JP4053934B2 - 二次電池の充電装置とその充電制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の二次電池を電池特性の劣化を防止しつつ、短時間で充電するに好適な二次電池の充電装置とその充電制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池を充電する装置として、充電初期時に定電流充電を行い、所定の条件に到達したところで定電圧充電に切り換えることにより、急速充電を可能にした充電装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この充電装置は、複数の二次電池を急速充電するものであって、充電初期時に複数の二次電池を直列に接続して定電流充電が行なわれる。そして、定電流充電中の各二次電池の電圧をそれぞれモニタし、電池電圧が所定の電圧値に到達した二次電池のみを切り離して当該二次電池に対し定電圧充電が行なわれる。一方、それ以外の二次電池は、引き続き定電流充電が行われように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−266638号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した二次電池の充電装置は定電流電源と定電圧電源の2種類の電源が必要であり、充電装置の製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
この発明は、上述した問題点を考慮してなされたもので、その目的は、簡単な構成で、複数の二次電池を電池特性の劣化を防止しつつ短時間で充電することを可能にした二次電池の充電装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係る二次電池の充電装置は、複数の二次電池を充電電源に対し接続するスイッチ回路と、充電電源により充電される上記各二次電池の電池電圧をそれぞれ検出する電圧検出部と、この電圧検出部により検出される複数の二次電池の電池電圧に基づいて上記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路とを備える。そして、このスイッチ制御回路により、先ず上記複数の二次電池を充電電源に対し直列に接続させて充電を行わせ、この直列接続充電中の各二次電池の電池電圧を予め定めた第1のしきい値とそれぞれ比較する。そして、上記直列接続充電中の二次電池の電池電圧が上記第1のしきい値を超えた場合に、上記スイッチ回路により、少なくとも上記電池電圧が第1のしきい値を超えた二次電池を充電電源に対し並列接続又は間欠接続させて充電を行わせるようにしたものである。
したがって、二次電池の充電初期時には大電流充電が行われ、充電終期には小電流充電に切り換えられる。このため、充電中の二次電池の発熱を効果的に抑えることができ、二次電池の劣化を防止しつつ、短時間に急速充電を行うことが可能となる。
【0008】
またこの発明は、スイッチ制御回路により、上記制御に加え、充電電源に対し並列接続された二次電池の電池電圧を第2のしきい値と比較し、上記並列接続充電中の二次電池の電池電圧が第2のしきい値を超えた場合に、上記スイッチ回路により、少なくとも電池電圧が第2のしきい値を超えた上記二次電池を充電電源に対し間欠的に接続させてパルス充電を行わせることを特徴とする。
このように構成することにより、充電終期における充電電流がさらに細かく制御される。このため、複数の二次電池に特性のバラツキや電池残存容量の差による充電時間の違いなどがあったとしても、二次電池の劣化を防止しつつ短時間に充電を行うことが可能となる。
【0009】
さらにこの発明は、並列充電中の複数の二次電池についてそれぞれ満充電に至ったか否かを判定し、満充電に至った二次電池が検出された場合にスイッチ回路により当該二次電池を前記充電電源から切り離すと共に、満充電に至らない他の二次電池に対する充電電流の通流率を当該二次電池に流れる充電電流を一定値に維持するべく変化させることも特徴とする。
このように構成することで、満充電に至った電池の切り離しにより残りの他の電池の充電電流が増加しないようにすることができ、これにより急激な温度上昇等を引き起こすことなく残りの電池の充電を安定に継続することが可能となる。
【0010】
さらにこの発明は、並列接続充電中又はパルス充電中における二次電池の電池電圧を上記第1のしきい値より低く設定された第3のしきい値と比較し、上記並列接続充電中又はパルス充電中における二次電池の電池電圧が第3のしきい値未満に低下した場合に、当該電池電圧が第3のしきい値未満に低下した二次電池を充電電源に対し再度直列接続させて充電を行わせることも特徴とする。
このように構成することにより、並列接続又は間欠接続による充電動作に移行した二次電池の電池電圧が第3のしきい値未満に低下すると、再び直列接続による大電流充電が行われる。このため、並列接続又は間欠接続による小電流充電に移行した後、満充電に至るまで小電流充電を続ける場合に比べ、二次電池の充電所要時間を短縮することが可能となる。すなわち、二次電池の温度上昇を抑制して電池の劣化を防止した上で、充電時間のさらなる短縮を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明に係る充電装置の実施形態について説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
この発明の第1の実施形態は、複数の二次電池を並行して充電する際に、先ずこれらの二次電池を充電電源に対し直列接続して大電流充電を行う。そして、この直列接続による大電流充電中に上記各二次電池のうち少なくとも1つの電池電圧が第1のしきい値以上になったとき、上記各二次電池の接続状態を並列接続に切り換える。さらに、上記並列接続による充電中に二次電池の電池電圧が上記第1のしきい値より大きい第2のしきい値以上になったとき、上記各二次電池を間欠接続に切り換えてパルス充電を行い、以後満充電となるまで上記各二次電池に対しパルス充電によるさらに小電流の充電を行うようにしたものである。
【0013】
図1は、この発明に係る二次電池充電装置の第1の実施形態を示すブロック図である。同図において、1a〜1dはこの充電装置により充電される二次電池であって、特に図示しないが電池フォルダなどにより充電装置に装着されるようになっている。また、詳細は後述するがこの発明に係る二次電池の充電装置には、上記複数の二次電池1a〜1dを充電電源2の充電端子2a,2bに対し直列または並列に接続するスイッチ回路10が設けられたものとなっている。
【0014】
また充電装置には、スイッチ回路10に接続された二次電池1a〜1dの電池電圧を検出する電圧検出部20が設けられている。この電圧検出部20は、充電装置に装着された各二次電池1a〜1dのそれぞれの電池電圧を検出して、スイッチ制御回路30にその電池電圧を伝達する役割を担っている。そして、スイッチ制御回路30は、前記の電圧検出部20で検出された二次電池1a〜1dの電圧値に応じてスイッチ回路10を制御することにより、上記各二次電池1a〜1dを充電電源2に対し直列または並列接続に切り換える機能を備えたものとなっている。
【0015】
ところで、上記スイッチ回路10は、例えば図2に示すように各二次電池1a〜1dを充電電源2に対し直列に接続する直列接続スイッチ群11と、各二次電池1a〜1dを充電電源2に対し並列に接続する並列接続スイッチ群12と、各二次電池1a〜1dの充電開始/停止を制御する充電制御スイッチ群13とがそれぞれ設けられたものとなっている。
【0016】
並列接続スイッチ群13は、充電電源2に複数の二次電池1a〜1dを並列に接続する並列接続用トランジスタ(NPNトランジスタ)Q12(Q12a,Q12b,Q12c,Q12d)と、逆流防止ダイオードD12(D12a,D12b,D12c,D12d)とから構成されている。この逆流防止ダイオードD12は、並列接続用トランジスタQ12と充電電源2の正極側との間に介挿されるもので、そのアノードを充電電源側に、またカソードを並列接続用トランジスタQ12のエミッタにそれぞれ接続したものとなっている。また、並列接続用トランジスタQ12のコレクタは、二次電池1a〜1dの正極側に接続されている。尚、逆流防止ダイオードD12は、二次電池1a〜1dから充電電源2に電流が逆流することを防止する役割を担うと共に、トランジスタQ11,Q12が導通したまま故障した場合に二次電池の短絡を防止する役割も担う。
【0017】
このように構成された並列接続スイッチ群12に設けられた並列接続用トランジスタQ12のオン・オフ制御は、スイッチ制御回路30から出力された制御信号を並列接続制御端子T12(T12a,T12b,T12c,T12d)を介して並列接続用トランジスタQ12のベースに流す電流を制御することにより行なわれる。尚、並列接続制御端子T12と並列接続用トランジスタQ12のベースとの間には、ベース電流制限抵抗R12(R12a,R12b,R12c,R12d)が介挿されている。また、上述した並列接続用トランジスタQ12,Q13のスイッチ回路は、二次電池1a〜1dを直列接続したときの充電開始スイッチを兼ねるものとなっている。
【0018】
次に直列接続スイッチ群11は、充電電源2に複数の二次電池1a〜1dを直列に接続する直列接続用トランジスタ(PNPトランジスタ)Q11(Q11a,Q11b,Q11c)と、短絡防止ダイオードD11(D11a,D11b,D11c)とから構成されている。例えば、二次電池1aと二次電池1bとを直列に接続する直列接続用トランジスタQ11のエミッタは、二次電池1aの負極に接続されると共に、この直列接続用トランジスタQ11のコレクタと二次電池1bの正極側とが短絡防止ダイオードD11aを介して接続されている。この短絡防止ダイオードD11aは、そのアノードを二次電池1aの負極側に、カソードを二次電池1bの正極側に接続している。尚、この短絡防止ダイオードD11は、直列接続用トランジスタQ11が故障した場合、並列接続スイッチ群12により並列接続される二次電池1a〜1dの短絡を防止する役割を担うものである。
【0019】
これらの直列接続用トランジスタQ11のオン・オフ制御は、スイッチ制御回路30から出力された制御信号を直列接続制御端子T11(T11a,T11b,T11c)を介して直列接続用トランジスタQ11の各ベース電流を制御することにより行なわれる。尚、並列接続制御端子T11と直列接続用トランジスタQ11のベースとの間には、ベース電流制限抵抗R11(R11a,R11b,R11c)が介挿されている。
【0020】
充電制御スイッチ群13は、複数の二次電池1a〜1dに対して充電の開始/停止を制御する充電制御用トランジスタ(NPNトランジスタ)Q13(Q13a,Q13b,Q13c,Q13d)により構成されている。これらの充電制御用トランジスタQ13は、複数の二次電池1a〜1dの負極にコレクタを、充電電源の負極側にエミッタをそれぞれ接続したものとなっている。そして、スイッチ制御回路30から出力される充電開始信号は、充電制御端子T13(T13a,T13b,T13c,T13d)を介して、充電制御用トランジスタT13の各ベースに与えられるものとなっている。尚、充電制御端子T13と充電制御用トランジスタQ13のベースとの間には、ベース電流制限抵抗R13(R13a,R13b,R13c,R13d)が介挿されている。
【0021】
次に、電圧検出部20について図3を参照しながら説明する。電圧検出部20は、二次電池1a〜1dの電池電圧の変化を検出することにより該二次電池1a〜1dの充電状態を検出するように構成されたものとなっている。具体的には、複数の二次電池1a〜1dを直列接続して充電を開始すると、充電の進行に伴い二次電池1a〜1dの電池電圧が上昇する。そして予め定めた電池電圧(第1のしきい値)に到達したことを電圧検出部20が検出するようになっている。この電池電圧の検出情報はスイッチ制御回路30に伝えられる。
【0022】
スイッチ制御回路30は、上記電圧検出部20から通知された検出情報に応じて、複数の二次電池1a〜1dを直列接続から並列接続に切り換える。並列接続に切り換えられた各二次電池1a〜1dは、さらに充電が進行して電池電圧が上昇する。そして予め定めた電池電圧(第2のしきい値)に到達したことを電圧検出部20が検出して、スイッチ制御回路30に通知する。スイッチ制御回路30は、この電池電圧の検出情報を受けて、第2のしきい値を超えた二次電池1a〜1dが接続されている充電制御用トランジスタQ13をオン・オフ制御して、当該二次電池1a〜1dをパルス充電する。そして、パルス充電が行なわれた二次電池1a〜1dは、やがて満充電の電池電圧に到達する。この満充電の電池電圧に到達したことを電圧検出部20がさらに検出して、スイッチ制御回路30に与える。
【0023】
このように電圧検出部20は、二次電池1a〜1dの充電の進行に伴う該二次電池1a〜1dの電圧の変化を検出するため、第1のしきい値(Vth1)21a、第2のしきい値(Vth2)21bおよび満充電の電池電圧(Vfull)21cが予め設定されたものとなっている。そして、これらの設定電圧21を基準電圧として、二次電池1a〜1dの電池電圧と比較するコンパレータ22(22a,22b,22c)がそれぞれ備えられたものとなっている。そして、これらのコンパレータ22の出力は、後段のスイッチ制御回路30に与えられるようになっている。
【0024】
尚、上述した第1のしきい値(Vth1)21a、第2のしきい値(Vth2)21bおよび満充電の電池電圧(Vfull)21cは、充電制御対象の二次電池1a〜1dの特性に応じて、予めその最適電圧を実験等により求めて設定することが望ましい。
【0025】
また、スイッチ制御回路30は例えばマイクロコンピュータを備えたもので、プログラムメモリに予め格納された充電制御プログラムを実行することにより、以上の機能を実現する。
【0026】
さて、このように構成された二次電池の充電装置の動作を、図4に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
先ず充電が開始されるとスイッチ制御回路30は、直列接続スイッチ群11の直列接続用トランジスタQ11(Q11a,Q11b,Q11c)を駆動する(ステップS1)。そうすると二次電池1a,1b,1c,1dは、直列接続用トランジスタQ11を介して相互に直列に接続される。
【0027】
次にスイッチ制御回路30は、充電開始スイッチを兼ねた並列接続用トランジスタQ12aおよび充電制御用トランジスタQ13dを駆動して、充電電源2の出力を上記直列接続された二次電池1a〜1dに流して大電流充電を行う(ステップS2)。ちなみに、このときの充電電流は、大凡[2CmA]に設定される。
【0028】
このように直列接続スイッチ群11により直列に接続された二次電池1a〜1dは、充電の進行に伴い徐々に電池電圧が上昇する。この二次電池1a〜1dの電池電圧は、電圧検出部20によりモニタされている。そして、電圧検出部20は、充電中の各二次電池1a〜1dのいずれかの電池電圧が予め設定された第1のしきい値(Vth1)以上になったことを検出すると、その情報をスイッチ制御回路30に通知する(ステップS3)。
【0029】
スイッチ制御回路30は、直列接続された二次電池1a〜1dの少なくとも1つの電池電圧が第1のしきい値を超えたことが通知されると、上記直列接続された二次電池1a〜1dを並列接続に切り換える。具体的には、直列接続用トランジスタQ11をすべてオフした後、並列接続用トランジスタQ12(Q12a,Q12b,Q12c,Q12d)を駆動する。このようにスイッチ制御回路30は、スイッチ回路10の各トランジスタを制御して、複数の二次電池1a〜1dが充電電源2に対し並列になるように接続して、各二次電池1a〜1dに流れる電流を減少させる。
【0030】
ちなみに、充電電源2が[2CmA]の定電流電源であり、二次電池1a〜1dを4本充電する場合、直列接続のとき、各二次電池1a〜1dに[2CmA]の電流が流れて大電流充電される。一方、並列接続の場合、複数の二次電池1a〜1dに特性のバラツキがないとすれば、各二次電池1a〜1dに流れる充電電流は、[2CmA/4=0.5CmA]と直列接続の場合に比べて[1/4]になる。
【0031】
このようにして並列接続に切り換えられた二次電池1a〜1dは、引き続き電圧検出部20によりその電池電圧がモニタされている。そして、電圧検出部20は、充電の進行に伴う二次電池1a〜1dの電圧上昇を検出して、第2のしきい値(Vth2)以上に至るのを待つ(ステップS5)。そして、電圧検出部20は、ステップS5で並列接続された二次電池1a〜1dのいずれかが、この第2のしきい値(Vth2)を超えたことを検出すると、その情報をスイッチ制御回路30に通知する。
【0032】
この情報を受けたスイッチ制御回路30は、第2のしきい値(Vth2)の電圧を超えた二次電池(例えば1a)を含むすべての二次電池1a〜1dをパルス充電に切り換えて、この二次電池1a〜1dに流れる電流をさらに制限する(ステップS6)。このパルス充電は、充電電源2から供給される電流をオン・オフ制御することにより二次電池1a〜1dに供給される平均充電電流を抑えるものである。具体的には、このパルス充電は、二次電池1a〜1dに接続されている並列接続用トランジスタQ12a〜Q12dと充電制御用トランジスタQ13a〜Q13dのいずれか、或いその両方のトランジスタをオン・オフ制御することにより行なわれる。
【0033】
このようにしてパルス充電された二次電池1a〜1dは、やがて満充電状態に到達する。そして、電圧検出部20により二次電池1a〜1dの電圧が満充電時の電圧(Vfull)に到達したことを検出される(ステップS7)。そして、ステップS7で電圧検出部20は、満充電に至った二次電池1a〜1dの情報をスイッチ制御回路30に通知する。
【0034】
スイッチ制御回路30は、この満充電に至った二次電池1a〜1dの情報を受けて、当該満充電に達した二次電池1a〜1dを充電電源2から切り離す(ステップS8)。具体的には、スイッチ制御回路30は、満充電に至った二次電池1aが接続されている並列接続用トランジスタQ12aおよび充電制御用トランジスタQ13aの駆動を止めてこの二次電池1aを充電電源2から切り離すものとなっている。
【0035】
そうして満充電に至った二次電池1aが充電電源2から切り離されると、満充電に至っていない他の二次電池1b〜1dへの供給電流が増加することになる。このため、スイッチ制御回路30は、満充電に至っていない他の二次電池1b〜1dに流れる電流を制限して満充電の二次電池1aを充電電源2から開放する前の充電電流と変わらないように制御する(ステップS9)。具体的には、スイッチ制御回路30は、満充電に至らない他の二次電池1b〜1dが接続されている並列用トランジスタQ12b〜Q12dおよび/または充電制御用トランジスタQ13b〜Q13dのオン・オフのデューティ(通流率)を下げることにより充電電流を制御する。
【0036】
以後、上述したステップS7〜S9までの制御を、電池フォルダに装着されたすべての二次電池1a〜1dの充電が完了するまで繰り返す(ステップS10)。
【0037】
かくして、このように構成された二次電池の充電装置は、充電初期時に二次電池1a〜1dを直列接続して大電流充電を行い、直列接続された二次電池1a〜1dのいずれかが所定の第1のしきい値(Vth1)に到達すると、二次電池1a〜1dを並列接続に切り換えて充電電流を制限している。そして、充電装置は、充電の進行により二次電池1a〜1dの電池電圧がさらに上昇し、上記第1のしきい値より高く設定した第2のしきい値(Vth2)に到達すると、パルス充電にさらに切り換え、充電電流をさらに制限して二次電池1a〜1dを充電するものとなっている。そうしてパルス充電に切り換えた充電装置は、満充電に到達した二次電池1aを充電回路から切り離すと共に、満充電に至っていない他の二次電池1b〜1dに対する充電電流が増加しないように、パルス充電のデューティを制御している。
【0038】
したがって、この発明に係る二次電池の充電装置は、二次電池1a〜1dを短時間で急速充電することができると共に、充電終期における充電電流を制限しているので二次電池1a〜1dの内部の温度上昇を抑えることができ、二次電池1a〜1dの性能劣化を確実に防止することができる。
【0039】
尚、充電する二次電池1a〜1dの特性に応じて、例えば図1または図2に示す4本の二次電池1a〜1dを充電初期時には直列接続として大電流充電した後、電池電圧の上昇を検出して、二つの二次電池1a,1bおよび他の二つの二次電池1c,1dとを直列に接続すると共に、これらの直列に接続された2組の二次電池をさらに並列接続した直並列接続として充電を行うよう構成してもよい。そして、その後予め定めた所定の電圧に到達した時点で全ての二次電池1a〜1dを並列接続するようにしてもよい。このように構成することでより短時間で二次電池1a〜1dの充電を完了することが可能となる。また、上記二次電池1a〜1dのうち例えば1a〜1cを並列に接続し、この二次電池1a〜1cの並列回路と他の1つの二次電池1dとを直列接続するようにしてもよい。
【0040】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、先ず複数の二次電池を充電電源に対し直列接続して大電流充電を行い、この直列接続による充電中に上記各二次電池のうち少なくとも1つの電池電圧が第1のしきい値以上になったとき、上記各二次電池の接続状態を間欠接続に切り換えてパルス充電を行う。そして、上記パルス充電による小電流充電中に、上記すべての二次電池の電池電圧が第1のしきい値より低く設定された第3のしきい値未満に低下したとき、上記各二次電池の接続状態を再び直列接続に切り換えて再度大電流充電を行う。以後、満充電となるまで、二次電池の電池電圧に基づいて、上記直列接続による大電流充電と、間欠接続によるパルス充電とを繰り返すようにしたものである。
【0041】
なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と同一構成部分については説明を省略し、構成が異なる部分についてのみ説明を行う。
【0042】
図5は、この発明の第2の実施形態に係わる充電装置の電圧検出部20′の構成を示す回路図である。電圧検出部20′は、二次電池1a〜1dの充電の進行に伴う電池電圧の変化を検出するため、第1のしきい値(Vth1)21a及び第3のしきい値(Vth3)21dが予め設定されたものとなっている。そして、これらの設定電圧21a,21dを基準電圧として、二次電池1a〜1dの電池電圧と比較するコンパレータ22a,22dがそれぞれ備えられたものとなっている。そして、これらのコンパレータ22a,22dの出力は、スイッチ制御回路30に与えられるようになっている。またこの電圧検出部20′は、満充電の判定のために、二次電池1a〜1bの電池電圧をそのままスイッチ制御回路30へ与える回路も備えている。
【0043】
次に、この実施形態に係わる充電装置の充電動作をスイッチ制御回路30の制御手順に従い説明する。図6は、スイッチ制御回路30の制御手順を示すフローチャート、図7は二次電池1a〜1dの電池電圧の変化特性と、この電池電圧の変化に応じて切り換えられる充電モードの変化を示す図である。
【0044】
充電対象の二次電池1a〜1dを電池フォルダに装着すると、スイッチ制御回路30は先ずステップS11において、スイッチ回路10に対し各二次電池1a〜1dを充電電源2に直列接続させるためのスイッチ制御を行う。この結果、直列接続スイッチ群11の直列接続用トランジスタQ11(Q11a,Q11b,Q11c)が駆動され、これにより二次電池1a〜1dは直列接続用トランジスタQ11を介して相互に直列に接続される。また、充電開始スイッチを兼ねた並列接続用トランジスタQ12aおよび充電制御用トランジスタQ13dが駆動され、これにより充電電源2の出力が上記直列接続された二次電池1a〜1dに供給されて大電流充電が行われる(ステップS12)。なお、このときの充電電流は、大凡[2CmA]に設定される。
【0045】
この直列接続による充電中にスイッチ制御回路30は、ステップS13において、電圧検出部20′から各二次電池1a〜1dの電池電圧の検出情報をそれぞれ取り込み、この取り込まれた検出情報をもとに、上記各二次電池1a〜1dの検出電圧が第1のしきい値(Vth1)以上になったか否かを判定する。そして、二次電池1a〜1dの電池電圧がいずれも第1のしきい値(Vth1)に達していなければ、引き続き電池電圧の監視を行う。
【0046】
さて、上記直列接続による充電中に二次電池1a〜1dの電池電圧が例えば図7に示すように上昇し、そのうち1個の二次電池の電池電圧が第1のしきい値(Vth1)を超えたとする。そうすると、スイッチ制御回路30はステップS13からステップS14に移行し、ここでスイッチ回路10に対しパルス充電のためのスイッチ制御を行う。この結果、二次電池1a〜1dに接続されている並列接続用トランジスタがオン・オフ動作し、これにより各二次電池1a〜1dには一定時間ずつ一定の周期で充電電流が供給される。かくして、各二次電池1a〜1dはパルス充電モードにより小電流充電される。
【0047】
また、上記パルス充電モードによる充電制御を行いながら、スイッチ制御回路30はステップS15により電圧検出部20′から各二次電池1a〜1dの電池電圧検出情報をそれぞれ取り込む。そして、この取り込まれた検出情報に基づいて、すべての二次電池1a〜1dの電池電圧が第3のしきい値(Vth3)より低下したか否かを判定する。
【0048】
この判定の結果、すべての二次電池1a〜1dの電池電圧が第3のしきい値(Vth3)より低下すると、スイッチ制御回路30は直列充電が可能な状態になったと判断し、ステップS11に戻る。そして、このステップS11においてスイッチ回路10に対し各二次電池1a〜1dを充電電源2に直列接続させるためのスイッチ制御を行う。この結果、各二次電池1a〜1dの接続状態は直列接続に戻され、これにより各二次電池1a〜1dは再び直列接続により大電流充電される。なお、上記第3のしきい値(Vth3)は、例えば上記第1のしきい値(Vth1)より一定値だけ低い値に設定される。
【0049】
以後、スイッチ制御回路30は例えば図7に示すように、二次電池1a〜1dの電池電圧に基づいて、上記ステップS11乃至ステップS15により、直列充電モードからパルス充電モードへの切り換えと、パルス充電モードから直列充電モードへの切り換えとを繰り返す。
【0050】
一方、上記パルス充電モードによる充電期間中に、ある二次電池(例えば1d)の電池電圧がピーク値に達したとする。そうするとスイッチ制御回路30は、この二次電池1dについてのみステップS16からステップS17に移行し、ここで電池電圧の一定量ΔVの低下を監視する。そして、この電池電圧の一定値ΔVの低下、つまり−ΔVを検出すると、当該二次電池1dは満充電に達したと判断し、ステップS18により当該二次電池1dを充電電源2から切り離して充電電流の供給を停止する。
【0051】
一方、残りの二次電池1a〜1cに対してはパルス充電モードによる充電制御を続ける。そして、他の二次電池1a〜1cについても、電池電圧のピーク値が検出されたのち−ΔVが検出されると、この二次電池が充電電源2から切り離されて充電電流の供給が停止される。そうして、ステップS19においてすべての二次電池1a〜1dの満充電が検出されるまで、上記充電制御による充電が継続される。
【0052】
以上述べたように第2の実施形態では、4個の二次電池1a〜1dを並行して充電する際に、二次電池1a〜1dの電池電圧に基づいて、直列充電モードからパルス充電モードへの切り換えと、パルス充電モードから直列充電モードへの切り換えとを繰り返すようにしている。
したがって、直列充電モードからパルス充電モードへ切り換えたのちそのまま満充電まで充電を行う場合に比べ、温度上昇を抑制した上で、満充電になるまでに要する時間を短縮することができる。
【0053】
(その他の実施形態)
前記第2の実施形態では、電池電圧が第1のしきい値以上に増加したとき、直列充電モードからパルス充電モードに切り換えるようにした。しかし、電池電圧が第1のしきい値以上に増加したとき、直列充電モードから並列充電モードに切り換え、この並列充電中の二次電池の電池電圧を監視して、電池電圧が第3のしきい値未満に低下した場合に並列充電モードから直列充電モードに戻すようにしてもよい。
【0054】
また第1の実施形態において、並列充電中又はパルス充電中に電池電圧の低下を監視し、電池電圧が第3のしきい値未満に低下したときに、第2の実施形態のように直列充電モードに戻って大電流充電を行うように制御してもよい。
【0055】
さらに前記第2の実施形態では、直列充電期間中の二次電池1a〜1dの少なくとも1つの電池電圧が第1のしきい値以上になったときに、すべての二次電池1a〜1dを直列充電からパルス充電に切り換えるようにした。しかし、これに限定されるものではなく、電池電圧が第1のしきい値以上になった二次電池についてのみ直列充電からパルス充電に切り換えるようにしてもよい。
【0056】
また第2の実施形態において、パルス充電モードにおいてすべての二次電池の電池電圧が第3のしきい値未満に低下したときに、パルス充電モードから直列充電モードに切り換えるようにしたが、電池電圧が第3のしきい値未満に低下した二次電池のみをパルス充電モードから直列充電モードに切り換えるようにしてもよい。
【0057】
さらに、前記各実施形態では、電池電圧が所定の満充電電圧に至ったことで満充電を検出するか、または例えばニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池のように満充電時に生ずる電池電圧の低下(−ΔV)を検出するようにしたが、他に電池温度の上昇により満充電を検出したり、充電開始から一定時間経過したことにより満充電と見なすようにしてもよい。
【0058】
さらに、前記第1の実施形態では、並列充電中の二次電池の電圧値が、第1のしきい値Vth1 より高く設定した第2のしきい値Vth1(Vth2>Vth1)を超えたときに、充電モードを並列充電モードからパルス充電モードへ移行するようにした。しかし、二次電池の電圧値は直列充電から並列充電に切り換えたときの二次電池の充電容量により異なる。このため、上記第2のしきい値は(Vth2>Vth1)に設定せずに、(Vth2<Vth1)または(Vth2=Vth1)に設定する場合もある。
【0059】
さらに、前記各実施形態では複数の単体の二次電池を並行して充電する場合を例示したが、複数の二次電池セルをパック化した複数の二次電池モジュールを並行して充電する場合にも、この発明は適応可能である。
【0060】
その他、充電装置の構成やスイッチ回路の回路構成、スイッチ制御回路の制御手順及び制御内容、二次電池の種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0061】
要するに、この発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、複数の二次電池の劣化を防止しつつ、短時間で急速充電することができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係る充電装置の概略構成を示す回路ブロック図。
【図2】 図1に示した充電装置のスイッチ回路の構成を示す図。
【図3】 図1に示した充電装置の電圧検出部の回路構成を示す図。
【図4】 図1に示した充電装置のスイッチ制御回路の制御手順と制御内容を示すフローチャート。
【図5】 この発明の第2の実施形態に係わる充電装置の電圧検出部の回路構成を示す図。
【図6】 この発明の第2の実施形態に係わる充電装置のスイッチ制御回路の制御手順と制御内容を示すフローチャート。
【図7】 この発明の第2の実施形態に係わる充電装置による充電特性を示す図。
【符号の説明】
1a〜1d…二次電池、2…充電電源、10…スイッチ回路、11…直列接続スイッチ群、12…並列接続スイッチ群、13…充電制御スイッチ群、20,20′…電圧検出部、30…スイッチ制御回路。
Claims (3)
- 定電流源を用いた充電電源の出力をもとに複数の二次電池を並行して充電する充電装置において、
前記複数の二次電池を前記充電電源に対し接続するスイッチ回路と、
前記充電電源により充電される前記各二次電池の電池電圧をそれぞれ検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部により検出される前記複数の二次電池の電池電圧に基づいて前記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路と
を具備し、
前記スイッチ制御回路は、
前記スイッチ回路により前記複数の二次電池を前記充電電源に対し直列に接続させて充電を行わせる手段と、
前記直列接続による充電中に前記複数の二次電池の電池電圧を予め定めた第1のしきい値とそれぞれ比較する第1の比較手段と、
前記第1の比較手段により、前記直列接続充電中の二次電池の電池電圧が前記第1のしきい値を超えたことが検出されたとき、前記スイッチ回路により、少なくとも前記電池電圧が第1のしきい値を超えた二次電池を前記充電電源に対し並列接続又は間欠接続させて充電を行わせる第1の切替制御手段と、
前記充電電源に対し並列接続された二次電池の電池電圧を第2のしきい値と比較する第2の比較手段と、
前記第2の比較手段により、前記並列接続充電中の二次電池の電池電圧が前記第2のしきい値を超えたことが検出されたとき、前記スイッチ回路により、少なくとも電池電圧が前記第2のしきい値を超えた二次電池を前記充電電源に対し間欠的に接続させてパルス充電を行わせる第2の切替制御手段と
を備えることを特徴とする二次電池の充電装置。 - 定電流源を用いた充電電源の出力をもとに複数の二次電池を並行して充電する充電装置において、
前記複数の二次電池を前記充電電源に対し接続するスイッチ回路と、
前記充電電源により充電される前記各二次電池の電池電圧をそれぞれ検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部により検出される前記複数の二次電池の電池電圧に基づいて前記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路と
を具備し、
前記スイッチ制御回路は、
前記スイッチ回路により前記複数の二次電池を前記充電電源に対し直列に接続させて充電を行わせる手段と、
前記直列接続による充電中に前記複数の二次電池の電池電圧を予め定めた第1のしきい値とそれぞれ比較する第1の比較手段と、
前記第1の比較手段により、前記直列接続充電中の二次電池の電池電圧が前記第1のしきい値を超えたことが検出されたとき、前記スイッチ回路により、少なくとも前記電池電圧が第1のしきい値を超えた二次電池を前記充電電源に対し並列接続又は間欠接続させて充電を行わせる第1の切替制御手段と、
前記複数の二次電池の各々について満充電に至ったか否かを判定する手段と、
満充電に至った二次電池が検出された場合に、前記スイッチ回路により当該二次電池を前記充電電源から切り離す手段と、
前記満充電に至った二次電池の切り離しが行われた場合に、満充電に至らない他の二次電池に対する充電電流の通流率を、当該二次電池に流れる充電電流を一定値に維持するべく変化させる手段と
を備えることを特徴とする二次電池の充電装置。 - 複数の二次電池を定電流源を用いた充電電源に対し接続するスイッチ回路と、前記充電電源により充電される前記各二次電池の電池電圧をそれぞれ検出する電圧検出部と、前記電圧検出部により検出される前記複数の二次電池の電池電圧に基づいて前記スイッチ回路を制御するコンピュータとを備える二次電池の充電装置で使用される充電制御プログラムであって、
前記スイッチ回路により、前記複数の二次電池を充電電源に対し直列に接続させて充電を行わせる処理と、
前記直列接続充電中における前記複数の二次電池の電池電圧を、予め定めた第1のしきい値とそれぞれ比較する処理と、
前記比較処理により、前記直列接続充電中の二次電池の電池電圧が前記第1のしきい値を超えたことが検出されたとき、前記スイッチ回路により、少なくとも前記電池電圧が第1のしきい値を超えた二次電池を前記充電電源に対し並列接続又は間欠接続させて充電を行わせる処理と
前記充電電源に対し並列接続された二次電池の電池電圧を第2のしきい値と比較する処理と、
前記比較処理により、前記並列接続充電中の二次電池の電池電圧が前記第2のしきい値を超えたことが検出されたとき、前記スイッチ回路により、少なくとも前記電池電圧が第2のしきい値を超えた二次電池を前記充電電源に対し間欠的に接続させてパルス充電を行わせる処理と
を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする充電制御プログラム。
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