JP4048967B2 - 圧電アクチュエータおよび内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータおよびそれを用いた内燃機関の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン等に高圧燃料を噴射するために、近年、圧電アクチュエータを用いた油圧駆動式の燃料噴射装置を用いることが検討されている。この種の燃料噴射装置は、圧電アクチュエータの伸縮に伴う変位を、油圧ピストンに伝達している。その油圧ピストンの端面には油圧室が配置されている。その油圧室内の油圧は、油圧バルブを介してノズルニードルの背圧を制御している。そして、圧電アクチュエータに通電して油圧ピストンを変位させることによって、油圧室内の圧力を増減させて間接的にノズルニードルを駆動している。
【0003】
圧電アクチュエータは、圧電材料を多数積層してなるピエゾスタックを備え、各層に介設される電極に通電することによって伸縮し、変位を発生している。なお、このピエゾスタックは外部からの湿気や異物の侵入を嫌うため、圧電アクチュエータは、ピエゾスタックを、伸縮部を有するケース内に封止するユニット構造を有している。
【0004】
圧電アクチュエータへ外部から通電を受ける通電用コネクタ内に、電気抵抗素子をモールドする技術が開示されている(特許文献1)。この特許文献1の開示によれば、この電気抵抗素子は、ユニット構造の外に取付けられ、ユニット内に配置されたピエゾスタックを、温度変化等により生じる電荷から保護する。
【0005】
【特許文献1】
独国特許出願公開第19940346号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報開示による従来技術では、製造工程途中等の上記ユニット単体では電気抵抗素子が取り付いていないため、搬送、保管、組立等の状態において温度変化がある環境に放置された場合には、保護されない。
【0007】
また、コネクタ内に電気抵抗素子を封入するためのスペースが要求されるので、場合によっては体格が大きくなる可能性がある。
【0008】
さらにまた、電気抵抗素子を圧電アクチュエータに電気的に接続するための接合工程が必要となるため、接合のための溶接の設備、およびその溶接のための工数が増え、結果として製品コストが高くなる恐れがある。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、したがってその目的は、体格を大きくすることなく、ピエゾスタックもしくはユニット単体の放置においても保護が図れる圧電アクチュエータおよび内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
【0010】
また、別の目的は、ピエゾスタックもしくはユニット単体での保護が図れるとともに、圧電アクチュエータを用いた装置の温度補償が可能な圧電アクチュエータおよび内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によれば、圧電体層と内部電極層とが交互に積層された構造のピエゾスタックを有する圧電アクチュエータであって、ピエゾスタックを伸縮可能に収容する筒状容器部材と、ピエゾスタックに電気的に接続している電気抵抗素子とを備え、電気抵抗素子は、筒状容器部材に内蔵されており、圧電体層および内部電極層とともに積層配置した後に一体焼成されている
【0012】
これにより、圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータを用いる装置を製造する工程途中等において、搬送、保管、組立等のいずれかの状態で温度変化がある場合であっても、ピエゾスタックに電気的に接続している電気抵抗素子に、温度変化によって生じたピエゾスタックの電荷をリークさせることが可能である。その結果、ピエゾスタックの分極破壊を防止することが可能である。したがって、ピエゾスタック単体が温度変化のある環境に放置されたとしても、内蔵された電気抵抗素子によって保護機能が果たせる。
特に、電気抵抗素子が圧電体層等とともに積層配置した後に一体焼成されるので、従来の通電用コネクタ内に電気抵抗素子をモールドする技術に比べて、電気抵抗素子を取付けるスペースの小型化が図れる。
【0013】
本発明の請求項2によれば、電気抵抗素子の抵抗値は、0.1〜3MΩの範囲にある。
【0014】
これにより、ピエゾスタックの伸縮のために必要な電圧を各圧電体層に印加することが可能であるとともに、ピエゾスタックへの印加をオフにしたとき、電荷の除去が所定時間内になるように応答性の確保が可能である。
【0017】
本発明の請求項3によれば、電気抵抗素子の抵抗が温度特性を有しており、ピエゾスタックの温度の検出に用いることができる。
【0018】
本発明の請求項4によれば、電気抵抗素子は、ピエゾスタックの中央および両端のうち少なくともいずれか一方に配置されている。
【0019】
これにより、圧電体層および内部電極層が積層されるピエゾスタックの延在方向の中央もしくは両端に、少なくとも電気抵抗素子が配置されるので、延在方向に温度分布を生じるピエゾスタックであっても、ピエゾスタックの温度を効果的に検出することが可能である。
【0020】
本発明の請求項5によれば、電気抵抗素子とピエゾスタックとの組合せを一つのユニットとして一体焼成した後に、そのユニットを複数層に重ね合わせている。
【0021】
これにより、積層長さの異なる仕様のピエゾスタックを製造する際の生産性の向上が図れるとともに、各ユニット毎に電気抵抗素子が組合せてあるので、製造工程上にて各ユニットが単体にて放置されることがあっても、温度変化時の分極破壊を防ぐことができる。
【0022】
本発明の請求項6によれば、電気抵抗素子がPTCセラミックスである。
【0023】
これにより、電気抵抗素子として、PTCセラミックスを用いるので、高温となるほど電気抵抗値が高くなり、電気抵抗素子による発熱量を低くすることができ、アクチュエータへの熱的影響を低く抑えることが可能である。
【0024】
本発明の請求項7によれば、電気抵抗素子が、ピエゾスタックに通電する通電回路から遠い部位に配置されている。
【0025】
これにより、ピエゾスタックを構成する圧電体層および内部電極層等の断線による導通不良が生じたとしても、導通不良の部位よりさらに遠い部位にあるピエゾスタック部分の電荷を、内蔵されている電気抵抗素子によって速やかに消費することが可能である。したがって、駆動回路等の通電回路をオフにしてもピエゾスタックの伸縮が戻らない等の現象防止が可能である。
【0026】
本発明の請求項8によれば、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータを備え、圧電アクチュエータの伸縮に伴い、ノズルニードルを昇降させて燃料噴射の開始・停止を行なう。
【0027】
これにより、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータを備えた内燃機関の燃料噴射装置は、内燃機関へ燃料を供給するための噴射期間での短い印加時間では電気抵抗素子は作動せず、温度変化等の意図しない電荷が印加される場合にのみ保護機能を果たすことができる。
【0028】
本発明の請求項9によれば、圧電アクチュエータの収縮に伴う変位が伝達されるピストン部材と、ピストン部材の往復動によって圧力が増減する流体室を備えることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料噴射装置を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の圧電アクチュエータを用いた内燃機関の燃料噴射装置の概略構成を表す断面図である。図2は、実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。図3は、図2中のピエゾスタックを示す斜視図である。図4は、図3のピエゾスタックの構造を表す模式的断面図である。
【0031】
図1において、燃料噴射装置は、圧電アクチュエータ1が収容されるハウジングH1の下端に、流路形成部材H2、H3を介してノズルボディH4を配設し、リテーナH5で油密に固定してなる。ハウジングH1内には、上下方向に高圧燃料通路62が形成され、上側部に突設した燃料導入管63を介して、外部のコモンレール(図示せず)に連通している。ハウジングH1上側部には、また、ドレーン通路64に連通する燃料導出管65が突設され、燃料導出管65から流出する燃料は、燃料タンク(図示せず)へ戻される。
【0032】
ハウジングH1は略円柱状に形成されている。このハウジングH1は、中心軸に対し偏心する縦穴61内に、圧電アクチュエータ1を収容する金属製の薄肉円筒状の筒状容器部材(以下、ケーシングと呼ぶ)11が脱着可能に挿通配設されている。縦穴61は、高圧燃料通路62の側方に平行に設けられている。ドレーン通路64は、縦穴61とケーシング11との間の隙間を経由してさらに下方に延びている。圧電アクチュエータ1は、ともにケーシング11内に収納されるピエゾスタック12の下端面に当接して一体に上下動するロッド13を有している。ロッド13の径はピエゾスタック12よりも小径となっている。そのロッド13外周を取り巻くケーシング11下端部筒壁は伸縮可能に折曲成形されてベローズ15となっている。なお、ベローズ15の外径がケーシング11本体部の外径と略同一となるようにする。
【0033】
ベローズ15の下端縁は、ケーシング11の底面を構成する円盤状部材14aの外周に溶接固定されており、円盤状部材14aの上面はロッド13の下端面に当接している。これにより、円盤状部材14aは、ケーシング11の一端(下端)側を閉鎖するとともに、変位伝達部材として機能し、圧電アクチュエータ1の変位をピストン部材である大径ピストン2に伝達する。ベローズ15は、圧電アクチュエータ1の変位に追従して上下方向に伸縮することにより円盤状部材14を変位可能となすとともに、ピエゾスタック12に圧縮方向の予荷重を与える。この圧縮力は必要な予荷重の一部であり、その大半はコイルスプリング2cによって与えられる。また、ロッド13は下端面を凸型の曲面形状に成形してあり、一方、これに当接する円盤状部材14aの上面中央部は凹型の曲面形状に成形してあって、凹凸曲面にて当接させることにより自動調心を可能にしている。このとき、ロッド13下端面の曲率半径は、円盤状部材14a上面の曲率半径よりも僅かに小さくして接触面積を確保している。
【0034】
大径ピストン2は、上端部の径が細くなっており、この細径部2aの頂面が円盤状部材14aの下面に当接している。同様に、細径部2aの頂面も凸型の曲面形状に成形してあり、これに当接する円盤状部材14aの下面を凹型の曲面形状に成形することにより、凹凸曲面にて当接させている。曲率半径は、細径部2a側が円盤状部材14a側より僅かに小さくなるようにする。このように、円盤状部材14aとロッド13、細径部2aとをいずれも曲面で当接させるのは、組付等において軸のずれが生じても自動調心を可能とし、ピエゾスタック12に偏心荷重がかかって破損することを防止する。
【0035】
大径ピストン2の細径部2a周りには、バネ部材としてのコイルスプリング2cが配設されている。コイルスプリング2cは、細径部2aの上端側外周に嵌着固定したリング状部材2bを上方に付勢している。このリング状部材2bを介してその付勢力が大径ピストン2に作用している。その結果、コイルスプリング2cは、大径ピストン2を圧電アクチュエータ1方向に付勢している。このコイルスプリング2cの付勢力は、円盤状部材14aおよびロッド13を介してピエゾスタック12にも作用して、ピエゾスタック12の圧縮力となっている。コイルスプリング2cの圧縮力とベローズ15によって与えられる圧縮力の和が、ピエゾスタック12に必要な所定の予荷重となるように、これら付勢力を設定すればよい。
【0036】
さらに、コイルスプリング2cの付勢力は、変位を伝達する各部材間、すなわち、大径ピストン2と円盤状部材14a、円盤状部材14aとロッド13、ロッド13とピエゾスタック12の間の接触圧をそれぞれ高める作用を有する。その結果、ピエゾスタック12の変位が大径ピストン2まで伝達される際の損失(変位の吸収)を最小限に抑制し、変位を有効に伝達させる。
【0037】
圧電体素子としてのピエゾスタック12は、図2、図3に示すように、圧電体層12Aの層間に内部電極層121、122を交互に正負となるように形成されるよう構成されている。これら圧電体層12A、内部電極層121、122は、図2、3に示すように、交互に積層して複数層に同時形成される。圧電体層12Aは、主原料が酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム等の圧電材料を有するグリーンシートからなる。グリーンシートは、これら圧電材料の粉末を所望の組成となるように秤量する。また、鉛の蒸発を考慮して、上記混合比組成の化学量論比よりも1〜2%リッチになるように調合する。これを混合機にて乾式混合し、その後800〜950℃で仮焼する。次に、その仮焼粉に純水、分散剤を加えてスラリーとし、パールミルにより湿式粉砕する。この粉砕物を乾燥、粉脱脂した後、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤等を加えてボールミルにより混合する。その後、このスラリーを真空装置内で攪拌機により攪拌しながら真空脱泡、粘度調節する。次に、スラリーをドクターブレード装置により一定厚みのグリーンシートに形成する。回収したグリーンシートはプレス機で打ち抜くか、切断機により切断し、所定の大きさの矩形体に形成する。グリーンシートは駆動部111、バッファー部112、およびダミー部113に共通である。次いで、例えば銀/パラジウム=7/3の比率からなる銀およびパラジウムのペースト(以下、Ag/Pdペーストと呼ぶ)により、成形後のグリーンシートの一方の表面に印刷する。圧電体層となるグリーンシート12Aの表面には、上記Ag/Pdペーストにより、その表面の略全面よりやや小さなパターン121(122)を形成し、内部電極層121(122)とする。なお、内部電極材料としては、本例の他に、銅、ニッケル、白金、銀等、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。この様に内部電極層121(122)を形成したグリーンシート61Aは、駆動部111、バッファー部112の変位量の要求仕様に基いて所定の積層枚数分を用意する。また、バッファー部112、ダミー部113用の内部電極層を印刷していないグリーンシート12Bも必要枚数準備する。
【0038】
ここで、図4に示すように、抵抗体層となるグリーンシート12Cを用意する。抵抗体材料としては、例えばチタン酸バリウム、炭化珪素、窒化珪素および二硫化モリブブデン等の導電性抵抗材料に限らず、他のグリーンシート12A、12Bと同時成形することが可能であるものであれば、周知の電気抵抗素子を形成する材料であってもよい。グリーンシート12Aと同様に、上記Ag/Pdペーストにより、その表面の略全面よりやや小さなパターン121(122)を形成する。このグリーンシート12Cは電気抵抗素子を構成する。
【0039】
次に、図3、図4に示すように、これらのグリーンシート12A、12B、12Cを重ねる。図4は、グリーンシート12Aの積層状態を示すもので、実質的に通電により伸縮するピエゾスタックの分解図となっている。これにより、図3に示す積層体構造となる。
【0040】
次に、温水ラバープレス等による熱圧着後、電気炉により400〜700℃で脱脂し、その後900〜1200℃の温度下で焼結する。次に、上記積層体の側面にAgペーストを塗布、焼き付けることにより側面電極161、162を形成する。なお、本例では焼き付け銀により側面電極を構成したが、例えばAg/Pdペーストを焼き付けて形成することもできる。本例のAgペーストに用いた銀の他に、銀、ニッケル、白金、銀/パラジウム等を用いてもよい。
【0041】
次に、外部電極としてのリード線16a、16b(図2参照)を導電性接着剤を用いて側面電極161、162に接合する。その後、上記リード線16a、16bを設けた積層体に、リード線16a、16bを介して内部電極層121、122間に直流電圧を印加して圧電体層12Aを分極し、ピエゾスタック12を得る。なお、リード線16a、16bの接合方法としては、本例の他に、半田付け、ろう付け等でも構わない。また、側面電極161、162を形成せず、導電性接着剤でリード線16a、16bを内部電極層121、122に接続することも可能である。リード線16a、16bとして、本例以外に導電性を有する金属箔や金属線(含む被覆線)等を用いてもよい。なお、このリード線16a、16bは、ケーシング11の上端に固定したコネクタ部16の外部電極であって、ピエゾスタック12へ外部から電力を供給する。
【0042】
ケーシング11の上端縁は、円筒状部材14bの外周に固定され、ケーシング11の上端を封じている。なお、この円筒状部材14bは、リード線16a、16bを外部へ導く貫通孔を有しており、貫通孔とリード線16a、16bとの隙間はシール部材等によって埋められている。また、外周に絶縁部材(図示せず)を配設してケーシング11との間の絶縁を確保している。ケーシング11は、コネクタ部16の外周に配したリテーニングナット17を締め付けることによって縦穴61の上端に固定される。コネクタ部16外周のフランジ部と縦穴61の段付部の間には、リング状のシム18が介設されてこれらの間をシールするとともに、ケーシング11の取付け高さの調整を行っている。
【0043】
なお、圧電体層12Aとなるグリーンシートは、その両表面の一方に内部電極層121(122)となるAg/Pdペーストを印刷する構成(図3参照)で説明したが、内部電極層121および内部電極層122をそれぞれその両面に印刷するものであってもよい(例えば、電気的構成を示す図4参照)。側面電極161、162および内部電極層121、122は、焼成することで、圧電体層12Aとともに同時成形することが可能であるからである。
【0044】
この様に同時成形されたピエゾスタック12は、図4に示すように、複数枚からなる圧電体層12Aa、12Ab、12Ac、12Ad、12Ae、12Af、12Ag、12Ahを積層してなる。各圧電体層12Aa〜12Ahは略同一形状であって、多角形または円形(例えばφ5〜φ15mm程度の大きさ)のセラミックスの薄板(厚さが0.05〜1.0mm程度の大きさ)である。各圧電体層12Aa〜12Ahの両面には、内部電極層121a、121b、121c、121d、121e、121f、121g、121hおよび内部電極層122a、122b、122c、122d、122e、122f、122g、122hが薄いAg/Pdの皮膜(皮膜厚さが数μm程度)によって形成されている(図4参照)。また、電気抵抗素子12Cもその両面には、内部電極層121rおよび内部電極層122rが薄いAg/Pdの皮膜(皮膜厚さが数μm程度)によって形成されている。電気抵抗素子12Cは、圧電体層12Aa〜12Ahと略同一形状であって、複数枚層に積層された圧電体層12Aa〜12Ah群の内部に配置されている。
【0045】
電気的構成を示す図4において、内部電極121a〜121hは側面電極161に電気的に接続しており、側面電極161はリード線16aに電気的に接続している。内部電極122a〜122hは側面電極162に電気的に接続しており、側面電極162はリード線16bに電気的に接続している。内部電極層121rは側面電極161に、他方の内部電極層122rは側面電極162に電気的に接続されている。すなわち、ピエゾスタック12を構成する圧電体層12Aおよび電気抵抗素子12Cは互いに並列に電気的に接続されている(図4参照)。絶縁性の圧電体層12Aa〜12Ahに印加された電圧は、電気抵抗素子12Cを介して電圧印加によって生じた電荷をリークすることが可能である。なお、この電気抵抗素子の抵抗値は0.1〜3MΩであって、印加期間が数ms程度の電圧印加に対してはほとんど影響しない。数十〜数百msに渡ってこれをリークする。その結果、圧電体層12Aa〜12Ahの分極破壊を防止するので、圧電体層12Aa〜12Ahの保護が図れる。
【0046】
大径ピストン2の下方には、流体室としての変位拡大室3と小径ピストン4が、同軸的に設けられている。その小径ピストン4によって、3方弁5の弁体51を駆動するように構成されている。大小ピストン2、4は、これらの外径に対応する2つの異なる内径を有するシリンダ部材66内に摺動自在に配設されている。変位拡大室3は、大小ピストン2、4間に形成される空間に、作動流体となる燃料を充填することにより形成される。変位拡大室3は、ピエゾスタック12の変位を油圧変換する。さらに、大小ピストン2、4の径差によってその変位を拡大して、小径ピストン4に伝達する。
【0047】
3方弁5は、ノズルニードル7の背圧室71への連通路52を、高圧通路53または低圧通路54に選択的に連通させることにより、背圧室71の圧力を増減する。高圧通路53は高圧燃料通路62に、低圧通路54はドレーン通路64にそれぞれ連通している。ピエゾスタック12が通電により伸長すると、その変位が大径ピストン2に伝えられ、変位拡大室3の燃料圧力を利用して変位を拡大して小径ピストン4に伝える。これにより、小径ピストン4とともに弁体51が下降すると、低圧通路54が開放されて、背圧室71内の燃料が3方弁5からドレーン通路64に流出し、ノズルニードル7が上昇して燃料が噴射される。一方、通電を終了して、ピエゾスタック12を収縮させると、大径ピストン2が上昇するのに伴い、小径ピストン4が上昇し、次いで弁体51が高圧通路53の燃料圧で上昇して、背圧室71に高圧燃料通路62から高圧燃料が流入し、ノズルニードル7を下降させる。これにより、圧電アクチュエータ1の伸縮ないし変位に基いて、ノズルニードルを昇降させて燃料噴射の開始・停止を行なうことができる。
【0048】
大径ピストン2の下端部には、逆止弁21が一体に設けられている。逆止弁21は、大径ピストン2の下端部外周に固定される断面凹状の逆止弁ホルダ内にプレート状の弁体と、該弁体を大径ピストン2側に付勢する皿バネを保持している。弁体は、大径ピストン2内に設けられドレーン通路64に連通する通路を開閉するものであって、逆止弁ホルダの中央には、その内外を連通させる貫通穴が設けられる。燃料リーク等により、変位拡大室3内の圧力が低下すると弁体が開弁し、ドレーン通路64から大径ピストン2内の通路を経て変位拡大室3へ燃料が補充される。これにより、変位拡大室3内の気泡の発生等を防止することができる。
【0049】
なお、変位拡大室3内には、小径ピストン4の上方への移動量を所定範囲に規制するストッパ8が配してある。ストッパ8は、中央の穴径が小径ピストン4の外径より小さいリング状部材よって構成され、変位拡大室3内に圧入固定される。また、ストッパ8中央の穴は、燃料の流通によって小径ピストン4の振動を減衰するダンパ部としても機能する。なお、リング状部材8の上端面は、大径ピストン2と干渉しない位置にあり、その駆動を妨げることはない。
【0050】
上記構成において、圧電アクチュエータ1は、ピエゾスタック12に電気的に接続している電気抵抗素子12Cを、ピエゾスタック12とともに同時成形している。これにより、圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータを用いる装置を製造する工程途中等において、搬送、保管、組立等のいずれかの状態で温度変化がある場合であっても、ピエゾスタックに電気的に接続している電気抵抗素子に、温度変化によって生じたピエゾスタックの電荷をリークさせることが可能である。その結果、ピエゾスタックの分極破壊を防止することが可能である。したがって、ピエゾスタック単体が温度変化のある環境に放置されたとしても、内蔵された電気抵抗素子によって保護機能が果たせる。
【0051】
なお、本実施形態では、電気抵抗素子12Cの抵抗値が、0.1〜3MΩの範囲にある。その抵抗値が0.1MΩ以下の場合では、ピエゾスタック12に電圧を印加時に、電気抵抗素子12Cの抵抗が小さすぎるため、電気抵抗素子12Cに電流が流れてしまって、ピエゾスタック12の各圧電体層12Aに所定の電圧が印加できなくなる恐れがある。一方、その抵抗値が3MΩ以上の場合では、ピエゾスタック12の印加をオフにしたとき、電荷が抜けるのが遅くなる恐れがある。これにより、ピエゾスタック12の伸縮のために必要な電圧を各圧電体層12Aに印加することが可能であるとともに、ピエゾスタック12への印加をオフにしたとき、電荷の除去が所定時間内になるように応答性の確保が可能である。なお、ピエゾスタック12を構成する圧電体層12Aおよび電気抵抗素子12Cは互いに並列に電気的に接続されている(図4参照)。
【0052】
さらになお、本実施形態では、電気抵抗素子12Cが、圧電体層12Aおよび内部電極層121、122とともに同時成形することで、一体的に積層されている。これにより、電気抵抗素子12Cが圧電体層12A等とともに積層されることで、従来の通電用コネクタ内に電気抵抗素子をモールドする技術に比べて、電気抵抗素子12Aを取付けるスペースの小型化が図れる。
【0053】
さらになお、本実施形態では、電気抵抗素子12Aとして、周知の電気抵抗素子の電気抵抗材料からなるものの他に、チタン酸バリウムを主成分とする電気抵抗材料で形成してもよい。チタン酸バリウムを主成分とする場合、電気抵抗素子12AはPTC(Positive Temperatue Coefficient)セラミックスを形成する。このPTCセラミックスは大きなPTC特性を有している。なお、PTCセラミックスも焼結により形成されるので、ピエゾスタック12とともに同時成形が可能である。これにより、電気抵抗素子12Cとして、PTCセラミックスを用いるので、キュリー温度の設定範囲を広くでき、比較的広範囲な温度検出ができる。したがって、圧電アクチュエータ1の伸縮ないし変位の温度補償を精度よく行なうことが可能である。
【0054】
さらに、PTCセラミックスを用いた電気抵抗素子12Cは、高温となるほど電気抵抗値が高くなるため、電気抵抗素子による発熱量を低くすることができ、アクチュエータへの熱的影響を低く抑えられる。
【0055】
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0056】
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明したピエゾスタック12内における電気抵抗素子12Cの位置を、図5、図6に示すように、ピエゾスタック12に外部から通電する通電回路から遠い部位に配置する。図5は、本実施形態に係わるピエゾスタックの構造を表す模式的断面図である。図6は、図5圧電アクチュエータに係わる電気的構成を表す電気回路図である。
【0057】
図5に示すように、電気抵抗素子12Cは、ピエゾスタック12内に積層される圧電体層12Aのうち、リード線16a、16bの根元側の圧電体層12Aとは反対端側にある圧電体層12Aに重なって同時成形されている。図6において、圧電アクチュエータ1は、ピエゾスタック12に設けられたリード線16a、16bが、ピエゾスタック12へ電力を供給するエネルギ供給回路(以下、駆動回路と呼ぶ)80と、ピエゾスタックへ通電の開始、停止を制御する制御回路(以下、ECUと呼ぶ)90に電気的に接続している。なお、駆動回路80およびECU90は、ピエゾスタック12に通電する通電回路を構成している。
【0058】
これにより、ピエゾスタック12を構成する圧電体層12Aおよび内部電極層121、122等の断線による導通不良が生じた(以下、回路オープンと呼ぶ)としても、導通不良の部位よりさらに遠い部位にある圧電体層12A部分の電荷を、内蔵されている電気抵抗素子12Cによって速やかに消費することが可能である。したがって、駆動回路80等の通電回路をオフにしてもピエゾスタック12の伸縮が戻らない等の現象防止が可能である。
【0059】
(第3から第5の実施形態)
第3から第5の実施形態を、それぞれ図7、図8、図9に従って説明する。図7は、第3の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。図8は、第4の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。図9は、第5の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【0060】
第3の実施形態では、第2の実施形態で説明した電気抵抗素子12Cの配置位置を、図7に示すように、ピエゾスタック12の中央に配置する。第4の実施形態は、電気抵抗素子12Cの配置位置を、図8に示すように、ピエゾスタック12の両端に配置する。第5の実施形態は、電気抵抗素子12Cの配置位置を、図9に示すように、ピエゾスタック12の中央および両端に配置する。これにより、ピエゾスタック12における電気抵抗素子12Cの配置位置として、圧電体層12A等が積層される延在方向の中央もしくは両端に、少なくとも電気抵抗素子12Cが配置されるので、延在方向に温度分布を生じるピエゾスタック12であっても、ピエゾスタック12の温度を効果的に検出することが可能である。
【0061】
なお、電気抵抗素子12Cを両端に配置する場合には、回路オープンに対するフェイルセーフの冗長性の向上が図れる。
【0062】
なお、電気抵抗素子12Cを中央および両端に配置する場合には、回路オープンに対するフェイルセーフの冗長性の向上が図れる。さらに、例えばピエゾスタック12の温度分布がその分布から直線補間することが難しい非線形分布を、3点補間することが可能であるので、ピエゾスタック12の温度検出の精度の向上が図れる。
【0063】
(第6から第7の実施形態)
第6から第7の実施形態を、それぞれ図10、図11に従って説明する。図10は、第6の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。図11は、第7の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【0064】
第6の実施形態では、第1の実施形態で説明した電気抵抗素子12Cと圧電体層12Aを有するピエゾスタック12を、図10に示すように、複数層重ね合わせて、積層体構造を形成する。図10において、ピエゾスタック12a、12b、12c部分を積層して全体として一つのピエゾスタック12を形成する。電気抵抗素子12Cは、各ピエゾスタック12a、12b、12c部分の下流側に配置されている。これにより、圧電体層12A、電気抵抗素子12Cおよび内部電極層161、162を交互に積層配置する所定の複数層が、例えば製造上同時成形することが困難な所定の複数層以上の場合において、生産性の向上が図れるとともに、ピエゾスタック単体での放置に対しても保護機能が確実に果たされる。
【0065】
なお、圧電体層12Aおよび電気抵抗素子12Cを有する各ピエゾスタック12a、12b、12c部分をそれぞれ一つのユニットとして、そのユニットを複数層に重ね合わせるので、各ピエゾスタック12a、12b、12c部分ごとに、電気抵抗素子12Cの抵抗値変化を検出することで、ピエゾスタック12の温度検出の精度向上が図れる。
【0066】
また、この様にユニット12a、12b、12cを複数層に重ね合わせることで、積層長さの異なる仕様のピエゾスタックを製造する際の生産性の向上が図れる。さらに、各ユニット12a、12b、12c毎に電気抵抗素子12Cが組み合わされているので、製造工程上において、各ユニット12a、12b、12cが単体にて放置されることがあっても、放置された環境の温度変化に伴う分極破壊を防ぐことができる。
【0067】
第7の実施形態では、第6の実施形態で説明した各ピエゾスタック12a、12b、12c部分における電気抵抗素子12Cの配置位置を、その各ピエゾスタック12a、12b、12c部分の下流側の端部に代えて、その各ピエゾスタック12a、12b、12c部分の中央とする。これによっても、各ピエゾスタック12a、12b、12c部分のうち、最も下流側の各ピエゾスタック12cによって、ピエゾスタック単体での放置に対しても保護機能が確実に果たされる。
【0068】
以上説明した実施形態では、圧電体層12Aおよび電気抵抗素子12Cを一緒に積層して一体焼成することで同時成形する他に、圧電体層12Aおよび電気抵抗素子12Cを個別に焼成したものを積層してもよい。いずれの方法であっても、電気抵抗素子12Cが圧電体層12Aおよび内部電極層121、122とともに一体的に積層されることができるので、電気抵抗素子12Cを取付けるスペースの小型化が図れる。
【0069】
以上説明した実施形態では、電気抵抗素子12Cとして、ピエゾスタック12の温度検出が可能なPTCセラミックスで説明したが、電気抵抗素子12Cの電気抵抗が温度特性を有するものであれば、ピエゾスタック12の温度検出ができる。
【0070】
以上説明した実施形態では、本発明の圧電アクチュエータを燃料噴射装置に用いた。外部のECU90によって、ピエゾスタック12を構成する電気抵抗素子12Cの電気抵抗が、常にまたは定期的に監視している。この電気抵抗からピエゾスタック12の温度をECU90が検知する。その結果、ECU90は、その検出した温度に該当する電圧、ピエゾスタック12の充電エネルギ、および印加時間を制御し、燃料噴射装置の温度補償を行なうことが可能である。さらに、内燃期間へ燃料を供給するための噴射期間にあたる印加期間は、上記数十〜数百msの印加期間に比べて短い。このため、通常運転時、ECU90によって駆動される駆動回路80による印加では電気抵抗素子12Cは作動しない。これに対して、圧電アクチュエータ1および燃料噴射装置の放置される環境が温度変化ある状態等の意図しない電荷が印加される場合に、電気抵抗素子12Cは作動し、保護機能を果たせる。
【0071】
さらになお、電気抵抗素子12CがPTCセラミックスで形成されている場合には、PTCセラミックスのPTC特性を利用して、内燃機関の冷間時に、ピエゾスタック12へ低電圧で連続的に通電させ、ピエゾスタック12を加熱する。その結果、圧電アクチュエータ1を急速加熱させ、安定作動領域の温度に達してから燃料噴射装置を作動させるという効果を奏することも可能である。
【0072】
以上説明した実施形態では、流体室としての変位拡大室の油圧の増減により、小径ピストンを介して3方弁を駆動する構成としたが、3方弁を用いず、油圧の増減により直接ノズルニードルを駆動する構成とすることもできる。あるいは、3方弁に代えて2方弁を用いてノズルニードルを開閉する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の圧電アクチュエータを用いた内燃機関の燃料噴射装置の概略構成を表す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。
【図3】図2中のピエゾスタックを示す斜視図である。
【図4】図3のピエゾスタックの構造を表す模式的断面図である。
【図5】第2の実施形態に係わるピエゾスタックの構造を表す模式的断面図である。
【図6】図5圧電アクチュエータに係わる電気的構成を表す電気回路図である。
【図7】第3の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【図8】第4の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【図9】第5の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【図10】第6の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【図11】第7の実施形態に係わる圧電アクチュエータの構成を表す電気回路図である。
【符号の説明】
1 圧電アクチュエータ
11 ケーシング(筒状容器部材)
12 ピエゾスタック
12A 圧電体層
12C 電気抵抗素子
121、122 内部電極層
13 ロッド
14a、14b 円盤状部材
15 ベローズ(ケーシングの一部)
16a、16b リード線(外部電極)
161、162 側面電極
2 大径ピストン(ピストン部材)
3 変位拡大室(流体室)
4 小径ピストン
5 3方弁
51 弁体
61 縦穴
62 高圧燃料通路
63 導入管
64 ドレーン通路
65 導出管
7 ノズルニードル
71 背圧室
80 駆動回路(エネルギ供給回路)
90 ECU(制御回路)

Claims (9)

  1. 圧電体層と内部電極層とが交互に積層された構造のピエゾスタックを有する圧電アクチュエータであって、
    前記ピエゾスタックを伸縮可能に収容する筒状容器部材と、前記ピエゾスタックに電気的に接続している電気抵抗素子とを備え、
    前記電気抵抗素子は、
    前記筒状容器部材に内蔵されており、
    前記圧電体層および前記内部電極層とともに積層配置した後に一体焼成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記電気抵抗素子の抵抗値は、0.1〜3MΩの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記電気抵抗素子の抵抗が温度特性を有しており、前記ピエゾスタックの温度の検出に用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記電気抵抗素子は、前記ピエゾスタックの中央および両端のうち少なくともいずれか一方に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記電気抵抗素子と前記ピエゾスタックとの組合せを一つのユニットとして一体焼成した後に、前記ユニットを複数層に重ね合わせることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記電気抵抗素子がPTCセラミックスであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
  7. 前記電気抵抗素子が、前記ピエゾスタックに通電する通電回路から遠い部位に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータを備え、
    前記圧電アクチュエータの伸縮に伴い、ノズルニードルを昇降させて燃料噴射の開始・停止を行なうことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置
  9. 前記圧電アクチュエータの伸縮に伴う変位が伝達されるピストン部材と、前記ピストン部材の往復動によって圧力が増減する流体室を備えていることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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