JP4052452B2 - レーザ加工方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ加工装置に関し、特にレーザ光をガルバノミラーで振って微細な円形の孔を加工する場合に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光は、極めて指向性が良く、大きなエネルギを有しているので、小さな点に集光した高エネルギの極めて小径のレーザビームとしてフィルム材等の電子部品に対する円形の微細孔(例えば100μmφ程度)の孔明けに汎用されている。
【0003】
円形の微細孔の孔明けを行う場合には、レーザ光を、互いに直交するX軸及びY軸の回りにガルバノミラーで走査(揺動)してやり、このときの走査の同期をとるとともに走査角度を適宜設定することにより所望の径の孔を形成することができる。
【0004】
すなわち、図3に示すように、レーザ発振器1から出射したレーザ光Lを2枚のガルバノミラー2、3で反射して微細な円形の孔4を形成するワーク5上に照射する。このとき、ガルバノミラー2、3をモータ6、7でそれぞれX軸回り及びY軸回りに回動するとともに、この回動信号の一方を余弦波、他方を正弦波として両者の同期をとる。すなわち、前記孔の半径をr、前記正弦波及び余弦波の角度をθとするとき、円は幾何学的にX=rcos θ及びY=rsin θによる点の集合となる。そこで、X=rcos θの第1の位置指令信号をモータ6に供給するとともに、Y=rsin θの第2の位置指令信号をモータ7に供給することにより両信号を合成した位置指令信号でレーザ光を走査してレーザ光Lによりワーク5上に円を描く。すなわち、2軸のガルバノミラー2、3を用いてレーザ光Lの集光点をワーク5上で円運動をさせることにより所望の微細な孔4を加工する。このとき、レーザ光Lのビーム径は、例えば20μmであり、加工する孔4の径は、例えば100μmである。この孔4の径は前記第1及び第2の位置指令信号(X=rcos θ、Y=rsin θ)の振幅rにより特定される。
【0005】
なお、このときのモータ6、7の走査角度はそれぞれエンコーダ8、9で検出してこの走査角度を表す電気信号をモータ6、7の駆動を制御する制御装置(図示せず。)にフィードバックしている。
【0006】
下記の特許文献1はガルバノミラーでレーザ光を振って、所望のレーザ加工を行う装置においてガルバノメータの動作遅れに起因する不都合を解消する技術を開示するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭60−130490号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き孔明け加工におけるレーザ光Lの円運動は、同一円周上を多数回(例えば200回)回転するように行われる。このとき、ガルバノミラー2、3の走査速度を高速にすればする程、ガルバノミラー2、3及びモータ6、7の慣性によりモータ6、7に供給する位置制御信号に対してガルバノミラー2、3の動作が遅延し、しかもこのときの遅延時間が各ガルバノミラー2、3で異なる。各ガルバノミラー2、3の慣性力は通常異なっているからである。この結果、走査速度の高速化に伴い加工した孔4の真円性が崩れ、楕円形状の孔4となる傾向にあった。例えば、図4に示すように、45°斜めの楕円となる。なお、図4はガルバノドライバの出力信号波形(リサージュ図形)を模擬したものである。
【0009】
従来技術においては、ガルバノミラー2、3の走査速度を上げた場合には形成した孔4が真円からずれた形状となるので、これを避けるため、すなわち真円性を確保するため、走査速度が制限されて加工タクトが上がらないという問題を生起していた。
【0010】
本発明は、上記従来技術に鑑み、直交する2軸の回りに回動するミラーでレーザ光を振って円形の孔を形成する場合において、高速でミラーを走査しても真円性を十分確保した円形の孔を加工することができるレーザ加工方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0013】
) 余弦波である第1の位置指令信号により一つの軸回りに回動する第1のミラーと、正弦波である第2の位置指令信号により他の軸回りに回動する第2のミラーとでレーザ発振器から出射したレーザ光を順次反射してこのレーザ光の先端を円運動させることにより円形の孔を形成するレーザ加工方法において、
前記第1及び第2の位置指令信号と、第1及び第2のミラーの実測位置をそれぞれ検出して得る第1及び第2の実測位置信号とを比較して両者の位相差をそれぞれ検出し、
この位相差をキャンセルするための補正位相をそのときの孔の加工速度と対応させて補正マップを作成し、
さらに孔の加工速度に応じた前記補正マップの補正位相のデータに基づき前記第1及び第2の位置指令信号をそれぞれ補正した第1及び第2の補正位置指令信号に基づき前記第1及び第2のミラーをそれぞれ回動してレーザ光を走査すること。
【0015】
上記1)に記載するレーザ加工方法において、
ディジタル信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅に、その振幅に応じた所定の倍率を掛けるとともに、
前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号をアナログ信号に変換した後、前記倍率で除して元に戻した第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号で第1及び第2のミラーをそれぞれ回動してレーザ光を走査すること。
【0017】
) レーザ光を照射するレーザ発振器と、制御手段が供給する余弦波である第1の位置指令信号により駆動される第1の駆動手段により一つの軸回りに回動される第1のミラーと、前記制御手段が供給する正弦波である第2の位置指令信号により駆動される第2の駆動手段により他の軸回りに回動される第2のミラーとを有し、
前記レーザ発振器から出射したレーザ光を第1及び第2のミラーで順次反射してこのレーザ光の先端を円運動させるように構成したレーザ加工装置において、
前記第1及び第2のミラーの回動位置をそれぞれ検出する第1及び第2のセンサと、
第1及び第2のセンサで検出した前記第1及び第2のミラーの実測位置を表す第1及び第2の実測位置信号と、前記第1及び第2の駆動手段に供給する第1及び第2の位置指令信号とをそれぞれ比較して両者の位相差をそれぞれ演算する位相差演算手段、この位相差演算手段が検出した位相差のデータを孔の加工速度との関連において記憶する補正マップ、及び別途供給される孔の加工速度のデータに基づきこの加工速度に対応する補正位相データを前記補正マップから読出し、前記位相差がキャンセルされるように補正した第1及び第2の補正位置指令信号を前記第1及び第2の駆動手段に供給する位置指令信号発生手段を有する制御手段とを具備すること。
【0018】
) 上記)に記載するレーザ加工装置において、
補正マップは、離散的な孔の加工速度に対応する離散的な位相差のデータに基づき、隣接する加工速度間の位相差を補完して連続的な位相差のデータとしたものであること。
【0019】
上記3)または4)に記載するレーザ加工装置において、
制御手段は、
ディジタル信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅に、各振幅に応じた所定の倍率を掛けて第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号を出力する位置指令信号発生手段と、
この位置指令信号発生手段のディジタル出力信号である前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、
このD/A変換手段のアナログ出力信号である前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅を前記倍率で除して各振幅を元に戻し、かかるアナログ信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号を第1及び第2の駆動手段に供給する減衰比例選択手段とを有すること。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係るレーザ加工機を示すブロック線図である。同図に示すレーザ加工装置は、図3に示すガルバノミラー2、3を用いるものである。そこで、図3と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
図1に示すように、レーザ発振器1が出射したレーザ光Lは、第1のミラーでありX軸回りを回動するガルバノミラー2、及び第2のミラーでありY軸回りを回動するガルバノミラー3で順次反射されて加工ステージに載置されたワーク(図1には図示せず。)に照射される。この結果、ガルバノミラー2、3の走査によりレーザ光Lの先端に円運動をさせれば、前記ワーク上に円形の孔を形成することができる。ガルバノミラー2は、X軸のガルバノドライバ10で駆動する第1の駆動手段であるモータ6により、またガルバノミラー3は、Y軸のガルバノドライバ11で駆動する第2の駆動手段であるモータ7によりそれぞれ回動される。ガルバノドライバ10、11には、制御装置13からそれぞれ第1及び第2の位置指令信号S1 、S2 が供給される。位置指令信号S1 、S2 は、図3に関連して述べたX=rcos θ、Y=rsin θで表される信号である。かかる信号X=rcos θ、Y=rsin θによりガルバノミラー2、3を走査することによりレーザ光Lに円軌道を描かせることができる。エンコーダ8、9はガルバノミラー2、3の回動位置を、モータ6、7の回動角度を介してそれぞれ検出する第1及び第2のセンサであり、ガルバノミラー2、3の実測位置を検出してこれを表す第1及び第2の実測位置信号S5 、S6 を制御装置13へ送出する。これらガルバノミラー2、3乃至ガルバノドライバ10、11で加工機を構成している。
【0023】
上記加工機12を制御する制御装置13は、位置指令信号発生部14、D/A変換器15、減衰比選択部16、位相差演算部17及び補正マップ18を有している。位置指令信号発生部14は、NCプログラム等から供給される加工条件指令信号に基づき位置指令信号S1 、S2 を発生することを最も基本的な機能とするものである。このときの加工条件指令信号は、形成する孔の径(例えば、100μm、位置指令信号S1 、S2 の振幅で規定される。)、孔の加工速度(例えば、6,000mm/min、位置指令信号S1 、S2 の角度で規定される。)及び一つの孔を形成する際の円運動の回数(例えば、200回、位置指令信号S1 、S2 の周期の数で規定される。)をデータとして含む信号である。
【0024】
本形態に係る位置指令信号発生部14は、ディジタル処理を行うパーソナルコンピュータで好適に形成し得るが、加工条件の一つである加工速度に応じて、ディジタル出力信号である位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 (ガルバノミラー3、4の慣性力による動作遅れを加味し、これを補正するために位置指令信号S1 、S2 の位相を補正した信号である。後に詳述する。)の振幅に、各振幅に応じた所定の倍率を掛けて出力する。すなわち、例えば形成する孔の径に応じて倍率を3段階に分け、より小さい径のものから順にその振幅を100倍、10倍、1倍してやる。振幅は形成する孔の径に対応する。したがって、径が小さい孔になるほど位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 の振幅は増幅されて出力される。このことにより、D/A変換器15で位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 をアナログ信号に変換した後に重畳される雑音のレベルを相対的に小さくすることができる。すなわち、S/N比を大きくするすることができる。
【0025】
減衰比選択部16では、D/A変換器15のアナログ出力信号である位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 の振幅を前記倍率で除して各振幅を孔の径に応じて元に戻したアナログ信号である位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 をガルバノドライバ10、11にそれぞれ供給する。
【0026】
形成する孔の径が小さくなればなる程、位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 の振幅は小さくなる。したがって、D/A変換後に位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 に雑音が重畳された場合、この雑音の影響はより顕著になる。かかる雑音の影響は形成した孔の輪郭の凹凸等として顕在化し、孔の加工精度に悪影響を与える。その影響は、径が小さくなる程、当然顕著になる。本形態では、D/A変換後のアナログ信号におけるS/N比を大きくすることで、かかる影響を除去すると同時に、減衰比選択部16で形成する孔の径に応じた振幅を有する位置指令信号S1 、S2 及び補正位置指令信号S3 、S4 に戻している。
【0027】
位相差演算部17は、エンコーダ8、9で検出したガルバノミラー2、3の実測位置を表す実測位置信号S5 、S6 と、ガルバノドライバ10、11に供給する位置指令信号S1 、S2 とをそれぞれ比較して両者の位相差をそれぞれ演算する。これは、ガルバノミラー2、3の慣性力による位置指令信号S1 、S2 に対する動作遅れをガルバノミラー2、3の実位置を表す実測位置信号S5 、S6 と位置指令信号S1 、S2 との位相差として定量的に把握し、この位相差をキャンセルすることによりガルバノミラー2、3の動作遅れを実質的にキャンセルするための演算である。すなわち、実測位置信号S5 と位置指令信号S1 との位相差φ1 及び実測位置信号S6 と位置指令信号S2 との位相差φ2 をそれぞれ求め、これらの位相差φ1 、φ2 がキャンセルされるように位置指令信号S1 、S2 の位相を補正して補正位置指令信号S3 、S4 を形成する。このことにより、補正位置指令信号S3 、S4 は、ガルバノミラー2、3の動作遅れを折り込んだ信号となる。すなわち、かかる補正位置指令信号S3 、S4 をガルバノドライバ10、11に供給することにより、ガルバノミラー2、3の動作遅れがキャンセルされて各ガルバノミラー2、3が反射するレーザ光Lの先端の軌跡を真円とすることができる。
【0028】
補正マップ18は、位相差演算部17が検出した位相差φ1 、φ2 のデータを加工条件指令信号中の孔の加工速度との関連において記憶する。ここで、この補正マップ18は、離散的な孔の加工速度に対応する離散的な位相差φ1 、φ2 のデータに基づき、隣接する加工速度間の位相差φ1 、φ2 を補完して連続的な位相差φ1 、φ2 のデータとすることもできる。
【0029】
位置指令信号発生部14は、加工条件指令信号中の孔の加工速度のデータに基づき、この加工速度に対応する位相差φ1 、φ2 を表す補正位相信号S 7 、 S 8を補正マップ18から読出し、前記位相差φ1 、φ2 がキャンセルされるように補正した補正位置指令信号S3 、S4 を出力する。すなわち、このときの補正位置指令信号S3 、S4 は、X=rcos (θ+φ1 )、Y=rsin (θ+φ2 )の信号となる。ちなみに、図4に示すように、45°の楕円となってしまったレーザ光Lの軌跡は、例えばφ1 =−10°、φ2 = 0°とすることで、図2に示すような真円に補正することができる。
【0030】
かかる実施の形態では、加工速度と対応づけた補正マップ18を予め作成しておき、実加工の際には、その加工速度に応じて補正マップ18から読み出した補正位相信号S 7 、 S 8で位相を補正した補正位置指令信号S3 、S4 をD/A変換器15及び減衰比例選択部16を介してガルバノドライバ10、11に供給する。かくしてガルバノドライバ10、11は補正位置指令信号S3 、S4 でモータ6、7を駆動してガルバノミラー2、3を回動する。このときのガルバノミラー2、3の回動量にはその動作遅れをキャンセルする位相差φ1 、φ2 成分が含まれているので、これらのガルバノミラー2、3で走査するレーザ光Lの先端は真円の円軌道を運動する。すなわち、真円の孔をワーク上に形成することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態では位相差φ1 、φ2 を予め検出して補正マップ18を作っておき、この補正マップ18を利用して実加工時の位相差φ1 、φ2 を適宜補正する装置としたが、これに限るものではない。
【0032】
位置指令信号発生部14の位相差φ1 、φ2 のデータを直接位置指令信号発生部14に供給するように構成しても良い。そして、この場合には、リアルタイムで得る位相差φ1 、φ2 のデータに基づきリアルタイムで必要な補正位置指令信号S3 、S4 を形成することができる。このことにより、当該レーザ加工装置のキャリブレーションを行うことができる。また、最初に1回、レーザ光Lを照射することなくガルバノミラー2、3を走査して円運動に対するズレ量(位相差φ1 、φ2 )を検出し、当該加工条件(加工速度)における位相補正のためのデータを得、2回目以降でレーザ光Lを照射して補正位置指令信号S3 、S4 でガルバノミラー2、3を走査してやればリアルタイムで位相差φ1 、φ2 を補正しながら前記レーザ光Lの先端に高精度の真円運動をさせてこのレーザ光Lで形成する孔を高精度の真円とすることができる。
【0033】
さらに、位置指令信号発生部14で位置指令信号S1 、S2 等の振幅を所定倍するとともに、減衰比選択部16でもとに戻すという構成を採る必要は必ずしもない。ただ、かかる構成を採用することで位置指令信号S1 、S2 又は補正位置指令信号S3 、S4 のS/N比を向上させることはでき、このことによる孔の加工精度の向上は、当然図り得る。
【0035】
【発明の効果】
請求項1に記載する発明は、余弦波である第1の位置指令信号により一つの軸回りに回動する第1のミラーと、正弦波である第2の位置指令信号により他の軸回りに回動する第2のミラーとでレーザ発振器から出射したレーザ光を順次反射してこのレーザ光の先端を円運動させることにより円形の孔を形成するレーザ加工方法において、前記第1及び第2の位置指令信号と、第1及び第2のミラーの実測位置をそれぞれ検出して得る第1及び第2の実測位置信号とを比較して両者の位相差をそれぞれ検出し、この位相差をキャンセルするための補正位相をそのときの孔の加工速度と対応させて補正マップを作成し、さらに孔の加工速度に応じた前記補正マップの補正位相のデータに基づき前記第1及び第2の位置指令信号をそれぞれ補正した第1及び第2の補正位置指令信号に基づき前記第1及び第2のミラーをそれぞれ回動してレーザ光を走査するので、
予め加工速度に応じた補正位相のデータを収拾しておくことで、特定の加工速度において真円加工のための第1及び第2の補正位置指令信号を得ることができ、このことによってレーザ光による真円孔加工に資することができるという効果を奏する。
【0037】
請求項2に記載する発明は、請求項1に記載するレーザ加工方法において、ディジタル信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅に、その振幅に応じた所定の倍率を掛けるとともに、前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号をアナログ信号に変換した後、前記倍率で除して元に戻した第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号で第1及び第2のミラーをそれぞれ回動してレーザ光を走査するので、
請求項1に記載する発明の作用・効果に加え、D/A変換後のアナログ信号となった第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号に重畳される雑音の影響を可及的に低減して十分なS/N比を確保することができる。この結果、振幅が小さく、したがって径が小さい孔になればなる程、前記雑音の影響を受け易い微小径の孔であってもこれを高精度に形成することができる。
【0039】
請求項3に記載する発明は、レーザ光を照射するレーザ発振器と、制御手段が供給する余弦波である第1の位置指令信号により駆動される第1の駆動手段により一つの軸回りに回動される第1のミラーと、前記制御手段が供給する正弦波である第2の位置指令信号により駆動される第2の駆動手段により他の軸回りに回動される第2のミラーとを有し、前記レーザ発振器から出射したレーザ光を第1及び第2のミラーで順次反射してこのレーザ光の先端を円運動させるように構成したレーザ加工装置において、 前記第1及び第2のミラーの回動位置をそれぞれ検出する第1及び第2のセンサと、第1及び第2のセンサで検出した前記第1及び第2のミラーの実測位置を表す第1及び第2の実測位置信号と、前記第1及び第2の駆動手段に供給する第1及び第2の位置指令信号とをそれぞれ比較して両者の位相差をそれぞれ演算する位相差演算手段、この位相差演算手段が検出した位相差のデータを孔の加工速度との関連において記憶する補正マップ、及び別途供給される孔の加工速度のデータに基づきこの加工速度に対応する補正位相データを前記補正マップから読出し、前記位相差がキャンセルされるように補正した第1及び第2の補正位置指令信号を前記第1及び第2の駆動手段に供給する位置指令信号発生手段を有する制御手段とを具備するので、
予め加工速度に応じた補正位相のデータを収拾しておくことで、特定の加工速度において真円加工のための第1及び第2の補正位置指令信号を得ることができ、このことによってレーザ光による真円孔加工に資することができるという効果を奏する。
【0040】
請求項4に記載する発明は、請求項3に記載するレーザ加工装置において、補正マップは、離散的な孔の加工速度に対応する離散的な位相差のデータに基づき、隣接する加工速度間の位相差を補完して連続的な位相差のデータとしたものであるので、
請求項3に記載する発明の作用・効果に加え、全ての加工速度に応じた位相補正データを提供して各加工速度における真円加工を適切に行うことができる。
【0041】
請求項5に記載する発明は、請求項3または請求項4に記載するレーザ加工装置において、制御手段は、ディジタル信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅に、各振幅に応じた所定の倍率を掛けて第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号を出力する位置指令信号発生手段と、この位置指令信号発生手段のディジタル出力信号である前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、このD/A変換手段のアナログ出力信号である前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅を前記倍率で除して各振幅を元に戻し、かかるアナログ信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号を第1及び第2の駆動手段に供給する減衰比例選択手段とを有するので、
請求項3または請求項4に記載する発明の作用・効果に加え、D/A変換後のアナログ信号となった第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号に重畳される雑音の影響を可及的に低減して十分なS/N比を確保することができる。この結果、振幅が小さく、したがって径が小さい孔になればなる程、前記雑音の影響を受け易い微小径の孔であってもこれを高精度に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置を示すブロック線図である。
【図2】図1に示すレーザ加工装置で形成した孔加工時におけるガルバノドライバの出力信号波形(リサージュ図形)を示す説明図である。
【図3】レーザ光の先端に円運動をさせて孔を形成する加工方法の原理を説明するための説明図である。
【図4】図3の原理に基づき形成する従来技術に係る孔加工時におけるガルバノドライバの出力信号波形(リサージュ図形)を示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2、3 ガルバノミラー
4 孔
5 ワーク
6、7 モータ
8、9 エンコーダ
12 加工機
13 制御装置
14 位置指令信号発生部
15 D/A変換器
16 減衰比選択部
17 位相差演算部
18 補正マップ

Claims (5)

  1. 余弦波である第1の位置指令信号により一つの軸回りに回動する第1のミラーと、正弦波である第2の位置指令信号により他の軸回りに回動する第2のミラーとでレーザ発振器から出射したレーザ光を順次反射してこのレーザ光の先端を円運動させることにより円形の孔を形成するレーザ加工方法において、
    前記第1及び第2の位置指令信号と、第1及び第2のミラーの実測位置をそれぞれ検出して得る第1及び第2の実測位置信号とを比較して両者の位相差をそれぞれ検出し、
    この位相差をキャンセルするための補正位相をそのときの孔の加工速度と対応させて補正マップを作成し、
    さらに孔の加工速度に応じた前記補正マップの補正位相のデータに基づき前記第1及び第2の位置指令信号をそれぞれ補正した第1及び第2の補正位置指令信号に基づき前記第1及び第2のミラーをそれぞれ回動してレーザ光を走査することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 請求項1に記載するレーザ加工方法において、
    ディジタル信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅に、その振幅に応じた所定の倍率を掛けるとともに、
    前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号をアナログ信号に変換した後、前記倍率で除して元に戻した第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号で第1及び第2のミラーをそれぞれ回動してレーザ光を走査することを特徴とするレーザ加工方法。
  3. レーザ光を照射するレーザ発振器と、制御手段が供給する余弦波である第1の位置指令信号により駆動される第1の駆動手段により一つの軸回りに回動される第1のミラーと、前記制御手段が供給する正弦波である第2の位置指令信号により駆動される第2の駆動手段により他の軸回りに回動される第2のミラーとを有し、
    前記レーザ発振器から出射したレーザ光を第1及び第2のミラーで順次反射してこのレーザ光の先端を円運動させるように構成したレーザ加工装置において、
    前記第1及び第2のミラーの回動位置をそれぞれ検出する第1及び第2のセンサと、
    第1及び第2のセンサで検出した前記第1及び第2のミラーの実測位置を表す第1及び第2の実測位置信号と、前記第1及び第2の駆動手段に供給する第1及び第2の位置指令信号とをそれぞれ比較して両者の位相差をそれぞれ演算する位相差演算手段、この位相差演算手段が検出した位相差のデータを孔の加工速度との関連において記憶する補正マップ、及び別途供給される孔の加工速度のデータに基づきこの加工速度に対応する補正位相データを前記補正マップから読出し、前記位相差がキャンセルされるように補正した第1及び第2の補正位置指令信号を前記第1及び第2の駆動手段に供給する位置指令信号発生手段を有する制御手段とを具備することを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 請求項3に記載するレーザ加工装置において、
    補正マップは、離散的な孔の加工速度に対応する離散的な位相差のデータに基づき、隣接する加工速度間の位相差を補完して連続的な位相差のデータとしたものであることを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載するレーザ加工装置において、
    制御手段は、
    ディジタル信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅に、各振幅に応じた所定の倍率を掛けて第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号を出力する位置指令信号発生手段と、
    この位置指令信号発生手段のディジタル出力信号である前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、
    このD/A変換手段のアナログ出力信号である前記第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号の振幅を前記倍率で除して各振幅を元に戻し、かかるアナログ信号である第1及び第2の位置指令信号又は第1及び第2の補正位置指令信号を第1及び第2の駆動手段に供給する減衰比例選択手段とを有することを特徴とするレーザ加工装置。
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