JP4050186B2 - 電子部品実装基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、無線通信機の高周波部で使用され、例えば無線通信機用送信モジュールに用いられる電子部品実装基板およびそれを利用した電子部品モジュール等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信機の高周波部には、アンテナスイッチ共用器モジュールやパワーアンプモジュールが多数使用されている。以下に図面を参照しながら、上記した従来の各個別モジュールとそれらを組み合わせた無線通信機の高周波部の一例について説明する。
【0003】
図5は従来の無線通信機におけるアンテナスイッチ共用器モジュールおよびパワーアンプモジュールの使用状態を示すブロック図である。図5において、406はアンテナスイッチ共用器モジュールで、404はパワーアンプモジュール、405はアイソレータモジュール、407は受信用フィルタである。
【0004】
以上のように構成されたアンテナスイッチ共用器モジュール、パワーアンプモジュールおよび無線通信機について、以下その動作について説明する。
【0005】
まず、アンテナスイッチ共用器モジュール406はPINダイオードやGaAsなどの化合物系半導体ICを用いて構成される。パワーアンプモジュール404はGaAsやInGaPなどの化合物系半導体ICを用いて構成される。受信用フィルタ407およびアイソレータモジュール405には個別部品が使われる。これらのモジュールや個別部品はプリント基板上に配置され、マイクロストリップラインなどの配線により電気的に接続される。
【0006】
ところが、上記のような構成では、個別のモジュールや部品で構成されているので無線通信機の小型化に限界があり、また、個別構成での低コスト化は難しいという問題点を有していた。また、プリント基板上の配線により接続されるため、高周波におけるインピーダンスに乱れを生じ、所望特性が再現できずに、調整工程が必要になるという問題点を有していた。さらに、プリント基板上の配線は、余分なロスを発生させ、より多くの消費電力を必要とするなどの問題点を有していた。
【0007】
かかる問題点を解決するために、図6(a)の上面図、図6(b)の側部断面図に示すように、受動素子604を内蔵した厚膜多層基板600上に、アンテナスイッチ601やパワーアンプ602、VCO603といった個別のモジュール、半導体部品をフリップチップ実装した無線通信モジュールが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−261643号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した無線通信モジュールにおいては、パワーアンプ602のような発熱性の高い部品を放熱させることは考慮されていない。特に厚膜多層基板としてセラミック多層基板を用いた場合、この放熱の問題は無視できなくなる。
【0010】
ここで図6(b)に示すように、電気的接続を得るためのビア605を用いて、基板上に実装した部品から発熱を逃がすことも考えられるが、ビアの作成には、さらに以下のような課題があった。
【0011】
ビア605は基板の元となるグリーンシートを貫通するように設けられたビアホールに、導電性または伝熱性を有するアルミ等の金属を充填した後、グリーンシートを焼成することにより、基板と同時に作成される。
【0012】
このときセラミックは焼成時に収縮するのに対し、金属は焼成の加熱によって熱膨張する。したがって、ビアホールの径が小さくなるのに対して金属の径は大きくなるので、ビアホールの径が小さすぎると、膨張した金属によりビアホールに亀裂が生じ、製造時の歩留まりを悪化させることになる。
【0013】
一方、ビアホールの径を大きく取りすぎると、焼成終了後に収縮した金属とビアホールとの間に隙間が生じ、放熱の効率が悪くなってしまう。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑み、放熱性に優れ、製造時の歩留まりが高い電子部品実装基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、所定のグリーンシートに放熱用のビアホールを開孔する工程と、
前記ビアホールが開口されたグリーンシートを所定の第1温度で焼成してセラミック層基板を作成する工程と、
前記ビアホール内に、金属体を配置する工程と、
前記金属体と前記ビアホールの内壁との間の全部または一部に緩衝材を配置する工程と、
前記金属体および前記緩衝材とが前記ビアホール内に充填された前記セラミック層基板を所定の第2温度で加熱して前記緩衝材を硬化する工程とを備え、
前記緩衝材は、空気よりも高い熱伝導性を有するととともに、前記金属体よりも低い熱膨張率を有するものである、電子部品実装基板の製造方法である。
【0016】
また、第2の本発明は、所定のグリーンシートに放熱用のビアホールを開孔する工程と、
前記ビアホールが開口されたグリーンシートを所定の第1温度で焼成してセラミック層基板を作成する工程と、
前記ビアホール内に、金属体を配置する工程と、
前記金属体と前記ビアホールの内壁との間の全部または一部に緩衝材を配置する工程と、
前記金属体および前記緩衝材とが前記ビアホール内に充填された前記セラミック層基板を所定の第2温度で加熱して前記緩衝材を硬化する工程とを備え、
前記緩衝材は、空気よりも高い熱伝導性を有するととともに、前記金属体よりも低い弾性率を有するものである、電子部品実装基板の製造方法である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下本発明に関連する発明の一実施の形態の電子部品実装基板およびそれを用いた無線通信機用送信モジュールについて、図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は本発明に関連する発明の実施の形態における無線通信機用送信モジュールのブロック構成の概念を示すものである。ここでは、GSM/DCS/PCSのEDGE対応の携帯電話機の事例を挙げて説明を行うが、本発明の適用はもちろんこれに限定されるものではない。
【0035】
図1において、1は、本発明の電子部品実装基板の一例であるセラミック基板、2はGSM送信入力端子、3はDCS/PCS送信入力端子、4はGSM受信出力端子、5はDCS受信出力端子、6はPCS受信出力端子、7はアンテナ端子、8はGSMモニタ端子、9はDCS/PCSモニタ端子、10はEDGEモード切り替え端子、11はGSMパワーアンプIC、12はDCS/PCSパワーアンプIC、13はSP5TGaAsスイッチIC、14は基板埋め込み型積層アイソレータ、15a、15b、15cは内蔵型積層フィルタ、16はGSMモニタ用結合コンデンサ、17はDCS/PCSモニタ用結合コンデンサ、18はサーマルビアホール、19はアンテナである。
【0036】
ここで、セラミック基板1は低温焼成セラミック基板(LTCC)が好ましく、一層の基板でもよいし、多層基板であってもよい。さらに誘電率の異なるセラミックシートを積層する異種積層LTCCであればなお好ましい。セラミック積層基板1の各種材料としては、例えば、低誘電率系(比誘電率20以下)では、フォルステライト系、アルミナほう珪酸ガラス系などが、高誘電率系(比誘電率20より大)では、Bi−Ca−Nb−O系、Ba−Ti−O系、[Zr(Mg,Zn,Nb)]TiO4+MnO2系、Ba−Nd−Ti−O系などの材料を用いることができる。
【0037】
また、GSMパワーアンプIC11およびDCS/PCSパワーアンプIC12は、GaAs−FET、InGaP−HBTなどが好ましい。GaAsスイッチIC13はFET構造あるいはHEMT構造が好ましく、ここではSP5T型を説明しているがその他の形式のものでもよい。例えば、DP5Tとダイプレクサを組み合わせて使用することなども考えられる。基板埋め込み型積層アイソレータ14はGSMとDCS/PCSのマルチ帯域において、GSMパワーアンプIC11およびDCS/PCSパワーアンプIC12の負荷を安定化し、低歪特性を保証するアイソレータ動作を行うものである。好ましくは、複数の電気回路と共通の磁気回路とを具備するものであれば、小型、低コストにすることができる。内蔵型積層フィルタ15a、15b、15cは図示しないビアホールを利用して共振器を折り返す構造等にすることにより、小型化することができる。なお、共振器電極がセラミック基板1の高誘電率セラミック層内に形成されていれば、なお好ましい。
【0038】
以上のように構成された無線通信機用送信モジュールについて、以下図1、図2及び図3を用いてその動作を説明する。
【0039】
まず図1において、GSM送信入力端子2あるいはDCS/PCS送信入力端子3から入力された送信信号は、GSMパワーアンプIC11あるいはDCS/PCSパワーアンプIC12によって規定の送信信号出力電力レベルまで増幅される。この際、GSMパワーアンプIC11あるいはDCS/PCSパワーアンプIC12は、EDGEモード切り替え端子10に加わる制御信号に応じて、GMSK変調信号増幅用の飽和アンプとして動作するか、EDGE信号増幅用の線形アンプとして動作するか、バイアス点が制御され、それぞれの動作モードにおいて、効率、歪特性などが最適になるように設定される。
【0040】
各パワーアンプICの出力は基板埋め込み型積層アイソレータ14に入力される。GSMモニタ用結合コンデンサ16およびDCS/PCSモニタ用結合コンデンサ17は、各パワーアンプICの出力のごくわずかを取り出し、出力電力レベルをモニタするためのものである。ここでは方向性結合器を用いても良いが、本実施の形態の場合、各パワーアンプICの出力が基板埋め込み型積層アイソレータ14に接続されており、方向性が確保できるので、より構造が簡単で省面積、低コストでできる結合コンデンサを用いた。基板埋め込み型積層アイソレータ14の出力はアンテナ切り替えスイッチ装置であるSP5TGaAsスイッチIC13に入力される。なお、ここでは、アンテナ切り替えスイッチ装置はGaAsスイッチICとしたが、PINダイオードを用いたスイッチ回路や、RF−MEMSスイッチを用いたスイッチ回路などでも良い。
【0041】
アンテナ切り替えスイッチ装置は送信動作時には送信信号出力をアンテナ端子へ導き、受信動作時にはアンテナ19で受信した受信信号を受信フィルタを介して各々の受信端子に出力する。ここで、受信フィルタとしては、積層フィルタやSAWフィルタやバルク弾性波フィルタなどが用いられる。アンテナ端子や受信フィルタといった部材は、セラミック積層基板1と一体に構成される(図示省略)。
【0042】
本実施の形態における無線通信機用送信モジュールにおいては、アンテナ切り替えスイッチ装置であるSP5TGaAsスイッチIC13と、パワーアンプ装置であるGSMパワーアンプIC11およびDCS/PCSパワーアンプIC12と、セラミック積層基板1とを一体構成している。
【0043】
本実施の形態の構成においては、パワーアンプ装置の出力がセラミック積層基板面上あるいは内層に形成された伝送線路によって、直接に、あるいは基板埋め込み型積層アイソレータを介してアンテナ切り替えスイッチ装置の出力に電気的に接続されているので、プリント基板上の伝送線路を介して接続する場合に比べて、余分な寄生成分によるインピーダンスの乱れなどが無く、またモジュールとして全体特性を保証するので特性の再現性の問題も無くなる。
【0044】
また、短配線で小型一体化していることから、余分なロス要因が入らず、低消費電力化が実現できる。これは、携帯電話機などの無線通信機器においては、電池への負荷を軽くし、長時間動作を可能にするという大きな効果をもたらす。
【0045】
また、セラミック積層基板を用いて一体化構成されていることから、大幅な小型化が可能となり、同時に低コスト化も可能になる。
【0046】
ところで、図1のような構成においては、パワーアンプICの放熱が問題となるが、本実施の形態は、基板埋め込み型積層アイソレータ14およびサーマルビアホール18を用いて放熱することにより、この問題を巧みに解決している。
【0047】
ここで、図2を用いてさらに本実施の形態の無線通信機用送信モジュールの構造の詳細説明を行う。図2は本実施の形態の無線通信機用送信モジュールの主要部分の断面図を表す。201はセラミック異種積層基板、202は基板埋め込み型積層アイソレータ、203は磁石、204はフェライト、205は上部ヨーク、206は下部ヨーク、207は下面キャビティ、208は201と一体になっているセラミック異種積層基板、209は放熱板、210はパワーアンプICチップ、211はプリント基板、212はボンディングワイヤー、213はGaAsスイッチICチップ、214は埋め込み型ストリップライン、215はスリット状のサーマルビアホール、216はスリットである。
【0048】
図に示すように、基板埋め込み型積層アイソレータ202は、上部ヨーク205と下部ヨーク206とが、スリット216を介してセラミック異種積層基板201の一部を挟み込む構造を有しており、上部ヨーク205とセラミック異種積層基板201の一方の主面との間に磁石203を、また下部ヨーク206とセラミック異種積層基板201の他方の主面との間にフェライト204をそれぞれ配置することにより形成されている。
【0049】
また、サーマルビアホール215内には、中心部にある金属体217aと、金属体217aとサーマルビアホール215との間に設けられ、サーマルビアホール215の内壁および金属体217aの外壁と接する緩衝材217bが配置されている。つまりサーマルビアホール215には、金属体217aと緩衝材217bとの二層構造を有する伝熱体が充填されていることになる。セラミック異種積層基板201上において、伝熱体の一端は放熱板209と熱伝導するよう直接接続しており、他端はセラミック異種積層基板201の裏面に露出している。
【0050】
図2に示す構成において重要な点は、放熱板209と下部ヨーク206が熱伝導するよう直接接続され、放熱板209および上下ヨークがヒートシンカーとして動作させるとともに、さらに放熱板209と接続された伝熱体を介して、放熱板209上に配置されたパワーアンプICチップ210が発生する熱をモジュール底面へ逃がすようにしたことである。一般に、セラミックLTCC基板の熱伝導度はあまり良くなく、これがPAモジュール基板あるいは送信モジュール基板にLTCCを用いる場合の最大の課題であった。本実施の形態の構成ではこの課題を前述の構成により巧みに解決している。
【0051】
基板埋め込み型積層アイソレータ202において、交叉電極はセラミック異種積層基板201の上面と下面キャビティ207の間の薄い積層セラミック層内部に形成される(図示せず)。下面キャビティ207内にはフェライト204が埋設される。また、交叉電極の端に接続されるコンデンサ電極は、上部ヨーク205および下部ヨーク206に挟まれたセラミック異種積層基板208のうち、フェライト204と隣り合う厚みの大きい部分208aの内部に形成される。なお、本実施の形態では、このような積層アイソレータ構成を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。アイソレータがセラミック基板と一体構成されていれば、それらは全部本発明に関連する発明の範疇に含まれると解釈される。
【0052】
また、基板埋め込み型積層アイソレータ202および放熱板209は、セラミック異種積層基板201と必ずしも同時焼成されるものではない。樹脂材とセラミック材が混合されたコンポジット材料を用いて、それらはセラミック積層基板と接合されるものであって良い。この場合、スリット内や、放熱板の下面や周辺部などがコンポジット材を用いて接合されることとなる。コンポジット材は通常摂氏150℃位で硬化できるので、放熱板209とセラミック異種積層基板201の熱膨張の違いによるクラックの発生などは防ぐことが可能である。
【0053】
また、放熱板209上に一部、プリント基板211を配置し、パワーアンプICチップ210、GaAsスイッチICチップ213等の各ICから直接ボンディングワイヤー212等によりワイヤボンディングを行うことにより、不要な寄生成分が入ることを防ぐことができる。また、プリント基板211上の電極にワイヤボンディングができるように金メッキを施しておく。LTCC基板には、通常電極材料として銀が用いられるが、ワイヤボンディングをすべてプリント基板211上に行えば、LTCC全体を金メッキする必要性は無くなり、低コスト化が可能となる。
【0054】
次に、図4の分解斜視図を用いて、本実施の形態の構造の補足説明を行う。図4は、あくまでも一例であって、本発明に関連する発明はこれに限定されるものではない。図1および図2で説明されていなかった点は下部ヨーク206が通るように予め形成されたスリット216である。スリット216は下部ヨーク206の外周の内の一部に形成されることにより、基板埋め込み型積層アイソレータ202とセラミック異種積層基板201は一体構造を保っている。したがって、基板埋め込み型積層アイソレータ202とセラミック異種積層基板201に形成される他の回路部分は、その連続部分を通じて電気的に接続されるので、不要な寄生成分などが入る心配は無い。
【0055】
次に、サーマルビアホール215および伝熱体の構成および製造工程を、図3(a)〜(c)を参照して、さらに詳細に説明する。
【0056】
まず、製造工程としては、図3(a)に示すように、セラミック異種積層基板201の基体となるセラミックの積層グリーンシート301に、サーマルビアホール215に対応するスリット状の貫通孔302をあけ、所定の第1温度として約950℃で焼成し、セラミック異種積層基板201を得る。焼成方法としては、3次元方向に自由に収縮させる収縮焼成であっても、平面方向に収縮させない無収縮焼成であっても良い。また、グリーンシート301の焼成に要する所定の第1温度は、セラミック積層基板の場合は約950℃であるが、これは、グリーンシート301と同時焼成する埋め込み型ストリップライン214等に用いる金属導体ペーストに対応して変わるものであって、この金属導体ペーストの融点以下であればよい。例えば材料が銅であれば約1085℃、銀であれば約962℃である。本実施の形態の場合は、銀を用いたので約950℃であるとした。要するに、第1温度は、本発明のセラミック層基板を得るのに必要な温度であればよい。
【0057】
次に、図3(b)に示すように、セラミック異種積層基板201の焼成後、貫通孔302に金属体303を挿入するとともに、貫通孔302と金属体303との隙間をコンポジット材304で充填し、所定の第2温度として約150℃で熱硬化させ、伝熱体をサーマルビアホール215内に配置する。
【0058】
ここで金属体303としては、例えば、薄板状(箔状)の銀、銅、アルミニウム、鉄などの材料を用いることができる。熱伝導性から見ると、銀、銅、アルミニウムが良いが、放熱板209と接続する場合は磁気抵抗の小さな鉄を用いることが好ましい。また、高周波電流の電気抵抗を小さくするために、薄板の表面を銀や金でメッキすることも有効である。
【0059】
また、本発明の緩衝材の一例であるコンポジット材304としては、例えば、エポキシ系樹脂よりなる熱硬化性樹脂とA13O3、MgOなどの粉体よりなる無機質フィラーを混合したコンポジット材を用いる。これらコンポジット材の熱硬化温度は、上述のように約150℃である。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂以外に、フェノール系樹脂、シアネート系樹脂等も使用することができる。このときの熱硬化温度もほぼ150℃である。要するに、上記の第2温度は、本発明の緩衝材を得るのに必要な温度であればよい。
【0060】
以上のような工程を経て、図3(c)の、図3(b)のA−A′直線に示すように、セラミック異種積層基板201内に金属体303とコンポジット材304との二重構造となった伝熱体を形成することができる。なお、図においては基板主面上に露出した伝熱体の一部と半導体素子305とを、熱伝導するように直接接続した例を示したが、図2のような放熱板209を介して接続した構成としてもよい。
【0061】
以上のような伝熱体を有する放熱用ビアホールによれば、セラミック層基板と金属体との熱膨張率の違いに基づく焼成時の亀裂の発生、もしくは隙間の発生を防いで歩留まりを向上させることができるとともに、セラミック積層基板と金属体を一体化構造として、放熱性に優れたビアホールを得ることができる。
【0062】
なお、上記の実施の形態において、無線通信機用送信モジュールは、本発明に関連する発明の電子部品モジュールの一例であり、セラミック基板1,セラミック異種積層基板201は本発明の電子部品実装基板または本発明に関連する発明の基板の一例である。また、GSMパワーアンプIC11,DCS/PCSパワーアンプIC12、SP5TGaAsスイッチICは本発明に関連する発明のパワーアンプ、電子部品の一例である。また、サーマルビアホール18,215は本発明のビアホールの一例であり、金属体303は本発明の金属体の、コンポジット材304は本発明の緩衝材のそれぞれ一例である。
【0063】
ただし本発明に関連する発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明に関連する発明の電子部品はパワーアンプでなくとも、高周波帯域で動作するものでなくともよい。さらに半導体部品でなくともよい。要するに、伝熱体と熱伝導するように接続された部品であればよい。
【0064】
また、本発明の緩衝材は、コンポジット材であるとしたが、単体の材料であってもよい。要するに、伝熱体の伝導性を高めるために、空気よりも高い熱伝導性を有し、ビアホール内に配置されるときに、セラミック層基板に亀裂を発生させないように、金属体よりも低い熱膨張率を有するか、金属体よりも低い弾性率を有する材料であれば、その組成によって限定されるものではない。また、緩衝材217bは、貫通孔302と金属体303との隙間を充填するものとして説明を行ったが、本発明の緩衝材は隙間全部に配置する必要はなく、その一部のみに配置するようにしてもよい。また、ビアホールはスリット状のサーマルビアホールであるとしたが、形状は任意でよい。
【0065】
また、上記の実施の形態においては、基板埋め込み型積層アイソレータ14と熱伝導するように接続されたGSMパワーアンプIC11,DCS/PCSパワーアンプIC12は、本発明のビアホールおよび伝熱体を有する電子部品実装基板上に実装されているものとして説明を行ったが、本発明に関連する発明の電子部品モジュールは、パワーアンプとともに、基板埋め込み型積層アイソレータが基板の一部をその内部に含むように一体構成されているものであれば、基板の構成によって限定されるものではなく、例えば従来の、本発明のビアホールおよび伝熱体を有さないセラミック積層基板を用いて実現してもよい。
【0066】
また、本発明に関連する発明の電子部品モジュールは、図5に示した無線通信機の送信側、受信側のいずれにおいて用いてもよく、この電子部品モジュールを利用した無線通信機も本発明に関連する発明に含まれる。また、通信機以外の電子機器に用いてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明は、放熱性に優れ、製造時の歩留まりが高い電子部品実装基板の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関連する発明の実施の形態における無線通信機用送信モジュールのブロック構成の概念を示す図
【図2】 本発明に関連する発明の実施の形態における無線通信機用送信モジュールの動作を説明するための断面図
【図3】 (a)本発明の実施の形態における伝熱体の製造工程を示す図
(b)本発明の実施の形態における伝熱体の製造工程を示す図
(c)本発明の実施の形態における伝熱体の製造工程を示す図
【図4】 本発明に関連する発明の実施の形態における無線通信機用送信モジュールの概念を示す分解斜視図
【図5】 従来の無線通信機における高周波部のブロック図
【図6】 (a)従来の無線通信モジュールの平面図
(b)従来の無線通信モジュールの側部断面図
【符号の説明】
1 セラミック積層基板
11,12 パワーアンプ装置
13 アンテナ切り替えスイッチ装置
Claims (2)
- 所定のグリーンシートに放熱用のビアホールを開孔する工程と、
前記ビアホールが開口されたグリーンシートを所定の第1温度で焼成してセラミック層基板を作成する工程と、
前記ビアホール内に、金属体を配置する工程と、
前記金属体と前記ビアホールの内壁との間の全部または一部に緩衝材を配置する工程と、
前記金属体および前記緩衝材とが前記ビアホール内に充填された前記セラミック層基板を所定の第2温度で加熱して前記緩衝材を硬化する工程とを備え、
前記緩衝材は、空気よりも高い熱伝導性を有するととともに、前記金属体よりも低い熱膨張率を有するものである、電子部品実装基板の製造方法。 - 所定のグリーンシートに放熱用のビアホールを開孔する工程と、
前記ビアホールが開口されたグリーンシートを所定の第1温度で焼成してセラミック層基板を作成する工程と、
前記ビアホール内に、金属体を配置する工程と、
前記金属体と前記ビアホールの内壁との間の全部または一部に緩衝材を配置する工程と、
前記金属体および前記緩衝材とが前記ビアホール内に充填された前記セラミック層基板を所定の第2温度で加熱して前記緩衝材を硬化する工程とを備え、
前記緩衝材は、空気よりも高い熱伝導性を有するととともに、前記金属体よりも低い弾性率を有するものである、電子部品実装基板の製造方法。
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