JP4055350B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として自動車のドアマウント用として用いられるスピーカ装置に関するものであり、ドアのスピーカ取付部に対して容易に取り付け、取り外すことができ、かつドアの取付部とスピーカ装置の間の密閉性が確保できるスピーカ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図4のスピーカ装置と取付面との結合状態を示す断面図により説明する。
【0003】
同図によると、1はスピーカ装置であり、このスピーカ装置1の樹脂製のフレーム2の外周部内部に形成された爪3をドアの取付面4に設けられたスピーカ取付用穴5の端部に引掛け、フレーム2の外周部内側のこのフレーム2に一体に樹脂成形により設けられたつの字状のクリップ6をクリップ挿入用穴7に差し込み、上方の自由端側の端部を弾性変形させてその段部6aで落し込むことにより前記取付面4に取り付けられるようになっている。
【0004】
また、スピーカ装置1を前記取付面4から外す時は、前記フレーム2と前記取付面4との隙間Aより取り外し治具(図示せず)を挿入し、クリップ6の前記自由端側の端部に力を加えて変形させることで前記クリップ6と前記クリップ挿入用穴7の端面との嵌合を外し、B方向に前記スピーカ装置1を引っ張って前記取付面4より取り外すものである。
【0005】
なお、8はフレーム2の外周部全周に設けられたシール材であり、これによりスピーカ装置1と取付面4との間を密着させて、主として空気のもれ防止(スピーカ装置1の後方の音の前方への回り込みの防止)や防振材として使用されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来の構成では、前記スピーカ装置1を前記取付面4から取り外す際には、前記フレーム2と前記取付面4との前記隙間Aより取り外し治具を挿入し、前記クリップ6に力を加えてクリップ6を変形させる必要がある。よって、前記取り外し治具を挿入する個所のフレーム2と取付面4との隙間Aは、前記フレーム2と前記取付面4の密閉性を上げるために小さくすれば前記取り外し治具が挿入しにくく、取り外す作業が困難となり、逆に大きくすれば密閉性を損なうという課題を有していた。
【0007】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、スピーカの取付面に対して容易にスピーカ装置を取り付け、取り外すことができ、かつ取付面とスピーカの間の密閉性が確保できるスピーカ装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、特にフレーム内にクリップを前方から操作できる穴部を形成し、更にこの穴部を塞ぐ蓋を設けたものであり、前記フレームと前記取付面間にクリップ操作用の隙間を設ける必要がないので、前記取付面と前記スピーカ装置の前記フレーム間の密閉状態を従来のものより確保して音質の向上を図ることができるとともに、蓋を外してクリップを操作するだけでスピーカ装置の取り外しを行えて、従来の着脱の操作性は維持できるものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓋をフレームの外周部に一体に樹脂成形により設けたので、部品点数を増やして、コスト増を招くことなく、経済性に優れたスピーカ装置とすることができるものである。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1の蓋の内側にU字状のクリップの内側にはまり込む突起部を設けたものであり、クリップに加えられる外力によるクリップの変形を防止できるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図1〜図3により説明する。なお、説明にあたっては従来技術と同一部分は同一番号を付与し、説明を省略して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明のスピーカ装置の実施の形態1の側断面図であり、図1(b)は同要部であるフレームのクリップ近傍の部分拡大斜視図であり、主として請求項1のスピーカ装置を説明するものである。
【0013】
同図によると、従来技術との相違点はフレーム2をクリップ6の上側まで拡大すると共にこのクリップ6の前側にあたる部分には穴9を設け、更に、この穴9は蓋10により密閉している。スピーカ装置1と取付面4との密閉性は、フレーム2の外周部全周に設けられたシール材8を取付面4との間で密着させることにより実現している。
【0014】
以上の構成により、本発明によるスピーカ装置は、スピーカ装置1の取付面4への装置は従来と同様に行え、蓋10をフレーム2より取り外し、フレーム2の穴9を通して取り外し治具を挿入し、クリップ6の自由端に力を加えることでクリップ6を変形させ、クリップ6とクリップ挿入用穴7の端面との係合を外し、スピーカ装置1を取付面4より取り外すことで行われるものである。
【0015】
従って、スピーカ装置1を取付面4から取り外すためにフレーム2と取付面4との間に従来のように隙間Aを設ける必要がなく、また、取り外す時以外はフレーム2の穴9は蓋10により密閉することができ、容易にスピーカ装置1の取り付け、取り外しができる上に、取付面4とスピーカ装置1の間の密閉性が確保できるものである。
【0016】
なお、蓋10には穴9と若干の圧入嵌合となる凸部10aを設けているので、外部から蓋10を取り外すための力を加えない限り、蓋10は外れることはない。
【0017】
(実施の形態2)
図2(a)は本発明のスピーカ装置の実施の形態2の側断面図であり、図2(b)は同要部であるフレームのクリップ近傍の部分拡大斜視図であり、主として請求項2に係るスピーカ装置を説明するものである。
【0018】
同図により図1の実施の形態1との相違点のみを説明すると、10bはフレーム2にヒンジ11を介して一体に樹脂成形した蓋であり、この蓋10bには図1の実施の形態1と同様に穴9に圧入嵌合される凸部10aが設けられている。
【0019】
以上の構成により、実施の形態1の効果に加えて、補修時にスピーカ装置1を取付面4より脱着する際に蓋10bを紛失する心配が無い上に、蓋10bをフレーム2と別部品として成形する必要がないため部品点数の削減が可能となるものである。
【0020】
(実施の形態3)
図3は本発明のスピーカ装置の実施の形態3の側断面図であり、主として請求項3に係るスピーカ装置を説明するものである。
【0021】
同図により図1の実施の形態1との相違点のみを説明すると、10cはクリップ6の端部間にはまり込むクリップ変形防止用突起部10dを設けた蓋であり、これにより、蓋10cがフレーム2に取り付けられている際は、クリップ6の変形を妨げるためクリップ6とスピーカ取付用穴5の端部の結合を蓋10cをまず外さない限り極めて外れにくくすることができるものである。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明はスピーカ装置を取り外す際は蓋を開け、蓋で塞がれていた穴を通してクリップに力を加えることでスピーカ装置の取付面との嵌合を外すことができるようにしたため、スピーカ装置と取付面との間にスピーカ装置を取り外すための取り外し治具挿入のための隙間を設ける必要が無く、取付面に対して容易にスピーカ装置の取り付け、取り外しをすることができる上、取付面とスピーカ装置との間の密閉性が確保できるスピーカ装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のスピーカ装置の一実施の形態の側断面図
(b)同要部であるフレームのクリップ近傍の部分拡大斜視図
【図2】(a)本発明のスピーカ装置の他の実施の形態の側断面図
(b)同要部であるフレームのクリップ近傍の部分拡大斜視図
【図3】同スピーカ装置の他の実施の形態の側断面図
【図4】従来のスピーカ装置と取付面との結合状態を示す側断面図
【符号の説明】
1 スピーカ装置
2 フレーム
3 爪
4 取付面
5 スピーカ取付用穴
6 クリップ
7 クリップ挿入用穴
8 シール材
9 フレーム上の穴
10,10b,10c 蓋
10a 凸部
10d クリップ変形防止用突起部
Claims (3)
- 少なくとも取付面のスピーカ取付穴に引っ掛けられるフレームの外周部内側に形成された2つ以上の爪と、フレームの外周部内側に形成された断面がU字状で弾性を有し、そのU字状の自由端側の近傍に段部を設けた前記フレームと一体に樹脂形成されたクリップとからなり、前記爪とクリップとで前記取付面に装着されるスピーカ装置であって、前記クリップの自由端を下方に押すための穴部をフレームに設けるとともに、この穴部を蓋によって密閉し、更にフレームの外周部全周に亘って前記クリップと爪の外周側にシール材を設けたスピーカ装置。
- 穴を密閉する蓋を合成樹脂製のフレームの外周部に一体に樹脂成形した請求項1に記載のスピーカ装置。
- 蓋の内側にU字状のクリップの内側にはまり込む突起部を設けた請求項1に記載のスピーカ装置。
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