JP4057101B2 - 合成樹脂等真空含浸方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は合成樹脂真空含浸方法であって、超音波を作用させることによって多孔質体の各種の特性を向上させる合成樹脂等真空含浸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、径1μm乃至0.1μmの気孔で気孔率12乃至20%の多孔質体に合成樹脂を減圧中で含浸させることは行われていた。またこの合成樹脂の含浸を効果的にするため、真空度を10-2mmHg以上に高くしたり、合成樹脂の液温度を60°乃至100°C程度の高温にしたり、また逆に合成樹脂を加圧したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれでは微細の多孔質体には合成樹脂が入り難く、含浸時間が長くなったり、高温にするため装置が大型且つ精密になり、またエネルギー量が多くなったりした。
また上記条件をそなえてもセラミック等の多孔質体には合成樹脂が完全に内部まで含浸せず、均一含浸性が劣る結果、素材の物性向上が不足した。
【0004】
例えば、超微粒子の素材を含む、細密の多孔質体は合成樹脂が入りずらく、そのため従来は合成樹脂の液温度を高温にしたり、又真空減圧を10-2mmHg以上にしたりする含浸方法がとられていたが、含浸時間が長くかかったり、装置が大型且つ精密であることが要求されたり、又、高温にするためにエネルギー量が多かったりし、経済的にも大変な場合が多い。又、上記条件を備えても、セラミック等の密度の高い多孔質体は合成樹脂が完全に内部まで含浸せず、均一含浸性が劣る結果、素材の物質向上には不足していた。
【0005】
一方、木材等の材料には合成樹脂、特にエポキシ樹脂、フェノール、アクリル樹脂、尿素樹脂等を含浸し、含浸した材料を焼成して、カーボンの均一性の多孔質体カーボンセラミックスとする焼成形ウッドセラミックス(特開平4─164,806号参照)が提案されているが、これらの含浸目的は木材の物性向上を目的とする為のものではなく、あくまでウッドセラミックスの製品化を目的とするもので、含浸する樹脂は低粘度で耐熱性は必要とせず、又、樹脂自体が被含浸体に存在することを必要としないものである。
【0006】
他方、セラミックやカーボン板や電磁コイル等の含浸には真空中で合成樹脂等を温度をかけて含浸する方法が一般的に行われており、合成樹脂が低粘度液状体ならば問題なく含浸するが、高粘度の合成樹脂で真空中にてガスの発生の少ない合成樹脂を含浸する場合には均一に含浸せず、かつ、含浸した後の製品が、高真空下にて使用される場合は、合成樹脂より発生するガス等により使用できない場合が多い。
【0007】
また、従来の含浸方法は、加圧含浸か減圧含浸かが主体であり、この方法は電磁コイルやセラミック、カーボン成形体その他の多孔質を一定の温度下におき、減圧又は加圧中にて合成樹脂等を含浸させる方法であるが、この方法では多孔質でも密度の低い物質には含浸が可能であるが、細密微小気孔体については内部まで均一に含浸することは不可能であり、高真空にすれば含浸は可能であるが、含浸する合成樹脂が揮発してしまうため実用的には不可能である。
【0008】
そこで、本発明は細密微小気孔自身の機械的強度の向上、加工性の向上、耐摩耗性の向上、気孔の封密性等の複合的機能の向上を目的とする合成樹脂等真空含浸方法を提案するものである。
本発明者は、以上のような問題を解決するため誠意研究した結果、一定条件下にて、被含浸体を超音波をかけながら含浸することにより均一の含浸体の成形ができることを発見した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は多孔質体1を10-1乃至10-6mmHg好ましくは10-1乃至10-5mmHgの真空雰囲気中で空気を抜いて合成樹脂2内に浸漬し、この多孔質体1に周波数10kHz乃至300kHz好ましくは20kHz乃至100kHz,出力10w乃至100Kw好ましくは30w乃至30Kwの超音波を作用させつつ多孔質体1に合成樹脂2を含浸させることを特徴とする合成樹脂等真空含浸方法である。
また、上記多孔質体1と合成樹脂2は0°乃至300°Cの範囲で予熱しておくことを特徴とする。
【0010】
【作用】
含浸させる合成樹脂2は超音波で振動するため、多孔質体1に対して細部迄合成樹脂2が入り込む。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1示のように多孔質体1を真空機械10内に入れて10-1乃至10-6mmHg好ましくは10-1乃至10-5mmHgの真空雰囲気中で空気を抜く。なお図中11は真空ポンプ、12はヒーターである。
次に多孔質体1を合成樹脂2の容器13内に浸漬し、この多孔質体1に超音波発生装置14からの周波数10kHz乃至300kHz好ましくは20kHz乃至100kHz,出力10w乃至100Kw好ましくは30w乃至30Kwの超音波を作用させつつ多孔質体1に合成樹脂2を含浸させる。
【0012】
上記多孔質体1としては径1μm乃至0.1μmの細密微小気孔が気孔率12乃至20%と高密度にある多孔質体で、セラミック、カーボン成形品、天然石、コンクリート、焼結金属、合金、繊維集合体、人工骨、合板、アルミダイキャスト、鋳物、石膏ボード、無機質の焼き物等である。
【0013】
上記合成樹脂2としては、具体的にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、カプロラクタム樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂の単体又は複合体、さらに、ナイロン、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール、熱可塑性アクリル樹脂、アルキミド樹脂等の熱可塑性樹脂の単体又は複合体、さらには、水ガラスやシリカ水溶液、シラン素オリゴマーやポリシロキサン化合物等まで含浸作用が出来る形状の物質等で、含浸しずらい物質をも含む。
【0014】
本発明はかかる方法よりなるものであるから、含浸させる合成樹脂2は超音波で振動するため、減圧中で効率よく含浸し、多孔質体1に対して細部迄合成樹脂2が入り込む。図2は多孔質体1がセラミックの場合の含浸体の断面図を本発明と従来とで比較して示す。図2イ示のように本発明においては合成樹脂2は多孔質体1に対して完全且つ均一に入り込み、図2ロ示の従来のように多孔質体1に含浸されてない部分15が発生することがない。
上記の方法でセラミック、陶器、カーボン成形体、コンクリート、焼結金属、合金等の細密微少気孔の多孔質体1に均一にかつ内部まで合成樹脂を含浸できることが判明した。
【0015】
【実施例】
以下比較例1,2,3とそれに対応する本発明の実施例1,2,3を説明する。
(比較例1)
セラミック 100×100×10mmとポリイミド樹脂を80℃雰囲気中で温めた後、真空炉の中にポリイミド樹脂を容器に入れセラミックをその中に入れ、真空炉を60℃に保ち、10-4mmHgまで減圧を40分かけた。
(比較例2)
焼結金属 50×50×50mmとエポキシ樹脂を105℃雰囲気中で温めた後、真空炉の中にエポキシ樹脂を容器に入れセラミックをその中に入れ真空炉を95℃に保ち10-4mmHgまで減圧を15分かけた。
(比較例3)
セラミック 80×80×10mmとフェノール樹脂を100℃雰囲気中で温めた後、真空炉の中にフェノール樹脂を容器に入れセラミックをその中に入れ、真空炉を100℃に保ち、10-5mmHgまで減圧を40分かけた。
【0016】
(実施例1)
セラミック 100×100×10mmとポリイミド樹脂を65℃雰囲気中で温めた後、真空炉の中にポリイミド樹脂を容器に入れセラミックをその中に入れ、真空炉を40℃に保ち、10-3mmHgまで減圧をしながら超音波を15分かけた。
(実施例2)
焼結金属 50×50×50mmとエポキシ樹脂を70℃雰囲気中で温めた後、真空炉の中にエポキシ樹脂を容器に入れセラミックをその中に入れ真空炉を65℃に保ち10-3mmHgまで減圧をしながら超音波を15分かけた。
(実施例3)
セラミック 80×80×10mmとフェノール樹脂を80℃雰囲気中で温めた後、真空炉の中にフェノール樹脂を容器に入れセラミックをその中に入れ、真空炉を75℃に保ち、10-3mmHgまで減圧をしながら超音波を15分かけた。
【0017】
以上の結果を表に示すと下表1の通りである。
【表1】
【0018】
以上のように比較例1,2,3は超音波はかけず、実施例1,2,3は超音波をかけた。
比較例1,2,3で得た多孔質体1すなわち被含浸体の含浸率を調べたところ、実施例1,2のセラミック、焼結金属の含浸率は温度,圧力が低いにも拘らず、比較例1,2のセラミック、焼結金属のそれよりアップしている。また、含浸時間も短縮している。
また、比較例3,実施例3とでは、比較例3の合成樹脂は真空率が高い為、ガス化してしまい含浸不可能だったが、実施例3ではうまくいった。
さらに、減圧中にて超音波をかけることにより含浸体が効率よく含浸し短時間で細部まで含浸できることが判明した。
また合成樹脂等は低温より高温の方が低粘度のため、0℃〜300℃,出来れば50℃〜180℃前後の温度下で含浸することがさらに含浸向上につながることが判明した。
本発明は超音波と減圧化、雰囲気温度の組合せにより、より高付加材料、低コスト、短時間で、セラミック,天然石,石膏,カーボン成形体等の細密微少気孔体に合成樹脂等、簡単に含浸することによってこれらの細密微少気孔体の加工性、機械的強度、気密性等が加わった高機能性材料体を作ることが出来た。
【0019】
以上の表から明らかなように、本発明は減圧、温度、超音波をかけることにより従来の含浸より効率よく含浸し、含浸率が向上することがわかった。又、含浸時間が短縮し、温度が低くて含浸できる。又、合成性樹脂などの高分子はあまり真空率を上げて行くと分解してしまうが、本発明の方法だと真空率を下げられるため有効である。
【0020】
又、この本発明方法で作った素材は、より均一に細部にわたり含浸されている為に、気密性に富んだり、機械加工がし易く、例えばセラミックの穴加工が2.0φから0.2φに可能だったり、落下による衝撃がたとえば高さ1mで割れたものが割れなかったりする。このようなことから切削コストの低減、割れ、欠け等の製品の不良削減、摩擦低減など本発明の工業的価値は大きい。
【0021】
以上説明したように、本発明は多孔質体1、その中でも細密微少気孔体等に効率よく合成樹脂2を含浸させるため、上記のような合成樹脂が含浸しずらい物質でも、ある一定の雰囲気温度中で減圧中で超音波をかけることにより均一に含浸を施され、それにより含浸された多孔質体などの機械的強度向上、機械的加工性向上等が得られる。
【0022】
(比較例4)
ワラストナイト50×50×10mmとポリイミド樹脂を110℃雰囲気中で暖めた後、ワラストナイトを真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら40分間減圧を行った。
(比較例5)
窒化アルミニウム80×80×15mmとポリイミド樹脂を80℃雰囲気中で暖めた後、窒化アルミニウムを真空炉の中の容器に入れ、10-5mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ち40分間減圧を行った。
(比較例6)
フェライト外径30φ内径20φ厚さ5mmとポリイミド樹脂を120℃雰囲気中で暖めた後、フェライトを真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ち40分間減圧を行った。
【0023】
(実施例4)
ワラストナイト50×50×10mmとポリイミド樹脂を100℃雰囲気中で暖めた後、ワラストナイトを真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
(実施例5)
窒化アルミニウム80×80×15mmとポリイミド樹脂を80℃雰囲気中で暖めた後、窒化アルミニウムを真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
(実施例6)
フェライト外径30φ内径20φ厚さ5mmとポリイミド樹脂を110℃雰囲気中で暖めた後、フェライトを真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
【0024】
以上の結果を表に示すと下表2の通りである。
【表2】
【0025】
比較例4,5,6は超音波をかけず、実施例4,5,6は超音波60kHz をかけた。比較例4,5,6の含浸率より実施例4,5,6の超音波60kHz をかけたほうが含浸率が上がっている。また、比較例4,5,6と実施例4,5,6とを比べると、超音波をかけたほうが予熱を低めにでき、なおかつ減圧を低く出来た。
【0026】
(比較例7)
カーボン成形体120×120×5mmとポリイミド樹脂を95℃雰囲気中で暖めた後、カーボン成形体を真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら40分間減圧を行った。
(比較例8)
C.Cコンポジット150×150×10mmとポリイミド樹脂を95℃雰囲気中で暖めた後、C.Cコンポジットを真空炉の中の容器に入れ、10-5mmHgまで40分間減圧を行った。
(比較例9)
アルミナ80×80×15mmとポリイミド樹脂を85℃雰囲気中で暖めた後、アルミナを真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら40分間行った。
【0027】
(実施例7)
カーボン成形体120×120×5mmとポリイミド樹脂を85℃雰囲気中で暖めた後、カーボン成形体を真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
(実施例8)
C.Cコンポジット150×150×10mmとポリイミド樹脂を85℃雰囲気中で暖めた後、C.Cコンポジットを真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
(実施例9)
アルミナ80×80×15mmとポリイミド樹脂を75℃雰囲気中で暖めた後、アルミナを真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を95℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
【0028】
以上の結果を表に示すと下表3の通りである。
【表3】
【0029】
比較例7,8,9は超音波をかけず、実施例7,8,9は超音波60kHz をかけた。比較例7,8,9の各々の含浸率より実施例7,8,9の超音波60kHz をかけたほうが含浸率が上がっている。また、比較例7,8,9と実施例7,8,9とを比べると、超音波をかけたほうが予熱を低めにでき、なおかつ減圧を低く出来た。比較例8,9と実施例8,9とでは、超音波をかけた方がほぼ気孔率に比例した含浸率になっている。
【0030】
(比較例10)
窒化ケイ素80×80×15mmとポリイミド樹脂を95℃雰囲気中で暖めた後、窒化ケイ素を真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を105℃に保ちながら40分間減圧を行った。
(比較例11)
窒化ホウ素80×80×15mmとポリイミド樹脂を95℃雰囲気中で暖めた後、窒化ホウ素を真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を105℃に保ちながら40分間減圧を行った。
(比較例12)
炭化ケイ素80×80×15mmとポリイミド樹脂を95℃雰囲気中で暖めた後、炭化ケイ素を真空炉の中の容器に入れ、10-4mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を105℃に保ちながら40分間減圧を行った。
【0031】
(実施例10)
窒化ケイ素80×80×15mmとポリイミド樹脂を85℃雰囲気中で暖めた後、窒化ケイ素を真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を105℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
(実施例11)
窒化ホウ素80×80×15mmとポリイミド樹脂を85℃雰囲気中で暖めた後、窒化ホウ素を真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を105℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
(実施例12)
窒化ケイ素80×80×15mmとポリイミド樹脂を85℃雰囲気中で暖めた後、窒化ケイ素を真空炉の中の容器に入れ、10-3mmHgまで減圧をしながらポリイミド樹脂をそこに注入し、真空炉を105℃に保ちながら超音波60kHz を15分かけた。
【0032】
以上の結果を表に示すと下表4の通りである。
【表4】
【0033】
比較例10,11,12は超音波をかけず、実施例10,11,12は超音波60kHz をかけた。比較例10,11,12の各々の含浸率より実施例10,11,12の超音波60kHz をかけたほうが含浸率が上がっている。また、比較例10,11,12と実施例10,11,12とを比べると、超音波をかけたほうが予熱を低めにでき、なおかつ減圧を低く出来た。
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、減圧,温度,超音波をかけることにより従来の含浸より含浸率が向上することがわかった。また、C.Cコンポジットや有気孔のアルミナはほぼ気孔率に比例して含浸されていた。又、超音波をかけることによって、含浸時間が短縮でき、温度が低くても含浸できる。又、合成性樹脂などの高分子はあまり真空率を上げていくと分解してしまうので、この方法だと真空率を下げられるため有効である。この工程で作った素材は、より均一に細部にわたり含浸されている為に、気密性に富んだり、機械加工がし易く、例えばセラミックの穴加工が2.0φから0.2φに可能だったり、落下による衝撃がたとえば高さ1mで割れたものが割れなかったりする。このようなことから、切削コストの低減、割れ、欠け等の製品の不良削減、摩擦低減が可能となり、本発明の工業的価値は大きい。
また、ポリイミド樹脂を超音波含浸をすることにより、ポリイミド樹脂の特性を生かした複合材などがより確実に製作出来る。たとえば、窒化アルミなどに含浸した場合、対放射線性が良くなる。またポリイミド樹脂は耐熱性を向上させる。したがってこれを窒化アルミニウム(実施例5)、窒化ホウ素(実施例11)に含浸させると、真空放射部品,IC基板,配線基材等の放熱性の良い回路基板、パワートランジスタの放熱板等に好適な素材を提供できるものである。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、含浸させる合成樹脂2は超音波で振動するため、多孔質体1に対して細部迄合成樹脂2が入り込み、小型の装置で短時間で、均一に含浸出来、含浸素材の物性を向上させることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を行う装置の一実施の形態の概略を示す説明図である。
【図2】(イ)は本発明による合成樹脂真空含浸体、(ロ)は従来の合成樹脂真空含浸体を比較して示す断面図である。
【符号の説明】
1 多孔質体
2 合成樹脂
10 真空機械
11 真空ポンプ
12 ヒーター
13 容器
Claims (3)
- 多孔質体(1)を10-1乃至10-6mmHgの真空雰囲気中で空気を抜いて合成樹脂(2)内に浸漬し、この多孔質体(1)に周波数10kHz乃至300kHz,出力10w乃至100Kwの超音波を作用させつつ多孔質体(1)に合成樹脂(2)を含浸させることを特徴とする合成樹脂等真空含浸方法。
- 上記多孔質体(1)は0°乃至300°Cの範囲で予熱しておく請求項1記載の合成樹脂等真空含浸方法。
- 上記合成樹脂(2)は0°乃至300°Cの範囲で予熱しておく請求項1記載の合成樹脂等真空含浸方法。
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