JP4052359B2 - アンテナ構造およびそれを用いた無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯型電話機等の無線通信装置に設けられるアンテナ構造およびそれを用いた無線通信装置に関するものである。
図13aにはアンテナ構造の一形態例が模式的な斜視図により示されている(例えば特許文献1参照)。このアンテナ構造40は、直方体状の誘電体基体41を有し、この誘電体基体41の底面には接地電極42が形成されている。また、誘電体基体41の上面には、給電放射電極43と、無給電放射電極44とがスリットs1を介して隣接配置されている。誘電体基体41の側面の一つには、接続用電極45と接続用電極46が互いに間隔を介して形成されている。接続用電極45は給電放射電極43と接地電極42を電気的に接続させるためのものである。接続用電極46は無給電放射電極44と接地電極42を電気的に接続させるためのものである。
誘電体基体41における接続用電極45,46の形成面に対向する側面には、給電放射電極用の給電電極47が形成されていると共に、周波数制御用電極48が形成されている。給電電極47の上端側は給電放射電極43と間隔を介して配置され給電放射電極43との間に容量を形成している。また、給電電極47の下端側は誘電体基体41の底面側に回り込み形成されている。この給電電極47の下端側は接地電極42と間隔を介して配置され、当該給電電極47の下端側は例えば無線通信装置に設けられている無線通信用の高周波回路50と電気的に接続される。周波数制御用電極48の上端側は給電放射電極43と無給電放射電極44とのそれぞれに間隔を介して配置され給電放射電極43と無給電放射電極44とのそれぞれとの間に容量C1,C2を形成する。周波数制御用電極48の下端側は誘電体基体41の底面側に回り込み形成されている。この周波数制御用電極48の下端側は接地電極42と間隔を介して配置されている。また、当該周波数制御用電極48の下端側は切り換え手段51を介して例えば無線通信装置のグランドに接地される。
図13aに示されるアンテナ構造40では、例えば、無線通信用の高周波回路50から送信用の信号が給電電極47に供給されると、給電電極47と給電放射電極43との間の容量結合によって、送信用の信号が給電電極47から給電放射電極43に伝達され当該送信用の信号に基づいて給電放射電極43が共振する。また、給電放射電極43と無給電放射電極44との間の電磁結合によって送信用の信号が無給電放射電極44にも伝達されて無給電放射電極44も共振する。このアンテナ構造40では、給電放射電極43の共振と無給電放射電極44の共振とによって複共振状態が作り出されるように給電放射電極43と無給電放射電極44との間の間隔s1等が設定されている。このような給電放射電極43と無給電放射電極44の共振動作(複共振動作)は、送信用の信号を外部に向けて無線送信するアンテナ動作と成している。また、外部から信号が給電放射電極43および無給電放射電極44に到達すると、この信号受信によって給電放射電極43および無給電放射電極44が共振して受信信号が給電放射電極43から給電電極47に伝達され更に無線通信用の高周波回路50に伝達される。上記のような外部からの無線通信用の信号に基づいた給電放射電極43および無給電放射電極44の共振動作は受信のアンテナ動作と成している。
このアンテナ構造40では、給電放射電極43と無給電放射電極44とのそれぞれとの間に容量を形成する周波数制御用電極48が設けられており、この周波数制御用電極48は、切り換え手段51を介してグランドに接地される構成となっている。この構成によって、アンテナ構造40では、次に示すように給電放射電極43および無給電放射電極44の共振周波数帯を切り換えることができる。例えば、切り換え手段51がオフ状態であり、周波数制御用電極48がグランドに接地されていない場合に、給電放射電極43が例えば図13bに示す共振周波数f1を持つ点線Aに示されるような共振周波数帯を有し、無給電放射電極44が図13bに示す共振周波数f2を持つ鎖線Bに示されるような共振周波数帯を有し、これら給電放射電極43と無給電放射電極44によって、図13bの実線αに示されるような複共振状態を作り出しているとする。
これに対して、切り換え手段51がオン状態となり、周波数制御用電極48がグランドに接地されると、給電放射電極43と周波数制御用電極48との間、および、無給電放射電極44と周波数制御用電極48との間に、それぞれ、グランドとの間の容量が形成される。これにより、給電放射電極43にグランドとの間の容量が装荷されると共に、無給電放射電極44にもグランドとの間の容量が装荷される。
図13cには給電放射電極43の等価回路が実線により示されている。給電放射電極43の共振動作は、当該給電放射電極43が持つ図13cに示されるインダクタンス成分Lと容量成分CとのLC共振であることから、給電放射電極43の共振周波数Fは、1/√(LC)に比例したものとなる(F∝1/√(LC))。無給電放射電極44の共振周波数に関しても同様である。このため、切り換え手段51がオン状態となって周波数制御用電極48によりグランドとの間の容量が給電放射電極43および無給電放射電極44にそれぞれ装荷されると、給電放射電極43および無給電放射電極44の各容量成分Cが大きくなって、給電放射電極43および無給電放射電極44の各共振周波数が低くなる。これにより、切り換え手段51がオフ状態からオン状態に切り換えられると、給電放射電極43の共振周波数が周波数f1から例えば周波数f1’に切り換えられ、また、無給電放射電極44の共振周波数が周波数f2から例えば周波数f2’に切り換えられる。これにより、給電放射電極43と無給電放射電極44の複共振状態は、図13bの実線αの状態から実線βの状態に切り換わる。
アンテナ構造40では、切り換え手段51がオフ状態であるときには、給電放射電極43および無給電放射電極44のアンテナ動作による無線通信用の周波数帯は、例えば、図13bに示される周波数fmから周波数fnまでの周波数領域である。これに対して、切り換え手段51がオン状態であるときには、給電放射電極43および無給電放射電極44のアンテナ動作による無線通信用の周波数帯は、例えば、図13bに示される周波数fm’から周波数帯fn’までの周波数領域に切り換わる。
よって、例えば周波数制御用電極48を有する周波数切り換え構成が設けられていない場合には、アンテナ構造40の無線通信用の周波数帯は、例えば周波数fmから周波数fnまでの周波数領域であるのに対して、上記したような周波数切り換え構成が設けられることによって、アンテナ構造40は、例えば周波数fm’から周波数fnまでの周波数領域の無線通信に対応することが可能となる。すなわち、アンテナ構造40の周波数帯域の広帯域化を図ることができる。
特開2001−168634号公報 特開2005−150937号公報
ところで、近年、互いに異なる周波数帯を利用する複数の無線通信システムに対応できるマルチバンドのアンテナが要求されてきている。上述したような広帯域化が図られているアンテナ構造40でも、無線通信可能な周波数帯域の不足によって、そのマルチバンド化の要求に満足に応えることが難しかった。
この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の一つの構成は、
無線通信用の回路が形成されている回路基板のグランド領域に搭載されている基体を有し、基体には、無線通信用の回路に電気的に接続されて基本共振周波数帯と当該基本共振周波数帯の基本共振周波数の整数倍よりも低い高次共振周波数を持つ高次共振周波数帯との互いに異なる複数の共振周波数帯でアンテナ動作を行う給電放射電極が設けられていると共に、この給電放射電極と電磁結合する無給電放射電極が給電放射電極と間隔を介して設けられており、給電放射電極は、一端側が無線通信用の回路に電気的に接続される給電端と成し他端側が開放端と成している放射電極であり、この給電放射電極は、その給電端側と開放端側が間隔を介し隣接配置されて給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有しており、無給電放射電極は、給電放射電極との電磁結合により給電放射電極と共にアンテナ動作を行って少なくとも給電放射電極が持つ複数の共振周波数帯のうちの最も低い基本共振周波数帯よりも高い高次共振周波数帯で複共振状態を作り出す構成を有するアンテナ構造であって、
高次共振周波数帯のアンテナ動作モードである高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷するための容量装荷手段と、
回路基板のグランド領域に形成されているグランド電極と、容量装荷手段との間を電気的に接続するグランド接地用導通経路と、
グランド接地用導通経路に介設され容量装荷手段と回路基板のグランド電極との間の導通オン・オフを切り換えて容量装荷手段による給電放射電極の高次モード零電圧領域への容量装荷のオン・オフを切り換え制御して給電放射電極の高次共振周波数を変動させずに給電放射電極の基本共振周波数帯の基本共振周波数を切り換える切り換え手段と、
を有していることを特徴としている。
また、この発明の別の構成の一つは、
無線通信用の回路が形成されている回路基板のグランド領域に搭載されている基体を有し、基体には、無線通信用の回路に電気的に接続されて基本共振周波数帯と当該基本共振周波数帯の基本共振周波数の整数倍よりも低い高次共振周波数を持つ高次共振周波数帯との互いに異なる複数の共振周波数帯でアンテナ動作を行う給電放射電極が設けられていると共に、この給電放射電極と電磁結合する無給電放射電極が給電放射電極と間隔を介して設けられており、給電放射電極は、一端側が無線通信用の回路に電気的に接続される給電端と成し他端側が開放端と成している放射電極であり、この給電放射電極は、その給電端側と開放端側が間隔を介し隣接配置されて給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有しており、無給電放射電極は、給電放射電極との電磁結合により給電放射電極と共にアンテナ動作を行って少なくとも給電放射電極が持つ複数の共振周波数帯のうちの最も低い基本共振周波数帯よりも高い高次共振周波数帯で複共振状態を作り出す構成を有するアンテナ構造であって、
基体には、高次共振周波数帯のアンテナ動作モードである高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷して給電放射電極の高次共振周波数を変動させずに給電放射電極の基本共振周波数帯の基本共振周波数を切り換えるためのオプション用の容量装荷手段が形成されており、
オプション用の容量装荷手段は、給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷するときには、回路基板のグランド領域に形成されているグランド電極との間にグランド接地用導通経路が形成されて給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷し、給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷しないときには、グランド接地用導通経路が形成されていないことをも特徴としている。
さらに、この発明の別の構成の一つである無線通信装置は、この発明において特有な構成を持つアンテナ構造が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、アンテナ構造を構成する基体には、給電放射電極および無給電放射電極が形成され、無給電放射電極は、給電放射電極と共にアンテナ動作を行って少なくとも給電放射電極の高次共振周波数帯で複共振状態を作り出す構成を備えている。その無給電放射電極による給電放射電極の高次共振周波数帯での複共振状態によって、給電放射電極の高次共振周波数帯における広帯域化を図ることができる。
また、この発明では、給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷するための容量装荷手段と、容量装荷手段を回路基板のグランド電極に接地させるためのグランド接地用導通経路と、グランド接地用導通経路に介設され容量装荷手段とグランド電極との間の導通オン・オフを切り換える切り換え手段とが設けられている。切り換え手段がオン状態であるときには、容量装荷手段はグランド電極に接地されている状態であることから、容量装荷手段によって給電放射電極の高次モード零電圧領域にはグランド電極との間の容量が装荷されることとなる(容量装荷オン状態)。これにより、切り換え手段のオフ状態であって給電放射電極にグランド電極との間の容量が装荷されていない状態(容量装荷オフ状態)のときに比べて、容量装荷オン状態のときには、装荷された容量の大きさに応じて給電放射電極の電気的な長さが長くなって給電放射電極の基本共振周波数を低くする方向に切り換えることができる。この給電放射電極の基本共振周波数の切り換えにより、給電放射電極の基本共振周波数帯における広帯域化を図ることができる。
ところで、この発明では、容量装荷手段によってグランド電極との間の容量が装荷される給電放射電極の部位は、給電放射電極の高次モード零電圧領域である。このため、切り換え手段のオン・オフ動作によって、給電放射電極の高次共振周波数を変動させることなく、給電放射電極の基本共振周波数だけを切り換えることができる。つまり、給電放射電極の高次モード零電圧領域における高次モードの電圧の大きさは零あるいはその近傍である。このため、高次モードから見た場合には、切り換え手段をオン状態としても、容量装荷手段により給電放射電極の高次モード零電圧領域に装荷される容量は非常に小さいものであり、給電放射電極の高次モード零電圧領域には、容量装荷手段による容量が装荷されない状態と等価になる。これにより、切り換え手段のオン・オフ動作を切り換えても、給電放射電極の高次共振周波数は変動しない。これに対して、給電放射電極の高次モード零電圧領域における基本モードの電圧の大きさは、容量装荷手段による容量装荷の影響を受ける大きさを有している。このため、切り換え手段のオン・オフ切り換え動作により容量装荷オン状態と容量装荷オフ状態を切り換えることによって、給電放射電極の基本共振周波数は切り換わる。
つまり、この発明の構成では、給電放射電極の高次共振周波数帯は無給電放射電極との複共振状態によって広帯域化が図られて要望の周波数帯域を得ることが可能であるため、給電放射電極の高次共振周波数帯は変動しないことが好ましい。このことを考慮して、この発明では、給電放射電極の高次共振周波数帯は変動させず、容量装荷手段による容量装荷のオン・オフの切り換えによって給電放射電極の基本共振周波数だけを切り換えることによって、放射電極の基本共振周波数帯の広帯域化を図ることができる。
このように、この発明では、給電放射電極の基本共振周波数帯および高次共振周波数帯の両方の周波数帯域の広帯域化を図ることができる。このため、互いに異なる周波数帯を利用する複数の無線通信システムに対応することが容易なアンテナ構造およびそれを備えた無線通信装置を提供することができる。特に、この発明では、給電放射電極および無給電放射電極が形成されている基体は、回路基板のグランド領域に搭載されているものである。このために、給電放射電極や無給電放射電極から放射される電界が回路基板のグランド電極に引き寄せられて基本的に1個の共振の帯域幅は狭く周波数帯域の広帯域化が難しいものであるのにも拘わらず、この発明は、上述のように複数の周波数帯域の広帯域化を図ることが容易になるという画期的なものである。
また、この発明では、給電放射電極は、その給電端側と開放端側が間隔を介して隣接配置されて給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有している。このため、給電放射電極の基本共振周波数と高次共振周波数の調整が容易になるという効果を得ることができる。つまり、この発明では、給電放射電極は、給電端側と開放端側が間隔を介して隣接配置されて給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有しているので、給電端と開放端との間に容量が形成される。その容量は基本共振周波数よりも高次共振周波数に大きく関与するものである。このため、その給電端と開放端との間の容量によって、基本共振周波数を殆ど変動させずに、給電放射電極の高次共振周波数を調整することができる。すなわち、例えば、給電放射電極の給電端から開放端までの電気的な長さ(電気長)を、予め定められた設定の基本共振周波数を得ることができる電気長とし、また、給電端と開放端との間の容量は、予め定められた設定の高次共振周波数を得ることができる大きさとすることによって、基本共振周波数と、高次共振周波数とを独立的に調整することができる。これにより、給電放射電極の基本共振周波数と高次共振周波数の両方の共振周波数をそれぞれ予め定められた設定の周波数とすることが容易となる。
また、給電放射電極は、給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有しているので、給電放射電極の大きさを大きくすることなく、給電放射電極の電気長を長くすることができる。これにより、基体の小型化、つまり、アンテナ構造の小型化を図ることができる。
第1実施例のアンテナ構造を模式的に表した斜視図である。 図1aのアンテナ構造の模式的な分解図である。 第1実施例のアンテナ構造のリターンロス特性の一例を説明するためのグラフである。 第1実施例のアンテナ構造を構成する給電放射電極の電圧分布を説明するためのグラフである。 給電放射電極とその電圧分布との関係例のイメージを表したモデル図である。 第1実施例のアンテナ構造に対する比較例のアンテナ構造を表したモデル図である。 図3aのアンテナ構造を構成する給電放射電極とその電圧分布との関係例のイメージを表したモデル図である。 本発明者が行った実験により得られた第1実施例のアンテナ構造のリターンロス特性を表したグラフである。 本発明者が行った実験により得られた図3aのアンテナ構造のリターンロス特性を表したグラフである。 本発明者の実験により得られた周波数750MHz〜1000MHzの第1実施例のアンテナ構造のリターンロス特性および最大利得の測定結果を示すグラフである。 本発明者の実験により得られた周波数750MHz〜1000MHzの図3aのアンテナ構造のリターンロス特性および最大利得の測定結果を示すグラフである。 本発明者の実験により得られた周波数1700MHz〜2200MHzの第1実施例のアンテナ構造のリターンロス特性および最大利得の測定結果を示すグラフである。 本発明者の実験により得られた周波数1700MHz〜2200MHzの図3aのアンテナ構造のリターンロス特性および最大利得の測定結果を示すグラフである。 容量装荷用手段のその他の形態例を説明するためのモデル図である。 容量装荷用手段の別のその他の形態例を説明するためのモデル図である。 さらに、容量装荷用手段の別のその他の形態例を説明するためのモデル図である。 さらに、容量装荷用手段の別のその他の形態例を説明するためのモデル図である。 さらにまた、容量装荷用手段の別のその他の形態例を説明するためのモデル図である。 第2実施例のアンテナ構造を構成するアンテナ部品の形態例を表したモデル図である。 第2実施例の特有な構成を持つアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 第2実施例の特有な構成を持つ別のアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 さらに、第2実施例の特有な構成を持つ別のアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 さらにまた、第2実施例の特有な構成を持つ別のアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 第3実施例のアンテナ構造を表したモデル図である。 図9aのアンテナ構造のリターンロス特性を表したグラフである。 第4実施例のアンテナ構造を表したモデル図である。 図10aのアンテナ構造のリターンロス特性を表したグラフである。 第5実施例の特有な構成を持つアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 第5実施例の特有な構成を持つ別のアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 第6実施例の特有な構成を持つアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 第6実施例の特有な構成を持つ別のアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 さらに、第6実施例の特有な構成を持つ別のアンテナ構造の一つを表したモデル図である。 アンテナ構造の一従来例を説明するための図である。 図13aのアンテナ構造のリターンロス特性例を説明するためのグラフである。 図13aのアンテナ構造を構成する給電放射電極の等価回路図である。
符号の説明
1 アンテナ構造
2 基体
3 回路基板
4 グランド電極
6 給電放射電極
7 無給電放射電極
8,26 スリット
10 無線通信用の回路
12,27 容量装荷用電極
15 グランド接地用導通経路
16 切り換え手段
23 容量装荷用コンデンサ部品
30 誘電体部材
P 給電放射電極の高次モード零電圧領域
U 無給電放射電極の高次モード零電圧領域
以下に、この発明に係る実施例を図面に基づいて説明する。
図1aには第1実施例のアンテナ構造が模式的な斜視図により示され、図1bには図1aのアンテナ構造の模式的な分解図が示されている。この第1実施例のアンテナ構造1は直方体状の基体2を有して構成されている。その基体2は誘電体により構成されており、回路基板3のグランド領域Zg(つまり、グランド電極4が形成されている領域)に搭載される。基体2を構成する誘電体としては、例えば、セラミックスや、樹脂や、樹脂材料にセラミックス粉を混合して誘電率を調整した誘電体材料等がある。なお、基体2は単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
この第1実施例では、基体2の上面には給電放射電極6と、無給電放射電極7とが間隙Sを介して隣接配置されている。給電放射電極6には、当該電極6の端縁から切り込み形成されたL字形状のスリット8が設けられている。スリット8の切り込み開口端側の給電放射電極6の端縁側は、スリット8を間にしてその一方側Qは給電端と成し、他方側Kは開放端と成している。このように、給電放射電極6では、給電端Qと開放端Kがスリット8を介して隣接配置されているために、それら給電端Qと開放端Kとの間の電流経路はスリット8を迂回して給電端Qと開放端Kを結ぶループ状となっている。このように給電放射電極6にスリット8を形成して給電放射電極6の電流経路をループ状とすることによって、給電放射電極6の大きさを大型化することなく、給電放射電極6の電気長を長くすることができる。また、線状の電極によってループ状の給電放射電極を形成する場合に比べて、給電放射電極6の電極面積を広くすることができる。この電極面積の拡大によって給電放射電極6の電流損失を抑制することができるし、給電放射電極6の周波数帯域の広帯域化を図ることができる。
回路基板3には無線通信用の回路(高周波回路)10が形成されている。また、回路基板3における基体2の搭載領域の表面には、無線通信用の回路10に電気的に接続されている給電用の電極ランド11がグランド電極4と間隔を介して電気的に絶縁された状態で設けられている。基体2の側面には、給電放射電極6の給電端Qと回路基板3の給電用の電極ランド11との間を電気的に接続させるための給電電極(図示せず)が形成されている。給電放射電極6の給電端Qはその給電電極と給電用の電極ランド11を介して回路基板3の無線通信用の回路10に電気的に接続されている。給電放射電極6は、無線通信用の回路10に電気的に接続されてアンテナ動作を行う放射電極として機能する。
この第1実施例では、給電放射電極6は、互いに異なる複数の共振周波数帯でもってアンテナ動作を行うものである。ここでは、給電放射電極6が持つ複数の共振周波数帯のうちの最も低い共振周波数帯を基本共振周波数帯と記し、基本共振周波数帯のアンテナ動作モードを基本モードと記す。また、基本共振周波数帯よりも高い共振周波数帯を高次共振周波数帯と記し、高次共振周波数帯のアンテナ動作を高次モードと記す。図2aには、給電放射電極6の基本モードと高次モードのそれぞれにおける電圧分布がグラフにより示されている。また、図2bには、給電放射電極6における基本モードと高次モードの各電圧分布の位置を分かり易くするためのイメージ図が示されている。図2aや図2bに示されるように、この第1実施例では、高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる給電放射電極6の領域(高次モード零電圧領域)は、スリット8の切り込み終端の形成領域(換言すれば、電流経路のスリット迂回の折り返し領域)Pとなっている。
基体2の側面には、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに容量を装荷するための容量装荷手段である容量装荷用電極12が形成されている。また、回路基板3の表面には、その容量装荷用電極12に電気的に接続される電極ランド13がグランド電極4と間隔を介し電気的に絶縁された状態で形成されている。さらに、回路基板3にはグランド接地用導通経路15が形成されている。このグランド接地用導通経路15の一端側は電極ランド13に電気的に接続され、他端側はグランド電極4に電気的に接続されている。つまり、グランド接地用導通経路15は、容量装荷用電極12を電極ランド13を介してグランド電極4に接地させるための導通路である。このグランド接地用導通経路15には、当該導通経路15の導通オン・オフを切り換えるための切り換え手段16が設けられている。
切り換え手段16がオン状態である場合には、容量装荷用電極12はグランド電極4に接地される。これにより、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pと容量装荷用電極12との間には容量が形成されて、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pには、グランドとの間の容量が装荷される。これに対して、切り換え手段16がオフ状態である場合には、容量装荷用電極12はグランド電極4と電気的に切り離され電気的に浮いた状態となる。このために、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pと容量装荷用電極12との間に容量は形成されず、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pには、容量装荷用電極12によるグランドとの間の容量は装荷されない。
無給電放射電極7は、その一端側Mが開放端と成し、他端側Nがショート端と成している。基体2の側面には無給電放射電極7のショート端側をグランド電極4に電気的に接続させるための接地用電極(図示せず)が形成されている。この第1実施例では、無給電放射電極7は、給電放射電極6と電磁結合して給電放射電極6と共にアンテナ動作し給電放射電極6の高次共振周波数帯で複共振状態を作り出すように設計されている。
この第1実施例のアンテナ構造1は上記のように構成されている。このアンテナ構造1は、次に示すように給電放射電極6の基本共振周波数帯の基本共振周波数を切り換えることができる。例えば、切り換え手段16がオフ状態であるときに、給電放射電極6の基本共振周波数が例えば図1cに示す周波数Fb6であり、給電放射電極6の高次共振周波数が例えば周波数Fh6であり、無給電放射電極7の共振周波数がFb7であり、給電放射電極6と無給電放射電極7の各共振動作によって図1cの実線αに示されるようなリターンロス特性をアンテナ構造1が有しているとする。これに対して、切り換え手段16がオン状態に切り換わると、容量装荷用電極12によるグランドとの間の容量が給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷される。これにより、図1cの鎖線βに示されるように、給電放射電極6の高次共振周波数および無給電放射電極7の共振周波数は変動せずに、給電放射電極6の基本共振周波数だけが低くなる方向に変動して給電放射電極6の基本共振周波数は例えば周波数Fb6’に切り換わる。
切り換え手段16がオフ状態からオン状態に切り換わったときの給電放射電極6の基本共振周波数の切り換え変動幅は、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pと容量装荷用電極12との間の容量(つまり、容量装荷用電極12によって給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷されるグランドとの間の容量)の大きさに応じたものとなる。このため、この第1実施例では、切り換え手段16がオン状態となったときの給電放射電極6の基本共振周波数が予め定められた設定の周波数となるための容量が給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pと容量装荷用電極12との間に形成されるように、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pと容量装荷用電極12との間の間隔や、容量装荷用電極12の電極幅等が設計されている。
上記のように給電放射電極6の基本共振周波数帯を切り換えることができることによって、次に示すような効果を得ることができる。例えば、無線通信システムAでは図1cに示す周波数帯域Aを利用して無線通信を行い、別の無線通信システムBでは周波数帯域Bを利用して無線通信を行うものとする。この場合には、切り換え手段16をオン状態とすることにより、給電放射電極6の基本共振周波数帯は無線通信システムA用の周波数帯域Aに対応したものとなる。また、切り換え手段16をオフ状態とすることにより、給電放射電極6の基本共振周波数帯は無線通信システムB用の周波数帯域Bに対応するものとなる。つまり、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷用電極12による容量装荷のオン・オフが無い構成である場合には、給電放射電極6の基本共振周波数帯は、周波数帯域Aと周波数帯域Bとのうちの何れか一方のみにしか対応することができない。これに対して、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷用電極12による容量装荷のオン・オフを切り換え制御可能な構成を備えることによって、給電放射電極6の基本共振周波数帯は、周波数帯域Aと周波数帯域Bの両方共に対応することができる。すなわち、給電放射電極6の基本周波数帯の広帯域化を図ることができる。
また、この第1実施例では、容量装荷用電極12による容量は給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷するので、給電放射電極6の高次モードと無給電放射電極7とによる複共振状態は、切り換え手段16のオン・オフの影響を受けない。このため、次に示すような問題の発生を回避することができる。例えば、無線通信システムCでは図1cに示す周波数帯域Cを利用して無線通信を行い、また別の無線通信システムDでは周波数帯域Dを利用して無線通信を行い、さらにまた別の無線通信システムEでは周波数帯域Eを利用して無線通信を行うものとする。この場合に、給電放射電極6の高次モードと無給電放射電極7とによる複共振状態により給電放射電極6の高次共振周波数帯の広帯域化が図られて当該給電放射電極6の高次共振周波数帯は、切り換え手段16のオフ状態で、周波数帯域C,D,Eの全てに対応することが可能になっているとする。この場合に、切り換え手段16がオフ状態からオン状態に切り換わって給電放射電極6の高次共振周波数Fh6が低くなる方向(つまり、無給電放射電極7の共振周波数に近付く方向)に変動してしまうと、給電放射電極6の高次共振周波数帯は、切り換え手段16のオフ状態のときよりも狭くなってしまう。このため、例えば、給電放射電極6の高次共振周波数帯は周波数帯域Eに対応することができなくなってしまうという問題が発生する。これに対して、この発明では、切り換え手段16のオン・オフ状態が切り換わっても給電放射電極6の高次共振周波数帯は変動しないので、上記したような問題の発生を回避することができる。
容量装荷用電極12による容量を装荷する給電放射電極6の部位を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pとすることによって、給電放射電極6の高次共振周波数を変動させずに基本共振周波数を切り換えることができることは次に示すような理由による。つまり、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pは、高次モードで電圧が零あるいはその近傍であることから、切り換え手段16がオン状態となって容量装荷用電極12と給電放射電極6との間に容量が形成されても、給電放射電極6の高次モードでは、その容量は給電放射電極6に装荷されない状態と等価になる。このため、切り換え手段16のオン・オフ状態が切り換わっても給電放射電極6の高次共振周波数は変動せず、給電放射電極6の高次モードと無給電放射電極7とによる複共振状態の給電放射電極6の高次共振周波数帯の変動が抑制される。これに対して、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pは、図2aや図2bに示されるように、基本モードでは容量装荷用電極12による容量装荷の影響を受ける程度の電圧となる領域である。このため、容量装荷用電極12による容量装荷のオン・オフによって給電放射電極6の基本共振周波数を切り換えることができる。
すなわち、容量装荷用電極12による容量を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷可能な構成を備えると共に、その容量装荷のオン・オフを切り換える構成を備えることによって、給電放射電極6の高次共振周波数帯を変動させずに、給電放射電極6の基本共振周波数帯を切り換えることができるという効果を得ることができる。このことは、本発明者の実験により確認されている。その実験では、この第1実施例のアンテナ構造1の構成を持つサンプルAを用意すると共に、図3aに示されるような比較例としてのサンプルBを用意した。サンプルBの構成では、容量装荷用電極12によってグランドとの間の容量が装荷される給電放射電極6の部位は、図3bに示される領域Jである。領域Jは、高次モード零電圧領域Pからずれた領域である。この構成以外のサンプルBの構成は、サンプルA(つまり、第1実施例のアンテナ構造1)と同様である。本発明者の実験では、サンプルA,Bのそれぞれについて、切り換え手段16のオン状態とオフ状態のそれぞれの状態のときのリターンロス特性および最大利得をそれぞれ測定(シミュレーション)した。図4aにはサンプルAのリターンロス特性の測定結果が、また、図4bにはサンプルBのリターンロス特性の測定結果が、それぞれ、示されている。図4aおよび図4bでは、実線Aは切り換え手段16がオフ状態のときの測定結果を表し、鎖線Bは切り換え手段16がオン状態のときの測定結果を表している。また、図5aには750MHz〜1000MHzの周波数範囲におけるサンプルAのリターンロス特性および最大利得の測定結果が、また、図5bには750MHz〜1000MHzの周波数範囲におけるサンプルBのリターンロス特性および最大利得の測定結果が、それぞれ、示されている。さらに、図6aには1700MHz〜2200MHzの周波数範囲におけるサンプルAのリターンロス特性および最大利得の測定結果が、図6bには1700MHz〜2200MHzの周波数範囲におけるサンプルBのリターンロス特性および最大利得の測定結果が、それぞれ、示されている。図5a、図5b、図6a、図6bでは、実線Aは切り換え手段16がオフ状態のときのリターンロス特性の測定結果を表し、鎖線Bが切り換え手段16がオン状態のときのリターンロス特性の測定結果を表し、実線aは切り換え手段16がオフ状態のときの最大利得の測定結果を表し、鎖線Bが切り換え手段16がオン状態のときの最大利得の測定結果を表している。
図4a〜図6bのグラフに示されている測定結果に表されているように、サンプルA,Bの何れも、切り換え手段16のオン・オフの切り換えによって(つまり、容量装荷用電極12によるグランドとの間の容量の装荷のオン・オフの切り換えによって)、給電放射電極6の基本共振周波数は切り換わっている。また、無給電放射電極7の共振周波数は変動していない。これに対して、容量装荷のオン・オフの切り換えによって、サンプルAでは、給電放射電極6の高次共振周波数は変動していないのに、サンプルBでは、給電放射電極6の高次共振周波数は切り換わっている。サンプルBでは、その給電放射電極6の高次共振周波数の変動によって、給電放射電極6の高次モードと無給電放射電極7とによる複共振状態の給電放射電極6の高次共振周波数帯の帯域幅が変動してしまっている。
すなわち、この実験により、容量装荷用電極12によってグランドとの間の容量を装荷する領域を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pとし、その高次モード零電圧領域Pへの容量装荷のオン・オフの切り換えを行うことによって、給電放射電極6の高次共振周波数帯を変動させることなく、給電放射電極6の基本共振周波数を切り換えることができることを確認した。換言すれば、容量装荷用電極12によってグランドとの間の容量を装荷する領域を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pとしなければ、容量装荷のオン・オフの切り換えを行ったときに、給電放射電極6の高次共振周波数帯を変動させてしまうことが実験からも分かる。
なお、図1aおよび図1bに示される例では、容量装荷手段は容量装荷用電極12により構成されていたが、例えば、図7aに示されるような延伸電極17および容量装荷用電極12によって容量装荷手段が構成されていてもよい。延伸電極17は、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pから基体2の側面の容量装荷用電極12に向けて伸張形成され容量装荷用電極12との間に容量を形成するための電極である。当該延伸電極17と容量装荷用電極12との間の容量がグランドとの間の容量として給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷される。
また、図1aおよび図1bに示される例では、容量装荷用電極12は基体2の底面の端縁部から基体2の側面に伸張形成される態様であったが、図7bに示されるように、容量装荷用電極12の上端側をさらに伸長形成して基体2の上面に回り込み形成され給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pとの間に容量を形成する態様であってもよい。さらに、図1aおよび図1bに示される例では、容量装荷用電極12は基体2に形成されていたが、例えば、容量装荷用電極12は回路基板に形成されていてもよい。この場合には、例えば、図7cに示されるように、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pから基体2の側面を通って基体2の底面に伸張形成された延伸電極18を形成する。また、回路基板には、延伸電極18に電気的に接続される電極ランド19をグランド電極4と電気的に絶縁された状態で形成する。そして、電極ランド19との間に容量が形成されるように容量装荷用電極12を回路基板に形成する。この場合には、延伸電極18と電極ランド19と容量装荷用電極12によって容量装荷手段が構成され、電極ランド19と容量装荷用電極12との間の容量が給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷される。
さらに、図1aおよび図1bに示される例では、容量装荷用電極12は、基体2の底面の端縁部から基体2の側面に伸張形成されていたが、例えば、図7dに示されるように、容量装荷用電極12の少なくとも一部を基体2の内部に形成してもよい。そのように容量装荷用電極12の少なくとも一部が基体2の内部に形成されている構成を備えることによって、給電放射電極6に対向する容量装荷用電極12の電極面積を拡大することが容易となる。これにより、給電放射電極6と、容量装荷用電極12との間の容量(つまり、給電放射電極6に装荷するグランド電極4との間の容量)を大きくすることが容易となる。このため、容量装荷用電極12によって給電放射電極6に装荷するグランド電極4との間の容量の可変調整範囲が拡大する。つまり、切り換え手段16をオフ状態からオン状態に切り換えたときの給電放射電極6の基本共振周波数の変動幅の可変範囲を広げることができる。また、容量装荷用電極12の形成位置についても自由度が広がる。これにより、様々な周波数帯域のニーズに応えることがより容易になるという効果を得ることができる。
さらに、図1aおよび図1bに示される例では、容量装荷手段は容量装荷用電極12により構成されていたが、例えば、容量装荷手段は容量装荷用コンデンサ部品により構成されていてもよい。その容量装荷用コンデンサ部品が基体2に設けられる場合には、例えば、図7eに示されるように、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pから基体2の側面に延伸電極20が伸張形成されると共に、基体2の底面側から延伸電極20に向けて伸張形成された電極21が延伸電極20と間隔を介して形成される。電極21は、回路基板に形成された電極ランド22を介してグランド接地用導通経路15に電気的に接続されている。容量装荷用コンデンサ部品23は延伸電極20と電極21との間を掛け渡して配設される。その容量装荷用コンデンサ部品23の容量が給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pとグランドとの間の容量として給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷される。なお、容量装荷用コンデンサ部品23は、予め定められた固定の容量を有するものであってもよいし、容量の大きさを可変調整することが可能な可変容量コンデンサ部品であってもよい。また、可変容量コンデンサ部品を容量装荷用コンデンサ部品23として設ける場合には、可変容量コンデンサ部品の容量を設定するための電圧印加手段が設けられることとなる。
上記のように容量装荷手段が容量装荷用コンデンサ部品23により構成されることにより、次に示すような効果を得ることができる。つまり、切り換え手段16をオフ状態からオン状態に切り換えたときの給電放射電極6の基本共振周波数の変動幅は、容量装荷手段により装荷される給電放射電極6とグランド電極4との間の容量に応じたものとなる。このため、容量装荷手段を容量装荷用コンデンサ部品23、特に、容量を連続的に可変することができる可変容量コンデンサ部品により構成することによって、切り換え手段16をオフ状態からオン状態に切り換えたときの給電放射電極6の基本共振周波数の変動幅を予め定められた変動幅に精度良く調整することが容易となる。このため、よりニーズにあった周波数特性を持つアンテナ構造1および無線通信装置を提供することが容易となる。
また、容量装荷手段を容量装荷用電極12により構成する場合には例えば大きさや形成領域の規制等によって容量装荷用電極12により給電放射電極6に装荷できる容量の大きさが限られてしまう。これに対して、容量装荷手段を容量装荷用コンデンサ部品23により構成することにより、容量装荷手段を容量装荷用電極12により構成する場合に比べて、容量装荷手段により給電放射電極6に装荷するグランド電極4との間の容量を大きくすることができる。これにより、切り換え手段16をオフ状態からオン状態に切り換えたときの給電放射電極6の基本共振周波数の変動幅の可変範囲を広げることができる。これにより、様々な周波数帯域のニーズに応えることがより容易になるという効果を得ることができる。なお、容量装荷手段を容量装荷用電極12により構成する場合には、上記のような容量装荷用コンデンサ部品23を設けなくとも済むので部品点数の増加を抑制することができたり、構造の複雑化を防止することができるという効果を得ることができる。
以下に、第2実施例を説明する。なお、この第2実施例の説明において、第1実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第2実施例では、図8aに示されるように、基体2には複数(図8aの例では2個)の容量装荷用電極12(12a,12b)が設けられている。このように、基体2に複数の容量装荷用電極12を形成しておくことにより、その複数の容量装荷用電極12と給電放射電極6と無給電放射電極7等が形成されている基体2(以下、このような基体2をアンテナ部品と呼ぶ)を用いて複数種のアンテナ構造1を構成することができる。なお、複数の容量装荷用電極12は、それぞれ、互いに異なる容量を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷できるように形成されていてもよいし、全ての容量装荷用電極12が同じ容量を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷できるように形成されていてもよく、適宜設定される。
図8aに示されるアンテナ部品を用いたアンテナ構造1の構成例を以下に述べる。例えば、容量装荷オン状態の給電放射電極6の基本共振周波数が予め設定された周波数となるためにアンテナ部品の複数の容量装荷用電極12のうちの何れか一つの容量装荷用電極12を用いるだけで済む場合には、図8bに示されるように、その必要な容量装荷用電極12のみが、切り換え手段16を介してグランド接地用導通経路15によってグランド電極4に電気的に接続されている構成とする。なお、このアンテナ構造1の構成では、使用しない容量装荷用電極12がある。この不使用の容量装荷用電極12(図8bの例では容量装荷用電極12(12b))は、図8bに示されるように電気的に浮いた状態となっていてもよいし、図8dに示されるように、不使用の容量装荷用電極12(12b)から電極ランド13(13b)側を見たときに電気的に予め定めた何らかのインピーダンスを持つ負荷25が不使用の容量装荷用電極12(12b)に接続されている構成としてもよい。
以下に図8aのアンテナ部品を用いたアンテナ構造1の別の構成例を挙げる。例えば、容量装荷オン状態のときの給電放射電極6の基本共振周波数が予め設定された周波数となるためにアンテナ部品1の複数の容量装荷用電極12が必要である場合には、図8cに示されるように、必要な複数の容量装荷用電極12が、共通の切り換え手段16を介しグランド接地用導通経路15によってグランド電極4に接続されている構成とする。又は、図8eに示されるように、各容量装荷用電極12は、それぞれ、個別に対応する切り換え手段16を介してグランド接地用導通経路15によってグランド電極4に電気的に接続されている構成としてもよい。この場合には、容量装荷に必要な複数の容量装荷用電極12に対応する全ての切り換え手段16を同時にオン・オフ切り換え制御することになる。
ところで、図8eのアンテナ構造1の例では、アンテナ部品の各容量装荷用電極12は、それぞれ、個別に対応する切り換え手段16を介してグランド接地用導通経路15によりグランド電極4に接地されている構成と成している。このように複数の容量装荷用電極12が、それぞれ、個別に対応する切り換え手段16を介してグランド接地用導通経路15によりグランド電極4に接続されている構成の場合には、複数の切り換え手段16のうちの予め選択された何れか一つをオン・オフ切り換え制御する場合と、全ての切り換え手段16を同時にオン・オフ切り換え制御する場合と、予め選択された複数の切り換え手段16をオン・オフ切り換え制御する場合(組み合わせによっては多段階の制御を含む)とが考えられる。つまり、オン・オフ切り換え動作を行う切り換え手段16の選択や、使用する切り換え手段16の数や組み合わせ等によって容量装荷手段により給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷するグランド電極4との間の容量の大きさを可変調整することができ、これにより、同じアンテナ構造1であっても、容量装荷オン状態のときの給電放射電極6の基本共振周波数を可変することができる。このため、アンテナ部品の複数の容量装荷用電極12がそれぞれ個別に対応する切り換え手段16を介してグランド電極4に接続されている構成を持つアンテナ構造1は、複数種の無線通信装置に組み込み可能なものと成すことができる。
なお、図8a〜図8eの例では、容量装荷用電極12は2個形成されていたが、もちろん、容量装荷用電極12の形成数は複数であれば数に限定されるものではなく、必要に応じた3個以上の容量装荷用電極12を形成してもよいものである。また、容量装荷用電極12の形態は図8a等の形態に限定されるものではなく、例えば、複数の容量装荷用電極12のうちの少なくとも一つは、例えば図7bや図7dに示されるような形態と成していてもよい。また、複数の容量装荷用電極12のうちの少なくとも一つは、例えば図7aに示されるように、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pから伸張形成された延伸電極17との間に容量を形成し当該容量をグランドとの間の容量として給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷する構成としてもよい。さらに、この第2実施例では、容量装荷手段として容量装荷用電極12が設けられている例を示したが、例えば、図7eに示されるように、容量装荷手段として容量装荷用コンデンサ部品23を基体2に複数設ける構成としてもよい。この場合にも、その複数の容量装荷用コンデンサ部品23が設けられているアンテナ部品を用いて複数種のアンテナ構造1を得ることができる。
この第2実施例では、容量装荷手段が基体2に複数設けられ、複数の容量装荷手段のうちの少なくとも一つが切り換え手段16を介してグランド接地用導通経路15によりグランド電極4に電気的に接続されている構成を備えることによって、次に示す理由によりアンテナ構造1の低コスト化を図ることができる。つまり、アンテナ構造1が組み込まれる無線通信装置の種類や機種等の違いによって、容量装荷オフ状態から容量装荷オン状態に切り換えたときの給電放射電極6の基本共振周波数の要求される変動幅が異なる。このため、その要求の変動幅を得るためのグランド電極4との間の容量を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷するための容量装荷手段を、給電放射電極6と共に基体2に設けて成るアンテナ部品を無線通信装置の種類や機種毎に作製することが考えられる。しかしながら、この場合には、無線通信装置の種類や機種毎のアンテナ部品を作製しなければならず、多数種のアンテナ部品が必要となる。これに対して、互いに異なる容量を給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷する複数の容量装荷手段をアンテナ部品に設けておき、容量装荷オフ状態と容量装荷オン状態の切り換えによる給電放射電極6の基本共振周波数の予め定められた設定の変動幅に応じた容量装荷手段を切り換え手段16を介してグランド接地用導通経路15により回路基板3のグランド電極4に接続する構成とすることによって、同種のアンテナ部品を複数種の無線通信装置に設けることができる。つまり、アンテナ部品の共通化を図ることができる。これにより、アンテナ構造1およびそれを設けた無線通信装置の低コスト化を図ることができる。
以下に、第3実施例を説明する。なお、この第3実施例の説明において、第1と第2の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第3実施例では、第1又は第2の実施例の構成に加えて、無給電放射電極7が、ループ状の電流経路を持つ形態を有している。例えば、図9aの例では、無給電放射電極7には、当該電極7の端縁から切り込み形成されたスリット26が形成されている。そのスリット26の切り込み開口端側の電極端縁側は、スリット26を間にしてその一方側Nはグランド電極4に電気的に接続されるショート端と成し、他端側Mは開放端と成している。そのショート端Nと開放端M間の電流経路は、スリット26を迂回して給電端Nと開放端Mを結ぶループ状経路と成している。
この第3実施例では、無給電放射電極7は複数の互いに異なる共振周波数帯でアンテナ動作を行う構成と成している。無給電放射電極7の複数の共振周波数帯のうちで最も周波数の低い基本共振周波数帯の基本共振周波数Fb7は、例えば給電放射電極6の基本共振周波数Fb6の近傍の周波数と成し、無給電放射電極7の基本共振周波数帯のアンテナ動作(基本モード)は、例えば図9bの実線αに示されるように、給電放射電極6の基本モードと共に複共振状態を作り出す構成となっている。また、無給電放射電極7の基本共振周波数帯よりも高い高次共振周波数帯の高次共振周波数Fh7は、給電放射電極6の高次共振周波数Fh6に近い周波数と成し、無給電放射電極7の高次共振周波数帯のアンテナ動作(高次モード)は、給電放射電極6の高次モードと共に複共振状態を作り出す構成となっている。このように、無給電放射電極7により給電放射電極6の基本共振周波数帯と高次共振周波数帯の両方で複共振状態が作り出されることによって、複共振状態によって、給電放射電極6の高次共振周波数帯だけでなく、基本共振周波数帯の広帯域化をも図ることができる。
このような構成を備える場合においても、この第3実施例では、第1や第2の各実施例と同様に、容量装荷手段(図9aの例では容量装荷用電極12)による給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷のオン・オフを切り換えることができる構成を備えている。このため、例えば、切り換え手段16がオフ状態で容量装荷手段による給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷がオフである場合に、例えば図9bの実線αに示されるように給電放射電極6の基本共振周波数が周波数Fb6であるとする。これに対して、切り換え手段16をオン状態に切り換えて容量装荷手段による給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷がオンになると、図9bの鎖線βに示されるように、給電放射電極6の基本共振周波数は周波数Fb6’に切り換わる。このように、給電放射電極6の基本共振周波数の切り換えが行われても、前述したように容量装荷手段による容量は給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに装荷されるので、図9bの実線αと鎖線βの比較からも分かるように、給電放射電極6の高次共振周波数帯は変動しない。
この第3実施例では、無給電放射電極7により給電放射電極6の基本共振周波数帯と高次共振周波数帯との両方で複共振状態が作り出される構成とした。このため、給電放射電極6の基本共振周波数の切り換えによる給電放射電極6の基本周波数帯の広帯域化だけでなく、無給電放射電極7による複共振状態によっても給電放射電極6の基本周波数帯の広帯域化を図ることができる。これにより、給電放射電極6の基本周波数帯のより一層の広帯域化を図ることができる。
また、この第3実施例では、無給電放射電極7が、給電放射電極6と同様に、その電流経路がループ状となる態様を有している。このため、給電放射電極6と同様に、無給電放射電極7の基本共振周波数と高次共振周波数をそれぞれほぼ独立的に調整することができる。これにより、無給電放射電極7の基本共振周波数と高次共振周波数をそれぞれ予め定められた設定の周波数に調整することが容易となる。また、無給電放射電極7も給電放射電極6と同様に電極7にスリット26を形成して電流経路をループ状としているので、大型化することなく無給電放射電極7の電気長を長くすることができるという効果や、周波数帯域の広帯域化を図ることができるという効果を得ることができる。
なお、図9aの例では、容量装荷手段は図1aに示されるような容量装荷用電極12であったが、もちろん、容量装荷手段は、前述したような、例えば図7a〜図7eに示される構成や、第2実施例で述べた構成等の他の構成をも採り得るものである。
以下に、第4実施例を説明する。なお、この第4実施例の説明では、第1〜第3の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第4実施例では、第3実施例の構成に加えて、無給電放射電極7の高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる無給電放射電極7の領域(高次モード零電圧領域)に容量を装荷するための容量装荷手段が設けられている。例えば、図10aの例では、無給電放射電極7は、そのショート端Nと開放端Mとの間の電流経路が、ショート端Nと開放端Mをスリット26を迂回して結ぶループ状経路となる形態を有している。この無給電放射電極7の電流経路の迂回の折り返し領域Uが高次モード零電圧領域となっている。基体2には、その無給電放射電極7の高次モード零電圧領域Uに容量を装荷するための無給電側の容量装荷手段である容量装荷用電極27が形成されている。また、回路基板3には、容量装荷用電極27に電気的に接続される電極ランド28がグランド電極4と間隔を介して形成されている。その電極ランド28と、給電放射電極6側の電極ランド13とは、共通の切り換え手段16とグランド接地用導通経路15を介してグランド電極4に電気的に接続されている。
例えば、切り換え手段16がオフ状態の場合には、容量装荷用電極12による給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷はオフである。また、容量装荷用電極27による無給電放射電極7の高次モード零電圧領域Uへの容量装荷もオフである。この場合、例えば、給電放射電極6の基本共振周波数は図10bに示す周波数Fb6であり、また、無給電放射電極7の基本共振周波数は周波数Fb7であり、図10bの実線αに示されるように、無給電放射電極7の基本モードと給電放射電極6の基本モードとによって給電放射電極6の基本共振周波数帯で複共振状態が作り出される。これに対して、切り換え手段16がオン状態に切り換わると、容量装荷用電極12による給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pへの容量装荷はオンとなり、また、容量装荷用電極27による無給電放射電極7の高次モード零電圧領域Uへの容量装荷もオンとなる。これにより、給電放射電極6の基本共振周波数は周波数Fb6’に切り換わり、また、無給電放射電極7の基本共振周波数は周波数に b7 に切り換わる。これにより、給電放射電極6の基本モードと無給電放射電極7の基本モードによる複共振状態の給電放射電極6の基本共振周波数帯は図10bの鎖線βに示されるように切り換わる。
なお、図10aの例では、給電放射電極6側の容量装荷手段は、図1aの例と同様の容量装荷用電極12により構成されていたが、給電放射電極6側の容量装荷手段は、前述したような、例えば図7a〜図7eに示される構成や、第2実施例で述べた構成等の他の構成を採用してもよい。また、無給電放射電極7側の容量装荷手段に関しても、上記同様な様々な構成を採用してよいものである。
また、図10aの例では、容量装荷用電極12,27は、それぞれ、共通の切り換え手段16とグランド接地用導通経路15を介してグランド電極4に電気的に接続される構成であったが、容量装荷用電極12,27は、それぞれ、個別に対応する切り換え手段16とグランド接地用導通経路15を介してグランド電極4に電気的に接続される構成としてもよい。
この第4実施例では、無給電放射電極7にもその高次モード零電圧領域に容量を装荷するための容量装荷手段(容量装荷用電極27)を設けたので、給電放射電極6と同様に、無給電放射電極7の高次共振周波数を変動させることなく無給電放射電極7の基本共振周波数を切り換えることができる。このため、給電放射電極6および無給電放射電極7の基本共振周波数の切り換えによって、基本共振周波数帯のより一層の広帯域化を図ることができる。
以下に、第5実施例を説明する。なお、この第5実施例の説明において、第1〜第4の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
ところで、アンテナ構造1において、容量装荷手段の形成可能な位置が、例えば回路基板3の配線構成等に起因して制限されてしまう場合がある。この場合には、その容量装荷手段の形成可能な位置と、容量装荷手段が給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pに容量を装荷することができる位置とがずれてしまう虞がある。この第5実施例では、そのような事態を回避できる構成を備えている。すなわち、この第5実施例では、第1〜第4の各実施例の構成に加えて、次に示すような構成を有している。
つまり、給電放射電極6は誘電体の基体2上に形成されているために、給電放射電極6における電圧分布は基体2の誘電率の影響を受ける。このため、基体2の誘電率を調整することによって給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pの位置を調整することができる。このことを利用して第5実施例のアンテナ構造1は例えば次に示すように設計されている。例えば、容量装荷手段の形成位置の制限条件等に基づいて容量装荷手段の形成位置が定まる。その容量装荷手段により容量が装荷される給電放射電極6の領域が高次モード零電圧領域Pの配置位置として設定される。その設定の位置に給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pが配設されるように基体2の誘電率が求められる。当該求めた誘電率を持つ誘電体により基体2が形成される。
例えば、第1〜第4の各実施例の説明で使用した図面のアンテナ構造1の例では、容量装荷用電極12の形成位置は、基体2の角部であったが、上記のような基体2の誘電率の調整により、例えば図11aに示されるように、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pの設定の配置位置に応じて、容量装荷用電極12の形成位置は基体2の側面の中央寄りの位置とすることができる。
なお、上記例では、基体2の全体が同じ誘電体により構成されていたが、給電放射電極6の高次モードの電圧分布は、特に、給電放射電極6の開放端形成領域の誘電率の影響を受け易い。このことから、例えば、給電放射電極6の開放端形成領域となる基体部分のみが、部分的に、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pを設定位置に配置するための誘電率を持つ誘電体により形成されている構成としてもよい。また、例えば、図11bに示されるように、給電放射電極6の高次モード零電圧領域Pを設定位置に配置するための誘電率を持つ誘電体部材30を、給電放射電極6の開放端形成領域となる基体部分に設けてもよい。
なお、図11aと図11bの例では、給電放射電極6側の容量装荷手段として容量装荷用電極12が設けられている例を示したが、もちろん、給電放射電極6側の容量装荷手段として、第1〜第4の各実施例で前述したような他の構成のものを設けてもよいものである。また、第4実施例と同様に、無給電側の容量装荷手段を設けてもよい。例えば、そのように無給電側の容量装荷手段が設けられ、さらに、無給電放射電極7の高次モード零電圧領域Uの形成位置を調整したい場合には、給電放射電極6と同様に、無給電放射電極7の開放端形成領域となる基体部分のみが、部分的に、無給電放射電極7の高次モード零電圧領域Uを設定位置に配置するための誘電率を持つ誘電体により形成されている構成を備えてもよい。また、無給電放射電極7の高次モード零電圧領域Uを設定位置に配置するための誘電率を持つ誘電体部材を、無給電放射電極7の開放端形成領域となる基体部分に設けてもよい。
この第5実施例では、上記のように、基体2の誘電率を全体的に又は部分的に調整したり、給電放射電極6や無給電放射電極7の開放端形成領域に誘電体部材を設けて給電放射電極6や無給電放射電極7の高次モード零電圧領域P,Uの配置位置を調整する構成を備えている。このため、給電放射電極6や無給電放射電極7の容量装荷手段の形成位置が制限されてしまう場合であっても、容量装荷手段によって給電放射電極6や無給電放射電極7の高次モード零電圧領域P,Uに容量を装荷することができて、給電放射電極6や無給電放射電極7の基本共振周波数帯の切り換えを行うことができる。
以下に、第6実施例を説明する。なお、この第6実施例の説明において、第1〜第5の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
ところで、アンテナ構造1が組み込まれる無線通信装置の仕様によっては、給電放射電極6の基本共振周波数を切り換えなくとも給電放射電極6の基本共振周波数帯が予め定められた周波数帯域の条件を満たすことがある。このような場合には、給電放射電極6の基本共振周波数を切り換えなくとも済むので、第1〜第5の各実施例に示したようなアンテナ部品を持ち、かつ、切り換え手段16が省略されているアンテナ構造1を構築することができる。このことから、第6実施例のアンテナ構造1は、次に示すような構成を備えている。
つまり、この第6実施例では、図12a〜図12cに示されるように、基体2に設けられる容量装荷用電極12は、オプション用の容量装荷手段と成す。例えば、容量装荷オフ状態におけるアンテナ構造1が例えば図1cの実線αに示されるようなリターンロス特性を有する場合に、図1cに示される周波数帯B,C,D,Eの4つの周波数帯で無線通信が可能なアンテナ構造1が要求されている場合には、容量装荷用電極12による容量装荷をオン状態として周波数帯Aに対応させる必要がない。このことから、容量装荷用電極12を電気的にオープンな状態に固定してもよい。これにより、例えば、図12aに示されるように、容量装荷用電極12をグランド電極4に接地させるのではなく、例えば容量装荷用電極12からグランド電極4側を見たときに予め定められた何らかのインピーダンス(この場合にはオープンが望ましい)を持つ負荷32を容量装荷用電極12に接続させる。あるいは、例えば、図12bに示されるように、容量装荷用電極12からグランド電極4側を見たときに予め定められた何らかのインピーダンス(この場合にはオープンが望ましい)を持つ負荷部品33を容量装荷用電極12に接続させる。
さらに、例えば、図1cに示される周波数帯A,C,D,Eの4つの周波数帯で無線通信が可能なアンテナ構造1が要求されている場合には、容量装荷用電極12による容量装荷をオフ状態として周波数帯Bに対応させる必要がない。このことから、容量装荷用電極12を短絡状態に固定してもよい。これにより、例えば、容量装荷用電極12を図12cに示されるように直接的に回路基板3のグランド電極4に接続させて接地させる。
この第6実施例のアンテナ構造の構成では、切り換え手段16を省略することができるので、アンテナ構造の簡素化を図ることができる。なお、図12a〜図12cに示される容量装荷用電極12に代えて、オプション用の容量装荷手段として、例えば、図7aや図7bや図7dや図7eや図8aに示されるような他の構成の容量装荷手段を設けてもよい。また、オプション用の無給電側の容量装荷手段を設けてもよいものである。
この第6実施例では、基体2にはオプション用の容量装荷手段が設けられている構成とした。このため、アンテナ部品の共通化を図ることができる。つまり、オプション用の容量装荷手段が基体2に形成されて成るアンテナ部品は、給電放射電極6又は無給電放射電極7の高次モード零電圧領域P,Uにグランド電極4との間の容量の装荷が必要なアンテナ構造1にも、不必要なアンテナ構造1にも、さらに、容量装荷のオン・オフの切り換えが必要なアンテナ構造1にも設けることができる。このため、アンテナ部品の共通化を図ることができて、アンテナ構造1の低コスト化を図ることができる。
以下に、第7実施例を説明する。この第7実施例は無線通信装置に関するものである。この第7実施例の無線通信装置は、第1〜第6の各実施例に示したアンテナ構造1のうちの何れか一つのアンテナ構造1が設けられている。アンテナ構造以外の無線通信装置の構成には様々な構成があり、ここでは、そのアンテナ構造以外の無線通信装置構成は特に限定されるものではなく、適宜な構成が設けられている。
なお、この発明は第1〜第7の各実施例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得るものである。例えば、第1〜第7の各実施例では、給電放射電極6は、スリット8により電流経路がループ状となる形態を有していたが、例えば、帯状の電極によってループ状の電流経路を持つ給電放射電極6を設けてもよい。無給電放射電極7がループ状電流経路を持つ形態を有する場合にも同様である。
また、第1〜第7の各実施例では、給電放射電極6にはスリットが1本のみ形成されていたが、例えば、複数のスリットが並設され、給電放射電極6の電流経路は、給電端Qと開放端K間をそれらスリットの並設群を迂回して結ぶループ状の電流経路と成している構成であってもよく、スリットの形成数は限定されるものではない。また、スリットの形状も限定されるものではない。無給電放射電極7にスリットが形成される場合には、そのスリットに関しても同様である。
さらに、第1〜第7の各実施例では、基体2は直方体状であったが、基体2は、例えば円柱状や多角形状等の直方体状以外の形状であってもよい。さらに、第1〜第7の各実施例では、基体2には、給電放射電極6と無給電放射電極7がそれぞれ1つずつ設けられていたが、例えば、給電放射電極6と無給電放射電極7のうちの少なくとも一方側が基体2に複数設けられている構成としてもよい。
本発明は、例えば、使用する周波数帯が互いに異なる複数の無線通信システムに対応することが可能なアンテナ構造および無線通信装置に好適なものである。

Claims (15)

  1. 無線通信用の回路が形成されている回路基板のグランド領域に搭載されている基体を有し、基体には、無線通信用の回路に電気的に接続されて基本共振周波数帯と当該基本共振周波数帯の基本共振周波数の整数倍よりも低い高次共振周波数を持つ高次共振周波数帯との互いに異なる複数の共振周波数帯でアンテナ動作を行う給電放射電極が設けられていると共に、この給電放射電極と電磁結合する無給電放射電極が給電放射電極と間隔を介して設けられており、給電放射電極は、一端側が無線通信用の回路に電気的に接続される給電端と成し他端側が開放端と成している放射電極であり、この給電放射電極は、その給電端側と開放端側が間隔を介し隣接配置されて給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有しており、無給電放射電極は、給電放射電極との電磁結合により給電放射電極と共にアンテナ動作を行って少なくとも給電放射電極が持つ複数の共振周波数帯のうちの最も低い基本共振周波数帯よりも高い高次共振周波数帯で複共振状態を作り出す構成を有するアンテナ構造であって、
    高次共振周波数帯のアンテナ動作モードである高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷するための容量装荷手段と、
    回路基板のグランド領域に形成されているグランド電極と、容量装荷手段との間を電気的に接続するグランド接地用導通経路と、
    グランド接地用導通経路に介設され容量装荷手段と回路基板のグランド電極との間の導通オン・オフを切り換えて容量装荷手段による給電放射電極の高次モード零電圧領域への容量装荷のオン・オフを切り換え制御して給電放射電極の高次共振周波数を変動させずに給電放射電極の基本共振周波数帯の基本共振周波数を切り換える切り換え手段と、
    を有していることを特徴とするアンテナ構造。
  2. 給電放射電極には、当該電極の端縁から切り込み形成されたスリットが設けられ、そのスリットの切り込み開口端側の電極端縁側は、スリットを間にしてその一方側は給電端と成し他方側は開放端と成しており、給電放射電極の給電端と開放端間の電流経路は、スリットを迂回して給電端と開放端を結ぶループ状経路と成し、この電流経路の迂回の折り返し領域が給電放射電極の高次モード零電圧領域であり、容量装荷手段は電流経路の折り返し領域に容量を装荷することを特徴とする請求項1記載のアンテナ構造。
  3. 無給電放射電極は、互いに異なる複数の共振周波数帯でアンテナ動作を行う放射電極であり、無給電放射電極が持つ複数の共振周波数帯のうちの最も低い基本共振周波数帯のアンテナ動作は給電放射電極の基本共振周波数帯のアンテナ動作と共に複共振状態を作り出し、無給電放射電極の基本共振周波数帯よりも高い高次共振周波数帯のアンテナ動作は給電放射電極の高次共振周波数帯のアンテナ動作と共に複共振状態を作り出すことを特徴とする請求項1記載のアンテナ構造。
  4. 無給電放射電極は、一端側が回路基板のグランド電極に接地されるショート端と成し他端側が開放端と成している放射電極であり、この無給電放射電極は、そのショート端側と開放端側が間隔を介し隣接配置されてショート端と開放端との間の電流経路がループ状となる態様を有していることを特徴とする請求項3記載のアンテナ構造。
  5. 高次共振周波数帯のアンテナ動作モードである高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる無給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷するための無給電側の容量装荷手段と、
    無給電側の容量装荷手段と、回路基板のグランド電極との間を電気的に接続する無給電側のグランド接地用導通経路と、
    無給電側のグランド接地用導通経路に介設され無給電側の容量装荷手段と回路基板のグランド電極との間の導通オン・オフを切り換えて無給電側の容量装荷手段による無給電放射電極の高次モード零電圧領域への容量装荷のオン・オフを切り換え制御して無給電放射電極の基本共振周波数帯の基本共振周波数を切り換える切り換え手段と、
    を有していることを特徴とする請求項3記載のアンテナ構造。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載されている容量装荷手段、又は、請求項3乃至請求項5の何れか一つに記載されている無給電側の容量装荷手段は、給電放射電極あるいは無給電放射電極の高次モード零電圧領域との間に容量を形成するための容量装荷用電極と、容量装荷用コンデンサ部品との何れかにより構成されていることを特徴とするアンテナ構造。
  7. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載されている容量装荷手段、又は、請求項3乃至請求項5の何れか一つに記載されている無給電側の容量装荷手段は容量装荷用コンデンサ部品により構成されており、その容量装荷用コンデンサ部品は、給電放射電極あるいは無給電放射電極の高次モード零電圧領域に装荷する容量の大きさを可変調整可能な可変容量コンデンサ部品であることを特徴とするアンテナ構造。
  8. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載されている容量装荷手段、又は、請求項3乃至請求項5の何れか一つに記載されている無給電側の容量装荷手段は、給電放射電極あるいは無給電放射電極の高次モード零電圧領域との間に容量を形成するための容量装荷用電極により構成されており、その容量装荷用電極の少なくとも一部は基体の内部に埋設されていることを特徴とするアンテナ構造。
  9. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載されている容量装荷手段、又は、請求項3乃至請求項5の何れか一つに記載されている無給電側の容量装荷手段が基体に複数設けられており、それら容量装荷手段は、それぞれ、互いに異なる容量を給電放射電極あるいは無給電放射電極の高次モード零電圧領域に装荷するものであり、前記容量装荷手段のうちの何れか一つ、あるいは、前記無給電側の容量装荷手段のうちの何れか一つが、切り換え手段を介してグランド接地用導通経路により回路基板のグランド電極に電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ構造。
  10. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載されている容量装荷手段、又は、請求項3乃至請求項5の何れか一つに記載されている無給電側の容量装荷手段が基体に複数設けられ、各容量装荷手段は、それぞれ、個別に対応する切り換え手段を介してグランド接地用導通経路により回路基板のグランド電極に電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ構造。
  11. 基体は、高次モード零電圧領域の位置を予め定めた設定位置に調整するための誘電率を有する誘電体により構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のアンテナ構造。
  12. 給電放射電極開放端形成領域となる基体部分は、給電放射電極の高次モード零電圧領域の位置を予め定めた基体位置に配置させるための誘電率を持つ誘電体により構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のアンテナ構造。
  13. 給電放射電極開放端形成領域となる基体部分には、給電放射電極の高次モード零電圧領域の位置を予め定めた基体位置に配置させるための誘電率を持つ誘電体部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のアンテナ構造。
  14. 無線通信用の回路が形成されている回路基板のグランド領域に搭載されている基体を有し、基体には、無線通信用の回路に電気的に接続されて基本共振周波数帯と当該基本共振周波数帯の基本共振周波数の整数倍よりも低い高次共振周波数を持つ高次共振周波数帯との互いに異なる複数の共振周波数帯でアンテナ動作を行う給電放射電極が設けられていると共に、この給電放射電極と電磁結合する無給電放射電極が給電放射電極と間隔を介して設けられており、給電放射電極は、一端側が無線通信用の回路に電気的に接続される給電端と成し他端側が開放端と成している放射電極であり、この給電放射電極は、その給電端側と開放端側が間隔を介し隣接配置されて給電端と開放端間の電流経路がループ状となる形態を有しており、無給電放射電極は、給電放射電極との電磁結合により給電放射電極と共にアンテナ動作を行って少なくとも給電放射電極が持つ複数の共振周波数帯のうちの最も低い基本共振周波数帯よりも高い高次共振周波数帯で複共振状態を作り出す構成を有するアンテナ構造であって、
    基体には、高次共振周波数帯のアンテナ動作モードである高次モードで電圧が零あるいはその近傍となる給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷して給電放射電極の 高次共振周波数を変動させずに給電放射電極の基本共振周波数帯の基本共振周波数を切り換えるためのオプション用の容量装荷手段が形成されており、
    オプション用の容量装荷手段は、給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷するときには、回路基板のグランド領域に形成されているグランド電極との間にグランド接地用導通経路が形成されて給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷し、給電放射電極の高次モード零電圧領域に容量を装荷しないときには、グランド接地用導通経路が形成されていないことを特徴とするアンテナ構造。
  15. 請求項1乃至請求項5の何れか一つ又は請求項14に記載のアンテナ構造が設けられていることを特徴とする無線通信装置。
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