JP4050329B2 - プロリルピペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸 - Google Patents

プロリルピペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチド及びそのポリペプチドをコードする単離された核酸配列に関する。本発明は、核酸構成物、その核酸配列を含む宿主細胞及びそのポリペプチドを生産するための方法にも関する。本発明は、更に、味改良剤として役立つタンパク質加水分解物を得る方法に関する。
関連技術の記載
種々の食物、例えばスープ、ソース及び調味料は、タンパク質の材料の加水分解により得られた着香料を含む。この加水分解は、便利には、強塩酸及び次の水酸化ナトリウムでの中和を用いて行われる。しかしながら、このような化学的な加水分解は、その加水分解の間に得られたアミノ酸の強力な分解を導き、この化学反応の過程において形成される危険な副産物も導く。化学的加水分解により得られた着香料の使用についての関心の増加は、酵素加水分解過程の開発を導いた。
タンパク質材料の酵素加水分解法は、高い加水分解の程度(DH)を得ることを目的とし、これは、通常、非特異的に作用するタンパク質分解酵素の複合体(即ち非特異的に作用するエンド−及びエキソ−ペプチダーゼ)を用いて達成される。例えば、WO94/25580は、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)から得られた非特異的に作用する酵素の使用によりタンパク質を加水分解するための方法を記述する。特異的に作用するタンパク質分解酵素は、不適切な加水分解の程度を導くだけであるので、この目的のためには用いられていない。
ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドはペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質のN末端からのジペプチドの除去を触媒する。このようなポリペプチドは、International Union of Biochemistry and Molecular Biologyの酵素分類番号E.C.3.4.14下に分類される。
Beauvaisら(1997, Journal of Biological Chemistry 272 : 6238-6244)は、SDS−PAGEによる88kDaの分子量及び中性の至適pHでX−Ala,His−Ser、及びSer−Tyrジペプチドの加水分解に特異的に限定される基質特異性を有するアスペルギルス・フミガトゥス(Aspergillus fumigatus)からのジペプチジルペプチダーゼを開示する。Tachiら(1992, Phytochemistry 31 : 3707-3709)は、SDS−PAGEによる145kDaの分子量及び中性の至適pHでN末端遊離ジペプチドの終りから2番目の位置のプロリン残基のカルボキシル部位におけるペプチド結合、及びアミドに対して基質特異性を有するアスペルギルス・オリザエからのX−プロリルジペプチジルアミノペプチダーゼを開示する。
要求される感覚刺激特性及び高い加水分解の程度を有するタンパク質加水分解物の生産は、一般に、ペプチダーゼ活性の混合物の使用を要求する。単独で又は他の酵素と組み合わせて食品に用いられるタンパク質加水分解物の感覚刺激特性及び加水分解の程度を改良するために役立つ活性を有する単一成分のペプチダーゼ酵素を供することが要求されよう。
本発明の目的は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する改良されたポリペプチド及び要求される感覚刺激質及び高い加水分解の程度を有するタンパク質加水分解物を得るための方法を供することである。
発明の概要
本発明は、
(a)配列番号:2のアミノ酸配列と少くとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)(i)配列番号:1の核酸配列、(ii)その相補鎖、又は(iii)そのサブ配列と中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;
(c)(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;
(d)ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する(a),(b)、又は(c)のフラグメント;及び
(e)(i)Ala−Pro−パラ−ニトロアニリドの存在下で環境温度で5分のインキュベーションの後に測定して約pH4.4〜約pH9.8の範囲の至適pH;(ii)基質の欠如下で65℃で20分のインキュベーションの後に測定してpH7.5において最初の活性に対して90%又はそれ超の熱安定性;及び(iii)Xaa−Pro−パラ−ニトロアニリド又はXaa−Ala−パラ−ニトロアニリド(式中、Xaaは、Ala,Arg,Asp,Gly、及びValからなる群から選択される)に対する活性の物理化学特性を伴うジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチド
からなる群から選択されるジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する。
本発明は、そのポリペプチドをコードする単離された核酸配列に、並びにその核酸配列を含む核酸構成物、ベクター、及び宿主細胞、並びにそのポリペプチドを生産するための方法にも関する。
本発明は、タンパク質材料から加水分解を得るための方法であって、該タンパク質材料を、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドに、単独で又はエンドペプチダーゼと組み合わせて露出することを含む方法に、及び該方法から得られた加水分解物にも関する。
本発明は、タンパク質基質から、遊離グルタミン酸及び/又はペプチド結合グルタミン酸残基が豊富な加水分解物を得るための方法であって、該基質を脱アミド化過程に、及びジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの作用にかけることを含む方法にも関する。
本発明は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドを含む味改良組成物に更に関する。
最後の態様において、本発明の方法は、味を改良するための食品関連の適用、例えばベーキングに用いることができる。あるいは、食品の味の改良は、本発明の方法によって得られる加水分解物の添加によって達成することができる。
図面の簡単な記載
図1は、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)ATCC20386ジペプチジルアミノペプチダーゼの核酸配列及び予想されるアミノ酸配列(各々配列番号:1及び2)を示す。
図2は、pDM181の制限地図を示す。
図3は、pMWR54の制限地図を示す。
発明の詳細な記載
ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチド
用語“ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性”は、本明細書において、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質配列のN末端からジペプチドを開裂するペプチダーゼ活性として定義される。一般的な定義で、ジペプチジルアミノペプチダーゼは、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の置換されていないN末端アミノ基からジペプチドXYを開裂することができる。ここで、X又はYは、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Gln,Glu,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr、及びValからなる群から選択されるいずれかのアミノ酸残基であり得るが、少くともAla,Arg,Asp,Gly、及び/又はValである。X及びYの全ては異なっても同一でもよい。本発明のジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドが開裂すべきジペプチドのアミノ酸配列に関して非特異的であり得ることが理解されよう。
第1の実施形態において、本発明は、配列番号:2のアミノ酸配列と、少くとも約50%、好ましくは少くとも約60%、好ましくは少くとも約70%、より好ましくは少くとも約80%、更により好ましくは少くとも約90%、最も好ましくは少くとも約95%、更に最も好ましくは少くとも約97%の同一性の程度を有し、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチド(以後、“相同ポリペプチド”)に関する。好ましい、実施形態において、相同ポリペプチドは、5アミノ酸、好ましくは4アミノ酸より好ましくは3アミノ酸、更に好ましくは2アミノ酸、最も好ましくは1アミノ酸だけ配列番号:2のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有する。本発明の目的のため、2つのアミノ酸配列の間の同一の程度は、同一性テーブル、10のギャップペナルティー、及び10のギャップ長ペナルティーでのClustal法(Higgins,1989,CABIO 5 : 151-153)により決定される。
好ましくは、本発明のポリペプチドは、配列番号:2のアミノ酸配列又は対立遺伝子変異体;及びそのフラグメントを含み、ここでそのフラグメントは、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する。より好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号:2のアミノ酸配列を含む。別の好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号:2のアミノ酸配列又はジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するフラグメントを有する。配列番号:2のフラグメントは、このアミノ酸配列のアミノ及び/又はカルボキシ末端から1又は複数のアミノ酸欠失を有するポリペプチドである。最も好ましい実施形態において、本ポリペプチドは配列番号:2のアミノ酸配列を有する。
好ましくは、フラグメントは、少くとも455アミノ酸残基、より好ましくは少くとも555アミノ酸残基、最も好ましくは少くとも655アミノ酸残基を含む。
対立遺伝子変異体は、同じ染色体の座を占有する遺伝子の2又はそれ超の別の形態のいずれかをいう。対立遺伝子変異体は、変異により自然に生じ、集団内で表現型多形性を生じ得る。遺伝子変異は、サイレント(コードされたポリペプチドに変化なし)であっても、変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしてもよい。用語、対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質をいうのにも用いられる。
相同ポリペプチドのアミノ酸配列は、1もしくは複数のアミノ酸残基の挿入もしくは欠失及び/又は異なるアミノ酸残基による1もしくは複数のアミノ酸残基の置換により、配列番号:2のアミノ酸配列と異なり得る。好ましくは、アミノ酸変換は、タンパク質のホールディング及び/又は活性に大きく作用しない保存性アミノ酸置換;小さな欠失、典型的には1〜約30アミノ酸のもの;小さなアミノ−又はカルボキシ末端伸長、例えばアミノ末端メチオニン残基;約20〜25残基までの小さなリンカーペプチド;又は生味の電荷又は別の機能、例えばポリヒスチジントラクト、抗原性エピトープもしくは結合ドメインを変化させることにより精製を容易にする小さな伸長である小さな性質のものである。
保存性置換の例は、塩基性アミノ酸(例えばアルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(例えばグルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(例えばグルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(例えばロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(例えばグリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)の群内にある。比活性を一般に変化させないアミノ酸置換は当該技術分野において周知であり、例えばH. Neurath and R.L. Hill, 1979(In, The Proteins, Academic Press, New York)に記載される。最も一般的に発生する変換は、Ala/Ser,Val/Ile,Asp/Glu,Thr/Ser,Ala/Gly,Ala/Thr,Ser/Asn,Ala/Val,Ser/Gly,Tyr/Phe,Ala/Pro,Lys/Arg,Asp/Asn,Leu/Ile,Leu/Val,Ala/Glu、及びAsp/Gly並びにこれらの逆である。
第2の実施形態において、本発明は、低ストリンジェンシー条件、より好ましくは中ストリンジェンシー条件、最も好ましくは高ストリンジェンシー条件下で、同じ条件下で配列番号:1の核酸配列もしくはその相補鎖(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York);又はそのポリペプチドの対立遺伝子変異体及びジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するフラグメントとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプロードとハイブリダイズする核酸配列によりコードされるジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する。
ハイブリダイゼーションは、標準的なサザンブロット法の後、その核酸配列が、低〜高ストリンジェンシー条件下で配列番号:1に示される核酸配列のポリペプチドコーディング部分に対応するオリゴヌクレオチドブローブとハイブリダイズする(即ち、42℃で、5×SSPE,0.3% SDS,200μg/mlせん断変性サケ精子DNA、及び低、中及び高ストリンジェンシー各々について25,35又は50%ホルムアミド中でのプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーション)。
配列番号:2のアミノ酸配列又はその部分配列はオリゴヌクレオチドプローブをデザインするのに用いることができ、又は本発明のポリペプチドをコードする核酸配列、例えば配列番号:1の核酸配列又はそのサブ配列は、当該技術で公知である方法に従って異なる属又は種の株からジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定し、クローン化するために用いることができる。特に、このようなプローブは、その中の対応する遺伝子を同定し、単離するために、標準的サザンブロット法の後、関心の属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのために用いることができる。このようなプローブは、全体の配列よりかなり短くてよいが、少くとも15、好ましくは少くとも25、より好ましくは少くとも40ヌクレオチド長であるべきである。もっと長いプローブも用いることができる。DNA及びRNAプローブの両方を用いることができる。そのプローブは、典型的には、対応する遺伝子を検出するために、(例えば32P、3H、35S、ビオチン又はアビジンで)標識される。
これにより、このような他の生物から調製されたゲノム、cDNA又は組合せ化学ライブラリーは、上述のプローブとハイブリダイズし、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーニングすることができる。このような他の生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は他の分離技術によって分離することができる。ライブラリーからのcDNA又はその分離されたDNAは、ニトロセルロース又は他の適切な担体材料に移し、又は固定化することができる。配列番号:1と相同であるクローン又はDNAを同定するために、担体材料を各々2×SSC,0.2%SDSを用いて、好ましくは少くとも50℃、より好ましくは少くとも55℃、より好ましくは少くとも60℃、より好ましくは少くとも65℃、更により好ましくは少くとも70℃、最も好ましくは少くとも75℃で最後に30分、3回、洗うサザンブロットにおいて担体材料を用いることができる。オリゴヌクレオチドプローブがこれらの条件下でハイブリダイズする分子は、X線フィルムを用いて検出される。
第3の実施形態において、本発明は、以下の物理化学的特徴:(a)Ala−Pro−パラ−ニトロアニリドの存在下で環境温度で5分のインキュベーションの後に測定して約pH4.4〜約pH9.8の範囲での至適pH;(b)基質の欠如下で65℃で20分のインキュベーションの後に測定してpH7.5で最初の活性に対して90%又はそれ超の温度安定性;及び(c)Xaa−Pro−パラ−ニトロアニリド又はXaa−Ala−パラ−ニトロアニリド(式中、XaaはAla,Arg,Asp,Gly及びValからなる群から選択される)に対する活性を有する単離されたポリペプチドに関する。本発明のポリペプチドは、他の基質を加水分解する能力も有する。
好ましい実施形態においては、Ala−Pro−パラ−ニトロアニリドの存在下で環境温度で5分のインキュベーションの後に測定して約pH4.4〜約pH9.8の範囲、より好ましくは約pH5.8〜約pH9.8の範囲、最も好ましくは約pH7.5〜約pH9.3の範囲内の至適pHである。
別の好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、アミノペプチダーゼと共同的に作用して別のポリペプチドを加水分解する。用語“アミノペプチダーゼと共同的に作用して別のポリペプチドを加水分解する”とは、本明細書において、いずれかの個々の酵素単独に対して、少くとも5倍、より好ましくは少くとも10倍、更により好ましくは少くとも25倍、最も好ましくは少くとも50倍、より最も好ましくは少くとも100倍、ペプチド又はポリペプチドの加水分解を増加させるジペプチジルアミノペプチダーゼ及びアミノペプチダーゼの組合せとして定義される。アミノペプチダーゼはいずれかのアミノペプチダーゼであり得るが、好ましくは、アスペルギルス・オリザエから得られるアミノペプチダーゼ、より好ましくは、WO96/28542に記載されるような、アスペルギルス・オリザエから得られるアミノペプチダーゼIであり得る。そのポリペプチドは好ましくは、トリペプチドであるが、いずれかのより大きなペプチド又はタンパク質でもよい。
第4の実施形態において、本発明は、配列番号:2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと免疫化学的同一性又は部分的免疫化学的同一性を有する単離されたポリペプチドに関する。免疫化学特性は、公知のオクタロニー二重免疫拡散法による免疫学的交差反応同一性テストにより決定される。特に、配列:2のアミノ酸配列を有するポリペプチドのエピトープと免疫反応し又はそれに結合する抗体を含む抗血清は、
Figure 0004050329
(より詳しくは、ページ27-31)により記載される手順に従って、ウサギ(又は他のげっ歯動物)を免疫化することにより調製される。免疫化学的同一性を有するポリペプチドは、特定の免疫化学的技術を用いて、同一の様式、例えば沈殿物の全体的様式、同一の沈殿形態、及び/又は同一の電気泳動移動度において抗血清と反応するポリペプチドである。免疫化学的同一性の更なる説明は、
Figure 0004050329
に記載される。部分的免疫化学的同一性を有するポリペプチドは、特定の免疫化学的技術を用いて、部分的に同一の様式、例えば沈殿の部分的様式、部分的に同一の沈殿形態、及び/又は部分的に同一の電気泳動移動度において抗血清と反応するポリペプチドである。更なる部分的免疫化学的同一性の説明は、
Figure 0004050329
に記載される。
配列番号:1の核酸配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズする核酸配列、その相補鎖、又は配列番号:1の対立遺伝子変異体及びサブ配列によりコードされるポリペプチド;そのポリペプチドの対立遺伝子変異体及びフラグメント;又は相同ポリペプチド及び同一の又は部分的に同一の免疫学的特性を有するポリペプチドは、いずれかの属の微生物から得ることができる。
好ましい実施形態において、これらのポリペプチドは、細菌原から得ることができる。例えば、これらのポリペプチドは、グラム陽性細菌、例えばバチルス(Bacillus)株、例えば、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アシロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウトゥス(Bacillus lautus)、バチルス・レントゥス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、又はバチルス・ツリンジエンシス(Bacillus thuringiensis);又はストレプトマイセス(Streptomyces)株、例えばストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus);又はグラム陰性細菌、例えば大腸菌又はシュードモナス(Pseudomonas)種から得ることができる。
本ポリペプチドは、真菌源から、より好ましくはイースト株、例えばカンジダ(Candida)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、ピキア(Pichia)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、スキゾサッカロマイセス Schizosaccharomyces)、又はヤロビア(Yarrowia)株;又は糸状菌株、例えばアクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒュミコラ(Humicola)、マグノポルテ(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、マイセリオフトラ(Myceliophthora)、ネオカリマスチクス(Neocallimastix)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペシロマイセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ピロマイセス(Piromyces)、スキゾフィルム(Schizophyllum)、タラロマイセス(Talaromyces)、サーモアスクス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、又はトリコデルマ(Trichoderma)株から得ることができる。
好ましい実施形態において、本ポリペプチドは、サッカロマイセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロマイセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)から得られる。
別の好ましい実施形態において、本ポリペプチドは、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロークウェレンス(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・グラミヌム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポルム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチクラトゥム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロセウム(Fusarium roseum)、フサリウム・サンブシヌム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・サロクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フサリウム・トリコテシオデス(Fusarium trichothecioides)、フサリウム・ベネナトウム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンジ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンジブラキアトゥム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レセイ(Trichoderma reesei)、又はトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)株から得られる。
本発明のポリペプチドは、好ましくは、アスペルギルス(Aspergillus)、例えばこれらに限らないが、アスペルギルス・アキュレアトゥス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ホエチドゥス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、又はアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)種から得られる。
より好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)株、最も好ましくはアスペルギルス・オリザエATCC 20386、又はその変異株から得られる。例えば、配列番号:2のアミノ酸配列のポリペプチドである。
上述の種について、本発明は、完全及び不完全状態、並びに知られている種の名前にかかわらず、他の分類上の等価物、例えばアナモルフを包含する。当業者は、適切な等価物の同一性を直ちに認識するであろう。本発明のポリペプチドは、Raper, K.D. 及びFennel, D.I., 1965(The Genus Aspergillus, The Wilkins Company, Baltimore)により定義されるようなアスペルギルスの異名である微生物から得ることもできる。アスペルギルスは、ベシクル中で発芽する知られていないテレオモルフ状態を伴う分生子柄から構成されるアスペルギルムを特徴とする全菌類(Mitosporic fungi)である。その分生子柄は、次に、小柄又はフィアリドと多様に呼ばれる同時発生的に形成される特殊化した細胞の1又は2層、並びにカンジダと呼ばれる無性的に形成される胞子を有する。アスペルギルスの周知のテレオモルフには、ユーロチウム(Eurotium)、ネオサルトリア(Neosartorya)、及びエメリセラ(Emericella)を含む。アスペルギルスの株及びそのテレオモルフは、the American Type Culture Collection(ATCC), Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM), Centraalbureau Voor Schimmelcultures(CBS)、及びAgricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center(NRRL).のようないくつかのカルチャーコレクションにおいて公共的に直ちにアクセスできる。
更に、このようなポリペプチドは、上述のプローブを用いて、天然物(例えば土壌、コンポスト、水等)から単離された微生物を含む他のソースから同定し、得ることができる。天然の環境から微生物を単離するための技術は当該技術において公知である。次にその核酸配列は、別の微生物のゲノム又はcDNAライブラリーを同様にスクリーニングすることにより得ることができる。そのポリペプチドをコードする核酸配列をプローブで検出した後、その配列は、当業者に周知の技術を利用することにより単離し、又はクローン化することができる(例えば、Sambrookら、1989、前掲を参照のこと)。
本発明の目的のために、所定のソースとあわせて本明細書に用いられる用語“から得られる”は、そのポリペプチドが、ソースにより、又はそのソースからの遺伝子が挿入されている細胞により生産されることを意味する。
本明細書に定義する場合、“単離された”ポリペプチドは、本質的に他の非ジペプチジルアミノペプチダーゼポリペプチドを含まないポリペプチド、例えばSDS−PAGEにより決定して、少くとも約20%純度、好ましくは少くとも約40%純度、より好ましくは約60%純度、更により好ましくは約80%純度、最も好ましくは約90%純度、更に最も好ましくは約95%純度のポリペプチドである。
核酸配列
本発明は、本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列にも関する。好ましい実施形態において、核酸配列は、アスペルギルス、例えばアスペルギルス・オリザエから得られたポリペプチドをコードし、より好ましい実施形態において、核酸配列は、アスペルギルス・オリザエATCC 20386から得られる。例えば配列番号:1の核酸配列である。別のより好ましい実施形態において、核酸配列は、大腸菌NRRL B−21682内に含まれるプラスミドpMWR52内に含まれる配列である。本発明は、遺伝子コードの縮重により配列番号:1から異なる配列番号:2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列も包含する。本発明は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する配列番号:2のフラグメントをコードする配列番号:1のサブ配列にも関する。配列番号:1のサブ配列は、5’端及び/又は3’端からの1又は複数のヌクレオチドが欠失されていることを除き、配列番号:1により包含される核酸配列である。好ましくは、サブ配列は、少くとも990ヌクレオチド、より好ましくは少くとも1140ヌクレオチド、最も好ましくは少くとも1290ヌクレオチドを含む。
その核酸配列は、知られている種名にかかわらず、Raper, K.D及びFennel, D.I., 1965前掲により定義されるようなアスペルギルスの分類学上の等価物である微生物から得ることができる。
ポリペプチドをコードする核酸配列を単離し又はクローン化するために用いる技術は当該技術で周知であり、ゲノムDNA,cDNAからの調製物、又はそれらの組合せからの単離を含む。このようなゲノムDNAからの本発明の核酸配列のクローニングは、例えば、公知のポリメラーゼ鎖反応(PCR)又は共有する構造的特徴で、クローン化されたDNAフラグメントを検出するための発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることにより、行うことができる。例えば、Innisら、1990, PCR : A Guide to Methods and Application, Academic Press, New Yorkを参照のこと。他の核酸増幅法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結した活性化した転写物(LAT)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)を用いることができる。その核酸配列は、アスペルギルスの株、又は別のもしくは関連する生物からクローン化することができ、これにより、例えばその核酸配列のポリペプチドコーディング領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。
本明細書に用いる用語“単離された核酸配列”とは、本質的に他の核酸配列を含まない核酸配列、例えばアガロース電気泳動により決定して、少くとも約20%純度、好ましくは少くとも約40%純度、より好ましくは少くとも約60%純度、更により好ましくは少くとも約80%純度、最も好ましくは少くとも約90%純度である核酸配列である。例えば、単離された核酸配列は、その核酸配列を、その天然の位置から、再現されるであろう異なる部位に再配置するために遺伝子工学に用いる標準的なクローニング法によって得ることができる。そのクローニング法は、そのポリペプチドをコードする核酸配列を含む要求される核酸フラグメントの切除及び単離、そのフラグメントのベクター分子への挿入、及びその核酸配列の多重のコピー又はクローンが再配置されるであろう宿主細胞への組換ベクターの組込みに関し得る。その核酸配列は、ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成源、又はそれらのいずれかの組合せのものであり得る。
本発明は、活性なポリペプチドをコードする、配列番号:1の核酸配列と、少くとも約50%、好ましくは約60%、好ましくは約70%、好ましくは約80%、より好ましくは約90%、更により好ましくは約95%、最も好ましくは約97%の相同性の程度を有する核酸配列にも関する。本発明の目的のために、2つの核酸配列間の相同性の程度は、同一性テーブル、10のギャップペナルティー及び10のギャップ長ペナルティーでのClugtal法(Higgins,1989、前掲)により決定される。
本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の改変は、そのポリペプチドを実質的に同様のポリペプチドの合成のために必要であり得る。ポリペプチドに対する用語“実質的に同様(類似)”とはポリペプチドの非天然形態をいう。これらのポリペプチドは、その天然のソースから単離されたポリペプチドからいくつかの操作手法において異なり得る。例えば、変異体が比活性、熱安定性、至適pH等において異なるポリペプチドb変異体を、例えば部位特異的変異誘発を用いて合成することに関心があり得る。類似する配列は、配列番号:1のポリペプチドコーディング部分、例えばそのサブ配列として供される核酸配列に基づいて、及び/又は核酸配列によりコードされるポリペプチドの別のアミノ酸配列を生じないが、酵素の生産を意図した宿主生物のコドン用法に対応するヌクレオチド置換の導入により、又は異なるアミノ酸配列を生じ得るヌクレオチド置換の導入により作製することができる。ヌクレオチド置換の一般的な記述について、例えば、Fordら、(1991, Protein Expression and Purification 2 : 95-17)を参照のこと。
このような置換が分子の機能に重大な領域の外で行うことができ、なお活性ポリペプチドを生じ得ることは当業者に明らかであろう。本発明の単離された核酸配列によりコードされるポリペプチドの活性に本質的であり、それゆえ好ましくは置換にかけられないアミノ酸残基は、当該技術で周知の手順、例えば部位特異的変異誘発又はアラニンスキャニング変異誘発(例えば、Cunningham及びWells, 1989, Science 244 : 1081-1085)に従って同定することができる。後者の技術において、変異は、分子内の各々の正電荷の残基に導入され、生じた変異分子は、その分子の活性に重大であるアミノ酸残基を同定するためにジペプチジルアミノペプチダーゼ活性についてテストされる。基質−酵素相互作用の部位は、核磁気共鳴分析、結晶学又はオートアフィニティーラベリング(例えば、de Vosら、1992, Science 255 : 306-312 ; Smithら、1992, Journal of Molecular Biology 224 : 899-904 ; Wlodaverら、1992, FEBS Letter 309 : 59-64)のような技術により決定されるような、3次元構造の分析によっても決定することができる。
本発明のポリペプチドは、そのポリペプチド又はそのフラグメントのN末端又はC末端に別のポリペプチドが融合されている融合ポリペプチド又は開裂可能な融合ポリペプチドも含む。融合したポリペプチドは、別のポリペプチドをコードする核酸配列(又はその一部分)を本発明の核酸配列(又はその一部)に融合することにより生産される。融合ポリペプチドを生産するための技術は当該技術で周知であり、そのポリペプチドをコードするコーディング配列を、それらが枠内にあり、融合したポリペプチドの発現が同じプロモーター及びターミネーターの制御下にあるように、連結することを含む。
本発明は、低ストリンジェンシー条件、より好ましくは中ストリンジェンシー条件、最も好ましくは高ストリンジェンシー条件下で、同じ条件下で配列番号:1の核酸配列もしくはその相補鎖とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズする。本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列;又はその対立遺伝子変異体及びサブ配列(Sambrookら、1989、前掲)にも関する。
核酸構成物
本発明は、調節配列と融合した条件下で適切な宿主細胞内でのコーディング配列の発現を促進する1又は複数の調節配列に作用可能に連結した本発明の核酸配列を含む核酸構成物にも関する。発現は、そのポリペプチドの生産に関連するいずれのステップも、例えばこれらに限らないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、及び分泌を含むと理解されよう。
“核酸構成物”は、本明細書において、天然の遺伝子から単離され、又はさもなければ自然には存在しないであろう;様式で組合わされ、並べられた核酸のセグメントを含むように改変されている一本鎖又は二本鎖のいずれかの核酸分子として定義される。核酸構成物との用語は、その核酸構成物が本発明のコーディング配列の発現のために要求される全ての対照配列を含む場合、発現カセットとの用語と同義である。用語“コーディング配列”は、本明細書に用いる場合、mRNAに転写され、本発明のポリペプチドに翻訳される配列である。コーディング配列の境界は、一般に、リボソーム結合部位(原核生物)により又はmRNAの5’端においてオープン読み枠のちょうど上流に位置したATG開始コドン(原核生物)及びmRNAの3’端においてオープン読み枠のちょうど下流に位置した転写終了配列により決定される。コーディング配列は、これらに限らないが、DNA,cDNA、及び組換え核酸配列を含み得る。
本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列は、ポリペプチドの発現を供するために種々の方法で操作することができる。ベクターへの挿入前のポリペプチドをコードする核酸配列の操作は、発現ベクターに依存して、要求され、又は必要とされる。クローニング法を利用する核酸配列を改変するための技術は当該技術で公知である。
用語“調節配列”は、本明細書において、本発明のポリペプチドの発現のために必要であるか又は有利である全ての構成物を含むとして定義される。各々の調節配列は、天然のものであるか、又はそのポリペプチドをコードする核酸配列に対して外来性であり得る。このような調節配列は、これらに限らないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナル配列、及び転写ターミネーターを含む。最少限、調節配列は、プロモーター、並びに転写及び翻訳停止シグナルを含む。調節配列には、ポリペプチドをコードする核酸配列のコーディング領域との調節配列の連結を容易にする特定の制限部位を導入する目的のためにリンカーを供することができる。用語“作用可能に連結”は、本明細書において、調節配列がその調節配列がポリペプチドの生産を促進するように、DNA配列のコーディング配列に関連した位置に、適切におかれた配置として定義される。
調節配列は、適切なプロモーター配列、核酸配列の発現のために宿主細胞により認識される核酸配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を媒介する転写調節配列を含む。プロモーターは、変異、トランゲート、及びハイブリッドプロモーターを含む選択された宿主細胞内で転写活性を示すいずれかの核酸配列であり得、宿主に対して同種又は異種のいずれかである細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
特に細菌宿主細胞内で、本発明の核酸構成物の転写を促進するための適切なプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトマイセス・コエリコロル(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニック遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びxylB遺伝子、及び原核生物β−ラクタマーゼ遺伝子(Villa-Kamaroffら、1978, Proceedings of the National Academy of Science USA 75 : 3727-3731)、並びにtacプロモーター(DeBoerら、1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80 : 21-25)から得られるプロモーターである。更なるプロモーターは、“Useful proteins from recombinart bacteria”(Scientific American, 1980, 242 : 74-94);及びSambrookら(1989、前掲)に記載される。
糸状菌宿主細胞において本発明の核酸構成物の転写を促進するための適切なプロモーターの例は、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロティナーゼ、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)中性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニゲル酸安定α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニゲル又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、アスペルギルス・オリザエアルカリプロテアーゼ、アスペルギルス・オリザエトリオースホスフェートイソメラーゼ、アスペルギルス・ニジュランス中((Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼ、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼ(米国特許第4,288,627号)から得られるプロモーター並びにそれらの変異、トランケート、及びハイブリッドプロモーターである。糸状菌宿主細胞に用いるための特に好ましいプロモーターは、TAKAアミラーゼ、NAZ-tpi(アスペルギルス・ニゲル中性α−アミラーゼ及びアスペルギルス・オリザエトリオースホスフェートイソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド)、及びglaAプロモーターである。
イースト宿主において、役立つプロモーターは、サッカロマイセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO-1)遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエガラクトキナーゼ遺伝子(GAL1)、サッカロマイセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)、及びサッカロマイセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ遺伝子から得られる。イースト宿主細胞のための他の役立つプロモーターは、Romanosら(1992, Yeast 8 : 423-488)に記載される。哺乳動物宿主細胞において、役立つプロモーターには、ウィルスプロモーター、例えばシミアンウィルス40(SV40)、ラウス肉腫ウィルス(RSV)、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)、及びヒトサイトメガロウィルス(CMV)がある。
調節配列は、適切な転写ターミネーター配列、即ち転写を終了させるために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作用可能に連結される。選択された宿主細胞において機能的であるいずれのターミネーターも本発明に用いることができる。
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギルス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニジュランスアントラニレートシンターゼ、アスペルギルス・ニゲルα−グルコシダーゼ、及びフサリウム・オキシスポルムトリプシン様プロテアーゼをコードする遺伝子から得られる。
イースト宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロマイセス・セレビシアエエノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシアエシトクロムC(CYC1)、又はサッカロマイセス・セレビシアエグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から得られる。イースト宿主細胞のための他の役立つターミネーターは、Romanosら、1992、前掲に記載される。ターミネーター配列は哺乳動物宿主について当該技術において公知である。
調節配列は、適切なリーダー配列、即ち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作用可能に連結される。選択された宿主細胞において機能的であるいずれのリーダー配列も、本発明に用いることができる。
糸状菌のための好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリザエTAKAアミラーゼ及びアスペルギルス・ニジュランストリオースホスフェートイソメラーゼをコードする遺伝子から得られる。
イースト宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロマイセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO−1)遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエα−因子、及びサッカロマイセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)から得られる。
調節配列は、ポリアデニル化配列、即ち核酸配列の3’末端に作用可能に連結し、転写した時に、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を加えるためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択された宿主細胞において機能的であるいずれのポリアデニル化配列も本発明に用いることができる。
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギルス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニジュランスアントラニレートシンターゼ、及びアスペルギルス・ニゲル−α−グルコシダーゼをコードする遺伝子から得られる。
イースト宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo及びSherman(1995, Molecular Cellular Biology 15 : 5983-5990)に記載される。ポリアデニル化配列は哺乳動物宿主細胞について当該技術において公知である。
調節配列は、コードされたポリペプチドを、細胞の分泌経路に向かわせることができるポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードするシグナルペプチドコーディング領域でもあり得る。核酸配列のコーディング配列の5’末端は、個固的に、分泌されるポリペプチドをコードするコーディング領域のセグメントと翻訳読み枠内で天然で連結されたシグナルペプチドコーディング領域を含み得る。あるいは、コーディング配列の5’末端は、そのコーディング配列に対して外来であるシグナルペプチドコーディング領域を含み得る。外来シグナルペプチドコーディング領域は、そのコーディング配列が単一のペプチドコーディング領域を通常、含まない場合に必要とされ得る。あるいは、外来シグナルペプチドコーディング領域は、ポリペプチドの分泌を増強させるために、天然のシグナルペプチドコーディング領域に単に置きかわり得る。シグナルペプチドコーディング領域は、アスペルギルス種からのグルコアミラーゼもしくはアミラーゼ遺伝子、リゾムコル種からのリパーゼもしくはプロティナーゼ遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエからのα−因子のための遺伝子、バチルス種からのアミラーゼもしくはプロテアーゼ遺伝子、又はウシプレプロキモシン遺伝子から得ることができる。しかしながら、発現されたポリペプチドを選択された宿主細胞の分泌経路に向けるいずれのシグナルペプチドコーディング領域も本発明に用いることができる。
細菌の宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコーディング領域は、バチルスNCIB 11837からのマルトジェニックアミラーゼ遺伝子、バチルス・ステアロサーモフィルスα−アミラーゼ遺伝子、バチルス・リケニホルミスズブチリシン遺伝子、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ遺伝子、バチルス・ステアロサーモフィルス中性プロテアーゼ遺伝子(nprTnprSnprM)、又はバチルス・サブチリスPrsA遺伝子から得られるシグナルペプチドコーディング領域である。更なるシグナルペプチドは、Simonen及びPalva(1993, Microbiological Reviews 57 : 109-137)により記載される。
糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコーディング領域は、アスペルギルス・オリザエTAKAアミラーゼ遺伝子、アスペルギルス・ニゲル中性アミラーゼ遺伝子、リゾムコル・ミエヘイアスパラギン酸プロティナーゼ遺伝子、ヒュミコラ・ラヌギノサセルラーゼ遺伝子、又はヒュミコラ・ラヌギノサリパーゼ遺伝子から得られるシグナルペプチドコーディング領域である。
イースト宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロマイセス・セレビシアエα−因子及びサッカロマイセス・セレビシアエインベルターゼのための遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコーディング領域は、Romanosら(1992、前掲)により記載される。
調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置したアミノ酸配列をコードするプロペプチドコーディング領域でもあり得る。生じたポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は特定の場合にはチモーゲン)として知られる。プロポリペプチドは、一般的に不活性であり、そのプロポリペプチドからのプロペプチドの触媒又は自己触媒開裂により成熟活性ポリペプチドに変換することができる。プロペプチドコーディング領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ遺伝子(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ遺伝子(nprT)、サッカロマイセス・セレビシアエα−因子遺伝子、リゾムコル・ミエヘイアスパラギン酸プロティナーゼ遺伝子、又はマイセリオフトラ・サーモフィララッカーゼ遺伝子(WO95/33836)から得ることができる。
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両方がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、シグナルペプチド領域は、そのプロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
本発明の核酸構成物は、ポリペプチドの発現を促進するために有利である1又は複数の因子、例えば転写アクティベーター(例えばトランス作用因子)、シャペロン、及びプロセッシングプロテアーゼをコードする1又は複数の核酸配列も含み得る。選択された宿主細胞において機能的であるいずれの因子も本発明に用いることができる。1又は複数のこれらの因子をコードする核酸は必ずしも、そのポリペプチドをコードする核酸配列とタンデムによる必要はない。
転写アクティベーターは、ポリペプチドをコードする核酸配列の転写を活性化するタンパク質である(Kudlaら、1990, EMBO Journal 9 : 1355-1364 ; Jarai及びBuxton, 1994, Current Genetics 26 : 2238-244 ; Verdier, 1990, Yeast 6 : 271-297)。アクティベーターをコードする核酸配列は、バチルス・ステアロサーモフィルスNprA(nprA)、サッカロマイセス・セレビシアエヘムアクティベータータンパク質1(hap1)、サッカロマイセス・セレビシアエガラクトース代謝タンパク質4(gal4)、アスペルギルス・ニジュランスアンモニア制御タンパク質(areA)、及びアスペルギルス・オリザエα−アミラーゼアクティベーター(amyR)をコードする遺伝子から得ることができる。更なる例については、Verdier, 1990、前掲及びMackenzieら(1993, Journal of General Microbiology 139 : 2295-2307)を参照のこと。
シャペロンはホールディング特性において他のポリペプチドを補助するタンパク質である(Hartl et al., 1994, TIBS 19 : 20-25 ; Bergeron et al., 1994, TIBS 19 : 124-128 ; Demolder et al., 1994, Journal of Biotechnology 32 : 179-189 ; Craig, 1993, Science 260 : 1902-1903 ; Gething and Sambrook, 1992, Nature 355 : 33-45 ; Puig and Gilbert, 1994, Journal of Biological Chemistry 269 : 7764-7771 ; Wang ant Tsou, 1993, The FASEB Journal 7 : 1515-11157 ; Robinson et al., 1994, Bio/Technology 1 : 381-384 ; Jacobs et al., 1993, Molecular Microbiology 8 : 957-966)。シャペロンをコードする核酸配列は、バチルス・サブチリスGroEタンパク質、バチルス・サブチリスPrsA、アスペルギルス・オリザエタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、サッカロマイセス・セレビシアエカルネキシン、サッカロマイセス・セレビシアエBiP/GRP78、及びサッカロマイセス・セレビシアエHsp70をコードする遺伝子から得ることができる。更なる例について、Gething及びSambrook, 1992、前掲、及びHartlら、1994、前掲を参照のこと。
プロセッシングプロテアーゼは、プロペプチドを開裂して成熟した生化学的に活性なポリペプチドを形成するプロテアーゼである(Enderlin and Ogrydziak, 1994, Yeast 10 : 67-79 ; Fuller et al., 1989, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 86 : 1434-1438 ; Julius et al., 1984, Cell 37 : 1075-1089 ; Julius et al., 1983, Cell 32 : 839-852 ; U.S. Patent No. 5,702,934。プロセッシングプロテアーゼをコードする核酸配列は、サッカロマイセス・セレビシアエジペプチジルアミノペプチダーゼ、サッカロマイセス・セレビシアエKey2、ヤルロビア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)二塩基プロセッシングエンドプロテアーゼ(Xpr6)、及びフサリウム・オキシスポルムメタロプロテアーゼ(p45遺伝子)をコードする遺伝子から得ることができる。
宿主細胞の成長に関連するポリペプチドの発現の調節を許容する調節配列を加えることも要求され得る。調節システムの例は、遺伝子の発現を、調節化合物の反応を含む、化学的又は物理学的刺激に応じてオン又はオフにするものである。原核生物系における調節システムは、lactac、及びtrpオペレーターシステムを含むであろう。イーストにおいて、ADH2システム又はGAL1システムを用いることができる。糸状菌において、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼプロモーター、及びアスペルギルス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターを調節配列として用いることができる。他の調節配列の例は、遺伝子増幅を許容するものである。真核生物系において、これらは、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子を含む。これらの場合において、本ポリペプチドをコードする核酸配列は、調節配列に作用可能に連結されよう。
本発明は、本発明のポリペプチドをコードする内在性遺伝子の発現を変化させるための核酸構成物にも関する。その構成物は、内因性遺伝子の発現を変化させるために必要な最小限の構成物を含み得る。一実施形態において、核酸構成物は、(a)ターゲッティング配列、(b)調節配列、(c)エキソン、及び(d)スプライスドナー部位を含む。核酸構成物の細胞への導入に基づいて、その構成物は内因性遺伝子部位での細胞ゲノムへの相同的組換えにより挿入される。ターゲッティング配列は、要素(b)〜(d)が内因性遺伝子に作用可能に連結されるように、内因性遺伝子への要素(a)〜(d)の一体化を促進する。別の実施形態において、核酸構成物は、(a)ターゲッティング配列、(b)調節配列、(c)エキソン、(d)スプライス−ドナー部位、(e)イントロン、及び(f)スプライス−アクセプター部位を含み、ここで該ターゲッティング配列は、要素(b)〜(f)が内因性遺伝子に作用可能に連結するように、要素(a)〜(f)の一体化を促進する。しかしながら、その構成物は、選択マーカーのような更なる構成物を含み得る。
両方の実施形態において、これらの構成物の導入は、内因性遺伝子の発現が変えられる新しい転写単位を生産させる。本質的に、その新しい転写単位は、ターゲッティング構成物及び内因性遺伝子により導入される配列の融合産物である。内因性遺伝子を変化させる一実施形態において、遺伝子が活性化される。この実施形態において、相同的組換えは、対応する親細胞において明らかであるより高いレベルで遺伝子を発現させる調節配列の挿入により親細胞の内因性遺伝子と正常に関連する調節領域を置換し、破壊し、又は無力にする。その活性化された遺伝子は、当該技術で公知である方法を用いて、その構成物内への増幅可能を選択マーカーの組込みにより更に増幅することができる。(例えば米国特許第5,641,670号を参照のこと)。内因性遺伝子を変化させる別の実施形態において、遺伝子の発現は減少する。
ターゲッティング配列は、内因性遺伝子内に、その遺伝子にすぐ隣接して、上流遺伝子内に、又は内因性遺伝子の上流に距離をおいて存在し得る。1又は複数のターゲッティング配列を用いることができる。例えば、環状プラスミド又はDNAフラグメントは、好ましくは、単一のターゲッティング配列を用い、直鎖プラスミド又はDNAフラグメントは、好ましくは、2つのターゲッティング配列を用いる。
その構成物の調節配列は、1又は複数のプロモーター、エンハンサー、骨格結合領域又はマトリックス結合部位、負の調節要素、転写結合部位、又はそれらの配列の組合せから構成され得る。
その構成物は、内因性遺伝子の1又は複数のエキソンを更に含む。エキソンは、RNAに複製されたDNA配列として定義され、そのエキソン配列が内因性遺伝子のコーディング領域と共に枠内にあるように、成熟mRNA分子内に存在する。そのエキソンは、任意に、1又は複数のアミノ酸をコードし、及び/又はアミノ酸を部分的にコードするDNAを含む。あるいは、エキソンは、5’非コーディング領域に相当するDNAを含む。外因性の1又は複数のエキソンが1又は複数のアミノ酸及び/又はアミノ酸の一部をコードする場合、その核酸構成物は、転写及びスプライシングに基づいて読み枠が第2のエキソン由来のmRNAの部分の適切な読み枠が変化しないように内因性遺伝子のコーディング領域と一緒に枠内にある。
その構成物のスプライス−ドナー部位は1つのエキソンの別のエキソンへのスプライシングを促進する。典型的には、第1のエキソンは第2のエキソンの5’にあり、第1のエキソンにその3’側にオーバーラップし隣接するスプライス−ドナー部位は、第2のエキソンの5’側に第2のエキソンに隣接するスプライス−アクセプター部位を認識する。スプライス−アクセプター部位は、スプライス−ドナー部位と同様に、1つのエキソンの別のエキソンへのスプライシングを進行する配列である。スプライスドナー部位と一緒に作用して、スプライシング機構にイントロンの除去に作用するためにスプライス−アクセプター部位を用いる。
発現ベクター
本発明は、本発明の核酸配列、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含む組換え発現ベクターにも関する。上述の種々の核酸及び調節配列は、一緒に連結して、ポリペプチドをコードする核酸配列の挿入又は置換を許容するための1又は複数の便利な制限部位を含み得る組換え発現ベクターを作り出す。あるいは、本発明の核酸配列は、その核酸配列又はその配列を含む核酸構成物を発現のための適切なベクターに挿入することにより発現させることができる。発現ベクターを作ることにおいて、コーディング配列は、そのコーディング配列が発現、及びできれば分泌のための適切な調節配列と作用可能に連結されるようにベクター内に位置する。
組換え発現ベクターは、便利には組換えDNA手順にかけることができ、かつその核酸配列を発現させることができるいずれのベクター(例えばプラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞とのベクターの適合性によるであろう。ベクターは、直鎖か又は閉じた環状のプラスミドであり得る。ベクターは、自己複製ベクター、即ち染色体外存在物として存在し、その複製は染色体複製と独立しているベクター、例えばプラスミド、染色体外要素、ミニクロソーム、又は人工染色体であり得る。そのベクターは、自己複製を確実にするためのいずれかの手段を含み得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入した時に、ゲノム内に組み込まれ、その組み込まれている染色体と一緒に複製され得る。ベクターシステムは、単一のベクターもしくはプラスミド又は宿主細胞のゲノムに導入すべき全DNAを一緒に含む2もしくはそれ超のベクターもしくはプラスミド、又はトランスポゾンであり得る。
本発明のベクターは、好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を許容する1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、その産物が殺生物又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求体に対する原栄養性等を供する遺伝子である。細菌の選択マーカーの例は、バチルスもしくはバチルス・リケニホルミスからのdal遺伝子、又はアンピシリン、カナマイシン、クロランフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性のような抗生物質耐性を与えるマーカーである。哺乳動物細胞のための適切なマーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dthr)、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hygB)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼII、及びフレオマイシン耐性遺伝子である。イースト宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2,HIS3,LEU2,LYS2,MET3,TRP1、及びURA3である。糸状菌宿主細胞に用いるための選択マーカーは、これらに限らないが、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hygB(ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(ニトレートレダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−ホスフェートデカルボキシラーゼ)、sC(スルフェートアデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニレートシンターゼ)、及び他の種からの等価物を含む群から選択することができる。Aスペルギルス細胞に用いるために好ましいのは、アスペルギルス・ニジュランス又はアスペルギルス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子並びにストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)のbar遺伝子である。更に、選択マーカーが別個のベクター上にある場合、例えばWO91/17243に記載されるような、同時形質転換により選択を行うことができる。
本発明のベクターは、好ましくは、そのベクターの宿主細胞ゲノムへの安定な組込み、又は細胞のゲノムと独立した細胞内のベクターの自己複製を許容する要素を含む。
宿主細胞ゲノムへの組込みのために、そのベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列又は相同的又は非相同的組込みによるベクターのゲノムへの安定な組込みのためのベクターのいずれかの他の要素に依存し得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞のゲノムへの相同的組換えにより組込みを促進するための更なる核酸配列を含み得る。その更なる核酸配列は、ベクターを、染色体内の正確な位置で宿主細胞ゲノム内に組み込ませることができる。正確な位置での組込みの可能性を増加させるために、その組込み要素は、好ましくは、相同的組換えの確率を増加させるために対応する標的配列と高い相同性である十分な数の核酸、例えば100〜1,500塩基対、好ましくは400〜1,500塩基対を含むべきである。組込み要素は、宿主細胞のゲノム内の標的配列と相同的であるいずれの配列でもあり得る。更に、組込み要素は、核酸配列をコードしてもしなくてもよい。他方、ベクターは、非相同的組換えにより宿主細胞のゲノムに組込むことができる。
自己複製のために、ベクターは、問題の宿主細胞内でベクターが自主的に複製するのを可能にする複製の起点を更に含み得る。複製の細菌の起点の例は、大腸菌内で複製を許容するプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177、及びpACYC184、並びにバチルス内で複製を許容するpUB110, pE194, pTA1060、及びpAMβ1の複製の起点である。イースト宿主細胞に用いるための複製の起点の例は、複製の2ミクロンオリジン、ARS1, ARS4, ARS1及びCEN3の組合せ、並びにARS4及びCEN6の組合せである。複製の起点は、宿主細胞を温度感受性に機能させる変異を有するものであり得る(例えば、Ehrlich, 1978, Proceedings of the National Academy of Science USA 75 : 1433)。
本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の1超の複製は、核酸配列の発現を増幅するために宿主細胞内に挿入することができる。核酸配列の安定な増幅は、その配列の少くとも1の更なる複製を宿主細胞ゲノムに組み込むことにより、又は選択マーカー遺伝子の増幅された複製を含み、それにより核酸配列の更なる複製を含む細胞が、適切な選択剤の存在下で細胞を培養することにより選択され得る核酸配列と共に、増幅可能な選択マーカーを含めることにより、得ることができる。
上述の要素と連結して本発明の組換え発現ベクターを作製するために用いられる手順は当業者に公知である(例えば、Sambrookら、1989、前掲)。
宿主細胞
本発明は、ポリペプチドの組換え生産に有利に用いられる本発明の核酸配列を含む、組換え宿主細胞にも関する。用語“宿主細胞”は、複製の間に生ずる変異により親細胞と同一でない親細胞のいずれの子孫も包含する。
本発明の核酸配列を含むベクターは、そのベクターが染色体の一体物として又は自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞に導入される。組込みは、一般に、核酸配列が細胞内でより安定に維持されるので、有利であると考えられる。ベクターの宿主染色体への組込みは、上述の通り、相同的又は非相同的組換えによりおこり得る。
宿主細胞の選択は、そのポリペプチドをコードする遺伝子及びそのソースに依存した広い範囲であろう。宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は非単細胞微生物、例えば真核生物であり得る。有用な単細胞は、細菌細胞、例えばグラム陽性細菌、例えばこれらに限らないが、バチルス細胞、例えばバチルス・アルカロフィルス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・ブレビス、バチルス・サーキュランス、バチルス・クルシイ、バチルス・コアギュランス、バチルス・ラウトゥス、バチルス・レントゥス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・メガテニウム、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・サブチリス、及びバチルス・ツリンジェンシス;又はストレプトマイセス細胞、例えばストレプトマイセス・リビダンス又はストレプトマイセス・ムリヌス、又はグラム陰性細菌、例えば大腸菌及びシュードモナス種である。好ましい実施形態において、細菌の宿主細胞は、バチルス・レントゥス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・ステアロサーモフィルス、又はバチルス・サブチリス細胞である。ベクターの細菌宿主細胞への導入は、例えば、プロトプラスト形質転換(例えばChang及びCohen, 1979, Molecular General Genetics 168 : 111-115を参照のこと)により、コンピテント細胞を用いることにより(例えばYoung及びSpizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81 : 823-829又はDubnau及びDavidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56 : 209-221を参照のこと)、エレクトロポレーション(例えばShigekawa及びDower, 1988, Biotechniques 6 : 742-751を参照のこと)により、又はコンジュゲーション(例えば、Koehler及びThorne, 1987, Journal of Bacteriology 169 : 5771-5278を参照のこと)により行うことができる。
宿主細胞は、真核生物細胞、例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞又は真菌細胞であり得る。有用な哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ビイビーハムスター腎細胞(BHK)細胞、COS細胞、又はいずれかの番号の利用できる不死化細胞系、例えばAmerican Type Culture Collectionからのものを含む。
好ましい実施形態において、宿主細胞は真菌細胞である。本明細書に用いる“真菌”は、門Ascomycota, Basidiomycota, Chytridiomycota、及びZygomycota(Hawksworth et al., In, Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UK)並びにthe Oomycota(Hawksworth et al., 1995、前掲、page 171)及び全ての全菌類(mitosporic fungi)を含む(Hawksworthら、1995、前掲)。Ascomycotaの代表的な群は、例えばニューロスポラ(Neurospora)、ユーペニシリウム(Eupenicillium)(=ペニシリウム)、エメリセラ(Emericella)(=Aspergillus)、ユーロチウム(Eurotium)(=Aspergillus)、及び以下に列記する真性酵母を含む。バシジオマイコタ(Basidiomycota)の例は、マッシュルーム、サビ菌、及びクロホ菌である。キトリジオマイコタ(Chytridiomycota)の代表的な群は、例えばアロマイセス(Allomyces)、ブラストクラジエラ(Blastocladiella)、コエロモマイセス(Coelomomyces)、及び水生真菌(水カビ)、例えばアキリア(Achlya)を含む。全菌類の例は、アスペルギルス、ペニシリウム、カンジダ及びアルテルナリア(Alternaria)を含む。ザイゴマイコタ(Zygomycota)の代表的な群は、例えばリゾプス(Rhizopus)及びムコル(Mucor)を含む。
より好ましい実施形態において、真菌宿主細胞はイースト細胞である。本明細書に用いる“イースト”は、有子嚢胞子酵母(Endomycetales)、担子胞子酵母、及び真菌Imperfecti(Blastomycetes)に属するイーストを含む。有子嚢胞子酵母は族スペルモフトラセアエ及びサッカロマイセタセアエに分けられる。後者は、4つのサブファミリー、スキゾサッカロマイコイデアエ(Schizosaccharomycoidae)(例えば属スキロサッカロマイセス)、ナドソニオイデアエ(Nadsonioideae)、リポマイコデアエ(Lipomycoideae)、及びサッカロマイコイデアエ(例えば属クルイベロマイセス、ピキア、及びサッカロマイセス)に分けられる。担子胞子酵母には、ロイコスポリジム(Leucosporidim)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、スポリジオボルス(Sporidiobolus)、フィロバシジウム(Filobasidium)、及びフィロバシジエラ(Filobasidiella)がある。Fungi Imperfectiに属するイーストは、2つの族、スポロボロマイセタセアエ(例えば、属スポロボロマイセス((Sporobolomyces)及びブレラ(Bullera))及びクリプトコッカセアエ(例えば属カンジダ)に分けられる。イーストの分類は将来、変化し得るので、本発明の目的のため、イーストは、Biology and Activities of Yeast(Skinner, F.A., Passmore, S.M., and Davenport, R.R., eds, Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980. The biologyイーストの生物学及びイースト遺伝学の操作は公知である(例えば、Biochemistry and Genetics of Yeast, Bacil, M., Horecker, B.J., and Stopani, A.O.M., editors, 2nd edition, 1987 ; The Yeasts, Rose, A.H., and Harrison, J.S., editors, 2nd edition, 1987 ; and The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces, Strathern et al., editors, 1981を参照のこと)。
更により好ましい実施形態において、イースト宿主細胞は、カンジダ、ハンセヌラ、クルイベロマイセス、ピキア、サッカロマイセス、スキゾサッカロマイセス、又はヤロビアの種の細胞である。
最も好ましい実施形態において、イースト宿主細胞は、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシアエ、サッカロマイセス・ジアスタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyvevi)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロマイセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。別の最も好ましい実施形態において、イースト宿主細胞はクルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)細胞である。別の最も好ましい実施形態において、イースト宿主細胞はヤルロビア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)細胞である。
別のより好ましい実施形態において、真菌宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”には、サブディビジョンユーマイコタ(Eumycota)及びオオマイコタ(Oomycota)の全ての繊維型がある(Hawksworthら、1995、前掲による定義)。糸状菌は、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン、及び他の複合ポリサッカライドから構成される菌糸体壁を特徴とする。生長は、菌糸伸長により、炭素代謝は偏性好気性である。対照的に、サッカロマイセス・セレビシアエのようなイーストによる生長は、単細胞タルスの出芽であり、炭素代謝は発酵であり得る。より好ましい、実施形態において、糸状菌宿主細胞は、これらに限らないが、アクレモニウム、アスペルギルス、フサリウム、ヒュミコラ、ムコル、マイセリオフトラ、ニューロスポラ、ペニシリウム、チエラビア、トリポクラジウム、及びトリコデルマの種の細胞である。
更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、アスペルギルス細胞である。別の更に好ましい実施形態において糸状菌宿主細胞はアクレモニウム細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はフサリウム細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はヒュミコラ細胞である。別に更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はムコル細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はマイセリオフトラ細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はニューロスポラ細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はペニシリウム細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はチエラビア細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はトリポクラジウム細胞である。別の更に好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はトリコデルマ細胞である。
最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ホエチドゥス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニクス(A.japonicus)、アスペルギルス・ニジュランス(A.nidulans)、アスペルギルス・ニゲル、又はアスペルギルス・オリザエ細胞である。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロックベレンス(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・グラミヌム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポルム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチクラトゥム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロセウム(Fusarium roseum)、フサリウム・サンブシヌム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・サラニ(Fusarium solani)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フサリウム・トリコテシオイデス(Fusarium trichothecioides)、又はフサリウム・ベネナトゥム(Fusarium venenatum)細胞である。更に最も好ましい実施形態において、糸状菌親細胞は、フサリウム・ベネナトゥム(Nirenberg sp. nov.)細胞である。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はヒュミコラ・インソレンス又はヒュミコラ・ラヌギノサ細胞である。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、ムコル・ミエヘイ細胞である。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、マイセリオフトラ・サーモフィルムである。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はニューロスポラ・クラッサ細胞である。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はペニシリウム・プルプロゲヌム細胞である。別の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はチエラビア・テレストリス細胞である。別の最も好ましい実施形態において、トリコデルマ細胞は、トリコデルマ・ハルジアヌム、トリコデルマ・コニンジイ、トリコデルマ・ロンジブラキアトゥム、トリコデルマ・レエセイ又はトリコデルマ・ビリデ細胞である。
真菌細胞は、それ自体、周知の方法において、プロトプラスト形成、プロトプラストのトランスフォーメーション、及び細胞壁の再生に関する方法によって形質転換され得る。アスペルギルス宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、EP238023及びYeltonら(1984, Proceedings of the National Academy of Science USA 81 : 1470-1474)に記載される。フサリウム種を形質転換するための適切な方法は、Molardierら(1989, Gene 78 : 147-156)及びWO96/00787に記載される。イーストは、Becker and Guarente, In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York ; Ito et al., 1983, Journal of Bacteriology 153 : 163 ; and Hinnen et al., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75 : 1920.に記載される方法を用いて形質転換することができる。哺乳動物細胞は、リン酸カルシウム沈殿法(Graham及びVan der Eb(1978, Virology 52 : 546))を用いて直接的取込みにより形質転換することができる。
生産の方法
本発明は、本発明のポリペプチドを生産するための方法であって、(a)その野生型がそのポリペプチドを生産することができる株を培養してそのポリペプチドを含む上清を生産し;そして(b)そのポリペプチドを回収することを含む方法にも関する。好ましくは、その株は属アスペルギルスである。
本発明は、本発明のポリペプチドを生産するための方法であって、(a)宿主細胞を、そのポリペプチドの生産するために資する条件下で培養し;そして(b)そのポリペプチドを回収することを含む方法にも関する。
本発明は、更に、本発明のポリペプチドを生産するための方法であって、(a)そのポリペプチドをコードする内因性核酸配列の第2のエキソンに作用可能に連結された、調節配列、エキソン、及び/又はスプライスドナーを含む新しい転写単位を中に組み込んだ相同的組換え細胞を、ポリペプチドの生産に資する条件下で、培養し;そして(b)そのポリペプチドを回収することを含む方法に関する。その方法は、例えば米国特許第5,641,670号に記載されるような、遺伝子活性化技術の使用に基づく。
遺伝子活性化技術は、通常、細胞内で発現されない遺伝子を活性化し、又は細胞内で極めて低レベルで発現される遺伝子の発現を増加させることに基づく。遺伝子活性化技術は、調節配列、エキソン、及び/又はスプライスドナー部位を含む外来DNA構成物を、細胞のゲノムDNAに、その挿入が調節配列、エキソン、及び/又はスプライスドナー部位が作用可能に連結され、内因性遺伝子を活性化する新しい転写ユニットを生産するように、挿入する方法を含む。
本発明の生産方法において、細胞は、当該技術で周知の方法を用いてポリペプチドの生産のために適した栄養培地中で培養される。例えば、細胞は、適切な培地中で、ポリペプチドが発現され及び/又は単離される条件下で行われる研究所又は工業的発酵槽において、振とうフラスコ培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、フェドバッチ、又は固状発酵を含む)により培養することができる。その培養は、周知の方法を用いて、炭素及び窒素源並びに無機塩を含む適切な栄養培地内で行われる(例えば、細菌及びイーストについて、Bennett, J.W. 及びLaSure, L., editors, More Gene Manipulations in Fungi, Academic Press, CA, 1991を参照のこと)。適切な培地は商業的供給元から利用でき、又は公開された組成に従って調製することができる(例えば、American Type Culture Collectionのカタログを参照のこと)。ポリペプチドが栄養培地に分泌されるなら、そのポリペプチドは培地から直接、回収することができる。ポリペプチドが分泌されないなら、それは細胞ライゼートから回収することができる。
ポリペプチドは、ポリペプチドに特有の周知の方法を用いて検出することができる。これらの検出方法は、特定の抗体の使用、酵素産物の形成、又は酵素基質の消失を含み得る。例えば、酵素アッセイは、ポリペプチドの活性を決定するのに用いることができる。ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を決定するための方法は周知であり、例えば、405nmにおいてp−ニトロアニリドの加水分解の開始速度を測定することを含む。
生じたポリペプチドは、周知の方法によって回収することができる。例えば、ポリペプチドは、これらに限らないが、遠心、ろ過、抽出、噴霧乾燥、エバポレーション、又は沈殿を含む慣用的な方法により、栄養培地から回収することができる。
本発明のポリペプチドは、周知の種々の方法により精製することができる。例えば、これらに限らないが、クロマトグラフィー(例えばイオン交換アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシング、及びサイズ排除)、電気泳動法(例えば、調製用等電点電気泳動)、溶解度の差(例えば硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGE、又は抽出がある(例えば、Protein Purification, J-C. Janson及びLars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989を参照のこと)。
ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性の除去又は削減
本発明は、親細胞の変異体細胞を生産するための方法であって、ポリペプチドをコードする核酸配列又はその調節配列を破壊し又は削除し、親細胞よりポリペプチドの生産量が少い変異体細胞を生じさせることを含む方法にも関する。
ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性の減少した株の作製は、細胞内のジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの発現のために必要である核酸配列の改変又は不活性化により便利に行うことができる。改変又は不活性化されるべき核酸配列は、例えば、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を示すために本質的であるポリペプチドをコードする核酸配列又はその一部であり得、又はその核酸配列は、その核酸配列のコーディング配列からのポリペプチドの発現のために必要な調節機能を有し得る。このような制御又は調節配列の例は、プロモーター配列又はその機能的な部分、即ちそのポリペプチドの発現に作用するために十分な部分であり得る。改変の可能な他の調節配列には、これらに限らないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナル配列、及びターミネーションターミネーターがある。
核酸配列の改変又は不活性化は、細胞を変異誘発にかけ、そしてジペプチジルアミノペプチダーゼ生産能力が減少し又は除去されている細胞を選択することによって行うことができる。特異的でもランダムであってもよい変異誘発は、例えば、適切な物理的又は化学的変異誘発剤の使用により、適切なオリゴヌクレオチドの使用により、又はDNA配列をPCR生成変異誘発にかけることにより行うことができる。更に、変異誘発は、これらの変異誘発剤のいずれかの組合せの使用により行うことができる。
本目的のために適した物理的又は化学的変異誘発剤の例には、紫外(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、O−メチルヒドロキシルアミン、硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS)、重硫酸ナトリウム、ギ酸、及びヌクレオチドアナログがある。
このような剤を用いる場合、変異誘発は、典型的には、変異誘発すべき細胞を、適切な条件下で選択された変異誘発剤の存在下でインキュベートし、そしてジペプチジルアミノペプチダーゼ活性の発現を減少させ又はなくする細胞を選択することにより行われる。
本発明のポリペプチドの生産の改変又は不活性化は、ポリペプチドをコードする核酸配列又はその転写もしくは翻訳のために必要な調節因子内の1又は複数のヌクレオチドの導入、置換、又は除去により行うことができる。例えば、ヌクレオチドは、終止コドンの導入、開始コドンの除去、又はオープン読み枠の変化を生ずるように、挿入し、又は除去することができる。このような改変又は不活性化は、周知の方法に従って、部位特異的変異誘発又はPCR生成変異誘発により行うことができる。原則として、改変は、生体内で、即ち改変すべき核酸配列を発現する細胞で直接、行うことができるが、改変は、以下に例示されるように、試験管内で行うことが好ましい。
選択された宿主細胞による生産を不活性化し、又は減少させるための便利な方法の例は、遺伝子置換又は遺伝子中断の技術に基づく。例えば、遺伝子中断法において、関心の内因性遺伝子又は遺伝子フラグメントに対応する核酸配列は、後に宿主細胞内に形質転換されて欠失した遺伝子を生産するように欠失した核酸配列を生産するように試験管内で変異誘発される。相同的組換えにより、その欠失核酸配列は内因性遺伝子又は遺伝子フラグメントに置きかわる。欠失遺伝子又は遺伝子フラグメントは、ポリペプチドをコードする遺伝子が改変され又は破壊されている形質転換体の選択のために用いることができるマーカーもコードすることが要求され得る。
あるいは、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の改変又は不活性化は、ポリペプチドコーディング配列に相補的なヌクレオチド配列を用いる確立されたアンチセンス技術によって行うことができる。より詳しくは、細胞によるポリペプチドの生産は、細胞内に転写され得、細胞内で生産されたポリペプチドmRNAにハイブリダイズすることができるポリペプチドをコードする核酸配列に相補的なヌクレオチド配列を導入することにより削減され、又は除去され得る。相補性アンチセンスヌクレオチド配列がポリペプチドmRNAにハイブリダイズする条件下で、翻訳されるポリペプチドの量は減少し、又は排除される。
本発明の方法に従って改変される細胞は、微生物源のもの、例えば、その細胞に対して同種又は異種である要求されるタンパク質の生産のために適した真菌株である。
本発明は、更に、親細胞よりポリペプチドの生産が少い変異体細胞を生ずる。ポリペプチドをコードする核酸配列又はその調節配列の破壊又は欠失を含む親細胞の変異体細胞に関する。
このように作られたポリペプチド欠失変異体細胞は、同種及び/又は異種ポリペプチドの発現のための宿主細胞として特に役立つ。それゆえ、本発明は、更に、同種又は異種ポリペプチドを生産するための方法であって、(a)ポリペプチドの生産に資する条件下で、変異体細胞を培養し;そして(b)そのポリペプチドを回収することを含む方法に関する。本文脈において、用語“異種ポリペプチド”は、本明細書において、宿主細胞に対してネイティブでないポリペプチド、ネイティブ配列を変えるように改変が行われているネイティブタンパク質、又は組換えDNA技術による宿主細胞の操作の結果としてその発現が量的に変えられているネイティブタンパク質として定義される。
なお更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチド及び関心のタンパク質産物の両方を生産する細胞の発酵により、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性が本質的にないタンパク質産物を生産するための方法に関する。その方法は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を阻害することができる有効量の剤を、発酵液に、発酵の間又はそれを終えた後に加え、発酵液から関心の産物を回収し、そして任意に、その回収した産物を更なる精製にかけることを含む。
なお更なる別の態様において、本発明は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を実質的に含まないタンパク質産物を生産するための方法であって、関心のタンパク質産物が、本発明のポリペプチドをコードする細胞内に存在するDNA配列によりコードされることを特徴とする方法に関する。その方法は、細胞を、産物の発現を許容する条件で培養し、生じた培養液を、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を実質的に減少させるようなpH及び温度処理にかけ、そしてその培養液から産物を回収することを含む。あるいは、pH及び温度処理の組合せは、培養液から回収された酵素調製物で行うことができる。pH及び温度処理の組合せは、任意に、ジペプチジルアミノペプチダーゼインヒビターでの処理と組み合わせて用いることができる。
pH及び温度処理の組合せは、好ましくは、9〜11の範囲のpH及び40〜75℃の範囲の温度で、要求される効果を得るのに十分な期間、典型的には30分〜60分で十分である期間、行われる。
本発明のこの態様によれば、少くとも60%、好ましくは少くとも75%、より好ましくは少くとも85%、更により好ましくは少くとも95%、最も好ましくは少くとも99%のジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を除去することが可能である。ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性の完全な除去はこれらの方法を用いることによって得ることができると考えられる。
関心の産物の培養及び精製のために用いる方法は、周知の方法によって行うことができる。
本質的にジペプチジルアミノペプチダーゼを含まない産物を生産するための本発明の方法は、真核生物ポリペプチド、特に酵素のような真菌タンパク質の生産に特に関心がある。酵素は、例えば、アミル分解酵素、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、セルロース分解酵素、酸化還元酵素又は植物細胞壁分解酵素から選択することができる。このような酵素の例には、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコース、オキシダーゼ、グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、トランスグルタミナーゼ、又はキシラナーゼがある。ジペプチジルアミノペプチダーゼ欠損細胞は、ホルモン、成長因子、レセプター等のような医薬的に関心のある異種タンパク質を発現させるのにも用いることができる。
用語“真核生物ポリペプチド”は、ネイティブポリペプチドばかりでなく、これらのポリペプチド、例えば、アミノ酸置換、欠失又は付加、又は活性、熱安定性、pH許容性等を増強するような他の改変により改変されている酵素も含むことが理解されよう。
更なる態様において、本発明は、本発明の方法により生産されたジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を本質的に含まないタンパク質産物に関する。
タンパク質加水分解を生産する方法
本発明のポリペプチドは、加水分解の程度及び風味発達を増強するためのタンパク質加水分解の生産に用いることができる。
本発明は、更に、タンパク質の豊富な材料の高い程度の加水分解を生産するためにエンドペプチダーゼと組み合わせて本発明のポリペプチドを用いるための方法に関する。その方法は、ポリペプチド及びエンドペプチダーゼでタンパク質基質を処理することを含む。その基質は、酵素で、同時に又は連続的に処理することができる。
本発明のポリペプチドは、タンパク質基質に、タンパク質加水分解過程に慣用的に用いられる有効量で、好ましくはタンパク質100g当り約0.1〜約100,000のジペプチジルアミノペプチダーゼ単位(DPAPV)の範囲で、より好ましくはタンパク質100g当り約1〜約10,000のジペプチジルアミノペプチダーゼ単位の範囲で添加される。本明細書に定義する場合、1ジペプチジルアミノペプチダーゼ単位(DPAPV)は、特定の条件下で、Ala−Pro−p−ニトロアニリドから分当りp−ニトロアニリド1マイクロモルを遊離するのに必要な酵素の量である(Sigma Chemical Co., St. Lowis MD)。
エンドペプチダーゼは、バチルスの株、好ましくはバチルス・リケニホルミス又はバチルス・サブチリス、ストレプトコッカスの株、好ましくは、ストレプトコッカス・アウレウス、ストレプトマイセスの株、好ましくはストレプトマイセス・サーモブラリス又はストレプトマイセス・グリセウス、アクチノマイセス種の株、アスペルギルスの株、好ましくはアスペルギルス・アクレアトゥス、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・ホエチドゥス、アスペルギルス・ニジュランス、アスペルギルス・ニゲル、又はアスペルギルス・オリザエ、又はフサリウの株、好ましくはフサリウム・ベネナトゥムから得ることができる。
エンドペプチダーゼは、タンパク質基質に、タンパク質加水分解過程に慣用的に用いられる有効量で、好ましくは約0.05〜約15AU/タンパク質100gの範囲で、より好ましくは約0.1〜約8AU/タンパク質100gの範囲で添加される。1AU(Anson Unit)は、標準条件(即ち25℃,pH7.5及び10分の反応時間)下で、ヘモグロビンを、1ミリ等量のチロシンと同じフェノール試薬での色を供するTCA可溶性産物の量を分当りに遊離するような開始速度で消化する酵素の量として定義される。分析法AF4/5は、引用により本明細書に組み込まれるNovo Nordisk A/S, Denmarkから必要に応じて利用できる。
酵素処理、即ち酵素調製物との基質のインキュベーションは、酵素調製物が不活性化されないいずれかの慣用的な温度、好ましくは約20℃〜約70℃の範囲で行うことができる。確立されたプラクティスに従って、酵素調製物は、そのインキュベーション混合物の温度を酵素が不活性化される温度、例えば約70℃超に増加させることにより、又はインキュベーション混合物のpHを酵素が不活性化される点、例えば約4.0未満に減少させることにより、適切に不活性化することができる。
更に、本発明の方法は、タンパク質基質の加水分解の程度を増強させる。本明細書に用いる場合、加水分解の程度(DH)は、タンパク質分解酵素によって加水分解されているタンパク質内のアミノ結合の総数の割合である。本発明の別の態様において、加水分解物は、Ala,Arg,Asp,Gly、及び/又はValの増加量、例えば1.1倍大きい量を有する。
本発明の別の態様において、本発明のポリペプチドは、いずれかの酵素活性のみではトリペプチドを加水分解しない場合に、アミノペプチダーゼと共同して作用してトリペプチドを加水分解する。好ましい実施形態において、アミノペプチダーゼは、WO96/28542に記載されるようなアスペルギルス・オリザエから得られるアミノペプチダーゼIである。
本発明は、遊離グルタミン酸及び/又はペプチド結合グルタミン酸残基が豊富なタンパク質加水分解を得るための方法であって、
(a)基質を脱アミド化過程にかけ;そして
(b)基質をジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの作用にかける
ことを含む方法にも関する。
これら2つのステップは、同時に行っても、第2のステップを第1のステップの次に行ってもよい。
これらの本発明の方法は、グルタミン酸(Glu)が、遊離しているかペプチド結合しているかにかかわらず、タンパク質加水分解物の風味及び嗜好性において重要な役割を果たすので、優れた風味のタンパク質加水分解物を作り出す。これらの方法は、改良された機能性、特に改良された溶解性、改良された乳化特性、増加した加水分解の程度、及び改良された発泡特性を有するタンパク質加水分解物も作り出す。
アンモニアの遊離によるアミド(グルタミン又はアスパラギン)の電荷のある酸(グルタミン酸又はアスパラギン酸への変換は、脱アミド化として知られている。脱アミド化は、非酵素的に又は酵素的脱アミド化過程として行うことができる。
好ましい実施形態において、脱アミド化は、酵素的脱アミド化過程として、例えば基質をトランスグルタミナーゼ及び/又はペプチドグルタミナーゼにかけることにより、行われる。
トランスグルタミナーゼは、哺乳動物を含むいずれかの便利なソースのものであり得る。例えば、活性化第XIII因子についてJP1050382及びJP5023182, WO93/15234 ; 魚から得られたものについて、EP555,649 ; 及び微生物から得られたものについて、EP379,606, WO96/06931及びWO96/22366を参照のこと。好ましい実施形態において、トランスグルタミナーゼは、オオマイセーテ(Oomycete)、例えばフィトフトラの株、好ましくはフィトフトラ・カクトルム、又はフィチウムの株、好ましくはフィチウム・イレグラレ、フィチウム種、フィチウム・インテルメディウム、フィチウム・ウルチムム、又はフィチウム・ペリイルム(又はフィチウム・ペリプロクム)から得られる。別の好ましい実施形態において、トランスグルタミナーゼは、細菌源のものであり、バチルスの株、好ましくはバチルス・サブチリス、ストレプトベルチシルムの株、好ましくはストレプトベルチルリウム・モバラエンシス、ストレプトペルチシリウム・グリセオカルネウム、又はストレプトベルチシリウム・シンナモネウム、及びストレプトマイセスの株、好ましくはストレプトマイセス・リジクトから得られる。
ペプチジルグルタミナーゼは、ペプチジルグルタミナーゼI(ペプチジル−グルタミナーゼ;EC3.5.1.43)又はペプチドグルタミナーゼII(プロテイン−グルタミングルタミナーゼ;EC3.5.1.44)、又はそれらのいずれかの混合物であり得る。ペプチドグルタミナーゼは、アスペルギルスの株、好ましくはアスペルギルス・ジャポニクス、バチルスの株、好ましくはバチルス・サーキュランス、クリプトコッカスの株、好ましくは、クリプトコッカス・アルビドゥス、又はデバリオマイセスの株、好ましくはデバリオマイセス・クロエケリから得ることができる。
トランスグルタミナーゼは、タンパク質基質に、脱アミド化過程に慣用的に用いられる有効量で、好ましくは基質に対して約0.01〜約5%(w/w)の範囲、より好ましくは約0.1〜約10%(w/w)の範囲の酵素調製物で添加される。
ペプチドグルタミナーゼは、タンパク質基質に、脱アミド化過程に慣用的に用いられる有効量で、好ましくは基質100g当り約0.01〜約100,000 PGase Unit、より好ましくは基質100g当り約0.1〜約10,000 PGase Unitの範囲で添加することができる。
ペプチドグルタミナーゼ活性は、Ceclrangroら(1965, Enzymologia 29 : 143の手順に従って決定することができる。この方法によれば、1NのNaOHでpH6.5に調節した酵素サンプル0.5mlを小さな容器に入れる。次に、1mlのホウ酸pH10.8緩衝液をその容器に加える。その捨てられたアンモニアは5N硫酸により吸収され、そしてNessler's試薬の使用により、その混合物は420nmで測定される色を形成する。1PGase単位は、これらの条件下で分当りに1マイクロモルのアンモニアを生産することができる酵素の量である。
あるいは、ペプチドグルタミナーゼ活性は、US3,857,967に記載される方法又は以下の実施例17に従って決定することができる。
本発明の方法のステップ(b)において、基質は本発明のポリペプチドに露出される。本発明のポリペプチドは、タンパク質基質に、タンパク質加水分解に慣用的に用いられる有効量で、好ましくは基質100g当り約0.001〜約0.5AUの範囲、より好ましくは基質100g当り約0.01〜約0.1AUの範囲で添加される。
別の実施形態において、本発明の方法は、遊離グルタミン酸及び/又はペプチド結合グルタミン酸残基が豊富な加水分解物を生産するために用いることができ、更に、
(c)基質を、1又は複数の非特異的に作用するエンド−及び/又はエキソ−ペプチダーゼ酵素に露出する
ことを含む。
このステップは、ステップ(a)及び(b)と同時に、又はステップ(a)及び(b)の後に行うことができる。
好ましい実施形態において、非特異的に作用するエンド−及び/又はエキソ−ペプチダーゼ酵素は、アスペルギルスの株、好ましくはアスペルギルス・ニゲル、アスペルギルス・オリザエ、又はアスペルギルス・サジアエ、又はバチルスの株、好ましくはバチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・レントゥス、バチルス・リケニホルミス、又はバチルス・サブチリスから得られる。
非特異的に作用するエンド−及び/又はエキソ−ペプチダーゼ酵素は、基質に、タンパク質加水分解過程に慣用的に用いられる有効量で、好ましくは基質100g当り約0.05〜約15CPUの範囲、より好ましくは基質100g当り約0.1〜約5CPUの範囲で添加される。1CPU(カゼインプロテアーゼユニット)は、標準条件、即ち30分、25℃及びpH9.5でのインキュベーション下で、カゼインから分当り(セリン標準との比較により決定した)一級アミノ基1マイクロモルを遊離する酵素の量として定義される。引用により本明細書に組み込まれる分析法AF228/1は
Figure 0004050329
から必要に応じて利用できる。
各々の酵素処理は、酵素調製物が不活性化されないいずれかの温度、好ましくは約20℃〜約70℃の範囲で行うことができる。酵素調製物は、次に、温度を、例えば約70℃超に増加させることにより、又はそのpHを、例えば約4.0未満に減少させることにより不活性化することができる。
本発明の方法に用いられるタンパク質基質は、完全なタンパク質、予め加水分解されたタンパク質(即ちペプチド)、又はそれらの混合物からなり得る。タンパク質基質は、植物又は動物源のものであり得る。好ましくは、タンパク質基質は、植物源、例えばダイズタンパク質、穀物タンパク質、例えばコムギタンパク質、コーングルテン、オオムギ、ライムギ、オート、コメ、ゼイン、ルピナス、綿種子タンパク質、ナタネ種子タンパク質、ピーナッツ、アルファルファタンパク質、ピーナッツタンパク質、マメタンパク質、ゴマ種子タンパク質、又はヒマワリのものである。動物源のタンパク質基質は、ホエータンパク質、カゼイン、ミートタンパク質、魚タンパク質、赤血球、卵白、ゼラチン、又はラクトアルブミンであり得る。
本発明は、これらの方法により生産されるタンパク質加水分解物にも関する。
他の使用
本発明は、本発明のポリペプチドで酵素を不活性化する方法にも関する。
更に、本発明のポリペプチドは、ペプチド配列の特定の開裂が要求されるいくつかの目的のために役立ち得る。例えば、いくつかのタンパク質又はペプチドは、成熟タンパク質のN末端にいくつかの更なるアミノ酸残基を含む不活性前駆体の形態で合成される。本発明のポリペプチドは、このような前駆体タンパク質を活性化するために必要な翻訳後プロセッシングを供し得る。
組成物
なお更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドを含むポリペプチド組成物に関する。好ましくは、本組成物は、本発明のポリペプチドが豊富である。本文脈において、用語“豊富(富化)”は、そのポリペプチド組成物のジペプチジルアミノペプチダーゼ活性が、例えば1.1の富化率で増加している。
本ポリペプチド組成物は、主要酵素構成物、例えば一構成物ポリペプチド組成物として本発明のポリペプチドを含み得る。あるいは、本組成物は、多重の酵素活性、例えばアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、又はキシラナーゼを含み得る。更なる酵素は、アスペルギルス属に属する微生物、好ましくはアスペルギルス・アキュレアトゥス、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・ニゲル、又はアスペルギルス・オリザエ、又はトリコデルマ、ヒュミコラ、好ましくはヒュミコラ・インソレンス又はフサリウム、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・セレアリス、フサリウム・クロックウエレンス、フサリウム・クルモルム、フサリウム・グラシネアルム、フサリウム・グラシヌム、フサリウム・ヘテロスポルム、フサリウム・ネグシジ、フサリウム・オキシスポルム、フサリウム・レチクラトゥム、フサリウム・ロゼウム、フサリウム・サンブシヌム、フサリウム・サルコクロム、フサリウム・スポロトリコイデス、フサリウム・スルフレム、フサリウム・トルロヌム、フサリウム・トリコテシオイデス、又はフサリウム・ベネアトゥムにより誘導できる。
好ましい実施形態において、本発明は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性及び担体と共にポリペプチドを含む風味改良組成物に関する。当該技術で周知のいずれかの適切な担体を用いることができる。別の好ましい実施形態において、風味改良組成物は、更に、エンドペプチダーゼを含む。別の好ましい実施形態において、風味組成物は、1又は複数の非特異的に作用するエンド−及び/又はエキソ−ペプチダーゼ酵素を更に含む。別の好ましい実施形態において、風味組成物は、1又は複数の特異的に作用するエンド−及び/又はエキソ−ペプチダーゼ酵素を更に含む。
好ましい実施形態において、特異的に作用するタンパク質分解酵素は、エンドペプチダーゼ、例えばグルタミルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.19);リシルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.50);ロイシルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.57);グリシルエンドペプチダーゼ(EC3.4.22.25);プロリルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.26);トリプシン(EC3.4.21.4)又はトリプシン様(リシン/アルギニン特異的)エンドペプチダーゼ、又はペプチジル−Aspメタロエンドペプチダーゼ(EC3.4.24.33)である。
グルタミルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.19)は、好ましくは、バチルス株、特にバチルス・リケニホルミス及びバチルス・サブチリス、スタフィロコッカス株、特にスタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトマイセス株、特にストレプトマイセス・サーモブルガリス及びストレプトマイセス・グリセウス、又はアクチノマイセス株から得ることができる。
リシルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.50)は、好ましくは、アクロモバクター株、特にアクロモバクター・リチクス、リゾバクター株、特にリゾバクター・エンザイモゲネス、又はシュードモナス株、特にシュードモナス・アエルギノサから得ることができる。
ロイシルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.57)は植物源のものであり得る。
グリシルエンドペプチダーゼ(EC3.4.22.25)は、好ましくは、パパイヤ植物(Carica papaya)から得ることができる。
プロリルエンドペプチダーゼ(EC3.4.21.26)は、好ましくは、フラボバクテリウム株から得られ、又はそれは植物源のものであり得る。
トリプシン様のエンドペプチダーゼは、好ましくは、フサリウム株、特に例えばWO89/06270又はWO94/25583に記載されるように、フサリウム・オキシスポルムから得ることができる。
ペプチジル−Aspメタロエンドペプチダーゼ(EC3.4.24.33)は、好ましくは、シュードモナス株、特にシュードモナス・フラジから得ることができる。
別の好ましい実施形態において、特異的に作用するタンパク質分解酵素は、そのペプチドのいずれかの末端から作用し得るエキソペプチダーゼである。
好ましい実施形態において、特異的に作用するタンパク質分解酵素は、アミノペプチダーゼ、例えばロイシルアミノペプチダーゼ(EC3.4.ll.1);又はトリペプチドアミノペプチダーゼ(EC3.4.11.4)である。
別の好ましい実施形態において、特異的に作用するタンパク質分解酵素はカルボキシペプチダーゼ、例えばプロリンカルボキシペプチダーゼ(EC3.4.16.2);カルボキシペプチダーゼA(EC3.4.17.1);カルボキシペプチダーゼB(EC3.4.17.2);カルボキシペプチダーゼC(EC3.4.16.5);カルボキシペプチダーゼ1)(EC3.4.16.6);リシン(アルギニン)カルボキシペプチダーゼ(EC3.4.17.3);グリシンカルボキシペプチダーゼ(EC3.4.17.4);アラニンカルボキシペプチダーゼ(EC3.4.17.6);グルタミンカルボキシペプチダーゼ(EC3.4.17.11);ペプチジル−ジペプチダーゼA(EC3.4.15.1);又はペプチジル−ジペプチダーゼ(EC3.4.15.5)である。
ポリペプチド組成物は、周知の方法に従って調製することができ、液体又は乾燥組成物の形態であり得る。ポリペプチドは、周知の方法によって安定化することができる。
本発明は、食品、例えば本発明の方法により得られるタンパク質加水分解物を含むベークした製品にも関する。このような食品は、増強された感覚刺激質、例えば、風味、趣味性、食感、芳香及びクラスト色を示す。
本文脈において、用語“ベーク(した)製品”は、軟質又はクリスプ特性のいずれかのドーから調製されたいずれかの食品を含む。白色、明又は暗型にかかわらず、本発明により有利に生産され得るベーク製品の例は、ブレッド、特に白色、全麦又はライ麦パン、典型的にはローフ又はロールの型;フランスパン;ビタパン;タコス;ケーキ;パンケーキ;ビスケット;クリスプブレッド等である。
このようなベーク製品は、慣用的には、フラワー及び水を含み、典型的には発酵されたドーから調製される。ドーは、種々の方法で、例えば重炭酸ナトリウム等を加えることにより、又はパン種(発酵ドー)を加えることにより発酵され得るが、ドーは、好ましくは、適切なイースト培養物、例えばサッカロマイセス・セレビシアエ(ベーカーズイースト)の培養物を加えることにより発酵される。市販のサッカロマイセス・セレビシアエ株のいずれも用いることができる。
更に、ベーク製品の調製に用いるドーは、新鮮でも凍結されてもよい。凍結したドーの調製は、K. KwlP及びK. Lorenz“Frozen and Refrigerated Dowghs and Batters”に記載される。本発明の風味改良組成物は、典型的には、0.01〜5%、より好ましくは0.1〜3%の範囲の量でドーの中に含まれる。
本発明の方法において、本発明のポリペプチド、エンドペプチダーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペプチドグルタミナーゼ、1又は複数の特異的及び/又は非特異的に作用するエンド−及び/又はエキソ−ペプチダーゼ酵素、及び/又は1又は複数の先に特定した酵素は、ドーが作られる混合物に、又はいずれかの成分、例えばドーを作るフラワーに、別個に又は同時に加えることができる。
本発明は、更に、ドーから作られたドー及び/又はベーク製品のための、例えばフラワー組成物の形態の、プレミックスであって、該プレミックスは、本発明のポリペプチド又は風味改良組成物並びに担体又はベーキング成分、並びに任意に、1又は複数の他の上述の酵素を含むプレミックスに関する。
別の実施形態において、プレミックスは、本発明の方法により得られた加水分解物を含む。
プレミックスは、フラワー、デンプン、糖又は塩のような適切な担体に、関連酵素を混合することによって調製することができる。プレミックスは、他のドー改良及び/又はパン改良添加物を含み得る。
本文脈において、用語“プレミックス”は、示した条件下で貯蔵されるように調製されている通常、フラワーを含むベーキング剤の混合物であり、ドー調製過程の間、取扱いの便利さを供する。このようなプレミックスは、工業的及び商業的パンベーキングプラント及び施設、並びに小売りパン屋において有利に用いることができる。
本発明は、感覚刺激質、例えば風味、趣味性及び芳香を増強するためにベーク食品のような食品への添加物としての本発明の方法により生産された加水分解物の使用にも関する。
本発明の方法によって得られた遊離グルタミン酸及び/又はペプチド結合グルタミン酸残基が豊富な加水分解物は、種々の工業的適用、特に機能的なタンパク質を組み込むことが必要である場合に用いることができる。
例えば、本発明は、本発明の方法により得られた遊離グルタミン酸及び/又はペプチド結合グルタミン酸残基を含む食品に、並びに本発明の方法により得られた遊離グルタミン酸及び/又はペプチド結合グルタミン酸残基が豊富な加水分解物を含む動物飼料添加物にも関する。
本発明は、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきでない以下の実施例により更に記述される。
実施例
実施例1:FLAVOURZYMETMジペプチジルアミノペプチダーゼIの精製
ジペプチジルアミノペプチダーゼIをFLAVOURZYMETM
Figure 0004050329
から精製した。FLAVOURZYMETM液は、炭素及び窒素源並びに微量金属から構成される培地内でのアスペルギルス・オリザエ株1568(ATCC 20386)の培養によって生産した。最初に、ブロス(720mgのタンパク質を含む20ml)を180mlの20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で希釈し、0.45μmフィルターを備えたNalgene Ftlterwaveを用いてろ過した。そのろ過した溶液を、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化した31mlのQ−Sepharose, Big Beads(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)を含む24×130mmカラムに充填した。ジペプチジルアミノペプチダーゼを、20mM酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5を用いて溶出した。ジペプチジルアミノペプチダーゼI活性を、50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液中基質として1mg/mlのAla−Pro−p−ニトロアニリドを用いて405nmでモニターした。ジペプチジルアミノペプチダーゼI活性を含む生じた溶液をPM10膜(Amicon, New Bedford, MA)での限外ろ過により38mlに濃縮し、次にそのpHを20mM Na2HPO4溶液を用いて、pH7.0に調節した。
生じた溶液を、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化した31mlのQ−Sepharose,Big Beads(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)を含む、24×130mmカラムに充填した。ジペプチジルアミノペプチダーゼIを、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液中0〜0.3M NaClで溶出した。画分を、上述の通り、ジペプチジルアミノペプチダーゼI活性についてモニターした。ジペプチジルアミノペプチダーゼI活性を含む画分を収集し、プールし、膜塩し、そして20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液に対する限外ろ過を用いて濃縮した。
生じた溶液を、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化したMono Q 16/10(20ml)プレパックカラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)に充填した。ジペプチジルアミノペプチダーゼIを、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液中0〜0.27M NaCl勾配で溶出した。画分を上述の通りジペプチジルアミノペプチダーゼI活性についてモニターした。0.200〜0.212M NaClの画分を収集し、プールし、そして上述の通り限外ろ過を用いて1.7M(NH42SO4/20mMリン酸ナトリウムpH7.0で再び緩衝した。
生じた溶液を、1.7M(NH42SO4/20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化したPhenyl Superose樹脂(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)を含む7×50mmカラムに充填した。ジペプチジルアミノペプチダーゼIは、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液中逆の1.7〜0M(NH42SO4勾配で溶出した。画分を、上述の通りジペプチジルアミノペプチダーゼI活性についてモニターした。Ala−Pro−p−ニトロアニリドに対して最も高い活性を有する2つの画分は、SDS−PAGE分析に基づいて少くとも95%均一であることが見い出された。主要バンドは約95kDa(93〜96kDa)の分子量を有した。
実施例2:タンパク質シーケンシング及びアミノ酸分析法
実施例1に記載される部分精製したジペプチジルアミノペプチダーゼI及びジペプチジルアミノペプチダーゼIの消化フラグメントのN末端配列決定は、オンラインHPLC及び液相トリフルオロ酢酸(TFA)デリバリーを伴うApplied Biosystems 476A Protein Sequencer(Perkin Elmer/Applied Biosystems Division, Foster City, CA)で行った。精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIのサンプルをSDS−PAGEゲルからNovex PVDF膜(Novex, San Diego, CA)にトランスブロットし、配列決定試薬(Perkin Elmer/Applied Biosystems Division, Foster City, CA)を用いてブロットカートリッジから配列決定した。フェニルチオヒダントニン−アミノ酸の検出を、酢酸、酢酸ナトリウム、及びヘキサンスルホン酸ナトリウムを含むPremix濃縮物(Perkin Elmer/Applied Biosystems Division, Foster City, CA)15mlと共に水中3.5%のテトラヒドロフランを含む緩衝液A及びアセトニトリルを含む緩衝液Bを用いて、オンラインHPLCにより行った。データを収集し、Applied Biosystems 610 Data Analysisソフトウェアーを用いてMacintosh IIsiで分析した。
部分精製したジペプチジルアミノペプチダーゼI(実施例1のMono Qピーク)を、タンパク質配列決定のための酵素のペプチドフラグメントを作るためにトリプシンでのゲル内消化にもかけた。そのトリプシン消化したジペプチジルアミノペプチダーゼIを、8〜16% Novex Tris-glycineゲル(Novex, San Dieso, CA)を用いてSDS−PAGEにより分離した。分子量95kDaに相当する8のクーマシーブルー染色されたゲル断片を切り出し、50%アセトニトリル中200mMのNH4HCO3で広く洗浄した。そのゲル断片を、次に、20分、37℃で1mMジチオトレイトール(DTT)で還元し、等量の100mMイオド酢酸で、暗所で20分、室温でアルキル化した。ゲル断片を50%アセトニトリル中200mMのNH4HCO3でくり返し洗った。上清を除去し、ゲル断片をSpeed-Vac(Savant Instruments, Farming dale, NY)で乾燥させた。そのゲル断片を、135mMのNH4HCO31mL当り0.033mgの配列決定グレード改変ブタトリプシン(Promega, Madison, WI)を含む溶液中に再び水和した。その溶液は、トリプシン再懸濁緩衝液(Promega, Madison, WI)1ml当り0.1mgのトリプシンの1部を、2部の200mMのNH4HCO3に希釈することによって調製した。そのゲル断片を37℃で20時間、インキュベートした。そのペプチドフラグメントを、各々1時間、60%アセトニトリル中0.1%のTFAでくり返し洗ってゲルから抽出した。その抽出したペプチドを乾燥させ、25%アセトニトリル中0.05%TFA中に再構成し、次に更に0.05%TFAに希釈した。そのペプチドフラグメントをMicropure O.45μmフィルターユニット(Amicon, Inc., Beverly, MA)を用いて濾過した。次にそのペプチドフラグメントを2.1×250mm Vydac C18-RPカラム(5ミクロン)を備えたHewlett-Packard 1090L HPLCを用いて逆相HPLCにより分離した、溶離液として80%アセトニトリル中0.1%TFAでのステップ勾配を用いた。そのペプチドサンプルを手で収集し、次にN末端配列決定にかけた。
部分精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIを、配列決定のための酵素のペプチドフラグメントを生成するために、シアノーゲンブロマイドにもかけた。ジペプチジルアミノペプチダーゼIを、70%ギ酸中で部分精製した乾燥サンプルを、いくつかのシアノーゲンブロマイドで再構成し、そして暗所で室温で18時間、インキュベートすることによりシアノーゲンブロマイドで消化した。そのペプチドフラグメントを10〜20%Novex Tricineゲル(Novex, San Diego, CA)を用いるSDS−PAGE電気泳動により分離し、上述の通り配列決定した。
ジペプチジルアミノペプチダーゼIのN末端配列決定は、そのN末端が明らかにブロックされていることを示した。弱い配列を以下の通り得た。ここで括弧内のアミノ酸残基が100%確かでなく、Xで示した残基は決定できない。
ペプチド1:XEGSKRLTFXETVVKQAIT(P)(配列番号:3)
シアノーゲンブロマイドで分解したフラグメントは以下のアミノ酸配列を有した。ここで、下線のアミノ酸残基はサッカロマイセス・セレビシアエのジペプチジルアミノペプチダーゼI(Anna-Arriola及びHerkowitz, 1994, Yeast 10 : 801-810 ; Galisson and Dujon, 1996、イースト12 : 877-885)と100%適合した。
ペプチド2:QRLPPGFSPDKKYPILFTPYGG(配列番号:4)
ペプチド3:KYIGPIK(配列番号:5)
ペプチド4:GEGSKRL(配列番号:6)
トリプシンでのゲル内消化は以下のペプチドを作り出した。ここで、下線のアミノ酸残基は、実施例7に記載されるアスペルギルス・オリザエジペプチジルアミノペプチダーゼI核酸配列の予想アミノ酸配列と100%適合した。
ペプチド5:XPILFTPY(配列番号:7)
ペプチド6:XVPLMPDQ(Q)DGIQYAQ(配列番号:8)
実施例3:ゲノムDNA抽出
アスペルギルス・オリザエ1568を0.5%イーストエキス−2%グルコース(YEG)培地25ml中で、24時間、37℃で250rpmで増殖させた。次に菌糸体を、Miracloth(Calbiochem, La Jolla, CA)でのろ過により収集し、25mlの10mM Tris-1mM EDTA(TE)緩衝液で1回、洗った。過剰な緩衝液を菌糸体調製物から排出し、次にその菌糸体を液体窒素中で凍結させた。その凍結した菌糸体調製物を電気コーヒーグラインダーで細かい粉末に粉砕し、その粉末を20mlのTE緩衝液及び5mlの20% w/vドデシル硫酸ナトリウム(SDS)5mlを含む使い捨てプラスチック遠心管に加えた。その混合物を静かに数回、逆さにして確実に混合し、等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1 v/v/v)で2回、抽出した。酢酸ナトリウム(3M溶液)をその抽出したサンプルに、最終濃度0.3Mまで加え、次に2.5容量の氷冷エタノールに加えてDNAを沈殿させた。その管を30分、15,000×gで遠心してDNAをペレット状にした。そのDNAペレットを30分、空気乾燥させて、次に0.5mlのTE緩衝液で再度懸濁した。DNaseのないリボヌクレアーゼAをその再懸濁したDNAペレットに100μg/mlの濃度まで加え、次にその混合物を37℃で30分、インキュベートした。プロティナーゼK(200μg/ml)を加え、その管を37℃で更に1時間、インキュベートした。最後に、そのサンプルをフェノール:クロロホルム:イソアシルアルコールで2回、抽出し、DNAをエタノールで沈殿させた。その沈殿したDNAを70%エタノールで洗い、真空下で乾燥させて、TE緩衝液中に再度懸濁し、そして4℃で保存した。
実施例4:アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIのPCR増幅
正の縮重オリゴヌクレオチドプライマーを消化して、最も出版されているアミノペプチダーゼIタンパク質配列に見い出される保存されたモチーフであるDW(I/V)YEEEにした。その逆縮重オリゴヌクレオチドプライマーを消化して、実施例2に記載されるような、ペプチド2(配列番号:4)の部分ペプチドPPGFSDKKYPにした。以下に示すその縮重オリゴヌクレオチドプライマーは、アスペルギルス・オリザエ1568ゲノムDNAからジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子フラグメントをPCR増幅するのに用いるため、製造元の説明に従って、Applied Biosystems Model 394 DNA/RNA Synthesizerで合成した。
正プライマー:5'-GAYTGGITITAYGARGARGAR-3'(配列番号:9)
逆プライマー:5'-GGRTAYTTYTTRTCIGGISWRAAICCIGGIGG-3'(配列番号:10)
(R=A又はG,Y=C又はT,S=G又はC,W=A又はT,I=イノシン)
増幅反応物(100μl)は、テンプレートとして実施例3に記載されるように、アスペルギルス・オリザエ1568から単離されたゲノムDNA約1μgを用いて調製した。各々の反応物は以下の構成物:1μgゲノムDNA,40pmol正プライマー、40pmol逆プライマー、200μMの各々のdATP, dCTP, dGTP、及びdTTP, 1×Taqポリメラーゼ緩衝液(Perkin-Elmer Corp., Branchburg, NJ)、及び2.5UnitのTaqポリメラーゼ(Perkin-Elmer Corp., Branchburg, NJ)を含んでいる。その反応物を、以下のプログラム:94℃で2分、45℃で1分、及び72℃で1分のサイクル1;並びに各々94℃で1分、45℃で1分、及び72℃で1分のサイクル2〜30でPerkin-Elmer Model 480 Thermal Cycler中でインキュベートした。その反応産物を1%アガロースゲル(Eastman Kodak, Rochester, NY)で単離した。約1.0kbの産物バンドをゲルから切除し、Gen Eluteスピンカラム(Supelco, Bellefonte, PA)を用いて、製造元の説明に従って精製した。その精製したPCR産物を次にpCRIIベクター(Invitrogen,San Diego, CA)にクローン化し、そのDNA配列をlac正及び逆プライマー(New England Biolabs, Beverly, MA)を用いて決定した。
約321コドン(963bp)からなるジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子セグメントを、上述のジペプチジルアミノペプチダーゼI PCRプライマーでアスペルギルス・オリザエ1568から増幅した。DNA配列分析は、その増幅された遺伝子セグメントが、対応するアスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子の一部分をコードすることを示す。ジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子セグメントを用いてアスペルギルス・オリザエ1568ゲルDNAライブラリーをプロービングした。
実施例5:DNAライブラリーの作製
ゲノムDNAライブラリーを、バクテリオファージクローニングベクターλ ZipLox(Life Technologies, Gaithersburg, MD)中に作製した。最初に、全細胞DNAをTsp 5091で部分的に消化し、1%アガロースゲルでサイズ分画した。サイズ範囲3〜7kbに移動したDNAフラグメントを切り出し、Prep−a−Gene試薬(BioRad Laboratories, Hercules, CA)を用いてゲルから溶出した。その溶出したDNAフラグメントをEcoRI開裂化及び脱リン酸化λ ZipLoxベクターT−W(Life Techrologies, Gaithersburg, MD)と連結し、その連結混合物を商業用パッケージング抽出物(Stratagene, La Jolla, CA)を用いてパッキングした。そのパッキングしたDNAライブラリーをプレートし、大腸菌Y1090ZL細胞(Life Technologies, Gaithersburg, MD)中で増幅した。その増幅していないゲノムDNAライブラリーは、3.1×106pfu/ml(DNAのないバックグラウンドタイターは、2.0×104pfu/mlであった)。
実施例6:ジペプチジルアミノペプチダーゼIクローン
実施例5に記載されるライブラリーからの約10,000のプラークを、プローブとしてアスペルギルス・オリザエ1568からのジペプチジルアミノペプチダーゼI PCRフラグメントを用いるプラークハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。そのDNAを、UV Stratalinker(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて膜(Hybond N+, Amersham, Arlington Heights, IV)に架橋した。その膜を45℃で3時間、5×SSPE, 0.3% SDS, 50%ホルムアミド、及び10μg/mlの変性せん断ニシン精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中に浸した。実施例2に記載されるようなアスペルギルス・オリザエ1568ゲノムDNAから単離したジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子フラグメントをRandom Primed DNA Labeling Kit(Boehringer Mannheim, Mannheim, Germany)を用いて放射能標識し、NaOHを0.1Mの最終濃度まで加えることにより変性し、そしてハイブリダイゼーション溶液1ml当り約1×106cpmの活性でハイブリダイゼーション溶液に加えた。その混合物を振とう水浴中で45℃で一晩、インキュベートした。インキュベーションの後、膜を1回、55℃で0.2% SDSを含む2×SSCで、次に2回、同じ温度で2×SSCで洗った。その膜を15分、ブロッティング紙上に乾燥させて、Saran WrapTMで包み、そして強度スクリーン(Kodak, Rochester, NY)を伴う−70℃で一晩、X線フィルムに露出した。
プローブでの強力にハイブリダイゼーションシグナルの生産に基づいて、大腸菌DH5αNWR52A、大腸菌DH5αNWR52B、及び大腸菌DH5αNWR52Cで示す3つのプラークを更なる研究のために選択した。それら3つのプラークを大腸菌Y1090ZL細胞中で2回、精製し、次にそのジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子を、大腸菌DH10BZL細胞(Life Techrologies, Gaithersburg, MD)の感染により生体内切除を用いて、pZL1−誘導体(D'Alessioら、1992, Focus▲R▼ 14:76)としてλ ZipLoxベクターから切り出した。3つのプラスミド含有コロニーを、3mLのLB+50μg/mlのカルベニシリン培地に接種し、37℃で一晩、増殖させた。Wizard 373 DNA Purification Kit(Promega, Medison, WI)を用いて、これらの培養物の各々からMiniprer DNAを調製した。ジペプチジルアミノペプチダーゼIをコードするプラスミド(pMWR52)を、DNA配列決定により確認した。
実施例7:アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子のDNA配列分析
実施例6に記載される大腸菌DH5αMWR52中のpMWR52上に含まれるジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子のDNA配列決定を、染料−ターミネーター化学(Gieseckeら、1992, Journol of Virology Methods 38 : 47-60)でのプライマー歩行技術を用いて、両鎖上で、Applied Biosystems Model 377 Automated DNA Sequencer(Applied Biosystems, Inc. Foster City, CA)で行った。オリゴヌクレオチド配列決定プライマーをジペプチジルアミノペプチダーゼI遺伝子中相補鎖に消化し、製造元の説明に従って、Applied Biosystems Model 394 DNA/RNA Synthesizerで合成した。
アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIをコードする遺伝子の核酸配列を図1に示す(配列番号:1)。クローン化した挿入物の配列分析は、83bpイントロンが介在する(終止コドンを除く)2396ヌクレオチドのオープン読み枠を示した。このオープン読み枠のGt(含有量は55.3%であった。その縮重したアミノ酸配列は、771アミノ酸(配列番号:2)のタンパク質をコードしていた。van Heijne(van Heijne, 1984, Journal of Molecular Biology 173 : 243-251)の規則に基づいて、最初の16アミノ酸は、発生ポリペプチドを小胞体に向かわせる分泌シグナルペプチドを含むようである。(図1のボックス)
実施例2に記載されるような精製したジペプチジルアミノペプチダーゼI由来の部分的ペプチドのアミノ酸配列を図1に下線で示す。それは、アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼI cDNAの縮重したアミノ酸配列(配列番号:2)中に見い出されたものと一致する。
Clustalアラインメントプログラム(Higgins, 1989, CABIOS5;151-153)を、アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIの縮重したアミノ酸配列をサッカロマイセス・セレビシアエジペプチジルアミノペプチダーゼI(Anna-Arriola及びHerskowitz, 1994, Yeast 10 : 801-810)(配列番号:11)と比較するために用いて、23.2%の同一性が観察された。
実施例8:アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼフサリウム発現ベクターの作製
アスペルギルス・オリザエジペプチジルアミノペプチダーゼIのコーディング領域を増幅し、生じたフラグメントをフサリウムの発現のためにpDM181にクローン化した。pDM181は、フサリウムトリプシン(SP387)プロモーター及びターミネーター、並びにbar選択マーカー遺伝子を供した。詳しくは、フラグメントを最初の枠内ATGで示す。13bp下流まで広がるセンスプライマー(P1)及び転写停止コドンの領域で示す。10bp下流に広がるアンチセンスプライマー(P2)を用いてPCRにより増幅した。その増幅されたフラグメントのクローニングを容易にするために、センス及びアンチセンスプライマーは各々SwaI及びPacI制限部位を含んだ。以下に示すオリゴヌクレオチドプライマーを、ABI Model 394 DNA/RNA Synthesizer(Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)を用いて製造元の説明に従って合成した。
SwaI
P1:5'-GATTTAAATCACCATGAAGGTACGTCAATTCCACTG-3'(配列番号:12)
PacI
P2:5'-GTTAATTAATCTACTCCTCCAAGTCCTTCTTAGTCC-3'(配列番号:13)
50mlのPCR溶液(10mM Tris-HCl, pH8.3, 50mM KCl, 1.5mM MgCl2, 0.01% w/vゼラチン)は、約200ngのpMWR52 DNA, 200μMの各々のdATP, dCTP, dGTP、及びdTTP;並びに上述の各々のPCRプライマーを含んでいた。5ユニットのPWOポリメラーゼ(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)を加え、その反応物を95℃で3分、インキュベートし、80℃に冷却した。次にその反応物を30回のサイクルにかけた。ここで各々のサイクルは、Perkin-Elmer 9600 Thermal Cycler中で、95℃で30秒、57℃で1分、そして72℃で1分である。最後のサイクルの後、その反応物を5分、72℃でインキュベートした。
2.4kbと予想されるフラグメントを、SwaI及びPacIでの消化により単離し、同じ制限エンドヌクレアーゼで消化したpDM181(図2)にクローン化し、pMWR54(図3)を作った。そのクローン化したPCRフラグメントの忠実度を確認するため、そのフラグメントを自動化Applied Biosystems Model 373A Sequencer(Applied Biosystems, Inc. Foster City, CA)を用いて、製造元の説明に従って、Hattori及びSakaki(1986, Analytical Biochemistry 152 : 232-237)の方法に従って配列決定した。
pMWR54のクローン化したジペプチジルアミノペプチダーゼ増幅化挿入物の配列決定は、配列番号:1に記載される配列に差がないことを確認した。
実施例9:フサリウム・CC1−3の形質転換及び形質転換体の分析
フサリウム株A3/5(ATCC 20334)の高度に分析した形態学的変異体であるフサリウム株CC1−3(Wiebeら、1992, Mycological Research 96 : 555-562 ; Wiebeら、1991, Mycological Research 95 : 1284-1288 ; Wiebeら、1991, Mycological Research 96 : 555-562)をVogel's塩(Vogel, 1964, Am. Nature 98 : 435-446)、25mM NaNO3、及び1.5%グルコースを含む液体培地中で4日間、28℃, 150rpmで増殖させた。分生子を4層のチーズクロス、最後に1層のMiraclothでのろ過により精製した。分生子懸濁液を遠心により濃縮した。1%イーストエキス、2%バクトトリプトン、及び2%グルコースから構成される50mlのYPG培地に約108の分生子を接種し、14時間、24℃で150rpmでインキュベートした。生じた菌糸を滅菌0.4mmフィルターにとり、滅菌蒸留水及び1.0M MgSO4で連続的に洗った。その菌糸を10mlのNOVOZYM 234TM溶液(1.0M MgSO4中2〜10mg/ml)に再度懸濁し、15〜30分、34℃で、80rpmで撹拌しながら消化した。消化されなかった菌糸材料を、4層のチーズクロス及びミラクロスを通しての連続的なろ過により生じたプロトプラスト懸濁液から除去した。20mlの1Mソルビトールをプロトプラスト溶液と組み合わせた。混合した後、プロトプラストを遠心によりペレット状にし、1Mソルビトール20ml中及びSTC(0.8Mソルビトール、0.05M Tris pH8.0, 0.05M CaCl2)20ml中での再懸濁及び遠心により連続的に洗った。その洗ったプロトプラストを5×107/mlの濃度で4部のSTC及び1部のSPTC(0.8Mソルビトール、40%PEG 4000, 0.05M Tris pH8.0, 0.05M CaCl2)に再度懸濁した。
100mlのプロトプラスト懸濁液をポリプロピレン管(17×100mm)中10μgのpMWR54に加えて混合し、そして30分、氷上でインキュベートした。1mlのSPTCをそのプロトプラスト懸濁液に静かに混合し、室温で20分、インキュベートを続けた。Vogel's塩、25mMのNaNO3, 0.8Mスクロース及び1%低融点アガロース(Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)からなる(40℃に冷やした)12.5mlの融解液をプロトプラストと混合し、次に空の100mmペトリ皿にプレートした。室温で10〜14日間、インキュベーションを続けた。室温で24時間のインキュベーションの後、12.5mlの同一の培地+ml当り10mgのBASTATM(Hoechst Schering, Rodovre, Denmark)をペトリプレート上に重層した。BASTATMをフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)で2回、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で1回、使用前に抽出した。
2週間後、21の形質転換体が現れた。各々の形質転換体からの菌糸フラグメントを、Vogel's/BASTATM培地を含む24ウェルプレートの個々のウェルに移した。その培地は、リッター当り、25gのスクロース、25gのNoble寒天、20mlの50×Vogel's塩(Vogel, 1964、前掲)、25mM NaNO3、及び10gのBASTATMから構成される。そのプレートをプラスチックバッグ内に密閉して水分を保持し、室温でほぼ1週間、インキュベートした。
実施例10:フサリウムにおけるアスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼの発現
実施例9に記載される21フサリウムCC1−3形質転換体の各々からの菌糸体フラグメントをリッター当り50gのマルトデキストリン、2.0gのMgSO4・7H2O, 2.0gのKH2PO4, 4.0gのクエン酸、8.0gのイーストエキス、2.0gの尿素、及び0.5mlの微量金属溶液から構成されるM400Da培地20mlに接種し、5日間、30℃で200rpmでインキュベートした。その培地を5NのNaOHでpH6.0に調節した。微量金属溶液はリッター当り14.3gのZnSO4・7H2O, 2.5gのCuSO4・5H2O, 0.5gのNiCl2・6H2O, 13.8gのFeSO4・7H2O, 8.5gのMnSO4・H2O、及び3.0gのクエン酸から構成された。形質転換しない宿主も対照として行った。1mlの各々の培養上清を5日目に収集し、4℃に保存した。ジペプチジルアミノペプチダーゼI活性は、1μlの酵素上清を50mMリン酸ナトリウムpH7.5のml当り2mgのAla−Pro−pNAを含む200μlのAla−Pro−pNA基質保存液と混合し、405nm及び環境温度での吸光度の変化をモニターすることにより決定した。
pMWR54の21の一次形質転換体の19からの培養上清は、ジペプチジルアミノペプチダーゼI活性についてアッセイした時、陽性であった。
フサリウム一次形質転換体#1及び#16を、125ml振とうフラスコ内で、5日間、30℃で25mlのM400Da培地中で培養した。フサリウム一次形質転換体からの全体の培養液をMiraclothの二重層を用いてろ過した。そのろ液を回収し、次に−20℃で凍結した。
実施例11:フサリウム中で生産された組換えアスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIの精製
組換えジペプチジルアミノペプチダーゼIは、実施例10に記載される一次形質転換体#1のフサリウム液から精製した。ブロス(20ml)を0.45ミクロンフィルターを備えたNalgeneフィルターフェアー(Nalgee, Rochester, NY)でろ過した。そのサンプルを20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液を用いて10倍に希釈し、PM10限外ろ過膜を利用する限外ろ過システム(Amicon, Beverly, MA)を用いて濃縮した。
次にそのサンプルを、400mlの20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化した60mlのQ−Sepharose, Big Beadsを含むカラム(XK−26)に充填した。そのカラムをベースラインに達するまで洗った。5ml/分の流速で、ジペプチジルアミノペプチダーゼIを10カラム容量にわたり、20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.0中0〜0.40M NaClの直線勾配で溶出した。ジペプチジルアミノペプチダーゼIは約0.24M NaClで溶出した。SDS−PAGEを、以下のプロトコルに従って、Ala−Pro−pNAでの画分活性で行った。基質を、2mgのAla−Pro−pNA(Bachem, Torrance, CA)を20μlのDMSOに溶かすことによって調製した。次に、980μlの50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液を加えた。96ウェルマイクロタイタープレート内で、100μlの基質溶液を100μlのアスペルギルス・オリザエジペプチジルアミノペプチダーゼI(50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5に100倍希釈)に加え、405nmの吸光度の増加を、Spectro Max340プレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, Ca)を用いて4分間、測定した。次にその均一な画分をプールした。
実施例12:組換えアスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIのキャラクタリゼーション
実施例11に記載される精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIを、pH至適性、温度安定性、基質特異性、及び速度パラメータに関してキャラクタライズした。
pH至適性は、0.125Mクエン酸、0.125M−塩基性リン酸ナトリウム及び0.125Mホウ酸から構成されるユニバーサル緩衝液中基質としてAla−Pro−pNA(HCl塩)を用いて決定した。pHを0.5のpH増加率で10NのNaOHで4.35〜9.83に調節した。Ala−Pro−pNA基質を、100mgのAla−Pro−pNAを1mlのDMSOに溶かし、20μlのAla−Pro−pNA−DMSO溶液を環境温度で種々のpHでユニバーサル緩衝液980μlに加えることにより調製した。そのアッセイを、水に20倍に希釈したジペプチジルアミノペプチダーゼIの10μlアリコートを種々のpH値で2mg/mlのAla−Pro−pNA 200μlに加えることにより開始した。405nmでの吸光度を5分、モニターした。基質の自己加水分解を、10μlの水を種々のpHで2mg/mlのAla−Pro−pNAに加えることにより決定した。
以下の表1に示す結果は、ジペプチジルアミノペプチダーゼIが基質としてAla−Pro−pNAに対する活性を、pH約8.7の至適pHで測定pH域4.35〜9.83にわたって有することを証明した。基質の自己加水分解は、7超のpH値で観察された。
Figure 0004050329
ジペプチジルアミノペプチダーゼIの温度安定性を以下のプロトコルを用いて決定した:490μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5を37°, 45°, 55°, 60°, 65°, 70°、及び75℃で30分、1.7ml Eppendorfチューブでプレインキュベートした。次に10μlの精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIを加え、次にそのサンプルを更に20分、インキュベートした。次にそのサンプルを氷上においた。インキュベーションを全ての温度について完了した後、サンプルを基質としてAla−Pro−pNAを用いて活性についてアッセイした。
そのアッセイは、30μlのインキュベーション混合物を、種々の温度で、環境温度で、50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液中2mg/mlのAla−Pro−pNA 200μlと混合することにより行った。405nmでの吸光度を5分、モニターした。
表2に示す結果は、ジペプチジルアミノペプチダーゼIが、65℃, pH7.5での20分のインキュベーションの後、90%の活性を保持することを証明した。
Figure 0004050329
種々のモノ−、ジ−、及びトリ−ペプチドパラ−ニトロアニリド基質の相対活性を、50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液で100倍希釈した精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIでアッセイした。各々の基質を100mg/mlの濃度までDMSOに溶かし、次に50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液中に2mg/mlに希釈した。そのアッセイは、100μlの基質溶液を100μlのジペプチジルアミノペプチダーゼI溶液と混合し、405nm及び環境温度での吸光度の変化をモニターすることにより行った。
表3に示す結果は、ジペプチジルアミノペプチダーゼIは、好ましくは、Xaa−Pro−pNA及びXaa−Ala−pNA基質(式中、Xaaはいずれかの天然アミノ酸に相当する)を加水分解することを証明した。
Figure 0004050329
種々のジペプチジルアミノペプチダーゼI基質についての速度パラメータを以下のプロトコルを用いて決定した。その基質は、Ala−Pro−pNA, Asp−Pro−pNA、及びAla−Ala−pNAを含んでいた。1.521のA280の精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIを、Ala−Pro−pNAについて25倍、Asp−Pro−pNAについて20倍、そしてAla−Ala−pNAについて10倍に水で希釈した。各々の基質をDMSO中に100mg/mlの濃度に溶かし、次に50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液で2mg/mlに50倍希釈した。96ウェルマイクタイタープレートにおいて、10μlの精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIを、200μlの基質アッセイをAsp−Pro−pNA基質で行わず、405nmでの吸光度を3分、測定したことを除いて以下の通りインキュベートした。
1.200μlの2mg/ml基質+0μlの50μMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5
2.100μlの2mg/ml基質+100μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5
3.50μlの2mg/ml基質+150μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5
4.25μlの2mg/ml基質+175μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5
5.10μlの2mg/ml基質+190μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5
6.5μlの2mg/ml基質+195195μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5
異なるグリコシル化形態について97kDaの平均分子量を用いて、各々の基質についてKm及びKcatを決定するためにLineweaver-Burkeプロットを作製した。
Ala−Pro−pNAについて、Km及びKcatは各々0.140mM及び576.3min-1と決定した。
Asp−Pro−pNAについて、Km及びKcatは各々0.632mM及び244.3min-1と決定した。
Ala−Ala−pNAについて、Km及びKcatは各々1.08mM及び106.5min-1と決定した。
実施例13:アスペルギルス・オリザエ1568アミノペプチダーゼIの精製
実施例1に記載される50mlのFLAVOURZYMETM調製物を10,000rpmで10分、遠心した。その上清を0.2μm Nalgeneフィルターでろ過し、そのろ液を20mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5緩衝液で350mlに希釈した。その希釈したろ液をPM10膜を備えたAnicon限外ろ過セルで濃縮した。更に20mMのリン酸pH7.5緩衝液を加え、更に3回、濃縮してサンプルを正確なpH及び電導度に調節した。
次にその酵素液を、20mMリン酸緩衝液pH7.5で予め平衡化したQ-Sepharose, Big Beadsを含むXK−26カラムに充填した。0〜300mM NaClで勾配を行い、次に350mlの300mM NaClで洗った。画分を以下のプロトコルに従ってLeu−pNA活性についてアッセイした。その基質を、20μlのDMSO中に2mgのLeu−pNA(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を溶かすことにより調製した。
次に、980μlの50mMリン酸緩衝液pH7.5を加えた。96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、100μlの基質溶液を100μlのアスペルギルス・オリザエペプチダーゼI(50mMリン酸pH7.5緩衝液に100倍希釈)に加え、405nmにおける吸光度の増加を、Spectro Max340プレートリーダーを用いて4分、測定した。最も活性のある画分をプールし、上述の通りPM10限外ろ過を用いて濃縮した。
その濃縮したサンプルを20mMリン酸pH7.5緩衝液で250mlに希釈し、Mono−Q 16/10カラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)に充填した。勾配を、0〜400mM NaClで行った。画分を上述の通りLeu−pNA活性についてアッセイした。最も活性のある純粋な画分(SDS−PAGEによる)をプールし、上述の通りPM10限外ろ過を用いて濃縮した。
そのサンプルを1.7M硫酸アンモニウムを含む50mMリン酸pH7.0緩衝液に希釈し、上述の通り濃縮した。このステップを3回、くり返した。そのサンプルを1.7M硫酸アンモニウムを含む50mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化したPhenyl Sepharosカラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)に充填した。勾配は、1.7〜0M硫酸アンモニウムで行い、次に50mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で洗った。画分をLeu−pNA活性についてアッセイし、純度をSDS−PAGEによりチェックした。70kDaに近い2つの小さなバンドがなお存在した。
1ml容量の最も純粋な画分をMicrocon 10マイクロコンセントレーター(Amicon, New Bedford, MA)で濃縮した。100μl容量の濃縮物を、20mMリン酸緩衝液pH7.0緩衝液で予め平衡化したSuperose 12カラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)に充填し、30mlの同じ緩衝液で溶出した。1つのピークのみが観察された。SDS−PAGE分析は、70kDa近くの2つの小さなバンドを示した。これらのバンドは、おそらく、ジペプチジルアミノペプチダーゼのアグリゲーションであり、更なる精製は必要なかった。
Phenyl Sepharoseカラムからの全ての活性画分をプールし、濃縮し、そしてPM10限外ろ過及び20mMリン酸pH7.0緩衝液を用いて脱塩した。
実施例14:アスペルギルス・オリザエ1568アミノペプチダーゼIとアスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIとの間の相乗作用
基質を、2mgのAla−Phe−Pro−pNA(Bachem, Torrance, CA)を20μlのDMSOに溶かすことにより調製した。次に、980μlの50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5及び100μlのエタノールを加えた。96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、100μlのAla−Phe−Pro−pNA溶液を100μlの100倍希釈したアミノペプチダーゼI(実施例12)に加え;100μlのAla−Phe−Pro−pNA溶液を100μlの100倍希釈したジペプチジルアミノペプチダーゼI(実施例11)に加え;そして100μlのAla−Phe−Pro−pNA溶液を50μlの100倍希釈したアミノペプチダーゼI及び50μlの100倍希釈したジペプチジルアミノペプチダーゼIの混合物に加えた。405nmにおける吸光度を10分、測定した。
その精製したアミノペプチダーゼIは、405nmについてパラ−ニトロアニリンについて10,000の吸光系数を用いて、Leu−pNAについて26.822LAPUs/mlの活性を有すると決定された。LAPUは、AF298/1−GB(Novo Nordisk A/S, Denmarkから必要に応じて利用できる)に記載されるように決定したロイシンアミノペプチダーゼ活性として定義される。その精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIはパラニトロアニリンについて10,000の吸光系数を用いてAla−Pro−pNAについて11.54DPAPU/mlの活性を有すると決定した。100倍希釈物において、アミノペプチダーゼIはAla−Pro−pNAで2mOD/分未満の速度を示し、ジペプチジルアミノペプチダーゼIはLeu−pNAで2mOD/分未満の速度を示した。100倍希釈したアミノペプチダーゼIは、10分にわたって、Ala−Phe−Pro−pNAへの活性を示さなかった。100倍希釈したジペプチジルアミノペプチダーゼIは、10分にわたって、Ala−Phe−Pro−pNAへの活性を示さなかった。100倍希釈したジペプチジルアミノペプチダーゼI及び100倍希釈したアミノペプチダーゼIの混合物をAla−Phe−Pro−pNAでアッセイした時、122mOD/分の速度が10分にわたって観察された。
実施例15:アスペルギルス・オリザエ1568ジペプチジルアミノペプチダーゼIでのタンパク質加水分解物の調製
実施例11に記載される精製したジペプチジルアミノペプチダーゼIをセラチン、ダイズ、グルテン、及びカゼインを基質として用いて以下の手順に従って加水分解度アッセイにおいてテストした。
加水分解度(DH)アッセイは、ゼラチン、ダイズミール錠剤、コムギグルテン、及びナトリウム、カゼイネートを、pH7に調節した2%濃度で用いて、必要に応じて加水分解の間、pHを調節せずに小さな加水分解として18時間、50℃で行った。その加水分解物を85℃で3分、水浴中で不活性化した。用いた酵素はALCALASETM2.4L(Novo Nordisk A/S, Bagsvrd, Denmark)を伴うFLAVOURZYMETM並びにFLAVOURZYMETM及びALCALASETM2.4Lを伴うジペプチジルアミノペプチダーゼIであった。FLAVOURZYMETM, ALCALASETM、及びジペプチジルアミノペプチダーゼIは、ml当りタンパク質200mg当り各々3mg, 3mg, 0.125mgで投与した。
Adler-Nissen(1986, Enzymic Hydrolysis of Food Proteins, Elsevier Applied Science Publishers)により定義されるDHを、OPA(オルト−フタルジアルデヒド、Sigma, Chemical Co., St. Louis, MO)との上清の反応により決定した。OPA試薬のため、160mgのOPAを4mlのエタノールに溶かし、7.62gのジナトリウムテトラボレートデカヒドレート、200mgのドデシル硫酸ナトリウム、及び176mgのジチオトレイトールの溶液を含む200ml容量フラスコに移し、そのフラスコを水で200mlにした。
25μlの容量の適当に希釈した上清をマイクロタイタープレートウェル内で200μlのOPAと混合し、正確に2分、25℃で反応させた。340nmでの吸光度をマイクロタイタープレートリーダーで測定し、ブランク値の抽出(OPA試薬と水の反応)後に95mMのL−セリン標準溶液の吸光度と比較した。本当のDHを決定するために、上清中で測定されたセリン等価物を、記載されるOPA法と同じ応答を供するトリニトロベンゼンスルホン酸法(Adler-Nissen, 1979, Agricultural and Food Chemistry 17 : 1256)についてAdler-Nissenにより示唆される因子で補正した。加水分解度を、(可溶性タンパク質に基づかず)加水分解混合物中のタンパク質の全量に基づいて計算した。
結果は、ジペプチジルアミノペプチダーゼが、テストした全てのタンパク質についてFLAVOURZYMETM及びALCALASETM単独でのサンプルより5%高く加水分解度を増加させた。
実施例16:脱アミド化によるタンパク質溶解度の増加及びグルタミンの遊離
コムギグルテン(WG)をCargill(JOB5141)から得て、脱アミド化したコムギグルテン(DWG)はStaPro Consultancy P.V., Lemdijk 32, 9422 TH Smilde, NLから得た。8%タンパク質の懸濁液を、11gのグルテンを89gの水と混合することにより作った。そのpHをNaOHで6.5に調節した。WO91/13554に記載されるように得ることができるグルタミン/アスパラギン酸特異的プロテアーゼ(SP446)又はWO89/06270に記載されるように得ることができるリシン/アルギニン特異的プロテアーゼ(SP387)を懸濁液に加えた。投与量はSP446について0.01AU/gタンパク質及び0.006AU/gタンパク質であった。FLAVOURZYMETM(エンド−及びエキソ−ペプチダーゼ活性を含む
Figure 0004050329
から利用でき、及びアスペルギルス・オリザエの発酵によって得られる非特異的に作用するプロテアーゼ調製物)を20LAPU/gタンパク質の投与量でいくつかの加水分解物に加えた。1LAPU(ロイシンアミノペプチダーゼ単位)は、次の条件:10分、40℃, 0.1M Tris pH8.0緩衝液中26mL L−ロイシン−p−ニトロアニリド下で分当りにL−ロイシン−p−ニトロアニリド1マイクロモルを分解する酵素の量である。加水分解に基づいて、p−ニトロアニリドが遊離され、その溶液を405nmでモニターされる黄色にする。
加水分解を、18時間、更なるpH調節なしに50℃で行った。その酵素を、15分、85℃に加熱することにより不活性化した。そのpHを5に調節し、加水分解物を遠心した。その上清中のタンパク質及び遊離グルタミンの含有量を決定した。
タンパク質含有量は、Kjeldahl因子6.25を用いてKjeldahl分析により決定した。
遊離グルタミンの含有量は、製造元の説明(Boehringer-Mannheim, Indianapolis, IN)に従ってグルタミン測定キットを用いることにより決定した。その方法は、マイクロタイタープレートに用いるのに適した。
コムギグルテン(WG)を脱アミド化コムギグルテン(DWG)と比べた時、表4に示すような結果は、脱アミド化が、より多くのタンパク質が可溶性になるように、グルテンの特定のプロテアーゼに対する感受性を増加させることを示した。FLAVOURZYMETMの特定のプロテアーゼとの添加により、グルタミンの遊離は脱アミド化により2倍になった。
Figure 0004050329
実施例17:酵素的脱アミド化及びグルタメートの遊離
ペプチドグルタミナーゼIIを、1%ポリペプトン、0.5%ラクトース、0.025% MgSO4・7H2O, 0.005% FeSO4・7H2O, 0.025% KH2PO4、及び17% Na2HPO4・12H2O(pHを7.2に調節)から構成される培地200mlを含む振とうフラスコ(400ml)中、270rpmで混合しながら20時間、30℃でバチルス・サーキュランス株ATCC 21590を増殖させることにより生産した。その細胞を1lフラスコ内で4000rpmでの遠心により収集した。次に細胞を凍結した。
バチルス・サーキュランスからのペプチドグルタミナーゼIIの精製を、室温で行った。凍結したバチルス・サーキュランス細胞を解凍し、均一な懸濁液が得られるまで、Lysis緩衝液(50mM Tris/HCl;25%(w/v)スクロース;1mM EDTA, pH8.0)に懸濁した−Lysis緩衝液1l当り100g湿式重量。リゾチーム(10mg/ml)及びDNAseI(Sigma DN・25, 10mg/ml)をLysis緩衝液に溶かした。次に100mlのリゾチーム溶液、10mlの1.0M MgCl2、及び1mlのDNAseI溶液を細胞懸濁液1l当りに加えた。
その懸濁液をSeitzデプスフィルタープレートでろ過し、そのろ液をSephadex G25カラム(Pharmacia)上の10mM KH2PO4/NaOH, pH8.0(緩衝液A)に移した。その酵素溶液を、緩衝液Aで平衡化したSOURCE Qカラム(Pharmacia)に適用し、緩衝液A中直線NaCl勾配(0→500mM)で溶出した。そのカラムからの画分を以下に記載のようにペプチドグルタミナーゼII活性について分析し、活性のある画分をプールした。そのプールした画分の280nmにおける吸光度は1.78であり、これによりタンパク質含有量は1.8mg/mlと評価された。
ペプチドグルタミナーゼIIプール中のタンパク質の純度はSDS−PAGEゲルから判断して約25%であった。これにより、その調製物は、約0.5mg/mlの純粋なペプチドグルタミナーゼIIを含んでいた。
ペプチドグルタミナーゼ活性を、アンモニア測定のためのBoehringer-Mannheimキット(Cat. No. 1112732)を用いて、N−tert−ブトキシカルボニル−Gln−Pro(N−t−Boc−Gln−Pro;SIGMA No.B−4403)のγ−カルボキシアミドの加水分解の間に形成されたアンモニアを測定することにより決定した。このキットにおいて、アンモニアは、グルタメートデヒドロゲナーゼによるNADHの消費の測定により測定され、N−t−Boc−Gln−Proを添加しないブランクも、他のNADH消費酵素の効果を引くために適用した。
全部で200mgのコムギグルテンタンパク質を9mlの沸騰水に加え、冷やした後、pHを7.0に調節した。次に250μlの上述のペプチドグルタミナーゼII調製物(PEP)を加えた。実施例16に記載されるグルタメート/アスパラテート特異的プロテアーゼ(SP446)を0.04AU/gタンパク質の量で加え、実施例16に記載されるFLAVOURZYMETMを20LAPU/gタンパク質の量で加えた。
加水分解は、18時間、50℃でpH調節なしで行った。ペプチドグルタミナーゼを添加しない対照も行った。加水分解物を遠心し、グルタメートを実施例16に記載されるように測定した。DHは実施例15に記載されるように測定した。
以下の表5に示す結果は、ペプチドグルタミナーゼ調製物での加水分解がDH及びグルタメートの遊離を増加させることを証明した。
Figure 0004050329
生物材料の寄託
以下の生物材料は、Agricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center, 1815 University Street, Peoria, Illinois, 61604にブダペスト条約の規定の下に寄託し、以下の寄託番号を得た。
寄託物 寄託番号 寄託日
大腸菌DH5αpMWR52 NRRL B-21682 1997年4月18日
配列表
(2)配列番号:1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:2313塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ix)特徴:
(A)記号:Coding Sequence
(B)存在位置:1...2313
(D)他の情報:
(xi)配列の記載:配列番号:1:
Figure 0004050329
Figure 0004050329
Figure 0004050329
Figure 0004050329
(2)配列番号:2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:771アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(v)フラグメント型:内部
(xi)配列の記載:配列番号:2:
Figure 0004050329
Figure 0004050329
Figure 0004050329
(2)配列番号:3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:20アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:3:
Figure 0004050329
(2)配列番号:4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:22アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:4:
Figure 0004050329
(2)配列番号:5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:7アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:5:
Figure 0004050329
(2)配列番号:6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:7アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:6:
Figure 0004050329
(2)配列番号:7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:8アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:7:
Figure 0004050329
(2)配列番号:8の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:16アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:8:
Figure 0004050329
(2)配列番号:9の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:21アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:9:
Figure 0004050329
(2)配列番号:10の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:32アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:None
(xi)配列の記載:配列番号:10:
Figure 0004050329
(2)配列番号:11の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:931アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:11:
Figure 0004050329
Figure 0004050329
Figure 0004050329
(2)配列番号:12の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:36塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:12:
Figure 0004050329
(2)配列番号:13の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:0塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:13:
Figure 0004050329

Claims (15)

  1. (a)配列番号:2の17番〜771番のアミノ酸のアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (b)(a)のポリペプチドのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (c)配列番号:2の17番〜771番のアミノ酸のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (d)配列番号:1の49番〜2313番のヌクレオチドの核酸配列によりコードされるポリペプチド;或いは
    (e)(i)配列番号:1の49番〜2313番のヌクレオチド、または(ii)(i)の相補鎖と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド
    からなる群から選択される、ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
  2. 配列番号:2の17番〜771番のアミノ酸のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 高ストリンジェンシー条件下で、配列番号:1の49番〜2313番のヌクレオチドの核酸配列、又はその相補鎖とハイブリダイズする核酸配列によりコードされる、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 以下の特性:
    (a)Ala−Pro−パラ−ニトロアニリドの存在下で環境温度で5分のインキュベーション後に測定して約pH4.4〜約pH9.8の範囲の至適pH;(b)基質の欠如下での65℃で20分のインキュベーション後に測定してpH7.5で、最初の活性に対して90%以上の温度安定性;(c)Xaa−Pro−パラ−ニトロアニリド又はXaa−Ala−パラ−ニトロアニリド(式中、Xaaは、Ala、Arg、Asp、Gly、及びValからなる群から選択される)に対する活性;(d)SDS−PAGEにより測定して約95kDaの分子量;及び(e)アスペルギルス・オリザエATCC20386に由来する、を有する、ジペプチジルアミノペプチダーゼ
  5. 大腸菌NRRL B-21682内に含まれるプラスミドpMWR52内に含まれる核酸配列によってコードされ、ここで、前記核酸配列が配列番号:1の49番〜2313番のヌクレオチドからなる、請求項1に記載のポリペプチド。
  6. アミノペプチダーゼと共同作用してポリペプチドを加水分解する、請求項1に記載のポリペプチド。
  7. 請求項1に記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離された核酸配列。
  8. 適切な発現宿主内でポリペプチドの生産を促進する1以上の調節配列に作用可能に連結された請求項に記載の核酸配列を含む、核酸構成物。
  9. 請求項に記載の核酸構成物、プロモーター、並びに転写及び翻訳停止シグナルを含む、組換え発現ベクター。
  10. 請求項に記載の核酸構成物を含む、組換え宿主細胞。
  11. 請求項1に記載のポリペプチドを生産するための方法であって、(a)株を培養して該ポリペプチドを含む上清を作り;そして(b)該ポリペプチドを回収すること、を含む、前記方法。
  12. ジペプチジルアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドを生産するための方法であって、(a)該ポリペプチドの生産のために適した条件下で請求項10に記載の宿主細胞を培養し;そして(b)該ポリペプチドを回収すること、を含む、前記方法。
  13. タンパク質基質から加水分解物を生産するための方法であって、該基質を、請求項1に記載のポリペプチド及びエンドペプチダーゼに露出することを含む、前記方法。
  14. 上記加水分解物がAla、Arg、Asp、Gly、及び/又はValが豊富であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1に記載のポリペプチド及び適切な担体を含む、風味改良組成物。
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