JP4054276B2 - ダブルドットマトリクス演出表示器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に用いられるダブルドットマトリクス演出表示器、特に、2種類の発光素子を使用することによって、濃淡もしくは奥行きを簡単な制御で安価に表現することを可能にするダブルドットマトリクス演出表示器及びその制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スロットマシンなどの遊技機の図柄表示装置として、発光ダイオード(LED)からなる多数のドットマトリックス表示素子等が使用され、発光ダイオードの所定ドット数の発光により所望の数字若しくは図柄を表示するものがあった。
【0003】
スロットマシンでは、様々な演出手段を設け、その演出手段で行われる演出により、入賞態様の許容の有無などに関する情報を告知している。このような情報の報知を視覚的に行う演出手段の代表的なものとして、液晶表示装置やLED表示装置などの電気的な表示装置や、表示装置とは別個に設けられたリールなどの構造物による表示装置とが知られている。例えば、スロットマシンの第4リールの位置に液晶表示装置を設け、様々な演出を行うことがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のLEDドットマトリクスでの演出表示器は、単色のドットマトリクスであり、平面的な図柄しか表現することができないという問題点があった。液晶表示装置を用いればさまざまな色彩を表現することが可能で多様な表現を提供できるが、液晶表示装置は比較的高価であり、しかも開発に要する期間や労力の点で問題がある。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、2種類の発光素子を使用することによって、濃淡もしくは奥行きを簡単な制御で安価に表現することを可能にするダブルドットマトリクス演出表示器及びその制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダブルドットマトリクス演出表示器は、表面上にマトリクス状に第1発光素子が配列された第1基板と、前記第1基板の第1発光素子からの光の透過部がマトリクス状に設けられるとともに、隣接する前記光の透過部の間にマトリクス状に第2発光素子が配列されている第2基板とを備え、前記第2基板は前記第1基板の上に重ねて設けられているものである。
【0007】
例えば、前記第1発光素子はランプ型発光ダイオードであり、前記光の透過部は前記ランプ型発光ダイオードの頭部が挿入されように前記第2基板に設けられた開口であり、前記第2発光素子は前記開口間の第2基板上に設けられたチップ型発光ダイオードである。
【0008】
前記第2基板は、ほぼ透明な材料で作製されてもよい。
【0009】
好ましくは、前記第1発光素子の発光色と前記第2発光素子の発光色とが異なる。
【0010】
この発明に係るダブルドットマトリクス演出表示器の制御装置は、
遊技機における演出に伴う表示信号を生成する演出制御部と、
前記表示信号を前記第1発光素子の駆動信号と前記第2発光素子の駆動信号に変換する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記演出制御部で生成された線図について当該線図の影、強調表示及び/又は図形の修飾に関する部分を抽出するとともに、抽出された部分に対応する前記第2発光素子を発光させるための信号を生成することを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係るダブルドットマトリクス演出表示器の制御装置は、
遊技機における演出に伴う表示信号を生成する演出制御部と、
前記表示信号を前記第1発光素子用の信号と前記第2発光素子用の信号とに分離する演出分離部と、
前記演出分離部からの信号に基づき前記第1発光素子を駆動する第1表示制御部と、
前記演出分離部からの信号に基づき前記第2発光素子を駆動する第2表示制御部とを備え、
前記演出分離部は、複数の図形が表示されてこれらが異なる動きをする場合において、図形の一方向への動きを前記第1表示制御部へ送り、その逆の動きを前記第2表示制御部へ送ることを特徴とするものである。
【0012】
この発明に係るダブルドットマトリクス演出表示器は、マトリクス状に第1発光素子が配列された第1基板と、前記第1基板の第1発光素子からの光の透過部がマトリクス状に設けられるとともに、隣接する前記光の透過部の間にマトリクス状に第2発光素子が配列されている第2基板と、前記第1基板又は前記第2基板の少なくとも一方を動かす間隔調整装置とを備え、前記第2基板は前記第1基板の上に重ねて設けられ、前記間隔調整装置により前記第2基板の光の透過部と前記第1基板の第1発光素子の距離が変化させられることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1
図1は、遊技機に使用される本発明の実施の形態1によるダブルドットマトリクス演出表示器を示す概略斜視図である。図において、ダブルドットマトリクス演出表示器1は、表面上にマトリクス状に第1発光素子3、例えばランプ型発光ダイオードが配列された第1基板2と、第1基板2の第1発光素子3からの光の透過部6、例えば開口がマトリクス状に設けられるとともに、隣接する前記光の透過部6の間にマトリクス状に第2発光素子5、例えばチップ型発光ダイオードが配列されている第2基板4とを備えている。
【0014】
図2に示すように、これらの第1基板2及び第2基板4は、ランプ型発光ダイオード3の頭部が開口6内に挿入されるように、互いに積層されて配置されている。図3は、第1基板2及び第2基板4が重ね合わされた状態を示す概略平面図である。なお、第1発光素子3及び第2発光素子5の個数や形状は、図において例示的に示したものであり、所望により適宜変更することができる。また、第1基板2と第2基板4との間隔や開口6の大きさも、適宜変更することができる。
【0015】
以上のように構成されたダブルドットマトリクス演出表示器1の制御について説明する。スロットマシンのサブ基板において各種演出の処理が行われるが、ここで演出に伴う表示のための信号が生成される。そして、表示信号がダブルドットマトリクス演出表示器1を駆動するための信号に変換されて供給される。図4はこれを機能ブロックとして表現したものである。演出制御部20は演出に伴う表示信号を生成し、表示制御部10は表示信号をダブルドットマトリクス演出表示器1の第1発光素子3と第2発光素子5それぞれの駆動信号に変換する。演出制御部20と表示制御部10はともにサブ基板により実現されてもよいし、表示制御部10はダブルドットマトリクス演出表示器1の制御部として、サブ基板と別個に実現されてもよい。
【0016】
図4に示すように、演出表示される信号は、演出制御部20から表示制御部10に送られ、表示制御部10から第1基板2の第1発光素子3及び第2基板4の第2発光素子5に送られ、第1発光素子3及び第2発光素子5において所定の演出が表示される。
【0017】
この時、第1発光素子3及び第2発光素子5を別々に制御若しくは連動させることができるので、絵柄の濃淡を表現できる。例えば、第1発光素子3で表示した絵柄の影を第2発光素子5で表示することにより、立体的な図柄の表現が可能となる。具体的には、演出制御部20において線で図形(例えば長方形や円)を生成したとき、表示制御部10において当該図形の影の部分(長方形や円の一方の側)を抽出するとともに、抽出された線に対応する第2発光素子5を発光させるための信号を生成する。影に代えて、特定の図形を囲んだり(例えば強調表示)、図形の頂点や辺を装飾したりするように第2発光素子5を発光させてもよい。この場合、表示制御部10において強調すべき図形や頂点や辺を抽出し、これらを修飾するための第2発光素子5の駆動信号を生成する。
【0018】
勿論、第1発光素子3と第2発光素子5とを別々に制御して、第1発光素子3を赤色に発光させ、第2発光素子5を黄色、緑色等に発光させてもよく、図柄の多彩な表現が可能となる。この場合、表示制御部10において図形を発光色ごとに分類し、それぞれの発光色に対応する信号を生成する。
【0019】
このように、本発明によれば多様な演出が可能となり、液晶表示装置に比べ安価で開発期間も短縮することができる。しかも、第1発光素子3であるランプ型発光ダイオードの頭部が第2基板4の開口6に挿入されるように第1基板2と第2基板4とが積層されているので、第2基板4がしっかりと固定され構造的に安定する。
【0020】
発明の実施の形態2
発明の実施の形態1においては、図5の要部概略断面図に示すように、第1発光素子3であるランプ型発光ダイオードの頭部が第2基板4の開口6に挿入されるように第1基板2と第2基板4とが積層されている場合について説明した。発明の実施の形態2においては、第1発光素子3からの光の透過部がその上方に形成されるように、第2基板4Aをほぼ透明な材料、例えばポリイミド樹脂で作製したものである。第2基板4Aがほぼ透明であるため、第2基板4Aを介して第1発光素子3からの光が透過する。従って、発明の実施の形態1と同様に、第1発光素子3及び第2発光素子5を別々に制御若しくは連動させることにより、絵柄の濃淡を表現できる。なお、第2基板4Aは、裏面に所定パターンの印刷を施し、第2発光素子5の発光を補う演出を加えることも可能であり、さらに演出を多様化することができる。
【0021】
発明の実施の形態3
発明の実施の形態1においては、図4に示したように、演出表示される信号が演出制御部20から表示制御部10に送られ、表示制御部10から第1基板2の第1発光素子3及び第2基板4の第2発光素子5に送られ、所定の演出が表示された。発明の実施の形態3においては、図7に示すように、演出分離部16を設けている。この演出分離部16により、演出制御部20からの信号を、第1発光素子3用の信号と第2発光素子5用の信号とにそれぞれ分離し、第1表示制御部12と第2表示制御部14とに供給する。
【0022】
例えば、演出制御部20における演出に動きがある場合、図柄やキャラクタの左から右への動きを例えば第1基板2の第1発光素子3で表現し、その逆の動きを第2基板4の第2発光素子5で表現するように、演出分離部16は2種類の動きを分離し、それぞれの信号を第1表示制御部12と第2表示制御部14とに供給する。そして、衝突や爆発などの表示は、第1発光素子3及び第2発光素子5の両者で表現するように制御する。
【0023】
例えば、お化けにキャラクタが食べられるという表現を、お化けを第1基板2の第1発光素子3で表現し、キャラクタを第2基板4の第2発光素子5で表現することにより、よりリアルな描写が可能となる。具体的には、演出分離部16は第1キャラクタに関する図形と第2キャラクタに関する図形に分離し、それぞれの信号を第1表示制御部12と第2表示制御部14とに供給する。
【0024】
第1発光素子3で表示される画像の動きの方向と、第2発光素子5で表示される画像の動きの方向とを変更するようにしてもよい。例えば左側からボール(赤色の第1発光素子3で表示)が来て、右側からバット(黄色の第2発光素子5で表示)が来て、続いてこれらが衝突して爆発する(第1発光素子3及び第2発光素子5の両方が点滅する)、というような描写が可能となる。このように、演出分離部により演出を分離することにより、第1発光素子及び前記第2発光素子で表現される演出を互いに相補的又は相乗的に表示することができ、多様な演出が可能となる。
【0025】
発明の実施の形態4.
図8に示すように、第1基板2と第2基板4の間隔を一定ではなく変化させることにより演出効果を高めるようにしてもよい。図8(a)における基板間隔はAであるが、後述の間隔調整装置により間隔を縮めて同図(b)のようにする。同図(b)の間隔はBであり(B<A)、この状態で発光ダイオード3の頭部が開口6から突出している。このように基板間隔を変化させることにより本装置により提示される演出に奥行きや立体感を与えることができる。特に同図(b)のように発光ダイオード3の頭部を突出させることにより、同ダイオード3による表現を強調することができる。逆に同図(a)のように同ダイオード3を基板4の背面に置くことにより、表現を弱めるばかりでなく放射光の指向性を高め、特定の方向にのみ演出を見せることもできるようになる。しかも、後述の間隔調整装置により同図(a)の状態と同図(b)の状態を任意の時間間隔で切り換えることができるから、演出に時間的な変化を与えることもできる。
【0026】
図9に間隔調整装置の例を示す。図9(a)は同装置の正面図(スリットSを除くガイド部34の表示は省略してある)、同図(b)は同右側面図である。30は駆動部(モータ)、31は駆動部の回転軸に取り付けられた円盤体(楕円体でもよい)、32は円盤体31の円周に一端が回転自在に取り付けられ、他端が基板4に取り付けられたアーム、33はアーム32の端と基板4を結合する結合部(アーム32の端は回転自在に取り付けられている)、34は結合部33を案内するスリットSが設けられたガイド部である。円盤体31は駆動部30の回転軸に偏心して取り付けられている。円盤体31、アーム32、スリットSにより駆動部30の回転運動が往復運動に変換される。駆動部30の回転軸が回転すると32のアームが上下し、これに伴い基板4が上下して基板2と基板3の間隔が変化する。なお、駆動系の途中に歯車などによる減速機構を設けてもよい。
なお、図9の間隔調整装置は一例であって、これ以外の機構を用いてもよいのはいうまでもない。例えば、ソレノイドコイルやリニアモータを用いて直接基板を動かしてもよい。電気動力に代えて空気圧や油圧をもちいてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マトリクス状に第1発光素子が配列された第1基板と、前記第1基板の第1発光素子からの光の透過部がマトリクス状に設けられるとともに、隣接する前記光の透過部の間にマトリクス状に第2発光素子が配列されている第2基板とを備え、前記第2基板を前記第1基板の上に重ねて設けたので、濃淡もしくは奥行きを簡単な制御で安価に表現することが可能になる。
【0028】
また、演出分離部により演出を分離するようにすれば、第1発光素子及び第2発光素子で表現される演出を互いに相補的又は相乗的に表示することができ、多様な演出が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遊技機に使用される発明の実施の形態1によるダブルドットマトリクス演出表示器を示す概略斜視図である。
【図2】 同ダブルドットマトリクス演出表示器の第1基板及び第2基板を示す概略斜視図である。
【図3】 同ダブルドットマトリクス演出表示器の第1基板及び第2基板を示す概略平面図である。
【図4】 発明の実施の形態1における表示制御を示すブロック図である。
【図5】 発明の実施の形態1における第1及び第2基板を示す要部概略断面図である。
【図6】 発明の実施の形態2における第1及び第2基板を示す要部概略断面図である。
【図7】 発明の実施の形態3における表示制御及び演出分離を示すブロック図である。
【図8】 発明の実施の形態4に係るダブルドットマトリクス演出表示器の概略断面図である。
【図9】 発明の実施の形態4に係る間隔調整装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ダブルドットマトリクス演出表示器
2 第1基板
3 ランプ型発光ダイオード(第1発光素子)
4 第2基板
5 チップ型発光ダイオード(第2発光素子)
6 開口
10 表示制御部
12 第1表示制御部
14 第2表示制御部
16 演出分離部
20 演出制御部

Claims (4)

  1. マトリクス状に第1発光素子が配列された第1基板と、前記第1基板の第1発光素子からの光の透過部がマトリクス状に設けられるとともに、隣接する前記光の透過部の間にマトリクス状に第2発光素子が配列されている第2基板と、前記第1基板又は前記第2基板の少なくとも一方を動かす間隔調整装置とを備え、前記第2基板は前記第1基板の上に重ねて設けられ、前記間隔調整装置により前記第2基板の光の透過部と前記第1基板の第1発光素子の距離が変化させられることを特徴とするダブルドットマトリクス演出表示器。
  2. 前記第1発光素子はランプ型発光ダイオードであり、前記光の透過部は前記ランプ型発光ダイオードの頭部が挿入されるように前記第2基板に設けられた開口であり、前記第2発光素子は前記開口間の第2基板上に設けられたチップ型発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載のダブルドットマトリクス演出表示器。
  3. 前記第2基板は、ほぼ透明な材料で作製されていることを特徴とする請求項1に記載のダブルドットマトリクス演出表示器。
  4. 前記第1発光素子の発光色と前記第2発光素子の発光色とが異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のダブルドットマトリクス演出表示器。
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