JP5729208B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、1つのアンテナ素子で複数の通信システムに対応できるアンテナ装置に関する。
携帯電話、PDA(PersonalData Assistance)等の小型無線装置を内蔵する無線通信装置に搭載されるアンテナ装置は、搭載される通信システムの増加にともないその数量も増加したり、一つのアンテナ素子で複数の通信システムに対応したりする等の進化を遂げている。近年の無線通信装置は、GPS(Global Positioning System)、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)等の複数の通信システムに対応する必要もある。
特開2008−092491号
近年は、無線通信装置の小型化の要請から、無線通信装置の内部にアンテナ素子を収納するための十分なスペースを確保することが困難になってきている。このため、無線通信装置が複数の通信システムを有する場合、通信システム毎にそれぞれアンテナ素子を設けるよりも、複数の通信システムの通信機能を1つのアンテナ素子で実現できることが好ましい。また、無線通信装置が複数の通信システムを有する場合、各通信システムに対応するアンテナ装置間の干渉がないことが必要である。
特に、周波数帯が同一の通信システムに対応した複数のアンテナ装置を同一の無線通信装置に搭載すると、一方の通信システムのアンテナ装置から放射された電波は他方の通信システムのアンテナ装置により受信されることがある。その結果、空間への電波の放射が減少することに加え、他方の通信システムを妨害するおそれもある。そこで、各アンテナ装置が互いに干渉しないように、それぞれのアンテナ装置、より具体的には複数の給電部の間でアイソレーションが得られていることが必要になる。
特許文献1のMIMO(MultipleInput Multiple Output)アンテナは、ループ状エレメントを用いて0.5波長の間隔で給電部が設けられている。しかし、特許文献2のMIMOアンテナは、単一ループ素子に0.5波長の間隔を設けて3個の給電部を配置している。この場合、ループ1周の長さは1.5波長となる。1周で1.5波長の長さのループ状エレメントは、共振して定在波を形成することはできない。その結果、特許文献2のMIMOアンテナは、同一周波数で複数の信号を入力した場合、信号間のアイソレーションの確保は困難である。
また、発明者らは、単一のループ状の放射導体に2つの給電部を設け給電し、互いにアイソレーションを確保し独立して動作するアンテナ装置を創作した。しかし、このアンテナ装置は周波数調整の手段を備えていないため、放射導体と基板との距離が一定でない場合や、ループ状放射導体を小型化のために折りたたむ等の変形を行った場合などに、2つの給電部で共振周波数に差異が生じてしまい、同一周波数で動作させることが難しいため、更なる改良が必要であった。
本発明は、以上の点に鑑み、単一のループ状の放射導体に2つの給電部を設け、同一周波数で動作し互いにアイソレーションの確保されたアンテナ装置の実現を目的とする。
本発明はグランド領域を持つ基板と、前記グランド領域上に配置された第1、及び第2の給電部と、ループ状の放射導体と、第1、及び第2の伝送線と、を有し、前記ループ状の放射導体は、前記第1及び第2の伝送線と近接する受電部と、特性インピーダンス調整部を有し、前記第1の伝送線のうちの前記ループ状の放射導体と平行な部分と、前記第2の伝送線のうちの前記ループ状の放射導体と平行な部分をそれぞれ2等分する第1の平面に対し面対称となる形状を有し、前記第1の伝送線は前記第1の給電部より延伸し、前記受電部の近傍を経由し、先端が前記グランド領域に接地され、前記第2の伝送線は前記第2の給電部より延伸し、前記受電部近傍において、先端が開放端となることを特徴とするアンテナ装置である。
このように構成することで、2つの給電部で同一の共振周波数でアンテナを動作させ、かつ給電部間のアイソレーション特性に優れたアンテナ装置を実現できる。
前記の特徴に加えさらに、前記ループ状の放射導体は折りたたまれた形状とすると、ループ状の放射導体が基板に占める面積を削減でき、小型化に対応したアンテナ装置を実現できる。
本発明において、前記第1の伝送線、及び/または前記第2の伝送線、及び/又は前記ループ状の放射導体の少なくとも一部は、基板面の導体パターンにより形成することで、ループ状の放射導体や、放射導体に給電を行うための伝送線を基板パターンにより形成するため、部品点数が削減されるため製造の簡素化に対応できる。
さらに前記の特徴に加え、前記基板面の導体パターンは少なくとも2層の電極構造を有し、前記第1の伝送線の少なくとも一部はいずれか1つの層に形成され、前記第2の伝送線の少なくとも一部はそれとは異なる層に形成されることで、第1及び第2の伝送線を立体的に交差させることが可能となり、よりコンパクトな配線が可能となるため、伝送線が基板に占める面積を削減することができる。
本発明において、前記基板上に誘電体又は磁性体からなる略直方体状の基体を有し、前記基体表面に前記ループ状の放射導体が形成されることで、誘電体または磁性体の波長短縮効果を利用したアンテナの小型化がなされるほか、ループ状の放射導体が基体の表面に形成されることで、基体とともに基板に実装できるようになるため製造が容易となる。
さらに前記の特徴に加え、前記基板は少なくとも前記基板上の一辺に沿って非グランド領域を有し、前記基体は前記基板の非グランド領域に配置されることを特徴とすることで、ループ状の放射導体とグランド領域との距離を離して形成できるため、アンテナ特性の改善を実現できる。
さらに前記の特徴に加え、前記基体は、前記グランド領域と前記非グランド領域との境界線に平行に配置され、前記境界線と平行となる辺を含む第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、前記境界線と平行となる辺を含み前記第1の面と前記第2の面とを接続する第3の面と、を有し、前記第1の面と前記第3の面とは第1の辺で接続され、前記第2の面と前記第3の面とは第2の辺で接続され、前記ループ状の放射導体は前記第1の面の稜線に沿って形成され、前記第1の辺の略中央に第1の離間部を有する略C字状の第1の導体パターンと、前記第2の面の稜線に沿って形成され、前記第2の辺の略中央に第2の離間部を有する略C字状の第2の導体パターンと、を有し、前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とが、前記第3の面に形成された第1及び第2の接続導体で接続され、前記第1の接続導体と前記第2の接続導体との間に間隙部を有していることを特徴とすることで、誘電体または磁性体からなる略直方体状の基体の稜線に沿ってループ状の放射導体を形成するため、基体の体積を有効に利用した効率的なエレメントの折りたたみ構造を実現できる。
さらに前記の特徴に加え、前記第1の導体パターンは前記第1の面のみに形成され、前記第2の導体パターンは前記第2の面のみに形成されることで、誘電体または磁性体からなる略直方体状の基体に対し6面中3面に放射導体を形成するだけで実現できるため、製造の簡素化を実現できる。
さらに前記の特徴に加え、前記間隙部と前記第1、第2の離間部とから形成される前記放射導体の対向領域に容量調整部を有することで、対向領域に発生する容量結合を増加させたり、微調整したりすることが可能となり、共振周波数調整範囲を広くできるほか、共振周波数の微調整が容易となる。
本発明において、前記第1の伝送線、及び/又は前記第2の伝送線の少なくとも一部が基体表面に形成されることで、基体表面に形成される放射導体との一体的な形成が可能となり製造が容易となる。
本発明は、単一のループ状の放射導体に2つの給電部を設け、同一周波数で動作し互いにアイソレーションの確保されたアンテナ装置を実現することができる。
図1は、実施形態1に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図3は、実施形態1に係るアンテナ装置を示す上面図である。 図4は、実施形態2に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図5は、実施形態3に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図6は、実施形態3に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図7は、実施形態4に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図8は、実施形態4に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図9は、実施形態5に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図10は、実施形態6に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図11は、実施形態6に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図12は、実施形態7に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図13は、実施形態7に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図14は、実施形態8に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図15は、実施形態8に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図16は、実施形態9に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図17は、実施形態9に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図18は、実施形態10に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図19は、実施形態10に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図20は、実施例1に係るアンテナ装置の外観図である。 図21は、実施例1に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図22は、実施例1に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図23は、実施例1に係るアンテナ装置の線幅と共振周波数の関係を示す特性図である。 図24は、実施例2に係るアンテナ装置の外観図である。 図25は、実施例2に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図26は、実施例2に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図27は、実施例3に係るアンテナ装置の外観図である。 図28は、実施例3に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図29は、実施例3に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図30は、実施例4に係るアンテナ装置の外観図である。 図31は、実施例4に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図32は、実施例4に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図33は、実施例5に係るアンテナ装置の外観図である。 図34は、実施例5に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図35は、実施例5に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図36は、実施例6に係るアンテナ装置の外観図である。 図37は、実施例6に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図38は、実施例6に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図39は、実施例7に係るアンテナ装置の外観図である。 図40は、実施例7に係るアンテナ装置の給電部の詳細を示す図である。 図41は、実施例7に係るアンテナ装置の放射導体の詳細を示す図である。 図42は、実施例7に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図43は、実施例8に係るアンテナ装置の外観図である。 図44は、実施例8に係るアンテナ装置の給電部の詳細を示す図である。 図45は、実施例8に係るアンテナ装置の放射導体の詳細を示す図である。 図46は、実施例8に係るアンテナ装置の電気特性図である。 図47は、実施例9に係るアンテナ装置の外観図である。 図48は、実施例9に係るアンテナ装置の詳細を示す図である。 図49は、実施例9に係るアンテナ装置の電気特性図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。図3は、実施形態1に係るアンテナ装置を示す上面図である。アンテナ装置1は、例えば、放射導体(アンテナ素子)が携帯電話等の無線通信携帯端末に内蔵又は前記無線通信携帯端末の筐体の表面に実装される。アンテナ装置1は、アンテナ素子として、一つの周回するループ状の放射導体11を有する。
アンテナ装置1は、ループ状の放射導体11に給電するための第1の給電部21と、第2の給電部41とを有する。本実施形態において、ループ状の放射導体11は、平面視が矩形であるが、ループ状の放射導体11の形状はこれに限定されるものではない。例えば、ループ状の放射導体11は、平面視が円形、楕円形、多角形等であってもよい。また、平面視が多角形のループ状の放射導体11とする場合、角部は曲率を有していてもよい。
アンテナ装置1は、ループ状の放射導体11に、基板101上のグランド領域103に形成された2つの給電部(21,41)より、それぞれ伝送線(61,81)を介して給電し、独立した2つのアンテナとして動作する。
第1の給電部21から伸びる第1の伝送線61は、先端がグランド領域103に接地される線路であり、線路の一部がループ状の放射導体11の一部に平行に配置されている。この平行に位置するループ状の放射導体が受電部501となり、両者が結合を維持できる距離まで近接している。第1の伝送線61はグランド領域103に先端部にて接地されているため強い電流を発生し、発生した電流による磁界がループ状の放射導体11の受電部501に電流を誘起することでループ状の放射導体11と磁気的に結合する。
第2の給電部41から伸びる第2の伝送線81は、先端が開放端となっており、ループ状の放射導体11の一部である受電部501に結合を維持できる距離まで近接して配置されている。第2の伝送線81は先端開放のため先端部に強い電圧を発生し、それによる電界が受電部501に電圧を誘起し、ループ状の放射導体11と電界結合する。
このとき、第1の伝送線61のうちのループ状の放射導体11と平行な部分と、第2の伝送線81のうちのループ状の放射導体11と平行な部分をそれぞれ2等分する第1の平面201に対して、ループ状の放射導体11が面対称とならなければならない。第1の伝送線61より伝えられた信号は、ループ状の放射導体11に定在波を発生させ、その分布は受電部501が電流定在波の腹となるように形成される。
第2の伝送線81より伝えられた信号は、ループ状放射導体11に定在波を発生させ、その分布は受電部が電圧定在波の腹となるように形成される。第1の平面201に対して、ループ状の放射導体11が面対称でないと、受電部から見て一方の経路ともう一方の経路に分布する特性インピーダンスに差異が発生し、特性インピーダンスが変化する際に生じた反射波によって定在波に乱れが生じるため、腹や節の発生位置が正確に受電部に定まらなくなる。同様の理由により基板101も第1の平面201に対し面対称となっていることが望ましい。なお、ループ状の放射導体11及び/または基板101は定在波の腹と節の発生位置が崩れない程度に電気的な対称性が保たれる範囲であれば、厳密に面対称な形状である必要はない。
第1の給電部から励振された信号は、ループ状の放射導体11に受電部を腹とした電流分布を形成するため、受電部での電圧分布は節に相当する。このため受電部での電界の強度は非常に小さいものとなり、第2の伝送線81との電界結合は小さくなる。また、第2の伝送線81の先端開放という構造上、電流が発生しないので磁気的な結合はない。よって第1の給電部21より第1の伝送線61を通ってループ状の放射導体に伝わった信号は、第2の給電部41に漏れ伝わることはない。
第2の給電部41により励振された信号は、受電部を腹とした電圧分布を形成するため、受電部での電流分布は節に相当する。このため受電部での磁界の強度は非常に小さいものとなり、第1の伝送線61と磁気的な結合は小さくなる。また、第1の伝送線61の先端短絡という構造上、電界結合も小さい。よって第2の給電部41より第2の伝送線81を通ってループ状の放射導体に伝わった信号は、第1の給電部21に漏れ伝わることはない。このことにより、2つの給電部間のアイソレーション特性は良好な状態が保たれる。
また、ループ状の放射導体11は特性インピーダンス調整部301が設けられ、これにより2つの共振周波数が同一周波数となるように調整する。ループ状の放射導体11に分布する特性インピーダンスが一定であれば、同一の放射導体を励振しているため物理長が等しいことから、第1、および第2の給電部(21,41)から励振した際の共振周波数は同一周波数となるが、実際は給電部の影響、ループ状の放射導体11の形状の影響、基板101の影響により、ループ状の放射導体11に分布する特性インピーダンスが一定にはならないため、それぞれの給電部から励振した際の定在波分布の違いが、2つの共振周波数に少なからず差を生じさせる。
そのため、2つの給電部から同一周波数で動作させるためには、ループ状の放射導体の適切な位置に特性インピーダンス調整部を設け、そこでの特性インピーダンスを調整することにより、それぞれの給電部からみた電気長を揃える必要がある。特性インピーダンス調整部もまた、アイソレーション特性確保のため第1の平面201に対して面対称となるように構成する必要がある。
実施形態1では特性インピーダンス調整部301において、ループ状の放射導体11の線幅を他の部分と異なる幅とすることで特性インピーダンスの調整を行う。一般的に、線路の線幅を広くすると特性インピーダンスの容量成分は増加し、インダクタンス成分は減少する。逆に線幅を狭くすると特性インピーダンスの容量成分は減少し、インダクタンス成分は増加する。
たとえば、特性インピーダンス調整部を持たない状態で、第1の給電部より励振される第1の共振周波数が第2の給電部より励振される第2の共振周波数よりも高い、といったケースの場合、受電部から一方へλ/4進んだ点を含む領域と、前記領域に対して第1の平面201を対称面としたとき、面対称となる領域にもう一方の特性インピーダンス調整部を設けるとよい。特性インピーダンス調整部ではループ状の放射導体の線幅が他よりも広くなる構成を有する。
線路の幅を他よりも広くなるよう変更したことにより、インダクタンス成分の減少、容量成分の増加が生じ、第1の給電部21から励振した場合、特性インピーダンス調整部における電流定在波は節、電圧定在波は腹となることから、容量成分の増加に対してのみ共振周波数の変化に寄与し、第1の共振周波数を下げる働きをなす。
一方、第2の給電部41から励振した場合、特性インピーダンス調整部における電流定在は腹、電圧定在波は節となることから、主に線路のインダクタンス成分の減少に対してのみ共振周波数の変化に寄与し、第2の共振周波数を上げる働きをなす。このため適切なところまで線幅を広くすることで、2つの共振周波数が同一となるように調整できる。
このように、それぞれの給電部から励振した際の定在波分布の腹と節の関係が逆転していることにより、特性インピーダンス調整部を設けたことによる共振周波数への作用が、一方の給電部にのみ作用する、あるいは2つの給電部で逆向きに作用する、といったことが生じるため、共振周波数を近づける方向に調整していくことで、共振周波数を同一にすることが可能となる。
なお、ループ状の放射導体に特性インピーダンス調整部を設けた際に、2つの共振周波数に対する作用が最も異なる位置は、定在波の分布が腹または節のとなる位置であり、線路の全長をλとすると、受電部を基点として0、λ/4、λ/2、3λ/4離れた点となる。逆に2つの共振周波数に対する作用が最も類似する位置は、腹と節の中間に位置する点であり、受電部を基点としてλ/8、3λ/8、5λ/8、7λ/8進んだ位置となる。
この点を境に定在波の電圧と電流の強弱が入れ替わり、共振周波数に対する作用の向きが逆転する。そのため特性インピーダンス調整部は、定在波の腹又は節となる点を中心に±λ/8以下の範囲に設けると共振周波数の調整に最も効果的である。
本実施形態においては特性インピーダンス調整部における調整手法として、ループ状の放射導体11の線幅を部分的に変更する、という方法を用いているが、これ以外の方法を用いても構わない。別の手法としては放射導体11と基板101との距離を調整したり、放射導体11上に部分的に誘電体を配置したりする方法が考えられ、特性インピーダンス調整方法としては放射導体11と基板101の形状や位置関係に合わせて適当な調整方法を選択してもよい。
以上の理由により、上記の構成にて同一周波数で動作しアイソレーション特性の優れた2入力のアンテナの実現が可能となる。
(実施の形態2)
図4は、実施形態2に係るアンテナ装置を示す斜視図である。
アンテナ装置2は実施形態1のアンテナ装置1の構造に加えてループ状の放射導体11が折りたたまれた形状となることを特徴とする。こうすることでループ状の放射導体11の占有面積を小さくし小型化に対応することができる。また、第1の給電部21から励振する場合に関して、受電部からλ/2はなれた点が受電部に近づくように折りたたむと、受電部と受電部からλ/2離れた点の電流定在波の分布が等しいことから、受電部からλ/2離れた点に対しても第1の伝送線61からの給電を行うことが可能となり、良好な特性が確保しやすい。
(実施の形態3)
図5は、実施形態3に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図6は、実施形態3に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。
アンテナ装置3は実施形態1のアンテナ装置1の構造に加えて、前記第2の伝送線81、ループ状の放射導体11が基板パターンにより形成されることを特徴としている。こうすることで、ループ状の放射導体11や第2の伝送線81が基板パターンによって形成できるため、基板101に実装する部品数が減り、製造が容易となる。
アンテナ装置3においては第1の伝送線61の直下にあるグランド領域103を切り欠いているが、切り欠きを設けることで、伝送線61の信号経路が長くなり、ループ状の放射導体11の受電部との磁界結合が強くなる。この切り欠きの深さを調整することで、受電部との結合の強さを調整することが可能となる。
(実施の形態4)
図7は、実施形態4に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図8は、実施形態4に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。アンテナ装置4は実施形態3のアンテナ装置3の構造に加えて、前記第1の伝送線61が、基板裏面のパターンで形成され、第2の伝送線81と立体的に交差することを特徴としている。
第1の伝送線61と第2の伝送線81を基板101の別の層に形成することで、両者を基板パターンで形成し、かつ立体的に交差することが可能となり、よりコンパクトに配置することが可能となる。また、実施形態3の場合と同様に伝送線61,81の形成されている部分のグランド領域103の切り欠きの深さにより、第1の伝送線61と受電部の結合の強さを調整することができる。
(実施の形態5)
図9は、実施形態5に係るアンテナ装置を示す斜視図である。アンテナ装置5は実施形態1のアンテナ装置1の構造に加えて、基板101上に配置された誘電体または磁性体で構成された基体401の表面にループ状の放射電極11が形成されることを特徴としている。こうすることで、基体401の有する誘電率または透磁率による波長短縮効果を利用したさらなる小型化が可能となり、基体401の表面にループ状の放射導体11を形成すればよいため製造も容易となる。
(実施の形態6)
図10は、実施形態6に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図11は、実施形態6に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。アンテナ装置6は実施形態5のアンテナ装置5の構造に加えて、基板101の一辺に沿ってグランドが形成されていない非グランド領域102が形成され、基体401が非グランド領域102上に形成されることを特徴としている。こうすることで、アンテナからの放射がグランドによって遮られることが減少するため、アンテナの放射特性を向上させることができる。また後述するが、基体401の底面を含む全面に、ループ状の放射導体11を形成することが可能となり、基体401の体積を有効に利用したループ状の放射導体11の形成が可能となる。
(実施の形態7)
図12は、実施形態7に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図13は、実施形態7に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。アンテナ装置7は実施形態6のアンテナ装置6の構造に加えて、基体401が前記グランド領域103と前記非グランド領域102との境界線に平行に配置され、基体401において、上面を第1の面とし、底面を第2の面とし、前記境界線に平行な辺を含み基板101の外側に位置する側面を第3の面とし、基体401の第1の面と第3の面を接続する辺を第1の辺とし、第2の面と第3の面を接続する辺を第2の辺としたとき、ループ状の放射導体11は、基体401の第1の面の稜線に沿って形成され、前記第1の辺の略中央に第1の離間部を有する略C字状の第1の導体パターン11aと、第2の面の稜線に沿って形成され、前記第2の辺の略中央に第2の離間部を有する略C字状の第2の導体パターン11bと、前記第3の面に形成され、前記第1の導体パターン11aの端部と前記第2の導体パターン11bの端部とをそれぞれ接続するための第1及び第2の接続導体(11c、11d)からなることを特徴とし、前記第1の接続導体11cと前記第2の接続導体11dとの間に間隙部が形成される。
ループ状の放射導体11は主に基体401の稜線に沿い形成され、基体の体積を有効に使用した形状が実現されるため、効果的に小型化することができる。またこのような構造にすることで、基体401の第1の面に形成された第1の導体パターン11aと第2の面に形成された第2の導体パターン11bを接続するため、側面に設けられた第1及び第2の接続導体(11c、11d)は、ループ状の放射導体11の全長をλとすると、受電部から±λ/4の距離となっている。
この位置では第1の給電部21から励振する場合、電圧定在波の腹に相当するため、第1及び第2の接続導体(11c、11d)の間隙部及び第1、第2の離間部からなる部分を対向領域12とすると、この箇所に発生する結合容量は共振周波数を下げる働きが強い。一方第2の給電部41から励振する際は電圧定在波の節に相当するため共振周波数を下げる働きが弱い。したがって、第3の面に設けられた第1、第2の接続導体の対向する間隔を調整することで、第1の給電部の共振周波数を独立して調整することが可能となる。なお第1及び第2の面を基体401における前記境界線と平行な辺を含む側面にとり、第3の面を基体401の上面または底面にとり、上述に従いループ状の放射導体を形成した場合でも同様の動作が成り立つため、そのような構成であっても構わない。
(実施の形態8)
図14は、実施形態8に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図15は、実施形態8に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。アンテナ装置8は実施形態7の構成における第1及び第2の面を基体401における前記境界線と平行な辺を含む側面にとり、第3の面を基体401の上面にとった場合の構成に加えて、前記第1の導体パターン11aは前記第1の面にのみ形成され、前記第2の導体パターン11bは前記第2の面にのみ形成されることを特徴としている。こうすることで、ループ状の放射導体11は基体401の6面のうち3面に形成するだけで構成できるため、製造が容易となる。
(実施の形態9)
図16は、実施形態9に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図17は、実施形態9に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。アンテナ装置9は実施形態8のアンテナ装置8の構造に加えて、間隙部と前記第1、第2の離間部とから形成される対向領域12に容量調整部13を有するとこを特徴としている。本実施形態では対向領域に複数の凸部を有し、互いに勘合した櫛型構造を形成することにより容量調整部13を構成している。
こうすることで、対向領域12に形成される結合容量が増大され、共振周波数に対してより大幅な周波数調整が可能となる。また凸部の数や大きさを調整することで、共振周波数の微調整が可能となる。なお、放射導体11は容量調整部13を設けたことで対向領域12において第1の平面201に対する面対称を満足していないが、対向領域12の相互に発生する容量が等量となる範囲で構成されていれば電気的な対称性は確保されているため、容量調整部13がアイソレーション特性に悪影響が与えることはない。
本実施形態では容量調整部13は複数の凸部によって構成されているが、容量調整部13は別の構成であってもよく、たとえば対向領域12を波状に構成したり、対向領域12に無給電エレメントを挿入することにより構成したりしてもよい。
(実施の形態10)
図18は、実施形態10に係るアンテナ装置を示す斜視図である。図19は、実施形態10に係るアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。アンテナ装置10は実施形態5のアンテナ装置5の構造に加えて、第2の伝送線81の一部が基体401の表面に形成された導体パターンからなることを特徴としている。こうすることで放射導体11と第2の伝送線81を一体で形成することが可能となり、実装ばらつきによる受電部と伝送線との間隔のばらつきを軽減することができ、電界結合のばらつきを低減できる。
図18、図19では第2の伝送線81が基体表面に形成されているが、基体の表面に形成される伝送線は第1の伝送線であってもよいし、第1、第2の伝送線の両方であってもよいし、いずれか一方の伝送線の一部のみであってもよい。
(実施例1)
図20は実施例1のアンテナ装置を示す斜視図である。図21は実施例1のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例1は、上述した実施形態1に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した全面がグランド領域103となる評価基板(100mm×50mm)101上に、線幅約0.5mmでループ状の放射導体(24x40mmの長方形状)11を作成した。ループ状の放射導体11はループ面を基板面と平行に基板面から高さ6mmの位置に配置され、基板101の短辺とループ状の放射導体11の長辺は平行に配置されており、基板101の短辺の真上にループ状の放射導体11の一方の長辺が配置され、もう一方の長辺の中央部が第1及び第2の伝送線(61,81)と近接するよう配置されている。共振周波数の調整のため、ループ状放射導体11の長辺の線幅は0.65mm、短辺の線幅は0.5mmにて形成されている。
第1の給電部21は基板101上に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路22を介して受電部の近傍まで伝送され、そこで第1の伝送線61と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子172及び並列整合素子171が挿入されている。
第1の伝送線61は直列整合素子172との接続部を基点として基板面に対して高さ方向に2mm延伸し、そこから受電部の放射導体と平行に6mm延伸し、そこから基板面に向かい2mm延伸し基板101のグランド領域103に短絡する略C字状の線路を形成している。C字状の線路の中央部と受電部は近接しており、その距離は高さ方向に4mm、基板長手方向に1.9mmだけ離れている。
一方、第2の給電部41は基板面に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路42を介して受電部の近傍まで伝送され、そこで第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子272及び並列整合素子271が挿入されている。第2の伝送線は直列整合素子272との接続部を基点とし、基板面に対して高さ5.5mmまで延伸し開放端となる線路を形成している。前記開放端と受電部は近接しておりその距離は高さ方向に0.5mm、基板長手方向に2.6mmだけ離れている。
図22は、実施例1に係るアンテナ装置の電気特性図である。図22には、第1の給電部21からみた反射(Return Loss)特性141aと第2の給電部41から見た反射特性142aと通過(Isolation)特性143aと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144a、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145aを示している。
共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.5GHzであり同一周波数で動作しており、帯域はそれぞれ約5%確保されている。特性143aから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間で、動作周波数近傍の2.35GHzから2.65GHzにわたり約−14dB以下の良好なアイソレーションが確保できていることが解る。第1の給電部から給電した電波の放射効率144aは最大−1.3dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145aは最大−2.4dBと良好な放射特性を得られている。
図23は実施例1に係るアンテナ装置1の放射導体11の長辺の線幅を±0.2mm変化させたときの共振周波数の変化を示している。長辺の線幅を0.2mm減らすと第1の給電部21での共振周波数は約63MHz下がり、第2の給電部41での共振周波数は約44MHz上がっているのがわかる。逆に長辺の線幅を0.2mm増やすと第1の給電部21での共振周波数は約42MHz上昇し、第2の給電部41での共振周波数は約30MHz下がっているのがわかる。このように線幅を調整することで、第1及び第2の給電部(21,41)での共振周波数を調整することが可能である。
(実施例2)
図24は実施例2のアンテナ装置を示す斜視図である。図25は実施例2のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例2は、上述した実施形態2に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した全面がグランド領域103となる評価基板(100mm×50mm)101上にループ状の放射導体11を配置した。前記ループ状の放射導体11は31×34mmの略長方形状のループ状導体を、基板面がループ面に平行な状態から、長辺中央部同士を結ぶ線分を軸として180度C字状に折り返した形状となる。折り返され対向する部分の間隔は6mmである。周波数調整のため、長辺に相当する部分の線幅を0.5mm、短辺に相当する部分の線幅を0.55mmとした。
前記ループ状の放射導体11の短辺中央部を受電部とし、前記ループ状の放射導体11は、基板101の短辺の中点同士を結ぶ線分の一方の端部から前記線分上を18mm移動した点より高さ方向に6mm移動した点に受電部が来るように配置され、かつ前記放射導体11は基板101に対して、基板101の短辺と放射導体11の短辺が平行になるよう配置され、かつ放射導体11の折り返しの軸に相当する部分が受電部よりも基板の外側に来るように配置されている。
第1の給電部21は基板101上に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路22を介して受電部近傍まで伝送され、そこで第1の伝送線61と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子174及び並列整合素子173が挿入されている。
第1の伝送線61は直列整合素子174との接続部を基点として基板面に対して高さ方向に2mm延伸し、そこから受電部の放射導体と平行に6mm延伸し、そこから基板面に向かい2mm延伸し基板101のグランド領域103に短絡する略C字状の線路を形成している。C字上の線路の中央部は受電部の放射導体に近接して配置されており、それらの距離は基板の長手方向に2mm、高さ方向に4mmだけ離れている。
一方、第2の給電部41は基板面に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路42を介して受電部近傍まで伝送され、そこで第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子274及び並列整合素子273が挿入されている。
第2の伝送線81は直列整合素子274との接続部を基点とし、基板面に対して高さ5.5mmまで延伸しそこから受電部に向かい3mm延伸したところで開放端を形成している。前記開放端は受電部の放射導体に近接して配置されており、それらの距離は高さ方向に0.5mmだけ離れている。
図26は、実施例2に係るアンテナ装置の電気特性図である。図26には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141bと第2の給電部41から見た反射特性142bと通過(Isolation)特性143bと、更に給電部21から給電した電波の放射効率144b、第2の給電部41から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)145bを示している。共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.43GHzであり同一周波数で動作しており、帯域は第1の給電部で約6.8%、第2の給電部で約6.0%確保されている。
143bより、動作周波数近傍の2.3GHzから2.6GHzにわたり約−17dB以下の良好なアイソレーション特性を得られていることが確認される。また、第1の給電部から給電した電波の放射効率144bはピークで−1.3dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145bはピークで約−1.2dBと良好な放射特性を得られている。
(実施例3)
図27は実施例3のアンテナ装置を示す斜視図である。図28は実施例3のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例3は、上述した実施形態3に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した主にグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の短辺を含む一部(15x50mm)をグランド導体を持たない非グランド領域102とし、その上に基板パターンにより長方形状(12x38mm)のループ状の放射導体11を作成した。
ループ状の放射導体11は長辺が基板の短辺と平行になるように非グランド領域102の中央部に配置されている。長方形状のループ状放射導体11においてグランド領域103と対向している辺の中央部を受電部とし、前記受電部には第1及び第2の伝送線(61,81)が近接して配置されている。周波数調整のため、ループ状放射導体11の長辺の線幅は1.2mm、短辺の線幅は0.5mmにて形成されている。
第1の給電部21は基板101上に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路22を介して非グランド領域102との境界線中央部近傍まで伝送され、そこで第1の伝送線61と接続されている。基板101上に形成された伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子176及び並列整合素子175が挿入されている。
第1の伝送線61は直列整合素子176との接続部を基点として基板面に対して高さ方向に1mm延伸し、そこから受電部の放射導体と平行に5mm延伸し、そこから基板面に向かい1mm延伸し基板101のグランド領域103に短絡する略C字状の線路を形成している。前記C字状の線路の中央部と受電部は近接しており、その距離は高さ方向に1mm、基板長手方向に3mmだけ離れている。
一方、第2の給電部41は基板面に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路42を介して非グランド領域102との境界線中央部近傍まで伝送され、そこで第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子276及び並列整合素子275が挿入されている。
第2の伝送線81は基板パターンにより形成され、並列整合素子275との接続部を基点とし、基板長手方向に4.2mm延伸したところで開放端となる線路を形成している。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は基板長手方向に0.2mmだけ離れている。
図29は、実施例3に係るアンテナ装置の電気特性図である。図29には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141cと第2の給電部41から見た反射特性142cと通過(Isolation)特性143cと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144c、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145cを示している。共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.53GHzであり同一周波数で動作しており、帯域はそれぞれ約10%確保されている。
実線143cから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間のアイソレーション特性は動作周波数近傍の2.35GHzから2.7GHzの範囲で約−20dB以下の良好な特性が確保できていることが解る。また第1の給電部から給電した電波の放射効率144cは最大−1.4dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145cは最大−1.9dBと良好な放射特性を得られている。
(実施例4)
図30は実施例4のアンテナ装置を示す斜視図である。図31は実施例4のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例4は、上述した実施形態4に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した主にグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の短辺を含む一部(15x50mm)を非グランド領域102とし、その上に基板パターンにより長方形状(12x38mm)のループ状の放射導体11を作成した。
ループ状の放射導体11は長辺が基板の短辺と平行になるように非グランド領域102の中央部に配置されている。長方形状のループ状放射導体11においてグランド領域103と対向している辺の中央部を受電部とし、前記受電部には第1及び第2の伝送線(61,81)が近接して配置されている。周波数調整のため、ループ状放射導体11の長辺の線幅は1.2mm、短辺の線幅は0.5mmにて形成されている。
第1の給電部21は基板101上に形成され、裏面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路22を介して非グランド領域との境界線中央部まで伝送され、そこで第1の伝送線61と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子178及び並列整合素子177が挿入されている。
第1の伝送線61は裏面の基板パターンにより形成され、直列整合素子178との接続部を基点として受電部の放射導体と平行に5mm延伸し基板101のグランド領域103に接地される線路を形成している。なお、第1の伝送線の形成されている部分はグランド導体が4×1.3mmにわたり切除されており、非グランド領域を形成している。第1の伝送線61の中央部と受電部は近接しており、その距離は基板高さ方向に1mm、基板長手方向に3mmだけ離れている。
一方、第2の給電部41は基板面に形成され、表面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路42を介して非グランド領域との境界線中央部まで伝送され、そこで第2の伝送線81と接続されている。50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子278及び並列整合素子277が挿入されている。
第2の伝送線は表面の基板パターンにより形成され、直列整合素子278との接続部を基点とし、基板長手方向に4.4mm延伸したところでT字状の開放端となる線路を形成している。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は基板長手方向に0.1mmだけ離れている。
図32は、実施例4に係るアンテナ装置の電気特性図である。図32には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141dと第2の給電部41から見た反射特性142dと通過(Isolation)特性143dと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144d、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145dを示している。
共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.5GHzであり同一周波数で動作しており、帯域はそれぞれ約12%確保されている。143dから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間でのアイソレーション特性は、動作周波数近傍の2.35GHzから2.7GHzの範囲で約−12.5dB以下の良好な特性が確保できていることが解る。また第1の給電部から給電した電波の放射効率144dは最大−1.4dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145dは最大−1.9dBと良好な放射特性を得られている。
(実施例5)
図33は実施例5のアンテナ装置を示す斜視図である。図34は実施例5のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例5は、上述した実施形態5に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した全面がグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の上に直方体状(19×19×6mm)の基体401を配置した。さらに前記基体401の上面に稜線に沿い長方形状(19x19mm)のループ状の放射導体11を線幅約0.5mmにて作成した。
前記基体401は基板101に対して、基板101の短辺の真上に基体401側面のひとつが来るように、基板の短辺の中央部に配置されている。また前記基体401の上面に形成されたループ状の放射導体11は、基板101の内側に位置する辺の中央部を受電部とし、前記受電部には第1、及び第2の伝送線(61,81)が近接して配置されている。周波数調整のため、ループ状の放射導体11における基板101の短辺に平行な部分の線幅を0.57mm、基板101の長辺に平行な部分の線幅は0.5mmにて形成されている。
第1の給電部21は基板101上に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路22を介して受電部近傍まで伝送され、そこで第1の伝送線61と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための並列整合素子179及び直列整合素子180が挿入されている。
第1の伝送線61は直列整合素子180との接続部を基点として基板面に対して高さ方向に3mm延伸し、そこから受電部の放射導体と平行に5mm延伸し、そこから基板面に向かい3mm延伸し基板101のグランド領域103に接地される略C字状の線路を形成している。C字状の線路の中央部と受電部は近接しており、その距離は高さ方向に3mm、基板長手方向に5.5mmである。
一方、第2の給電部41は基板面に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路42を介して受電部近傍まで伝送され、そこで第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子280及び並列整合素子279が挿入されている。
第2の伝送線は直列整合素子280との接続部を基点とし、基板面に対して高さ5mmまで延伸し開放端となる線路を形成している。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は高さ方向に1mm、基板長手方向に1mmである。
図35は、実施例5に係るアンテナ装置の電気特性図である。図35には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141eと第2の給電部41から見た反射特性142eと通過(Isolation)特性143eと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144e、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145eを示している。
共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.56GHzであり同一周波数で動作しており、帯域は第1の給電部21で約5%、第2の給電部41で約3.5%確保されている。143eから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間でのアイソレーション特性は動作周波数近傍の2.45GHzから2.65GHzの範囲で約−14.2dB以下でありの良好な特性が確保できていることが解る。また第1の給電部から給電した電波の放射効率144eは最大−2.0dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145eは最大−2.1dB程度の良好な放射特性を得られている。
(実施例6)
図36は実施例6のアンテナ装置を示す斜視図である。図37は実施例6のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例6は、上述した実施形態6に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した大部分がグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の短辺を含む端部15×50mmの領域に非グランド領域102を設け、その上に誘電体からなる基体(12×20×5mm)401を配置した。前記基体401の表面にはループ状の放射導体11を配置した。前記ループ状の放射導体11は20×29mmの略長方形状のループ状導体を、長辺中央部同士を結ぶ線分を軸として180度C字状に折り返したような形状をなし、前記基体表面の稜線に沿い配置されている。周波数調整のため、基体側面に形成された放射導体の線幅を4.9mmとし、それ以外の線幅を0.5mmとした。
基体401は長手方向と基板101の短辺が平行になる向きに、非グランド領域の中央部に配置され、グランド領域からは3mmの距離に配置されている。前記基体401の底面のグランド領域103と対向する辺の中央部に形成された放射導体を受電部とし、前記受電部には第1、及び第2の伝送線(61,81)が近接して配置されている。
第1の給電部21は基板101のグランド領域103上に形成され、裏面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路22を介して非グランド領域102との境界線の中央部まで伝送され、そこで裏面の基板パターンにより形成された第1の伝送線61と接続されている。伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子182及び並列整合素子181が挿入されている。第1の伝送線61は直列整合素子182との接続部を基点として受電部の放射導体と平行に4mm延伸し、基板101のグランド領域103に接地される線路を形成している。前記線路の中央部と受電部は近接して配置されており、その距離は高さ方向に約1mm、基板長手方向に3mmだけ離れている。なお、第1の伝送線の形成されている部分の基板は4x1.3mmにわたり切除されている。
一方、第2の給電部は基板101のグランド領域103上に形成され、表面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路42を介して非グランド領域102との境界線の中央部まで伝送され、表面の基板パターンにより形成された第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子281及び並列整合素子282が挿入されている。
第2の伝送線は表面の基板パターンにより形成され、並列整合素子282との接続部を基点とし、基板長手方向に4.7mm延伸したところで開放端を形成する線路である。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は基板101の長手方向に0.1mmだけ離れている。
図38は、実施例6に係るアンテナ装置の電気特性図である。図38には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141dと第2の給電部41から見た反射特性142dと通過(Isolation)特性143dと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144d、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145dを示している。
共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.45GHzであり同一周波数で動作しており、帯域は第1の給電部で約6%、第2の給電部で約9%確保されている。143dから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間でのアイソレーション特性は動作周波数近傍の2.3GHzから2.6GHzの範囲で約−12.7dB以下であり良好な特性が確保できていることが解る。また第1の給電部から給電した電波の放射効率144dは最大−2.1dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145dは最大−2.0dB程度の良好な放射特性を得られている。
(実施例7)
図39は実施例7のアンテナ装置を示す斜視図である。図40は実施例7のアンテナ装置の給電部の詳細を示す斜視図である。図41は実施例7のアンテナ装置の放射導体部の詳細を示す斜視図である。実施例7は、上述した実施形態8に相当する。
簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した大部分がグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の短辺を含む端部11×50mmの領域に非グランド領域102を設け、その上に誘電体からなる基体(8.2×18×2.6mm)401を配置した。
基体401は長手方向が基板101の短辺と平行になるように、非グランド領域102の中央に配置され、グランド領域103からは2.8mm離れている。基体401の表面にはループ状の放射導体11が形成されている。ループ状の放射導体11は第1及び第2の導体パターン(11a、11b)と第1及び第2の接続導体(11c、11d)からなる。
基体401の上面には上面の稜線に沿って形成された、ループ状の導体パターンの一部に離間部を設けた略C字状の導体パターン11aが形成されている。前記離間部は基板の外側に位置する長辺の中央部に形成されており、離間する距離は1.6mmである。
基体401の下面には下面の稜線に沿って形成された、ループ状の導体パターンの一部に離間部を設けた略C字状の導体パターン11bが形成されている。前記切れ目は基板の外側に位置する長辺の中央部に形成されており、離間する距離は1.6mmである。
基体401の長辺方向の外側の側面には導体パターン11aと11bの端部同士を接続する接続導体11c、11dが形成され、全体として周回するループ状の放射導体11を形成している。周波数調整のため、導体パターン11a、11bの線幅を0.5mm、接続導体11c、11dの線幅を2.95mmとなっている。
基体401の下面に形成された導体パターン11bにおいて離間部と対向する箇所を受電部とし、前記受電部には第1及び第2の伝送線(61、81)が近接して配置される。
第1の給電部21は基板101のグランド領域103上に形成され、基板101上の裏面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路22を介して非グランド領域102との境界線の中央部まで伝送され、そこで裏面の基板パターンにより形成された第1の伝送線61と接続されている。伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子184及び並列整合素子183が挿入されている。第1の伝送線61は直列整合素子184との接続部を基点として受電部の放射導体と平行に4mm延伸し、基板101のグランド領域103に接地される線路を形成している。前記線路の中央部と受電部は近接して配置されており、その距離は高さ方向に1mm、基板長手方向に2.8mmだけ離れている。なお、第1の伝送線の形成されている部分のグランド領域は4×2mmにわたり切除され非グランド領域となっている。
一方、第2の給電部は基板101のグランド領域103上に形成され、表面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路42を介して非グランド領域102との境界線の中央部まで伝送され、表面の基板パターンにより形成された第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子284及び並列整合素子283が挿入されている。
第2の伝送線は直列整合素子284の接続部を基点とし、基板長手方向に4.7mm延伸したところで開放端を形成する線路である。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は基板長手方向に0.1mmだけ離れている。また第2の伝送線より0.3mm下部には中層の基板パターンにより形成された2.5×2mmのグランド導体板90が配置され、第1の伝送線と第2の伝送線との電磁界結合を防いでいる。
図42は、実施例7に係るアンテナ装置の電気特性図である。図42には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141gと第2の給電部41から見た反射特性142gと通過(Isolation)特性143gと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144g、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145gを示している。
共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.54GHzであり同一周波数で動作しており、帯域は第1の給電部で約8%、第2の給電部で約4.9%確保されている。143gから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間のアイソレーション特性は動作周波数近傍の2.3GHzから2.7GHzの範囲で約−19dB以下の良好な特性が確保できていることが解る。また第1の給電部から給電した電波の放射効率144gは最大−1.4dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145gは最大−3.7dB程度の放射特性を得られている。
(実施例8)
図43は実施例8のアンテナ装置を示す斜視図である。図44は実施例8のアンテナ装置の給電部の詳細を示す斜視図である。図45は実施例8のアンテナ装置の放射導体部の詳細を示す斜視図である。実施例8は、上述した実施形態9に相当する。
簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した大部分がグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の短辺を含む端部6×50mmの領域に非グランド領域102を設け、その上に誘電体基体(4.5×20×3.0mm)401を配置した。
基体401は長手方向が基板101の短辺と平行になるように、非グランド領域102の中央に配置され、グランド領域103からは1.5mm離れている。
基体401の表面にはループ状の放射導体11が形成されている。ループ状の放射導体11は第1及び第2の導体パターン(11a、11b)と第1及び第2の接続導体(11c、11d)からなる。
基体401の上面には上面の稜線に沿って形成された、ループ状の導体パターンの一部に離間部を設けた略C字状の導体パターン11aが形成されている。前記離間部は基板の外側に位置する長辺の中央部に形成されており、離間部の幅は1mmである。
基体401の下面には下面の稜線に沿って形成された、ループ状の導体パターンの一部に離間部を設けた略C字状の導体パターン11bが形成されている。前記離間部は基板の外側に位置する長辺の中央部に形成されており、離間部の幅は1mmである。
基体401の長辺方向の外側の側面には導体パターン11aと11bの端部同士を接続する接続導体11c、11dが形成され、全体として周回するループ状の放射導体11を形成している。
周波数調整のため、導体パターン11a、11bの線幅を0.5mm、接続導体11c、11dの線幅を1.0mmとし、さらに接続導体11c、11dの対向する部分に互いに複数の凸部を設け、互い違いになるように配置した。凸部の長さは0.7mmで、幅は0.3mm、凸同士の間隔は0.6mmである。
基体401の下面に形成された導体パターン11bにおいて離間部と対向する箇所を受電部とし、前記受電部には第1及び第2の伝送線(61、81)が近接して配置される。
第1の給電部21は基板101のグランド領域103上に形成され、裏面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路22を介して非グランド領域102との境界線の中央部まで伝送され、そこで裏面の基板パターンにより形成された第1の伝送線61と接続されている。伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための直列整合素子186及び並列整合素子185が挿入されている。
第1の伝送線61は直列整合素子186との接続部を基点として受電部の放射導体と平行に4mm延伸し、基板101のグランド領域103に接地される線路を形成している。前記線路の中央部と受電部は近接して配置されており、その距離は高さ方向に1mm、基板長手方向に1.5mmだけ離れている。なお、第1の伝送線の形成されている部分のグランド領域は4x1.5mmにわたり切除され非グランド領域となっている。
一方、第2の給電部は基板101のグランド領域103上に形成され、表面の基板パターンにより形成された50オームの伝送線路42を介して非グランド領域102との境界線の中央部まで伝送され、表面の基板パターンにより形成された第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子286及び並列整合素子285が挿入されている。
第2の伝送線は直列整合素子286の接続部を基点とし、基板長手方向に2.9mm延伸したところで開放端を形成する線路である。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は基板長手方向に0.1mmだけ離れている。また第2の伝送線より0.3mm下部には中層の基板パターンにより形成された2×2mmのグランド導体板90が配置され、第1の伝送線と第2の伝送線との電磁界結合を防いでいる。
図46は、実施例7に係るアンテナ装置の電気特性図である。図46には、第1の給電部21からみた反射(Return loss)特性141hと第2の給電部41から見た反射特性142hと通過(Isolation)特性143hと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144h、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145hを示している。
共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.51GHzであり同一周波数で動作しており、帯域は第1の給電部で約7.4%、第2の給電部で約5.4%確保されている。143hから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間でのアイソレーション特性は、動作周波数近傍の2.35GHzから2.75GHzの範囲で約−18.5dB以下の良好な特性が確保できていることが解る。また第1の給電部から給電した電波の放射効率144hは最大−1.6dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145hは最大−3.4dB程度の放射特性を得られている。
(実施例9)
図47は実施例9のアンテナ装置を示す斜視図である。図48は実施例9のアンテナ装置の詳細を示す斜視図である。実施例9は、上述した実施形態10に相当する。簡略化のため、長方形とした携帯電話の実装基板を模した全面がグランド領域103からなる評価基板(100mm×50mm)101の上に直方体状(19×19×6mm)の誘電体からなる基体401を配置した。さらに前記基体401の上面の稜線に沿い長方形状(19x19mm)のループ状の放射導体11を線幅約0.5mmにて作成した。
基体401は基板101に対して、基板101の短辺の真上に基体401の側面のひとつが来るように、基板の短辺の中央部に配置されている。また前記基体上面に形成されたループ状の放射導体11の基板の内側の辺に位置する放射導体の中央部を受電部とし、前記受電部には第1、及び第2の伝送線(61,81)が近接して配置されている。周波数調整のため、ループ状の放射導体11における基板101の短辺に平行な部分の線幅を0.58mm、基板101の長辺に平行な部分の線幅は0.5mmにて形成されている。
第1の給電部21は基板101上に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路22を介して受電部近傍まで伝送され、そこで第1の伝送線61と接続されている。基板101上に形成された伝送線路22と第1の伝送線61の接続部には整合を確保するための並列整合素子187及び直列整合素子188が挿入されている。
第1の伝送線61は直列整合素子188との接続部を基点として基板面に対して高さ方向に2mm延伸し、そこから受電部の放射導体と平行に5mm延伸し、そこから基板面に向かい2mm延伸し基板101のグランド領域103に接地される略C字状の線路を形成している。C字状の線路の中央部と受電部は近接しており、その距離は高さ方向に4mm、基板長手方向に3mmだけ離れている。
一方、第2の給電部41は基板面に形成され、基板101上に形成された50オームの伝送線路42を介して受電部近傍まで伝送され、そこで第2の伝送線81と接続されている。基板101上に形成された50オームの伝送線路42と第2の伝送線81の接続部には整合を確保するための直列整合素子288及び並列整合素子287が挿入されている。
第2の伝送線は直列整合素子288との接続部を基点とし、基体401の側面上に形成され、高さ方向に2.5mmまで延伸し開放端となる線路を形成している。前記開放端と受電部は近接しており、その距離は高さ方向に3.5mmだけ離れている。
図49は、実施例9に係るアンテナ装置の電気特性図である。図49には、第1の給電部21からみた反射特性141(Return loss)iと第2の給電部41から見た反射特性142iと通過(Isolation)特性143iと、更に給電部21から給電した電波の放射効率(Radiation efficiency)144i、第2の給電部41から給電した電波の放射効率145iを示している。共振周波数は第1、第2の給電部から励振した場合で、それぞれ約2.56GHzであり同一周波数で動作しており、帯域は第1の給電部で約5.2%、第2の給電部で約3.5%確保されている。143iから、2つの給電部の間、すなわち第1の給電部21と第2の給電部41との間でのアイソレーション特性は、動作周波数近傍の2.45GHzから2.7GHzの範囲で約−15dB以下の良好な特性が確保できていることが解る。
また第1の給電部から給電した電波の放射効率144iは最大−1.5dB、第2の給電部から給電した電波の放射効率145iは最大−2.3dB程度の放射特性を得られている。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
1001、1002、1003、1004、1005、
1006、1007、1008,1009 アンテナ装置
11 ループ状の放射導体
21 第1の給電部
41 第2の給電部
22、42 50オームの伝送線
61 第1の伝送線
81 第2の伝送線
101 基板
102 非グランド領域
103 グランド領域
201 第1の平面
301 特性インピーダンス調整部
401 基体
501 受電部
11a 第1の導体パターン
11b 第2の導体パターン
11c 第1の接続導体
11d 第2の接続導体
12 対向領域
13 容量調整部







Claims (10)

  1. グランド領域を持つ基板と、
    前記基板上に配置された第1、及び第2の給電部と、
    ループ状の放射導体と、
    第1、及び第2の伝送線と、を有し、
    前記ループ状の放射導体は
    前記第1及び第2の伝送線と近接する受電部と、特性インピーダンス調整部を有し、
    前記第1の伝送線のうちの前記ループ状の放射導体と平行な部分と、前記第2の伝送線のうちの前記ループ状の放射導体と平行な部分をそれぞれ2等分する第1の平面に対し面対称となる形状を有し、
    前記第1の伝送線は前記第1の給電部より延伸し、前記受電部の近傍を経由し、先端が前記グランド領域に接地され、
    前記第2の伝送線は前記第2の給電部より延伸し、前記受電部近傍において、先端が開放端となることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記ループ状の放射導体は、折りたたまれた形状となることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置
  3. 前記第1の伝送線、前記第2の伝送線、及び前記ループ状の放射導体の少なくともいずれか一つの導体の一部は、
    前記基板上の導体パターンにより形成されることを特徴とした請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記基板は少なくとも2層の電極構造を有し、前記第1の伝送線の少なくとも一部はいずれか1つの層に形成され、前記第2の伝送線の少なくとも一部はそれとは異なる層に形成されることを特徴とした請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記基板上に誘電体又は磁性体からなる略直方体状の基体を有し、前記基体表面に前記ループ状の放射導体が形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記基板は少なくとも前記基板上の一辺に沿って非グランド領域を有し、前記基体は前記基板の非グランド領域に配置されることを特徴とした請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記基体は、前記グランド領域と前記非グランド領域との境界線に平行に配置され、
    前記境界線と平行となる辺を含む第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、
    前記境界線と平行となる辺を含み前記第1の面と前記第2の面とを接続する第3の面と、を有し、
    前記第1の面と前記第3の面とは第1の辺で接続され、
    前記第2の面と前記第3の面とは第2の辺で接続され、
    前記ループ状の放射導体は前記第1の面の稜線に沿って形成され、前記第1の辺の略中央に第1の離間部を有する略C字状の第1の導体パターンと、
    前記第2の面の稜線に沿って形成され、前記第2の辺の略中央に第2の離間部を有する略C字状の第2の導体パターンと、を有し、
    前記第1の導体パターンの端部と前記第2の導体パターンの端部とが、
    前記第3の面に形成された第1及び第2の接続導体で接続され、
    前記第1の接続導体と前記第2の接続導体との間に間隙部を有していることを特徴とする請求項6に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1の導体パターンは前記第1の面のみに形成され、前記第2の導体パターンは前記第2の面のみに形成されることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記間隙部と前記第1、第2の離間部とから形成される前記放射導体の対向領域に容量調整部を有することを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
  10. 前記第1の伝送線、及び/又は前記第2の伝送線の少なくとも一部は基体表面に形成されることを特徴とした請求項5から9のいずれかに記載のアンテナ装置。

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