JP4053167B2 - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理方法および画像処理装置に関し、詳細には、画像の粒状(高周波ノイズ)を抑制しつつ、画像の鮮鋭度を強調する処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真フイルムやプリントに記録された画像(カラー画像を含む)をCCD等のセンサーにより光電的に読み取って画像信号を得、これに種々の画像処理を施して、処理済画像をプリントやCRT等に再生することが行われている。このような画像処理としては、画像に含まれる所定の空間周波数成分に作用させる周波数処理や、画像の濃度などの信号値に作用させる階調処理等がある。
【0003】
さらに周波数処理としては、画像の輪郭のぼけを抑制する鮮鋭度強調処理や、感材の粒状度等に起因するノイズ(粒状)を抑制する平滑化処理等の粒状抑制処理などがある。
【0004】
鮮鋭度強調処理としては、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、特開平 9-22460号に開示された、画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制する処理等が知られており、また粒状抑制処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理等が知られている。
【0005】
ところで、鮮鋭度強調処理によれば、画像のシャープネスは向上する反面、画像の粒状も強調されてざらつき感が残り、一方、粒状抑制処理によれば、画像の粒状は抑制されてざらつき感を低減できる反面、画像の鮮鋭度が低下する、という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、粒状を抑制しつつ鮮鋭度を強調する画像処理方法が望まれており、従来より粒状抑制と鮮鋭度強調とを同時に実現することを目的とした種々の画像処理方法が提案されている(米国特許第4,812,903 号、特開昭63-26783号、特開平 9-22460号等)ものの、それらのいずれにおいても、効果的に粒状抑制と鮮鋭度強調とを同時に実現することはできていないのが現状である。
【0007】
例えば、上記特開平9-22460 号に開示された技術は、画像の鮮鋭度に影響を及ぼす高周波数成分を強調しつつ、ざらつき感となる粒状に影響を及ぼす中間周波数成分を抑制する処理により、粒状を抑制しつつ鮮鋭度を強調することとしているが、これは、色の相関情報において粒状部は色の相関度が低く、映像信号(エッジ)部は色の相関度が高いという性質を利用したものである。そしてこの処理は、画像を周波数領域に展開し、中高周波数成分の強度を制御して色相関の低いところは程度を低くすることで粒状抑制を行っている。すなわちこの処理方法では、実画像での隣接画素間のつながりの因子が考慮されないため、画像の場所によっては突然に制御程度が変化し、粒状が抑制されたと捉えにくい面がある。したがって、鮮鋭度強調の効果に比して粒状抑制の効果が小さく、効果面からは粒状抑制鮮鋭度強調処理というよりも、鮮鋭度強調処理に止まるのが実状である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、画像に対する粒状抑制と鮮鋭度強調を効果的に両立することを可能にした画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理方法および第1の画像処理装置は、原画像信号に対して、鮮鋭度強調処理と粒状抑制処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させ、しかも元の原画像信号値に依存させて処理することにより、1つの処理済画像信号を得るものである。
【0010】
すなわち本発明の第1の画像処理方法は、画像信号(カラー画像に基づく画像信号であってもよいし、1色の濃淡画像に基づく画像信号であってもよい)finに対して、この原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調させる処理(鮮鋭度強調処理)および前記画像の粒状を抑制させる処理(粒状抑制処理)を各別に施し、
鮮鋭度強調処理により取得された鮮鋭度強調画像信号f1 および粒状抑制処理により取得された粒状抑制画像信号f2 を画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号finに依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、処理済画像信号fout を取得することを特徴とするものである。
【0011】
ここで上記演算処理としては、画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号finの変動にしたがって(原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして原画像信号finが濃度に対応づけられている場合は、当該原画像信号finが小さくなるにしたがって、原画像信号finが大きいほど画像の濃度が濃くなるものとして画像信号が濃度に対応づけられている場合は、当該画像信号finが大きくなるにしたがって)、処理済画像信号fout が粒状抑制画像信号f2 への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号f1 への依存度を低下させる処理などを適用することができる。
【0012】
上記演算処理として画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号finの変動にしたがって、処理済画像信号fout が粒状抑制画像信号f2 への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号f1 への依存度を低下させる処理としては、例えば、下記式(4)や(5)で定義される演算処理を適用するのが望ましい。
【0013】
【数4】
Figure 0004053167
【0014】
【数5】
Figure 0004053167
【0015】
すなわち式(4)は、鮮鋭度強調画像信号f1 と粒状抑制画像信号f2 との重みづけ加算処理であり、鮮鋭度強調画像信号f1 への重みづけおよび粒状抑制画像信号f2 への重みづけを、それぞれ原画像信号finに依存させる演算処理である。具体的には、原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして原画像信号finが濃度に対応づけられている場合に、当該原画像信号finが小さくなるにしたがって、鮮鋭度強調画像信号f1 への重みづけを低下させるとともに、粒状抑制画像信号f2 への重みづけを高めるものである。
【0016】
式(5)は、式(4)をより具体化したものであり、鮮鋭度強調画像信号f1 が原画像信号finに等しい画素については、粒状抑制画像信号f2 を処理済画像信号fout とし、粒状抑制画像信号f2 が原画像信号finに等しい画素については、鮮鋭度強調画像信号f1 を処理済画像信号fout とし、鮮鋭度強調画像信号f1 または粒状抑制画像信号f2 のいずれも原画像信号finに等しくない画素については、鮮鋭度強調画像信号f1 と原画像信号finとの差、および粒状抑制画像信号f2 と原画像信号finとの差による重みづけ加算した値を処理済画像信号fout とし、鮮鋭度強調画像信号f1 への重みづけおよび粒状抑制画像信号f2 への重みづけを、それぞれ原画像信号finに依存させる演算処理を表す。
【0017】
また、上記鮮鋭度強調処理としては、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)等、上記粒状を抑制させる処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理(平滑化処理)等をそれぞれ適用することができるが、モフォロジー演算を利用した粒状抑制(平滑化)処理と画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制したのち合成することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)との組合せが最適である。
【0018】
ここでモフォロジー(Morphology)演算処理とは、一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、2次元空間である画像へ適用される場合が多い(特開平8-272961号、同9-248291号、同9-91421 号等)。以下、このモフォロジー演算処理を、濃淡画像を例にして以下に簡単に説明する。
【0019】
濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなし、この断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理に用いる構造要素gは次式(6)に示すように、原点について対称な対称関数
【0020】
【数6】
Figure 0004053167
【0021】
であり、定義域内で値が0で、その定義域Gが下記式(7)であるとする。
【0022】
【数7】
Figure 0004053167
【0023】
このとき、モフォロジー演算の基本形は式(8)〜(11)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0024】
【数8】
Figure 0004053167
【0025】
すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される値であって、図7中のマスクサイズに相当)の幅の範囲内の最大値を探索する処理であり(同図(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の範囲内の最小値を探索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニング(opening )処理はイロージョン処理後にダイレーション処理を行なう処理、すなわち最小値の探索の後に最大値を探索する処理であり、クロージング(closing )処理は、ダイレーション処理後にイロージョン処理を行なう処理、すなわち最大値の探索の後に最小値を探索する処理に相当する。
【0026】
つまりオープニング処理は、低濃度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも濃度が高い部分)を抑制することに相当する(同図(C)参照)。
【0027】
一方、クロージング処理は、高濃度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも濃度が低い部分)を抑制することに相当する(同図(D)参照)。
【0028】
ここで、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号に対するダイレーション処理と高輝度高信号レベルに対するイロージョン処理(同図(B))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するイロージョン処理と高輝度高信号レベルに対するダイレーション処理(同図(A))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するオープニング処理と高輝度高信号レベルに対するクロージング処理(同図(D))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するクロージング処理と高輝度高信号レベルに対するオープニング処理(同図(C))とは一致する。
【0029】
そして、このように原画像を表す画像信号に対して、モフォロジー演算処理によるオープニング処理若しくはクロージング処理を施すことにより、画像から粒状(画像信号としてのノイズを意味する)を抑制(または除去)することができる(小畑「モルフォロジー」(コロナ社刊)等)。
【0030】
なお、本発明の画像情報読取方法において、粒状抑制処理としてモフォロジー演算に基づいて平滑化処理を適用する場合は、下記式(1)で定義される演算処理を適用するのが望ましいが、これに限るものではなく、オープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls との単純加算平均(fopn +fcls )/2を用いてもよい。
【0031】
【数1】
Figure 0004053167
【0032】
次に、特開平 9-22460号に開示された、画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制することによる鮮鋭度強調処理について簡単に説明する。
【0033】
この処理は、画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調するとともに、中間周波数成分を抑制する強調抑制処理を行い、これらの処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成して処理済画像信号を得るものである。
【0034】
ここで、画像信号の低周波数成分・中間周波数成分・高周波数成分とは、図8に示すように分布される周波数成分のことをいうものであり、中間周波数成分とは、処理後のデータを可視像として再生する際の出力のナイキスト周波数の1/3付近にピークを持って分布する周波数成分をいうものであり、低周波数成分とは、出力のナイキスト周波数が0となる周波数をピークとして分布する成分をいい、高周波数成分とは出力のナイキスト周波数をピークとして分布する成分をいうものであり、さらに、低・中間・高周波数成分の和が各周波数において1となっている成分をいうものである。
【0035】
また、この処理方法においては、前記分解後、前記高周波数成分および前記中間周波数成分から輝度成分を抽出し、該輝度成分にのみ基づいて前記強調抑制処理および前記合成を行うことが好ましい。
【0036】
さらに、この処理方法においては、前記所定の画像における特定色領域を抽出し、該特定色領域に対応する前記中間周波数成分をさらに抑制して前記強調抑制処理を行うことが好ましい。
【0037】
また、この処理方法においては、前記分解後、前記中間周波数成分および/または前記高周波数成分の評価値を求め、該評価値が所定の閾値より小さい画素に対する前記中間周波数成分を該評価値が該所定の閾値より大きい画素に対する前記中間周波数成分よりも大きく抑制して前記強調抑制処理を行うことが好ましい。さらに、この場合は前記評価値が所定の閾値より小さい画素に対する前記高周波数成分を該評価値が該所定の閾値より大きい画素に対する前記高周波数成分よりも小さく強調して前記強調抑制処理を行うことが好ましい。
【0038】
ここで、評価値とは、後述するようなRGB3色のうちの2色からなる少なくとも1組の色間における相関値や、画像信号の周波数成分の局所分散などの値のことをいう。
【0039】
さらに、前記評価値が、前記中間周波数成分および/または前記高周波数成分のRGB3色のうちの2色からなる少なくとも1組の色間における、相対応する画素についての相関値であることが好ましい。
【0040】
また、前記評価値をメディアンフィルタによりフィルタリング処理した後、該処理がなされた評価値に基づいて前記所定の閾値に基づいて前記強調抑制処理を行ってもよく、前記中間周波数成分および/または前記高周波数成分と前記評価値とを、RGB3色のうちのそれぞれ異なる色に基づいて算出するようにしてもよい。
【0041】
なお上記特開平9-22460 号による強調抑制処理における粒状抑制は前述したように、実画像での隣接画素間のつながりの因子は考慮されず、粒状が抑制されたと捉えにくい面があるが、モフォロジー演算に基づく粒状抑制処理は、粒状の孤立性(粒状は隣接画素との画像信号(濃度)の連続性が低い)という性質を利用した実画像面上での処理であるため、隣接画素間のつながりがよく、粒状の抑制程度を視覚的に捉えやすく、粒状抑制効果が高いものとなる。
【0042】
なお、本発明の画像処理方法におけるもとの画像信号はスキャナ等により、画像記録媒体(写真やフイルム等)から読み取られたままの、いわゆる生画像データ(生画像信号)であることが望ましいが、これに限るものではなく、この生画像データに対して、階調処理や色補正、シェーディング補正等がなされた後の画像信号であってもよい。またこの画像信号はスキャナ等により読み取られたものであるものに限られず、デジタルカメラのように直接画像データとして取得されたものであってもよい。
【0043】
本発明の第1の画像処理装置は、上記本発明の第1の画像処理方法を実施するための装置であって、原画像信号に対して、該画像信号が表す画像の鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
前記原画像信号に対して、前記画像の粒状を抑制させる処理を施す粒状抑制処理手段と、
前記鮮鋭度強調処理手段により取得された鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制処理手段により取得された粒状抑制画像信号を画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存する演算処理を施すことにより、処理済画像信号取得する信号処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0044】
ここで、信号処理手段による演算処理としては、画像の濃度が濃くなる方向に対応する画像信号の変動にしたがって、処理済画像信号が粒状抑制画像信号への依存度を高める処理や、画像の濃度が濃くなる方向に対応する画像信号の変動にしたがって、処理済画像信号が粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理などを適用することができる。このような演算処理としては下記式(4)または(5)で定義される演算処理を適用するのが望ましい。
【0045】
【数4】
Figure 0004053167
【0046】
【数5】
Figure 0004053167
【0047】
鮮鋭度強調処理手段による鮮鋭度強調処理としては、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、前述した特開平 9-22460号に開示された、画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調するとともに中間周波数成分を抑制する強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理等、粒状抑制処理手段による粒状抑制処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制(平滑化)処理等をそれぞれ適用することができるが、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理と、画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)とを組み合せた構成とするのが最適である。
【0048】
なお、粒状抑制処理手段によるモフォロジー演算に基づいた平滑化処理としては、下記式(1)で定義される演算処理を適用するのが望ましいが、この他にもオープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls との単純加算平均(fopn +fcls )/2を用いてもよい。
【0049】
【数1】
Figure 0004053167
【0050】
本発明の第2の画像処理方法および第2の画像処理装置は、原画像信号に対して鮮鋭度強調処理を施して1つの鮮鋭度強調画像信号を求める一方、原画像信号に対して、粒状の抑制程度が互いに異なる2以上の粒状抑制画像信号を得るための粒状抑制処理を施してその2以上の粒状抑制画像信号を求め、得られた2以上の粒状抑制画像信号を画素を対応させて、しかも原画像信号に依存させて演算処理して1つの粒状抑制画像信号を求め、得られた1つの粒状抑制画像信号と1つの鮮鋭度強調画像信号とを画素を対応させて演算処理することにより、1つの処理済画像信号を得るものである。
【0051】
すなわち本発明の第2の画像処理方法は、原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
前記鮮鋭度強調処理により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得することを特徴とするものである。
【0052】
ここで鮮鋭度強調処理としては、前述した本発明の第1の画像処理方法および装置と同様に、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)等を適用することができ、一方、粒状抑制処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理(平滑化処理)等をそれぞれ適用することができるが、モフォロジー演算を利用した粒状抑制(平滑化)処理と画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制したのち合成することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)との組合せが最適であることは、本発明の第1の画像処理方法・装置の場合と同様である。
【0053】
なお、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の粒状抑制処理とは、粒状抑制処理が2以上存在することを意味するものではなく、当該粒状抑制処理により得られる2以上の粒状抑制画像信号の粒状抑制程度が互いに異なるものであれば足り、例えば、粒状抑制のパラメータが互いに異なる2以上の粒状抑制処理方法によって、粒状抑制程度が互いに異なる2以上の粒状抑制画像信号を得るものであってもよいし、粒状抑制の程度は、ある一定のものに固定された粒状抑制処理方法であっても、その粒状抑制処理を順次複数回行なうことにより、各回の処理ごとに得られた粒状抑制画像信号間の粒状抑制程度が異なるものとなるような粒状抑制処理であってもよい。パラメータが互いに異なる2以上の粒状抑制処理方法によれば、これら2以上の粒状抑制処理を並行して行うことができるため、処理時間を短くすることができるという効果があり、一方、1の粒状抑制処理を複数回順次行う方法によれば、構成を簡単化する事ができるという効果がある。
【0054】
上述した粒状抑制処理として、モフォロジー演算を利用した平滑化処理を採用した場合は、互いに異なるサイズの構造要素を用いた2以上のモフォロジー演算処理を各別に施して2以上の粒状抑制画像信号を得てもよいし、1種類の構造要素を用いたモフォロジー演算処理を順次2回以上行い、各回の処理ごとに粒状抑制画像信号を得ることにより最終的に2以上の粒状抑制画像信号を得るものであってもよい。
【0055】
モフォロジー演算に基づいた平滑化処理としては、上記式(1)に示すものなどを適用するのが望ましいが、この他にもオープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls との単純加算平均(fopn +fcls )/2を用いてもよい。
【0056】
粒状抑制処理により取得された粒状抑制程度が異なる2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させて改めて1つの粒状抑制画像信号とする演算処理としては、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理を適用すればよく、例えば、粒状の抑制程度が異なる2つの粒状抑制画像信号f21,f22とを取得している場合に、粒状抑制程度が弱い第1の粒状抑制画像信号f21と粒状抑制程度が第1の粒状抑制画像信号f21よりも強い第2の粒状抑制画像信号f22とについて、下記式(3)に示すものを適用するのが望ましい。なお式(3)においては、原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして、原画像信号finが濃度に対応づけられている。
【0057】
【数3】
Figure 0004053167
【0058】
このようにして得られた1つの鮮鋭度強調画像信号と1つの粒状抑制画像信号とを画素を対応させて行う演算処理としては、例えば下記式(12)や(13)などを適用することができる。
【0059】
【数9】
Figure 0004053167
【0060】
【数10】
Figure 0004053167
【0061】
なお望ましくは、この鮮鋭度強調画像信号と粒状抑制画像信号とを原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理とすればよく、例えば、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、処理済画像信号が粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理とすればよい。このような演算処理としては、例えば上記式(4)または(5)などを適用するのが望ましい。
【0062】
本発明の第2の画像処理装置は、上記本発明の第2の画像処理方法を実施するための装置であって、原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0063】
ここで鮮鋭度強調処理手段による鮮鋭度強調処理としては、前述した本発明の第1の画像処理方法および装置と同様に、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)等を適用することができ、一方、粒状抑制処理手段による粒状抑制処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理(平滑化処理)等をそれぞれ適用することができる。なお、モフォロジー演算を利用した粒状抑制(平滑化)処理と画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制したのち合成することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)との組合せが望ましい。
【0064】
なお粒状抑制処理手段による粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の粒状抑制処理とは、粒状抑制処理が2以上存在することを意味するものではなく、当該粒状抑制処理により得られる2以上の粒状抑制画像信号の粒状抑制程度が互いに異なるものであれば足り、例えば、粒状抑制のパラメータが互いに異なる2以上の粒状抑制処理方法によって、粒状抑制程度が互いに異なる2以上の粒状抑制画像信号を得るものであってもよいし、粒状抑制の程度は、ある一定のものに固定された粒状抑制処理であっても、その粒状抑制処理を順次複数回行なうことにより、各回の処理ごとに得られた粒状抑制画像信号間の粒状抑制程度が異なるものとなるような粒状抑制処理であってもよい。パラメータが互いに異なる2以上の粒状抑制処理によれば、これら2以上の粒状抑制処理を並行して行うことができるため、処理時間を短くすることができるという効果があり、一方、1の粒状抑制処理を複数回順次行うものであれば、構成を簡単化することができるという効果がある。
【0065】
上述した粒状抑制処理として、モフォロジー演算を利用した平滑化処理を採用した場合は、互いに異なるサイズの構造要素を用いた2以上のモフォロジー演算処理を各別に施して2以上の粒状抑制画像信号を得てもよいし、1種類の構造要素を用いたモフォロジー演算処理を順次2回以上行い、各回の処理ごとに粒状抑制画像信号を得ることにより最終的に2以上の粒状抑制画像信号を得るものであってもよい。
【0066】
モフォロジー演算に基づいた平滑化処理としては、上記式(1)に示すものなどを適用するのが望ましいが、この他にもオープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls との単純加算平均(fopn +fcls )/2を用いてもよい。
【0067】
粒状抑制処理により取得された粒状抑制程度が異なる2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させて改めて1つの粒状抑制画像信号とする、粒状抑制画像信号演算手段による演算処理としては、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理を適用すればよく、例えば、粒状の抑制程度が異なる2つの粒状抑制画像信号f21,f22とを取得している場合に、粒状抑制程度が弱い第1の粒状抑制画像信号f21と粒状抑制程度が第1の粒状抑制画像信号f21よりも強い第2の粒状抑制画像信号f22とについて、上記式(3)に示すものを適用するのが望ましい。なお式(3)においては、原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして、原画像信号finが濃度に対応づけられている。
【0068】
このようにして得られた1つの鮮鋭度強調画像信号と1つの粒状抑制画像信号とを画素を対応させて処理済画像信号を取得する、信号処理手段による演算処理としては、例えば上記式(12)や(13)などを適用することができる。
【0069】
なお望ましくは、この鮮鋭度強調画像信号と粒状抑制画像信号とを原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理とすればよく、例えば、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、処理済画像信号が粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理とすればよい。このような演算処理としては、例えば上記式(4)または(5)などを適用するのが望ましい。
【0070】
本発明の第3の画像処理方法および第3の画像処理装置は、本発明の第2の画像処理方法および装置が、原画像信号に対して鮮鋭度強調処理を施して1つの鮮鋭度強調画像信号を得るのに対して、原画像信号に対して、鮮鋭度の強調程度が互いに異なる2以上の鮮鋭度強調画像信号を得るための鮮鋭度強調処理を施してその2以上の鮮鋭度強調画像信号を求め、得られた2以上の鮮鋭度強調画像信号を画素を対応させて、しかも原画像信号に依存させて演算処理して1つの鮮鋭度強調画像信号を求める点において、異なるものである。
【0071】
すなわち本発明の第3の画像処理方法は、原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
前記鮮鋭度強調処理により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を取得し、
前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
前記改めて取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得することを特徴とするものである。
【0072】
ここで鮮鋭度強調処理としては、前述した本発明の第1および第2の画像処理方法・装置と同様に、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)等を適用することができ、一方、粒状抑制処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理(平滑化処理)等をそれぞれ適用することができるが、モフォロジー演算を利用した粒状抑制(平滑化)処理と画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制したのち合成することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)との組合せが最適である。
【0073】
なお、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の鮮鋭度強調処理とは、鮮鋭度強調処理が2以上存在することを意味するものではなく、当該鮮鋭度強調処理により得られる2以上の鮮鋭度強調画像信号の鮮鋭度強調程度が互いに異なるものであれば足り、例えば、鮮鋭度強調のパラメータが互いに異なる2以上の鮮鋭度強調処理方法によって、鮮鋭度強調程度が互いに異なる2以上の鮮鋭度強調画像信号を得るものであってもよいし、鮮鋭度強調の程度は、ある一定のものに固定された鮮鋭度強調処理方法であっても、その鮮鋭度強調処理を順次複数回行なうことにより、各回の処理ごとに得られた鮮鋭度強調画像信号間の鮮鋭度強調程度が異なるものとなるような鮮鋭度強調処理であってもよい。パラメータが互いに異なる2以上の鮮鋭度強調処理方法によれば、これら2以上の鮮鋭度強調処理を並行して行うことができるため、処理時間を短くすることができるという効果があり、一方、1の鮮鋭度強調処理を複数回順次行う方法によれば、構成を簡単化する事ができるという効果がある。
【0074】
上述した鮮鋭度強調処理として、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)を適用した場合は、中間周波数成分を抑制する程度(ゲイン)が互いに異なる2以上の処理を各別に施して2以上の鮮鋭度強調画像信号を得てもよいし、1種類のゲインの上記処理を順次2回以上行い、各回の処理ごとに鮮鋭度強調画像信号を得ることにより最終的に2以上の鮮鋭度強調画像信号を得るものであってもよい。
【0075】
鮮鋭度強調処理により取得された鮮鋭度強調程度が異なる2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させて改めて1つの鮮鋭度強調画像信号とする演算処理としては、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、鮮鋭度の強調程度が弱い鮮鋭度強調画像信号よりも鮮鋭度強調程度が強い鮮鋭度強調画像信号への依存度を高める処理を適用すればよく、例えば、鮮鋭度の強調程度が異なる2つの鮮鋭度強調画像信号f11,f12とを取得している場合に、鮮鋭度強調程度が弱い第1の鮮鋭度強調画像信号f11と鮮鋭度強調程度が第1の鮮鋭度強調画像信号f11よりも強い第2の鮮鋭度強調画像信号f12とについて、下記式(2)に示すものを適用するのが望ましい。なお式(2)においては、原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして、原画像信号finが濃度に対応づけられている。
【0076】
【数2】
Figure 0004053167
【0077】
このようにして得られた1つの鮮鋭度強調画像信号と、本発明の第2の画像処理方法・装置と同様な過程により得られた1つの粒状抑制画像信号とを画素を対応させて行う演算処理としては、上述した本発明の第2の画像処理方法において説明した式(12)または(13)で示したものを適用するのが好ましく、さらに望ましくは、鮮鋭度強調画像信号と粒状抑制画像信号とを原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理とすればよく、例えば原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、処理済画像信号が粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理とすればよい。このような演算処理としては、例えば上記式(4)または(5)などを適用するのが望ましい。
【0078】
本発明の第3の画像処理装置は、上記本発明の第2の画像処理方法を実施するための装置であって、原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
前記鮮鋭度強調処理手段により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を求める鮮鋭度強調画像信号演算手段と、
前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0079】
ここで鮮鋭度強調処理手段による鮮鋭度強調処理としては、前述した本発明の第1および第2の画像処理方法・装置と同様に、アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)等を適用することができ、一方、粒状抑制処理手段による粒状抑制処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理、モフォロジー演算を利用した粒状抑制処理(平滑化処理)等をそれぞれ適用することができる。なお、モフォロジー演算を利用した粒状抑制(平滑化)処理と画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制したのち合成することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)との組合せが好ましい。
【0080】
なお鮮鋭度強調処理手段による、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の鮮鋭度強調処理とは、鮮鋭度強調処理が2以上存在することを意味するものではなく、当該鮮鋭度強調処理により得られる2以上の鮮鋭度強調画像信号の鮮鋭度強調程度が互いに異なるものであれば足り、例えば、鮮鋭度強調のパラメータが互いに異なる2以上の鮮鋭度強調処理方法によって、鮮鋭度強調程度が互いに異なる2以上の鮮鋭度強調画像信号を得るものであってもよいし、鮮鋭度強調の程度は、ある一定のものに固定された鮮鋭度強調処理方法であっても、その鮮鋭度強調処理を順次複数回行なうことにより、各回の処理ごとに得られた鮮鋭度強調画像信号間の鮮鋭度強調程度が異なるものとなるような鮮鋭度強調処理であってもよい。パラメータが互いに異なる2以上の鮮鋭度強調処理によれば、これら2以上の鮮鋭度強調処理を並行して行うことができるため、処理時間を短くすることができるという効果があり、一方、1の鮮鋭度強調処理を複数回順次行うものであれば、構成を簡単化することができるという効果がある。
【0081】
上述した鮮鋭度強調処理として、原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調させるとともに中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、強調抑制処理後の各周波数成分および低周波数成分を合成する処理(特開平 9-22460号)を適用した場合は、中間周波数成分を抑制する程度(ゲイン)が互いに異なる2以上の処理を各別に施して2以上の鮮鋭度強調画像信号を得てもよいし、1種類のゲインの上記処理を順次2回以上行い、各回の処理ごとに鮮鋭度強調画像信号を得ることにより最終的に2以上の鮮鋭度強調画像信号を得るものであってもよい。
【0082】
鮮鋭度強調処理により取得された鮮鋭度強調程度が異なる2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させて改めて1つの鮮鋭度強調画像信号とする、鮮鋭度強調画像信号演算手段による演算処理としては、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、鮮鋭度の強調程度が弱い鮮鋭度強調画像信号よりも鮮鋭度強調程度が強い鮮鋭度強調画像信号への依存度を高める処理を適用すればよく、例えば、鮮鋭度の強調程度が異なる2つの鮮鋭度強調画像信号f11,f12とを取得している場合に、鮮鋭度強調程度が弱い第1の鮮鋭度強調画像信号f11と鮮鋭度強調程度が第1の鮮鋭度強調画像信号f11よりも強い第2の鮮鋭度強調画像信号f12とについて、下記式(2)に示すものを適用するのが望ましい。なお式(2)においては、原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして、原画像信号finが濃度に対応づけられている。
【0083】
【数2】
Figure 0004053167
【0084】
粒状抑制処理手段による粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の粒状抑制処理とは、本発明の第2の画像処理装置と同様に、粒状抑制処理が2以上存在することを意味するものではなく、当該粒状抑制処理により得られる2以上の粒状抑制画像信号の粒状抑制程度が互いに異なるものであれば足り、例えば、粒状抑制のパラメータが互いに異なる2以上の粒状抑制処理方法によって、粒状抑制程度が互いに異なる2以上の粒状抑制画像信号を得るものであってもよいし、粒状抑制の程度は、ある一定のものに固定された粒状抑制処理であっても、その粒状抑制処理を順次複数回行なうことにより、各回の処理ごとに得られた粒状抑制画像信号間の粒状抑制程度が異なるものとなるような粒状抑制処理であってもよい。パラメータが互いに異なる2以上の粒状抑制処理によれば、これら2以上の粒状抑制処理を並行して行うことができるため、処理時間を短くすることができるという効果があり、一方、1の粒状抑制処理を複数回順次行うものであれば、構成を簡単化することができるという効果がある。
【0085】
上述した粒状抑制処理として、モフォロジー演算を利用した平滑化処理を採用した場合は、互いに異なるサイズの構造要素を用いた2以上のモフォロジー演算処理を各別に施して2以上の粒状抑制画像信号を得てもよいし、1種類の構造要素を用いたモフォロジー演算処理を順次2回以上行い、各回の処理ごとに粒状抑制画像信号を得ることにより最終的に2以上の粒状抑制画像信号を得るものであってもよい。
【0086】
モフォロジー演算に基づいた平滑化処理としては、上記式(1)に示すものなどを適用するのが望ましいが、この他にもオープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls との単純加算平均(fopn +fcls )/2を用いてもよい。
【0087】
粒状抑制処理により取得された粒状抑制程度が異なる2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させて改めて1つの粒状抑制画像信号とする、粒状抑制画像信号演算手段による演算処理としては、原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理を適用すればよく、例えば、粒状の抑制程度が異なる2つの粒状抑制画像信号f21,f22とを取得している場合に、粒状抑制程度が弱い第1の粒状抑制画像信号f21と粒状抑制程度が第1の粒状抑制画像信号f21よりも強い第2の粒状抑制画像信号f22とについて、上記式(3)に示すものを適用するのが望ましい。なお式(3)においては、原画像信号finが小さいほど画像の濃度が濃くなるものとして、原画像信号finが濃度に対応づけられている。
【0088】
このようにして得られた1つの鮮鋭度強調画像信号と、本発明の第2の画像処理方法・装置と同様な過程により得られた1つの粒状抑制画像信号とを画素を対応させて行う、信号処理手段による演算処理としては、上述した本発明の第2の画像処理装置において説明した式(12)または(13)で示したものを適用するのが好ましく、さらに望ましくは、鮮鋭度強調画像信号と粒状抑制画像信号とを原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理とすればよく、例えば原画像信号が表す画像の濃度が濃くなる方向に対応する原画像信号の変動にしたがって、処理済画像信号が粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理とすればよい。このような演算処理としては、例えば上記式(4)または(5)などを適用するのが望ましい。
【0089】
【発明の効果】
本発明の第1の画像処理方法および第1の画像処理装置によれば、原画像信号に対して、鮮鋭度を強調する処理と粒状を抑制する処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させて演算処理することにより1つの処理済画像信号を得るため、従来の各種の方法または装置に比して、画像に対する粒状抑制と鮮鋭度強調を効果的に両立することができる。しかも、この演算処理に際しては、鮮鋭度強調画像信号および粒状抑制画像信号に対して、画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させるため、もとの画像の濃度の相違から、粒状が目立ち易い部分と比較的目立ちにくい部分とで、粒状抑制の度合いを変えることができ、特に粒状が目立ちにくい部分において過度の粒状抑制を防止して鮮鋭度の低下を防止することができる。
【0090】
演算処理を式(5)に示すものとすれば、鮮鋭度強調画像信号が原画像信号に等しい画素については、粒状抑制画像信号を処理済画像信号とし、粒状抑制画像信号が原画像信号に等しい画素については、鮮鋭度強調画像信号を処理済画像信号とし、鮮鋭度強調画像信号または粒状抑制画像信号のいずれも原画像信号に等しくない画素については、鮮鋭度強調画像信号と原画像信号との差および原画像信号の積、並びに粒状抑制画像信号と原画像信号との差および原画像信号の積による重みづけ加算した値を処理済画像信号とするため、シャープネスよりも粒状の存在が比較的目立つ濃度平坦部(濃度(または輝度)変化の少ない画像部分)に対応する画素の画像信号は粒状抑制処理画像信号とされて粒状を抑制することができ、粒状よりもシャープネスが比較的目立つエッジ部(濃度(または輝度)変化の急峻な画像部分)に対応する画素の画像信号は鮮鋭度強調処理画像信号とされて鮮鋭度を強調しつつ、原画像の濃淡との関係で、粒状が目立ちやすい濃度の濃い部分と淡い部分とで、粒状抑制程度に強弱をつけることができる。
【0091】
粒状を抑制する画像処理としてのモフォロジー演算を利用した粒状抑制処理と、鮮鋭度を強調する画像処理としての特開平 9-22460号に開示された画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制し処理後の高周波数成分および中間周波数成分並びに低周波数成分を合成することによる鮮鋭度強調処理とを組み合せた構成を採用した場合は、以下の効果がある。
【0092】
すなわち、特に上記演算処理を式(5)に示すものを適用した場合において、鮮鋭度強調の部分に粒状抑制が全く施されていない場合は、極端に鮮鋭度強調を行うと粒状も強調されてもとの画像信号との差が、粒状抑制処理画像信号ともとの画像信号との差よりも結果的に大きくなり、粒状抑制がなされないことになる。このことから式(5)を適用する場合には、鮮鋭度強調処理によってもある程度の粒状抑制の効果を得られる処理である、特開平 9-22460号に開示された鮮鋭度強調処理を適用するのが好ましい。
【0093】
また、粒状抑制処理によりエッジ部がなまった場合には、この結果が鮮鋭度強調処理の結果に影響を及ぼすため、エッジ部をなまらせることなく粒状抑制を行うことができるモフォロジー演算を利用した粒状抑制処理を適用するのが好ましい。
【0094】
本発明の第2の画像処理方法および第2の画像処理装置によれば、原画像信号に対して、鮮鋭度強調処理と粒状抑制処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させて演算処理することにより1つの処理済画像信号を得るため、従来の各種の方法または装置に比して、画像に対する粒状抑制と鮮鋭度強調を効果的に両立することができる。しかも、原画像信号に対する粒状抑制処理として、粒状抑制程度の互いに異なる2以上の粒状抑制画像信号を得るように処理を行い、得られた2以上の粒状抑制画像信号について、原画像信号に依存した演算処理を行って改めて1つの粒状抑制画像信号を得るため、もとの画像の濃度の相違から、粒状が目立ち易い部分と比較的目立ちにくい部分とで、鮮鋭度画像信号と演算処理される粒状抑制画像信号の粒状抑制度合いを変えることができ、特に粒状が目立ちにくい部分において過度の粒状抑制を防止して鮮鋭度の低下を防止することができる。
【0095】
本発明の第3の画像処理方法および第3の画像処理装置によれば、本発明の第2の画像処理方法および第2の画像処理装置による構成に加えて、原画像信号に対する鮮鋭度強調処理として、鮮鋭度強調程度の互いに異なる2以上の鮮鋭度強調画像信号を得るように処理を行い、得られた2以上の鮮鋭度強調画像信号について、原画像信号に依存した演算処理を行って改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を得るため、原画像の濃度の相違から、粒状が目立ち易い部分と比較的目立ちにくい部分とで、鮮鋭度画像信号の鮮鋭度強調度合いおよび粒状抑制画像信号の粒状抑制度合いの両方を変えることができ、本発明の第2の画像処理方法・装置よりもさらに、粒状が目立ちにくい部分における過度の粒状抑制を防止しつつ鮮鋭度の低下を防止する効果を高めることができる。
【0096】
なお本発明の第2および第3の画像処理方法・装置において、処理済画像信号を得るための、鮮鋭度強調画像信号と粒状抑制画像信号との画素を対応させた演算処理にあたり、本発明の第1の画像処理方法・装置と同様に、鮮鋭度強調画像信号と粒状抑制画像信号とを、画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させて、例えば式(4)または(5)に示すものとすれば、上述した効果をより一層高めることができる。
【0097】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像処理方法および画像処理装置の具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0098】
図1は本発明の第1の画像処理方法の一実施形態の処理フローを示すフローチャート、図2は図1に示した画像処理方法を実施する画像処理装置の一態様を示す図である。
【0099】
図示の画像処理装置は、デジタルスチルカメラにより撮影された、またはカラー写真プリントもしくはカラーフイルムから光電的に読み取られた、カラー画像を表すRGBの画像信号Rin,Gin,Bin(これらRin,Gin,Binを総括してfinとして表す)の入力を受けて、これらのRGB画像信号Rin,Gin,Binに対してそれぞれ、鮮鋭度を強調させる画像処理を施す鮮鋭度強調処理手段11と、粒状を抑制させる画像処理を施す粒状抑制処理手段12と、鮮鋭度強調処理手段11による鮮鋭度強調処理により取得された鮮鋭度強調画像信号R1,G1,B1(これらR1,G1,B1を総括してf1として表す)および粒状抑制処理手段12による粒状抑制処理により取得された粒状抑制画像信号R2,G2,B2(これらR2,G2,B2を総括してf2として表す)に、画素を対応させた画素ごとの画像信号Rin,Gin,Binに依存する演算処理g(R1 ,R2 ,Rin),g(G1 ,G2 ,Gin),g(B1 ,B2 ,Bin)を施して、処理済画像信号Rout ,Gout ,Bout (これらRout ,Gout ,Bout を総括してfout として表す)を取得する信号処理手段20とを備えた構成である。
【0100】
ここで、信号処理手段20による各演算処理gとしては、例えば、画像の濃度が濃くなるにしたがって、処理済画像信号fout が粒状抑制画像信号f2への依存度を高める処理を適用するのが望ましい。すなわち、画像信号finが8 bitのデジタル信号(0〜255 )であり、数値が小さいほど画像の濃度が濃くなるように対応づけられている場合、画像信号finが小さくなるにしたがって、処理済画像信号fout が粒状抑制画像信号f2への依存度を高めるとともに、鮮鋭度強調画像信号f1への依存度を低下させる処理処理が適用され、例えば下記式(5)に示す処理を適用するのが好ましい。
【0101】
【数5】
Figure 0004053167
【0102】
なお上記式(5)中、画像信号finが8 bitのデジタル信号(0〜255 )であれば、fr =256である。
【0103】
本実施形態の画像処理装置においては、鮮鋭度強調処理手段11による鮮鋭度強調処理として画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制することによる鮮鋭度強調処理(特開平 9-22460号)、粒状抑制処理手段12による粒状抑制処理として、モフォロジー演算を利用した平滑化処理をそれぞれ適用し、信号処理手段20による演算処理gとして式(5)に示す演算処理を適用した実施形態について説明するが、鮮鋭度強調処理手段11による鮮鋭度を強調させる処理としては、その他アンシャープマスキング処理、高域強調フィルター処理等、粒状抑制処理手段12による粒状を抑制させる画像処理としては、メディアンフィルター処理、ヒステリシススムージング処理、反復による雑音除去処理等をそれぞれ適用することもできる。
【0104】
鮮鋭度強調処理手段11による、画像の高周波数成分を強調しつつ中間周波数成分を抑制することによる鮮鋭度強調処理は、詳しくは例えば図3に示す構成により実現される。
【0105】
すなわち、入力された画像信号Rin,Gin,Bin(fin)に対して、9×9ローパスフィルタ(L.P.F.)11aによりフィルタリング処理が施され、この信号の低周波数成分RL ,GL ,BL が抽出される。このように抽出された後の低周波数成分RL ,GL ,BL はカラー画像中のエッジや細かいテクスチャやフイルムの粒状によるざらつきを含まない。
【0106】
次いで、演算器11bにより、画像信号Rin,Gin,Binから低周波数成分RL ,GL ,BL が減算されて、中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHが抽出される。ここで、中間周波数成分RM ,GM ,BM にはフイルムの粒状によるざらつきを含み、高周波数成分RH ,GH ,BH はカラー画像中のエッジや細かいテクスチャを含む。
【0107】
次に、輝度信号抽出手段(MTX)11cにより、分解された中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHから輝度成分が抽出される。ここで、色成分である成分IMHおよび成分QMHは0とされるため、フイルム粒状に起因する色のざらつきが抑制される。
【0108】
輝度信号抽出手段11cにより抽出された輝度成分YMHに対して、5×5のローパスフィルタ11dにより、フィルタリング処理が施され、輝度成分YMH中の中間周波数成分YM が抽出される。そしてこの中間周波数成分YM は可変ゲインアンプ11gに入力される。さらに演算器11eにより、輝度成分YMHから中間周波数成分YM が減算されて、輝度成分YMH中の高周波数成分YH が求められる。この得られた高周波数成分YH は可変ゲインアンプ11fに入力される。
【0109】
また、演算器11bから出力された中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHは、相関値算出手段11jに入力され、相関値算出手段11jは中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHについて各色R,G,B間の相関値εを算出し、高周波数成分YH に対するゲインHと対応づけられたLUT11mおよび中間周波数成分YM に対するゲインMと対応づけられたLUT11nを参照してゲインHおよびゲインMを求める。
【0110】
そして求められたゲインHは可変ゲインアンプ11fに入力され、ゲインMは可変ゲインアンプ11gに入力される。この結果、高周波数成分YH は中間周波数成分YM よりも強調される。可変ゲインアンプ11fから出力された高周波数成分Y′H および可変ゲインアンプ11gから出力されたY′M は、演算器11hにより合成されて、中間・高周波数成分Y′MHとして出力される。さらにこの出力された中間・高周波数成分Y′MHは、演算器11iにより、低周波数成分RL ,GL ,BL と合成されて鮮鋭度強調画像信号R1,G1,B1とされる。
【0111】
一方、粒状抑制処理手段12による、モフォロジー演算を利用した平滑化処理は、詳しくは例えば図4に示すように、入力された画像信号Rin,Gin,Binに対して、オープニング処理手段12aが、オープニング処理画像信号Ropn ,Gopn ,Bopn を求め、クロージング処理手段12bが、クロージング処理画像信号Rcls ,Gcls ,Bcls を求め、モフォロジーMIX手段12cがこれらオープニング処理画像信号Ropn ,Gopn ,Bopn 、クロージング処理画像信号Rcls ,Gcls ,Bcls および画像信号Rin,Gin,Binに基づき、下記式(1)にしたがって、粒状抑制画像信号R2,G2,B2を求めるようにすればよい。
【0112】
【数1】
Figure 0004053167
【0113】
以上の作用により求められた鮮鋭度強調画像信号R1,G1,B1および粒状抑制画像信号R2,G2,B2、並びにもとの画像信号Rin,Gin,Binに基づき、信号処理手段20が上記式(5)にしたがって、処理済画像信号Rout ,Gout ,Bout を算出する。
【0114】
このようにして求められた処理済画像信号Rout ,Gout ,Bout は、鮮鋭度を強調する処理と粒状を抑制する処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させて演算処理することにより得られたものであるため、従来の各種の画像処理方法または装置に比して、画像に対する粒状抑制と鮮鋭度強調を効果的に両立することができる。しかも画像信号Rin,Gin,Binが表す画像において、粒状が目立ちやすい濃度の濃い部分については、鮮鋭度強調画像信号R1,G1,B1よりも粒状抑制画像信号R2,G2,B2への依存度がさらに高い画像信号となるため、より効果的な粒状の抑制を実現し、一方、粒状が比較的目立ちにくい濃度が薄い部分については、粒状抑制画像信号R2,G2,B2への依存度が緩和されるため鮮鋭度の低下が抑制され、粒状抑制と鮮鋭度強調とをさらに高いレベルで両立させることができる。
【0115】
なお本実施形態の画像処理装置は、処理対象の画像信号がカラー画像信号である態様であるが、本発明の画像処理方法および画像処理装置はこの態様に限るものではなく、単色の濃淡画像信号であってもよいことはいうまでもない。
【0116】
また本実施形態の画像処理装置は、鮮鋭度強調処理手段11による鮮鋭度強調処理および粒状抑制処理手段12による粒状抑制処理は、カラーフイルム等から読み取られた、いわゆる生画像データである画像信号finに対してなされるものとした例であるが、本発明の画像処理方法および画像処理装置はこの態様に限るものではなく、図5に示すように、生画像データである画像信号finについて色補正や階調補正がなされた後の画像信号f′inについて鮮鋭度強調処理および粒状抑制処理がなされるものであってもよい。この場合、処理済画像信号fout が粒状抑制画像信号f2への依存度を高めるとともに、鮮鋭度強調画像信号f1への依存度を低下させる処理は、図6に示すように、色補正や階調補正がなされた後の画像信号f′inが小さくなるにしたがった処理を適用することもできる。
【0117】
図9は本発明の第2の画像処理方法の一実施形態の処理フローを示すフローチャート、図10は図9に示した画像処理方法を実施する画像処理装置の一態様を示す図である。
【0118】
図示の画像処理装置は、入力された原画像信号finに対して、鮮鋭度強調処理を施し鮮鋭度強調画像信号f1を得る鮮鋭度強調処理手段11と、同じ原画像信号finに対して、粒状抑制の程度が比較的弱い粒状処理(第1の粒状抑制処理)と第1の粒状抑制処理よりも粒状抑制程度が強い粒状抑制(第2の粒状抑制処理)とを各別に施して、粒状抑制の程度が比較的弱い第1の粒状抑制画像信号f21と第1の粒状抑制画像信号f21よりも粒状抑制程度が強い第2の粒状抑制画像信号f22とを得る粒状抑制処理手段12′と、この粒状抑制手段12′により得られた2つの粒状抑制画像信号f21,f22を画素を対応させて原画像信号finに依存させた演算処理g2(f21,f22,fin)を施し、改めて1つの粒状抑制画像信号f2(=g2(f21,f22,fin))を得る粒状抑制画像信号演算手段14と、鮮鋭度強調処理手段11により得られた鮮鋭度強調画像信号f1および粒状抑制画像信号演算手段14により得られた粒状抑制画像信号f2を、画素を対応させて演算処理g′(f1,f2)を施し、処理済画像信号fout (=g′(f1,f2))を取得する信号処理手段20′とを備えた構成である。
【0119】
ここで鮮鋭度強調処理手段11は、図1に示したものと同一のものであってもよいし、鮮鋭度強調処理を施す他の態様の鮮鋭度強調処理手段であってもよい。
【0120】
粒状抑制処理手段12′は、図4に示したモフォロジ演算処理を利用した粒状抑制処理手段12を2つ並列に接続したものであって、それぞれのオープニング処理手段およびクロージング処理手段の各構造要素のサイズが互いに異なるもの(例えば5画素×5画素の構造要素のものと9画素×9画素の構造要素のもの)などを適用することができる。なお、他の粒状抑制処理手段の態様であってもよいことは、前述した実施形態の場合と同様である。
【0121】
粒状抑制画像信号演算手段14による演算処理fout =g2(f21,f22,fin)としては、例えば、原画像信号finが表す画像の濃度が濃くなるにしたがって信号値finが小さくなるように設定されている場合、下記式(3)に示すもの等が適用される。
【0122】
【数3】
Figure 0004053167
【0123】
すなわち、濃度の濃い画像部分では新たな粒状抑制画像信号f2は、粒状抑制程度の弱い第1の粒状抑制画像信号f21よりも粒状抑制程度の強い第2の粒状抑制画像信号f22への依存度が高いもの、すなわち粒状抑制程度が比較的強いものとなり、濃度の淡い画像部分では新たな粒状抑制画像信号f2は、粒状抑制程度の強い第2の粒状抑制画像信号f22よりも粒状抑制程度の弱い第1の粒状抑制画像信号f21への依存度が高いもの、すなわち粒状抑制程度が比較的弱いものとなる。
【0124】
なお上記式(3)中、原画像信号finが8 bitのデジタル信号(0〜255 )であれば、fr =256である。
【0125】
信号処理手段20′による演算処理g′としては、例えば下記式(12)に示す処理や式(13)に示す処理などを適用することができる。
【0126】
【数9】
Figure 0004053167
【0127】
【数10】
Figure 0004053167
【0128】
この実施形態の画像処理装置によれば、図1に示した実施形態の画像処理方法および図2に示した画像処理装置と同様、求められた処理済画像信号fout は、鮮鋭度を強調する処理と粒状を抑制する処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させて演算処理することにより得られたものであるため、従来の各種の画像処理方法または装置に比して、画像に対する粒状抑制と鮮鋭度強調を効果的に両立することができる。しかも信号処理手段20′により鮮鋭度強調画像信号f1と演算される粒状抑制画像信号f2は、粒状が目立ちやすい濃度の濃い部分については、粒状がより強く抑制されたものとされているため、より効果的な粒状の抑制がなされ、一方、粒状が目立ちにくい濃度の淡い部分については、粒状が比較的弱く抑制されたものとされているため、粒状抑制による鮮鋭度の低下が抑制され、粒状抑制と鮮鋭度強調とを高いレベルで両立させることができる。
【0129】
なお本実施形態の画像処理装置は、粒状抑制処理手段12′の粒状抑制処理として、粒状抑制程度が互いに異なる2つの粒状抑制処理(第1の粒状抑制処理と第2の粒状抑制処理)を適用したが、本発明の第2の画像処理方法・装置は、この態様に限らず、例えば図11に示すように、単一の粒状抑制処理を順次繰り返し施すことにより、1回だけ施した粒状抑制程度の比較的弱い第1の粒状抑制画像信号f21と、この第1の粒状抑制画像信号f21に対してさらにもう1度粒状抑制処理を施して第1の粒状抑制画像信号f21よりも粒状抑制程度が強い第2の粒状抑制画像信号f22を得る粒状抑制処理を適用することもできる。このような実施形態の画像処理装置によれば、単一の粒状抑制処理で、粒状抑制程度の異なる複数の粒状抑制画像信号f21,f22を得ることができ、構成を簡単化することができる。
【0130】
また本実施形態の画像処理装置において、信号処理手段20′に代えて、図12および13に示すように、鮮鋭度強調処理手段11により得られた鮮鋭度強調画像信号f1および粒状抑制画像信号演算手段14により得られた粒状抑制画像信号f2を、画素を対応させて、原画像信号finに依存させた演算処理g(f1,f2,fin)を施して、処理済画像信号fout (=g(f1,f2,fin))を取得する信号処理手段20を適用することもできる。
【0131】
この構成の実施形態の信号処理手段20による演算処理g(f1,f2,fin)としては、前述した図1に示した実施形態における演算処理gと同一の、式(5)に示すものを適用することができ、粒状抑制と鮮鋭度強調とを両立させる効果をより高めることができる。なおこの場合も図14に示すように、単一の粒状抑制処理で、粒状抑制程度の異なる複数の粒状抑制画像信号f21,f22を得るようにしてもよい。
【0132】
図15は本発明の第3の画像処理方法の一実施形態の処理フローを示すフローチャート、図16は図15に示した画像処理方法を実施する画像処理装置の一態様を示す図である。
【0133】
図示の画像処理装置は、入力された原画像信号finに対して、鮮鋭度強調の程度が比較的弱い鮮鋭度強調処理(第1の鮮鋭度強調処理)と第1の鮮鋭度強調処理よりも鮮鋭度強調程度が強い鮮鋭度強調(第2の鮮鋭度強調処理)とを各別に施して、鮮鋭度強調の程度が比較的弱い第1の鮮鋭度強調画像信号f11と第1の鮮鋭度強調画像信号f11よりも鮮鋭度強調程度が強い第2の鮮鋭度強調画像信号f12とを得る鮮鋭度強調処理手段11′と、この鮮鋭度強調処理手段11′により得られた2つの鮮鋭度強調画像信号f11,f12を画素を対応させて原画像信号finに依存させた演算処理g1(f11,f12,fin)を施し、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号f1(=g1(f11,f12,fin))を得る鮮鋭度強調画像信号演算手段13と、同じ原画像信号finに対して、粒状抑制の程度が比較的弱い粒状処理(第1の粒状抑制処理)と第1の粒状抑制処理よりも粒状抑制程度が強い粒状抑制(第2の粒状抑制処理)とを各別に施して、粒状抑制の程度が比較的弱い第1の粒状抑制画像信号f21と第1の粒状抑制画像信号f21よりも粒状抑制程度が強い第2の粒状抑制画像信号f22とを得る粒状抑制処理手段12′と、この粒状抑制手段12′により得られた2つの粒状抑制画像信号f21,f22を画素を対応させて原画像信号finに依存させた演算処理g2(f21,f22,fin)を施し、改めて1つの粒状抑制画像信号f2(=g2(f21,f22,fin))を得る粒状抑制画像信号演算手段14と、鮮鋭度強調画像信号演算手段13により得られた鮮鋭度強調画像信号f1および粒状抑制画像信号演算手段14により得られた粒状抑制画像信号f2を、画素を対応させて演算処理g′(f1,f2)を施し、処理済画像信号fout (=g′(f1,f2))を取得する信号処理手段20′とを備えた構成である。
【0134】
ここで粒状抑制処理手段12′は、図10に示したものと同一のものであってもよいし、他の態様の粒状抑制処理手段であってもよい。
【0135】
鮮鋭度強調処理手段11′は、図3に示した鮮鋭度強調処理手段11を2つ並列に接続したものであって、それぞれの中間周波数成分YM に対するゲインMが互いに異なるものとなるようにLUT11nが設定されたものなどを適用することができ、同一の相関値εに対応付けられたゲインMが、第1の鮮鋭度強調処理よりも第2の鮮鋭度強調処理の方が大きくなるように、それぞれのLUT11nが設定されている。すなわち、第2の鮮鋭度強調処理は第1の鮮鋭度強調処理よりも、中間周波数成分YM に対する強調程度が強い。なお、他の鮮鋭度強調処理手段の態様であってもよいことは、前述した実施形態の場合と同様である。
【0136】
鮮鋭度強調画像信号演算手段13による演算処理fout =g1(f11,f12,fin)としては、例えば、原画像信号finが表す画像の濃度が濃くなるにしたがって信号値finが小さくなるように設定されている場合、下記式(2)に示すもの等が適用される。
【0137】
【数2】
Figure 0004053167
【0138】
すなわち、濃度の濃い画像部分では新たな鮮鋭度強調画像信号f1は、鮮鋭度強調程度の弱い第1の鮮鋭度強調画像信号f11よりも鮮鋭度強調程度の強い第2の鮮鋭度強調画像信号f12への依存度が高いもの、すなわち鮮鋭度強調程度が比較的強いものとなり、濃度の淡い画像部分では新たな鮮鋭度強調画像信号f1は、鮮鋭度強調程度の強い第2の鮮鋭度強調画像信号f12よりも鮮鋭度強調程度の弱い第1の鮮鋭度強調画像信号f11への依存度が高いもの、すなわち鮮鋭度強調程度が比較的弱いものとなる。
【0139】
なお上記式(2)中、原画像信号finが8 bitのデジタル信号(0〜255 )であれば、fr =256である。
【0140】
信号処理手段20′による演算処理g′としては、例えば上記式(12)に示す処理などを適用することができる。
【0141】
この実施形態の画像処理装置によれば、図1に示した実施形態の画像処理方法および図2に示した画像処理装置、並びに図9に示した実施形態の画像処理方法および図10に示した画像処理装置と同様、求められた処理済画像信号fout は、鮮鋭度を強調する処理と粒状を抑制する処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させて演算処理することにより得られたものであるため、従来の各種の画像処理方法または装置に比して、画像に対する粒状抑制と鮮鋭度強調を効果的に両立することができる。しかも信号処理手段20′により演算処理される粒状抑制画像信号f2は、粒状が目立ちやすい濃度の濃い部分については粒状がより強く抑制されたものとなるとともに、鮮鋭度強調画像信号f1はその粒状抑制で劣化した鮮鋭度を補うようにより低周波数領域から鮮鋭度が強調されたものとなるため、より効果的に粒状抑制と鮮鋭度強調がなされ、一方、粒状が目立ちにくい濃度の淡い部分については、粒状が比較的弱く抑制されるとともに高周波数領域で鮮鋭度強調されたものとされているため、粒状抑制による鮮鋭度の低下を抑制しつつ高周波数領域が効果的に強調され、粒状抑制と鮮鋭度強調とを高いレベルで両立させることができる。
【0142】
なお本実施形態の画像処理装置は、鮮鋭度強調処理手段11′の鮮鋭度強調処理として、鮮鋭度強調程度が互いに異なる2つの鮮鋭度強調処理(第1の鮮鋭度強調処理と第2の鮮鋭度強調処理)を適用したが、本発明の第3の画像処理方法・装置は、この態様に限らず、例えば図17に示すように、単一の鮮鋭度強調処理を順次繰り返し施すことにより、1回だけ施した鮮鋭度強調程度の比較的弱い第1の鮮鋭度強調画像信号f11と、この第1の鮮鋭度強調画像信号f11に対してさらにもう1度鮮鋭度強調処理を施して第1の鮮鋭度強調画像信号f11よりも鮮鋭度強調程度が強い第2の鮮鋭度強調画像信号f12を得る鮮鋭度強調処理を適用することもできる。このような実施形態の画像処理装置によれば、単一の鮮鋭度強調処理で、鮮鋭度強調程度の異なる複数の鮮鋭度強調画像信号f11,f12を得ることができ、構成を簡単化することができる。
【0143】
また本実施形態の画像処理装置において、信号処理手段20′に代えて、図18および19に示すように、鮮鋭度強調画像信号演算手段13により得られた鮮鋭度強調画像信号f1および粒状抑制画像信号演算手段14により得られた粒状抑制画像信号f2を、画素を対応させて、原画像信号finに依存させた演算処理g(f1,f2,fin)を施して、処理済画像信号fout (=g(f1,f2,fin))を取得する信号処理手段20を適用することもできる。
【0144】
この構成の実施形態の信号処理手段20による演算処理g(f1,f2,fin)としては、前述した図1に示した実施形態における演算処理gと同一の、式(5)に示すものを適用することができ、粒状抑制と鮮鋭度強調とを両立させる効果をより高めることができる。なおこの場合も図14に示すように、単一の粒状抑制処理で、粒状抑制程度の異なる複数の粒状抑制画像信号f21,f22を得るようにしてもよいし、図17に示すように、単一の鮮鋭度強調処理で、鮮鋭度強調程度の異なる複数の鮮鋭度強調画像信号f11,f12を得るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の画像処理方法の一実施形態の処理を示すフローチャート
【図2】図1に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図
【図3】鮮鋭度強調処理の詳細を示す図
【図4】粒状抑制処理の詳細を示す図
【図5】本発明の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その1)
【図6】本発明の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その2)
【図7】モフォロジー演算の基本的な作用を説明する図
【図8】低・中間・高周波数成分の分布を表すグラフ
【図9】本発明の第2の画像処理方法の一実施形態の処理を示すフローチャート
【図10】図9に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図
【図11】本発明の第2の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その1)
【図12】本発明の第2の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その2)
【図13】図12に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図
【図14】本発明の第2の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その3)
【図15】本発明の第3の画像処理方法の一実施形態の処理を示すフローチャート
【図16】図15に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図
【図17】本発明の第3の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その1)
【図18】図17に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図
【図19】本発明の第3の画像処理方法の他の実施形態の処理を示すフローチャート(その2)
【符号の説明】
11 粒状抑制処理手段
12 鮮鋭度強調処理手段
20 信号処理手段

Claims (22)

  1. 原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調させる鮮鋭度強調処理および前記画像の粒状を抑制させる粒状抑制処理を各別に施し、
    前記鮮鋭度強調処理により取得された鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制処理により取得された粒状抑制画像信号を画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、処理済画像信号を取得する画像処理方法であって、
    前記演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記処理済画像信号が前記粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに前記鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理であることを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記鮮鋭度強調処理が、前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、前記高周波数成分を強調させるとともに、前記中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、該強調抑制処理後の各周波数成分および前記低周波数成分を合成することにより前記鮮鋭度強調画像信号を取得する処理であり、
    前記粒状抑制処理が、モフォロジー演算に基づいた平滑化処理により前記粒状抑制画像信号を取得する処理であることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 前記モフォロジー演算に基づいた平滑化処理が下記式で定義される演算処理であることを特徴とする請求項記載の画像処理方法。
    Figure 0004053167
  4. 原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
    前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
    前記鮮鋭度強調処理により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する画像処理方法であって、
    前記2以上の粒状抑制画像信号に対する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも該抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理であることを特徴とする画像処理方法。
  5. 原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
    前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
    前記鮮鋭度強調処理により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する画像処理方法であって、
    前記処理済画像信号を取得する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する 前記原画像信号の変動にしたがって、前記処理済画像信号が前記粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに前記鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理であることを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記鮮鋭度強調処理が、前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、前記高周波数成分を強調させるとともに、前記中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、該強調抑制処理後の各周波数成分および前記低周波数成分を合成する処理であることを特徴とする請求項4または5記載の画像処理方法。
  7. 画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
    前記鮮鋭度強調処理により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を取得し、
    前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
    前記改めて取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する画像処理方法であって、
    前記2以上の鮮鋭度強調画像信号に対する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記鮮鋭度の強調程度が弱い鮮鋭度強調画像信号よりも該強調程度が強い鮮鋭度強調画像信号への依存度を高める処理であることを特徴とする画像処理方法。
  8. 原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
    前記鮮鋭度強調処理により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を取得し、
    前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
    前記改めて取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する画像処理方法であって、
    前記2以上の粒状抑制画像信号に対する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも該抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理であることを特徴とする画像処理方法。
  9. 原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理と、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理とを各別に施し、
    前記鮮鋭度強調処理により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を取得し、
    前記粒状抑制処理により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を取得し、
    前記改めて取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記改めて取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する画像処理方法であって、
    前記処理済画像信号を取得する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記処理済画像信号が前記粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに前記鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理であることを特徴とする画像処理方法。
  10. 前記鮮鋭度強調処理が、
    前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、前記高周波数成分を強調させるとともに、前記中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、該強調抑制処理後の各周波数成分および前記低周波数成分を合成する処理であって、前記中間周波数成分の抑制程度を、互いに異なる少なくとも2以上とすることにより、前記鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の鮮鋭度強調画像信号を取得する処理であることを特徴とする請求項7から9のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
  11. 前記鮮鋭度強調処理が、
    前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、前記高周波数成分を強調させるとともに、前記中間周波数成分を抑制させる強調抑制処理を行い、該強調抑制処理後の各周波数成分および前記低周波数成分を合成する処理であって、これら一連の処理を少なくとも2回以上行い、各回の処理ごとに得られた信号を、前記鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の鮮鋭度強調画像信号とする処理であることを特徴とする請求項7から9のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
  12. 前記粒状抑制処理が、互いにサイズの異なる2以上の構造要素を用いたモフォロジー演算に基づいた平滑化処理により、前記粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の粒状抑制画像信号を取得する処理であることを特徴とする請求項から11のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
  13. 前記粒状抑制処理が、同一サイズの構造要素を用いたモフォロジー演算に基づいた平滑化処理を、少なくとも2回以上行い、各回の処理ごとに得られた信号を、前記粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の粒状抑制画像信号とする処理であることを特徴とする請求項から11のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
  14. 前記モフォロジー演算に基づいた平滑化処理が下記式で定義される演算処理であることを特徴とする請求項12または13記載の画像処理方法。
    Figure 0004053167
  15. 前記鮮鋭度強調画像信号と前記粒状抑制画像信号との画素を対応させた、前記処理済画像信号を取得する演算処理が、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理であることを特徴とする請求項から14のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
  16. 前記処理済画像信号を取得する演算処理が、下記式で定義される演算処理であることを特徴とする請求項1から15のうちいずれか1項に記載の画像処理方法。
    Figure 0004053167
  17. 原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調させる鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
    前記原画像信号に対して、前記画像の粒状を抑制させる粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制処理手段により取得された粒状抑制画像信号を画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存する演算処理を施すことにより、処理済画像信号取得する信号処理手段とを備え
    前記演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記処理済画像信号が前記粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに前記鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理であることを特徴とする画像処理装置。
  18. 原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
    前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
    前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備え
    前記2以上の粒状抑制画像信号に対する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも該抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理であることを特徴とする画像処理装置。
  19. 原画像信号に対して、該原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
    前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
    前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備え
    前記処理済画像信号を取得する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記処理済画像信号が前記粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに前記鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理であることを特徴とする画像処理装置。
  20. 原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
    前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を求める鮮鋭度強調画像信号演算手段と、
    前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備え
    前記2以上の鮮鋭度強調画像信号に対する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記鮮鋭度の強調程度が弱い鮮鋭度強調画像信号よりも該強調程度が強い鮮鋭度強調画像信号への依存度を高める処理であることを特徴とする画像処理装置。
  21. 原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
    前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を求める鮮鋭度強調画像信号演算手段と、
    前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備え、
    前記2以上の粒状抑制画像信号に対する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記粒状の抑制程度が弱い粒状抑制画像信号よりも該抑制程度が強い粒状抑制画像信号への依存度を高める処理であることを特徴とする画像処理装置。
  22. 原画像信号に対して、鮮鋭度の強調の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記原画像信号が表す画像の鮮鋭度を強調する鮮鋭度強調処理を施す鮮鋭度強調処理手段と、
    前記原画像信号に対して、粒状の抑制の程度が互いに異なる少なくとも2以上の、前記画像の粒状を抑制する粒状抑制処理を施す粒状抑制処理手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された2以上の鮮鋭度強調画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの鮮鋭度強調画像信号を求める鮮鋭度強調画像信号演算手段と、
    前記粒状抑制処理手段により取得された2以上の粒状抑制画像信号を、画素を対応させて、前記画像を構成する画素ごとの原画像信号に依存させた画素ごとの演算処理を施すことにより、改めて1つの粒状抑制画像信号を求める粒状抑制画像信号演算手段と、
    前記鮮鋭度強調処理手段により取得された1つの鮮鋭度強調画像信号および前記粒状抑制画像信号演算手段により取得された1つの粒状抑制画像信号を、画素を対応させて演算処理することにより、処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備え、
    前記処理済画像信号を取得する演算処理が、前記画像の濃度が濃くなる方向に対応する前記原画像信号の変動にしたがって、前記処理済画像信号が前記粒状抑制画像信号への依存度を高めるとともに前記鮮鋭度強調画像信号への依存度を低下させる処理であることを特徴とする画像処理装置。
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