JP4056036B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ、複写機、ファクシミリ或いは印刷機等に利用できる新規な画像形成方法及びこれに用いられるインキ及び光表面エネルギー変換記録媒体に関し、更に詳しくは記録体の表面に画像情報に応じて液体付着性領域と非液体付着性領域とを形成して、液体付着性領域に水性インキを選択的に付着させることにより、インキ画像又は印刷物を作製する画像形成方法及びこれに用いられる水性インキ及び光表面エネルギー変換記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表面を液体付着性領域と非液体付着性領域とに区分けして画像形成に供するようにした代表的な手段としては、水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット印刷方式が挙げられる。しかし、このオフセット印刷方式は原版からの製版工程及び刷板(印刷版)からの印刷工程を一つの装置内に組み込むことが困難であり、製版印刷の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。例えば、比較的小型化されている事務用オフセット製版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個になっているのが普通である。また、軽印刷分野でのオンデマンド印刷のニーズには対応できない。
【0003】
そのため、このようなオフセット印刷方式の欠陥を解消することを意図して、画像情報に応じた液体付着性領域及び非液体付着性領域が形成でき、しかも、繰り返し使用が可能な(可逆性を有する)記録体を利用した記録方法ないし装置が提案されている。その幾つかを挙げると、次のとおりである。
【0004】
(1)水性現像方式
疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、画像情報に応じて選択的に露光することにより、光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させて紙等に転写する(特公昭39−4299号公報、特公昭39−29135号公報、特公昭40−18993号公報、特公昭47−40818号公報、特公昭44−9512号公報、特公昭41−6394号公報、特公昭40−18992号公報等)。
【0005】
(2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式
フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式は、アゾベンゼンやアゾ色素等の材料を含有した層に画像情報に応じて紫外線を選択的に照射して、このアゾベンゼンやアゾ色素等の材料を含有した層に、シス−トランス光異性化反応を起こしたり、ロイコ体を含有した層に画像情報に応じて紫外線を選択的に照射して、このロイコ体を含有した層に光イオン化反応を起こすことにより、これらの材料の表面を親水性領域と疎水性領域とに変化させることで、画像の記録を行なうものである(特開平2−286285号公報、特開平2−303885号公報、特開平4−45961号公報、特開平4−45965号公報、特開平4−45977号公報、特開平4−234689号公報、特開平4−45982号公報、特開平4−43070号公報、特開平8−2097号公報、特開平8−156401号公報、特開平8−216368号公報、特開平8−230232号公報等)。
【0006】
(3)内部偏倚力の作用を利用した方式
内部偏倚力の作用を利用した方式は、不定形状態と結晶状態とを物理的変化によって形成し、液体インクの付着、非付着領域を構成することにより、画像の記録を行なう技術である(特公昭48−43290号公報、特公昭54−6923号公報、特公昭54−41902号公報、米国特許第321591号明細書等)。
【0007】
前記(1)の水性現像方式によれば、水性インクを紙等に転写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光導電体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電子写真プロセスを基本としているため、帯電→露光→現像→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であるといった欠点をもっている。
【0008】
前記(2)のフォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式によれば、紫外線と可視光との照射を選択的に変えることによって親水性、疎水性を自由かつ可逆的に制御できるものの、フォトクロミック材料がシス−トランス光異性化反応や光イオン化反応を起こす際の量子効率が悪いため、フォトクロミック材料の表面を親水性領域或いは疎水性領域に変化させる際の反応時間が非常に長くて記録速度が遅く、また、フォトクロミック材料の表面状態が不安定であるため、画像記録の安定性に欠けるという課題を有している。
【0009】
前記(3)の方式によれば、そこで使用される情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じるおそれがあることから保存性に問題が残されている。これに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パルスを与え、次いで急冷する手段が採用されることから、繰り返しの画像形成は煩雑さをまぬがれ得ないといった不都合がある。
【0010】
更に、前記(1)〜(3)の方法に共通した問題として、非液体付着性領域にインキが少なからず付着してしまい、複写印刷物の地肌が汚れてしまうという重大な問題を抱えている。
【0011】
このように、上記種々の画像記録方式の場合には、画像記録特性が安定している方式にあっては、画像記録プロセスが複雑であったり、逆に画像記録プロセスが比較的簡単な方式にあっては、画像記録特性が不安定であるため、何れの方式の場合にもオフィス等で使用されるプリンタ、複写機、ファクシミリ或いはオンデマンド性を有する軽印刷機等に適用するには解決すべき課題が多いものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点のうち各方式に共通する非液体付着性領域へのインキの付着を解決すると共に環境上問題のない水系インクを用い、簡単な画像記録プロセスで、安定して高画質な画像を記録することが可能な画像形成方法、またそのための水性インキ及び記録体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは非液体付着性領域へのインキの付着を防止し、画質の向上を可能とする方法を鋭意検討した結果、次の手段によれば目的を達成できることを知り、本発明に至った。すなわち、本発明によれば、第一に、光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する記録体の表面に波長λ1の光を照射し、相対的に液体の接触角が低下して表面エネルギーの高い液体付着性領域(潜像領域)を形成させ、該液体付着領域に液体インキを選択的に付着させることにより顕像化し、或は該顕像を更に被転写体へ転写して複写画像を得る画像形成方法であって、該記録体の表面層がインキ反撥性のポリマーと光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換材料とから構成されていることを特徴とする画像形成方法を基本構成とする
【0014】
第二に、上記画像形成方法において、波長λ1の光を照射する前の記録体表面の臨界表面張力が30dyn/cm以下であることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0015】
第三に、上記画像形成方法において、インキ反撥性のポリマーがシリコーン樹脂もしくは変性シリコーン樹脂、又はシリコーンゴムもしくは変性シリコーンゴムであることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0016】
第四に、上記画像形成方法において、光表面エネルギー変換材料が、光可逆異性化物質であるトランス・シス異性化を起こすスチルベン系、アゾベンゼン系、ケト−エノール互変異性を起こすアゾヒドラゾン系、閉開反応を起こすフルキド系、開閉反応を起こすスピロピラン系、イオン解離反応を起こすトリフェニルメタン系、及び酸化反応を起こすテトラベンゾペンタセンからなる群から選ばれた少なくとも1種の物質であることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0017】
第五に、上記画像形成方法において、記録体表面を構成する層中に、常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0018】
第六に、上記画像形成方法において、液体インキが粘度300mPa・s以下で、少なくとも常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0019】
第七に、上記画像形成方法において、液体インキが粘度300mPa・s以下で、少なくとも油性向上剤を分散、もしくはインキビヒクルに溶解したこと、すなわち、油性向上剤を含有することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0020】
第八に、上記画像形成方法において、液体付着性領域(潜像領域)へ液体インキを選択的に付着させる前に、少なくとも常温で液状のオルガノポリシロキサンを記録体表面に塗布することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0021】
第九に、上記画像形成方法において、液体付着性領域(潜像領域)へ液体インキを選択的に付着させる前に、油性向上剤を記録体表面に塗布することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0022】
第十に、上記画像形成方法において、液体付着性領域(潜像領域)を形成する前に、少なくとも常温で液状のオルガノポリシロキサンを記録体表面に塗布することを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0023】
第十一に、上記画像形成方法において、液体付着性領域上に選択的に付着した液体インキを表面が弾性を有する中間転写体を介して、最終支持体上に粘着転写せしめることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0024】
第十二に、上記画像形成方法において、油性向上剤がステアリン酸アミドまたはパラフィンアルコールであることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面によって詳細に説明する。
図1は、本発明の方法を採用した記録装置の1例を示す構成図である。図1の記録装置において、ドラム1は光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換媒体2が設けられ光表面エネルギー変換記録体を構成している。選択光照射手段3は画像信号に応じてドラム上に光照射を行なう。現像器4のインキ5はインキ担持ローラ6を経て潜像が形成された光表面エネルギー変換媒体2に供給される。被転写体8はドラム1と転写ローラ7の間に搬送される。ドラム1には表面エネルギー消去手段9が設けられている。
【0026】
これらの構成からなる装置の動作を説明する。光表面エネルギー変換媒体2はインキ反撥性のポリマーと光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換材料とから構成され、選択光照射手段3から波長λ1の紫外光が照射された光表面エネルギー変換媒体2の表面は相対的に液体の接触角が低下して表面エネルギーの高い液体付着性領域を形成する。すなわち、表面エネルギーレベル差による潜像が形成される。現像器4に貯えられたインキ5はインキ担持ローラ6を経て光表面エネルギー変換媒体2に供給されて潜像はインキ像として顕像化される。ドラム1は更にインキ像を転写領域まで搬送し、転写ローラ7とドラム1の間隙に搬送された被転写体8上に転写される。その後、光表面エネルギー変換媒体2は表面エネルギー消去手段9から波長λ2の可視光が照射されて全面が非液体付着性領域となり、次の選択光照射に備えられる。なお、λ1は150nm乃至950nm、望ましくは250nm乃至800nmである。
【0027】
図2に、光表面エネルギー変換記録体の構成を示す。支持体10はアルミニウムやガラスや樹脂からなり、表面に光表面エネルギー変換媒体2がコーティングされている。光表面エネルギー変換媒体2は非画像部のインキ反撥性と画像部のインキ受容性を発現させるためインキ反撥性のポリマーと光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換材料とから構成される。
【0028】
この光表面エネルギー変換媒体2は波長λ1の光を照射する前の表面の臨界表面張力を30dyn/cm以下に制御することが好ましく、30dyn/cmを超えるとインキ反撥性が低下し、非画像部にインキの残留が認められる。30dyn/cm以下であれば使用できるインキの範囲が広がる。
【0029】
光表面エネルギー変換媒体2にはインキ反撥性のポリマーの中でもシリコーン樹脂もしくは変性シリコーン樹脂、又はシリコーンゴムもしくは変性シリコーンゴムを使用することが好ましい。シリコーン樹脂もしくは変性シリコーン樹脂、又はシリコーンゴムもしくは変性シリコーンゴムは、臨界表面張力を30dyn/cm以下に制御可能な他の材料に比較して、非画像部(表面エネルギーの低い領域)で撥いたインキを例えばローラ6の形のインキ担持体に戻す作用の点で優れているからである。すなわち、他の材料が非画像部でインキを撥いても、撥いたインキをローラなどで光表面エネルギー変換媒体2の表面から除去する力が弱く該表面に少なからず残留させてしまうのに対して、本発明で使用するシリコーン系樹脂、ゴムはインキ反発性に優れ、非画像部の光表面エネルギー変換媒体2上の微小な液滴まで除去することができる。その結果、非画像部の地肌汚れの発生を著しく抑制することができる。
【0030】
光表面エネルギー変換媒体2には光反射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換材料が含有されるが、光表面エネルギー変換材料の具体例としては以下のものが挙げられる。即ち、光可逆異性化物質であるトランス・シス異性化を起こすスチルベン系、アゾベンゼン系、ケト−エノール互変異性を起こすアゾヒドラゾン系、閉開反応を起こすフルキド系、開閉反応を起こすスピロピラン系、イオン解離反応を起こすトリフェニルメタン系、酸化反応を起こすテトラベンゾペンタセン等がある。
【0031】
本発明の画像形成方法に適用する好ましいインキは、粘度が300mPa・s以下の水性インキである。更に好ましいインキは、常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有する。オルガノポリシロキサンを含有していない場合は、非画像部のインキ付着をなくすために、光表面エネルギー変換媒体2とインキ担持ローラ6との接触を多数回行なうことも場合によって必要であったが、常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有させると、光表面エネルギー変換媒体2とインキ担持ローラ6とを1回接触させるだけで、非画像部にインキの付着は認められなかった。オルガノポリシロキサンのこの作用の詳細は明らかではないが、オルガノポリシロキサンの有する表面移行性、液体反撥性の表層との親和性に由来するものと考えられる。
【0032】
インキに含有するオルガノポリシロキサンは少なくとも液状である必要があるが、前述の表面移行性の観点から粘度は10000mPa・s以下が好ましいが、5mPa・s未満は蒸気圧がやや高いことから適さない。オルガノポリシロキサンは表面に存在するだけでよいことから、微量含有すればよいが、場合によっては主溶剤としての含有も可能であることから限定する必要はない。
オルガノポリシロキサンは、特にジメチルポリシロキサンが好ましく用いられる。
【0033】
また、別の好ましいインキは油性向上剤を含有するものである。油性向上剤はインキが光表面エネルギー変換媒体2の表面に接触したとき、インキ中の油性向上剤はインキ中の他の成分に比べて該表面に吸着しやすい性質を有する。特に、C10〜C20の直鎖炭化水素基を有する脂肪酸、アルコール、エステル、アミン、アミド、脂肪族金属石鹸は、該表面に吸着した際に直鎖炭化水素基間の相互作用で吸着膜は強固となる。一方、油性向上剤吸着膜の存在により、該表面とインキ中の他の成分の相互引力は弱められるので、非画像部におけるインキの付着力を弱める作用を果たす。油性向上剤は、インキ溶媒に溶解若しくは分散して使用する。特に好ましい油性向上剤は、ステアリン酸アミド、パラフィンアルコールである。
【0034】
次に反撥性表層に含有する常温で液状のオルガノポリシロキサンについて説明する。好ましい光表面エネルギー変換媒体2は常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有する。オルガノポリシロキサンを含有させると、インキに該オルガノシロキサンを含有させたときと同様の作用を示す。なお、光表面エネルギー変換媒体2、インキの両方にオルガノポリシロキサンを含有させた場合も効果は変わらず副作用もない。特に好ましい光表面エネルギー変換媒体2に含有されるオルガノポリシロキサンの粘度は、前述の表面移行性の観点から10000mPa・s以下が好ましいが、5mPa・s未満は蒸気圧がやや高いことから適さない。また、光表面エネルギー変換媒体2に含有されるオルガノポリシロキサンは特にジメチルポリシロキサンが好ましく用いられる。
【0035】
インキ5又は光表面エネルギー変換媒体2におけるオルガノポリシロキサンの適用は、画像形成の一工程における適用としても実施できる。すなわち、インキング工程に先立ちオルガノポリシロキサン塗布工程を設けることで達成できる。この場合、好ましい粘度は付着量制御上5〜1000mPa・s程度が良好である。
【0036】
塗布はローラ塗布が適している。具体的な構成を図3に示す。図3では、図1の構成に加えて潜像が形成された後にポリオルガノシロキサン11が規制ブレード12により塗布量を調整されて担持ローラ13により塗布される。
【0037】
次に、光表面エネルギー変換媒体2上に現像したインキの被転写体8への好ましい転写法について説明する。高粘性トナーに適した方法として粘着転写法を採用することが好ましい。特に最終転写体の種類等を選ばず、様々な最終転写体を使用することによる光表面エネルギー変換媒体2表面の微小な損傷を避ける必要から、表面が弾性を有する中間転写体にインキを転写し、更に中間転写体から最終転写体へ粘着転写する方法が好ましい。
【0038】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。実施例中、「部」は重量部である。
【0039】
参考例
アルミニウムドラム上に下記組成の光表面エネルギー変換媒体形成液をバーコーターにて塗工し、110℃で2時間硬化させて、膜厚10μmの光表面エネルギー変換記録体を得た。(光表面エネルギー変換媒体形成液)
シリコーン樹脂
(東レダウコーニングシリコーン製、SR2411) 100部
スピロピラン 10部
トルエン 50部
得られた光表面エネルギー変換記録体の光表面エネルギー変換媒体表面の臨界表面張力は22dyn/cmであった。
【0040】
次に、この光表面エネルギー変換記録体を図1の構成の装置に装着し、作像を行なった。インキはリコー水性インキ(リコータイプBP40インク)を用いた。
現像器を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)には、均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段3から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)にはインキ付着は少なく、光表面エネルギー変換媒体2上に画像がはっきりと確認された。
弾性表面を設けた中間転写ドラムを介して紙に転写後の画像は、地肌部分にわずかなインキが付着するものの画像部分がはっきりと転写された。また中間転写ドラムにインキを転移した後の光表面エネルギー変換媒体2に残留するインキは少ないものであった。また、紙にインキを転写した後の中間転写ドラムに残留するインキも少なかった。
なお、上記リコータイプBP40インクの主成分は顔料、樹脂、水、ポリアクリル酸トリエタノールアミン、エチレングリコール、パラフィン系油である。
【0041】
比較例1
参考例1の光表面エネルギー変換媒体形成液のシリコーン樹脂をポリスチレンに変え、固形分が参考例1と同じになるようにトルエン量を調整し、参考例1と同様に光表面エネルギー変換記録体を作製した。参考例1と同様に作像を行なったところ、光表面エネルギー変換媒体上の非液体付着性領域(非画像部)にインキ付着が認められた。
【0042】
参考例
参考例1のインキにジメチルポリシロキサン(信越シリコーン製、KF−96−300cp)を5wt%添加して参考例1と同様にして作像したところ、現像器4を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)には参考例1と同程度に均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段3から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)のインキ付着は視認できない程度に少なく、光表面エネルギー変換媒体上に画像がはっきりと確認された。弾性表面を設けた中間転写ドラムを介して紙に転写後の画像は、地肌部分にインキが全く付着せず、画像部分がはっきりと転写された。中間転写ドラムにインキを転移した後の光表面エネルギー変換媒体2に残留するインキは少ないものであった。また、紙にインキを転写した後の中間転写ドラムに残留するインキも少なかった。
【0043】
参考例
参考例1のインキにステアリン酸アミドを0.5wt%添加して参考例1と同様にして作像したところ、現像器を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)は参考例1と同程度に均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段(3)から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)のインキ付着はほとんど認められず、光表面エネルギー変換媒体上に画像がはっきりと確認された。
【0044】
参考例
参考例1のインキにバラコール(日本精ろう製、パラフィンアルコール)を1wt%添加して参考例1と同様にして作像したところ、現像器を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)には参考例1と同程度に均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段3から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)のインキ付着はほとんど認められず、光表面エネルギー変換媒体上に画像がはっきりと確認された。
【0045】
実施例
参考例1の光表面エネルギー変換媒体2表面に、ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン製、KF−96−300cp)を含浸させた。参考例1と同様にして作像したところ、現像器を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)には参考例1と同程度に均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段3から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)のインキ付着は視認できない程度に少なく、光表面エネルギー変換媒体上に画像がはっきりと確認された。弾性表面を設けた中間転写ドラムを介して紙に転写後の画像は、地肌部分にインキが全く付着せず、画像部分がはっきりと転写された。中間転写ドラムにインキを転移した後の光表面エネルギー変換媒体2に残留するインキは少ないものであった。また、紙にインキを転写した後の中間転写ドラムに残留するインキも少なかった。
【0046】
参考例5
ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン製、KF−96−300cp)を現像前に塗布する構成とした。ジメチルポリシロキサンの塗布以外は参考例1と同じ構成で作像を行なった。現像器を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)には特に均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段(3)から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)のインキ付着は視認できない程度に少なく、光表面エネルギー変換媒体上に画像がはっきりと確認された。現像前にジメチルポリシロキサンを光表面エネルギー変換媒体に塗布したことによる副作用は認められなかった。
【0047】
参考例6
参考例4で使用したバラコールを溶解し、担持ローラにコーティングした。担持ローラを装置に加えた以外は参考例1と同じ構成で作像を行なった。現像器を通過後の光表面エネルギー変換媒体2の像様の露光が行なわれた液体付着性領域(画像部)には特に均一なインキ被膜が形成された。選択光照射手段3から紫外光が照射されていない非液体付着性領域(非画像部)のインキ付着は視認できない程度に少なく、光表面エネルギー変換媒体上に画像がはっきりと確認された。現像前にバラコールを光表面エネルギー変換媒体に塗布したことによる副作用は認められなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像形成方法によれば、記録体の表面層がインキ反撥性のポリマーと光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換材料とから構成されていることから、従来問題とされていた非液体付着性領域へのインキの付着が防止され、複写印刷物の地肌汚れを防止することができる。また非画像部に液体が付着しないため、定着、乾燥に有利となる。
【0049】
本発明の画像形成方法において、該波長λ1の光を照射する前の該記録体表面の臨界表面張力が30dyn/cm以下とすると、記録体表面のインキ反撥性が低下せず、非画像部のインキ残留防止効果が高い。
【0050】
本発明の画像形成方法によれば、該記録体表面に含有されるインキ反撥性ポリマーがシリコーン樹脂もしくは変性シリコーン樹脂、又はシリコーンゴムもしくは変性シリコーンゴムであることから、インキ反撥性に優れ、ローラーなどによって非画像部の光表面エネルギー変換媒体2上の微小な液滴まで除去することができ、地肌汚れの発生を著しく抑制することができる。
【0051】
本発明の画像形成方法によれば、特定の光表面エネルギー変換材料が使用されることから、紫外光照射による表面エネルギーの変化に富み、そのため、使用されるインキの接触角をシャープに変化させることができる。
【0052】
本発明の画像形成方法によれば、上記記録体表面を構成する層中に、常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有することから、表面層とインキの親和性が増し光表面エネルギー変換媒体2とインキ担持ローラ6とを1回接触させるだけで、非画像部にインキの付着が起きない。
【0053】
本発明の画像形成方法によれば、インキの粘度が300mPa・s以下で、常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有することから、上記オルガノポリシロキサンを表層に含有させる場合と同様、非画像部へのインキの付着防止効果が高い。
【0054】
本発明の画像形成方法によれば、インキの粘度が300mPa・s以下で、油性向上剤を分散もしくはインキビヒクルに溶解したので、記録体表面へのインキの吸着力が強固となる一方、非画像部におけるインキの付着を弱める作用がある。
【0055】
本発明の画像形成方法によれば、該液体付着性領域(潜像領域)へインキを選択的に付着させる前に、常温で液状のオルガノポリシロキサンを該表面層に塗布することから、この場合も上記表層やインキに含有させた場合と同様、非画像部へのインキの付着を防止することができる。
【0056】
本発明の画像形成方法によれば、該液体付着性領域(潜像領域)へインキを選択的に付着させる前に、油性向上剤を該表面層に塗布することから、この場合もインキに含有させた場合と同様、記録体表面へのインクの吸着を強固にする一方、非画像部へのインキの付着を弱めることができる。
【0057】
本発明の画像形成方法によれば、該液体付着性領域(潜像領域)を形成する前に、常温で液状のオルガノポリシロキサンを該表面層に塗布することから、この場合も表層やインキに含有させた場合と同様、非画像部へのインキの付着を防止することができる。
【0058】
本発明の画像形成方法によれば、該液体付着性領域(潜像領域)上に選択的に付着した液状又は粘性液状のインキを表面が弾性の中間転写体を介して、最終支持体上に粘着転写させることから、最終転写体の種類等を選ばず、様々な最終転写体を使用しても光表面エネルギー変換媒体2表面の損傷を避けることができる。
【0059】
本発明の画像形成方法によれば、油性向上剤がステアリン酸アミドまたはパラフィンアルコールであることから、非画像部へのインキの付着を弱める効果が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を採用した記録装置の1例を示す構成図。
【図2】光表面エネルギー変換記録体の構成図。
【図3】潜像形成後にポリオルガノシロキサンをローラ塗布する具体的な構成図。
【符号の説明】
1 ドラム
2 光表面エネルギー変換媒体
3 選択光照射手段
4 現像器
5 インキ
6 インキ担持ローラ
7 転写ローラ
8 被転写体
9 表面エネルギー消去手段
10 支持体
11 ポリオルガノシロキサン
12 規制ブレード
13 担持ローラ

Claims (2)

  1. 光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する記録体の表面に波長λ1(150nm乃至950nm)の光を照射し、相対的に液体の接触角が低下して表面エネルギーの高い液体付着性領域(潜像領域)を形成させ、該液体付着性領域に液体インキを選択的に付着させることにより顕像化し、或は更に該顕像を被転写体へ転写して複写画像を得る画像形成方法であって、該記録体の表面層がインキ反撥性のポリマーと光照射による表面エネルギーの変化により液体の接触角が変化する性質を有する光表面エネルギー変換材料とから構成され、前記インキ反撥性のポリマーは、シリコーン樹脂もしくは変性シリコーン樹脂又はシリコーンゴムもしくは変性シリコーンゴムであり、前記光表面エネルギー変換材料は、可逆異性化物質であるトランス・シス異性化を起こすスチルベン系、アゾベンゼン系、ケト−エノール互変異性を起こすアゾヒドラゾン系、閉開反応を起こすフルキド系、開閉反応を起こすスピロピラン系、イオン解離反応を起こすトリフェニルメタン系、及び酸化反応を起こすテトラベンゾペンタセンからなる群から選ばれた少なくとも1種の物質であり、前記記録体の表面層は、常温で液状のオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 液体付着性領域上に選択的に付着した液体インキを表面が弾性を有する中間転写体を介して、最終支持体上に粘着転写せしめることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
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