JP4056610B2 - 液晶表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下基板と上基板の二枚の基板の間に、液晶と透明固形物との混合液晶層を有する液晶表示パネルを利用し、透過度と散乱度を混合液晶層に印加する電圧により制御を行う散乱型液晶表示パネルに関するものである。また、液晶表示パネルにおいて、同一液晶表示パネル内で散乱度の異なる領域を複数個設ける物である。さらに、混合液晶層への紫外線の照射を複数回実施することにより、信号電極と対向電極の交点以外の部分も透過状態を可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶層に透明固形物と液晶の混合材料(混合液晶層)を利用するものとしては、、液晶表示パネルでは、投写型液晶表示装置、反射型液晶表示装置の開発が行われている。下基板と上基板の二枚の基板の間に混合液晶層を注入し、紫外線を照射する方法により、混合液晶層内に透明固形物を形成する場合には、電圧無印加時に散乱性を有する場合が良く知られている。また、材料の開発も盛んである。
【0003】
液晶表示パネルと液晶表示パネルを時計装置に利用する場合の従来技術を図面に基づいて説明を行う。図16は、時計装置の平面模式図であり、図17は、図16のA−A線における液晶表示パネル部分の断面模式図である。以下、図16と図17とを用いて混合液晶層を有する液晶表示パネルを時計装置に利用する従来技術を説明する。
【0004】
液晶表示パネルの下側に使用する下基板1の上面には、透明導電膜からなるセグメント型の信号電極2を設ける。下基板1と所定の間隙を設けて配置する上基板6上には、信号電極2と相互に重なり合う透明導電膜からなる対向電極7を設ける。また、下基板1上の信号電極2を上基板6上に電気的に配置転換するための接続電極8を有する。下基板1上の信号電極2は、シール材13に含む導電性ビーズ12を介して、上基板6上の接続電極8へ電気的に接続する。下基板1と上基板6は、所定の間隙を設けてシール材13により貼りあわせ、液晶と透明固形物との混合液晶層11を封入している。
【0005】
透明固形物は、混合液晶層11に有機モノマーを溶解しておき、下基板1と上基板6との間隙に注入を行った後に、紫外線を照射して形成する。表示は、液晶の光学的屈折率の異方性を利用し、液晶と透明固形物との光学的屈折率がほぼ等しい場合には、透明となり、異なるに従い、散乱度が増加する。実際は、混合液晶層11の両端の信号電極2と対向電極7に所定の信号を印加し、液晶の光学的屈折率を制御することにより、目的の表示を行う。
【0006】
さらに、前述の構造の液晶表示パネルを、時計ケース31と裏蓋(図示せず)と風防ガラスの内部に収納する。前記液晶表示パネルの裏蓋側(下側)には、下基板1と所定の間隙を介して設ける反射板(図示せず)と、さらに回路基板(図示せず)と回路および混合液晶層11を駆動するための電池(図示せず)を配置する。
【0007】
また、液晶表示パネルへ所定の電圧を印加するための接続は、導電性材料と絶縁性材料を積層するゼブラゴムによって行い、上基板6上の接続電極8と対向電極7に接続している。また、下基板1と反射板とのあいだには、外部光源(図示せず:主光源)が暗い場合に点灯する補助光源である発光ダイオード(LED)を有する。混合液晶層11が散乱性であることと、小面積液晶表示パネルであるため、鏡面の反射板を使用しても、均一な照明を得ることができる。
【0008】
さらに、上基板6上には、シール材13を遮蔽する見切り板37を設ける。また、液晶表示パネルとゼブラゴムの保持にパネル押え(図示せず)を有し、補助光源と回路基板と電池を保持するために、裏押え(図示せず)を有する。
【0009】
また、デジタル表示の内容は、午前と午後表示部41と、時表示部42と分表示部43を有し、時計装置には、時刻合わせや、表示内容の切り替えや、ブザーの停止用の調整ボタン45を有する。また、上基板6上には、混合液晶層11への380ナノメートル(nm)より短波長の紫外光が入射することを防止するために、紫外線カットフィルム21を有する。
【0010】
従来技術における混合液晶層11の材料としては、たとえば、大日本インキ製のPNL−156がある。PNL−156は、相分離温度以上の温度で、下基板と上基板との間隙に注入し、さらに、相分離温度より2℃ほど高い温度にて、紫外線を照射する。混合液晶層の透明固形物は、アクリル系の高分子からなり、電圧無印加時には、散乱状態となる。この状況を図17に示してあり、表示部(破線)7とその間隙7とは同一の散乱状態となっている。
【0011】
電圧無印加時に透過状態とする場合には、従来技術では、下基板1と上基板6上に配向膜を形成して、混合液晶層内の液晶を配向する方法があるが、電圧印加時の散乱度が充分ではない。また、液晶として分極がN型のものを利用し、さらに、配向膜には、垂直配向性を有するものを利用した場合にも、電圧印加時の散乱度が不充分となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、従来技術に示すアクリル系の透明固形物を利用し、電圧無印加時に相当する散乱度の維持と、電圧印加時に相当する透過度を達成することが重要となる。
【0013】
さらに、セグメント型の場合のように、混合液晶層の上下に電極を設けていない部分を電圧無印加時に透明とすることが、液晶表示装置が液晶表示パネルの下地に設ける情報を液晶表示パネルを透過し認識する場合には、求められている。たとえば、写真撮影用カメラのファインダー用の表示、時計装置の風防ガラスの表示等である。
【0014】
さらに、液晶表示パネルの裏面太陽電池装置を配置する場合には、液晶表示パネルの表示を行っていない場合に低消費電力にて、できるだけ大きな面積を透過状態とし、太陽電池装置の発電効率を大きくすることが重要となる。すなわち、混合液晶層へ電圧無印加時に透明であることが重要となる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液晶表示パネルにおいては、下記記載の構成、および製造方法を採用する。
【0016】
本発明の液晶表示パネルは、下基板上に設ける信号電極と、上基板上に設ける対向電極と、下基板と上基板との間に液晶と透明固形物との混合液晶層を有し、前記混合液晶層に電圧を印加することにより、透明固形物に対する液晶の光学屈折率変化により、散乱度と透過度の制御を行う液晶表示パネルにおいて、電圧無印加時の散乱度が異なる領域を複数有することを特徴とする。
【0017】
本発明の液晶表示パネルは、下基板上に設ける信号電極と、上基板上に設ける対向電極と、下基板と上基板との間に液晶と透明固形物との混合液晶層を有し、前記混合液晶層に電圧を印加することにより、透明固形物に対する液晶の光学屈折率変化により、散乱度と透過度の制御を行う液晶表示パネルにおいて、電圧無印加時の散乱度が大きな領域の周囲を透過度の大きな領域が囲んでいることを特徴とする。
【0018】
本発明の液晶表示パネルは、下基板上に設ける信号電極と、上基板上に設ける対向電極と、下基板と上基板との間に液晶と透明固形物との混合液晶層を有し、前記混合液晶層に電圧を印加することにより、透明固形物に対する液晶の光学屈折率変化により、散乱度と透過度の制御を行う液晶表示パネルにおいて、電圧無印加時の散乱度が異なる領域を有し、前記散乱度の大きな領域では、信号電極と対向電極との交点の電極面積が散乱度の大きな領域より大きく、その周囲では、透過度が大きな領域であることを特徴とする。
【0019】
本発明の液晶表示パネルは、下基板上に設ける信号電極と、上基板上に設ける対向電極と、下基板と上基板との間に液晶と透明固形物との混合液晶層を有し、前記混合液晶層に電圧を印加することにより、透明固形物に対する液晶の光学屈折率変化により、散乱度と透過度の制御を行う液晶表示パネルにおいて、電圧無印加時の散乱度が異なる領域を複数有し、前記散乱度の大きな領域には、反射板を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の液晶表示パネルは、下基板上に設ける信号電極と、上基板上に設ける対向電極と、下基板と上基板との間に液晶と透明固形物との混合液晶層を有し、前記混合液晶層に電圧を印加することにより、透明固形物に対する液晶の光学屈折率変化により、散乱度と透過度の制御を行う液晶表示パネルにおいて、電圧無印加時の散乱度が異なる領域を複数有し、各散乱度の異なる領域には、各散乱度に対応する反射板を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の液晶表示パネルは、下基板上に設ける信号電極と、上基板上に設ける対向電極と、下基板と上基板との間に液晶と透明固形物との混合液晶層を有し、前記混合液晶層に電圧を印加することにより、透明固形物に対する液晶の光学屈折率変化により、散乱度と透過度の制御を行う液晶表示パネルにおいて、電圧無印加時の散乱度が異なる領域を複数有し、前記透過度の大きな領域の散乱度の増加を防止するために、上基板上には、420ナノメートル以下の短波長を吸収する紫外線吸収層を有することを特徴とする。
【0022】
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、下基板上に透明導電膜からなる信号電極を所定の形状にパターン形成を行う工程と、上基板上に透明導電膜からなる対向電極を所定に形状にパターン形成を行う工程と、上基板と下基板とを所定の間隙を設けて貼りあわせる工程と、前記上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入する工程と、混合液晶層に紫外線を照射して混合液晶層に透明固形物を形成する工程とを少なくとも有する液晶表示パネルにおいては、前記紫外線を照射する工程は、波長、または、強度の異なる紫外線を複数回照射する工程を有することを特徴とする。
【0024】
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、下基板上に透明導電膜からなる信号電極を所定の形状にパターン形成を行う工程と、上基板上に透明導電膜からなる対向電極を所定に形状にパターン形成を行う工程と、下基板に反射板をパターン形成する工程と、上基板と下基板とを所定の間隙を設けて貼りあわせる工程と、前記上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入する工程と、混合液晶層に紫外線を照射して混合液晶層に透明固形物を形成する工程とを少なくとも有する液晶表示パネルにおいては、前記紫外線を照射する工程は、エネルギーの異なる紫外線を下基板側と上基板側の2回照射する工程を有することを特徴とする。
【0025】
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、下基板上に反射板をパターン形成する工程と、下基板上と反射板上とに絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に透明導電膜からなる信号電極を所定の形状にパターン形成を行う工程と、上基板上に透明導電膜からなる対向電極を所定に形状にパターン形成を行う工程と、前記上基板と下基板とを所定の間隙を設けて貼りあわせる工程と、前記上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入する工程と、混合液晶層に紫外線を照射して混合液晶層に透明固形物を形成する工程とを少なくとも有する液晶表示パネルにおいては、前記紫外線を照射する工程は、エネルギーの異なる紫外線を下基板側と上基板側の2回照射する工程を有することを特徴とする。
【0026】
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、混合液晶層に透明固形物を形成するために、エネルギーの異なる紫外線を照射する際に、紫外線を透過する部分と非透過の部分とを有するマスクを利用し、紫外線を照射することを特徴とする。
【0027】
<作用>
以上の構成に示すように、混合液晶層への紫外線を照射する波長、あるいは強度を複数種類利用し、混合液晶層内の透明固形物の量を同一液晶表示パネル内において可変することにより、混合液晶層内の液晶と透明固形物との散乱度の異なる領域を設けることができる。すなわち、下基板上の信号電極と上基板上の対向電極との交点の画素部の面積より小さい領域において、散乱度を大きくし、その周囲では、透過率を大きくすることにより、信号電極と対向電極に所定の電圧を印加することにより、ほぼ全面に透過状態を示す液晶表示パネルを構成することができる。
【0028】
この構成は、透明状態の領域に散乱部を表示する場合には、非常に有効である。たとえば、カメラ用ファインダー内の表示、時計の風防ガラス上の表示、液晶表示パネルと太陽電池装置との組み合わせの場合には、非常に好都合である。
【0029】
さらに、散乱度の異なる領域毎に反射板を設けることにより、独自にコントラストを調整することができる。また、混合液晶層内の透明固形物の量の少ない領域では、液晶表示パネルへの紫外線、または短波長の光の照射により、透明固形物の再生が発生するため、紫外線を遮断する必要がある。実験では、420nmより短波長の光の照射を防止する必要があるため、420nmより短波長の光を反射、あるいは吸収するフィルター利用することにより、液晶表示パネルの信頼性が非常に向上した。
【0030】
また、紫外線を選択的に照射するためのマスクと反射板とを兼用することにより、散乱度の大きな表示部と透過率の大きな非表示とを反射板と自己整合的に作成可能なため、小さい表示部の形成に有効である。また、波長の異なる光の照射方向を別にすることにより、さらに透過率を可変とすることができる。
【0031】
液晶表示パネルの製造方法においては、上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入した後に、混合液晶層には、まず、混合液晶層内に透明固形物を重合する際に使用する紫外線(重合開始光)の波長より長波長の光(重合停止光)を、非表示部に照射し、混合液晶層内の透明固形物の重合を停止した後に、混合液晶層内に透明固形物を重合するための紫外線を照射する工程とすることにより、混合液晶層内に、電圧無印加時に散乱性の強い領域と弱い領域とを設けることができる。
【0032】
また、混合液晶層内の透明固形物の重合を抑制する重合停止光を照射する工程においては、重合停止光を照射しない部分に、重合停止光を遮光するマスクを利用し照射するか、または反射電極を兼用する信号電極をマスクに利用する。あるいは、小面積に集光するビーム光を利用してマスクなしで照射する方法を採用することにより、簡単に同一液晶表示パネル内に散乱性の異なる領域を形成することができる。さらに、重合停止光のエネルギー、あるいは、重合開始光のエネルギーを複数種類使用することにより、複数の散乱性を有する領域を形成することができる。
【0033】
さらに、重合停止光を照射した領域に420ナノメートル(nm)より波長の短い光が、長時間、または強い光が照射することにより、透明固形物の重合が徐々に進行するため、重合停止光と重合開始光を照射後に、上基板の上面に420ナノメートル(nm)以下の波長の光を吸収、あるいは反射する紫外線カット層を設ける工程を設けることにより、安定する散乱性を有する液晶表示パネルの製造が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施するための最良の形態における液晶表示パネルと液晶表示パネルを利用する時計装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に利用する液晶表示装置として時計装置を示す平面模式図である。図2は、図1における7セグメントからなる画素部を拡大して示す平面図である。図3は、図1に示すB−B線における時計装置の断面模式図である。図4は、図3の液晶表示パネルの一部を拡大する断面図である。
以下に、図1と図2と図3と図4とを交互に用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
【0035】
<第1の実施形態:図1ないし図4>
下基板1上には、透明導電膜からなるセグメント型の信号電極2を設ける。下基板1と所定の間隙を設けて配置する上基板6上には、信号電極2と相互に重なり合う透明導電膜からなる対向電極7を設ける。信号電極2と対向電極7との重なり部が画素部となる。下基板1を下側に配置し、上基板を上側(観察側)に配置する。また、下基板1上の信号電極2を上基板6上に電気的に配置転換するための接続電極8を有する。下基板1上の信号電極2は、シール材13に含む導電性ビーズ12を介して、上基板6上の接続電極8へ電気的に接続する。下基板1と上基板6は、所定の間隙を設けてシール材13により貼りあわせ、液晶と透明固形物との混合液晶層11を封入している。
【0036】
透明固形物は、液晶に有機モノマーを溶解しておき、下基板1と上基板6との間隙に注入を行ったのちに、紫外線を照射して形成する。
この透明固形物の重合性は、図2に示すように、信号電極2と対向電極53、54,56、58、60、62、64との重なり合う画素部より小さい領域(散乱領域)52,55,57,59,61,63、65において充分に進行しており、大きな散乱性を有する。散乱領域以外の領域においては、透明固形物の重合は、ほとんど進行しておらず、重合は停止しており、大きな透過率を有する。以上の透明固形物の重合性の違いは、混合液晶層11に照射する光の波長を散乱領域とそれ以外の領域とで差を設けることにより、簡単に達成することができる。
【0037】
この第1の実施形態においては、まず、ガラス上に金属膜を形成し、散乱領域に金属膜を残すようにパターン形成した光照射用マスクを作成し、散乱領域の形状に近い電極形状である対向電極7を形成している上基板6側より400ナノメートル(nm)以上の波長の光を照射する。400ナノメートル(nm)のエネルギーは、50から60mWである。
以上により、散乱領域以外は、混合液晶層11内の有機モノマーの重合は、ほぼ停止する状況となる。
【0038】
つぎに、同じように、散乱領域の形状に近い電極形状である対向電極7を形成する上基板6側より、360ナノメートル(nm)以上の波長の光を照射する。360ナノメートル(nm)のエネルギーは、40〜50mWである。
使用する混合液晶層は、大日本インキ(株)製のポリマーネットワーク液晶である。紫外線を照射する温度は、21℃にて行った。
【0039】
以上の条件により作成する液晶表示パネルは、図1の時計装置の表示に示すように、信号電極2と対向電極7との電圧により、透過率の大きな領域に散乱状態の表示が可能となる。
時計装置の表示は、午前午後表示部41と時刻表示部42と分表示部43とがあり、分表示部3の一部だけに電圧を印加している状態をしている。電圧印加していない部分を実線印加している部分を破線示している。
【0040】
また、時計装置は、時計ケース31と裏蓋33と風防ガラス32の内部に収納し、前記液晶表示パネルの裏蓋側(下側)には、所定の間隙を介して反射板22を設け、さらに、回路基板34と回路および混合液晶層11を駆動するための電池35を有する。
【0041】
また、液晶表示パネルへ所定の電圧を印加するための接続は、導電性材料と絶縁性材料を積層するゼブラゴム36により行い、ゼブラゴム36は、上基板6上の接続電極8と対向電極7とに接続している。下基板1上の信号電極2は、シール材13に含む導電性ビーズ12によって、電気的に上基板6上の接続電極8へ配置転換している。また下基板1と反射板22とのあいだには、主光源となる外部光源(図示せず:主光源)が暗い場合に点灯する発光ダイオード38を有する。これは、補助光源として機能する。また、混合液晶層11が散乱性を有するため、鏡面の反射板22を使用しても、混合液晶層11により散乱と反射をするため、均一は面光源となる。
【0042】
さらに、上基板6上には、シール材13を遮蔽するための見切り板37を設ける。また、液晶表示パネルとゼブラゴム36の保持にパネル押え39を有し、補助光源38と回路基板34と電池35を保持するために、裏押え40を有する。
【0043】
また、計装置には、時刻合わせ、表示内容の切り替え、ブザーの停止用の調整ボタン45を有する。また、上基板6上には、混合液晶層11への紫外線の照射と反射板22への紫外線の照射による色の劣化を防止すること、および反射板への外部光源の光を有効に入射するために、反射防止処理を有する紫外線カットフィルム21を設けている。
【0044】
以上の構成を採用することにより、見切り板37の開口部の液晶表示パネルの表示として、透明な領域中に散乱部を表示することができる。従来、外部光源を利用する表示の場合に、透過性を向上するために大きな電圧が必要であり、明るい表示のためには、時計装置の消費電力を大きくする必要があったが、電圧の印加が無い状態で背景領域の透過率を大きくしておき小面積の表示箇所のみ電圧印加により散乱性を増加するので、消費電力小さい状態にて表示を行うことが可能となった。
【0045】
また、全面透明とする表示が可能となり、時計ケース31と反射板22を同一色とするデザイン、あるいは、反射板を鏡に利用することが可能となり、液晶表示装置のうち、とくに時計装置に利用する場合には、有効である。
【0046】
<第2の実施形態:図5>
つぎに本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は本発明の第1の実施形態の図4に相当するの別の実施形態の構造を示す断面模式図である。本第2の実施形態においては、下基板1の下側に透明の色フィルム71と板状の太陽電池72と太陽電池72を下基板6に密着するためのスぺーサー7を有するものである。以下に、図5を用いて第2の実施形態を説明する。
【0047】
下基板1上には、透明導電膜からなるセグメント型の信号電極2を設ける。下基板1と所定の間隙を設けて配置する上基板6上には、信号電極2と相互に重なり合う透明導電膜から構成する対向電極7を設ける。この下基板1を下側に配置する。また、下基板1上の信号電極2を上基板6上に電気的に配置転換するための接続電極8を有する。下基板1上の信号電極2は、シール材13に含む導電性ビーズ12を介して、上基板6上の接続電極8へ電気的に接続する。下基板1と上基板6は、所定の間隙を設けてシール材13により貼りあわせ、液晶と透明固形物との混合液晶層11を封入している。
【0048】
透明固形物は、液晶に有機モノマーを溶解しておき、下基板1と上基板6との間隙に注入を行ったのちに、紫外線を照射して形成する。第1の実施形態と同様に、信号電極2と対向電極7との重なり合う面積より僅かに小さい散乱部に相当する部分以外の領域に波長の長い近紫外光を照射し、有機モノマーの重合開始を阻害しておき、つぎに、散乱部に360ナノメートル(nm)より長波長の光を照射し、散乱状態とする。
【0049】
また、下基板1の下側には、太陽電池72を設ける。前記太陽電池72には、所定の電圧、または、流を発生するために複数の発電ブロクがあり、発電ブロック間の色が異なるため、上基板6の上方から観察者太陽電池72の形状が認識されるため、太陽電池72を反射板として利用する場合には、液晶表示パネルの表示が認識し難くなる。そこで、本第2の実施形態においては、太陽電池72と下基板6との間に太陽電池72の発電に有効な波長を透過する透過性、かつ光沢を有する色フィルム71を設けている。色フィルム71は、400ナノメートル(nm)から550ナノメートル(nm)を大きく透過する色フィルム71を利用している。
【0050】
太陽電池72色フィルム71と下基板1密着させるために、ゴムからなるスペーサー7を太陽電池72の下側に配置し、下基板1と太陽電池72との位置ずれ防止している。また、色フィルム71の歪みによる反射板としての品質の低下を防止している。
【0051】
また、本発明のように、混合液晶層11を有する液晶表示パネルの下側に太陽電池72を配置する場合には、できるだけ大きな面積の透過部を有することが重要である。そのため、表示部のみを透過と散乱性を電圧により制御して表示を行い、以上の表示以外の部分は、透明であることが非常に有効である。また、本発明の混合液晶層は、偏光板を使用していないため、太陽電池72の光の照射量が大きくできる。
【0052】
<第3の実施形態:図6および図7>
以下に本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、液晶表示パネルの表示部を拡大する平面図である。図7は、図6のC−C線における断面模式図である。この第3の実施形態においては、表示部において、散乱部を信号電極と対向電極と重なる領域以外にも設け、見切りとして利用する実施形態である。以下に、図6と図7とを用いて第3の実施形態を説明する。
【0053】
下基板1上には、透明導電膜からなるセグメント型の信号電極2を設ける。下基板1と所定の間隙を設けて配置する上基板6上には、信号電極2と相互に重なり合う透明導電膜からなるセグメント型の対向電極7を設ける。また下基板1上の信号電極2を上基板6上に電気的に配置転換するための接続電極(図示せず)を有する。下基板1上の信号電極2は、シール材(図示せず)に含む導電性ビーズ(図示せず)を介して、上基板6上の接続電極へ電気的に接続する。下基板1と上基板6は、所定の間隙を設けてシール材により貼りあわせ、液晶と透明固形物との混合液晶層11を封入している。
【0054】
透明固形物は、液晶に有機モノマーを溶解しておき、下基板1と上基板6との間隙に注入を行った後に、紫外線を照射して形成する。第1の実施形態と同じように、信号電極2と対向電極7との重なり合う面積より僅かに小さい散乱部に相当する部分以外の領域と、表示部の周囲(後述の散乱部77以外の領域に波長の長い近紫外光を照射し、有機モノマーの重合開始を阻害しておき、つぎに、散乱部に360ナノメートル(nm)より長波長の光を照射し、散乱状態とする。
【0055】
以上により、図6に示すように、表示部は周囲より散乱部77、その内側に透過部75そして、セグメント型の信号電極2と対向電極7の重なり合う領域に散乱部73を作成することが可能となり、複数の散乱部を透過部内に設けることが可能となる。さらに、反射板22として、酸化アルミニウム膜の表面処理を施したアルミニウム板を利用する。また、各散乱部73と77と、透過部75に対応する領域には、それぞれに対応するカラー印刷層を設けている。表示部の周囲に相当する散乱部77には、透明カラー印刷層81を設け、セグメント電極に相当する部分の散乱部73とその周囲には、金色に相当するオレンジ色のカラー印刷層83を有し、中間の透過部には、青色のカラー印刷層82を設ける。
【0056】
以上により、中央の散乱部7に相当する部分は、金色の背景に散乱による金白色の表示となる。透過部75は、青色となり、周囲の散乱部77は、白色となり、反射板22と複数の散乱部との組み合わせにより、デザイン性と色々な組み合わせの表示が可能となる。以上の効果は、高分子モノマーに照射する光の波長を制御することにより、複数の透過部を散乱部内に設けることが可能となったからである。
【0057】
<第4の実施形態:図8>
以下に本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。図8は第3の実施形態における図6のC−C線に相当する部分の別の実施形態を示す断面模式図である。本第4の実施形態においては、下基板上に反射板を形成し、前記反射板を高分子モノマーの光照射用のマスクとする構造であり、さらに、下基板の下側には、光源部を設ける構造である。以下に、図8を用いて第4の実施形態を説明する。
【0058】
下基板1上には、の透過率が同じとは限らない反射板85、86、87を有する。反射板には、画素部に相当する部分(散乱部73の反射板8と、表示部の周囲に相当する部分(散乱部77の反射板8と、両方の間に相当する部分に反射板の特別の場合として開口部87を有する。反射板の透過率は、開口部87がもっとも大きく、表示領域の周囲に相当する部分の反射板8と画素部に相当する部分の反射板8とは、ほとんど透過しない。各反射板85、86は、アルミニウム(Al)膜により形成している。
【0059】
さらに、アルミニウム膜上には、ポリイミド樹脂膜からなる保護膜8を印刷法により形成し、保護膜89上には、透明導電膜からなるセグメント型の信号電極2を設ける。保護膜89のポリイミド樹脂により、アルミニウム膜と透明導電膜との電気的絶縁性が確保できる。また、下基板1と所定の間隙を設けて配置する上基板6上には、信号電極2と相互に重なり合う透明導電膜からなるセグメント型の対向電極7を設ける。また下基板1上の信号電極2を上基板6上に電気的に配置転換するための接続電極(図示せず)を有する。下基板1上の信号電極2は、シール材(図示せず)に含む導電性ビーズ(図示せず)を介して、上基板6上の接続電極へ電気的に接続する。下基板1と上基板6は、所定の間隙を設けてシール材により貼りあわせ、液晶と透明固形物との混合液晶層11を封入している。
【0060】
透明固形物は、液晶に有機モノマーを溶解しておき、下基板1と上基板6との間隙に注入を行った後に、紫外線を照射して形成する。本第4の実施形態においては、反射板に設ける開口部87を利用し、まず、400ナノメートル(nm)より波長の長い近紫外光を照射し、有機モノマーの重合開始を阻害する。本実施形態を利用することにより、下基板1の下側に光照射用のマスクを利用する場合に比較して混合液晶層11にマスク(反射板)が近接しているため、精度良く、かつシャープに高分子モノマーの重合を停止する領域を形成できる。つぎに、上基板6の上側より360ナノメートル(nm)より長波長の光を照射し、開口部87に相当する部分を除く部分を散乱状態とする。
【0061】
以上により、図8に示すように、表示部は周囲より散乱部77、その内側の開口部87上に透過部75、そして、セグメント型の信号電極2と対向電極7の重なり合う領域に散乱部73を作成することが可能となり、複数の散乱部を透過部内に設けることが可能となる。さらに、下基板1の下側には、エレクトロルミネセ(EL)素子88からなる光源部を設けている。EL素88は、非発光の際にも反射特性を有するものを採用する。たとえば、下基板側より、第1の透明基板、透明導電膜、透明発光層、反射電極、第2の基板の構成する。
【0062】
上記のようなEL素88を採用することにより、非発光の際には、透明部は、反射特性のある鏡のような下地となり、散乱部では、白表示が可能となる。EL素88の点灯時には、セグメント型の信号電極2と対向電極7との重なり合う領域は、反射板86が遮光するが、その周囲の開口部87より光が入射し、表示が可能となる。そのため、この光の入射は、散乱性を有する混合液晶層11を利用するために、開口部87の光を散乱部に導光することができるため、有効な構造である。
【0063】
<第5の実施形態:図9ないし図13>
以下に本発明の第5の実施形態を図面に基づいて説明する。この第5の実施形態は、本発明の液晶表示パネルを製造するための製造方法の工程を説明する断面図である。以下に図9と図10と図11と図12と図13とを用いて製造方法を説明する。
【0064】
図9に示すように、下基板1の上面には、開口部を有する反射板86をアルミニウム(Al)膜で厚さ200ナノメートル(nm)に形成する。アルミニウム膜上には、印刷法にて厚さ100ナノメートル(nm)のポリイミド樹脂からなる保護膜8を設ける。さらに、透明導電膜として酸化インジウムスズ(ITO)膜を厚さ50ナノメートル(nm)、真空スパッタリング法にて形成し、パターン形成してセグメント型の信号電極2を形成する。
【0065】
図10に示すように、上基板6上には、透明導電膜として酸化インジウムスズ(ITO)膜を50ナノメートル(nm)の膜厚で、真空スパッタリング法にて形成する。つぎに、パターン形成してセグメント型の対向電極7を形成する。以上の下基板1上に導電性ビーズ12を有するシール材13をスクリーン印刷法にて形成し、上基板6上に絶縁性のビーズ(図示せず)を噴霧する。以上の下基板1と上基板6とをシール材13とビーズを有する面にて張り合わせる。つぎに、下基板1と上基板6との間隙に混合液晶層11を注入し、注入孔(図示せず)を封止する。
【0066】
つぎに図11に示すように、下基板1の下側より400ナノメートル(nm)以上の波長からなる光90を照射する。本工程により、下基板1上の反射板86の開口部8の部分に光が照射され、混合液晶層11に含まれる高分子モノマーの重合が停止する。
【0067】
つぎに図12に示すように、上基板6の上側より360ナノメートル(nm)以上の波長からなる光91を照射する。本工程により、混合液晶層11の全面に紫外光91が照射されるが、図11に示す反射板86の開口部8に相当する部分(透過部75)は、高分子モノマーの重合が進行しないため、透過状態を維持する。透過部75以外の領域(散乱部73)は、紫外光91により、混合液晶層11内の高分子モノマーの重合が進行し、ポリマーとなり液晶との屈折率差により散乱が発生する。
【0068】
つぎに、図13に示すように、下基板1の下側の開口部87に相当する部分には、金色を有する第2の反射板92を粘着材にて張り付ける。また、上基板6の上側には、混合液晶層11内の透過部の重合が進行することを防止するために、420ナノメートル(nm)以下の短波長を吸収する紫外線カットフィルム2を形成し、混合液晶層11の安定性を確保する。
【0069】
以上の工程により、同一混合液晶層11内において、電圧を印加していない状態で透明な透過部と散乱部とを形成することができる。
【0070】
<第6の実施形態:図14および図15>
以下に本発明の第6の実施形態を図面に基づいて説明する。この第6の実施形態は、本発明の液晶表示パネルを製造するための製造方法の特徴的な工程を示す断面図である。以下に図14と図15とを用いて製造方法を説明する。
【0071】
まず、図14に示すように、下基板1上には、透明導電膜として酸化インジウムスズ(ITO)膜を厚さ50ナノメートル(nm)、真空スパッタリング法にて形成し、パターン形成してセグメント型の信号電極2を形成する。さらに、上基板6上には、透明導電膜として酸化インジウムスズ(ITO)膜を厚さ50ナノメートル(nm)、真空スパッタリング法にて形成する。つぎに、パターン形成してセグメント型の対向電極7を形成する。以上の下基板1上に導電性ビーズ12を有するシール材13をスクリーン印刷法にて形成し、上基板6上に絶縁性のビーズ(図示せず)を噴霧する。以上の下基板1と上基板6とをシール材13とビーズを有する面にて張り合わせる。つぎに、下基板1と上基板6との間隙に混合液晶層11を注入し、注入孔(図示せず)を封止する。
【0072】
つぎに、下基板1の下側に、ガラス基板93上に遮光膜94材料としてクロム(Cr)膜を厚さ150ナノメートル(nm)形成し、パターン形成したマスクを使用し、下基板1上の信号電極2と整合して、ガラス基板93の下側より360ナノメートル(nm)以上の波長からなる光91を照射する。マスクの遮光膜94の無い領域に相当する混合液晶層11には紫外光が照射するため、この混合液晶層11の高分子モノマーが重合を行い、ポリマーとなり、液晶との屈折率差により、散乱状態となる。
【0073】
つぎに、図15に示すように、遮光膜94を有するガラス基板9除去した状態にて、400ナノメートル(nm)以上の波長からなる光90を照射する。本工程により、全面に光90が照射されるが、図14の紫外線91の照射していない部分の高分子モノマーの重合が停止する。そのため、混合液晶層11を使用している際に重合が進行する問題を除去できる。上基板6上には、420ナノメートル(nm)より短波長を吸収、あるいは反射する紫外線カットフィルムを印刷、あるいは貼り付け、あるいは置くことにより、さらに透過部の安定性が向上する。
【0074】
さらに、本工程を採用することにより、400ナノメートル(nm)以上の光90と360ナノメートル(nm)以上の紫外光91を下基板1の下側より照射するため、420ナノメートル(nm)以下の光を吸収する基板を上基板6として使用することが可能となる。上基板6自体に420ナノメートル(nm)以下の光を吸収する特性を持たせることにより、紫外線カットフィルム、あるいは印刷層を設ける必要がなく、傷等による紫外線カット性能の低下を発生することがないため、信頼性が向上する。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、混合液晶層への紫外線を照射する波長、あるいは強度を複数種類利用し、混合液晶層内の透明固形物の量を同一液晶表示パネル内において可変することにより、混合液晶層内の液晶と透明固形物との散乱度の異なる領域を設けることができる。すなわち、下基板上の信号電極と上基板上の対向電極との交点の画素部の面積より小さい領域において、散乱度を大きくし、その周囲では、透過率を大きくすることにより、信号電極と対向電極に所定の電圧を印加することにより、ほぼ全面に透過状態を示す液晶表示パネルを構成することができる。
【0076】
この構成は、透明状態の領域に散乱部を表示する場合には、非常に有効である。たとえば、カメラ用ファインダー内の表示、時計の風防ガラス上の表示、液晶表示パネルと太陽電池装置との組み合わせの場合には、非常に好都合である。
【0077】
また、散乱度の異なる領域毎に反射板を設けることにより、独自にコントラストを調整することができる。また、混合液晶層内の透明固形物の量の少ない領域においては、液晶表示パネルへの紫外線、あるいは短波長の光の照射により、透明固形物の再生が発生するため、紫外線を遮断する必要がある。実験では、420nmより短波長の光の照射を防止する必要があるため、420nmより短波長の光を反射、あるいは吸収するフィルター利用することにより、液晶表示パネルの信頼性が非常に向上した。
【0078】
また、紫外線を選択的に照射するためのマスクと反射板とを兼用することにより、散乱度の大きな表示部と透過率の大きな非表示とを反射板と自己整合的に作成可能なため、小さい表示部の形成に有効である。また、波長の異なる光の照射方向を別にすることにより、さらに透過率を可変とすることができる。
【0079】
液晶表示パネルの製造方法においては、上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入した後に、混合液晶層には、まず、混合液晶層内に透明固形物を重合する際に使用する紫外線(重合開始光)の波長より長波長の光(重合停止光)を、非表示部に照射し、混合液晶層内の透明固形物の重合を停止した後に、混合液晶層内に透明固形物を重合するための紫外線を照射する工程とすることにより、混合液晶層内に、電圧無印加時に散乱性の強い領域と弱い領域とを設けることができる。
【0080】
また、透明固形物内と透明固形物の重合を抑制する重合停止光を照射する工程においては、重合停止光を照射しない部分に重合停止光を遮光するマスクを利用して、照射する、あるいは、反射電極を兼用する信号電極をマスクに利用する。あるいは、小面積に集光するビーム光を利用してマスクなしで照射する方法を採用することにより、簡単に同一液晶表示パネル内に散乱性の異なる領域を形成することができる。さらに、重合停止光のエネルギー、あるいは、重合開始光のエネルギーを複数種類使用することにより、複数の散乱性を有する領域を形成することができる。
【0081】
さらに、重合停止光を照射した領域に420ナノメートル(nm)より波長の短い光が、長時間、または強い光が照射することにより、透明固形物の重合が徐々に進行するため、重合停止光と重合開始光を照射後に、上基板の上面に420ナノメートル(nm)以下の波長の光を吸収、あるいは反射する紫外線カット層を設ける工程を設けることにより、安定する散乱性を有する液晶表示パネルの製造が可能となる。
【0082】
本発明の実施形態においては、時計装置の例を示しているが、セグメント型のたとえば、携帯電話用液晶表示装置、あるいは、オーディオ用の液晶表示装置においても当然本発明の効果は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における時計装置の平面模式図である。
【図2】 本発明のセグメント型の電極部を拡大した平面模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における時計装置の断面模式図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態におけるパネル部分の断面の一部拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における断面の一部拡大図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における表示部を示す平面模式図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における断面の一部拡大図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における断面の一部拡大図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図14】本発明の第6の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図15】本発明の第6の実施形態における液晶表示パネルの製造工程を示す拡大断面図である。
【図16】従来技術における時計装置の平面模式図である。
【図17】 従来技術におけるパネル部分の断面の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 下基板
2 信号電極
6 上基板
7 対向電極
8 接続電極
11 混合液晶層
12 導電性ビーズ
13 シール材
21 紫外線カットフィルム
22 反射板
31 時計ケース
32 風防ガラス
33 裏蓋
34 回路基板
35 電池
36 ゼブラゴム
37 見切り板
38 発光ダイオー
39 パネル押さ
40 裏押え
71 色フィルム
72 太陽電池
73 散乱
75 透過部
76 スペーサー
77 散乱部
81、82、83 印刷層
86 反射板
87 開口部
88 エレクトロルミネセンス(EL)素子
89 保護膜
90 400ナノメートル(nm)より長波長光
91 360ナノメートル(nm)より長波長光
92 反射板(第2の反射板)
93 ガラス基板
94 遮光膜

Claims (13)

  1. 下基板に信号電極、上基板に対向電極を設け、
    上下基板間に有機モノマーを溶解した液晶を封入してあり、
    信号電極と対向電極が対向する領域は、有機モノマーの重合により透明固形物と液晶からなる混合液晶層が形成され、電圧の印加または無印加により、透明固形物と液晶の光学屈折率差が変化して光の透過度と散乱度が制御可能であって、電圧無印加時に光の散乱度が高く、電圧印加時に光の透過度が高く、
    信号電極と対向電極が存在しない領域は、有機モノマーの重合がほとんど進行しておらず、常時、光の透過度が高いことにより、混合液晶層が、電圧無印加時の光の散乱度が異なる領域を複数有することを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 請求項1に記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記光の透過度が常時大きな領域内に、前記電圧無印加時に光の散乱度が高い領域を設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  3. 請求項1に記載の液晶表示パネルにおいて、
    信号電極と対向電極間の混合液晶層の形成領域の輪郭を、信号電極と対向電極の重なる領域の輪郭よりも若干内側にしたことを特徴とする液晶表示パネル。
  4. 請求項1に記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記電圧無印加時に光の散乱度が高い領域に、反射板を設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  5. 請求項1に記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記電圧無印加時に光の散乱度が高い領域と、前記、常時、透過率の高い領域に、光の透過率の異なる反射板をそれぞれ設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  6. 請求項4または請求項5に記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記反射板は下基板と混合液晶層の間に設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  7. 請求項4または請求項5に記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記反射板は下基板の下層に設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  8. 請求項1に記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記、常時、光の透過度が高い領域の有機モノマーの重合の進行を防止するために、上基板上に420ナノメートル以下の短波長の光を吸収する紫外線吸収層を設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の液晶表示パネルにおいて、
    前記下基板の下層に、光を受けて発電する太陽電池を設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  10. 下基板上に透明導電膜からなる信号電極を所定の形状にパターン形成する工程と、
    上基板上に透明導電膜からなる対向電極を所定に形状にパターン形成する工程と、
    上基板と下基板とを所定の間隙を設けて貼りあわせる工程と、
    前記上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入する工程と、
    混合液晶層に紫外線を照射して混合液晶層に透明固形物を形成する工程とを有する液晶表示パネルにおいて、
    前記紫外線を照射する工程は、波長またはエネルギーの異なる紫外線を順次照射する工程を有することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  11. 下基板上に透明導電膜からなる信号電極を所定の形状にパターン形成する工程と、
    上基板上に透明導電膜からなる対向電極を所定に形状にパターン形成する工程と、
    前記下基板の下層に反射板をパターン形成する工程と、
    上基板と下基板とを所定の間隙を設けて貼りあわせる工程と、
    前記上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入する工程と、
    混合液晶層に紫外線を照射して混合液晶層に透明固形物を形成する工程とを有する液晶表示パネルにおいて、
    前記紫外線を照射する工程は、波長またはエネルギーの異なる紫外線を下基板側と上基板側からそれぞれ照射する工程を有することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  12. 下基板の混合液晶層側に反射板をパターン形成する工程と、
    下基板上反射板を覆って絶縁膜を形成する工程と、
    絶縁膜上に透明導電膜からなる信号電極を所定の形状にパターン形成する工程と、
    上基板上に透明導電膜からなる対向電極を所定に形状にパターン形成する工程と、
    前記上基板と下基板とを所定の間隙を設けて貼りあわせる工程と、
    前記上基板と下基板との間隙に混合液晶層を注入する工程と、
    混合液晶層に紫外線を照射して混合液晶層に透明固形物を形成する工程とを有する液晶表示パネルにおいて、
    前記紫外線を照射する工程は、波長またはエネルギーの異なる紫外線を下基板側と上基板側からそれぞれ照射する工程を有することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  13. 請求項10に記載の液晶表示パネルの製造方法において、
    前記波長またはエネルギーの異なる紫外線を照射する際に、紫外線を透過する部分と非透過の部分とを有するマスクを用いることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
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