JP4057313B2 - フラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法、端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法及びフラットケーブル受け金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器や自動車等の電気配線として使用されているフラットケーブルに接続端子のクリンプ片を突き刺す際に用いるフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法、クリンプ片が設けられた接続端子が接続された端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法及びフラットケーブル受け金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器や自動車等の電気配線に、図8に示すように、平行に並設された銅やアルミニュウム等の帯状導体よりなる例えば厚さが0.15mm,幅が1.5 mm〜3.0 mm程度の複数のフラット導体1が、ポリエチレンテレフタレートの如きプラスチックよりなるフラット絶縁被覆2で一括して被覆された構造のフラットケーブル3が用いられるようになってきている。
【0003】
このようなフラットケーブル3では、図9に示すように、雌形端子本体4に連接された端子板部5の幅方向の両側にクリンプ片6を立設した構造の接続端子7の各クリンプ片6をそのフラット導体1に対応する箇所で突き刺して、対応するフラット導体1と接続端子7との導通をとり、フラットケーブル3を突き抜けた各クリンプ片6の先端部を折曲げ加締めて端子接続部8を形成することが行われている。
【0004】
このような端子接続部8の形成は、図10に示すようなフラットケーブル受け金具9を用いて行われるようになっている。このフラットケーブル受け金具9は、フラットケーブル3の下面を受ける上面に、フラット導体1の幅内に収まるようにして1対のクリンプ片受け溝10を仕切り突起11の両側に設け、且つこれら1対のクリンプ片受け溝10から離してクリンプ片曲成加締め凹部12を設けた構造になっている。
【0005】
フラットケーブル3は、図10に示すようにフラット導体1が1対のクリンプ片受け溝10の上に存在するようにフラットケーブル受け金具9の上に載せ、かかる状態で接続端子7の各クリンプ片6がフラット導体1の上に存在するように位置決めする。かかる状態で、アンビル13をガイド部材14のガイドで下降させ、各クリンプ片6をフラット導体1の箇所でフラットケーブル3に突き刺す。
【0006】
これにより各クリンプ片6はフラット導体1の箇所でフラットケーブル3に突き刺されてフラット導体1と導通状態になると共に各クリンプ片6の先端部がフラットケーブル3の反対側に導出され、1対のクリンプ片受け溝10に嵌まり込む。
【0007】
しかる後、矢印Aで示すようにフラットケーブル受け金具9を下降させて各クリンプ片6の先端部を1対のクリンプ片受け溝10から抜き、次いでフラットケーブル受け金具9を矢印Bで示す方向に移動させ、各クリンプ片6の先端部がクリンプ片曲成加締め凹部12に対向する位置で停止し、かかる位置でフラットケーブル受け金具9を矢印Cで示すように上昇させ、各クリンプ片6の先端部を図11に示すようにクリンプ片曲成加締め凹部12で曲成して円弧状に加締める。
【0008】
このような端子接続部8を備えたフラットケーブルを製造する方法においては、前述したように、各クリンプ片6をフラットケーブル3に突き刺す工程と、その後にフラットケーブル3を突き抜けた各クリンプ片6の先端部を円弧状に曲成して加締める工程とに別れるが、各クリンプ片6をフラットケーブル3に突き刺した状態、即ち、突き刺されたクリンプ片6の側面にフラット導体1がどれだけ強く圧接されているかが、クリンプ片曲成加締め後のフラット導体1とクリンプ片6の電気的接触状態を決定することが実験的に確かめられている。
【0009】
一方、このようなクリンプ片6をフラットケーブル3に突き刺す工程では、この際に用いるクリンプ片受け溝10の構造によってクリンプ片6とフラット導体1との接触力が非常に弱いものが発生したり、クリンプ片6が座屈してしまうことがある。即ち、図10に示すクリンプ片6とクリンプ片受け溝10内で仕切り突起11で形成されている内壁10aとのギャップ寸法gが重要な設計要素となり、実際のクリンプ片受け溝10の設計では、使用されるフラットケーブル3に対して、クリンプ片6が座屈を起こすことなく、最も強くフラット導体1がクリンプ片6に圧接するギャップ寸法を実験的に調整して求めている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、これらの接続に用いられるフラットケーブルにおいては、フレキシブルフラットケーブル(以下、FFCと称する。)に代表されるように、フラット導体を被覆しているフラット絶縁被覆として、比較的硬く、反発性があり腰の強いポリエチレンテレフタレートフィルムのみが用いられてきたが、最近になって、より安価で、柔軟性を必要とする場所にも利用できるポリブチレンテレフタレートで押出し被覆されたフラットケーブルが使用されるようになってきている。このため、この種のフラットケーブルは、利用法にあった種々の絶縁材料で被覆されたものが今後登場してくることが予想されている。
【0011】
このように、フラットケーブルの絶縁材料が従来と異なってくると、その材料の機械的特性も異なってくるので、前述したクリンプ片6の突き刺し工程で、クリンプ片6とクリンプ片受け溝10の仕切り突起11で形成されている内壁10aとの間で圧縮を受けるフラットケーブル3の挙動特性が変化し、使用するフラットケーブル3の絶縁材料が異なるたびにそのための新しいクリンプ片受け溝10の寸法を長時間を要する実験的方法で求めなければならず、簡単な理論的寸法決定の手法が待たれている。
【0012】
本発明の目的は、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法の設計を容易に行えるフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法、端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法及びフラットケーブル受け金具を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で仕切り突起により形成されている内壁との間のギャップ寸法の設計を容易に行えるフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法、端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法及びフラットケーブル受け金具を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルをフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子に突設されたクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所でフラットケーブルに突き刺してクリンプ片とフラット導体との導通をとる際にフラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端を受け入れるために、フラットケーブル受け金具に設けられるクリンプ片受け溝を設計するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法を対象とする。
【0015】
本発明のフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法においては、材料が変更された新たなフラットケーブルに対して使用するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝を設計する際に、該新たなフラットケーブルに対して使用するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝内にクリンプ片が挿入された際の該クリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法を、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知のクリンプ片受け溝内に挿入されるクリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間の既知の適切なギャップ寸法から 、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定することを特徴とする。
【0016】
このようにすると、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめながら設計することなく、容易に行うことができる。
【0017】
請求項2に記載された発明は、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルをフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子の端子板部の幅方向の両側から突設された各クリンプ片をフラット導体に対応する箇所でフラットケーブルに突き刺してクリンプ片とフラット導体との導通をとる際に、フラットケーブルを突き抜けた端子板部の幅方向の両側のクリンプ片の先端をそれぞれ受け入れるためにフラットケーブル受け金具に設けられる1対のクリンプ片受け溝を設計するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法を対象とする。
【0018】
本発明に係るフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法においては、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルに対して使用するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝を設計する際に、該新たなフラットケーブルに対して使用されるフラットケーブル受け金具の各クリンプ片受け溝内に挿入されたクリンプ片と1対のクリンプ片受け溝の間を仕切る仕切り突起との間のギャップ寸法を、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知の各クリンプ片受け溝内に挿入されたクリンプ片と前記仕切り突起との間の既知の適正なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定する。
【0019】
このようにすると、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で仕切り突起により形成されている内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめながら設計することなく、容易に行うことができる。
【0020】
請求項3に記載された発明は、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルに、接続端子から突設されたクリンプ片をフラット導体に対応する箇所で突き刺してクリンプ片とフラット導体との導通をとる際に、フラットケーブルを受ける面と該フラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端部を受け入れるクリンプ片受け溝とを有するフラットケーブル受け金具を対象とする。
【0021】
本発明に係るフラットケーブル受け金具においては、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルを使用する際の、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法が、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知のクリンプ片受け溝内に挿入されるクリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間の既知の適切なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケ ーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定されている。
【0022】
このようなフラットケーブル受け金具によれば、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で一方の内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめながら設計することなく、容易に行うことができる。
【0023】
請求項4に記載された発明は、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルに、接続端子部の幅方向の両側から突設されたクリンプ片をフラット導体に対応する箇所で突き刺してクリンプ片とフラット導体との導通をとる際に、フラットケーブルを受けると共に該フラットケーブルを突き抜けた前記端子板部の幅方向の両側のクリンプ片の先端をそれぞれ受け入れる1対のクリンプ片受け溝を仕切り突起の両側に有するフラットケーブル受け金具を対象とする。
【0024】
本発明に係るフラットケーブル受け金具においては、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルを使用する際の、各クリンプ片受け溝内でのクリンプ片と仕切り突起の内壁との間のギャップ寸法が、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知の各クリンプ片受け溝内でのクリンプ片と仕切り突起の内壁との間の既知の適正なギャップ寸法から、或材料の絶縁被覆で覆われていて既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定されている。
【0025】
このようなフラットケーブル受け金具によれば、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で仕切り突起により形成されている内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめながら設計することなく、容易に行うことができる。
【0026】
請求項5に記載された発明は、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルをクリンプ片受け溝を有するフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子に突設されたクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で前記フラットケーブルに突き刺して、前記フラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端部を前記クリンプ片受け溝内に挿入することにより前記クリンプ片とフラット導体との導通をとり、前記フラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端部を前記クリンプ片受け溝から抜いた後、前記クリンプ片の先端部を折り曲げ加締めて端子接続部を形成する端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法を対象としたもので、この発明は、上記フラットケーブル受け金具として、請求項1に記載された方法でクリンプ片受け溝が設計されたフラットケーブル受け金具を用いることを特徴としている。
【0027】
本発明はまた、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを仕切り突起の両側に1対のクリンプ片受け溝を有するフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子の端子板部の幅方向の両側に突設された1対のクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で前記フラットケーブルに突き刺して、前記フラットケーブルを突き抜けた1対のクリンプ片の先端部をそれぞれ前記1対のクリンプ片受け溝内に挿入することにより各クリンプ片とフラット導体との導通をとり、前記フラットケーブルを突き抜けた1対のクリンプ片の先端部を前記1対のクリンプ片受け溝から抜いた後、前記1対のクリンプ片の先端部を折り曲げ加締めて端子接続部を形成する端子接続部を備えたフラット ケーブルの製造方法を対象とする。この発明は、フラットケーブル受け金具として、請求項2に記載された方法でクリンプ片受け溝が設計されたフラットケーブル受け金具を用いることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るフラットケーブル受け金具の実施の形態の一例を示した縦断面図である。
【0029】
本例のフラットケーブル受け金具9も、その上面に、1対のクリンプ片受け溝10を仕切り突起11の両側に有している。このフラットケーブル受け金具9の上に、図示しないがフラットケーブル3を、そのフラット導体1が1対のクリンプ片受け溝10の上に存在するようにして配置し、このフラットケーブル3のフラット導体1の上に接続端子7をその各クリンプ片6が下向きになるようにして配置し、かかる状態で図示しないアンビル13で接続端子7を押し下げてフラットケーブル3に各クリンプ片6を突き刺し、各クリンプ片6をフラット導体1に導通させる。
【0030】
この際に、クリンプ片受け溝10内のクリンプ片6と該クリンプ片受け溝10内の一方の内壁10aとの間のギャップ寸法g、即ちクリンプ片受け溝10内のクリンプ片6と該クリンプ片受け溝10内で仕切り突起11により形成されている内壁10aとの間のギャップ寸法gを適宜な値に設定しておくと、クリンプ片6に対するフラット導体1の圧接状態が良好に行われて、フラット導体1とクリンプ片6との導通を良好にとることができる。
【0031】
即ち、クリンプ片6の突き刺し時に図示しないフラット導体1が2つの内壁10a,10bに沿って引っ張られ、この時のクリンプ片6に対するフラット導体1の圧接状態は、内壁10bとクリンプ片6との間に発生する圧接力よりも、内壁10aとクリンプ片6との間に発生する圧接力の方が高く、クリンプ片受け溝10の入口に面する仕切り突起11のコーナ部Gで、フラット導体1がどれだけ強くクリンプ片6に圧接されているかが重要になる。内壁10aとクリンプ片6との間に発生する圧接力を、内壁10bとクリンプ片6との間に発生する圧接力よりも高くするのは、後工程でクリンプ片6を折曲げて加締める側となるからである。
【0032】
本発明では、仕切り突起11により形成されている内壁10aとクリンプ片6との間に発生する圧接力を決める、該内壁10aとクリンプ片6との間のギャップ寸法gを、フラット絶縁被覆2の物性によって調整する。
【0033】
図2及び図3は、フラットケーブル3のフラット絶縁被覆2の物性のうち、圧縮によって剛性状態に至るまでの圧縮弾性限界値を求める装置の概略正面図であって、フラット絶縁被覆2上に押し板15を載せ、上方から圧縮力をかけてその荷重の変化を計器16で測定する。フラット絶縁被覆2を構成する絶縁材料によっては、図2に示すように、厚さt1 の状態でほとんど圧縮されず剛性を保つものもあれば、図3に示すように、厚さt2 になるまで徐々に圧縮されて、厚さt2 の段階で剛性化するものもある。
【0034】
図4は、前述した絶縁材料による剛性化に至る違いを実際に測定したグラフであって、M1 は従来使用されていたFFCのフラット絶縁被覆2を構成するポリエチレンテレフタレートからなる材料の圧縮変位量と荷重の変化を表したもので、M2 は最近使用されているポリブチレンテレフタレートからなる材料の圧縮変位量と荷重の変化を表わしたものである。
【0035】
この図から明らかなように、材料M1 はほとんど圧縮することなく圧縮変位量が圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d1 に達しているが、材料M2 は柔らかいため、材料M 1 よりも更に圧縮されたときに圧縮弾性限界値d 2 に達して剛性化される。
【0036】
つまり、絶縁材料の剛性化状態でクリンプ片にフラット導体が押圧されれば、高い圧接状態を得ることができるが、絶縁材料の剛性化以前の状態でクリンプ片にフラット導体が押圧される状態では、圧縮代があるため、高い圧接状態を得ることができない。
【0037】
図5は、図1のコーナ部Gにおけるフラットケーブル3のクリンプ片6に対する接続状態を示す拡大図であり、厚さt1 で剛性に至るフラット絶縁被覆2を有するフラットケーブル3のクリンプ片6と内壁10aとの間の挙動を示した断面図である。クリンプ片6によって突き刺されたフラットケーブル3は、まず、その上部のフラット絶縁被覆部2aが伸び切れ、下部のフラット絶縁被覆部2bと共にフラット導体1がクリンプ片6の側面に圧接されて、クリンプ片6とフラット導体1が導通接続される。この場合、内壁10aとクリンプ片6との間で押圧される下部のフラット絶縁被覆部2bは、剛性状態の厚さt1 となっているので、フラット導体1はクリンプ片6に強く圧接され、内壁10aとクリンプ片6との間の寸法、即ちギャップ寸法g1 が適切な寸法となる。
【0038】
しかしながら、もし、このギャップ寸法g1 を有するクリンプ片受け溝10を利用して、厚さt2 で剛性をもつフラット絶縁被覆2を有するフラットケーブル3にクリンプ片6を突き刺した場合は、下部のフラット絶縁被覆部2bに圧縮代があるため、高い圧接力でフラット導体1をクリンプ片6に圧接することはできない。
【0039】
そこで、厚さt2 で剛性をもつフラット絶縁被覆2を有するフラットケーブル3に対しては、図6に示すように、厚さ(t1 −t2 )分だけ、内壁10aとクリンプ片6との間で差し引いたギャップ寸法g2 にすればよいことになる。
【0040】
このことを前記圧縮弾性限界値を用いて表現すると、図4において、予め実験的に既知である適切なギャップ寸法から、そのとき用いたフラットケーブル3のフラット絶縁被覆2の材料M1 の圧縮弾性限界値d1 と、新たに使用するフラットケーブル3のフラット絶縁被覆2の材料M2 の圧縮弾性限界値d2 との差分d 2 −d 1だけ差し引いたギャップ寸法を設定すればよいことになる。この事例とは反対に、予め分っている適性ギャップ寸法の時に使われるフラットケーブルの圧縮弾性限界値d 1より、新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の材料の圧縮弾性限界値d 2が小さい場合は、その差分d 1 −d 2を既知のギャップ寸法に加算してやる(即ち差分d 2 −d 1 を既知のギャップ寸法から差し引いてやる)ことで、フラットケーブルの座屈を起こすことなく、適切な圧接を得ることができる。
【0041】
図7は、この理論を用いて設計されたクリンプ片受け溝と従来使用されているクリンプ片受け溝を使用して接続したフラット導体と接続端子の接続部を、−30℃と+80℃の冷熱衝撃試験にかけた結果であって、Sはポリブチレンテレフタレートからなるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルに、FFC用に設計されたクリンプ片受け溝を使用してクリンプ片を突き刺し、接続したものを冷熱衝撃試験にかけた結果、Tは同様のポリブチレンテレフタレートからなるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルに、本発明によって圧縮弾性限界の違いを考慮して設計したクリンプ片受け溝を使用してクリンプ片を突き刺し、接続したものを冷熱衝撃試験にかけた結果である。この図7から判る通り、フラット絶縁被覆の圧縮弾性限界を考慮していない試料Sでは、フラット導体が十分な圧縮力を得ることができないため、試験初期段階で接触抵抗値が増加している。一方、圧縮弾性限界の絶縁材料の違いを考慮した試料Tでは、理屈通りの安定した接触抵抗値を示している。
【0042】
上記例では、接続端子はその端子板部の幅方向の両側からクリンプ片を突設したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、クリンプ片は接続端子の端子板部の幅方向の中間から突設されたものであってもよい。この場合には、フラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝は1つとなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明のフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法では、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルに対して使用する前記フラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝を設計する際に、新たなフラットケーブルに対して使用するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝内にクリンプ片が挿入された際の該クリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法を、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知のクリンプ片受け溝内に挿入されるクリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間の既知の適切なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定するので、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめることなく、容易に行うことができる。
【0044】
また、本発明に係るフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法では、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルに対して使用するフラットケーブル受け金具の前記クリンプ片受け溝を設計する際に、新たなフラットケーブルに対して使用されるフラットケーブル受け金具の各クリンプ片受け溝内に挿入されたクリンプ片と前記1対のクリンプ片受け溝の間を仕切る仕切り突起との間のギャップ寸法を、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知の各クリンプ片受け溝内に挿入されたクリンプ片と前記仕切り突起との間の既知の適正なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定するので、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で仕切り突起により形成されている内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめることなく、容易に行うことができる。
【0045】
また、本発明に係るフラットケーブル受け金具では、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルを使用する際の、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法が、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知のクリンプ片受け溝内に挿入されるクリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間の既知の適切なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定されるので、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で一方の内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめることなく、容易に行うことができる。
【0046】
さらに、本発明に係るフラットケーブル受け金具では、フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルを使用する際の、各クリンプ片受け溝内でのクリンプ片と仕切り突起の内壁との間のギャップ寸法が、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知の各クリンプ片受け溝内でのクリンプ片と仕切り突起の内壁との間の既知の適正なギャップ寸法から、或材料の絶縁被覆で覆われていて既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定されるので、従来とは異なるフラット絶縁被覆を有するフラットケーブルを用いる場合、クリンプ片受け溝内のクリンプ片とクリンプ片受け溝内で仕切り突起により形成されている内壁との間のギャップ寸法の設計を、長時間をかけて実験的に確かめることなく、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフラットケーブル受け金具の実施の形態の一例を示した縦断面図である。
【図2】 フラット絶縁被覆の圧縮によって剛性状態に至るまでの圧縮弾性限界値を求める装置で硬いフラット絶縁被覆を圧縮した状態を示す概略正面図である。
【図3】 フラット絶縁被覆の圧縮によって剛性状態に至るまでの圧縮弾性限界値を求める装置で柔らかいフラット絶縁被覆を圧縮した状態を示す概略正面図である。
【図4】 実際の絶縁材料の違いによる圧縮時の荷重変化の測定図である。
【図5】 図1のコーナ部Gにおけるフラットケーブルのクリンプ片に対する接続状態を示す拡大図である。
【図6】 図1のコーナ部Gにおける異なるフラットケーブルのクリンプ片に対する接続状態を示す拡大図である。
【図7】 本発明の理論を用いて設計されたクリンプ片受け溝と従来のクリンプ片受け溝を使用して接続したフラット導体と接続端子の接続部の冷熱衝撃試験結果を示す比較図である。
【図8】 フラットケーブルに接続端子を接続する前の状態を示す斜視図である。
【図9】 フラットケーブルに接続端子を接続した後の状態を示す斜視図である。
【図10】 フラットケーブルに接続端子のクリンプ片を突き刺して接続する状態を示す接続装置の縦断面図である。
【図11】 フラットケーブルに接続端子のクリンプ片を接続した状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 フラット導体
2 フラット絶縁被覆
3 フラットケーブル
4 雌形端子本体
5 端子板部
6 クリンプ片
7 接続端子
8 端子接続部
9 フラットケーブル受け金具
10 クリンプ片受け溝
11 仕切り突起
12 クリンプ片曲成加締め凹部
13 アンビル
14 ガイド部材
15 押し板
16 計器
Claims (6)
- フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルをフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子に突設されたクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で前記フラットケーブルに突き刺して前記クリンプ片とフラット導体との導通をとる際に前記フラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端を受け入れるために、前記フラットケーブル受け金具に設けられるクリンプ片受け溝を設計するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法において、
フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルに対して使用する前記フラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝を設計する際に、該新たなフラットケーブルに対して使用するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝内に前記クリンプ片が挿入された際の該クリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法を、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片と前記フラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知のクリンプ片受け溝内に挿入されるクリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間の既知の適切なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定することを特徴とするフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法。 - フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルをフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子の端子板部の幅方向の両側から突設された各クリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で前記フラットケーブルに突き刺して前記クリンプ片とフラット導体との導通をとる際に、前記フラットケーブルを突き抜けた前記端子板部の幅方向の両側のクリンプ片の先端をそれぞれ受け入れるために前記フラットケーブル受け金具に設けられる1対のクリンプ片受け溝を設計するフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法であって、
フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルに対して使用する前記フラットケーブル受け金具の前記クリンプ片受け溝を設計する際に、該新たなフラットケーブルに対して使用されるフラットケーブル受け金具の各クリンプ片受け溝内に挿入されたクリンプ片と前記1対のクリンプ片受け溝の間を仕切る仕切り突起との間のギャップ寸法を、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知の各クリンプ片受け溝内に挿入されたクリンプ片と前記仕切り突起との間の既知の適正なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定することを特徴とするフラットケーブル受け金具のクリンプ片受け溝の設計方法。 - フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルに、接続端子から突設されたクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で突き刺して前記クリンプ片とフラット導体との導通をとる際に、前記フラットケーブルを受ける面と該フラットケーブルを突き抜けた前記クリンプ片の先端部を受け入れるクリンプ片受け溝とを有するフラットケーブル受け金具において、
前記フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルを使用する際の、前記クリンプ片受け溝内の前記クリンプ片と前記クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間のギャップ寸法は、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせる ように設計された既知のクリンプ片受け溝内に挿入されるクリンプ片と該クリンプ片受け溝内の一方の内壁との間の既知の適切なギャップ寸法から、該既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル受け金具。 - フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルに、接続端子部の幅方向の両側から突設されたクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で突き刺して前記クリンプ片とフラット導体との導通をとる際に、前記フラットケーブルを受けると共に該フラットケーブルを突き抜けた前記端子板部の幅方向の両側のクリンプ片の先端をそれぞれ受け入れる1対のクリンプ片受け溝を仕切り突起の両側に有するフラットケーブル受け金具において、
前記フラット絶縁被覆の絶縁材料が変更された新たなフラットケーブルを使用する際の、各クリンプ片受け溝内での前記クリンプ片と前記仕切り突起の内壁との間のギャップ寸法は、或る材料のフラット絶縁被覆で覆われて既に使用されているフラットケーブルに突き刺されたクリンプ片とフラット導体との間に最適な圧接力を生じさせるように設計された既知の各クリンプ片受け溝内でのクリンプ片と前記仕切り突起の内壁との間の既知の適正なギャップ寸法から、或材料の絶縁被覆で覆われていて既に使用されているフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値(圧縮により絶縁被覆が剛性状態に至るまでの圧縮変位量)d 1 と新たに使用するフラットケーブルのフラット絶縁被覆の圧縮弾性限界値d 2 との差分d 2 −d 1 を差し引いた値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル受け金具。 - フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルをクリンプ片受け溝を有するフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子に突設されたクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で前記フラットケーブルに突き刺して、前記フラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端部を前記クリンプ片受け溝内に挿入することにより前記クリンプ片とフラット導体との導通をとり、前記フラットケーブルを突き抜けたクリンプ片の先端部を前記クリンプ片受け溝から抜いた後、前記クリンプ片の先端部を折り曲げ加締めて端子接続部を形成する端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法において、
前記フラットケーブル受け金具として、請求項1に記載された方法でクリンプ片受け溝が設計されたフラットケーブル受け金具を用いることを特徴とする端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法。 - フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを仕切り突起の両側に1対のクリンプ片受け溝を有するフラットケーブル受け金具で受けた状態で、接続端子の端子板部の幅方向の両側に突設された1対のクリンプ片を前記フラット導体に対応する箇所で前記フラットケーブルに突き刺して、前記フラットケーブルを突き抜けた1対のクリンプ片の先端部をそれぞれ前記1対のクリンプ片受け溝内に挿入することにより各クリンプ片とフラット導体との導通をとり、前記フラットケーブルを突き抜けた1対のクリンプ片の先端部を前記1対のクリンプ片受け溝から抜いた後、前記1対のクリンプ片の先端部を折り曲げ加締めて端子接続部を形成する端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法において、
前記フラットケーブル受け金具として、請求項2に記載された方法でクリンプ片受け溝が設計されたフラットケーブル受け金具を用いることを特徴とする端子接続部を備えたフラットケーブルの製造方法。
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