JP4056050B2

JP4056050B2 - Ｇｐｓを用いた列車動揺箇所検出システム

Info

Publication number: JP4056050B2
Application number: JP2002264115A
Authority: JP
Inventors: 昭夫松邑; 淳一結城
Original assignee: 株式会社エヌディーケー・イッツ; 株式会社ジェイアール東日本情報システム
Priority date: 2002-09-10
Filing date: 2002-09-10
Publication date: 2008-03-05
Anticipated expiration: 2022-09-10
Also published as: JP2004098878A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はＧＰＳを用いて精度よく、かつ短時間に基準値を超える列車揺動があった軌道上の箇所を特定することができるシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の列車動揺管理は、例えば、測定装置を車両に搬入して列車の縦揺れ、横揺れをガル（Ｇ）値として測定し、測定データの中で縦・横方向それぞれの基準値を超えるＧ値が記録された軌道上の箇所（動揺箇所）を特定して再検査や補修作業を行っている。この場合、基準値を超える動揺があった箇所を探すことができるように、測定装置による測定中、所定間隔ごとに手動で位置情報を入力し、また、列車に設置したビデオカメラで軌道周囲を撮影し、測定データとビデオ画像に基づき、経験とマップを見ながら基準値を超える動揺箇所を特定している。なお、測定装置を列車に常設するタイプのものもあるが、基準値を超える動揺箇所の特定は基本的には同じである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ビデオ画像を手掛かりに保線員が基準値を超える動揺箇所を探すのは極めて時間のかかる作業であった。そこで、ＧＰＳを活用して基準値を超える動揺箇所を探すことが考えられる。
ところで、列車にＧＰＳ受信機を設置してＧＰＳデータから生成した列車速度及び運転経路と、標準速度データベース及び標準経路データベースとを比較することにより運転異常を検出する運行管理システムが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
また、列車にＧＰＳ受信機を設置して自車位置を取得するとともに、通信回線により他車位置を取得し、列車運行の安全を確保することも提案されている（例えば、特許文献２参照）。
【特許文献１】
特開２００１−３４１６４４号公報（図１、図２、図３、図４）
【特許文献２】
特開２０００−３１８６１３号公報（図１、図２）
このように、運行している列車位置を求める手段としてＧＰＳを使用することは提案されているが、列車動揺が基準値を超える箇所を的確かつ短時間に特定する手段としてＧＰＳを活用しようとする考え方はない。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決しようとするもので、ＧＰＳを活用して列車動揺が基準値を超える箇所を的確かつ短時間に特定しようとするものである。
そのために、本発明は、列車動揺の時間変化を測定する測定装置と、列車に設けられ、所定時間間隔で測定した位置情報、時間情報、速度情報を出力するＧＰＳ装置と、軌道上の複数の基準位置情報を格納したデータベースと、測定装置からの測定データ、ＧＰＳ装置からの位置情報、時間情報、速度情報が入力されるデータ処理装置とを備え、前記データ処理装置は、ＧＰＳ装置の各測定点における速度情報と前記所定時間間隔との積から各測定点間の走行距離を算出し、算出した各測定点間の走行距離とデータベースに格納された基準位置情報とに基づき時間に対する列車の走行キロ程を求め、列車動揺が基準値を超えた時間を前記走行キロ程の時間に対応させ、列車動揺が基準値を超えた箇所を特定することを特徴とする。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図１は本実施形態のシステム構成を示す概念図である。
測定装置１は従来使用されている可搬タイプ或いは常設タイプのもので、列車の動揺（縦揺れ、横揺れ）のガル（Ｇ）値を時間に対する変化データとして測定し、記録するものである。
ＧＰＳ装置２は列車に取り付けられ、図示しないアンテナで受けた複数の衛星からの電波信号より時間情報、位置情報、列車速度情報を算出して出力するものであり、市販製品が使用可能である。
データ処理装置３はパソコン等からなり、軌道上の確定している基準位置、例えば、駅や踏切等の位置情報（始発位置等からのキロ程）が格納されているデータベース４と、ＧＰＳ装置２からの時間情報、位置情報、列車速度情報とに基づいて時間に対する走行キロ程を算出し、測定装置１の測定データでＧ値が基準値を超えた時間（時刻）から、その場所（キロ程）を特定する機能を有している。なお、測定データの時間情報は、測定装置１に時計を内蔵させて得るようにしても、或いはリアルタイムで測定データをデータ処理装置３に取り込み、データ処理装置側の時計機構で得るようにしてもよい。
出力装置５はＣＲＴ等のディスプレイ、プリンタ、或いは外部記憶装置等であり、必要に応じてデータを表示、印字、或いは格納することができる。
【０００６】
図２は測定データの例を示す図である。
揺れの大きさを示すＧ値のデータは測定装置１からデータ処理装置３に時々刻々取り込まれ、時間（時刻）に対するＧ値の変化として格納される。図示の例ではＧ値が基準値を超えた時間（時刻）はＴｇであり、そのときの軌道上の箇所がＰである。
【０００７】
図３はＧＰＳ装置が出力する時間情報と位置情報（緯度・経度）を説明する図である。本実施形態では、ＧＰＳ装置２から出力される３秒ごとの列車の緯度・経度（図の測定点として示した位置）がデータ処理装置３に取り込まれ、時間軸に対する位置情報として格納される。また、測定点の基準位置に対する相対位置関係も求められる。
【０００８】
図４は時間に対する列車走行キロ程を示す図である。
ＧＰＳ装置１ではより時間間隔の狭い位置情報から列車の速度情報が求められて出力されるので、これに３秒を乗ずることにより、図３における測定点間隔の走行距離が求められる。そして、基準位置は始発等からのキロ程が既知であるので、３秒間の走行距離が求まれば、基準位置のキロ程から時間に対する列車走行のキロ程が求められる。こうして求められる図４の時間と、図２の測定データの時間とを対応させることにより、Ｇ値が基準値を超えた時間（時刻）Ｔｇにおける列車走行キロ程、すなわち、Ｇ値が基準値を超えた箇所Ｐが求められる。こうして、極く短時間で的確にＧ値が基準値を超えた箇所Ｐを特定することが可能となる。
【０００９】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ＧＰＳ装置からの位置情報、時間情報、速度情報と、基準位置データから求めた時間に対するキロ程と、測定装置の時間に対するＧ値の変化データとの時間を対応させることにより、従来に比してＧ値が基準値を超えた箇所を的確に、かつ格段に短時間に特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態のシステム構成を示す概念図である。
【図２】測定データの例を示す図である。
【図３】ＧＰＳ装置が出力する時間情報と位置情報（緯度・経度）を説明する図である。
【図４】時間に対する列車走行キロ程を示す図である。
【符号の説明】
１…測定装置、２…ＧＰＳ装置、３…データ処理装置、４…基準位置データベース、５…出力装置。

Claims

列車動揺の時間変化を測定する測定装置と、
列車に設けられ、所定時間間隔で測定した位置情報、時間情報、速度情報を出力するＧＰＳ装置と、
軌道上の複数の基準位置情報を格納したデータベースと、
測定装置からの測定データ、ＧＰＳ装置からの位置情報、時間情報、速度情報が入力されるデータ処理装置とを備え、
前記データ処理装置は、ＧＰＳ装置の各測定点における速度情報と前記所定時間間隔との積から各測定点間の走行距離を算出し、算出した各測定点間の走行距離とデータベースに格納された基準位置情報とに基づき時間に対する列車の走行キロ程を求め、列車動揺が基準値を超えた時間を前記走行キロ程の時間に対応させ、列車動揺が基準値を超えた箇所を特定することを特徴とするＧＰＳを用いた列車動揺箇所検出システム。