JP4057342B2 - 受信レベル測定回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システムの受信機で用いられる受信レベル測定回路に係り、特に複数のブランチ構成を有する受信機に対応しながら受信レベルの測定精度を向上できる受信レベル測定回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信システムにおいては、限られた周波数等の資源を有効に利用する方法としてさまざまな多元接続の方法が考案されており、CDMA(Direct Sequence-Code Division Multiple Access :符号分割多元接続)方式と称される方法が一般的に知られている。
CDMA方式の中で、特に通信する各チャネル毎に個別の拡散符号を割り当て多重化し、また、送信シンボルにパイロットシンボルを挿入して伝送し、受信側ではパイロットシンボルの逆拡散信号から振幅位相変動を抽出し、それを用いて受信シンボルの補正を行い検波するDS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access :直接拡散符号分割多元接続)方式では、その方式に特有の閉ループ制御型送信電力制御を行うために受信機において受信波のレベル測定を行う必要があることが知られている。
【0003】
まず、従来のCDMA受信機における受信レベル測定回路の構成例について、図7を使って説明する。図7は、従来の受信レベル測定回路の一構成例を示すブロック図である。
従来の受信レベル測定回路は、図7に示すように、RSSI検出部1と、A/D変換部(図ではA/D部)2と、RSSI平均化部3と、電圧/dB変換部4とから構成されている。
【0004】
従来の受信レベル測定回路の各部について説明する。
RSSI検出部1は、無線周波数帯域の受信信号の受信信号電界強度(Received Signal Strength Indicator:RSSI)を検出し、電圧出力するものである。尚、この部位は、市販のRSSI検出用のIC等で実現されている。
A/D変換部2は、電圧出力されたRSSIのアナログ値をディジタル値に変換するものである。
RSSI平均化部3は、検出されたRSSIを平均化するものである。
電圧/dB変換部4は、平均化されたRSSIの電圧値をdB値に変換するものである。尚、この部位は、RSSIの電圧値対RSSIのdB値の変換テーブルを予め作成しておき、それを参照することで実現できる。
【0005】
次に、従来のレベル測定回路の動作について図7を使って説明する。
従来のレベル測定回路では、受信機に入力された無線周波数帯域の受信信号が、RSSI検出部1に入力され、受信信号のRSSIが検出されてアナログの電圧値で出力され、A/D変換部2でディジタル値に変換され、RSSI平均化部3において所定の平均化を施され、電圧/dB変換部4にてdB値に変換されて、受信機に入力された無線周波数帯域の受信信号の受信レベルの測定結果がRSSIのdB値で出力されるようになっていた。
これにより、受信機に入力された信号の受信品質を測定することができた。
【0006】
しかしながら、上記従来の受信レベル測定回路では、DS−CDMA方式において複数の送受信機がそれぞれ同一の無線周波数帯域を使用して通信を行うため、受信機に入力された信号の全てが希望波レベルとは限らず、干渉波レベルを含んでいるにもかかわらず、単一に受信レベルとして測定されてしまうという問題点があった。
また、無線周波数帯域におけるRSSI測定では、理論的に受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルは測定できず、全レベルで正確な受信レベルが測定できないという問題点があった。
【0007】
この問題点を解決する技術として、平成13年10月12日公開の特開2001−285209号「受信レベル測定方法及び受信レベル測定回路」(出願人:株式会社日立国際電気、発明者:石井 崇人)が提案されている。
この従来技術は、受信信号の無線周波数帯域での受信電界強度を検出すると共に、受信信号を直交検波してベースバンド信号から各拡散符号毎に希望波及び干渉波を検出し、複数の希望波成分を合成して電力化し、合成された希望波レベルに対して、受信電界強度が帯域内雑音以下のレベルでは当該希望波レベルをそのまま用い、帯域内雑音以上のレベルでは、希望波レベルに無線部検出の受信電界強度を加えて補正し、受信レベル測定結果とする受信レベル測定方法及び受信レベル測定回路である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術である、特開2001−285209号の受信レベル測定回路は、希望波レベル、干渉波レベルを分離して測定し、受信電界強度が特定値以下(帯域内雑音以下)の場合には希望波電力のレベルを希望波受信レベルとし、特定値を上回る(帯域内雑音以上)場合には、希望波電力のレベルに電界強度のレベルを加算して補正し、希望波受信レベルとしているので、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで希望波受信レベルを測定可能とすることができる基本的な構成を有するものであるが、受信機が単一アンテナ構成である場合の技術に留めてあり、複数アンテナ(ブランチ)を持つ受信機を考慮した構成とはなっていない。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応する受信レベル測定回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受信レベル測定回路において、複数アンテナで受信した受信信号の受信レベルを測定する受信レベル測定回路であって、
受信信号の電界強度を検出する受信信号電界強度検出手段と、
受信信号をベースバンド信号に変換し、希望波と干渉波とを検出して分離し、希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルを出力する希望波/干渉波成分電力出力手段と、
希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルとから希望波電力対干渉波電力比を求める希望波電力対干渉波電力比測定手段と、
検出された電界強度が予め定められた特定値以下となった場合は、希望波電力のレベルを希望波受信レベルとして出力し、検出された電界強度が特定値を上回った場合は、希望波電力のレベルに検出された電界強度のレベルを加算する補正と、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行い、希望波受信レベルとして出力する希望波レベル補正手段と、
干渉波電力のレベルに、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行って干渉波受信レベルとして出力する干渉波レベル補正手段とをアンテナ毎に備え、
アンテナ毎の希望波レベル補正手段から出力される希望波受信レベルを合成して合成後の希望波受信レベルを出力する希望波アンテナ合成手段と、
アンテナ毎の干渉波レベル補正手段から出力される干渉波受信レベルを、対応する各アンテナにおける希望波電力対干渉波電力比を用いて重み付け合成して合成後の干渉波受信レベルを出力する干渉波アンテナ合成手段と、
合成後の希望波受信レベルと合成後の干渉波受信レベルとから合成後の希望波電力対干渉波電力比を求める合成後希望波電力対干渉波電力比測定手段とを有するものなので、
複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とすることができる。
【0011】
また、本発明は、上記受信レベル測定回路において、希望波/干渉波成分電力出力手段が、
受信信号を直交検波してベースバンド信号に変換する直交検波手段と、
直交検波されたベースバンドの受信信号から複数の希望波成分と複数の干渉波成分とを検出する希望波/干渉波検出手段と、
検出された複数の希望波成分を加算し電力化して希望波電力のレベルを出力する希望波成分電力化手段と、
検出された複数の干渉波成分を平均化して干渉波電力のレベルを出力する干渉波成分平均化手段とを有するものなので、
複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とし、希望波、干渉波共に精度の高い値を求めることができる。
【0012】
また、本発明は、上記受信レベル測定回路において、希望波/干渉波成分電力出力手段が、
希望波/干渉波成分電力出力手段が、
受信信号を直交検波してベースバンド信号に変換する直交検波手段と、
直交検波されたベースバンドの受信信号から複数の希望波成分と複数の干渉波成分と複数の周波数誤差ベクトルとを検出する希望波/干渉波検出手段と、
予め周波数誤差に対応する補正値を記憶し、検出された複数の周波数誤差ベクトルを加算し平均化し単位変換した周波数誤差に対応する補正値を取得する周波数誤差補正値取得手段と、
検出された複数の希望波成分を加算し、補正値を用いて希望波成分を補正する周波数誤差補正手段と、
補正された希望波成分を電力化し希望波電力のレベルを求める希望波成分電力化手段と、
検出された複数の干渉波成分を平均化して干渉波電力のレベルを出力する干渉波成分平均化手段とをものなので、
複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とし、希望波、干渉波共に精度の高い値を求めることができ、更に送受信機に具備される発振器の周波数誤差に起因する位相回転の補正を施して希望波受信レベルの測定精度を向上できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
【0014】
上位概念的に説明すれば、本発明に係る受信レベル測定回路は、複数アンテナで受信した受信信号に対応付けて、無線周波数帯域の電界強度とベースバンドの希望波レベル及び干渉波レベルを検出し、検出された電界強度が予め定められた帯域内雑音以下となった場合は、希望波電力のレベルを希望波受信レベルとして出力し、検出された電界強度が帯域内雑音以上となった場合は、希望波電力のレベルに検出された電界強度のレベルを加算する補正を行って各アンテナの希望波受信レベルとし、各アンテナにおける希望波受信レベル及び干渉波受信レベルを各々合成して、合成後の希望波受信レベル及び合成後の干渉波受信レベルを求め、合成後の希望波受信レベル及び合成後の干渉波受信レベルから合成後の希望波電力対干渉波電力比を求めるものであり、複数アンテナ構成の受信機において、希望波レベル、干渉波レベルを分離して測定し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで測定可能とすることができる。
【0015】
機能実現手段で説明すれば、本発明に係る受信レベル測定回路は、受信信号の電界強度を検出する受信信号電界強度検出手段と、受信信号をベースバンド信号に変換し、希望波と干渉波とを検出して分離し、希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルを出力する希望波/干渉波成分電力出力手段と、希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルとから希望波電力対干渉波電力比を求める希望波電力対干渉波電力比測定手段と、検出された電界強度が予め定められた特定値以下となった場合は、希望波電力のレベルを希望波受信レベルとして出力し、検出された電界強度が特定値を上回った場合は、希望波電力のレベルに検出された電界強度のレベルを加算する補正と、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行い、希望波受信レベルとして出力する希望波レベル補正手段と、干渉波電力のレベルに、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行って干渉波受信レベルとして出力する干渉波レベル補正手段とをアンテナ毎に備え、アンテナ毎の希望波レベル補正手段から出力される希望波受信レベルを合成して合成後の希望波受信レベルを出力する希望波アンテナ合成手段と、アンテナ毎の干渉波レベル補正手段から出力される干渉波受信レベルを、対応する各アンテナにおける希望波電力対干渉波電力比を用いて重み付け合成して合成後の干渉波受信レベルを出力する干渉波アンテナ合成手段と、合成後の希望波受信レベルと合成後の干渉波受信レベルとから合成後の希望波電力対干渉波電力比を求める合成後希望波電力対干渉波電力比測定手段とを有し、アンテナ毎に取得された希望波受信レベルと干渉波受信レベルを各々合成して受信機の希望波受信レベルと干渉波受信レベルを求め、更に受信機の希望波電力対干渉波電力比を求めるものなので、複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とすることができる。
【0016】
尚、本発明の実施の形態における各手段と図1の各部との対応を示すと、受信信号電界強度検出手段は、RSSI検出部1、A/D部2、RSSI平均化部3、電圧/dB変換部4に相当し、希望波/干渉波成分電力出力手段は、希望波/干渉波成分出力部20に相当し、希望波電力対干渉波電力比測定手段はアンテナSIR測定部21に相当し、希望波レベル補正手段は、dB変換部22,希望波レベル補正部23に相当し、干渉波レベル補正手段は、dB変換部24,干渉波レベル補正部25に相当し、希望波アンテナ合成手段は、希望波アンテナ合成部26に相当し、干渉波アンテナ合成手段は干渉波アンテナ合成部27に相当し、合成後希望波電力対干渉波電力比測定手段は、アンテナ合成後SIR測定部28に相当している。
【0017】
まず、本発明に係る受信レベル測定回路の構成について図1を使って説明する。図1は、本発明に係る受信レベル測定回路の構成ブロック図である。尚、図4と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。また、図1では、アンテナ数が2つの場合の構成を示している。
【0018】
本発明の受信レベル測定回路は、各アンテナに対応付けて設けた、受信信号に対して希望波レベル、干渉波レベルを分離して測定する各アンテナ系列の構成と、各アンテナ系列から出力される希望波レベル、干渉波レベルを合成して受信機トータルの受信レベルを測定する合成部分とから構成されている。
【0019】
本発明の受信レベル測定回路における各アンテナ系列の構成としては、従来の受信レベル測定回路と同様の部分として、RSSI検出部1と、A/D変換部(図ではA/D部)2と、RSSI平均化部3と、電圧/dB変換部4とから構成され、更に本発明の特徴部分として、希望波/干渉波成分出力部20と、アンテナSIR測定部21と、dB変換部22と、希望波レベル補正部23と、dB変換部24と、干渉波レベル補正部25とから構成されている。
【0020】
尚、図1では、アンテナ(1)系列の構成には、符号に-1が付加されて示されており、アンテナ(2)系列の構成には、符号に-2が付加されて示されている。
そして、アンテナが2つ以上の場合には、アンテナ数だけ、上記RSSI検出部1〜干渉波レベル補正部25の構成が設けられることになる。
【0021】
そして、本発明の受信レベル測定回路における各アンテナ系列からの出力を合成する合成部分の構成としては、希望波アンテナ合成部26と、干渉波アンテナ合成部27と、アンテナ合成後SIR測定部28とから構成されている。
【0022】
次に、本装置の各部について具体的に説明するが、従来と同様の構成部分であるRSSI検出部1とA/D変換部2とRSSI平均化部3と電圧/dB変換部4は、動作も従来と全く同様であるので説明を省略し、本発明の特徴部分について具体的に説明する。尚、各アンテナ系列の構成は、扱う受信信号が各アンテナで受信された信号であるというだけで、その動作は同様であるので、-nを付けない符号で説明する。
【0023】
希望波/干渉波成分出力部20は、各アンテナで受信された無線周波数帯域の受信信号を入力し、受信信号をRSSI検出部1で検出したRSSIを用いて利得調整し、直交検波してベースバンド信号に変換してから、各拡散符号毎に希望波及び干渉波を検出して分離し、複数の希望波成分及び干渉波成分を各々合成して電力化し、希望波成分(電力)及び干渉波成分(電力)を出力するものである。
尚、詳細な内部構成については後述する。
【0024】
アンテナSIR測定部21は、希望波/干渉波成分出力部20から出力される希望波成分電力と干渉波成分電力からアンテナ毎の希望波電力対干渉波電力比(Signal-to-Interference Ratio:SIR)を求めるものである。
dB変換部22は、希望波/干渉波成分出力部20から出力される希望波成分電力をdB変換するものである。
【0025】
希望波レベル補正部23は、電圧/dB変換部4においてdB変換された平均化後のRSSIと、送信側での拡散変調により拡散された信号の拡散率と、受信機において測定された希望波成分電力を絶対電力値に補正するための固定補正値と、アンテナSIR測定部21において測定されたSIR値とを入力とし、dB変換部22から出力される希望波成分電力を補正して、希望波受信レベルを出力するものである。補正の内容は後述する。
【0026】
dB変換部24は、希望波/干渉波成分出力部20から出力される干渉波成分電力をdB変換するものである。
干渉波レベル補正部25は、電圧/dB変換部4においてdB変換された平均化後のRSSIと、送信側での拡散変調により拡散された信号の拡散率と、受信機において測定された干渉波成分電力を絶対電力値に補正するための固定補正値と、アンテナSIR測定部21において測定されたSIR値とを入力とし、dB変換部24から出力される干渉波成分電力を補正し、干渉波受信レベルを出力するものである。
【0027】
ここで、希望波レベル補正部23及び干渉波レベル補正部25における補正の内容について簡単に説明する。詳細は、特開2001−285209号「受信レベル測定方法及び受信レベル測定回路」(出願人:株式会社日立国際電気、発明者:石井 崇人)に記載されている。
希望波レベル補正部23及び干渉波レベル補正部25における補正の1つは、受信電界と帯域内雑音レベルとの関係に応じた無線部検出のRSSIと、ベースバンドでの希望波成分の特性に応じて、ベースバンドで検出された希望波成分をそのまま利用して希望波レベルとする場合と、ベースバンドで検出された希望波成分に無線部のRSSIを補正値として加える場合とを切り分けて補正することにより、全受信電界領域において適切なる受信レベル検出を行うことができるものである。
【0028】
また、別の補正として、ベースバンド検出の希望波レベルを絶対電力に直す補正があり、送信側で拡散変調することにより得られる拡散利得と、希望波/干渉波成分出力部20において希望波と干渉波とを検出する演算に対する固定の補正値とをパラメータとして保持しておき、これを上記無線部RSSIによる補正の後に、希望波レベルに加えることにより、求める希望波レベルの絶対電力値を得る補正である。
尚、干渉波レベル補正部25では、この固定の補正のみが行われ、絶対電力値に補正されるようになっている。
【0029】
希望波アンテナ合成部26は、各アンテナ系列における希望波レベル補正部23から出力される希望波受信レベルを加算により合成(アンテナ合成)し、アンテナ合成後希望波電力を受信機全体としての希望波受信レベルを出力するものである。即ち、
アンテナ合成後希望波電力
=アンテナ(1)希望波レベル(真値)+アンテナ(2)希望波レベル(真値)
である。
【0030】
干渉波アンテナ合成部27は、各アンテナ系列における干渉波レベル補正部25から出力される干渉波受信レベルを、各アンテナ系列におけるアンテナSIR測定部21で測定されたSIR値を用いて重み付け合成し、アンテナ合成後干渉波電力を受信機全体としての干渉波受信レベルを出力するものである。即ち、
アンテナ合成後干渉波レベル
=(A*アンテナ(1)干渉波レベル(真値)+B*アンテナ(2)干渉波レベル(真値))
/(A+B)
である。ここで、A:アンテナ(1)のSIR(真値)、B:アンテナ(2)のSIR(真値)である。
【0031】
アンテナ合成後SIR測定部28は、アンテナ合成された希望波アンテナ合成部26からの希望波受信レベルと干渉波アンテナ合成部27からの干渉波受信レベルとを再度dB変換した後に、アンテナ合成後の希望波電力対干渉波電力比(SIR)を求め、受信機全体としてのSIRとして出力するものである。
【0032】
本発明の受信レベル測定回路における動作について、図1を使って説明する。
本発明の受信レベル測定回路では、受信機に入力された無線周波数帯域の受信信号の内、アンテナ(1)で受信された受信信号は、従来と同様に、RSSI検出部1-1に入力され、受信信号のRSSIが検出されてアナログの電圧値で出力され、A/D変換部2-1でディジタル値に変換され、RSSI平均化部3-1において所定の平均化を施され、電圧/dB変換部4-1にてdB値に変換されて、アンテナ(1)で受信された無線周波数帯域の受信信号の受信レベルの測定結果がRSSIのdB値で出力される。
【0033】
一方、アンテナ(1)で受信された無線周波数帯域の受信信号は、希望波/干渉波成分出力部20-1において、RSSI検出部1-1で検出したRSSIを用いて利得調整され、直交検波してベースバンド信号に変換された後に、希望波及び干渉波に分離され、希望波成分(電力)及び干渉波成分(電力)が出力され、希望波成分(電力)及び干渉波成分(電力)からアンテナSIR測定部21-1でアンテナ(1)のSIRが測定される。
【0034】
一方、希望波/干渉波成分出力部20-1から出力された希望波成分(電力)は、dB変換部22-1でdB変換され、希望波レベル補正部23-1で電圧/dB変換部4-1からのRSSI、拡散率及び固定補正値、アンテナSIR測定部21-1からのSIR値を用いて補正され、アンテナ(1)の希望波受信レベルが出力される。
【0035】
同様に、希望波/干渉波成分出力部20-1から出力された干渉波成分(電力)は、変換部24-1でdB変換され、干渉波レベル補正部25-1で電圧/dB変換部4-1からのRSSI、拡散率及び固定補正値、アンテナSIR測定部21-1からのSIR値を用いて補正され、アンテナ(1)の干渉波受信レベルが出力される。
【0036】
同様の動作により、アンテナ(2)で受信された受信信号についても、RSSI検出部1-2〜電圧/dB変換部4-2にて、アンテナ(2)で受信された無線周波数帯域のRSSIが測定され、希望波/干渉波成分出力部20-2において、ベースバンドで希望波及び干渉波に分離され、希望波成分(電力)及び干渉波成分(電力)が出力され、各々dB変換され、補正されて、希望波レベル補正部23-2及び干渉波レベル補正部25-2からアンテナ(2)の希望波受信レベル及び干渉波受信レベルが出力される。
【0037】
そして、希望波レベル補正部23-1から出力されるアンテナ(1)の希望波受信レベルと希望波レベル補正部23-2から出力されるアンテナ(2)の希望波受信レベルとが希望波アンテナ合成部26で合成され、受信機全体としての希望波受信レベルが出力される。
同様に、干渉波レベル補正部25-1から出力されるアンテナ(1)の干渉波受信レベルと干渉波レベル補正部25-2から出力されるアンテナ(2)の干渉波受信レベルとが干渉波アンテナ合成部27で合成され、受信機全体としての干渉波受信レベルが出力される。
【0038】
そして、希望波アンテナ合成部26からの受信機全体としての希望波受信レベルと干渉波アンテナ合成部27からの受信機全体としての干渉波受信レベルを用いてアンテナ合成後SIR測定部28で受信機全体としての希望波電力対干渉波電力比(SIR)が求められて出力されるようになっている。
【0039】
尚、図1では、アンテナが2つの場合を示しているが、複数アンテナの場合には、各アンテナ系列の希望波レベル補正部23から出力される希望波受信レベルが全て希望波アンテナ合成部26で合成され、また各アンテナ系列の干渉波レベル補正部25から出力される干渉波受信レベルが全て干渉波アンテナ合成部27で合成されることになる。
【0040】
ここで、本発明の受信レベル測定回路における希望波/干渉波成分出力部20の第1の内部構成例について、図2を使って説明する。図2は、本発明の希望波/干渉波成分出力部20の第1の内部構成例を示すブロック図である。
【0041】
本発明の受信レベル測定回路における希望波/干渉波成分出力部20の第1の内部構成例(第1の希望波/干渉波成分出力部)としては、AGC部5と、直交検波部6と、発振器7と、A/D部8と、複数の希望波/干渉波検出部9と、加算器10と、希望波成分電力化部11と、干渉成分平均化部13とから構成されている。
尚、図2に示した発振器7,A/D部8については、各アンテナ系列の発振器7,A/D部8を共通の発振器、A/D部として構成するようにしても構わない。
【0042】
次に、第1の希望波/干渉波成分出力部の各部について具体的に説明する。
AGC部5は、自動利得制御(Automatic Gain Control:AGC)を行うもので、RSSI検出部1において検出されたRSSI電圧を用いて、受信電力を一定にするよう増幅(又は減衰)するものである。
発振器7は、直交検波部6に搬送波を出力するものである。
直交検波部6は、発振器7からの搬送波を用いて無線周波数帯域の受信信号を復調し、ベースバンドの同相、直交成分にダウンコンバートするものである。
A/D部8は、直交検波部6においてダウンコンバートされたアナログベースバンド受信信号をディジタル信号に変換するものである。
【0043】
希望波/干渉波検出部9は、ディジタル変換されたベースバンド受信信号から希望波成分、干渉波成分を検出するもので、拡散符号毎に複数設けられている。DC−CDMA方式においては、マルチパスを分離して、各パス毎に希望波成分、干渉波成分を検出するのに用いられる。図中、Sは希望波成分、Iは干渉波成分を示している。
尚、内部の詳細については、特開2001−285209号「受信レベル測定方法及び受信レベル測定回路」(出願人:株式会社日立国際電気、発明者:石井崇人)に詳しく説明されているので、ここでは省略する。
【0044】
加算器10は、複数の希望波/干渉波検出部9からの希望波成分を加算して合成するものである。
希望波成分電力化部11は、加算器10からの出力である加算(合成)後の希望波成分を電力化するものである。
干渉成分平均化部13は、複数の希望波/干渉波検出部9からの干渉波成分を平均化するものである。
加算器10、希望波成分電力化部11及び干渉成分平均化部13は、逆拡散により分離された各パスを合成するいわゆるRAKE合成によって、希望波成分は合成され、また、干渉成分は各パス独立なので合成後は平均化されて抑圧されることを利用したものである。
【0045】
次に、本発明の受信レベル測定回路における第1の希望波/干渉波成分出力部20の動作について、図2を用いて説明する。
本発明の第1の希望波/干渉波成分出力部20では、受信機に入力された無線周波数帯機の受信信号が、RSSI検出部1で検出されたRSSI電圧を用いて、AGC部5にて利得制御が行われ、受信電力が一定になるように制御され、さらに直交検波部6において、発振器7からの搬送波によりベースバンドの同相、直交成分にダウンコンバートされ、A/D部8でディジタル信号に変換され、複数の希望波/干渉波検出部9に並列に入力される。
【0046】
そして、各希望波/干渉波検出部9において、拡散符号毎に各々希望波成分(S)、干渉波成分(I)が求められる。尚、DS−CDMA方式においては、マルチパスを逆拡散により分離することが可能なので、分離された遅延波をそれぞれ希望波/干渉波検出部9に割り当ててやることにより、各パス毎の希望波成分(S)、干渉波成分(I)を求められる。
【0047】
そして、各希望波/干渉波検出部9からの希望波成分(S)は、加算器10で加算され、これにより分離された各パスの希望波成分の和が求められて、合成後の希望波成分を求めることができ、更に希望波成分電力化部11で、合成された希望波成分が電力化される。
一方、各希望波/干渉波検出部9からの干渉波成分(I)は、各パス毎の干渉波成分が、干渉成分平均化部13にて更に平均化される。
これは、逆拡散により分離された各パスを合成するいわゆるRAKE合成によって、希望波成分は合成され、また、干渉成分は各パス独立なので合成後は平均化されて抑圧されることを利用したものである。
【0048】
次に、本発明の受信レベル測定回路における希望波/干渉波成分出力部20の別の構成例(第2の内部構成例)について、図3を使って説明する。図3は、本発明の希望波/干渉波成分出力部20の第2の内部構成例を示すブロック図である。尚、図2と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
【0049】
本発明の受信レベル測定回路における希望波/干渉波成分出力部20の第2の内部構成例(第2の希望波/干渉波成分出力部)としては、第1の希望波/干渉波成分出力部と同様の構成として、AGC部5と、直交検波部6と、発振器7と、A/D部8と、加算器10と、希望波成分電力化部11と、干渉成分平均化部13とから構成され、更に第2の希望波/干渉波成分出力部の特徴部分である複数の希望波/干渉波検出部9′と、パイロットゲイン補正部41と、周波数誤差補正部42と、加算器50と、周波数誤差平均化部51と、アークタンジェント演算部52と、周波数誤差補正テーブル53とが設けられている。
【0050】
次に、第2の希望波/干渉波成分出力部の各部について説明するが、第1の希望波/干渉波成分出力部と同様の構成については説明を省略し、特徴部分を中心に説明する。
【0051】
希望波/干渉波検出部9′は、ディジタル変換されたベースバンド受信信号から希望波成分、干渉波成分に加えて周波数誤差ベクトルを検出するもので、拡散符号毎に複数設けられている。DC−CDMA方式においては、マルチパスを分離して、各パス毎に希望波成分、干渉波成分、周波数誤差ベクトルを検出するのに用いられる。尚、内部の詳細については、後述する。
【0052】
加算器50は、複数の希望波/干渉波検出部9からの周波数誤差ベクトルを加算して合成するものである。
周波数誤差平均化部51は、加算後の周波数誤差ベクトルを平均化するものである。これは、各希望波/干渉波検出部9からの周波数誤差ベクトルが1シンボル時間における位相回転量であり、フェージング等の要因による位相回転量を含んでいるため、周波数誤差平均化部51で長時間の平均化を行うことによりフェージングによる位相回転の成分を消し、固定的な周波数誤差による位相回転量として検出するためのものである。
【0053】
アークタンジェント演算部(図ではarctan演算部)52は、平均化後の周波数誤差ベクトルにarctan演算を施して、周波数誤差(Hz)に単位変換を行うものである。具体的には、平均化後の周波数誤差ベクトルに対してarctan演算を施してΔθが求められ、更に1シンボル時間長から周波数誤差(Hz)が求められて単位変換されることになる。
周波数誤差補正テーブル53は、周波数誤差に対応する補正値をテーブル形式で記憶している補正テーブルを具備して、アークタンジェント演算部52の出力である周波数誤差(Hz)を入力とし、それに該当する補正値を出力するである。尚、補正テーブルの詳細については、後述する。
【0054】
加算器10は、複数の希望波/干渉波検出部9′から出力される希望波成分を加算して合成するものである。
パイロットゲイン補正部41は、送信側で加えられたパイロットシンボル部分のオフセットを補正するものである。即ち、送信側において、パイロットシンボル部分にデータシンボル部分の電力に対して電力オフセットを加えて(パイロットゲイン)送信する場合を考慮し、このパイロットゲイン分の補正を行う。例えばデータシンボルに対してパイロットシンボルが1/2の電力で送信されている場合、パイロットゲイン補正部41では、合成後の希望波成分を√2倍することによりパイロットゲインを補正するようになっている。
周波数誤差補正部42は、加算し、パイロットゲインを補正した希望波成分に対し、周波数誤差補正テーブル53の出力である周波数誤差補正値を用いて周波数誤差を補正するものである。
【0055】
次に、本発明の第2の希望波/干渉波成分出力部における希望波/干渉波検出部9′の内部構成について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の希望波/干渉波検出部9′の内部構成を示すブロック図である。
本発明の第2の希望波/干渉波成分出力部における希望波/干渉波検出部9′の内部は、図4に示すように、符号生成部121と、逆拡散部122と、ディジタルAGC部123と、参照用パイロットシンボル生成部125と、複素乗算器126と、希望波成分平均化部127と、加算器128と、ベクトル/スカラー変換部130と、干渉波成分電力化部131と、指数重み付け平均化部132と、遅延器(図ではDelay)134と、複素乗算器135とから構成されている。
【0056】
希望波/干渉波検出部9′の内部の各部について説明する。
符号生成部121は、参照用の拡散符号を生成するもので、各希望波/干渉波検出部9′-1〜9′-Nで異なる拡散符号が生成される。
逆拡散部122は、A/D部8の出力であるベースバンドの受信信号と、符号生成部121の出力である参照用拡散符号との相関演算を行い逆拡散するものである。
【0057】
ディジタルAGC部123は、逆拡散後の信号を送信側の拡散率に応じてシフトアップするものである。例えば逆拡散前の信号の振幅をAとすると、逆拡散後の振幅と送信側の拡散率との関係は理想的には[表1]の通りになる。
【0058】
【表1】
【0059】
[表1]に示すように拡散率により逆拡散後の振幅が異なり、拡散率が低い程、逆拡散後の振幅が小さくなる、即ち信号のビット数が少なくなる。これより後段の処理を固定小数点演算で取り扱うことを想定した場合、ビット数の減少は特性劣化を招く要因になる。そこで、ディジタルAGC部123では、逆拡散後のビット数が一定になるように拡散率に応じたシフトアップを行い、演算ビット数の減少による劣化を防ぐことが可能である。
【0060】
参照用パイロットシンボル生成部125は、後述する振幅位相変動量を求めるための参照用パイロットシンボルを生成するものである。
複素乗算器126は、ディジタルAGC後の受信信号と参照用パイロットシンボルとの複素共役乗算を行い振幅位相変動量を求め、希望波成分ベクトルとするものである。
【0061】
希望波成分平均化部127は、複素乗算器126からの希望波成分ベクトルを平均化するものである。
ベクトル/スカラー変換部130は、希望波成分ベクトルをスカラーに変換するものである。
【0062】
加算器128は、希望波成分平均化部127の出力である平均化後の希望波成分ベクトルと、平均前の希望波成分ベクトルとの差分を求め、干渉波成分ベクトルとするものである。
干渉波成分電力化部131は、干渉波成分ベクトルの電力を求め、更に所定のパイロットシンボル数分の平均化を行うものである。
指数重み付け平均化部132は、電力化された干渉波成分を長区間にわたり指数重み付け平均するものである。
【0063】
遅延器(図ではDelay)134は、入力される信号を1シンボル時間遅延させるものである。
複素乗算器135は、あるシンボルにおける振幅位相変動量と、その前のシンボルにおける振幅位相変動量との複素乗算を行い、1シンボル時間における位相回転量を周波数誤差ベクトルとして求めるものである。
【0064】
次に、本発明の第2の希望波/干渉波成分出力部における希望波/干渉波検出部9′の動作について、図4を用いて説明する。
本発明の第2の希望波/干渉波成分出力部における希望波/干渉波検出部9′の内部では、入力されたベースバンドのディジタル受信信号が逆拡散部122に入力され、各符号生成部121から出力されるの参照用の拡散符号との相関演算が行われて逆拡散され、逆拡散後の受信シンボルが、ディジタルAGC部123に入力される。
【0065】
そして、ディジタルAGC部123では、送信側の拡散変調における拡散率に応じて逆拡散後の信号がシフトアップされて定振幅にされ、ディジタルAGC後の受信シンボルのうちパイロットシンボル部分は、参照用パイロットシンボル生成部125から出力される参照用パイロットシンボルと複素乗算器126にて複素共役乗算を施され、その計算結果が振幅位相変動量、すなわち希望波成分ベクトルとして出力され、希望波成分平均化部127にて所定のパイロットシンボル数分の平均化が行われ、ベクトル/スカラー変換部130にてその大きさ(スカラー)が求められて出力される。
【0066】
また、複素乗算器126から出力される平均前の希望波成分ベクトルと、希望波成分平均化部127から出力される平均化後の希望波成分ベクトルとの差分が加算器128でとられ、これが干渉波成分ベクトルとなり、干渉波成分電力化部131で電力化及び所定のパイロットシンボル数分の平均化が行われ、更に指数重み付け平均化部132において長区間にわたる平均化が行われて出力される。
【0067】
ここで、この希望波成分及び干渉波成分について図5,図6と式を用いて説明する。図5は、フレームフォーマットの例を示すフォーマット図であり、図6は、希望波成分ベクトルの平均化の様子を示す説明図である。
受信した信号には、図5に示すようにパイロットシンボルP1〜P4が周期的に挿入されていることにする。そして、パイロットシンボルP1〜P4における希望波成分ベクトルを図6に示すベクトルP1〜ベクトルP4であるとすると、平均化後の希望波成分ベクトルは、図6に示すベクトルRになる。
【0068】
また、希望波成分平均化部127で平均化された希望波成分ベクトルを、数式で表すと[数1]のように表される。
【0069】
【数1】
【0070】
そして、更に、希望波成分ベクトルに対してベクトル/スカラー変換部130においてベクトル/スカラー変換を行うと、その出力Sは、[数2]で表すことができる。
【0071】
【数2】
【0072】
一方、平均化後の希望波成分ベクトルRに対する平均前の希望波成分ベクトルP1〜P4の分散、すなわち干渉波成分ベクトルで表される干渉波成分Iは、干渉波成分電力化部131からの出力であり、数式で表すと[数3]のように表される。
【0073】
【数3】
【0074】
更に、干渉波成分は指数重み付け平均化部132において長区間にわたり平均化が行われ、複数の希望波/干渉波検出部9′において、各々希望波成分(S)、干渉波成分(I)を求めることができる。
【0075】
一方、受信機において受信した信号には、送信側の発振器と受信側の発振器の周波数誤差に起因する位相回転が含まれている。これを補正するために、複素乗算器126から出力されるあるシンボルにおける振幅位相変動量(希望波成分ベクトル)と、遅延器134で1シンボル時間遅延された前シンボルにおける振幅位相変動量(希望波成分ベクトル)とを複素乗算器135により複素乗算することにより、その差分を求め、1シンボル時間における位相回転量が周波数誤差ベクトルとして求められる。
以上が各希望波干渉波検出部9′における動作例である。
【0076】
次に、本発明の受信レベル測定回路における第2の希望波/干渉波成分出力部20の動作について、図3,図4を用いて説明する。
本発明の第2の希望波/干渉波成分出力部20では、第1の希望波/干渉波成分出力部20と同様に、受信機に入力された無線周波数帯機の受信信号が、RSSI検出部1で検出されたRSSI電圧を用いて、AGC部5にて利得制御が行われ、受信電力が一定になるように制御され、さらに直交検波部6において、発振器7からの搬送波によりベースバンドの同相、直交成分にダウンコンバートされ、A/D部8でディジタル信号に変換され、複数の希望波/干渉波検出部9′に並列に入力される。
【0077】
そして、上記説明したように、各希望波/干渉波検出部9′において、拡散符号毎に各々希望波成分(S)、干渉波成分(I)と、1シンボル時間における位相回転量が周波数誤差ベクトルとして求められる。
尚、DS−CDMA方式においては、マルチパスを逆拡散により分離することが可能なので、分離された遅延波をそれぞれ希望波/干渉波検出部9′に割り当ててやることにより、各パス毎の希望波成分(S)、干渉波成分(I)、周波数誤差ベクトルが求められる。
【0078】
そして、各希望波/干渉波検出部9′からの希望波成分(S)に関しては、加算器10で加算され、これにより分離された各パスの希望波成分の和が求められて、合成後の希望波成分を求めることができる。
【0079】
そして、第2の希望波/干渉波成分出力部20の特徴の1つとして、合成後の希望波成分は、送信側でパイロットシンボル部分にデータシンボル部分の電力に対して電力オフセット(パイロットゲイン)を加えて送信されている場合を考慮して、パイロットゲイン補正部41で送信側で加えられているパイロットゲイン分の補正が行われる。
【0080】
そして、更に第2の希望波/干渉波成分出力部20の特徴の2つ目として、パイロットゲイン分の補正後の合成された希望波成分に対して周波数誤差の補正が行われる。
具体的には、各希望波/干渉波検出部9′から出力される周波数誤差ベクトルが加算器50で加算され、合成後の周波数誤差ベクトルが求められ、更に周波数誤差平均化部51で長区間の平均化が行われて、フェージングによる位相回転の成分が消されて、固定的な周波数誤差による位相回転量として検出される。
【0081】
そして、平均化後の周波数誤差ベクトルに対してアークタンジェント演算部52でarctan演算が施されて周波数誤差(Hz)が求められ、周波数誤差補正テーブル53で周波数誤差に対応する補正値が求められる。
【0082】
ここで、周波数誤差補正テーブル53に具備されている補正テーブルについて、詳しく説明する。
まず、周波数誤差のない理想状態について考える。
希望波/干渉波検出部9′内部の希望波成分平均化部127における平均化後の希望波成分ベクトルをRとすると、
R(1、0)
である。
【0083】
それに対して、周波数誤差f、平均化するシンボル数Nとすると、i番目のシンボルの希望波成分ベクトルR′iは、次の式で表すことができる。
R′i=(I+jQ)×(Cos(2πft)+jSin(2πft))…(数4)
【0084】
よって、例えば、周波数誤差が200Hzあり、平均化シンボル数4、シンボルレート15kspsのとき、振幅方向の変動が無いと仮定すると、上式においてf=200、t=N×(1/15000)、I=1、Q=0とすると、それぞれの希望波成分ベクトルR′l、R′2、R′3、R′4は、
R′1(1、0)
R′2(0.996493、0.083678)
R′3(0.985996、0.166769)
R′4(0.968583、0.24869)
となる。
【0085】
よって上記4シンボル分の平均化後の希望波成分ベクトルR′は、[数2]から
R′(0.987768、0.124784)
となりその大きさは、
|R′|=0.995619
となって、周波数誤差が無い場合に対して0.995619倍の大きさとなる。
そこで、補正テーブルでは上記値を大きさ1に補正する値、すなわち
200Hzにおけるテーブル補正値=1/0.995619=1.004401
を周波数誤差200Hzに対する補正値として対応付けることができる。
【0086】
上記示したような形で、複数の周波数誤差についてあらかじめ補正値を求め、補正テーブルとして記憶しておく。
そして、周波数誤差補正テーブル53ではアークタンジェント演算部52からの周波数誤差に対応する補正値を周波数誤差補正部42に出力するようになっている。
【0087】
そして、周波数誤差補正テーブル53で周波数誤差に対応付けて求められた補正値が周波数誤差補正部42に出力され、周波数誤差補正部42でパイロットゲイン補正部41からの合成後の希望波成分ベクトルに補正値が乗算されて補正され、更に希望波成分電力化部11で補正後の希望波成分が電力化され、希望波成分(電力)として出力される。
【0088】
一方、干渉波成分(I)は、各パス毎の干渉波成分([数3])が、干渉成分平均化部13にて更に平均化され、干渉波成分(電力)として出力される。
これは、逆拡散により分離された各パスを合成する、いわゆるRAKE合成によって、希望波成分は合成され、また、干渉成分は各パス独立なので合成後は平均化されて抑圧されることを利用したものである。
【0089】
尚、上記説明した受信レベル測定回路に関して、DSP(Digital Signal Processor)にて実現可能である。
【0090】
本発明の実施の形態に係る受信レベル測定回路によれば、複数アンテナで受信した各受信信号に対して、各アンテナ系列として設けられた構成で各々の希望波レベルと干渉波レベルとを求め、各アンテナ系列で求められた希望波成分を希望波アンテナ合成部26で加算して合成し、受信機としての希望波受信レベルを出力し、また各アンテナ系列で求められた干渉波波成分を干渉波アンテナ合成部27で各アンテナ系列のSIR値を用いて重み付け合成し、受信機としての干渉波受信レベルを出力し、更に合成後の受信機としての希望波受信レベルと合成後の受信機としての干渉波受信レベルとを用いてSIRを求め、合成後の受信機としてのSIR値を出力するので、複数アンテナ(ブランチ)構成の受信機に対応できる効果がある。
【0091】
また、本発明の実施の形態に係る受信レベル測定回路によれば、複数アンテナで受信した各受信信号に対して、RSSI検出部1〜電圧/dB変換部4で無線周波数帯域でのRSSIを測定し、希望波/干渉波成分出力部20でベースバンド信号から希望波成分と干渉波成分とを分離してレベル検出し、希望波レベル補正部23で希望波レベルに対して、受信電界強度が帯域内雑音以下のレベルでは当該希望波レベルをそのまま用い、帯域内雑音以上のレベルでは、希望波レベルに無線部検出の受信電界強度を加える補正を施して希望波受信レベルとして出力するので、各アンテナ系列における希望波レベルの測定が、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで測定可能となり、精度の高い受信レベル測定回路を実現できる効果がある。
【0092】
また、本発明の受信レベル測定回路によれば、希望波レベル補正部23で上記のように帯域内雑音以上のレベルで、希望波レベルに無線部検出のRSSIを加えて補正し受信レベル測定結果とする場合、受信信号に希望波が存在しないにもかかわらず不適切な補正を行わないように、SIR測定部43で希望波電力対干渉波電力比(SIR)を求め、希望波レベル補正部12においてSIRを閾値としてRSSIを加算する補正を行うか否かを判断するので、希望波が存在しない場合の不適切な補正を回避して、希望波成分の測定精度を向上できる効果がある。
【0093】
また、本発明の実施の形態に係る受信レベル測定回路において、希望波/干渉波成分出力部20の第1の構成例では、受信信号を無線部RSSIを用いて利得制御され、直交検波部6でベースバンド信号に変換され、各拡散符号毎に希望波/干渉波検出部9で希望波及び干渉波が検出されて分離され、各々合成或いは平均化されるので、希望波レベル、干渉波レベルを別々に測定でき、受信波に含まれる不要な干渉波成分を除いた希望波成分のレベルを受信レベルとして取得することができ、より精度の高い希望波成分が求められる効果がある。
【0094】
また、各希望波/干渉波検出部9において、逆拡散によりマルチパスを分離し、分離された遅延波から各パス毎の希望波成分と干渉波成分を検出し、各希望波/干渉波検出部9で検出された希望波成分は加算器10で合成し、干渉波成分は、干渉成分平均化部13で平均化してしているので、逆拡散により分離された各パスを合成するいわゆるRAKE合成を行うことになり、希望波、干渉波共に精度の高い値が求められる効果がある。
【0095】
また、本発明の実施の形態に係る受信レベル測定回路において、希望波/干渉波成分出力部20の第2の構成例では、第1の構成例に加えて、送信側の発振器と受信側の発振器の周波数誤差に起因する位相回転を補正するために、各希望波/干渉波検出部9′において、シンボル間の位相回転量を周波数誤差ベクトルとして求め、予め記憶している周波数誤差に対応する補正値を用いて周波数誤差補正部42で希望波成分ベクトルを補正するので、希望波成分の測定精度を向上できる効果がある。
【0096】
更に、希望波/干渉波成分出力部20の第2の構成例では、各希望波/干渉波検出部9′で求めた周波数誤差ベクトルにはフェージング等の要因による位相回転量を含んでいるので、加算器50で各希望波/干渉波検出部9′からの周波数誤差ベクトルが合成された後に、周波数誤差平均化部51で長区間の平均化が行われ、フェージングによる位相回転の成分が消されて、固定的な周波数誤差による位相回転量として検出されるので、周波数誤差の補正精度が向上され、希望波成分の測定精度を向上できる効果がある。
【0097】
更に、希望波/干渉波成分出力部20の第2の構成例では、送信側で加えられたパイロットシンボル部分のオフセット(パイロットゲイン)を補正するために、パイロットゲイン補正部41で送信側で加えたパイロットゲインに応じて合成後の希望波成分を補正するので、パイロットシンボルを用いて測定した希望波受信レベルをよりデータシンボルの希望波受信レベルの近づけることができ、希望波受信レベルの精度を向上できる効果がある。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、アンテナ毎に、受信信号電界強度検出手段が、受信信号の電界強度を検出し、希望波/干渉波成分電力出力手段が、受信信号をベースバンド信号に変換し、希望波と干渉波とを検出して分離して、希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルを出力し、希望波電力対干渉波電力比測定手段が希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルとから希望波電力対干渉波電力比を求め、希望波レベル補正手段が、検出された電界強度が予め定められた特定値以下となった場合は、希望波電力のレベルを希望波受信レベルとして出力し、検出された電界強度が特定値を上回った場合は、希望波電力のレベルに検出された電界強度のレベルを加算する補正と、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行い、希望波受信レベルとして出力し、干渉波レベル補正手段が、干渉波電力のレベルに、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行って干渉波受信レベルとして出力し、希望波アンテナ合成手段が、アンテナ毎の希望波レベル補正手段から出力される希望波受信レベルを合成して合成後の希望波受信レベルを出力し、干渉波アンテナ合成手段がアンテナ毎の干渉波レベル補正手段から出力される干渉波受信レベルを、対応する各アンテナにおける希望波電力対干渉波電力比を用いて重み付け合成して合成後の干渉波受信レベルを出力し、合成後希望波電力対干渉波電力比測定手段が、合成後の希望波受信レベルと合成後の干渉波受信レベルとから合成後の希望波電力対干渉波電力比を求める受信レベル測定回路としているので、複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とすることができる効果がある。
【0099】
本発明によれば、希望波/干渉波成分電力出力手段において、直交検波手段が、受信信号を直交検波してベースバンド信号に変換し、希望波/干渉波検出手段が、直交検波されたベースバンドの受信信号から複数の希望波成分と複数の干渉波成分とを検出し、希望波成分電力化手段が、検出された複数の希望波成分を加算し電力化して希望波電力のレベルを出力し、干渉波成分平均化手段が検出された複数の干渉波成分を平均化して干渉波電力のレベルを出力する上記受信レベル測定回路としているので、複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とし、希望波、干渉波共に精度の高い値を求めることができる効果がある。
【0100】
本発明によれば、希望波/干渉波成分電力出力手段において、直交検波手段が、受信信号を直交検波してベースバンド信号に変換し、希望波/干渉波検出手段が、直交検波されたベースバンドの受信信号から複数の希望波成分と複数の干渉波成分と複数の周波数誤差ベクトルとを検出し、周波数誤差補正値取得手段が、予め周波数誤差に対応する補正値を記憶し、検出された複数の周波数誤差ベクトルを加算し平均化し単位変換した周波数誤差に対応する補正値を取得し、周波数誤差補正手段が、検出された複数の希望波成分を加算し、補正値を用いて希望波成分を補正し、希望波成分電力化手段が、補正された希望波成分を電力化し希望波電力のレベルを求め、干渉波成分平均化手段が、検出された複数の干渉波成分を平均化して干渉波電力のレベルを出力する上記受信レベル測定回路としているので、複数アンテナ(ブランチ)を有する受信機構成に対応し、受信機無線部の帯域内雑音以下のレベルまで受信レベルを測定可能とし、希望波、干渉波共に精度の高い値を求めることができ、更に送受信機に具備される発振器の周波数誤差に起因する位相回転の補正を施して希望波受信レベルの測定精度を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受信レベル測定回路の構成ブロック図である。
【図2】本発明の希望波/干渉波成分出力部の第1の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の希望波/干渉波成分出力部の第2の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の希望波/干渉波検出部の内部構成例を示すブロック図である。
【図5】フレームフォーマットの例を示すフォーマット図である。
【図6】希望波成分ベクトルの平均化の様子を示す説明図である。
【図7】従来の受信レベル測定回路の一構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…RSSI検出部、 2…A/D変換部、 3…RSSI平均化部、 4…電圧/dB変換部、 5…AGC部、 6…直交検波部、 7…発振器、 8…A/D部、 9,9′…希望波/干渉波検出部、 10…加算器、 11…希望波成分電力化部、13…干渉成分平均化部、 21…アンテナSIR測定部、 22…dB変換部、 23…希望波レベル補正部、 24…dB変換部、 25…干渉波レベル補正部、 26…希望波アンテナ合成部、 27…干渉波アンテナ合成部、 28…アンテナ合成後SIR測定部、 41…パイロットゲイン補正部、 42…周波数誤差補正部、 50…加算器、 51…周波数誤差平均化部、 52…アークタンジェント演算部、 53…周波数誤差補正テーブル、 121…符号生成部、 122…逆拡散部、 123…ディジタルAGC部、 124…振幅レベル検出部、 125…参照用パイロットシンボル生成部、 126…複素乗算器、 127…振幅位相変動量平均化部、 128…加算器、 129…ディジタルAGC補正部、 130…ベクトル/スカラー変換部、 131…干渉波成分電力化部、 132…指数重み付け平均化部
Claims (3)
- 複数アンテナで受信した受信信号の受信レベルを測定する受信レベル測定回路であって、
受信信号の電界強度を検出する受信信号電界強度検出手段と、
前記受信信号をベースバンド信号に変換し、希望波と干渉波とを検出して分離し、希望波電力のレベルと干渉波電力のレベルを出力する希望波/干渉波成分電力出力手段と、
前記希望波電力のレベルと前記干渉波電力のレベルとから希望波電力対干渉波電力比を求める希望波電力対干渉波電力比測定手段と、
前記検出された電界強度が予め定められた特定値以下となった場合は、前記希望波電力のレベルを希望波受信レベルとして出力し、前記検出された電界強度が前記特定値を上回った場合は、前記希望波電力のレベルに前記検出された電界強度のレベルを加算する補正と、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行い、希望波受信レベルとして出力する希望波レベル補正手段と、
前記干渉波電力のレベルに、拡散率と固定補正値とを用いた補正を行って干渉波受信レベルとして出力する干渉波レベル補正手段とをアンテナ毎に備え、
前記アンテナ毎の希望波レベル補正手段から出力される希望波受信レベルを合成して合成後の希望波受信レベルを出力する希望波アンテナ合成手段と、
前記アンテナ毎の干渉波レベル補正手段から出力される干渉波受信レベルを、対応する各アンテナにおける前記希望波電力対干渉波電力比を用いて重み付け合成して合成後の干渉波受信レベルを出力する干渉波アンテナ合成手段と、
前記合成後の希望波受信レベルと前記合成後の干渉波受信レベルとから合成後の希望波電力対干渉波電力比を求める合成後希望波電力対干渉波電力比測定手段とを有することを特徴とする受信レベル測定回路。 - 希望波/干渉波成分電力出力手段が、
受信信号を直交検波してベースバンド信号に変換する直交検波手段と、
前記直交検波されたベースバンドの受信信号から複数の希望波成分と複数の干渉波成分とを検出する希望波/干渉波検出手段と、
前記検出された複数の希望波成分を加算し電力化して希望波電力のレベルを出力する希望波成分電力化手段と、
前記検出された複数の干渉波成分を平均化して干渉波電力のレベルを出力する干渉波成分平均化手段とを有する希望波/干渉波成分電力出力手段であることを特徴とする請求項1記載の受信レベル測定回路。 - 希望波/干渉波成分電力出力手段が、
受信信号を直交検波してベースバンド信号に変換する直交検波手段と、
前記直交検波されたベースバンドの受信信号から複数の希望波成分と複数の干渉波成分と複数の周波数誤差ベクトルとを検出する希望波/干渉波検出手段と、
予め周波数誤差に対応する補正値を記憶し、前記検出された複数の周波数誤差ベクトルを加算し平均化し単位変換した周波数誤差に対応する補正値を取得する周波数誤差補正値取得手段と、
前記検出された複数の希望波成分を加算し、前記補正値を用いて希望波成分を補正する周波数誤差補正手段と、
前記補正された希望波成分を電力化し希望波電力のレベルを求める希望波成分電力化手段と、
前記検出された複数の干渉波成分を平均化して干渉波電力のレベルを出力する干渉波成分平均化手段とを有する希望波/干渉波成分電力出力手段であることを特徴とする請求項1記載の受信レベル測定回路。
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