JP3932470B2 - 画像処理方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理方法および画像処理装置に関し、詳細には、画像の粒状(高周波ノイズ)を抑制する処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真フイルムやプリントに記録された画像(カラー画像を含む)をCCD等のセンサーにより光電的に読み取って画像信号を得、これに種々の画像処理を施して、処理済画像をプリントやCRT等に再生することが行われている。このような画像処理としては、画像に含まれる所定の空間周波数成分に作用させる周波数処理や、画像の濃度などに作用する階調処理等がある。
【0003】
さらに周波数処理としては、画像の輪郭のぼけを抑制する鮮鋭度強調処理や、感材の粒状度等に起因するノイズ(粒状)を抑制する平滑化処理等の粒状抑制処理などがある。
【0004】
ここで粒状抑制処理の一つの手法として、近年、モルフォロジー(Morphology)演算処理が研究されている。
【0005】
このモルフォロジー演算処理は、モフォロジーまたはモーフォロジーとも称し、一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、2次元空間である画像へ適用される場合が多い(特開平8-272961号、同9-248291号、同9-91421 号等)。ここでは、このモルフォロジー演算処理を、濃淡画像を例にして以下に簡単に説明する。
【0006】
濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなし、この断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モルフォロジー演算処理に用いる構造要素gは次式(3)に示すように、原点について対称な対称関数
【0007】
【数3】
【0008】
であり、定義域内で値が0で、その定義域Gが下記式(4)であるとする。
【0009】
【数4】
【0010】
このとき、モルフォロジー演算の基本形は式(5)〜(8)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0011】
【数5】
【0012】
すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される値であって、図4中のマスクサイズに相当)の幅の範囲内の最大値を探索する処理であり(同図(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の範囲内の最小値を探索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニング(opening )処理はイロージョン処理後にダイレーション処理を行なう処理、すなわち最小値の探索の後に最大値を探索する処理であり、クロージング(closing )処理は、ダイレーション処理後にイロージョン処理を行なう処理、すなわち最大値の探索の後に最小値を探索する処理に相当する。
【0013】
つまりオープニング処理は、低濃度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも濃度が高い部分)を抑制することに相当する(同図(C)参照)。
【0014】
一方、クロージング処理は、高濃度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも濃度が低い部分)を抑制することに相当する(同図(D)参照)。
【0015】
ここで、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号に対するダイレーション処理と高輝度高信号レベルに対するイロージョン処理(同図(B))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するイロージョン処理と高輝度高信号レベルに対するダイレーション処理(同図(A))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するオープニング処理と高輝度高信号レベルに対するクロージング処理(同図(D))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するクロージング処理と高輝度高信号レベルに対するオープニング処理(同図(C))とは一致する。
【0016】
そして、このように原画像を表す画像信号に対して、モルフォロジー演算処理によるオープニング処理若しくはクロージング処理を施すことにより、画像から高周波ノイズ(パルス性雑音)を抑制(または除去)することができるが、上述したように、オープニング処理によれば、凸状の濃度変動部分(以下、本明細書中「正のノイズ」又は「正の粒状」という)のみ、クロージング処理によれば、凹状の濃度変動部分(以下、本明細書中「負のノイズ」又は「負の粒状」という)のみが抑制される。
【0017】
そこで、オープニング処理により正のノイズを抑制した後に、そのオープニング処理を施して得られたオープニング処理画像信号にさらにクロージング処理を施し、またはクロージング処理により負のノイズを抑制した後に、そのクロージング処理を施して得られたクロージング処理画像信号にさらにオープニング処理を施すことで、正負両方のノイズを抑制することが提案されている(小畑「モルフォロジー」(コロナ社刊)P93,P104等)。
【0018】
また、同一の画像信号から各別にクロージング処理画像信号とオープニング処理画像信号とを求め、これら得られたクロージング処理画像信号とオープニング処理画像信号との平均値を用いることによってノイズを抑制することも提案されている(「Detail-preserving smoothing with morphology and fuzzy reasoning 」(Journal of Electronic Imaging(Jul.1996) vol.5(3),P396-P401)。
【0019】
さらに、上記文献にも紹介されているTsukasamoto's Fuzzy Modelsと称される方法では、クロージング処理画像信号とオープニング処理画像信号との差を、あるテーブルと比較し、ある閾値以上であれば当該部は粒状であると判定し、閾値以下であれば粒状ではなく画像の微細構造と判定することで、粒状と判定した部分を処理するものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記オープニング処理およびクロージング処理を順次に行う方法は、後に行う側の処理(オープニング処理後にクロージング処理を行う場合はクロージング処理を意味し、クロージング処理後にオープニング処理を行う場合はオープニング処理を意味する)の対象画像が、原画像ではなくオープニング処理後の画像(正のノイズが抑制された画像)またはクロージング処理後の画像(負のノイズが抑制された画像)であるため、このような最初の処理後の画像にクロージング処理またはオープニング処理を施しても、元の画像(原画像)に残存する負のノイズまたは正のノイズを正確に抑制する処理とはいえない。すなわち、既にオープニング処理が施されたことによって、本来はクロージング処理で抑制されるべき画像中の負のノイズ部分を抑制できなくなり、またはこれとは反対に、既にオープニング処理が施されたことによって、本来はクロージング処理で抑制されるべきでない画像部分が負のノイズとして抑制されてしまう場合等がある。
【0021】
また、全画素を単に、クロージング処理画像信号とオープニング処理画像信号との平均値とする処理方法(上記「Detail-preserving ……reasoning 」に記載された処理方法)は、視覚的に得られる粒状の抑制程度が小さい。
【0022】
さらにまた、Tsukasamoto's Fuzzy Modelsは、参照テーブルを、画像ごとに準備する必要があり、しかも同一画像であっても画像上の粒状の大小に応じて相異なる参照テーブルを適用すべき点において、準備すべき多数のテーブルを決定するのは煩雑で、実用性において問題がある。
【0023】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、正および負のノイズを精度よく抑制する画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、画像信号に対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理とクロージング処理とを各別に施して、得られた各処理後の画像信号同士を、画素を対応させて演算処理して1つの処理済画像信号を得るものである。
【0025】
すなわち本発明の第1の画像処理方法は、画像を構成する画素の値を規定する画像信号(輝度や色差の信号、カラー画像に基づく画像信号等も含む)finに対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理およびクロージング処理を各別に施し、
前記オープニング処理により取得されたオープニング処理画像信号fopn および前記クロージング処理により取得されたクロージング処理画像信号fcls に基づいて、該両処理画像信号の画素を対応させた下記式(1)で定義される演算処理g(fopn ,fcls )(=fout )により処理済画像信号fout を取得することを特徴とするものである。
【0026】
【数1】
【0027】
すなわち、クロージング処理画像信号fcls が原画像信号finに等しい画素についてはオープニング処理画像信号fopn を処理済画像信号fout とし、オープニング処理画像信号fopn が原画像信号finに等しい画素については、クロージング処理画像信号fcls を処理済画像信号fout とし、クロージング処理画像信号fcls またはオープニング処理画像信号fopn のいずれも原画像信号finに等しくない画素については、クロージング処理画像信号fcls とオープニング処理画像信号fopn とを、重み付け係数w1,w2を用いた重み付け加算処理を適用するものである。
【0028】
ここで重み付け係数w1,w2をどのように決定するかについては種々の決定方法を適用することができるが、各重み付け係数w1、w2は好ましくは 0.2から 0.8までの値、より好ましくは 0.3から 0.7までの値、さらに好ましくは 0.4から 0.6までの値、最適にはいずれも 0.5を採用するのが望ましい。
【0029】
また、本発明の第2の画像処理方法は、画像を構成する画素の値を規定する画像信号(輝度や色差の信号、カラー画像に基づく画像信号等も含む)finに対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理およびクロージング処理を各別に施し、
前記オープニング処理により取得されたオープニング処理画像信号fopn および前記クロージング処理により取得されたクロージング処理画像信号fcls に基づいて、該両処理画像信号の画素を対応させた下記式(2)で定義される演算処理g(fopn ,fcls )(=fout )により処理済画像信号fout を取得することを特徴とするものである。
【0030】
【数2】
【0031】
すなわち、オープニング処理画像信号fopn が原画像信号finに等しい画素については、クロージング処理画像信号fcls を処理済画像信号fout とし、クロージング処理画像信号fcls が原画像信号finに等しい画素については、オープニング処理画像信号fopn を処理済画像信号fout とし、オープニング処理画像信号fopn またはクロージング処理画像信号fcls のいずれも原画像信号finに等しくない画素については、オープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls とのうち原画像信号finとの差が大きい方の処理画像信号(fopn またはfcls )と、原画像信号finとの差(|fopn −fin|または|fcls −fin|)、による重みづけ加算した値を処理済画像信号fout とする演算処理を適用するものである。
【0032】
本発明の第1の画像処理装置は、上記本発明の第1の画像処理方法を実施するための装置であって、画像を構成する画素の値を規定する画像信号に対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理およびクロージング処理を各別に施すモルフォロジー演算処理手段と、
前記モルフォロジー演算処理手段による前記オープニング処理により取得されたオープニング処理画像信号および前記クロージング処理により取得されたクロージング処理画像信号に基づいて、該両処理画像信号の画素を対応させた上記式(1)で定義される演算処理により処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0033】
なお重み付け係数w1,w2の決定方法および適切な係数値については、上述した本発明の第1の画像処理方法において説明したものと同様である。
【0034】
本発明の第2の画像処理装置は、上記本発明の第2の画像処理方法を実施するための装置であって、画像を構成する画素の値を規定する画像信号に対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理およびクロージング処理を各別に施すモルフォロジー演算処理手段と、
前記モルフォロジー演算処理手段による前記オープニング処理により取得されたオープニング処理画像信号および前記クロージング処理により取得されたクロージング処理画像信号に基づいて、該両処理画像信号の画素を対応させた上記式(2)で定義される演算処理により処理済画像信号を取得する信号処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0035】
上記本発明の画像処理方法および画像処理装置における、オープニング処理の構造要素とクロージング処理の構造要素とは、同一の大きさおよび形状とするのが、処理の簡易化のうえで望ましい。
【0036】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法および装置は、画像信号に対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理とクロージング処理とを各別に施して、オープニング処理により正のノイズが抑制された画像信号とクロージング処理により負のノイズが抑制された画像信号とをそれぞれ得、これらの得られた両画像信号を、画素を対応させて演算処理して1つの処理済画像信号を得るため、原画像に存在する正および負のノイズを精度よく抑制することができる。
【0037】
また、この演算処理の内容を全画素について共通のものとせずに、画素ごとに異なるものとすることにより、画像中の構造物の内容等に応じて、適切にノイズを抑制することができるため、全ての画素についてオープニング処理画像信号とクロージング処理画像信号との平均値を適用する従来の処理方法(上述した「Detail-preserving ……reasoning 」に記載の方法)に比して、的確に粒状を抑制することができ、視覚的な粒状の抑制程度を向上させることができる。また、多数の参照テーブルを用いる従来の処理方法に比べて簡易的な手法で粒状を抑制することができる。
【0038】
ここで演算処理式(1)に示すものを適用する本発明の第1の画像処理方法および装置によれば、オープニング処理により抑制されない負のノイズを表す画素(オープニング処理画像信号が原画像信号に等しい画素)については、クロージング処理画像信号を採用することにより、この負のノイズが抑制された処理済画像信号となり、クロージング処理により抑制されない正のノイズを表す画素(クロージング処理画像信号が原画像信号に等しい画素)については、オープニング処理画像信号を採用することにより、この正のノイズが抑制された処理済画像信号となり、正のノイズと負のノイズとの両方を抑制することができる。さらに、オープニング処理画像信号またはクロージング処理画像信号のいずれも原画像信号に等しくない画素については、オープニング処理画像信号とクロージング処理画像信号との加重平均値を処理済画像信号とすることにより、良好に正負のノイズを抑制することができる。このとき特に加重平均の加重割合を5対5とすれば、最適に粒状を抑制することができる。
【0039】
また、演算処理式(2)に示すものを適用する本発明の第2の画像処理方法および装置によれば、オープニング処理により抑制されない負のノイズを表す画素(オープニング処理画像信号が原画像信号に等しい画素)については、クロージング処理画像信号を採用することにより、この負のノイズが抑制された処理済画像信号となり、クロージング処理により抑制されない正のノイズを表す画素(クロージング処理画像信号が原画像信号に等しい画素)については、オープニング処理画像信号を採用することにより、この正のノイズが抑制された処理済画像信号となり、正のノイズと負のノイズとの両方を抑制することができる。さらに、オープニング処理画像信号またはクロージング処理画像信号のいずれも原画像信号に等しくない画素については、オープニング処理画像信号fopn とクロージング処理画像信号fcls とのうち原画像信号finとの差が大きい方の処理画像信号と、原画像信号finとの差、による重みづけ加算した値を処理済画像信号fout とする処理済画像信号とすることにより、良好に正負のノイズを抑制することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像処理方法および画像処理装置の具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0041】
図1は本発明の画像処理方法の一実施形態の処理フローを示すフローチャート、図2は図1に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図である。
【0042】
図示の画像処理装置は、デジタルスチルカメラにより撮影された、またはカラー写真プリントもしくはカラーフイルムから光電的に読み取られた、カラー画像を表すRGBの画像信号Rin,Gin,Binの入力を受けて、これらのRGB画像信号Rin,Gin,Binに対して各別に、モルフォロジー演算によるオープニング処理およびクロージング処理をそれぞれ施すモルフォロジー演算処理手段10と、モルフォロジー演算処理手段10によるオープニング処理により取得されたオープニング処理画像信号Ropn ,Gopn ,Bopn およびクロージング処理により取得されたクロージング処理画像信号Rcls ,Gcls ,Bcls に基づいて、両処理画像信号の画素を対応させた画素ごとの演算処理g(Ropn ,Rcls ),g(Gopn ,Gcls ),g(Bopn ,Bcls )により処理済画像信号Rout ,Gout ,Bout を取得する信号処理手段20とを備えた構成である。
【0043】
ここで、信号処理手段20による各演算処理gとしては例えば、下記式(1)に示す演算処理が適用される。
【0044】
【数1】
【0045】
なお、式中の記号fは信号値の一般的な表示であり、本実施形態のカラー画像信号を適用するにあたっては、この一般的な表示である記号fをそれぞれ各画像信号R、G、Bに置き換えて適用するものである。
【0046】
この演算処理は、クロージング処理画像信号Rcls が原画像信号Rinに等しい画素については、オープニング処理画像信号Ropn を処理済画像信号Rout とし、オープニング処理画像信号Ropn が原画像信号Rinに等しい画素については、クロージング処理画像信号Rcls を処理済画像信号Rout とし、オープニング処理画像信号Ropn またはクロージング処理画像信号Rcls のいずれも原画像信号Rinに等しくない画素については、オープニング処理画像信号Ropn とクロージング処理画像信号Rcls とを、重み付け係数w1,w2を用いた重み付け加算処理を適用する演算処理である。他の色G,Bの画像信号についても同様である。
【0047】
ここで重み付け係数w1,w2は、いずれも 0.5を適用するものとする。
【0048】
モルフォロジー演算処理手段10による上記オープニング処理およびクロージング処理に適用される構造要素(マスク)は、図5に示す4つの直線構造要素からなる多重構造要素(図示のものは5画素×5画素のマスクサイズとなる)である。多重構造要素を用いたオープニング処理およびクロージング処理は、多重構造要素を構成する各構造要素を適用したオープニング処理およびクロージング処理をそれぞれ各別に施し、オープニング処理についてはそれらの各別に行ったオープニング処理のうち最大値を、クロージング処理についてはそれらの各別に行ったクロージング処理のうち最小値を、それぞれ採る処理であり、画像のように2次元状に分布する信号値を処理する場合に有用である。なお、マスクサイズ(構造要素の大きさ)は、削除しようとする粒状の大きさに応じて変更することができる。一般的な画像においては、3画素×3画素から13画素×13画素程度の大きさとなる多重構造要素を適用するのが好適であり、3画素×3画素から7画素×7画素程度の大きさとなる多重構造要素を適用するのが最適である。
【0049】
ただし、以下においては、説明の簡単化のため、2次元画像の一断面である1次元の信号分布を例にして説明するため、多重構造要素のうち1つの構造要素を用いた説明としている。
【0050】
次に、本実施形態の画像処理装置の作用について、原画像信号の1つである図3(1)に示すR画像信号Rinを例に説明する。
【0051】
まず、デジタルスチルカメラ等から、カラー画像を表すRGBの画像信号Rin,Gin,Binがモルフォロジー演算手段10に入力される。画像信号Rinは上述したように図3(1)に示すような分布を有する信号であり、他の画像信号Gin,Binも所定の分布を有している(図示せず)。
【0052】
原画像信号Rinには、比較的大きな周期の濃度分布に、この濃度分布より高周波のノイズが重畳している。この高周波ノイズ(同図(1)のA部)を拡大したものを同図(2)に示す。
【0053】
モルフォロジー演算手段10は、入力された原画像信号Rin,Gin,Binに対して各別に、予め設定された構造要素を用いたモルフォロジー演算によるオープニング処理およびクロージング処理をそれぞれ施し、オープニング処理画像信号Ropn ,Gopn ,Bopn およびクロージング処理画像信号Rcls ,Gcls ,Bcls を算出する。図3(3)は、原画像信号Rinに対するオープニング処理によるオープニング処理画像信号Ropn の、図3(2)に相当する部分(同図(1)のA部)を示す図であり、同図(4)は、原画像信号Rinに対するクロージング処理によるクロージング処理画像信号Rcls の、図3(2)に相当する部分(同図(1)のA部)を示す図である。
【0054】
各図から解されるように、オープニング処理画像信号Ropn は、原画像信号Rin(図3(3)中において破線で示す)のうち、凸状の濃度変動部分(正のノイズ)が抑制された信号、クロージング処理画像信号Rcls は、原画像信号Rin(図3(4)中において破線で示す)のうち、凹状の濃度変動部分(負のノイズ)が抑制された信号とされる。
【0055】
他のオープニング処理画像信号Gopn ,Bopn もオープニング処理画像信号Ropn と同様に、正のノイズが抑制された信号とされ、他のクロージング処理画像信号Gcls ,Bcls もクロージング処理画像信号Rcls と同様に、負のノイズが抑制された信号とされる。
【0056】
モルフォロジー演算手段10により算出された各オープニング処理画像信号Ropn ,Gopn ,Bopn および各クロージング処理画像信号Rcls ,Gcls ,Bcls は、信号処理手段20に入力される。
【0057】
信号処理手段20は、入力された各画像信号について、各色RGBごとに、画素を対応させて、オープニング処理画像信号とクロージング処理画像信号とを上記式(1)に従った演算処理を行い、各色ごとに処理済画像信号を算出する。
【0058】
図3(5)は、同図(2)に示したオープニング処理画像信号Ropn と、同図(4)に示したクロージング処理画像信号Rcls とを式(1)に従って演算処理して得られた処理済画像信号Rout を示す。
【0059】
図から解されるように、処理済画像信号Rout は、原画像信号Rin(図3(5)中において破線で示す)のうち、正および負のいずれのノイズも精度よく抑制された信号とされる。なお、重みづけ係数w1,w2の値はいずれも0.5 としたが、この値に限るものではなく、適当な範囲で変動させることもできる。
【0060】
他の処理済画像信号Gout ,Bout も処理済画像信号Rout と同様に、正および負のいずれのノイズも精度よく抑制された信号とされる。
【0061】
このように本実施形態の画像処理装置によれば、入力された画像信号に対して、モルフォロジー演算によるオープニング処理とクロージング処理とを各別に施して、オープニング処理により正のノイズが抑制された画像信号とクロージング処理により負のノイズが抑制された画像信号とをそれぞれ得、これらの得られた両画像信号を、画素を対応させて演算処理して1つの処理済画像信号を得るため、原画像に存在する正および負のノイズを精度よく抑制することができる。
【0062】
なお、上記画像処理装置は、信号処理手段20による各演算処理gとして式(1)に示す演算処理を適用した実施形態であるが、本発明の画像処理方法および画像処理装置は、式(1)による演算処理のものに限るものではなく、種々の適切な演算処理を適用することができる。
【0063】
例えば、下記式(2)に示す演算処理を適用することもできる。
【0064】
【数2】
【0065】
すなわち、オープニング処理画像信号Ropn が原画像信号Rinに等しい画素については、クロージング処理画像信号Rcls を処理済画像信号Rout とし、クロージング処理画像信号Rcls が原画像信号Rinに等しい画素については、オープニング処理画像信号Ropn を処理済画像信号Rout とし、オープニング処理画像信号Ropn またはクロージング処理画像信号Rcls のいずれも原画像信号Rinに等しくない画素については、オープニング処理画像信号Ropn とクロージング処理画像信号Rcls とのうち原画像信号Rinとの差が大きい方の処理画像信号(Ropn またはRcls )と、原画像信号Rinとの差(|Ropn −Rin|または|Rcls −Rin|)、による重みづけ加算した値を処理済画像信号Rout とする演算処理である。他の色G,Bの画像信号についても同様である。
【0066】
このような演算処理を適用したものについても、式(1)に示した演算処理の実施形態と同様に、良好に正負のノイズを抑制することができる。
【0067】
また本実施形態の画像処理装置においては、カラー画像を表すRGBの画像信号を処理の対象としたが、本発明の画像処理装置はそのようなカラー画像信号を対象とするものに限るものではなく、例えば輝度や色差等の各種信号を処理の対象とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理方法の一実施形態の処理フローを示すフローチャート
【図2】図1に示した画像処理方法を実施する画像処理装置を示す図
【図3】(1)原画像信号Rinを示す図、(2)(1)に示した原画像信号Rinのうち高周波ノイズ(A部)を示す拡大図、(3)原画像信号Rinに基づくオープニング処理画像信号Ropn のうちA部に相当する部分を示す図、(4)原画像信号Rinに基づくクロージング処理画像信号Rcls のうちA部に相当する部分を示す図、(5)処理済画像信号Rout のうちA部に相当する部分を示す図
【図4】モルフォロジー演算の基本的な作用を説明する図
【図5】多重構造要素を示す図
【符号の説明】
10 モルフォロジー演算処理手段
20 信号処理手段
Claims (6)
- 前記式(1)におけるw1およびw2の値がいずれも 0.5であることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記信号処理手段による前記式(1)におけるw1およびw2の値がいずれも 0.5であることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
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JP05481998A JP3932470B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 画像処理方法および装置 |
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