JP4054971B2 - ゴルフボール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り返し打撃に対する耐久性に優れ、良好なスピン特性や反発性や打感を有するゴルフボール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
マルチプルピースゴルフボールにおいて、カバー外層にポリウレタンエラストマー、内層にアイオノマー樹脂を主材としたゴルフボールが近年のトレンドとなっている(特開平9−215775号公報、特開平11−104271号公報、米国特許第5885172号公報、米国特許第6213894号公報等)。
通常、このようなマルチプルピースゴルフボールを作製する場合、ポリブタジエンゴムを主体とした加硫ゴムコア上に内層用アイオノマー樹脂を射出成形もしくは型付け成形等により定められた厚みで被覆し、その上にカバー用ポリウレタンエラストマーを被覆する方法が選ばれる。
【0003】
ところが、この際に内層のアイオノマー樹脂とポリウレタンエラストマーは、直接接着し難いという問題がある。接着が不充分であると、反発性・飛距離の低下や、繰返し打撃時のゴルフボール耐久性の低下や、不安定なスピン特性が生じたりする問題が生じる。
そこで、その様な接着性を解消するためにカバー内層やカバー外層にある特定の熱可塑性樹脂をブレンドしたり(特開平11−137726号公報)、接着剤・プライマーを内層上に予め塗布したり(特開平10−179795号公報、特開2001−585号公報)、内層表面上をプラズマやコロナ放電処理する事で接着強度を上げる方法(米国特許第6315915号公報)といった提案が数多くなされてきた。
【0004】
しかしながら、これらのどの方法にも改良の余地が見られた。例えば特定の熱可塑性樹脂をブレンドする方法や、接着剤・プライマーを塗布する方法では、ボールの反発性が低下する場合がある。また、プラズマ処理やコロナ放電処理を施す方法や、接着剤・プライマーを塗布する方法は、接着性が不充分でボール物性の改善が認められない場合があり、しかも高価な新規設備の導入等が必要な場合には、成形工程が増えるとともに生産コストが高くなる恐れがある。
このため、内層と外層との接着力向上をより簡便に、且つ効果的に実現できる製造方法の開発、並びに内層と外層が良好に接着したゴルフボールが求められてきた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、カバー内層と外層の接着性が良好で、繰り返し打撃に対する耐久性に優れ、良好なスピン特性、反発性、打感を与えるゴルフボール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、内層がアイオノマー樹脂、外層がポリウレタンエラストマー等の非アイオノマー樹脂を主材として形成されたカバーを有するゴルフボールを製造するに際し、上記内層表面を塩酸により酸洗浄することにより、内層と外層との間の接着強度が著しく向上し、例えば後述する測定法により0.5N以上/4.5mmという接着強度が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、下記ゴルフボール及びその製造方法を提供する。
〔請求項1〕 コアに内層と外層とを含むカバー層を被覆してなるゴルフボールにおいて、カバー内層がアイオノマー樹脂を主材として形成されていると共に、カバー外層が非アイオノマー樹脂を主材として形成され、かつ上記カバー内層表面が塩酸により酸処理されていることを特徴とするゴルフボール。
〔請求項2〕 カバー内層表面が表面研磨され、この表面研磨されたカバー内層表面が塩酸により酸処理されたものである請求項1記載のゴルフボール。
〔請求項3〕 塩酸の酸濃度が0.5〜10重量%である請求項1又は2記載のゴルフボール。
〔請求項4〕 カバー外層の非アイオノマー樹脂が熱可塑性エラストマーである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔請求項5〕 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマーである請求項4記載のゴルフボール。
〔請求項6〕 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマー100重量部にイソシアネート混合物を5重量部以上50重量部以下の割合で配合したものである請求項4記載のゴルフボール。
〔請求項7〕 イソシアネート混合物が、(i)1分子中に官能基として2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物と、(ii)該イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂とからなり、(i)を(ii)中に分散させたイソシアネート混合物であり、(ii)成分と(i)成分の配合比が100:5〜100:100(重量部)である請求項6記載のゴルフボール。
〔請求項8〕 カバー内層表面とカバー外層との間の接着強度が0.5N以上/4.5mmである請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔請求項9〕 コアに内層と外層とを含むカバー層を被覆してなるゴルフボールを製造する方法において、コアを被覆してアイオノマー樹脂を主材とするカバー内層を形成し、このカバー内層表面を塩酸により酸処理した後、非アイオノマー樹脂を主材とするカバー外層を上記カバー内層を覆って形成することを特徴とするゴルフボールの製造方法。
〔請求項10〕 カバー内層を形成した後、その表面を研磨し、次いでこの研磨表面を塩酸により酸処理するようにした請求項9記載の製造方法。
〔請求項11〕 塩酸の酸濃度が0.5〜10重量%である請求項9又は10記載の製造方法。
〔請求項12〕 カバー外層の非アイオノマー樹脂が熱可塑性エラストマーである請求項9〜11のいずれか1項記載の製造方法。
〔請求項13〕 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマーである請求項12記載の製造方法。
〔請求項14〕 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマー100重量部にイソシアネート混合物を5重量部以上50重量部以下の割合で配合したものである請求項12記載の製造方法。
〔請求項15〕 イソシアネート混合物が、(i)1分子中に官能基として2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物と、(ii)該イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂とからなり、(i)を(ii)中に分散させたイソシアネート混合物であり、(ii)成分と(i)成分の配合比が100:5〜100:100(重量部)である請求項14記載の製造方法。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、図1に示したように、コア1に、内層2と外層3とを含むカバー層を被覆してなるゴルフボールであって、内層2表面が塩酸により酸処理2aされていることを特徴とするゴルフボールである。
【0009】
本発明のゴルフボールのコアは、ソリッドコア又は糸巻きコアのいずれであっても良いが、本発明の効果の上からはソリッドコアが好適に用いられる。
【0010】
上記ソリッドコアは、例えば共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、有機硫黄化合物等を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。該ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエンを主材とするものが好ましく用いられる。
ポリブタジエンに特に制限は無く、従来よりゴルフボール用ソリッドコアに用いられているものを使用することができ、例えばシス構造を少なくとも40重量%以上含有する1,4−シスポリブタジエンが好ましく用いられる。上記基材ゴムとしては、ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等を配合したものを用いても良い。
【0011】
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
【0012】
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100重量部に対し、通常10重量部以上、好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、上限として通常60重量部以下、好ましくは50重量部以下、更に好ましくは45重量部以下、最も好ましくは40重量以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
【0013】
上記有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサ 3M(日本油脂社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を好適に用いる事ができる。これらは一種を単独であるいは二種以上を併用しても良い。
【0014】
上記過酸化物は、上記基材ゴム100重量部に対し、通常0.1重量部以上、好ましくは0.3重量部以上、更に好ましくは0.5重量部以上、最も好ましくは0.7重量部以上、上限として通常5重量部以下、好ましくは4重量部以下、更に好ましくは3重量部以下、最も好ましくは2重量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
【0015】
不活性充填剤としては、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いる事ができ、一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100重量部に対し、通常5重量部以上、好ましくは7重量部以上、上限として通常50重量部以下、好ましくは40重量部以下、更に好ましくは30重量部以下、最も好ましくは20重量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な重量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
【0016】
更に、必要に応じて老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてはノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業(株)製)、ヨシノックス425(吉富製薬(株)製)等が挙げられる。これらは一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
該老化防止剤の配合量は上記基材ゴム100重量部に対し、通常0重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは0.1重量部以上、最も好ましくは0.2重量部以上、上限として通常3重量部以下、好ましくは2重量部以下、更に好ましくは1重量部以下、最も好ましくは0.5重量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
【0017】
上記ソリッドコアには、ゴルフボールの反発性を向上させるため、硫黄化合物を配合しても良い。
硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えばチオフェノール、チオナフトール、ハロゲン化チオフェノール又はそれらの金属塩等が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドが好適に用いられる。
【0018】
このような硫黄化合物の配合量は、上記基材ゴム100重量部に対し、通常0.05重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、更に好ましくは0.2重量部以上、上限として通常5重量部以下、好ましくは4重量部以下、更に好ましくは3重量部以下、最も好ましくは2.5重量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると効果が頭打ちとなりそれ以上の効果が見られなくなる場合があり、配合量が少なすぎると、その配合効果が十分達成されない場合がある。
【0019】
上記ソリッドコアは、上記各成分を含有するゴム組成物を、公知の方法で加硫硬化させることによりソリッドコアを製造することができ、例えばバンバリーミキサーやロール等の混練機を用いて混練し、コア用金型にて圧縮成形又は射出成形し、成形体を過酸化物や共架橋剤が作用するのに十分な温度、例えば過酸化物としてジクミルパーオキサイドを用い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いた場合には、通常約130〜170℃、特に150〜160℃で10〜40分、特に12〜20分の条件にて適宜加熱することにより、成形体を硬化させて製造することができる。
【0020】
また、上記ソリッドコア表面のショアD硬度は45以上、特に48以上で、58以下、特に55以下の範囲が好ましい。この場合、ソリッドコアの配合材料、過酸化物、共架橋剤の種類や量、加硫条件などを適宜選定することにより、上述した範囲内の表面硬度(ショアD硬度)を得ることが可能となる。ソリッドコア表面の硬度が小さすぎると打感が軟らかくなる場合や、反発性が低下して飛距離が出なくなる場合があり、硬度が大きすぎると、打感が硬くなる場合、吹き上がる弾道となる場合がある。
【0021】
また、上述したソリッドコアの構造については、単層又は複数層に形成することができ、スピン量を調整するためには複数層、特に2層に形成することが好ましい。複数層のソリッドコアを用いる場合には、本発明におけるソリッドコア表面の硬度とは、コア部分の最外層の表面硬度を意味するものである。
【0022】
なお、上記ソリッドコアの直径は25mm以上、特に36mm以上とすることが好ましく、一方、上限としては40mm以下、特に24mm以下とすることが好ましい。また、重さは20〜32g、特に27〜30gであることが好ましい。
【0023】
本発明におけるカバー層のうち内層としては、アイオノマー樹脂を主材として形成したものを使用する。内層は、単一の層からなるものであっても、複数の層からなるものであっても良い。
【0024】
上記アイオノマー樹脂としては、ゴルフボールの内層として性能を発揮できる材料であれば特に制限は無く、ゴルフボール用材料として公知のものが使用されるが、例えばオレフィンと不飽和カルボン酸を主モノマーとする共重合体の金属イオン中和物や、オレフィンと不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルを主モノマーとする共重合体の金属イオン中和物、あるいはそれら共重合体の混合物等が挙げられる。
【0025】
上記オレフィンとしては、α−オレフィンが好適に用いられる。α−オレフィンの具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテンなどが挙げられ、この中でも、特にエチレンが好ましい。また、これらオレフィンを複数種組み合わせて使用しても良い。
【0026】
上記不飽和カルボン酸としては、炭素原子数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸が好適に用いられる。炭素原子数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられ、この中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましく使用される。また、これら不飽和カルボン酸を複数種組み合わせて使用しても良い。
【0027】
上記不飽和カルボン酸エステルとしては、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルが好適であるが、これに限定されるものではない。具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)が好適に用いられる。これら不飽和カルボン酸エステルは、複数種組み合わせて用いることもできる。これら不飽和カルボン酸エステルは、アイオノマー樹脂の柔軟性向上に寄与することができる。
【0028】
なお、上記オレフィンと不飽和カルボン酸を主モノマーとする共重合体や、オレフィンと不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルを主モノマーとする共重合体を製造する際には、更に任意のモノマーを、本発明の目的を損なわない範囲で共重合させても良い。
これら共重合体中の不飽和カルボン酸の含有量としては、共重合体中に0.2モル%以上、特に5モル%以上、上限として25モル%以下、特に15モル%以下とすることが好ましい。不飽和カルボン酸含有量が少なすぎると、剛性・反発性が小さくなり、ゴルフボールの飛び性能が低下する場合がある。不飽和カルボン酸含有量が多すぎると、柔軟性が不十分となる場合がある。
【0029】
オレフィンと不飽和カルボン酸を主モノマーとする共重合体と、オレフィンと不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルを主モノマーとする共重合体とを配合して用いる場合、その配合量は重量比で100:0〜25:75であるものが好ましい。オレフィンと不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルを主モノマーとする共重合体の配合量が多すぎると、反発性が不十分となる場合がある。
【0030】
本発明におけるアイオノマー樹脂は、上記の共重合体を1〜3価の金属イオンの少なくとも1種で中和して得られるものが好ましく用いられる。中和に適した1〜3価の金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、第1鉄、第2鉄などのイオンを挙げることができる。
【0031】
このような金属イオンの導入は、例えば上記の共重合体と、上記1〜3価の金属の水酸化物、メトキシド、エトキシド、炭酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、酢酸塩及び酸化物等とを反応させることによって達成される。
上記共重合体中に含まれるカルボン酸の中和量としては、共重合体中のカルボン酸基の少なくとも10モル%以上、特に30モル%以上で、100モル%以下、特に90モル%以下が金属イオンによって中和されていることが好ましい。中和量が少ないと、低反発性となる場合がある。
【0032】
また、1価、2価、又は3価の異なる金属イオン種を含むアイオノマー樹脂をそれぞれ適当量ブレンドする事により、アイオノマー樹脂を主成分として形成される層の反発性と耐久性のバランスが取れる事は公知であり、本発明においてもその様な配合にてブレンドすることが好ましい。
【0033】
本発明に使用するアイオノマー樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えばオレフィンと不飽和カルボン酸を主モノマーとする2元ランダム共重合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1554、同1557、同1601、同1605、同1706、同AM7311(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン7930(米国デュポン社製)、アイオテック3110、同4200(EXXONMOBIL CHEMICAL社製)等が挙げられ、オレフィンと不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルを主モノマーとする3元ランダム共重合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1855、同1856、同AM7316(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン6320、同8320、同9320、同8120(いずれも米国デュポン社製)、アイオテック7510、同7520(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等が挙げられる。
【0034】
なお、上記内層には、さらに必要に応じて種々の添加剤を配合しても良く、このような添加剤としては、具体的には、例えば顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを加えることができる。このような添加剤として、より具体的には、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等の無機充填剤を挙げることができる。
【0035】
次に、本発明におけるカバー層のうち外層としては、非アイオノマー樹脂を主成分として形成されたものが用いられる。この場合、外層は、単一の層からなるものであっても、複数の層からなるものであっても良い。
【0036】
上記の非アイオノマー樹脂としては、ゴルフボールの外層として性能を発揮できる材料であれば特に制限はなく、ゴルフボール用材料として公知のものが使用されるが、例えばポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられ、特にポリウレタンエラストマーが好ましく用いられる。
【0037】
上記ポリウレタンエラストマーとしては、ポリウレタンを主成分とするエラストマーであれば特に限定されるものではないが、ソフトセグメントを構成する高分子ポリオール化合物と、ハードセグメントを構成するジイソシアネート及び単分子鎖延長剤とから構成されていることが好ましい。
【0038】
高分子ポリオール化合物としては、特に制限されるものではないが、例えばポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール等が挙げられ、反発弾性の観点あるいは低温特性の観点から、ポリエーテル系が好ましく用いられる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えばポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、特に、ポリテトラメチレングリコールが好ましく用いられる。また、これらの数平均分子量は好ましくは1000〜5000、より好ましくは1500〜3000である。
【0039】
ジイソシアネートとしては、特に制限されるものではないが、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。本発明では、後述するイソシアネート混合物を配合した場合の、イソシアネート混合物との反応安定性の観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0040】
単分子鎖延長剤としては、特に制限されないが、通常の多価アルコール、アミン類を用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキシレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジシクロヘキシルメチルメタンジアミン(水添MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)などが挙げられる。これら鎖延長剤の平均分子量は20〜15000であることが好ましい。
【0041】
このようなポリウレタンエラストマーとしては、市販品を用いることができ、例えばパンデックスT7298、同TR3080、同T8290、同T8295、同T8260(ディーアイシーバイエルポリマー社製)やレザミン2593、同2597(大日精化工業社製)などが挙げられる。これらは一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
【0042】
本発明の外層には、上述したポリウレタンエラストマーに後述する特定のイソシアネート混合物を更に配合したものが好ましく用いられる。該特定のイソシアネート混合物を配合することにより、通常のポリウレタンエラストマー単独を主材として形成された外層カバーを用いたゴルフボールと比べて、フィーリング性、コントロール性、耐カット性、耐擦過傷性及び操り返し打撃時の割れ耐久性が更に優れたゴルフボールを得る事ができる。
【0043】
上記特定のイソシアネート混合物とは、(i)1分子中に官能基として2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物と、(ii)該イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂とからなり、(i)を(ii)中に分散させたイソシアネート混合物のことを意味する。
【0044】
ここで、上記(i)のイソシアネート化合物としては、従来のポリウレタンに関する技術において使用されているイソシアネート化合物を使用でき、例えば芳香族イソシアネート化合物、芳香族イソシアネート化合物の水素添加物、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート及びこれら両者の混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物の水素添加物としては、例えばジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
【0046】
また、上記(ii)の熱可塑性樹脂としては、吸水性が低く、熱可塑性ポリウレタン材料との相溶性に優れた樹脂が好ましい。このような樹脂として、例えばポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルエラストマー(ポリエーテル・エステルブロック共重合体、ポリエステル・エステルブロック共重合体等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。反発弾性や強度の観点から、ポリエーテル・エステルブロック共重合体が特に好ましい。
【0047】
イソシアネート混合物を製造する際の、上記(ii)成分と(i)成分の配合比は、100:5〜100:100(重量比)、特に100:10〜100:40(重量比)である事が好ましい。(ii)成分に対する(i)成分の配合量が少なすぎると、ポリウレタンエラストマーとの架橋反応に充分な添加量を得るためには、より多くのイソシアネート混合物を添加しなくてはならず、(ii)成分の影響が大きく作用することで架橋後のポリウレタンエラストマーの物性が不充分となる場合があり、配合量が多すぎると(i)成分が混練中にすべり現象を起こし混合物の合成が困難となる場合がある。
【0048】
イソシアネート混合物は、例えば(ii)成分に(i)成分を配合し、これらを温度130〜250℃のミキシングロールまたはバンバリーミキサーで充分に混練して、ペレット化または冷却後粉砕することにより得ることができる。
該イソシアネート混合物としては、市販品を用いることができ、例えば大日精化工業(株)製クロスネートEM30等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
【0049】
上記イソシアネート混合物の配合量は、上記ポリウレタンエラストマー100重量部に対して、通常1重量部以上、好ましくは5重量部以上、更に好ましくは10重量部以上、上限として通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下、更に好ましくは30重量部以下である。配合量が少なすぎると十分な架橋反応が得られず、物性の向上が認めらない場合があり、配合量が多すぎると経時、熱、紫外線による変色が大きくなる場合や、反発の低下等の問題が生じる恐れがある。
【0050】
このように、本発明のゴルフボールのカバー外層は、ポリウレタンエラストマーを主材として形成されたものが特に好ましいが、所望により他の成分、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、可塑剤等や無機充填剤(酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等)を配合することもできる。
【0051】
上記外層の表面ショアD硬度は、40以上65以下であることが好ましく、45以上60以下であることがより好ましい。外層の硬度が小さすぎると、スピンが掛かりすぎ、飛距離が十分に得られなくなる場合があり、外層の硬度が大きすぎると、スピン量が減りすぎてボールコントロール性に劣る恐れや、繰り返し打撃による割れ耐久性や耐擦過傷性が悪くなる場合がある。
【0052】
本発明のカバー内層の厚さは、0.3mm以上、より好ましくは1.0mm以上、上限として2.0mm以下、より好ましくは1.8mm以下であることが好ましい。内層の厚さが大きすぎると反発性が低下する場合があり、内層の厚さが小さすぎると耐久性が低下する場合がある。
【0053】
一方、外層の厚さは、0.3mm以上、より好ましくは1.0mm以上、上限として2.0mm以下、より好ましくは1.8mm以下であることが好ましい。外層の厚さが大きすぎると反発性が低下する場合があり、外層の厚さが小さすぎると耐久性が低下する場合がある。
【0054】
本発明は、コアに内層と外層とを含むカバー層を被覆してなるゴルフボールを作成する際に、カバー内層表面を酸処理するもので、これによりカバー外層との接着性が非常に良好なゴルフボールが得られる。
【0055】
ここで、酸処理に用いる酸は、アイオノマー樹脂の金属イオンを脱離し、カルボン酸をプロトン化させ得る酸であり、特に作業性の観点から、塩酸が好適に用いられる。
使用する際の酸濃度についても特に制限は無いが、酸濃度が0.1重量%以上、特に0.5〜10重量%以上である事が好ましい。酸濃度が低すぎると、接着性改良効果が見られない場合がある。
【0056】
酸処理の方法としては、例えば上記コアに内層を形成した後、上記酸の水溶液中に1〜60分間、特に1〜10分間浸漬する方法などが挙げられる。
【0057】
なお、上記酸処理の温度は10〜30℃、特に20〜25℃とすることができるが、通常、室温乃至雰囲気温度で十分である。
上記のように、酸処理(酸洗浄)した後は、十分に水洗し、酸が表面に残らないように洗浄を行う。水洗方法としては特に制限されないが、例えば大量の水での洗浄等の方法を採用し得る。
また、上記酸処理の前に内層表面を研磨することが好ましい。
研磨方法としては、例えばダイヤモンドホイール内でのランダム回転による方法、ダイヤモンドペーパーを用いた方法、サンドブラスト法等が挙げられる。
【0058】
本発明においては、上記のようにコアにカバー内層を形成し、好ましくは表面研磨した後、酸処理を行い、次いでこのように酸処理したカバー内層上にカバー外層を形成するものである。なお、カバー内層、外層の形成方法としては、公知の方法を採用し得、例えば射出成形法、一対の半球状ハーフカップを予め形成し、これを用いて加圧成形する方法などを採用することができる。
本発明によれば、以上のようにアイオノマー樹脂を主材とするカバー内層表面を酸処理した後、その上に非アイオノマー樹脂を主材とするカバー外層を形成したことにより、内層をプライマー処理するなどの必要なく、内層に直接外層を接着よく接合、形成することができ、例えば後述する接着強度の測定方法で0.5N以上/4.5mm、特に0.8N以上/4.5mmとすることが可能である。
【0059】
本発明のゴルフボールは、通常のゴルフボールと同様にして表面に多数のディンプルを形成してなるもので、ディンプル個数は特に制限されるものではないが、通常350〜500個、好ましくは370〜480個、より好ましくは390〜450個とすることができ、またディンプルは直径、深さなどが相違する2種又はそれ以上の多種類のものであってもよく、この場合、ディンプル直径は通常1.4〜4.5mm、特に2.0〜4.3mm、深さは通常0.15〜0.25mm、特に0.17〜0.23mmの範囲になるように調整することが好ましい。
【0060】
本発明のゴルフボールは、ボール性状については、上記範囲を逸脱しない限り、ゴルフ規則に従い適宜設定することができ、重量45.93g以下、直径42.67mm以上に形成することができる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0062】
[実施例、比較例]
下記のソリッドコア(A)表面上に、表1に示す組成のカバー内層をインジェクション成形により形成し、表1の方法によりこの内層表面を処理した後、下記のカバー外層をインジェクション成形によりディンプルを持って形成した。その後、塗装処理を施し、スリーピースソリッドゴルフボールを作製した。
得られたゴルフボールについて、その接着強度、反発性(初速度)、打撃耐久性を下記方法で評価した。結果を表2に示す。
【0063】
ソリッドコア
ポリブタジエン(製品名 BR11、JSR社製)を100重量部、アクリル酸亜鉛を34.1重量部、ジクミルパーオキサイド(製品名 パークミル、日本油脂社製)を0.6重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシロキサン(製品名 パーヘキサ3M−40、日本油脂社製)を0.6重量部、老化防止剤(製品名 ノクラックNS−6、大内新興化学工業社製)を0.2重量部、酸化亜鉛を18.0重量部、ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩を1重量部、ステアリン酸亜鉛を5重量部用い、コア用金型にて加硫温度157℃、加硫時間15分で加硫し、各実施例及び各比較例に用いるソリッドコア(A)を作成した。得られたソリッドコア(A)の外径は36.40mm、表面硬度(ショアD)は57であった。
【0064】
カバー内層
【表1】
【0065】
〔内層表面処理〕
球面研磨
ダイヤモンドホイールを用い、内層射出成型品のバリ取り用バフ掛け処理を行った。
酸処理
1mol/Lの塩酸水溶液中にて室温で1分間洗浄し、その後大量の水で5分間洗浄する処理を行った。
プラズマ処理
アルゴンガスの低温プラズマを照射した。照射時の周波数 13.56MHz、電力 80W、時間 30秒、初期照射雰囲気 1×10-3Torr、プラズマ処理時(ガス導入時)の雰囲気 0.1Torr。
プライマー処理
RB−182(日本ビーケミカル社製の塩素化ポリエチレン系プライマー)を、厚み5μm以下で塗布した。
カバー外層
熱可塑性エラストマー(製品名 パンデックスT8295、ディーアイシーバイエルポリマー社製)を100重量部、二酸化チタンを4重量部、ポリエチレンワックスを1.5重量部、群青を0.06重量部、アマイドワックスを0.4重量部、シリコーンオイルを0.3重量部を使用し、二軸押出し機にて加熱混練し、パンデックスコンパウンドを作製した。
一方、イソシアネート混合物として、商品名クロスネートEM30:大日精化工業社製のイソシアネートマスターバッチを使用した[4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを30重量%含有(JIS K1556によるアミン逆滴定 イソシアネート測定濃度5〜10重量%)、マスターバッチベース樹脂はポリエステルエラストマー]。
カバー成形直前にパンデックスコンパウンド/イソシアネート混合物=100/10(重量比)にてドライ混合し、射出成形機にて内層上にカバー樹脂を成形した。
【0066】
〔物性測定〕
接着強度
図2において、ゴルフボール10に、外層3と内層2を貫通するような、4.5mm間隔の平行な二本の切り目11,12を入れた。このとき、二本の切り目11,12の中心線が、ゴルフボールの最外円周線、すなわちゴルフボールの円周線のうち最も長さの大きいものと一致するように配慮した。さらに、上記二本の切り目11,12を直角に横切る切り目13を外層3と内層2を貫通するように入れた後、外層3と内層2とを分離させることなくゴルフボールコア1から内層2と外層3の積層体を剥離させることによって、帯状の接着強度測定用試験片14とした。
測定方法はインストロン試験機を用い、JIS K6256“加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの接着試験方法”に基づき、試験片に関しては上記の特殊試験片を用い、つかみ具の移動速度は100mm/分とした。4個の試験片の内層、外層の剥がれる際の変位20〜200mmまでの引っ張り強度の平均を接着強度(単位はN)とした。
反発性(初速度)
USGA(R&A)の測定方法に準拠してゴルフボールの反発性を測定した。数値が高いほど反発性に優れることを示す。
打撃耐久指数
ドライバー(W#1)、HS=50m/s相当の衝撃にて繰り返し打撃し、ボール反発が連続して3%低下した時点を接着低下もしくはボール破壊の回数と判断することとし、実施例1における耐久性指数を100とした場合の指数にて標記した。数値が低いほど繰返し打撃時の耐久性に劣ることを示す。
【0067】
【表2】
【0068】
比較例1,2,5は内層アイオノマー樹脂に球面研磨以外は何も処理しなかった場合で、最外層のポリウレタンエラストマーとの接着強度は低く、反発性・繰返し打撃による耐久性が低かった。また、比較例3は中間層表面にプラズマ処理を、比較例4は内層表面にプライマーを塗布した場合であるが、全く処理をしないものとの対比では改良効果が見られるものの、反発性・繰返し打撃による耐久性は不充分であった。
それに対して、実施例1〜4は表1に示す通り、内層表面を酸にて洗浄したゴルフボールは、最外層のポリウレタンエラストマーとの接着強度が向上し、結果的に反発性・繰返し打撃による耐久性が著しく向上した。
【0069】
【発明の効果】
本発明により得られるゴルフボールは、繰り返し打撃に対する耐久性に優れ、本発明によれば、繰り返し打撃後も良好なスピン特性、反発性、打感を有するゴルフボールを与えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るゴルフボールの概略断面図である。
【図2】カバー内層と外層との接着強度を測定する際の接着強度測定用試験片の採取方法の説明図である。
【符号の説明】
1 コア
2 カバー内層
2a 酸処理
3 カバー外層
Claims (15)
- コアに内層と外層とを含むカバー層を被覆してなるゴルフボールにおいて、カバー内層がアイオノマー樹脂を主材として形成されていると共に、カバー外層が非アイオノマー樹脂を主材として形成され、かつ上記カバー内層表面が塩酸により酸処理されていることを特徴とするゴルフボール。
- カバー内層表面が表面研磨され、この表面研磨されたカバー内層表面が塩酸により酸処理されたものである請求項1記載のゴルフボール。
- 塩酸の酸濃度が0.5〜10重量%である請求項1又は2記載のゴルフボール。
- カバー外層の非アイオノマー樹脂が熱可塑性エラストマーである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマーである請求項4記載のゴルフボール。
- 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマー100重量部にイソシアネート混合物を5重量部以上50重量部以下の割合で配合したものである請求項4記載のゴルフボール。
- イソシアネート混合物が、(i)1分子中に官能基として2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物と、(ii)該イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂とからなり、(i)を(ii)中に分散させたイソシアネート混合物であり、(ii)成分と(i)成分の配合比が100:5〜100:100(重量部)である請求項6記載のゴルフボール。
- カバー内層表面とカバー外層との間の接着強度が0.5N以上/4.5mmである請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
- コアに内層と外層とを含むカバー層を被覆してなるゴルフボールを製造する方法において、コアを被覆してアイオノマー樹脂を主材とするカバー内層を形成し、このカバー内層表面を塩酸により酸処理した後、非アイオノマー樹脂を主材とするカバー外層を上記カバー内層を覆って形成することを特徴とするゴルフボールの製造方法。
- カバー内層を形成した後、その表面を研磨し、次いでこの研磨表面を塩酸により酸処理するようにした請求項9記載の製造方法。
- 塩酸の酸濃度が0.5〜10重量%である請求項9又は10記載の製造方法。
- カバー外層の非アイオノマー樹脂が熱可塑性エラストマーである請求項9〜11のいずれか1項記載の製造方法。
- 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマーである請求項12記載の製造方法。
- 熱可塑性エラストマーがポリウレタンエラストマー100重量部にイソシアネート混合物を5重量部以上50重量部以下の割合で配合したものである請求項12記載の製造方法。
- イソシアネート混合物が、(i)1分子中に官能基として2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物と、(ii)該イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂とからなり、(i)を(ii)中に分散させたイソシアネート混合物であり、(ii)成分と(i)成分の配合比が100:5〜100:100(重量部)である請求項14記載の製造方法。
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