JP4051147B2 - 芯棒打込み式アンカーの打込み用芯棒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、「あと施工アンカー」において、金属拡張アンカーに分類される芯棒打込み式アンカーの打込み用芯棒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芯棒打込み式アンカーは、アンカー本体、芯棒、アンカー本体に螺合されるナット、座金で構成され、アンカー本体と称する穴加工された軸に芯棒の先端部を挿入し、アンカー本体より出ている芯棒の基端部をハンマー等で叩打してアンカー本体のコンクリートに埋め込まれた先端部分の拡張部を開き、コンクリートの孔壁に喰込ませて固着するアンカーである。図1Aは芯棒打込み式アンカーの本体と芯棒の一例を示し、図1Bは芯棒を本体にセットした状態を示している。
【0003】
アンカーに使用する素材は、鋼製とステンレス鋼製があるが、安価で施工性の良い鋼製の方が多く使用されている。鋼製のアンカー本体は、快削鋼、冷間圧造用炭素鋼等の生材が使用されている。又、芯棒は、アンカー本体から突出させる基端部をハンマー等で打撃を加えアンカー本体のコンクリートに埋め込まれた先端部分を拡張するため、基端部はハンマー等の衝撃でへたりが少なく角部が欠けたり飛んだりしないものがよく、又、もろさが無い所謂「靭性」が必要である。
【0004】
芯棒の形状は、基端部がハンマー等により打撃されるので、施工向きが上向き、横向き、下向等により、芯棒の真芯からずれて打撃されることも多いので、アンカー本体の外径が6mm、8mm、10mm、12mmなどの多量に使用される小中サイズの場合は、基端部に軸径より大きな頭部を形成することが多い。なお、頭部の形状は図1Bに示す台形型に近く、頂部の各角には鋭角のないアール形状に加工されるのがよい。特に頭部と軸部がつながる所謂首下部分には打撃による応力集中が加わるので、頭部と軸はアール形状でつなげ応力集中を小さくするのがよい。
【0005】
又、芯棒打込み式アンカーの施工時の打込み回数は、アンカーのサイズ、コンクリートの圧縮強度等により複数回に及ぶが、打込みの度に基端部及び先端部分には衝撃力が加わるので、芯棒は衝撃に強く折れたり破損したりしない硬さと同時に相反する靭性が要求される。さらに又、芯棒の先端部は、アンカー本体をコンクリート中で拡張させるので形状的には砲弾型形状にして本体より硬いことが必要である。
【0006】
以上のことから、芯棒には一定の硬さと靭性並びにサイズに応じ適切な頭部形状が必要となる。なお、鋼製の芯棒は、機械構造用炭素鋼のS45C〜S55Cを用い、焼入れ後、靭性を確保するため焼戻しを行い硬さはアンカーサイズに応じHv410〜490(ビッカース硬さ)にしており、さらに防錆処理は、アンカー本体、芯棒とも電気亜鉛メッキに有色クロメートあるいは光沢クロメートの被膜処理を施している。図2は従来における鋼製芯棒の製造工程を示している。
【0007】
一方、ステンレス鋼製のアンカーは、雨水や水の当たる屋内外、湿度の高いところ、塩害を受ける場所、排気ガスあるいは雰囲気の悪い環境など耐蝕性が要求される場所で使用されている。特に近年は環境の悪化により需要が急増している。ステンレス鋼製アンカーにおいて、本体部分の素材は、耐食性が高いオーステナイト系のSUS304,SUS316,SUSXM7等が使用されている。又、芯棒は鋼製の場合と同じ硬さと靭性が要求されるので、焼入れ、焼戻しが可能なフェライト系のSUS430系、マルテンサイト系のSUS420系が使用されている。
【0008】
これによって、芯棒は施工の打込みに必要な硬さは得られていたが、鋼製のものに比べて靭性が低いので施工時に折れやすいという問題があった。又、従来の製造方法では2回の酸洗いと熱処理を行うため、酸洗いによる影響で水素脆性によるもろさが加わるので靭性をさらに低下させている。このため、基端部に軸径より大きな頭部を設けると、施工によるハンマー等の打撃力が芯棒の軸芯から少しずれただけで頭部の一部が飛んだり、欠けたり、あるいは首下部で折れたりすることがあった。
【0009】
ところで、オーステナイト系ステンレス鋼線材を伸線加工すると強度と靭性を備えた素材が得られることは知られており、例えば、特開昭63−57744、特公平4−70086、特公昭56−33163、特公平7−80008、特開平1−298115の各公報に紹介されている。
【0010】
特開昭63−57744公報記載の発明は、化学成分の含有量を定めたもので耐蝕性ばね、ロッド、シャフト、ピン等を使用目的にしている。又、特公平4−70086公報記載の発明は、ステンレス鋼棒にNiメッキを施し、ダイスに特殊な潤滑剤を用いた「ばね」の製造方法に関している。さらに、特公昭56−33163公報及び特公平7−80008公報記載の発明は、伸線時に加熱とNi含有の関係を求めた特別な加工方法によるばね鋼を対象にしている。さらに又、特開平1−298115公報記載の発明は、重量比で化学成分を定め、950〜1050℃の容体化処理後に伸線加工を行って炭素鋼のピアノ線と同等の高強度のステンレス鋼線を提供することを目的としている。
【0011】
しかしながら従来技術による製造方法は、主に「JIS・G4313ばね用ステンレス鋼線」をより高度化したばね用素材の発明であり、何れも引張強さを高めることが目的であって靭性の問題を言及したものではなかった。「JIS・G4313ばね用ステンレス鋼線」の規格は、材料はJIS・G4308の線材とし、調質区分と線径区分により機械的性質として引張強さを定め、製造方法としては「固溶化熱処理を行った後、強度の伸線を行う。」と規定している。しかし、線材の引張強さは「強度の伸線」と定めるだけで伸線加工率あるいは伸線回数を規定したものではない。
【0012】
本発明が主題とするアンカーの打込み用芯棒のように軸方向に他端部にも打撃力が加わるものでは、施工時に斜めに打撃力が加えられることもある。このためアンカーの芯棒は、JIS・G4313のばね作用的な使用方法とは異なる使い方となり、軸方向に加えられる打撃力に強く、斜めに打撃力が加えられても曲がりにくく、たとえ多少曲がってもそのまま打撃力が加えられるので、両端部分は部分的に欠けたり折れたりしないことが要求される。従ってこれら諸条件を満足するためには、JIS・G4313ばね用ステンレス鋼線に規定されている事項の他に硬さと靭性が必要となる。
【0013】
従来技術においては、ステンレス鋼線材に対して硬さと同時に相反する靭性の問題が提起されたことはなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、伸線加工をすることによって引張強さから得られる硬さと靭性を備えた芯棒打込み式アンカーの打込み用芯棒を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
解決手段の第1は、オーステナイト系ステンレス鋼線材を素材とし、4〜9回の伸線加工を行って総伸線加工率60〜90%、引張強さ1200〜1700MPa(メガパスカル)となる棒材を形成し、先端部に砲弾型形状を形成し、基端部に軸径よりも大径な頭部を形成するものであって、上記頭部は、首下部から頭部外縁に向ってファイバー・フローを同一方向に連続させ、上記首下部は、上記頭部と軸部をアール形状で連続させたことを特徴とするものである。
解決手段の第2は、解決手段の第1において、素材が、オーステナイト系のSUS300系、SUSXM7、SUSXM15J1のステンレス鋼線材であることを特徴とするものである。
解決手段の第3は、解決手段の第2において、素材のカーボン含有量が、0.02〜0.06%であることを特徴とするものである。
【0016】
伸線加工は、ファイバー・フロー(金属の多結晶集合体及び多結晶体の偏析が冷間による塑性加工により繊維状の流れに変化したもの。)を作り引張強さを高めるために行うが、伸線回数を増すことによって全体の伸線加工率(ここでは径の断面積をさし減面率と同じである。)を上げると引張強さが高まり、同時にファイバー・フローは細かく、緻密なものとなり硬さと共に靭性を増すことができる。ファイバー・フローで作られた靭性は鋼製芯棒の焼入れ、焼戻しによって得られる靭性と異なり、鋼製芯棒より低い硬さでも衝撃に強く芯棒頭部の角が欠けたり飛んだりせず、特に頭部を設けた芯棒の首下部に対しては強い靭性を示す。
【0017】
伸線加工において、引張強さに最も影響するのはカーボン含有量であり、カーボン含有量が低すぎると伸線回数を増やしても引張強さが高くならないので、カーボン含有量は0.02〜0.06%の範囲がよい。
【0018】
芯棒は、打撃を受ける基端部には軸径サイズにより台形型をした頭部を形成する。頭部は首下部から頭部外縁に向ってファイバー・フローが同一方向に連続し、打撃による応力集中を受ける首下部は頭部と軸部を大きなアール形状で連続するようにする。又、先端部には硬さに応じ冷間圧造、切削、研削等により砲弾型形状を形成する。
【0019】
本発明は、オーステナイト系SUS300系、SUSXM7、SUSXM15J1のステンレス鋼線材を素材とし、伸線回数を少なくとも4〜9回、伸線加工率60〜90%になるように伸線加工を行い、芯棒に必要な引張強さ1200〜1700MPaを得ると共に、ファイバー・フローによる靭性を備えるものである。
【0020】
本発明は、アンカー施工の際にハンマー等の打撃を受ける芯棒の基端部は軸のまま、又は軸径より大きな頭部を付けた場合でもファイバー・フローを有するので硬さと靭性があり、従来の熱処理を施したSUS430系、SUS420系から製造した芯棒のようなもろさがない。特に、基端部に頭部を設ける場合は、頭部と軸部(首下)を大きなアール形状で連続することによりファイバー・フローによる靭性のある首部を得ることができる。このため、アンカー本体と芯棒がセットされ、施工前の状態で本体より外に出ている芯棒の軸部分は施工の際に多少斜めに打撃されてもスプリングバック力があり、曲がったり折れたりするおそれがないものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるステンレス鋼製芯棒の製造方法を図3を参照して説明する。まず、オーステナイト系SUS300系、SUSXM7、SUSXM15J1のうち目的とする素材を用意し、常法に従い前処理作業としてコイル状素材のまま酸洗いを行い、次いで潤滑表面処理を行う。次に、常法に従い前処理作業が済んだコイル状素材を所定回数の伸線加工を行って目的とする軸径に縮径し所定の長さに切断する。さらにサイズに応じて基端部に台形型をした頭部を形成し、次いで先端部に砲弾型形状を形成する。なお、伸線加工は連続して行われるものである。
【0022】
前処理作業の酸洗いにより、ステンレス鋼製材の表面に形成される結晶粒界に水素が侵入して脆化が考えられるが、焼入れにより結晶粒界に水素が残留するのと違い伸線加工により結晶粒界は加工のたびに潰れ、最終段階では結晶粒界の大半はなくなり、極細状のファイバー・フローとなり靭性が増し脆化防止に役立っている。
【0023】
本実施例で芯棒として製品にした素材は、SUS304J3であり、化学成分は表1のA欄に示す。又、伸線のみ(芯棒の成形はせず)を行ったSUS304の化学成分をB欄に示す。この他、従来品のSUS341に相当する素材の化学成分をC欄に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例の素材は直径7.3mmである。又、製品化せずに伸線のみを行った素材の直径は5.5mmである。なお、図4はこれら素材の伸線加工率と引張強さの関係を示している。実施例は、直径7.3mmの素材に5回の伸線加工を行った。
φ7.3→φ6.1(1回目)→φ5.0(2回目)→φ4.4(3回目)→φ3.6(4回目)→φ3.38(5回目)(mm)
5回の伸線加工で直径が7.3mmから3.38mmとなった棒材が本体直径8mmのアンカーに使用する芯棒の径なので製品としての芯棒形状を作り、実際にコンクリートに施工する実験を行った。
【0026】
次に、伸線加工と引張強さ、硬さ(実際に測定した硬さ)、ファイバー・フローについて各素材の伸線加工ごとにその変化について説明する。1回目の伸線加工で直径6.1mmに縮径された棒材は、伸線加工率は30%である。アムスラー試験による引張強さ(以下の引張試験アムスラー試験機による。)825N/mm2、硬さは軸断面の平均がHv263であった。なお、硬さ試験は軸断面の6ヵ所を測定して平均した数値を求めた(以下同じ)。図5に示す顕微鏡写真による棒材断面の200倍写真で観察すると、素材の結晶は軸の外縁部分(図5A)は変形した状態で残っているが、中心部分(図5B)は伸線加工の影響がみられ結晶の滑り面状態となっている。
【0027】
2回目の伸線加工で直径5.0mmに縮径された棒材は、伸線加工率33%、総伸線加工率53%である。引張強さ1100N/mm2、硬さは平均がHv317.5であった。又、図6に示す顕微鏡写真による棒材断面の200倍写真では、軸の外縁部分の結晶(図6A)が潰れてはいるが大部分が残っている。一方、中心部分(図6B)は外縁部分よりも結晶は潰されほぼ1/3以上が太いファイバーの流れに変化している。
【0028】
3回目の伸線加工では直径4.4mmに縮径された棒材は、伸線加工率23%、総伸線加工率64%である。引張強さは1190N/mm2、断面の固さの平均はHv339.4であった。図7に示す顕微鏡写真による棒材断面の200倍写真では、不完全ながらファイバーが軸方向に流れている。結晶は中心部分では潰れた状態で残っているが、その他は太いファイバーと細いファイバーが混在している。
【0029】
4回目の伸線加工率で直径3.6mmに縮径された棒材は、伸線加工率33%、総伸線加工率76%である。引張強さ1320N/mm2、断面の硬さの平均はHv370.0であった。図8に示す顕微鏡写真による棒材断面の200倍写真では、軸の外縁部分に潰れた結晶を見ることができるが中心部分にも結晶と思われる痕跡が見える。
【0030】
5回目の伸線で直径3.38mmに縮径された棒材は、伸線加工率12%、総伸線加工率79%である。引張強さ1367N/mm2、断面の硬さの平均はHv383.1であった。図9に示す顕微鏡写真による棒材断面の200倍写真では、ファイバー・フローは均一化されていないところも部分的には残っているが3.6mm棒材に比べさらに緻密になっている。
【0031】
伸線加工して得られたφ3.38mm棒材は、本発明に係る芯棒打込み式アンカーなので実際に製品化し次のテストを行った。
▲1▼アンカーとして実際のコンクリートに施工し、芯棒としての打込み性、アンカーの強度
▲2▼芯棒の頭部曲げテスト
▲3▼耐久性テスト(塩水噴霧テスト)
【0032】
伸線されたφ3.38mm棒材から製造した製品(芯棒)の性質は以下のごとくである。図10に示す顕微鏡写真のように、頭部は頂部中央部分から軸線方向に延びるファイバー・フローが頭部形状に沿って半径方向に拡がり、軸部に連続する部分は軸部に向って集束している。すなわち、ファイバー・フローは頭部及び軸部において連続した同一方向の流れとなっている。
【0033】
このようなファイバー・フローの流れは、首下部の弾性の強さを示しており、頭部にハンマー等の衝撃的な打撃を受けても角部が飛んだり欠損しにくくなっている。又、芯棒の先端部は砲弾型形状に形成するが、冷間転造で形成する場合ファイバー・フローは軸部より密度が高くなるが、切削、研削によって形成することもある。
【0034】
次に、打込み施工については通常の施工と同じ1.5ポンドのハンマーでアンカー強度試験を兼ね10回行った。打込み回数は平均2.8回であった。従来品も同じコンクリートブロックで施工したが打込み回数は平均で2.6回で若干少なかった。
【0035】
アンカー強度については比例最大荷重(アンカーがコンクリートに対し抜け出す前の弾性内の最大荷重)、最大荷重共にバラツキを考え標準偏差で比べてみても実施品及び従来品の両者に差はなかった。表2は本発明の芯棒を用いたアンカーテスト結果であり、又、表3は従来品のテスト結果である。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
次に芯棒の首部の靭性テストは「JIS・B1051−1991,423くさび引張試験」を応用して行った。JIS・B1051のくさび引張試験は、例えば六角ボルト頭部に角度αのくさびを入れ、、この状態で引張試験を行うが、本テストでは図11に示すように、くさびに相当する角度は15度とし芯棒を穴の中に入れハンマーで頭部が15度傾くまで打撃し、その後、くさび治具により芯棒を抜き、芯棒の軸芯に直交な治具を頭部(15度傾いた状態)に当て他端の砲弾状に近い軸部をチャッキングして引張試験を行う。
【0039】
この引張試験で芯棒のどの部分で破断するかを調べる。芯棒の頭部あるいは首下部で破断せずに軸部で破断すれば頭部あるいは首部に靭性があり強いことになる。表4は本発明品及び従来品の芯棒の首部靭性テスト結果を示している。なお、従来品は焼き入れ、焼戻しをしたものである。
【0040】
【表4】
【0041】
表4の[2]及び図12に示す芯棒の破断図からみると、従来のステンレス焼入れ、焼戻しの芯棒は5本のくさびテスト中2本は首部と頭部で破断しこの部分の靭性が弱いことを示している。一方、本発明品は芯棒の首部、頭部では破断せず破断は首部の押えあるいはチャッキングの無い軸部で破断しているので首部、頭部は靭性が強いことを示している。
【0042】
耐蝕性については「JIS・Z2371−1994塩水噴霧試験」で従来品との比較を行った。塩水噴霧試験の結果を表5に示すが、従来品は24時間ですでに赤錆が発生したが、本発明品の芯棒はセットされる本体と同じく480時間経過してもさびは全く発生しなかった。
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】
本発明の芯棒は、伸線加工を複数回行うことによって「JIS・G4313ばね用ステンレス鋼線」の引張強さに該規格で定められていない引張強さから得られる硬さを確保し、さらに靭性としてのファイバー・フローを得るため、熱処理に適さないオーステナイト系ステンレス鋼を素材としながら、焼き入れ焼戻しを行った鋼製製品と変わらない硬さと靭性を有する良質なアンカー打込み用芯棒が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは芯棒打込み式アンカーの本体と芯棒を示す側面図、Bは芯棒をアンカーにセットした状態を示す側面図。
【図2】従来における鋼製芯棒の製造工程を示す工程図。
【図3】本発明におけるステンレス鋼製芯棒の製造工程を示す工程図。
【図4】伸線加工率と引張強さの関係を示すグラフ。
【図5】1回目の伸線加工により直径が6.1mmに縮径された棒材断面の200倍顕微鏡写真であり、Aは側縁部、Bは中心部を示している。
【図6】2回目の伸線加工により直径が5.00mmに縮径された棒材断面の200倍顕微鏡写真であり、Aは側縁部、Bは中心部を示している。
【図7】3回目の伸線加工により直径が4.4mmに縮径された棒材断面の200倍顕微鏡写真であり、Aは側縁部、Bは中心部を示している。
【図8】4回目の伸線加工により直径が3.6mmに縮径された棒材断面の200倍顕微鏡写真であり、Aは側縁部、Bは中心部を示している。
【図9】5回目の伸線加工により直径が3.38mmに縮径された棒材断面の200倍顕微鏡写真であり、Aは側縁部、Bは中心部を示している。
【図10】5回の伸線加工により3.38mmに縮径された棒材の基端部に形成した頭部断面の50倍顕微鏡写真であり、ファイバー・フローの流れを示している。
【図11】芯棒頭部の靭性テストの方法を示す模式図。
【図12】芯棒の破断状況を示す模式図。
Claims (3)
- オーステナイト系ステンレス鋼線材を素材とし、4〜9回の伸線加工を行って総伸線加工率60〜90%、引張強さ1200〜1700MPa(メガパスカル)となる棒材を形成し、先端部に砲弾型形状を形成し、基端部に軸径よりも大径な頭部を形成するものであって、上記頭部は、首下部から頭部外縁に向ってファイバー・フローを同一方向に連続させ、上記首下部は、上記頭部と軸部をアール形状で連続させたことを特徴とする芯棒打込み式アンカーの打込み用芯棒。
- 素材が、オーステナイト系のSUS300系、SUSXM7、SUSXM15J1のステンレス鋼線材であることを特徴とする請求項1に記載の芯棒打込み式アンカーの打込み用芯棒。
- 素材のカーボン含有量が、0.02〜0.06%であることを特徴とする請求項2に記載の芯棒打込み式アンカーの打込み用芯棒。
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