JP4050705B2 - 清掃用具及び清掃用具を構成する清掃部の製造方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は拭取り用の清掃用具及び清掃用具を構成する清掃部の製造方法に関する。
【0002】
背景技術
タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等についた埃をとるための清掃用具としては、従来から、ハタキが用いられてきた。
ハタキは、柄部の先端に複数の索状帯が取り付けられた構造を有し、前記索状帯で埃がついた対象物の表面をはたくことにより、埃を取去るというものである。従って、従来のハタキには拭取るという機能がなかったので、埃を大気中に撒き散らすことなく取去ることができなかった。
かかるハタキの問題点を改良するために、拭き取り部とはたき部を備えた清掃布を柄部の先端のヘッドに設けてなる清掃具が提案された(特開平10−43115)。しかしこの清掃具は拭き取り部による汚れ拭き取り能力は充分ではなく、使い勝手も悪いものであった。
また、柄部とヘッド部と清掃布からなり、ヘッド部の中央に本体部を構成すると共に、本体部の周辺に薄肉の可撓性部を形成してなるハンドワイパーが提案された(特開2000−83883)。しかし、このハンドワイパーも汚れ拭き取り能力が充分でないばかりか、狭い隙間における清掃を良好に行うことができなかった。
本発明は汚れ拭き取り能力が大きく、狭い隙間における清掃にも十分な清掃能力を発揮できる清掃用具を提供することを目的とする。
また本発明は、清掃用具を構成する清掃部を容易に製造できる清掃部の製造方法を提供することを目的とする。
【0003】
発明の開示
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成し、シート束の中心に切断線を設け、この切断線に沿って、一側面のひだ部が他側面のひだ部に重なるようにシート束を二つ折りに折り曲げ、ひだ部の近傍にシール部を形成してひだ部と区画された嵩高部を形成し、ひだ部が相互に重なるようにシート束を更に二つ折りに折り曲げて、U字状に曲成された嵩高部と該嵩高部に沿ってその下方に形成されたひだ部とからなる清掃部を形成し、嵩高部の内部に形成された空間部を柄挿入部として構成し、該柄挿入部に柄部の支持部を挿入して柄部に清掃部を支持してなることを特徴とする清掃用具である。
また本発明は嵩高部の下方にひだ部を有するが、嵩高部自体にひだ部を形成することもできる。この場合、嵩高部の上端部に形成された切れ目によってひだ部が構成される。
【0004】
清掃部の製造方法は、複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成する工程と、シート束の中心に切断線を設け、この切断線に沿って、一側面のひだ部が他側面のひだ部に重なるようにシート束を二つ折りに折り曲げる工程(第一折り曲げ工程)と、この二つ折りされたシート束のひだ部の近傍にシール部を形成してひだ部と区画された嵩高部を形成する工程と、ひだ部が相互に重なるようにシート束を更に二つ折りに折り曲げる工程(第二折り曲げ工程)と、折り曲げ端部相互を連結する工程とからなる。シート束の第一折り曲げ工程における折り曲げ線に沿って設けた切断線により、嵩高部上部に起毛状の毛羽面を形成される。
また嵩高部自体にひだ部を形成するには、シート束の第一折り曲げ工程における折り曲げ線に沿って切断線を入れると共に、この切断線の切断端面に多数の切れ目を入れればよい。
【0005】
本発明は清掃面にひだ部を形成しているので、ひだ部が凹凸面や細い隙間に入り込み、確実に埃を捕捉して拭き取りを行なえる効果があると共に、狭い隙間における清掃も容易に行なえる効果がある。
本発明は複数枚のシートを重ね合わせたシート束に切れ目を入れてひだ部を形成し、ひだ部が相互に重なるようにシート束を折り曲げると共に(第一折り曲げ)、この第一折り曲げ後、更にひだ部が相互に重なるように第二の折り曲げを行なって嵩高部をU字状に曲成してなるので、ひだ部は単位面積当たりの本数が多く、全体としてボリュームのあるひだ部を形成でき、その結果、拭き取り能力に優れたものとなる。
本発明は嵩高部を有するので、この嵩高部に柄部挿入部を形成でき、その結果、柄部挿入部形成のため別体のシートを張り合わせるという必要がない。また嵩高部の上部にシート束切断面を形成し、それにより毛羽面を形成した場合や、嵩高部自体にひだ部を形成した場合には、嵩高部を清掃面として構成することができ、その結果、嵩高部下方のひだ部と嵩高部上面との二つの面が清掃面として機能することになり、清掃効率を上げ、且つ使い勝手が良くなる。
本発明の清掃部の製造方法によれば、拭き取り能力の高い清掃部を簡単な工程で容易に製造できる利点がある。
【0006】
発明を実施するための最良の形態
図1に示す清掃用具1は、清掃部2と柄部5とからなり、清掃部2はU字状に曲成された嵩高部40と、該嵩高部40の内部に形成された柄挿入部3と、嵩高部40に沿ってその下方に形成されたひだ部4とから構成されている。清掃部2は複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束を後述するように二度折り曲げて(図1において、7は第一の折り曲げ部を示し、9は第二の折り曲げ部を示す)構成されるもので、折り曲げ部7から折り曲げられたシート束に線状のシール部6が折り曲げ部7に平行に設けられており、このシール部6を設けることによって形成される空間部を柄挿入部3として構成している。シール部6は例えば熱融着によって形成される。8a、8bはそれぞれ、柄挿入部3における挿入口である。
尚、第一シール部6を折り曲げ部7に平行に設けるとは、第一シール部6が折り曲げ部7に対して若干傾いていたり、湾曲している場合も含む意味である。
【0007】
本発明の清掃具1は、図2に示すように嵩高部40の上部にシート束切断面15が形成されており、それにより嵩高部40の上部に起毛状の毛羽面が形成されている。このように嵩高部上部に起毛状の毛羽面を形成するには、シート束の第一折り曲げ工程における折り曲げ線に沿って切断線を入れればよい。このシート切断の際、毛羽面が形成される。この実施形態においては、シール部として第一のシール部6と第二のシール部17との二つのシール部が設けられており、二つのシール部によって形成される空間部を柄挿入部3として構成している。
【0008】
図3は本発明の他の実施形態を示すもので、この実施形態においては嵩高部40自体にもひだ部16が設けられている。ひだ部16は嵩高部40の上端部に設けられ、嵩高部40下方のひだ部4と同様、短冊状の形態を有している。
このように嵩高部40の上端部にひだ部16とを形成するには、シート束の第一折り曲げ工程における折り曲げ線に沿って切断線を入れると共に、この切断線の切断端面に沿って多数の切れ目を入れればよい。
この実施形態においても、シール部として第一のシール部6と第二のシール部17との二つのシール部が設けられており、二つのシール部によって形成される空間部を柄挿入部3として構成している。
【0009】
ひだ部4は短冊状の形状をしており、この短冊状のひだ部4は後述するように、シート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れることによって形成することができる。
短冊状の幅に制限はないが、0.5〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。幅が0.5mm未満の場合はひだ部4が千切れ易くなる虞があり、5mmを超える場合は幅が広すぎて狭い溝にある埃の捕捉能力が低下する虞がある。
短冊状の長さにも制限はないが、20〜100mmが好ましく、30〜90mmがより好ましく、40〜70mmが更に好ましい。長さが20mm未満の場合は、短かすぎて埃を効率よく拭取ることができない虞があり、100mmを超える場合は長すぎて取扱いが困難になる上に、ひだ部4どうしが絡み合って団子状になりやすくなる虞がある。
【0010】
清掃部2における折り曲げ部9の上端(即ち、嵩高部40の先端部)には、図1に示すように、切欠11が設けられていることが好ましい。このように構成すると、折り曲げたシート束にシール部6を形成した後、ひだ部4相互を重ねるように第二の折り曲げを行なうに当たり、その折り曲げを容易に行なうことができる。また切欠11を設けることによって清掃部2の先端を狭い隙間に押込み易くなるので、狭い隙間の清掃が容易になる。
【0011】
シート束の第二の折り曲げを行なって嵩高部40をU字状に曲成した後、折り曲げ端部相互を連結する結合部12が設けられる。結合部12は嵩高部40の任意の場所に設けられるが、柄挿入部3の挿入口8a、8bの端部付近に設けることが好ましい。結合手段としては、熱融着、縫製などの方法が挙げられる。
嵩高部40とひだ部4は一体に設けられているが、本発明の別の実施形態として両者を別体に作り、熱融着、縫製などによって結合するようにしてもよい。
【0012】
本発明のシート束を構成するシートは、短繊維からなることが好ましい。該短繊維は微細な空隙に埃を捕捉し保持する機能を有するので、埃を拭取る材料として好適なものである。
シートを構成する短繊維に特に制限はないが、複数枚のシートを重ね合せて熱プレスすることにより、容易にシート束を作製できるという点で合成繊維が好ましい。
また、該合成繊維に特に制限はないが、融点の高いポリエステルを融点の低いポリエチレンで被覆した複合繊維が好ましい。このように構成された複合繊維は剛性に富み、柔軟性にも優れるので埃の拭き取り効果に優れている。又、加熱融着させる際に、温度がポリエチレンに対して高めに設定されても、繊維としての形状が保持されるので熱融着が容易なものとなる。
前記短繊維からなるシートとしては、例えば織布、不織布が挙げられるが、吸塵性に優れ、耐摩耗性にも優れている不織布が好ましい。該不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サクションボンド不織布、サクションヒートボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。
本発明のシート束を構成するシートの枚数に制限はないが、2〜10枚が好ましく、3〜6枚がより好ましい。
【0013】
次に、清掃部2の製造方法の一例を図4〜図6に基づき説明する。
まず、短繊維を重ねて加熱押圧することによりシート状物を製造する。
次に、該シート状物を複数枚積み重ねてシート束21を形成する。
次に、図4(a)、図5(a)、図6(a)に示すように、シート束21の長手方向両端部にシール部22、23を設ける。シール部22、23は加熱加圧による熱融着によって形成することが好ましい。
次に、シート束21の一側面24と他側面25にそれぞれ多数の切れ目26、27を入れることにより2列の短冊状のひだ部4を形成する。シート束の強度に方向性がある場合は、切れ目26、27はシート束の強度が優れている方向と平行に形成することが、ひだ部4が千切れ易くなることを防止できるので好ましい。
切れ目26、27を入れる工程時に同時にシート束21の中央部に、抜穴28を形成する。抜穴28の形状に制限はないが、図4(a)、図5(a)、図6(a)に示すような、シート束21の中心を通る第一の折り曲げ線(A−A線)方向に二つの小さな山形の突起35を有する円形が好ましい。抜穴28がこのように形成されていると、図1(a)、図2(a)、図3(a)に示すように、切欠11が線状になり、清掃部2を折り曲げ部9から折り曲げ易くなると共に、清掃部2の先端が尖った形状となり、清掃時に狭い隙間に押込み易くなるので好ましい。
【0014】
図2に示す本発明の清掃具の清掃部2を製造する場合は、次の工程に進む前に、図5(a)に示すように第一の折り曲げ線(A−A線)に沿って切断線30を入れる。このように切断線30を入れることにより、その切断面に起毛状の毛羽面を形成することができる。
【0015】
図3に示す本発明清掃具の清掃部2を製造する場合は、次の工程に進む前に、図6(a)に示すように第一の折り曲げ線(A−A線)に沿って切断線30を入れると共に、この切断線30の切断端面に沿って多数の切れ目31、32を入れる。このように切れ目31、32を入れることにより、嵩高部40自体にも短冊状のひだ部16を形成することができる。
【0016】
次に、一側面24のひだ部4が他側面24のひだ部4に重なるように第一の折り曲げ線(A−A線)に沿ってシート束21を二つ折りに折り曲げる(第一折り曲げ工程)。
次いで、図4(b)に示すようにひだ部4の近傍にシール部6を形成する。シール部6を形成する手段として熱融着が好ましい。図2、図3に示す清掃具においてはシール部6の他に適宜間隔をあけて第二のシール部17を設ける(図5(b)、図6(b))。
このようにシール部6を形成することにより、ひだ部4と区画された嵩高部40が形成され、且つこの嵩高部40の内部に空間部が形成され、該空間部は柄挿入部3として構成される。第二、第三の実施形態においては空間部(柄挿入部3)は二つのシール部6、17間に形成される。
【0017】
次に、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示すように、第一折り曲げ線(A−A線)の中央部を直角に通る第二の折り曲げ線(B−B線)に沿って、ひだ部4が相互に重なるようにシート束21を二つ折りに折り曲げる(第二折り曲げ工程)。折り曲げれば清掃部2を得ることができる。第一折り曲げ線(A−A線)は折り曲げ部7に相当し、また第二の折り曲げ線(B−B線)は折り曲げ部7に相当している。
上記の第二折り曲げ工程によって嵩高部40はU字状に曲成される。次いで、嵩高部40の柄挿入部3における挿入口8a、8b付近を熱融着などにより連結し、U字形状を固定する。かくしてU字状に曲成された嵩高部40と該嵩高部40に沿ってその下方に形成されたひだ部4とからなる清掃部2が製造される。
【0018】
このように形成した清掃部2の柄挿入部3の挿入口8a、8bより、柄部5の支持部材10a、10bをそれぞれ柄挿入部3に挿入して柄部5の先端に清掃部2を支持固定する。清掃部2は柄部5に対して着脱自在に取り付けられる。
本発明における柄部はグリップ部と支持部とからなるもので、種々の形態のものを用いることができる。
柄部の材料として、プラスチック、金属、木材などを用いることができるが、軽量、安価な点でプラスチックが好ましい。プラスチックを材料として用いる場合、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が、成形が容易である点で好ましい。
【0019】
本発明の清掃用具を構成する柄部の好ましい態様を、図7、図8、図9に基いて説明する。
柄部5はグリップ部42と支持部10とからなり、支持部10は支持部材10aと支持部材10bとから構成される。
柄部5に設けられている支持部材10aと支持部材10bの間隔は、柄挿入部3の挿入口8aと挿入口8bの間隔より広めに形成されていることが好ましい。このように構成されていると、支持部材10a、10bを柄挿入部3に挿入する際、支持部材10a、10b間隔は狭められ、柄挿入部3への挿入後は、支持部材10a、10bの復元力による外方への力が働き、支持部材10a、10bは柄挿入部3内に確実に保持され、清掃時に支持部材10a、10bが柄挿入部3から容易に離脱することはない。
【0020】
前記二つの支持部材10a、10bの外側には、図7に示すように、山形状の切欠部41が設けられている。該切欠部41の支持部10先端側の切欠角度αは大きい角度が好ましく、また切欠部41のグリップ部側の切欠角度βも大きい角度が好ましい。かかる切欠部41が設けられていると、二つの支持部材10a、10bを柄挿入部3に容易に挿入できると共に、支持部材10a、10bが柄挿入部3から離脱し難くなり、清掃時の柄挿入部3からの支持部材10a、10bの離脱を防止できる。
前記支持部10とグリップ部42は折り曲げ可能であると共に、支持部10とグリップ部42を伸ばした状態において両者が固定可能である。
支持部10の根元に受け部44を設け、グリップ部42の先端に挿入部45を設け、受け部44の内部に挿入部45と嵌合可能な凹部46を設け、受け部44に形成されている凹部46内の側壁47と側壁48に軸受穴49を設け、挿入部45の側壁51と側壁52に設けた軸50を軸受穴49に回転可能に軸支する。
【0021】
受け部44の天井53には係止突起54を設け、挿入部45の上面56には係止突起54と嵌合可能な係止凹部55を設ける。グリップ部42を軸50を中心に回転させて、挿入部45を凹部46内に入れ、且つ挿入部45の係止凹部55に凹部46内の係止突起54を嵌合させる。これによりグリップ部42と支持部10が伸びた状態となる。上記とは反対方向にグリップ部42を回転させれば、係止突起54と係止凹部55との嵌合が外れてグリップ部42を支持部10下方に折り畳むことができる。
尚、受け部44をグリップ部42に設け、挿入部45を支持部10に設けてもよく、また係止突起54を挿入部45に設け、係止凹部55を受け部44に設けてもよい。
【0022】
図10(a)は本発明清掃用具に用いられる柄部の他の態様を示すものである。図10(a)に示す態様の柄部は、2本の支持部材10a、10bからなる支持部10とグリップ部61が結合部63において折り曲げて可能であるとともに、グリップ部61が伸びるように構成したものである。
図10(a)に示す態様の柄部は、グリップ部61の内部に空隙を有し、該空隙に芯材62が収容され、グリップ部61は芯材62の周囲を被い、芯材に対し長手方向にスライド可能に嵌合している。図10(b)に示すように、グリップ部61を芯材62の長手方向にスライドさせることで、柄部が伸びて長くなる。
芯材62の長手方向の端部付近には、図10に示すように突起67が設けられている。またグリップ部61の長手方向両端部付近に、上記突起67が嵌合する貫通穴65、66が設けられている。図10(a)に示すようにグリップ部61を縮小した状態において、芯材62の突起67はグリップ部61の後端側の貫通穴66に嵌合している。また図10(b)に示すようにグリップ部61を伸ばして行くと、グリップ部61の先端側の貫通穴65に芯材62の突起67が嵌合して固定される。突起67と貫通穴65、66との嵌合により、グリップ部61は所定位置へ固定される。また突起67により、グリップ部61を伸ばした際に、該グリップ部61を引き出しすぎて、グリップ部61が芯材62から外れてしまうのを防止できる。
【0023】
図11(a)に示すように、芯材62の突起67がグリップ部61の貫通穴66(あるいは65)に嵌合している状態では、芯材62に対してグリップ部61が簡単に動かないように係止されている。図11(b)に示すように、芯材62の端部の突起67を設けた部分の厚みが薄肉に形成されている。グリップ部61をスライドさせる場合、同図に示すように突起67を指で押して、グリップ61内部の空間に該突起67が押し込まれるようにすると、突起67と貫通穴66の係止状態が容易に解除することができ、グリップ部61は芯材62に対し任意にスライド可能となる。
また、図10(a)に示す態様の柄部は、グリップ部と支持部との結合部において折れ曲がって、二つ折り状態になるように形成され、両者が伸ばされた状態において使用時等にその伸ばされた状態を維持して、簡単に折り曲がることがないように、折れ防止機能が設けられている。具体的には、図12(a)、(b)に示すように、芯材62の長手方向にスライド可能に形成されたストッパー64と、支持部10の結合部63の側壁を延設してなる係止用爪片68とから折れ防止機構を構成することができる。
【0024】
図12(a)に示すように、グリップ部を支持部に対して直線状に伸ばした状態で該グリップ部が回動しない様に固定するには、ストッパー64を芯材62の長手方向にスライドさせて結合部63に押し付けられた状態とする。この状態では、ストッパー64の結合部63側上端が係止用爪片68に当接していて上方に移動できない。これに対し図12(b)に示すようにストッパー64を芯材62の長手方向のグリップ部側に芯材に沿ってスライドさせると、ストッパー64は係止用爪片68に当接しない状態となる。このようにストッパー64をスライドさせた状態で、芯材62を支持部材10a、10bの結合部63に軸支された回転軸69を中心としてほぼ180°回転させて、二つ折り状態とすることができる。
また上記ストッパー64は、芯材62を係止用爪片68から外れるように長手方向にスライドさせた際に、必要以上に移動しないように形成されている。図13(a)、(b)に示すように、芯材62の上面に円筒状突起71を設け、ストッパー64の前記円筒状突起71側に溝状凹部72が設けられている。更に、該溝状凹部72はストッパー64のグリップ側が開口し結合部63側が閉じた壁として形成されている。図13(b)に示すように、芯材62が回動可能とするためにストッパー64が結合部63の係止用爪片68から外れるようにスライドさせた場合、ストッパー64の溝状凹部72の結合部側の壁に円筒状突起71が当接して、ストッパー64はそれ以上グリップ方向にはスライドできない。
また図10の態様の柄部は、支持部とグリップ部を直線状に伸ばした状態において両者が折れ曲がらないように固定するために、図14(a)、(b)に示すように、結合部63における側壁間の底面に設けられた半球状突起73と、該半球状突起73が嵌合可能に形成された半球状凹部74から構成される固定機構が設けられている。グリップ部と支持部をまっすぐに伸ばした状態では図14(a)に示すように、支持部10の半球状突起73が芯材62の半球状凹部74に嵌まり込んだ状態となって固定される。これに対し柄部を折り畳む際には、図14(b)に示すように、グリップ部に少し大きな力を加えて回動させると、芯材62の半球状凹部74と支持部10の半球状突起73との嵌合状態が外れて、芯材62とグリップ部61を回動させて、支持部とグリップ部を二つ折り状態とすることができる。
【0025】
本発明清掃用具はひだ部4を有しているので埃を確実に捕捉できる機能がある。また嵩高部40の上部にシート束切断面15を形成した場合や嵩高部40の自体にひだ部16を形成した場合は、清掃用具の下面(ひだ部4)のみならず、清掃用具の上面(シート束切断面15による毛羽面或いはひだ部16)をも用いて拭き取り清掃を行なうことが可能となる。
清掃部2は使い捨てタイプのものであり、使用後は清掃部2を柄部5より抜き出して新しい清掃部と交換する。
【0026】
産業上の利用可能性
本発明はタンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等についた埃をとるための清掃用具として家庭などで用いるのに有益である。
【図面の簡単な説明】
図1(a)は清掃用具の正面図、図1(b)は同平面図、図2(a)は本発明清掃用具の正面図、図2(b)は同平面図、図3(a)は本発明清掃用具の他の実施態様の正面図、図3(b)は同平面図、図4(a)、(b)は清掃用具を構成する清掃部の製造方法の一例の説明図、図5(a)、(b)は本発明の清掃用具を構成する清掃部の製造方法の一例の説明図、図6(a)、(b)は本発明の他の実施態様の清掃用具を構成する清掃部の製造方法の一例の説明図、図7(a)は本発明における柄部の一例を示す正面図、図7(b)は同平面図、図8は折り畳み状態における柄部の正面図、図9(a)は柄部における折り曲げ機構部の縦断面図、図9(b)は図7(a)のD−D線に沿う縦断面図、図10(a)は柄部の他の態様を示す平面図、図10(b)は図10(a)の柄部のグリップ部を伸ばした状態を示す平面図、図11(a)は図10(a)のE−E線に沿う縦断面図、図11(b)は図11(a)の突起が押し込まれた状態を示す断面図、図12(a)は図10(a)の柄部のグリップ部と支持部との接合部分を示す要部側面図、図12(b)は図12(a)のグリップ部のストッパーを移動させた状態を示す要部側面図、図13(a)は図12(a)のストッパー付近の要部縦断面図、図13(b)は図12(b)のストッパー付近の要部縦断面図、図14(a)は図12(a)の結合部付近の要部縦断面図、sx図14(b)は図12(b)の結合部付近の要部縦断面図である。
Claims (4)
- 複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成し、シート束の中心に切断線を設け、この切断線に沿って、一側面のひだ部が他側面のひだ部に重なるようにシート束を二つ折りに折り曲げ、ひだ部の近傍にシール部を形成してひだ部と区画された嵩高部を形成し、ひだ部が相互に重なるようにシート束を更に二つ折りに折り曲げて、U字状に曲成された嵩高部と該嵩高部に沿ってその下方に形成されたひだ部とからなる清掃部を形成し、嵩高部の内部に形成された空間部を柄挿入部として構成し、該柄挿入部に柄部の支持部を挿入して柄部に清掃部を支持してなることを特徴とする清掃用具。
- 複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成すると共に、シート束の中心に切断線を設け、この切断線に多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成し、前記切断線に沿ってシート束を二つ折りに折り曲げ、ひだ部の近傍にシール部を形成してひだ部と区画された嵩高部を形成し、ひだ部が相互に重なるようにシート束を更に二つ折りに折り曲げて、U字状に曲成され且つひだ部を有する嵩高部と該嵩高部に沿ってその下方に形成されたひだ部とからなる清掃部を形成し、嵩高部の内部に形成された空間部を柄挿入部として構成し、該柄挿入部に柄部の支持部を挿入して柄部に清掃部を支持してなることを特徴とする清掃用具。
- 複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成する工程と、シート束の中心に切断線を設け、この切断線に沿って、一側面のひだ部が他側面のひだ部に重なるようにシート束を二つ折りに折り曲げる工程(第一折り曲げ工程)と、この二つ折りされたシート束のひだ部の近傍にシール部を形成してひだ部と区画された嵩高部を形成する工程と、ひだ部が相互に重なるようにシート束を更に二つ折りに折り曲げる工程(第二折り曲げ工程)と、折り曲げ端部相互を連結する工程とからなることを特徴とする清掃部の製造方法。
- 複数枚のシートを重ね合わせてなるシート束の一側面と他側面にそれぞれ多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成する工程と、シート束の中心に切断線を設け、この切断線に多数の切れ目を入れて短冊状のひだ部を形成する工程と、前記切断線に沿ってシート束を二つ折りに折り曲げる工程(第一折り曲げ工程)と、この二つ折りされたシート束のひだ部の近傍にシール部を形成してひだ部と区画された嵩高部を形成する工程と、ひだ部が相互に重なるようにシート束を更に二つ折りに折り曲げる工程(第二折り曲げ工程)と、折り曲げ端部相互を連結する工程とからなることを特徴とする清掃部の製造方法。
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