JP4050694B2 - 電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法 - Google Patents

電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4050694B2
JP4050694B2 JP2003432494A JP2003432494A JP4050694B2 JP 4050694 B2 JP4050694 B2 JP 4050694B2 JP 2003432494 A JP2003432494 A JP 2003432494A JP 2003432494 A JP2003432494 A JP 2003432494A JP 4050694 B2 JP4050694 B2 JP 4050694B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electricity
protection device
amount
section
transmission line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003432494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005192352A (ja
Inventor
吉浩 梶川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2003432494A priority Critical patent/JP4050694B2/ja
Publication of JP2005192352A publication Critical patent/JP2005192352A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4050694B2 publication Critical patent/JP4050694B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、電力系統を広域に亘って保護する電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法に係り、特に主保護装置による事故除去ができない場合に必要な後備保護装置を備えた電力系統に適用するに好適な電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法に関する。
電力を安定供給すべく電力系統に提供される保護装置は、一般に主保護装置および後備保護装置の二段構成がとられている。すなわち電力系統には、主保護装置(主保護継電器)がロック中の事故や何らかの不都合により主保護継電器が動作することができないときに生じた事故、或いは保護装置(保護継電器)関連機器である遮断器、計器用変圧器(PD)、計器用変流器(CT)等が故障したときの事故等、主保護継電装置による事故除去ができない場合に、当該事故を除去する目的で後備保護装置(後備保護継電器)が設けられている。
このような電力系統に適用される後備保護装置としては、例えば電気共同研究第37巻第1号P−12によれば、短絡後備保護のうち約90%が距離継電器であり、地絡後備保護のうち直接接地系では99%が距離継電器を適用していることが示されている。
一方、マイクロプロセッサ技術や情報通信技術の進歩はめざましく、上述した電力系統の広域保護システムへの適用が行われている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特許文献1に記載の電力系統の広域後備保護装置は、被電力保護系統に流れる電流値を検出して演算処理部に入力すると共に、事故検出した電流値を定数倍に制御することによって、正常遮断された遮断器の処理を使用する隣接の事故検出手段を動作させないようにする一方、遮断されない遮断器に流れる電流を使用する隣接の事故検出手段により該遮断器の不良を検出すると共に、この隣接する事故検出手段により必要な遮断器を遮断するものである。
また、特許文献2に記載の電力系統の広域保護システムは、遮断器で区分された保護区間の送電線各端子、母線区分、母線連絡、変圧器各端子に関して所定の基準で個別に設けられた各端末装置(RTE)の入力電気量を、各RTEのデータとして中央処理装置(CTE)へ送出し、CTE側において各RTEのデータを用いて事故区間と事故様相を判定し、その判定結果に基づいて遮断器を開放して事故除去を行うことにより、広域の電力系統の保護を行うものである。
特開平11−46438号公報 特開2001−45645号公報
上述した従来の電力系統の自端判定機能付トータル保護システムにおいては、演算処理装置に集められた所定の複数端子の電気量を用いて各送電線の事故区間を判別するため、これらの電気量を取り込むデータ入力部を備えた情報端末が必要であった。このため例えば電力系統の上位系となる連系変電所およびこの連系変電所に連系される下位系の配電用変電所のそれぞれに上記所定の複数端子の電気量を取り込み、演算処理装置に伝送する情報端末が必要であった。ちなみに、この種の演算処理装置は、一般に上位系の変電所に設置される。
この演算処理装置は、一般に各回線の演算処理部をユニット単位で一つの筐体に収納する方式を取るため、設備面でのコストが増大するという問題を有していた。更に演算処理部の不具合対応や保護装置の取り替えも個々に行う必要があり、その運用回線へ影響が及ぶという懸念があった。
また、従来の電力系統の広域保護システムにおいては、基本的にタイマによる時限強調をとる必要があるため、遮断時間の短縮に限界があり、送電線に過電流が流れると、電力系統安定度の低下や瞬時電圧低下の影響が拡大するという問題を有していた。
このような課題を解決すべく発明者は、特願2002−223961において電力系統単位のトータル保護方法およびそのトータル保護装置を提唱した。これは発電所の電気が送電される変電所等の各電気所および送電線に発生する事故等を監視し、その保護処置を行う電力系統単位のトータル保護方法であって、各電気所および送電線を保護する際に必要な情報を制御局に集中させ、該制御局における共通の演算処理により、制御局と被制御局の間の送電線で発生する事故等を一括管理し、かつその一括保護を行うことを特徴とするものである。この電力系統単位のトータル保護方法およびそのトータル保護装置は、図3に示すように複数の被制御局1(配電用変電所B,C,D,E)と制御局2(連系変電所A)との間に保護情報ネットワーク4Aを形成し、各被制御局1(配電用変電所B,C,D,E)並びに送電線に発生した事故情報等を各配電用変電所B,C,D,Eの情報端末7から保護情報ネットワーク4Aへ送信するように構成したものである。即ち、演算処理装置3は、各被制御局1(配電用変電所B,C,D,E)並びに送電線において事故が発生したときは、保護情報ネットワーク4Aを介して事故情報を受け取ると共に、この事故情報から事故の発生した被制御局1へ遮断指令を出力して電力系統を保護するようになっている。
発明者は、上述した電力系統単位のトータル保護方法およびそのトータル保護装置に関し、更に装置二重化のコストを軽減しつつ通信故障による全系統停止を防止することが可能なより好ましい方法を見いだすに至った。
本発明は、上述したような従来の事情に対処してなされたものであり、その目的は、電力系統の自端判定機能付トータル保護システムを構築するにあたり、各送電線を保護するうえで必要な情報を一箇所に集めて、共通の演算処理装置等によって一括保護することで、保護情報の一本化を図ると共に、複数端子の電気量を伝送するために要する情報制御端末を多重化することなく通信故障による全系停止を防止することが可能な簡易な構成の電力系統の自端判定機能付トータル保護システムを提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係る電力系統の自端判定機能付トータル保護システムは、電力系統における複数の電気所間を連系する複数の送電線両端から得た所定の複数端子の電気量を用いて各送電線の事故区間を判別する演算処理装置と、この演算処理装置が判別した上記事故区間に応じた遮断器を遮断する遮断指令を受けて上記送電線に生じた事故を除去する主保護装置と、この主保護装置のバックアップを行う後備保護装置とを具備した電力系統の自端判定機能付トータル保護システムであって、前記後備保護装置は、前記送電線の両端にそれぞれ設けられて該送電線の前記複数の端子の電気量を検出して前記演算処理装置に伝送する伝送手段と、前記複数端子の電気量に基づいて事故区間を判別して前記主保護装置が動作しないときこの事故区間に応じた遮断器を遮断する遮断指令、または前記伝送手段により伝送された前記複数端子の電気量から前記演算処理装置が当該保護区間に事故があると判定したとき該演算処理装置から出される遮断指令を受けて該遮断器を遮断する遮断手段とを備えることを特徴としている。
このため、主保護装置が検出する前記複数の端子の電気量に加えて、後備保護装置によって検出した前記複数の端子の電気量を前記演算処理装置に伝送することができる。
上述した複数の端子の電気量を伝送する後備保護装置は、距離継電器から構成されている。すなわち本発明によれば、電力系統の自端判定機能付トータル保護システムの後備保護装置として主として用いられる距離継電器を適用することが可能となる。ここで、直接接地系系統で適用される距離継電器と抵抗接地系系統で適用される地絡方向継電器(地絡過電圧継電器を含む。)を簡約して距離継電器という。
また前記電気量は、送電線の電圧値および該送電線に流れる電流値からなり、これら電気量を前記演算装置に主保護装置および後備保護装置のそれぞれから伝送する二重化構成をとることができ、電力系統の自端判定機能付トータル保護システムの信頼性向上の点から望ましい。
さらに、この電気量は、電力系統の計器用変圧器より得られる電圧データであって、該電圧データを前記後備保護装置の距離継電器と自端判定機能付トータル保護リレー用通信網の基本電気情報として共用することによって、設備の削減を図ることができる。
電力系統における系統構成は、送配電線、母線、変圧器、コンデンサ、リアクトル、抵抗器等の機器が様々に組合わさって接続されたものである。保護対象機器は計器用変流器で囲まれるもので、キルヒホッフの原理より適用されている。しかし、これだけでは現在でも保護システム信頼度が維持できないため、誤動作の可能性がある。そのため計器用変圧器をフェールセーフとして現在使用しているが、この計器用変圧器より得られる電圧情報を自端判定機能付トータル保護リレー用通信網(保護情報ネットワーク)に基本電気情報としてブロードキャストするのである。一方、電力系統保護用自端判定機能付情報制御端末(DZ付情報制御端末)には、最低限の保護機能として距離継電器機能を具備することから、これら距離継電器機能の基本となる電圧データは、電力系統保護用自端判定機能付情報制御端末の通信網の基本電気情報として共用するようにする。変圧器のように変圧する電圧階級を複数持つものは、それぞれの電圧情報を共用する。
好ましくは、前記演算処理装置は、発電所の電気を変成する連系変電所に設けられるものとして構成される。さらに、本発明に係る自端判定機能付トータル保護システムよって収集する電気量を電力系統の監視制御を行うための制御所へ送られるテレメータ情報として使用することにより、設備の削減を図ることができる。
また、新たな継電方式(各相最大通過電流検出方式)として、前記演算処理装置は、事故区間を挟むCT端末の通過電流をもとに、同一時刻に当該通過電流の最大となる区間の遮断器に対して遮断指令を送信し、事故除去に失敗した場合は次に大きな通過電流の区間の遮断器に遮断指令を送信するという工程を所定回数繰り返すようにしてもよい。
このように本発明に係る電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法は、電力系統における複数の電気所間を連系する複数の送電線の両端にそれぞれ設けられた後備保護装置に該送電線の前記複数の端子の電気量を検出して演算処理装置に伝送する伝送手段を備えている。このため、例えば通信回線の不具合等、何らかの原因によって主保護装置が検出する前記複数の端子の電気量が演算処理装置に伝送できなかったとしても、後備保護装置を用いて伝送することが可能である。特に、この後備保護装置には、従来から用いられている距離継電器の機能を備えているので、通信障害による全系停止を防止することができ、電力系統の自端判定機能付トータル保護システムの信頼性を向上させつつ、各端子の電気量を演算処理装置に伝送する専用の伝送路が不要なコストを低減した電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法を実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態に係る電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法に関し、図面を参照しながら説明する。尚、図3に示す電力系統単位のトータル保護方法およびそのトータル保護装置と同様の構成要素には、同符号を付しその説明を略述する。
図1は本発明に係る電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護法の保護情報ネットワーク構成を示す図の一実施形態を示す概略構成図である。この図は、詳細は後述するが例えば上位系の制御所として連系変電所を、下位系の電気所として配電用変電所からなる電力系統の自端判定機能付トータル保護システムを示すものである。この図において1は、複数の配電用変電所からなる被制御局であり、これら電気所についてその保護に必要な情報を、複数の制御局2となる連系変電所に集中して伝送するように構成したものである。即ち、被制御局1となる各電気所A,B,C,D,Eについては、これらの電気所および送電線(電力系統機器を含む)を保護する際に必要な情報を制御局2となる連系変電所Aに集中させる一方、制御局2(A)、制御局2(B)における共通の演算処理装置3により、多数の被制御局1,1・・で発生する事故等を一括監視し、かつその一括保護を行うようになっている。そして被制御局1の送電線の保護を代表端判別電流差動方式に一本化し、制御局2の演算処理装置(1:N形送電線保護)3により各回路を一括保護するよう構成されている。
また各被制御局(電気所)1と制御局2との間には電力系統を保護するために必要な情報を相互伝送する保護情報ネットワーク4A,Bが設けられて、各被制御局(電気所1)および制御局2のそれぞれが保護情報ネットワーク4A,Bにより接続されている。この保護情報ネットワーク4A,Bを用いて、発電所の電気が送電される制御局2(連系変電所A)および各被制御局1(電気所A,B,C,D,E)並びに送電線に発生する事故等を監視するようになっている。そして事故が発生したとき制御局2は、事故区間を遮断すべくその被制御局1へ例えば遮断器の遮断指令を出力する等の保護処置を行う。同様に、制御局2(連系変電所B)と各被制御局1(電気所F,G,H)との間も電力系統を保護するために必要な情報を相互伝送する保護情報ネットワーク4Bが設けられて、各被制御局(電気所1)および制御局2のそれぞれが保護情報ネットワーク4Bにより接続されている。そして制御局2(連系変電所B)は、上述したようにこの保護情報ネットワーク4Bを介して電力系統に発生する事故等を監視し、その保護処置を行うよう構成されている。
ちなみに各被制御局1(電気所A,B,C,D,E)には、各被制御局1(電気所F,G,H)を管理・制御する制御局2(連系変電所B)に保護情報ネットワーク4Bを介して電力系統を保護するために必要な情報を相互伝送する保護情報ネットワーク4B設けられている。一方、各被制御局1(電気所F,G,H)には、各被制御局1(電気所A,B,C,D,E)を管理・制御する制御局2(連系変電所A)に保護情報ネットワーク4Bを介して電力系統を保護するために必要な情報を相互伝送する保護情報ネットワーク4Bが設けられている。このように構成することによって、いずれかの保護情報ネットワーク4Bまたは制御局2の不具合が生じた場合でも、電力系統に発生する事故等を監視し、その保護処置を行うことができるようになっている。
尚、図示例では、連系変電所AとBの2グループにそれぞれ制御局2(A)、制御局2(B)および保護情報ネットワーク4A,Bを設けた構成について説明しているが、保護する際に必要な情報を制御局2に集中させる構成であれば、保護情報ネットワーク4を更に複数形成することも可能であるということは言うまでもない。
また制御局2は、各被制御局1から、各電気所情報を保護情報ネットワーク4Aを介して受け取り、共通の演算処理装置3により一括保護を行う際に、各電気所間の保護回路を代表した演算処理装置3で保護する。
尚、図1に示すように制御局2(A)、制御局2(B)間には、相互に情報を伝送することが可能な保護情報ネットワーク4A,Bが設けられている。この別な保護情報ネットワーク4A,Bは、制御局2(A)、制御局2(B)間で相互に保護情報を伝送することでシステムのバックアップを行う伝送路の役割を担う。
図2は、連系変電所と配電用変電所の配置を示す図である。この図において、各変電所間を結ぶ実線は、電力を伝送する送電線6を示している。
さて、連系変電所Aと各配電用変電所D,Eとの間には、図示しない主保護装置が設けられて、各送電線における複数端子の電気量(電圧値および電流値)を演算処理装置3へ伝送するように構成されている。ちなみにこの図には送電線に流れる電流値を検出する変流器(CT)9のみを図示している。そして、演算処理装置3が事故区間を判定して、該事故区間を遮断すべく、該当する図示しない遮断器に対して遮断指令を出すようになっている。ちなみにこの主保護装置は、例えば、各端判定各相電流差動継電方式や代表端判定各相電流差動継電方式,各相最大通過電流検出方式等が用いられる。
また、連系変電所Aおよび複数の配電用変電所B,C,D,Eには、それぞれの間を連系する送電線の複数端子の電気量(電圧値および電流値)を検出して前述した主保護装置のバックアップを行う距離継電器(DZ)付情報制御端末10が設けられている。このDZ付情報制御端末8は、検出した送電線の複数端子の電気量を保護情報ネットワーク4を介して演算処理装置3へ送出するように構成されている。すなわち、DZ付情報制御端末8は、前述した主保護装置が演算処理装置3に伝送する複数の電気量と同一情報を伝送するバックアップ装置の役割を担うものである。尚、特に図示しないがDZ付情報制御端末8には、保護情報ネットワーク4を介して演算処置装置3と通信を行う通信インタフェースが設けられている。この通信インタフェースは、例えば汎用性のある標準のインターネットプロトコルを使用したものとして構成される。
ちなみに演算処理装置3は、連系変電所Aに設けられており、連系変電所Aに設けられたDZ付情報制御端末が得た複数端子の電気量は、直接該演算処置装置3に専用回線(例えばローカルエリアネットワーク)を用いて接続するように構成される。もちろん、連系変電所Aに設けられたDZ付情報制御端末8が得た複数端子の電気量を、保護情報ネットワーク4を介して演算処理装置3に伝送するように構成してもかまわない。要は、DZ付情報制御端末8が得た複数端子の電気量を演算処理装置3に伝送可能となるように構成すればよい。
また演算処理装置3は、ハード面でのコストを低減するために、制御局2においてユニット単位で一つの筐体に収容することが好ましい。そして演算処理装置3は、その不具合対応や保護装置をユニット単位で交換し得るように構成すると、運用回線への影響・制約を最小限に抑えることができ望ましい。更に、演算処理装置3は、装置故障時の保護信頼度を確保するため複数台設置することにより、装置故障時の保護信頼度を確保するようになっている。
一方、DZ付情報制御端末8は、主保護装置によって送電線に生じた事故を復旧すべきとき、何らかの不具合によって該主保護装置の動作ができなかったとき、該DZ付情報制御端末が検出した送電線の複数端子の電気量を用いて、該送電線区間に設けられた図示しない遮断器を遮断して事故復旧を行うようになっている。すなわち、DZ付情報制御端末8は、前述したように主保護装置のバックアップを行う後備保護装置として一般に適用されている距離継電器の役割を担っている。
概略的には、上述したように構成された本発明に係る電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法が特徴とするところは、送電線を保護する後備保護装置の機能を有するDZ付情報制御端末8が検出した該送電線の複数端子の電気量(電圧値および電流値)を演算処理装置3に伝送する点にある。したがって、送電線の複数端子の電気量は、主保護装置およびDZ付情報制御端末8のそれぞれから伝送されるため、ネットワークの二重化構成をとらなくても1系統のネットワークとDZ機能を用いて、保護機能を発揮することが可能である。即ち、DZ付情報制御端末8が検出した複数端子の電気量を主保護装置とは別に演算処理部3に伝送しているため、通信故障による全系停止を防止することができると共に、装置二重化のコストを低減しつつ信頼性の向上およびコストの低減を図ることが可能となる。
また、送電線の両端に設けられるDZ付情報制御端末8には、距離継電器の機能を有しているので、主保護装置が何らかの不具合で動作しなかったときであっても、確実に事故回線を選択遮断することが可能である。
特に、演算処理装置の電流差動演算により、主保護装置を電流差動リレーとして機能させ、後備保護として距離継電器を用いることによって、少ない設備で信頼性の高いシステムを構築することができる。なお、演算処理装置の主たる機能は、電流差動リレーによる主保護装置相当である他、以下の装置と一体化することも可能である。
たとえば、送電線保護装置、母線保護装置、変圧器保護装置、その他機器保護装置、遮断器不動作対策装置、地絡順序遮断装置、系統安定化装置、過負荷検出継電装置、周波数継電装置、脱調検出装置、故障点標定装置、有効/無効電力・電圧・周波数測定装置、オシロ装置、再閉路装置、遠隔監視制御装置、リモート整定装置、遠隔保守/遠隔診断装置 および これらの機能相当である。
また、本実施の形態は、図4に示す現状の保護設備に対して以下に説明する効果を有する。図4において、保護対象範囲である点線と電力系統の交点にCTが設置してあり、現状はこの保護対象範囲によって系統保護を行っている。現状の距離リレ−はA部の楕円の点線のように、2段領域で相手端子の母線付近までの事故を保護している。ここで、付近とはインピ−ダンスによって保護している区間(リ−チ)が、どこまで届いているかが明白でないことを意味している。しかしながら、本実施の形態のシステムでは、付近ではなく CTに囲まれた事故区間の正確な検出が可能になるのである。
また、本実施の形態のシステムは母線や線路のPT端末、遮断器(CB)の前後にCT端末をそれぞれ設置し、その電圧電流情報を保護ネットワ−クに入れて、保護中央演算装置にて演算処理を行うものである。この演算処理は、既設の保護装置の保護機能のみならず、母線保護、過負荷検出、系統安定化等といった機能を統合することによって、設備のスリム化、電圧電流情報の共有化が図れるという利点がある。
たとえば、演算処理として、次のアルゴリズムによる事故検出、事故除去機能を設けるようにしてもよい。
(1) 遮断器(CB)の前後にCT端末をそれぞれ設置することで、無保護区間をなくすことが可能となる。
(2) 遮断器(CB)の前後にCT端末の通過電流を検出することで、事故がその遮断器より前にあるのか、後ろにあるのかが検出できる。
(3) 数カ所の各遮断器(CB)の前後の各CT端末の通過電流を検出して比較した結果、その最大電流が通過するところが、事故区間となる。そのため、それを監視して事故区間を最小化させることことが可能となる。つまり、1番と2番目に大きな通過電流を検出したCTの遮断器に、演算処理装置は遮断信号を送出する。
(4) もし、仮に上記(3)の事故除去が何らかの原因で、事故除去に失敗した場合、その次に大きな通過電流を検出したCTの遮断器を遮断する。
(5) これ以降は、(4)の事故除去に失敗した場合と同様に、その次に大きな通過電流を検出したCTの遮断器を遮断して、事故が消滅するまでこれを繰り返すこととなる。
この効果を図5を用いて説明すると、従来の送電線保護装置ではCT[1]、[2]よりの入力で通常は[1]、[2]のCBが遮断する。ここで[1]のCBが不動作で遮断器不動作対策装置(以下CBFと記す。)がなければ、大規模な範囲が停電するが、新システムでは[1],[2],[3],[4]のCBが遮断して適切な範囲を従来の後備保護やCBFといった時限協調を取ることなく遮断できることになる。
演算処理装置のアルゴリズムとしては、事故区間を挟むCT端末の通過電流をもとに、同一時刻に当該通過電流の最大となる区間の遮断器に対して遮断指令を送信して、該遮断器が不応動のときは次に大きな通過電流の区間の遮断器に遮断指令を送信するという工程を所定回数繰り返すことを特徴とする新たな継電方式,各相最大通過電流検出方式といった新たな事故除去方法・方式となる。この他例えば、各端判定各相電流差動継電方式や代表端判定各相電流差動継電方式等でもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。例えば図2に示す配電用変電所B、Cには、連系変電所Aより引き出される送電線にDZ付情報制御端末を設けることによって、非電源端である配電用変電所B、CにはDZ付情報制御端末を省略することが可能となる。また、DZ付情報制御端末8の基本機能として距離継電器を持っていることで、図2に示す配電用変電所Cには、後備保護が1系列あることになり、電圧階級や設備の重要性によって、DZ付情報制御端末や演算処理装置を複数系設けなくても信頼度が現状レベルに維持できる。このため、電力系統の自端判定機能付トータル保護システムを構成する上でコスト低減ができ好ましい。
本発明の一実施形態に係る電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護法の保護情報ネットワーク構成を示す図である。 連系変電所と配電用変電所の配置を示し、保護対象である電力機器(送電線や変圧器等)と変流器(CT)を設置したDZ付情報制御端末配置を示す構成図である。 発明者が先の出願(特願2002−223961)により開示した電力系統単位のトータル保護装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態の効果の説明図である。 本発明の実施形態による事故検出、事故除去機能を設けたときの効果の説明図である。
符号の説明
1 被制御局
2 制御局
3 演算処理装置
4 保護情報ネットワーク
5 変流器(CT)
6 送電線(電線路)
7 情報端末
8 DZ付情報制御端末
9 電源
10 変圧器

Claims (4)

  1. 電力系統における複数の電気所間を接続する複数の送電線の電気量を用いて電力系統の事故区間を判別する演算処理装置と、送電線端子の電気量を前記演算処理装置へ送信する一方前記演算処理装置が判別した前記事故区間に応じた遮断器に対して遮断指令を出力する主保護装置と、検出した送電線端子の電気量のうち前記主保護装置が前記演算処理装置へ送信する電気量と同一情報の電気量を前記主保護装置とは別に前記演算処理装置へ送信し、前記主保護装置のバックアップを行う後備保護装置とを具備した電力系統の自端判定機能付トータル保護システムであって、
    前記演算処理装置は、前記主保護装置から送られてくる電気量と前記後備保護装置から送られてくる電気量を一括管理し、当該電気量のうち区間を挟むCT端末の通過電流をもとに、同一時刻に当該通過電流の最大となる区間を判定し、当該区間の遮断器に対する遮断指令を送信し、事故除去に失敗した場合は次に大きな通過電流の区間の遮断器に遮断指令を送信するという工程を所定回数繰り返すという処理を実行し、
    前記後備保護装置は、前記主保護装置が動作しなかったときは、自装置が検出した送電線端子の電気量を用いて送電線区間に設けられた遮断器に対して遮断指令を出力することを特徴とする電力系統の自端判定機能付トータル保護システム。
  2. 前記演算処理装置は、発電所の電気を変成する連系変電所に設けられるものである請求項1に記載の電力系統の自端判定機能付トータル保護システム。
  3. 前記主保護装置および前記後備保護装置は、連系変電所と下位系の配電用変電所とを接続する各送電線に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電力系統の自端判定機能付トータル保護システム。
  4. 連系変電所の制御所に設けられた事故区間の判別演算を実行する演算処理装置と、前記連系変電所下位の送電線事故を除去するための主保護装置と、送電線端ごとに設けられ自端判定を行う距離継電機能を有する情報制御端末とを用いて電力系統を保護する自端判定機能付トータル保護方法であって、
    前記主保護装置から前記演算処理装置へ事故区間の判別演算に必要な送電線端子の電気量を送信し、
    前記情報制御端末から検出した送電線端子の電気量のうち前記主保護装置が前記演算処理装置へ送信する電気量と同一情報の電気量を前記主保護装置とは別に前記演算処理装置へ送信し、
    前記演算処理装置は前記主保護装置から送られてくる電気量と前記情報制御端末から送られてくる電気量を一括管理し、当該電気量のうち区間を挟むCT端末の通過電流をもとに、同一時刻に当該通過電流の最大となる区間の遮断器に対する遮断指令を送信し、事故除去に失敗した場合は次に大きな通過電流の区間の遮断器に遮断指令を送信するという工程を所定回数繰り返すという処理を実行し、
    前記主保護装置は、前記遮断指令に基づいて遮断器を遮断して事故区間を除去し、
    一方、前記情報制御端末は、前記主保護装置が動作しなかったときは、該情報制御端末が検出した送電線端子の電気量を用いて距離継電器機能によって送電線区間に設けられた遮断器に対して遮断指令を出力することを特徴とする電力系統の自端判定機能付トータル保護方法。
JP2003432494A 2003-12-26 2003-12-26 電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法 Expired - Fee Related JP4050694B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003432494A JP4050694B2 (ja) 2003-12-26 2003-12-26 電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003432494A JP4050694B2 (ja) 2003-12-26 2003-12-26 電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005192352A JP2005192352A (ja) 2005-07-14
JP4050694B2 true JP4050694B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=34790183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003432494A Expired - Fee Related JP4050694B2 (ja) 2003-12-26 2003-12-26 電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4050694B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102306505B (zh) * 2011-08-18 2013-12-25 中国核电工程有限公司 防操作卡阻的控制棒驱动杆解锁装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013090445A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Toshiba Corp 系統保護システム
JP6315552B2 (ja) * 2014-01-28 2018-04-25 一般財団法人電力中央研究所 電力系統の保護システム及び電力系統の保護方法
KR102176134B1 (ko) * 2020-02-18 2020-11-09 (주)아이티알 변전소용 종합 후비보호시스템
KR102127471B1 (ko) * 2020-02-18 2020-06-26 (주)아이티알 변전소 종합 ai 후비보호시스템

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102306505B (zh) * 2011-08-18 2013-12-25 中国核电工程有限公司 防操作卡阻的控制棒驱动杆解锁装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005192352A (ja) 2005-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3001535B1 (en) Protection control system for process bus, merging unit, and computation device
JP2010068594A (ja) 保護制御システム
JP4731403B2 (ja) 総合後備保護機能付き母線保護継電装置
RU2483411C2 (ru) Способ и устройство защиты для контроля сборных шин электрической сети энергоснабжения
JP2000188825A (ja) 受配電設備の接地方式及び保護方式
JP4050694B2 (ja) 電力系統の自端判定機能付トータル保護システムおよび自端判定機能付トータル保護方法
JPS6260428A (ja) 環線系統保護装置
EP2779342B1 (en) Protection control system, protection control devices, and merging unit
EP2645114A2 (en) Current measurement and comparing assembly for a power distribution system and method for measuring and comparing current
WO2012136241A1 (en) Fault handling during circuit breaker maintenance in a double-breaker busbar switchyard
CN102243287B (zh) 磁浮定子线圈发生多点接地故障的监测方法
JP2883472B2 (ja) しゃ断器不動作対策装置
JP2009189084A (ja) 配電システム
JP2005312180A (ja) ディジタル保護リレーシステム
CN110932244A (zh) 变电站全站保护出口压板均未投的继电保护方法
JP3249830B2 (ja) 変圧器の運転システム
JP3886427B2 (ja) 電力系統単位のトータル保護方法及びそのトータル保護装置
KR102127471B1 (ko) 변전소 종합 ai 후비보호시스템
JP2009022063A (ja) 送電線保護システムおよび保護継電装置
JP3964601B2 (ja) 保護システム
JP6645759B2 (ja) 電流差動リレーシステム
JP3403752B2 (ja) 単独運転検出装置
JP2023072236A (ja) 電鉄用直流変電所の保護システム
JP2503961B2 (ja) 環線系統保護装置
CN114825352A (zh) 数据异常造成频率失稳型稳控系统误动的判别方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4050694

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees