JP4050357B2 - 弾性ポリウレタンスラブ材フォームの製造方法 - Google Patents

弾性ポリウレタンスラブ材フォームの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性ポリウレタンスラブ材フォームの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
極めて広範囲の用途に関する弾性スラブ材の製造は、たとえばモノフルオロトリクロルメタン(これはもはや環境学的理由で使用されない)のような有機の充分ハロゲン化された発泡剤を用いて低密度領域にて行われる。この切換えの意味で、ジクロルメタン(MC)が現在では頻繁に使用される。この発泡剤は、フォーム製造に適切である2つの作用をもたらす。1つの作用は実際の発泡作用としての密度の低下であり、他方の作用はガス状態への変換に際し反応系からのエネルギーの取出しである。その結果、多量の水およびさらにイソシアネートをも使用する場合、低密度領域内で硬度を或る程度まで変化させることができる。これら種類の作用は、水だけを用いては得ることができない。何故なら、発熱作用が内部温度を上昇させて、少なくともコアに変色をもたらすからである。環境学的および一層健全な生産法の方向における他の工程は、たとえばDE 4,422,568号に記載されたような発泡剤として液体二酸化炭素を使用することである。原料放出点の前方に多孔板挿入体を有する減圧室の効果的操作が、この方法の使用につき重要である。
発泡剤であるCO2 およびMCの異なる蒸発エネルギーに基づき、均等な種類の発泡材を信頼しうる製造法にて製造することができない。何故なら、スラブの内部温度が匹敵密度にて異なるからである。
今回、特定ポリオールを用いると共に追加発泡剤として液体CO2 を用いることにより、発泡材の品質を製造工学もしくは機械的性質に関する問題なしに製造しうること、およびこれらが高圧縮強度および一層良好な弾性を特徴とすることを突き止めた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、発泡剤として二酸化炭素を用い、密度、硬度および弾性に関し慣用の物理的発泡剤を用いて作成された発泡材と同じ或いはそれより良好な特性を有する弾性ポリウレタンスラブ材フォームを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A) ポリイソシアネートを、
(B1) 2,000〜10,000の分子量を有し、2〜4の官能価を有し、前記イソシアネートと反応しうる少なくとも2個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオール;
(B2) 400〜3,000の分子量を有し、イソシアネートと反応しうる少なくとも4個の水素原子を有し、4〜8の官能価を有する少なくとも1種のポリオール;
(C) 水および必要に応じ有機発泡剤;
(D) 安定剤;
(E) 活性化剤;
(F) 添加剤および助剤;
(G) 必要に応じ32〜399の分子量を有する低分子量の架橋剤;および
(H) 追加発泡剤として使用されると共にベルトコンベヤに対する放出点の上流に微細メッシュの目皿を有する減圧室にて減圧される液体CO2
と反応させることを特徴とする弾性スラブ材フォームの製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、
(A) ポリイソシアネートを、
(B1) 2,000〜10,000の分子量を有し、2〜4の官能価を有し、イソシアネートと反応しうる少なくとも2個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオール;
(B2) 400〜3,000の分子量を有し、4〜8の官能価を有し、イソシアネートと反応しうる少なくとも4個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオール;
(C) 水および必要に応じ有機発泡剤;
(D) 安定剤;
(E) 活性化剤;
(F) 添加剤および助剤;
(G) 必要に応じ32〜399の分子量を有する低分子量の架橋剤;および
(H) 追加発泡剤として使用されると共にベルトコンベヤに対する放出点の上流に微細メッシュの目皿を有する減圧室にて減圧される液体CO2
と反応させることによる弾性スラブ材フォームの製造方法を提供する。
【0006】
ポリオール(B1)および(B2)と液体CO2 との組合せは、300〜700mのスラブ長さにつき問題のない操作時間を有する発泡材をもたらす。さらに、処理量問題も減圧室の敏感な領域にて生ぜず、慣用のポリオールに基づく慣用の発泡材の硬度よりも高い硬度が同量のイソシアネートを用いて得られる。
本発明のポリオール成分(B1)は2,000〜10,000の範囲の分子量を有すると共に2.0〜4.0の官能価を有する。好適具体例においてポリオール成分(B1)は3,000〜5,000の範囲の分子量と3.0〜4.0の範囲の官能価とを有する。2〜4の官能価を有するポリオール(B1)のためのスターターはグリセリン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスルトールを含有する。これらは、オキシランを添加することにより上記範囲の分子量を有するポリオール(B1)まで変換される。
ポリオール成分(B2)は(B1)および(B2)の100部に対し2.5〜30部、好ましくは2.5〜20部の量にて使用される。たとえばマニトール、ソルビトール、乳糖および蔗糖のような4〜8個のOH基を有するスターターがポリオール成分(B2)のためのスターターとして使用される。これらは、上記範囲の分子量を有すると共に主として第1末端OH基を有するポリオール(B2)までオキシランの添加により変換される。本発明のポリオール成分(B2)は400〜3,000の範囲の分子量と4〜8の範囲の官能価とを有する。好ましくは分子量は500〜3,000の範囲であり、官能価は4〜6の範囲である。
【0007】
本発明で使用する安定剤、活性化剤、添加剤および助剤は一般公知であって入手可能である。
本発明の減圧室は、参考のためここに引用する米国特許出願第08/765,862号に開示されている。減圧室ハ0.025〜0.3mmのメッシュ寸法を有する少なくとも1枚の多孔板を備え、ドリル穴の断面積の合計は多孔板の10〜40%を占める。好適具体例において、メッシュ寸法は0.05〜0.2mmの範囲である。特に好適な具体例において、メッシュ寸法は0.05〜0.15mmの範囲である。好適具体例において、ドリル穴の断面積の合計は多孔板の20〜30%を占める。
【0008】
供給原料の説明
ポリエーテルポリオール1
85重量%の酸化プロピレンと15重量%の酸化エチレンとをスターターとしてのトリメチロールプロパンに添加して生成される主として第2OH基を有する45のOH価を持ったポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオール2
80重量%の酸化プロピレンと20重量%の末端酸化エチレンとをスターターとしてのソルビトールに添加して生成される180のOH価を有すると共に主として第1末端OH基を有するポリエーテルポリオール2。
イソシアネート1
80重量%の2,4−異性体と20重量%の2,6−異性体とを有するトルイレンジイソシアネート。
イソシアネート2
65重量%の2,4−異性体と35重量%の2,6−異性体とを有するトルイレンジイソシアネート。
処理例
米国特許出願第08/765,862号に記載されたような多孔板減圧室が装着されたヘンネッケ・カンパニーD 53754 バーリングホーベンからのUBP発泡装置にて次のものを反応させた。
【0009】
実施例1
ポリオール1(B1) 85重量部
ポリオール2(B2) 15重量部
活性化剤A1(エア・プロダクツ社) 0.1重量部
安定剤OS22(バイエルAG社) 1.3重量部
ジエチルヘキサン酸錫 0.1重量部
水 4.2重量部
液体CO2 4.0重量部
イソシアネート1 34.0重量部
イソシアネート2 22.7重量部
全TDI 56.7重量部
操作長さ、縞なし、ベース帯域および気泡構造に関し何ら問題なしに制御しうるスラブ材フォームを作成することができる。
機械的性質
密度 16.8kg/m3
引張り強さ 92kPa
破断点伸び率 120%
圧縮強度 2.9kPa
反発弾性率 46%
減圧室における減圧多孔板は、活性ポリオールを処理したが長時間の操作の後にコーチングを与えなかった。
【0010】
実施例2
ポリオール1(B1) 90重量部
ポリオール2(B2) 10重量部
活性化剤A1(エア・プロダクツ社) 0.1重量部
安定剤OS 22(バイエルAG社) 1.3重量部
ジエチルヘキサン酸錫 0.13重量部
水 4.2重量部
液体CO2 3.0重量部
イソシアネート1 47.8重量部
イソシアネート2 8.9重量部
全TDI 56.7重量部
長時間にわたり製造信頼性を以てスラブを作成することができた。
機械的性質
密度 18.3kg/m3
引張り強さ 100kPa
破断点伸び率 100%
圧縮強度 3.3kPa
反発弾性率 47%
【0011】
実施例3
ポリオール1(B1) 85重量部
ポリオール2(B2) 15重量部
活性化剤A1(エア・プロダクツ社) 0.1重量部
安定剤OS 22(バイエルAG社) 1.3重量部
ジエチルヘキサン酸錫 0.13重量部
水 4.2重量部
液体CO2 3.0重量部
イソシアネート1 48.2重量部
イソシアネート2 8.5重量部
全TDI 56.7重量部
長時間にわたり製造信頼性を以てスラブを作成することができた。
機械的性質
密度1 8.4kg/m3
引張り強さ 99kPa
破断点伸び率 120%
圧縮強度 3.5kPa
反発弾性率 47%
【0012】
例4(比較)
ポリオール1 100重量部
ポリオール2 −−
活性化剤A1(エア・プロダクツ社) 0.1重量部
安定剤OS 22 1.3重量部
ジエチルヘキサン酸錫 0.1重量部
水 5.0重量部
塩化メチレン 6.0重量部
イソシアネート1 60.5重量部
機械的性質
密度 17.0kg/m3
引張り強さ 90kPa
破断点伸び率 95%
圧縮強度 2.4kPa
反発弾性率 40%
例4においては本発明による実施例1におけるよりもずっと低い硬度が得られたが、例4においてはイソシアネートの量がずっと大である。しかしながら、匹敵する密度は塩化メチレンの使用に関連する。実施例1におけるように、イソシアネートの組合せ物の使用はスラブに不安定をもたらす。
【0013】
例5(比較)
ポリオール1 100重量部
ポリオール2 −−
活性化剤A1 0.1重量部
安定剤OS 22 1.3重量部
ジエチルヘキサン酸錫 0.13重量部
水 4.7重量部
液体CO2 3.0重量部
イソシアネート1 56.7重量部
機械的性質
密度 17.0kg/m3
引張り強さ 110kPa
破断点伸び率 95%
圧縮強度 1.9kPa
反発弾性率 42%
例5で使用しうるイソシアネートの最大量(塩化メチレンなし、すなわちコアの変色損傷を生ぜしめず)は、実質的に高い圧縮強度と良好な弾性とを有する実施例1における発泡材をもたらす。実施例1におけるように、イソシアネートの組合せ物を用いると発泡材に不安定性が生ずる。
【0014】
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、この詳細は単に例示の目的に過ぎず、本発明の思想および範囲を逸脱することなく多くの改変をなしうることが当業者には了解されよう。
【0015】
以下、本発明の実施態様を要約すれば次の通りである:
1. (A) ポリイソシアネートを、
(B1) 2,000〜10,000の分子量を有し、2〜4の官能価を有し、前記ポリイソシアネートと反応しうる少なくとも2個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオール;
(B2) 400〜3,000の分子量を有し、4〜8の官能価を有し、イソシアネートと反応しうる少なくとも4個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオール;
(C) 水および必要に応じ有機発泡剤;
(D) 安定剤;
(E) 活性化剤;
(F) 添加剤および助剤;
(G) 必要に応じ32〜399の分子量を有する低分子量の架橋剤;および
(H) 追加発泡剤として使用されると共にベルトコンベヤに対する放出点の上流に微細メッシュの目皿を内蔵する減圧室にて減圧される液体CO2
と反応させることを特徴とする弾性かつ可撓性のスラブ材フォームの製造方法。
【0016】
2. 成分(B1)が3.0〜4.0の官能価と3,000〜5,000の分子量とを有すると共に主として第2OH基を有し、成分(B2)が4〜6の官能価と500〜3,000の分子量を有すると共に主として第1OH基を有することを特徴とする上記第1項に記載の方法。
3. 成分(B2)のためのスターターをマニトール、ソルビトール、蔗糖および乳糖よりなる群から選択する上記第1項に記載の方法。
4. 成分(B2)が10〜30%の末端酸化エチレンを含有する上記第1項に記載の方法。
5. 成分(B2)が15〜25重量%の末端酸化エチレンを含む上記第4項に記載の方法。
6. 成分(B1)および(B2)の100重量部に対し成分(B1)を97.5〜70重量部の量にて存在させると共に、成分(B2)を2.5〜30重量部の量にて存在させる上記第1項に記載の方法。
7. 成分(B1)および(B2)の100重量部に対し成分(B1)を97.5〜80重量部の比にて存在させると共に成分(B2)を2.5〜20重量部の量にて存在させる上記第6項に記載の方法。
8. 液体二酸化炭素を成分(A)〜(H)を含む流れにて、多孔板を内蔵する減圧室にて減圧する上記第1項に記載の方法。
9. 成分(A)〜(H)を含む流れにおける圧力を減少させるための減圧室が0.025〜0.3mmのメッシュ寸法を有する少なくとも1枚の多孔板よりなり、ドリル穴の断面積の合計が前記多孔板の10〜40%を占める上記第8項に記載の方法。
10. メッシュ寸法が0.05〜0.2mmである上記第9項に記載の方法。
11. メッシュ寸法が0.05〜1.5mmである上記第9項に記載の方法。
12. ドリル穴の断面積の合計が多孔板の20〜30%を占める上記第9項に記載の方法。

Claims (1)

  1. (A)ポリイソシアネートを、
    (B1)2,000〜10,000の分子量を有し、2〜4の官能基を有し、前記ポリイソシアネートと反応しうる少なくとも2個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオール;
    (B2)400〜3,000の分子量を有し、4〜8の官能価を有し、前記ポリイソシアネートと反応しうる少なくとも4個の水素原子を有する少なくとも1種のポリオールであって、該少なくとも一種のポリオールは、マニトール、ソルビトール、乳糖及び蔗糖より成る群から選択される開始剤を使用して得られたポリオール;
    (C)水及び必要に応じ有機発泡剤;
    (D)安定剤;
    (E)活性化剤;
    (F)添加剤及び助剤;
    (G)必要に応じ32〜399の分子量を有する低分子量の架橋剤;及び
    (H)液体CO
    反応させる弾性で可撓性のスラブ材フォーム製造方法であって、
    液体COは、追加発泡剤として使用される製造方法
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