトを支持する転写搬送担持体の何れかを移動させることで離間させた後に、像担持体を停止させるようにしている。
【0008】
しかしながら、このような離間・当接をおこなう動作には、ある程度の時間を要するため、結果として、カラー画像を含まないモノクロ単色ページとカラー画像を含む多色ページが混在する原稿を画像形成する場合には、比較的に長い時間を要するという問題があった。
【0009】
そこで、このような問題を解決するために、種々の提案がなされている。例えば、特開平11−133697号公報には、カラー画像を含むページ群とカラー画像を含まないモノクロページ群とに分けて画像形成する際に、画像形成するページの順序を適宜並べ換える並べ換え制御手段を設けたカラー画像形成装置が開示されている。
【0010】
このカラー画像形成装置では、上記転写搬送担持体の移動回数を減らすことができるので、ランニングコストの低減だけでなく、上記問題点すなわち全体としての画像形成時間の短縮化を図ることも可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例(特開平11−133697号公報)の場合、画像形成時間を短縮できるものの、画像形成装置そのものがコスト高になることやユーザーの利便性が低下するといった別の問題点が生じる。
【0012】
具体的には、上記並べ換え制御手段を設けているため、画像形成装置の制御系統が複雑になるなどの理由から、装置そのものの製造コストやメンテナンスコスト等が高くなってしまう。また、上記並べ換え制御手段を用いて画像形成された記録材は、そのページ順がバラバラになっているため、ユーザーは自分でページを揃えなければならないという煩雑さがあった。
【0013】
このような問題については、画像形成装置内に記録材を一時的に収容できる中間トレイ等を設けることによって、先に画像形成された記録材と後から画像形成された記録材との順序を入れ換え、所定の頂序に並べ換えることが可能となり、上記のような問題点は解消される。しかし、このような中間トレイを新たに設けると、画像形成装置の部材点数が増え、かつ、装置が大型化して、製造コストも高くなるという新たな問題が発生する。
【0014】
そこで、このような問題点に着目して、本発明者らは、カラー画像を含まないモノクロ単色ページとカラー画像を含む多色ページとが混在する原稿を画像形成する際に、像担持体の劣化の進行を抑制すると共に、画像形成後に得られる記録材のページ順を揃え直す必要がなく、画像形成速度の向上を図ることができ、かつ、カラー画像形成装置における転写担持体のカラー用画像形成手段への当接時間内で転写担持体と各画像形成手段の感光体の速度を変化させる方法を具備した多色画像形成装置を提案している。
【0015】
しかし、この場合、転写担持体を像担持体に対して離接させる際に、転写担持体の回動(傾動)動作を伴うために、その転写担持体上に搬入される記録材の搬入ポイント(給紙ポイント)がずれるという問題があり、そのために、記録材先端が浮き上がってジャムが発生しやすくなり、また、記録材と像担持体との相対位置精度の低下に起因して印字品位が低下する等の難点があった。
【0016】
なお、図示は省略するが、転写担持体の回動支点は、白黒の画像形成ステーションにおける転写ポイント(像担持体と転写担持体との接触点)の近傍位置に設定されるが、転写担持体への給紙ポイントは、通常、その転写ポイントからさらに上流側の転写担持体端部の位置に設定されるため、画像形成モードの切り換え時には、その給紙ポイントが上下に変位することから、上述のような給紙ポイントの位置ズレ現象が発生する。
【0017】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、画像形成モードの切換動作を速やかにおこなえるようにしたカラー画像形成装置において、画像形成モードを切り換えても、常に、記録材が転写担持体上の所定の給紙位置に搬入され、ジャムの発生や印字品位の低下が少ない可動式ペーパーガイドを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0019】
(1)記録材の搬送方向に沿って並列に配置される複数の画像形成手段と、前記各画像形成手段に設けられる像担持体に対して離間可能に当接し、搬入された記録材上に、前記像担持体上に形成された静電潜像を転写させる転写担持体と、制御手段と、を具備し、
単色画像形成モードから多色画像形成モードへの切り換え時に、前記制御手段が、単色画像の形成が終了した記録材が前記転写担持体上に存在する間に、前記転写担持体の前記各画像形成手段への接近動作を開始させると共に、
前記転写担持体が前記各画像形成手段に当接する多色画像形成モードへの切り換えが完了する時点までに、前記単色画像の形成が終了した記録材を画像形成領域から離脱させるために、前記転写担持体を高速で駆動させ、前記記録材を高速搬送するようにしたカラー画像形成装置において、
一端側を前記転写担持体側に固定され、他端側に形成した記録材取入口を上流側の給紙部に臨ませた用紙ガイド部材を設け、
前記用紙ガイド部材の一端側に形成される記録材排出口を、前記転写担持体上の所定位置に臨ませ、
前記用紙ガイド部材の一端側を、前記転写担持体を架橋支持する最上流側の支持ローラの支軸に回動自在に被嵌し、
画像形成モードの如何にかかわらず、記録材先端を、常に、前記転写担持体上の所定位置に搬入させるように構成したことを特徴とする。
【0020】
従来では、単色画像形成モードにおける記録材が転写担持体から離れた後(他色の画像形成ユニットの下を通過した後)に、転写担持体の像担持体への当接動作を行っていた。これは、少なくとも転写担持体上に記録材が残っている状態でモード切換をおこなうと、転写担持体上の記録材の画像への影響、具体的には画像にスジ等が発生することが懸念されるからである。
【0021】
この構成においては、記録材が前記転写担持体上に存在する間に、多色画像形成モードへの切り換えを開始し、単色画像の形成が終了した記録材を、転写担持体で高速搬送させ、多色画像形成モードへの切り換え完了時には、前記記録材を画像形成領域から離脱させているため、単色画像の形成が終了した記録材は、他の像担持体から何ら影響を受けることなく、多色画像形成モードへの切り換えを速やかに完了することができ、単色、多色混在の画像形成におけるトータルでの印字時間の短縮化を図ることができる。
【0022】
また、カラー画像形成装置では、通常、画像形成モードの切り換えに伴って転写担持体が像担持体に対して離接動作する際には、給紙ポイントとなる転写担持体の上流端の高さ位置が変化する。つまり、転写担持体の回動支点は、通常、単色画像形成モードにおける転写ポイントの近傍位置に設定されるが、給紙ポイントとなる転写担持体の上流端(転写担持体の最上流側を支持する支持ローラの位置)は、上述の転写担持体の回動支点から離間しているため、画像形成モードの切り換えに伴い、給紙ポイントの高さ位置が変化する。
【0023】
従って、このような回動動作を伴う転写担持体に対して、固定状態に設けたペーパーガイドでは、適切に対応することができず、何れかの画像形成モード(単色、多色の何れか)で、記録材先端が浮き上がってジャムが発生しやすくなり、また、記録材先端と像担持体との相対位置精度の低下に起因して印字品位が低下するような問題があった。
【0024】
この構成においては、記録材排出口を転写担持体上の所定位置に臨ませた可動式ペーパーガイドを用いることによって、画像形成モードの如何を問わず、記録材の転写担持体に対する先端突入位置(給紙ポイント)を固定し、記録材先端を、常に、転写担持体の一定位置に搬入するため、記録材の浮き上がりによるジャム(Z折れ等々)の発生や印字開始位置のズレによる印字品位の低下等の不具合を発生させないようにすることができる。
【0026】
また、用紙ガイド部材の一端側を、転写担持体を架橋支持する最上流側の支持ローラの支軸に保持させているため、転写担持体が像担持体に対して離接動作しても、用紙ガイド部材の一端側に設けた記録材排出口を、転写担持体上の所定位置に固定状態に保持することができる。つまり、画像形成モードの如何にかかわらず、転写担持体上の給紙ポイントを常に所定位置に固定することができる。
【0027】
(2)前記用紙ガイド部材は、上下一対のガイド板からなり、その両ガイド板間に、前記給紙部から給紙された記録材を導入させて前記転写担持体に搬入することを特徴とする。
【0028】
この構成においては、記録材の上下をガイド板でガイドすることで、画像形成モードの如何にかかわらず、また、記録材の厚みやコシの強さの如何にかかわらず、常に、転写担持体の所定位置に記録材先端を突入させることができる。
【0029】
(3)前記用紙ガイド部材によって前記転写担持体上に搬入される記録材先端の突入位置が、前記最上流側の支持ローラの支軸から垂直上方に向かう頂点位置と、その頂点位置から給紙側に少なくとも60°傾斜した手前位置と、の間の範囲に設定されることを特徴とする。
【0030】
記録材の先端が、転写担持体を架橋支持する最上流側の支持ローラーの支軸のレベルより下方の位置に突入すると、記録材の搬送は正常に行われなくなり搬送ジャムとなる。そこで、従来では、記録材先端の突入位置を、転写担持体の最上流側の支持ローラーの支軸よりも上方のレベルに設定していた。
【0031】
しかし、記録材先端が、最上流側の支持ローラーの支軸の近傍部位に突入すると、特に、薄紙等の場合には、記録材に大きな撓みが発生し、記録材の搬送が正常におこなわれないことがあり、また、記録材の腰が強い厚紙等の場合では、その剛性によって、転動する転写担持体と接触した時に負荷を増大させ、記録材の搬送が正常におこなわれなくなることがあった。
【0032】
この構成においては、記録材先端の突入位置を、前記最上流側の支持ローラの支軸から垂直上方に向かう頂点位置と、その頂点位置から給紙側に少なくとも60°傾斜した手前位置と、の間の範囲に設定したので、画像形成モードの如何にかかわらず、また、記録材の紙質の如何にかかわらず、記録材の先端を、常に、搬送しやすい転写担持体の所定位置に搬入することができ、記録材を正常に搬送することができる。
【0033】
(4)前記用紙ガイド部材の給紙部側の上下開口幅は、少なくとも前記画像形成モードの切り換えに伴って上下に変位する前記転写担持体の最上流側の変位幅よりも大に設定されることを特徴とする。
【0034】
この構成においては、用紙ガイド部材の給紙部側の上下開口幅を、転写担持体の最上流側の変位幅よりも大に設定したことで、画像形成モードの切り換えによって、転写担持体の上流側が変位しても、記録材を無理なく用紙ガイド部材内に導入して、転写担持体上の所定位置に搬入することができる。
【0035】
(5)前記用紙ガイド部材は、記録材との接触によって発生する静電気を除電可能な導電部材からなり、かつ、装置本体側に接続接地されることを特徴とする。
【0036】
この構成においては、用紙ガイド部材を導電部材で形成し、摩擦帯電によって記録材に発生した電荷を用紙ガイド部材から装置本体側に接地放電させることで、記録材上の不要電荷を除去することができ、ジャムの発生や印字品位の低下を未然に防止することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置の可動式ペーパーガイドについて図面を参照しつつ説明する。
【0038】
〔装置全体の構成と動作説明〕
可動式ペーパーガイドを具備した電子写真式カラー画像形成装置は、記録用紙等の記録材の搬送方向に沿って複数の画像形成ユニッ卜を並列配置してなるタンデム型の構成において、一つの画像形成ユニットのみで画像形成を行う単色画像形成モードと、複数の画像形成ユニットで画像形成を行う多色画像形成モードとが切り換え可能であり、記録材が転写担持体上に存在する間に、単色画像形成モードから多色画像形成モードへの切り換えを開始し、速やかに多色画像形成モードへの切り換えを完了できるように構成している。
【0039】
具体的には、図1に示すように、このカラー画像形成装置は、複写機本体1に、原稿台111に載置された原稿を押さえる両面自動原稿送り装置112、画像読取部110、画像形成部210等を備えている。両面自動原稿送り装置112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111において、画像読取部110に対向するように原稿を搬送し、この面の読取りが終了した後に原稿を反転させ、再度、他方の面を読取るように原稿を搬送する。そして、一枚の原稿について両面の画像を読取った後は、この原稿を排出し、次の原稿の両面を読取るための前記動作を繰り返す。
【0040】
画像読取部110は、原稿画像を読み取るために原稿台111の下方に配置され、第一走査ユニット113、第二走査ユニット114、結像レンズ115、光電変換素子116等よりなる。第一走査ユニット113は、原稿が載置される原稿台111に対向する位置に移動自在に支持されており、原稿台111を介して原稿に光を照射する不図示の光源と、原稿からの反射光を第二走査ユニット114へ導くミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の速度で平行に往復運動する。
【0041】
第二走査ユニット114は、2枚のミラーを有しており、第一走査ユニット113と同方向に一定の速度を保って平行に往復移動する。これらのミラーの一方は第一走査ユニット113のミラーに対向しており、他方は結像レンズ115に対向している。また、結像レンズ115は、第二走査ユニットのミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小させ、光変換素子116上に像を結像させる。
【0042】
光電変換素子116は、結像レンズ115を挟んで第二走査ユニット114と対向する位置に配置されており、前記結像された光像を光電変換して電気信号として出力する。なお、光電変換素子116により電気信号に変換された原稿画像情報は、不図示の画像処理部に転送されて画像データ処理がなされる。
【0043】
画像形成部210は、4つの画像形成ユニットPa〜Pd、給紙機構211、レジストローラ(PSローラ)212、転写搬送ベルト機構213、定着装置217、搬送ガイド218、排出ローラ219、排出トレイ220等々を備えており、4つの各画像形成ユニット(画像形成手段)Pa〜Pdは、感光体ドラム(像担持体)222a〜d、帯電器223a〜d、現像装置224a〜d、転写ローラからなる転写用放電器225a〜d、クリーニング装置226a〜d、レーザビームスキャナ部227a〜dを有する。
【0044】
現像装置224a〜dは、感光体ドラム222a〜d上に形成された静電潜像を現像し、転写用放電器225a〜dは、現像された感光体ドラム222a〜d上のトナー像を記録材Pに転写する。また、クリーニング装置226a〜dは、感光体ドラム222a〜d上に残留するトナーを除去する。これら帯電器223a〜d、現像装置224a〜d、転写用放電器225a〜d、クリーニング装置226a〜dは、感光体ドラム222a〜dの周りに配置される。なお、各感光体ドラム222a〜dは、図1のF方向に回転する。
【0045】
レーザビームスキャナ部227a〜dは、感光体ドラム222a〜dの上方に設けられ画像データに応じて変調されたドット光を発する不図示の半導体レーザ素子、該半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させるための偏向装置240、偏向装置240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜dの表面に結像させるためのレンズ241、ミラー242及び243等よりなる。
【0046】
レーザビームスキャナ部227aには、カラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が入力され、レーザビームスキャナ部227b、レーザビームスキャナ部227c、レーザビームスキャナ部227cには、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエローの各色成分像に対応する画素信号が入力される。これにより、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜d上に形成される。
【0047】
また、現像装置224aには黒色のトナーが、現像装置224bにはシアン色のトナーが、現像装置224cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置224にはイエロー色のトナーが収容されており、各感光体ドラム222a〜d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0048】
給紙機構211は、画像形成部210の下部位置に配置され、用紙トレイ内に積載収容されている記録材Pを一枚づつ分離供給する。レジストローラ212は、給紙機構211により分離供給された記録材Pの画像形成ユニットPaへの搬送タイミングを制御する。
【0049】
また、搬送転写ベルト機構213は、画像形成ユニットPa〜Pdの下方に配置され、駆動ローラ214、従動ローラ215、転写担持体としての転写搬送ベルト(中間転写ベルト)216等で構成され、供給された記録材Pを転写搬送ベルト216に静電吸着させ搬送する。転写搬送ベルト216は、駆動ローラ214によって、図1における矢印Zで示す方向に摩擦駆動させられる。
記録材吸着用の帯電器228は、転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、レジストローラ212から排出された記録材Pを転写搬送ベルト216に吸着させて、搬送時のベルトと記録材Pの位置ずれをなくす。除電器229には、各画像形成ユニットPa〜Pdで画像形成され排出された記録材Pを転写搬送ベルト216から分離させるための交流電流が印加される。
【0050】
定着装置217は、転写搬送機構213を挟んでレジストローラ212と相対し、記録材Pに転写形成された像を定着させる。この定着装置217の定着ローラ間におけるニップ部を通過した記録材Pは、搬送ガイド218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に設置されている排紙トレイ220上に排出される。
【0051】
上記構成のカラー画像形成装置においては、記録材Pとしてカットシート状の用紙が使用される。この記録材Pは、給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、記録材Pの先端部分が不図示のセンサにて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づきレジストローラ212により一旦停止する。
そして、記録材Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1のZ方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216は帯電器228により帯電しているので、記録材Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、転写搬送ベルト216に吸着されて安定して搬送される。
【0052】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送されている記録材Pに重ね合わされる。転写が完了すると、記録材Pは先端部分から順次、除電器229により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217に導かれた後、排出トレイ220上に排出される。
【0053】
上記構成において、光電変換素子116は、CCDライセンサであり、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力する。CCDライセンサは、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)G(緑)B(青)の各色成分に分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。なお、両面自動原稿送り装置116は、片面自動原稿送り装置でもよい。
【0054】
更に、レーザビームスキャナ部227a〜dの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる光学系(LEDヘッド)を用いて感光体への光書き込みもできる。LEDヘッドはレーザビームスキャナに比べ、サイズも小さく、可動部がなく無音であり、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式の電子写真カラー画像形成装置に好適である。
【0055】
〔画像形成装置全体の制御構成の説明〕
図2はカラー画像形成装置の装置各部を制御手段としての中央処理装置(CPU,図3の制御部に相当)44により動作管理している状態を示すブロック図である。
【0056】
中央処理装置44は、画像データ入力部(画像読取部に相当)40、画像処理部41、画像メモリ43、画像データ出力部(画像形成部に相当)42の画像データの処理、および、両面自動原稿送り装置112、画像読取部110、画像形成部210など画像形成装置を構成する各駆動機構部をシーケンス制御により管理すると共に、各部へ制御信号を出力する。すなわち、感光体ドラムの回転開始および回転停止の制御、転写搬送ベルト機構の離接切換え制御、転写搬送ベルト216の駆動速度制御、各画像形成モードごとの画像形成に関する制御を行う。
【0057】
さらに、中央処理装置44には、操作パネルからなる操作基板ユニット49が相互通信可能な状態で接続されており、操作パネルの操作に応じて操作者が設定入力した複写モード内容を示す制御信号を中央処理装置44に転送して、画像形成装置全体が設定されたモードに応じて動作するように制御する。その他、操作パネルからは画像形成装置の初期状態(デフォルト)の設定や、各画像形成モードに対する制御値の変更設定ができるようになっており、サービスマンが操作パネルより隠しコード等を入力することで設定変更作業が可能となるようになっている。
【0058】
したがって、使用者の要望により、カラー画像形成が頻繁に行われる場合にはデフォルトの画像形成モードを全ての画像形成ステーションを用いて画像形成を行なうカラー画像形成になるように設定し、単色の画像形成がほとんどでカラー画像形成があまり行なわれない場合には、単色の画像形成ステーションのみを用いて画像形成を行うモードになるように設定することができる。
【0059】
また、中央処理ユニット44からは画像形成装置の各種動作状態を示す制御信号を操作基板ユニット49へと転送して、操作基板ユニット49側ではこの制御信号により装置が現在どのような状態にあるのか操作者に示すように表示部などにより動作状態を表示するようになっている。
【0060】
〔一般的なモードの切り換えの説明〕
次に、本画像形成装置におけるモードの切り換えについて説明する。本画像形成装置においては、上述したように、一つの画像形成ユニットのみで画像形成を行う単色画像形成モードと、複数の画像形成ユニットで画像形成を行う多色画像形成モードとが切り換え可能となっており、その一般的なモードの切り換え操作は、以下のようにおこなわれる。
【0061】
すなわち、単色画像形成モードでは、ブラックの画像形成ユニットPaのみが転写搬送ベルト216と当接する。この単色画像形成モードから多色画像形成モードに切り換える際には、単色の画像形成が終了した後、例えば、転写搬送ベルト機構を移動させ、転写搬送ベルト216を4つの画像形成ユニットPa〜Pdに対して当接させる。
【0062】
一方、多色画像形成モードから単色画像形成モードへ切り換える際には、多色画像形成が終了した後に、転写搬送ベルト機構を移動させ、転写搬送ベルト216をブラックの画像形成ユニットPaのみに当接させ、シアン、マゼンタ、イエローの画像形成ユニットPb〜Pdとの当接を解除する。
【0063】
〔モード切り換えの具体的な制御〕
次いで、モード切り換えの具体的な制御について、図4〜図6を参照しつつ説明する。
単色画像形成モードから多色画像形成モードへの切換を行う場合、像担持体(感光体ドラム222a〜d)の駆動切換と転写搬送ベルト216の離接切換を行う必要がある。すなわち、その切換時における像担持体222a〜dと転写搬送ベルト216の摺動による相互の無駄な磨耗を避けるために、像担持体222a〜dを所定の回転速度まで回転させると共に、転写搬送ベルト216をも同方向に転動させた状態下で両者を当接させるようにする。
【0064】
ところで、従来では、単色画像形成モードにおける記録材Pが転写搬送ベルト216から離脱するのを待って(他のシアン、マゼンタ、イエローの画像形成ユニットPb〜Pdの下を通過した後)、前記の当接動作を行っていた。これは、モード切換を印字中、少なくとも転写搬送ベルト216上に記録材Pが残っている状態で行うと、転写搬送ベルト216上の記録材Pの画像への影響、具体的には画像にスジが発生することが懸念されるからである。
【0065】
しかし、その結果、単色画像形成モードでの画像形成の開始から多色画像形成モードへの切換を完了するまでには、黒色成分像の画像形成にかかる時間と、その後の画像形成を行わないシアン、マゼンタ、イエローの各色の画像形成部を記録材Pが通過して、転写搬送ベルト216上から記録材Pがなくなるのに要する時間と、そして前記の像担持体の回転と転写搬送ベルト機構の移動を含めた当接に要する時間と、の比較的に長い時間がトータルで必要とされるため、モード切換え時間の短縮化が求められていた。
【0066】
本実施形態では、このような従来の単色画像形成モード(モノクロ画像形成モード)と、多色画像形成モード(カラー画像形成モード)と、が切り換え可能となっているカラー画像形成装置における、上記モード切り換え時における切り換え完了までに要する時間の短縮化(印字プロセス速度の向上)を図るために、図4〜図6に示すように、対処している。
【0067】
すなわち、単色画像形成モードから多色画像形成モードへの切り換え時には、記録材Pが、モノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)を通過した後(モノクロモードの画像情報を記録材Pに転写した直後,図4(a)参照)、直ちに、転写搬送ベルト216の排出側を上昇させ始めると共に、転写搬送ベルト216の移動速度(記録材搬送速度)を高速度に切り換えて記録材Pを高速搬送し、記録材Pが順次シアン、マゼンタの各色の画像形成手段(感光体ドラム222b,c)の下を通過して(図5参照)、記録材Pの後端が最終段のイエローの画像形成手段(感光体ドラム222d)を通過し終えた時点で(図6参照)、全ての画像形成手段(感光体ドラム222a〜d)に転写搬送ベルト216を当接させ、多色画像形成モードへの切り換えを完了するのである。なお、本実施形態では、転写搬送ベルト216を含む転写担持体213は、一体的に構成され、その回動支点は、図示は省略するが、モノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)の転写ポイントまたはその近傍位置に設定される。
【0068】
〔モード切り換えのステップ〕
図7は、上記図4〜図6で示したモード切り換え時における各画像形成手段(222a〜d)と転写搬送ベルト216の対応関係を、判りやすく説明するための段階的な説明図である。
【0069】
ところで、モノクロ画像形成モードが終了し、次印字がカラー画像形成モードとなる時には、転写搬送ベルト216が、C、M、Yの各カラー画像形成手段及びモノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a〜d)に対して等しい圧接力で押圧された状態になっていなければならない。
【0070】
このようなモノクロ画像形成モードからカラー画像形成モードへの切り換えをおこなう場合、まず、モノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)でモノクロモードの画像情報を記録材Pに転写した直後における転写搬送ベルト216とカラー画像形成手段(感光体ドラム222b〜d)の相対的な対応位置関係を示すのが、図7(a)に示すステップAである(図4に対応)。
【0071】
次に、モノクロ画像形成手段の転写部で記録材Pの後端が転写されたことが検出されると、制御部44(図2,図3参照)は転写搬送ベルト216を移動(回動)させる駆動源に対し、転写搬送ベルト216の搬出側を上昇させるための指示を行う。この指示によって、転写搬送ベルト216は図示省略の回動支点を基に、図示時計回り方向へ回動し排出側が上昇する。
【0072】
そして、ステップBでは、モノクロ画像形成手段に隣接するC画像形成手段(感光体ドラム222b)が転写ローラ225bの位置で転写搬送ベルト216に接触し始める。この様にして、順次、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の画像形成手段(感光体ドラム222c,222d)と転写搬送ベルト216が接触し(ステップC参照)、ステップDでは、転写搬送ベルト216は、Kのモノクロ画像形成手段及びC、M、Yの各カラー画像形成手段(感光体ドラム222a〜222d)に対して等しい圧接力で押圧した状態となる。
【0073】
この様に、画像形成手段(感光体ドラム222b〜d)の転写搬送ベルト216に対する当接順序が決まっていて、更に転写搬送ベルト216の上昇時間が決められているにもかかわらず、従来のように、全ての画像形成手段が転写搬送ベルト216と当接するのを待ってから次印字工程をスタートさせると、印字速度が低下(印字開始のタイミング遅延)してしまう。
【0074】
そのため、本実施形態においては、記録材Pの後端がモノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)を通過後、それに隣接するC画像形成手段(感光体ドラム222b)が転写搬送ベルト216と当接するまでの間、転写搬送ベルト216の回転速度(記録材搬送速度)を高速回転することによって、次印字のスタート開始時間の短縮を図れるようにしている。
【0075】
制御部44は、単色画像形成モードから多色画像形成モードへの切り換えをおこなう際に、単色画像の形成が終了した記録材Pが転写搬送ベルト216上に存在する間に、多色画像形成モードへの切り換えを開始して(転写搬送ベルト216の下流側を上昇させ始めると共に、)記録材Pを転写担持体216上で高速搬送させ、多色画像形成モードへの切り換え完了(転写搬送ベルト216の上昇完了)時には、記録材Pを画像形成領域から離脱させるように制御する。
【0076】
〔モード切り換え時の問題点〕
図8に転写搬送ベルト216のモノクロ画像形成時の速度とモード切り換え時の速度、並びにカラー画像形成時の速度を図示する。図8(a)に示す従来の手法に比較し、本発明では、図8(b)に示すように、記録材Pがモノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)を通過した後、転写搬送ベルト216が隣接するC画像形成手段(感光体ドラム222b)に当接するまでの間に、記録材Pの高速搬送を行うことによって印字の高速化が図れることは明白である。
【0077】
この時の転写搬送ベルト216の高速化の下限は、転写搬送ベルト216がC画像形成手段(感光体ドラム222b)に当接するまでに、少なくとも記録材Pの後端がC画像形成手段(感光体ドラム222b)を通過できる速度に設定されなければならない。
【0078】
このような設定により、C画像形成手段(感光体ドラム222b)と転写搬送ベルト216が当接した時には記録材Pは、その当接部を通過し終わっているため、記録材Pの未定着画像が擦られることがなく、未定着現像剤の乱れが発生してC画像形成手段へ再転写されるような不具合現象の発生を防止することが出来る。
【0079】
更に、高速回転時における最も望ましい転写搬送ベルト216の速度は、複数のカラー画像形成手段の最終画像形成手段(感光体ドラム222d)の転写搬送ベルト216との当接位置、つまり、転写ローラ225dの直上位置を記録材Pの後端が通過するタイミングが、上記擦れ、再転写現象を完全に防止できる限度に設定されるべきである。
【0080】
モード切り換え時における転写搬送ベルト216のこのような高速回転を可能とするためには、以下の3つの問題点を解決しなければならない。
【0081】
(1)第1の問題点は、高速回転する転写搬送ベルト216と当接することによって、各画像形成手段の感光体222a〜dの表面に摩擦劣化が発生する点である。
この解決方法として、各画像形成手段の回転体(感光体、現像スリーブ、クリーニングローラ等々)の回転速度vを、前記高速回転する転写搬送ベルト216の搬送速度Vに対して、等速以上で1.2倍以下の速度(v=1〜1.2V)に設定する必要がある。
【0082】
各画像形成手段の回転体の回転速度vが等速以下(v≦1)であると、感光体ドラム(222a〜d)に比べ表面粗さの大きい転写搬送ベルト216が相対的に停止した状態に見える感光体ドラム(222a〜d)の表面を擦り疵を付けることとなる。
【0083】
このため、感光体ドラム(222a〜d)の回転速度vを、少なくとも転写搬送ベルト216の速度Vと同じ周速度とし、接触するであろう各画像形成手段の転写部でのお互いの線速度を等しくすることによって上記問題点を解決することができる。
【0084】
この点に関し、感光体ドラム(222a〜d)の周速度の調整だけでなく、その周辺に配置されて感光体ドラム(222a〜d)と同期して回転する部材、例えば現像スリーブ、クリーニングローラ等の回転速度をも同様に調整しなければならないのは言うまでもない。
【0085】
(2)第2の問題点は、除電電圧を高電圧とする必要がある点である。
転写搬送ベルト216には、通常印字工程で帯電(転写ローラに印加される転写電圧による)された帯電気を除電し、初期状態とする除電電圧印加部材が設けられている。
【0086】
除電電圧の設定は、上記転写電圧と転写搬送ベルト216が回転する時に擦れ合う駆動用ローラ、従動ローラ、転写搬送ベルトの汚れを除去するクリーニングブレード等の摩擦帯電電位を考慮して設定されている。
【0087】
この様な設定に対し、転写搬送ベルト216を高速回転させると前記摩擦帯電電位が上昇し、通常の除電電圧では転写搬送ベルト216を初期化することが困難となる。そのため、前記駆動ローラ等々との摩擦力が増大し、転写搬送ベルト216は、その配置位置において蛇行現象が発生する。
【0088】
また、初期化出来ない状態で次印字工程を迎えると、転写電圧が正常に記録材、感光体ドラム222a〜dに印加せず印字不良が発生する。そのため、高速回転中の転写搬送ベルト216には、通常に比べてより高い除電電圧の印加が必要となる。同様に高速回転される各画像形成手段の各感光体ドラム222a〜dについても同様の対応が必要となる。
【0089】
(3)第3の問題点は、高速回転する転写搬送ベルト216上を搬送される記録材Pの先端損傷の問題である。
前述したように、転写搬送ベルト216と各画像形成手段との当接に対する問題点の提起とその解決手法について述べたが、転写搬送ベルト216が高速回転を行うことにより、転写搬送ベルト216上にある記録材Pも高速搬送されることとなる。
【0090】
一方、画像形成装置は、通常、その大きさをコンパクトな設計とするため、通常、画像形成手段とその次に配置される転写機構の間(間隔)を、印字される記録材Pの最大長以上には設定されていない。
【0091】
従って、上述のような状態で転写搬送ベルト216を高速回転すると、印字終了した記録材Pの先端部が高速回転中に定着機構に突入するが、定着機構に突入した記録材Pの搬送速度が通常の回転速度で搬送されると、1枚の記録材Pで定着機構内を通過する速度が部分的に変わり、定着機構から受ける熱量に変化が生じ、定着性能の異なった印字がユーザに提供されかねない。すなわち、1枚の記録材Pのなかで定着性能の異なった部分が発生し、光沢性や定着性能の異なった印字状態の印字物が提供されることが懸念される。
【0092】
そこで、この様な問題点を解決するためには、図9に示すように、記録材Pの先端が定着機構に搬送されると、その後、記録材後端が定着機構を通過し終えるまで、一定速度(高速回転)を保持する必要がある。
【0093】
次いで、以上のような問題点を考慮した上での、単色画像形成モードと、複数の画像形成手段で画像形成を行う多色画像形成モードとを切り換えるモード切り換えを含む混在原稿の印字工程を、図10〜図12に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
〔モード切り換えを含む混在原稿の印字フロー〕
画像形成装置は、装置内の画像読取部(スキャナー部)110に載置された原稿と、ユーザが装置の操作部を用いて入力された印字条件、若しくは装置に接続されている複数の端末装置からの印字要求を受ける(STEP1)。
【0094】
この時、画像読取部110からの印字要求では操作部の印字要求内容によって、また端末装置からの印字要求では送信されてきた全ての画像情報、若しくは印字条件から印字するべき内容が、カラー原稿単独か、モノクロ原稿単独か、カラー/モノクロ混在原稿かを判定する(STEP2)。
【0095】
カラー原稿単独、または、モノクロ原稿単独と判定されると、装置は各色に合った印字処理を行う(STEP3〜STEP4)。STEP2においてモノクロ原稿と判定されると、装置は、1枚目の原稿の画像情報がカラー/モノクロの判定を行う(STEP5)。この時、モノクロ原稿であると判定されると、モノクロの印字処理工程を実行し(STEP6)、次印字の有無を確認する(STEP7)。
【0096】
次印字があって、その原稿がモノクロ原稿の時は、上記STEP6〜STEP7を繰り返すが、次原稿がカラー原稿であると判定されると(STEP8)、装置は、カラー原稿印字用に、装置の各部の配置、および印字条件をカラー印字用に変更する。すなわち、(本発明に関与する部分としては、)転写搬送ベルト216の移動(搬出側の上昇)が開始される。
【0097】
その転写搬送ベルト216の移動は、記録材Pの後端が、モノクロ画像形成手段の転写部225aを通過した後に行われなくてはいけない。そのため、記録材Pの位置を確認し、上記条件が揃ったことを確認した後に、転写搬送ベルト216の上昇を開始する(STEP9,STEP10)。この上昇中において、(本発明の主旨である)印字プロセスの高速化のために、転写搬送ベルト216の搬送速度を高速化する(STEP11)。
【0098】
この時、印字工程中に転写搬送ベルト216と当接する全ての感光体ドラム222a〜dの回転速度も高速化される(STEP12)。なお、既述のように、感光体ドラム222a〜dに接触している各回転体(例えば現像スリーブ、クリーニングローラ等々)の回転速度も同時に高速化される。
【0099】
さらに、STEP11、STEP12において高速化された状態下では、感光体ドラム222a〜dおよび転写搬送ベルト216の各除電部材への印加電圧が、通常の印字工程時の印加電圧よりも高い印加電圧となるようにする。
【0100】
その理由は、高速化によって、感光体ドラム222a〜d、転写搬送ベルト216、相互の接触する部材間での摩擦帯電量が大となり、例えば感光体ドラム222a〜dにおいては、現像剤の劣化、クリーニングローラへの現像剤の異常付着、摩擦帯電による感光層の残留電位上昇等の発生を未然に防止するためである。特に、転写搬送ベルト216は、所定の抵抗値を有するため、高速化することによってベルト内の残留電位の上昇が原因となって、転写搬送ベルト216の蛇行、電位上昇による次工程での転写電圧の印加不足による転写不良に起因する印字品位の低下が発生しやすくなるからである。
【0101】
この様に、カラー印字用に転写搬送ベルト216の上昇/高速回転、各画像形成手段の高速回転中に、装置においては、装置の給紙部から次印字用の記録材Pが装置内のPSローラ(アイドルローラ)212まで搬送され、印字スタートのタイミングまで待機した状態となる(STEP13)。
【0102】
この様にして、高速回転、上昇を続ける転写搬送ベルト216が、モノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)に隣接するカラー画像形成手段(感光体ドラム222b)に当接するか、転写搬送ベルト216上を搬送される記録材Pの後端が、転写ローラ225bの上を通過したことを確認すると(STEP14)、転写搬送ベルト216の搬送速度、並びに各画像形成手段(感光体ドラム222a〜d)の回転速度は、カラー画像形成用に低減される(STEP15)。
【0103】
速度を低下させる理由は、画像形成装置の感光体ドラム222a〜dと転写搬送ベルト216が当接した状態で高速回転を継続すると感光体ドラム222a〜dと転写搬送ベルト216が擦れ合い上記(1)の問題点が発生する。また、必要以上に高速回転を行っていると、次工程のカラー印字のスタートが遅れ印字速度の低下を招来することともなる。
【0104】
この様にしてカラー印字用の準備が整うと、最終確認として転写搬送ベルト216の上昇が終了したか否かの判定が行われ(STEP16)、終了した状態で、カラー画像の印字処理が開始される。
【0105】
次に、STEP5において、最初の印字がカラー画像であると判定されると、カラー印字処理が実行され(STEP17)、次印字の有無を確認する(STEP18)。次印字があって、その原稿がカラー原稿の時は、上記STEP17〜STEP18を繰り返すが、次原稿がモノクロ原稿と判定されると(STEP19)、装置は、モノクロ原稿印字用に、装置の各部の配置、および印字条件をモノクロ印字用に変更する。
【0106】
すなわち、(本発明に関与する部分としては、)転写搬送ベルト216の移動(搬出側の下降)が開始される。この時、転写搬送ベルト216の移動は、記録材Pの後端が、モノクロ/カラー画像形成手段の最終転写部(転写ローラ225d)を通過した後に行われなくてはいけない。
【0107】
そのため、記録材Pの位置を確認し、上記条件が揃ったことを確認した後に転写搬送ベルト216の降下が開始される(STEP20)。この降下中においても、本発明の主旨である印字プロセスの高速化のために、転写搬送ベルト216の搬送速度はモノクロ用搬送速度に切り換えられる(STEP21)。
【0108】
この時、印字工程中に転写搬送ベルト216と当接する全ての感光体ドラム222a〜dの回転速度もモノクロ用速度に変更する(STEP22)。このSTEP22の切り換えは、上記STEP12の時と同様の理由から実施される。
【0109】
この様に、モノクロ印字用に転写搬送ベルト216の降下/モノクロ回転、各画像形成手段のモノクロ回転中に、装置においては、装置の給紙部から次印字用の記録材Pが装置内のPSローラ212まで搬送され、印字スタートのタイミングまで待機した状態となる(STEP23)。
【0110】
この様にして、モノクロ回転、降下を続ける転写搬送ベルト216が、モノクロ画像形成手段(感光体ドラム222a)に隣接するカラー画像形成手段(感光体ドラム222b)から離間したことを確認すると(STEP24)、モノクロ画像の印字処理が開始される。
【0111】
以上の説明の通り、転写搬送ベルト216の移動(上昇、下降)時に転写搬送ベルト216の回転速度を高速化することによって、次印字工程のスタートタイミングは従来技術に比べ短縮され、1印字ジョブでのトータル印字時間の短縮化が図れ、前記転写搬送ベルト216の移動時間を無駄にしない次工程の準備が可能となる。
【0112】
〔可動式ペーパーガイド〕
転写担持体としての転写搬送ベルト216を移動(上昇、下降)させる間に、搬送速度の高速化を図るようにしたカラー画像形成装置の給紙側(上流側)に設けられる可動式ペーパーガイドについて、図13〜図17を参照しつつ、以下に詳細に説明する。
【0113】
まず、図13,14は、転写搬送ベルト216、可動式ペーパーガイド(用紙ガイド部材)311、給紙部の給紙ローラ212(図1参照)の構成を示し、同図において、可動式ペーパーガイド311は、上下2枚のペーパーガイド(ガイド板)312,313からなり、両ペーパーガイド312,313の上流側には、給紙ローラ212に臨むくちばし状に開いた記録材取入口としてのガイド部312a,313aが形成され、下側のペーパーガイド313の両側部から下流側に延びた枢支アーム313b,313bの先端に形成された軸孔が、転写搬送ベルト216を架橋支持する支持ローラ(または、従動ローラ)215のシャフト215aに回動自在に被嵌し、これにより、可動式ペーパーガイド311の記録材排出口を転写搬送ベルト216の所定位置(給紙ポイント)に固定することができる。
【0114】
そして、その上下のペーパーガイド312,313は、その両側部において、ビスb…等で固定されることで、両ガイド間の間隔が一定に保持される搬送空間sが形成され、その搬送空間sによって、PSローラ212から搬送される記録材Pが、搬送方向にガイドされジャムすることなく、転写搬送ベルト216に搬入されるようになっている。
【0115】
また、両ペーパーガイド312,313は、例えば金属等の導電性部材で構成され、ビスb…を介して装置のフレームと導通が取られており、記録材P上に蓄積される静電気の除電を積極的に行うようにしている。
【0116】
記録材Pが、可動式ペーパーガイド311の空隙部を通過する時には、記録材Pの厚み、腰等によって、上下ペーパーガイド312,313の何れかに擦れる状態となる。そのため、記録材Pが摩擦帯電し記録材P上に静電気が溜まる。
【0117】
静電気が溜まった状態で転写搬送ベルト216に搬送され、転写工程がおこなわれると、静電気によって転写するべきトナーが乱され、印字画像がピンボケした状態となる。また、記録材P上の静電気の極性によって搬送される転写搬送ベルト216上での吸着力に変化が生じ、転写搬送ベルト216と記録材Pとの間に空隙が発生し印字品位が低下することもある。
【0118】
このような問題の発生を未然に防止するために、上述のように、両ペーパーガイド312,313を導電性部材で形成すると共に、その位置決め用のビスb…と装置フレームを接続して接地することによって、上述のように、記録材P上に蓄積される静電気の除電を積極的に行うこととしている。
【0119】
次に、転写搬送ベルト216への記録材先端突入位置について、図15,16に基づいて説明する。
図15は、記録材搬送に関する従来の突入位置と、本発明の突入位置を比較して示すものである。図のように、記録材搬送が行われ、回転する駆動ローラ(または従動ローラ)215に記録材Pの先端部が突入する時に、記録材先端の突入禁止領域があることは明らかであり、この突入禁止領域に記録材Pが搬入されると、記録材先端は駆動ローラ215の回転方向に搬送されず、図中では下に潜り込む形となり、次工程への搬送が正常に行われずジャムとなる。
【0120】
また、従来の設計では、記録材先端突入位置は、図中に示す90°の範囲内に設計されている。しかし、搬送される記録材Pが多様化する中で、厚紙(はがき等)においては記録材Pの変形も少なく、また記録材Pの腰も強いため従来の設計で記録材搬送が正常に行われるが、薄紙若しくは環境(高温/高湿)等で記録材Pの腰が弱くなった状態での搬送では、記録材Pはその重力によって下方に撓んで、前記突入禁止領域に近づくこととなり、記録材搬送ジャムが発生する虞れが生じる。
【0121】
このため、本発明では、図示のように、駆動ローラ215の頂点から60°の範囲内を記録材先端の突入位置とすることで、上記問題点の発生を未然に防止することが可能となる。つまり、転写搬送ベルト216への記録材先端の突入位置を、最上流側の支持ローラ215の支軸215aから垂直上方に向かう頂点位置と、その頂点位置から給紙側に少なくとも60°傾斜した手前位置と、の間の範囲に設定すれば、画像形成モードの如何にかかわらず、また、記録材Pの材質(紙質等)の如何にかかわらず、記録材Pの先端を、常に、搬送しやすい転写搬送ベルト216の所定位置(給紙ポイント)に搬入することができ、記録材Pを正常に搬送することができる。
【0122】
このような記録材先端の突入位置の範囲は、図16に示すように、枢支アーム313b,313bの先端部分をやや斜め下方に向けて折曲させることで、確実に設定することができる。なお、上述の記録材先端の突入角度範囲は、30°〜45°程度がより好ましい。
【0123】
更に、図17を用いて、給紙部に対する可動式ペーパーガイド311の可動位置関係について説明する。
本発明においては、上記の通り、転写搬送ベルト216は、印字モード(単色/多色)によって位置移動する。すなわち、図示は省略するが、転写搬送ベルト216を支持する転写搬送機構を一体構成として、その回動支点を、単色画像形成手段(感光体ドラム222a)の転写ポイント(図示省略)の近傍位置に設定した場合、単色印字モードでは、支持ローラ215により架設されている転写搬送ベルト216の上流端の給紙ローラ212に対する相対位置(高さ)は、ホームポジションである多色印字用の配置位置よりも僅かに(数ミリ程度)上昇することとなる。
【0124】
この時、駆動ローラ215のシャフト215aに取り付けられた可動式ペーパーガイド311も、駆動ローラ215の上昇距離と等しい距離だけ上方に移動するため、可動式ペーパーガイド311と駆動ローラ215の相対位置関係は変化しない。
【0125】
一方、PSローラ212は、装置本体の側面フレームに位置固定に支持されているため、可動式ペーパーガイド311のガイド部312a,313aとPSローラ212の相対位置関係は、図17に示すように、変化する。
【0126】
そこで、可動式ペーパーガイド311の記録材取入口となるガイド部312a,313aは、その可動範囲内で記録材先端を、確実に両ペーパーガイド312,313間の搬送空間sに導入することが可能なだけの開口幅を設定する必要がある。従って、両ペーパーガイド312,313の給紙部側の上下開口幅Bは、少なくとも画像形成モードの切り換えに伴って上下に変位する転写搬送ベルト216の最上流側の変位幅よりも大に設定している。
【0127】
より詳細には、この上下開口幅Bは、前記搬送される記録材の種類と腰、並びに転写搬送ベルト216の移動距離を勘案して設定されるべきであるが、通常、その上下開口幅B(ガイド部312a,313aの先端間距離)は、転写搬送ベルト216の上下の移動距離×1.5〜2.0程度に設定することによって、前記各種記録材、並びに高温/高湿によって腰がなく撓んだ記録材Pが搬送された場合にも、正常にジャムすることなく搬送空間sに導入することが可能となる。
【0128】
以上、単色、多色の印字モードによって、転写搬送ベルト216を移動させる際に記録材Pの搬送速度(印字速度)を変化させるようにした画像形成装置において、上記のような可動式ペーパーガイド311を設けることで、搬送される記録材Pのジャムを解消し、搬送された記録材Pが転写搬送ベルト216上で正常に密着することが可能となり、印字品位の安定化を図ることができる。
【0129】
なお、本発明は、カラー画像形成装置を、図1に示すものに限定するのではなく、少なくとも、記録材の搬送方向に沿って並列に配置される複数の画像形成手段を有するタンデム式のカラー画像形成装置であって、単色画像の形成が終了した記録材が前記転写担持体上に存在する間に、多色画像形成モードへの切り換えを開始すると共に、転写担持体上の記録材を高速搬送することにより、モードの切り換え動作を速やかにおこなえるようにしたものであれば、構成や形式の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0130】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0131】
(1)記録材が前記転写担持体上に存在する間に、多色画像形成モードへの切り換えを開始し、単色画像の形成が終了した記録材を、転写担持体で高速搬送させ、多色画像形成モードへの切り換え完了時には、前記記録材を画像形成領域から離脱させているので、単色画像の形成が終了した記録材は、他の像担持体から何ら影響を受けることなく、多色画像形成モードへの切り換えを速やかに完了することができ、単色、多色混在の画像形成におけるトータルでの印字時間の短縮化を図ることができる。
【0132】
また、記録材排出口を転写担持体上の所定位置に臨ませた可動式ペーパーガイドを用いることによって、画像形成モードの如何を問わず、記録材の転写担持体に対する先端突入位置(給紙ポイント)を固定し、記録材先端を、常に、転写担持体の一定位置に搬入するため、記録材の浮き上がりによるジャム(Z折れ等々)の発生や印字開始位置のズレによる印字品位の低下等の不具合を発生させないようにすることができる。
【0133】
(2)用紙ガイド部材の一端側を、転写担持体を架橋支持する最上流側の支持ローラの支軸に保持させているため、転写担持体が像担持体に対して離接動作しても、用紙ガイド部材の一端側に設けた記録材排出口を、転写担持体上の所定位置に固定状態に保持することができる。つまり、画像形成モードの如何にかかわらず、転写担持体上の給紙ポイントを常に所定位置に固定することができる。
【0134】
(3)記録材の上下を用紙ガイド板でガイドすることで、画像形成モードの如何にかかわらず、また、記録材の厚みやコシの強さの如何にかかわらず、常に、転写担持体の所定位置に記録材先端を突入させることができる。
【0135】
(4)記録材先端の突入位置を、前記最上流側の支持ローラの支軸から垂直上方に向かう頂点位置と、その頂点位置から給紙側に少なくとも60°傾斜した手前位置と、の間の範囲に設定したので、画像形成モードの如何にかかわらず、また、記録材の紙質の如何にかかわらず、記録材の先端を、常に、搬送しやすい転写担持体の所定の位置に搬入することができ、記録材を正常に搬送することができる。
【0136】
(5)用紙ガイド部材の給紙部側の上下開口幅は、少なくとも前記画像形成モードの切り換えに伴って上下に変位する前記転写担持体の最上流側の変位幅よりも大に設定されることを特徴とする。
【0137】
この構成においては、用紙ガイド部材の給紙部側の上下開口幅を、転写担持体の最上流側の変位幅よりも大に設定したことで、画像形成モードの切り換えによって、転写担持体の上流側が変位しても、記録材を無理なく用紙ガイド部材内に導入して、転写担持体上の所定位置に搬入することができる。
【0138】
(6)用紙ガイド部材は、記録材との接触によって発生する静電気を除電可能な導電部材からなり、かつ、装置本体側に接続接地されることを特徴とする。
【0139】
この構成においては、用紙ガイド部材を導電部材で形成し、摩擦帯電によって記録材に発生した電荷を用紙ガイド部材から装置本体側に接地放電させることで、記録材上の不要電荷を除去することができ、ジャムの発生や印字品位の低下を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるカラー画像形成装置の構成図である。
【図2】同制御系統ブロック図である。
【図3】同転写担持体の制御系統ブロック図である。
【図4】同単色画像形成モード時の転写担持体の状態を示す説明図である。
【図5】同多色画像形成モードへの移行を開始した時の転写担持体の状態を示す説明図である。
【図6】同多色画像形成モードへの移行を完了した時の転写担持体の状態を示す説明図である。
【図7】同単色画像形成モードから多色画像形成モードへ移行する際の転写担持体の状態を示す説明図である。
【図8】同転写担持体の回転速度の変化を従来と比較した説明図である。
【図9】同転写担持体の回転速度の変化と定着機構の回転速度の関係を示す説明図である。
【図10】同モード切換を伴う混在原稿の印字工程を示すフローチャートの一部である。
【図11】同別の一部である。
【図12】同残部である。
【図13】同転写担持体と可動式ペーパーガイドと給紙ローラの対応関係図である。
【図14】同可動式ペーパーガイドの平面図と側面図である。
【図15】同記録材の転写担持体への突入範囲を従来と比較した説明図である。
【図16】同可動式ペーパーガイドと転写担持体の支持ローラの対応図である。
【図17】同可動式ペーパーガイドの給紙ローラに対する相対移動の状態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
44−制御手段
215−支持ローラ
216−転写担持体
222a〜222d−像担持体
311−用紙ガイド部材
312,313−ガイド板
B−上下開口幅
P−記録材
Pa〜Pd−画像形成手段
Claims (5)
- 記録材の搬送方向に沿って並列に配置される複数の画像形成手段と、前記各画像形成手段に設けられる像担持体に対して離間可能に当接し、搬入された記録材上に、前記像担持体上に形成された静電潜像を転写させる転写担持体と、制御手段と、を具備し、
単色画像形成モードから多色画像形成モードへの切り換え時に、前記制御手段が、単色画像の形成が終了した記録材が前記転写担持体上に存在する間に、前記転写担持体の前記各画像形成手段への接近動作を開始させると共に、
前記転写担持体が前記各画像形成手段に当接する多色画像形成モードへの切り換えが完了する時点までに、前記単色画像の形成が終了した記録材を画像形成領域から離脱させるために、前記転写担持体を高速で駆動させ、前記記録材を高速搬送するようにしたカラー画像形成装置において、
一端側を前記転写担持体側に固定され、他端側に形成した記録材取入口を上流側の給紙部に臨ませた用紙ガイド部材を設け、
前記用紙ガイド部材の一端側に形成される記録材排出口を、前記転写担持体上の所定位置に臨ませ、
前記用紙ガイド部材の一端側を、前記転写担持体を架橋支持する最上流側の支持ローラの支軸に回動自在に被嵌し、
画像形成モードの如何にかかわらず、記録材先端を、常に、前記転写担持体上の所定位置に搬入させるように構成したことを特徴とする可動式ペーパーガイド。 - 前記用紙ガイド部材は、上下一対のガイド板からなり、その両ガイド板間に、前記給紙部から給紙された記録材を導入させて前記転写担持体に搬入することを特徴とする請求項1に記載の可動式ペーパーガイド。
- 前記用紙ガイド部材によって前記転写担持体上に搬入される記録材先端の突入位置が、前記最上流側の支持ローラの支軸から垂直上方に向かう頂点位置と、その頂点位置から給紙側に少なくとも60°傾斜した手前位置と、の間の範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載の可動式ペーパーガイド。
- 前記用紙ガイド部材の給紙部側の上下開口幅は、少なくとも前記画像形成モードの切り換えに伴って上下に変位する前記転写担持体の最上流側の変位幅よりも大に設定されることを特徴とする請求項1に記載の可動式ペーパーガイド。
- 前記用紙ガイド部材は、記録材との接触によって発生する静電気を除電可能な導電部材からなり、かつ、装置本体側に接続接地されることを特徴とする請求項1に記載の可動式ペーパーガイド。
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