JP4048773B2 - ファイル保存システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上に存在するサーバにファイルを保存するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの発達に伴い、例えば、インターネットに接続されたサーバ上に、各ユーザがそれぞれ専用のファイル保存領域を確保し、ユーザが端末を使用してIDやパスワードを入力することにより、自分のファイル保存領域へのアクセスが許可され、そのファイル保存領域に、ユーザがデジタルカメラなどで撮影した画像やスキャナなどで取り込んだ画像などのファイルを容易に保存したり、保存した画像のサムネイル画像を端末側に表示させたりすることができるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のファイル保存システムにおいては、或るサーバ上に確保されるファイル保存領域の記憶容量は、各ユーザ毎にそれぞれ決まっており、ユーザは、その記憶容量以上にファイルを自己のファイル保存領域に保存することができず、新たにファイルを保存するためには、自己のファイル保存領域に保存していた古いファイルを削除しなければならなかった。
【0004】
そこで、他のサーバ上にも、そのユーザ専用のファイル保存領域を確保し、そのファイル保存領域にも、ファイルを保存するようにすることも可能であるが、その場合には、ファイルは2つ以上のサーバに分散して保存されることになるため、ユーザは、常に各サーバの存在を意識して、どのサーバにどのファイルを保存したかを把握していなければならず、ユーザの管理負担が大きくなると言う問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、ネットワーク上の複数のサーバにファイルを保存させる場合に、ユーザが各サーバの存在を意識することなく、保存したファイルを容易に把握することができるファイル保存システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第1のファイル保存システムは、或るユーザに対してファイルを保存することをそれぞれ許可している複数のサーバと、前記ユーザによって利用される端末と、を備え、これらがネットワークを介して接続されているファイル保存システムであって、
前記端末は、該端末の表示部に、前記サーバに保存されている前記ファイルのリストを表示する際に、保存されている前記ファイルを管理するための管理データに基づいて、仮想的に、各ファイルが1つのサーバに保存されているように表示することを要旨とする。
【0007】
このように、第1のファイル保存システムでは、端末は、ファイルのリストを表示する際に、そのファイルがAというサーバに保存されているのか、Bというサーバに保存されているのかを区別することなく表示しており、全てのファイルが、複数のサーバではなく、あたかも1つのファイルサーバに保存されているように、ユーザに見せている。
【0008】
従って、第1のファイル保存システムによれば、ユーザは、それぞれのサーバを意識することなく、保存した各ファイルを容易に把握することができる。
【0009】
本発明のファイル保存システムにおいて、
前記端末は、前記ユーザからファイル保存の指示があった場合、前記複数のサーバの中から、予め設定された保存先振り分け方法に基づいて、保存先となるサーバを決定し、保存すべきファイルを、決定した前記サーバに送信することが好ましい。
【0010】
このように、端末がファイルの保存先を自動的に振り分けることにより、ユーザはそれぞれのサーバの存在を意識することなく、ファイルをネットワーク上に保存することができる。
【0011】
本発明のファイル保存システムにおいて、
前記端末は、前記ユーザからファイル保存の指示があった場合、前記管理データに基づいて、前記複数のサーバの空き容量を算出し、その算出した空き容量と保存すべきファイルのサイズとの関係が所定の関係にある場合に、前記複数のサーバ以外の前記ネットワークに接続されているサーバに、前記ユーザに対してファイル保存許可を与えるよう要求することが好ましい。
【0012】
このように、ファイルを保存する際に、サーバの空き容量と保存すべきファイルのサイズとの関係が所定の関係にある場合に、新たなサーバにユーザに対してファイル保存許可を与えるよう要求することにより、例えば、ファイルを保存しようとして、サーバの空き容量が十分でない場合でも、新たなサーバからファイル保存の許可が得られれば、ファイルを保存することが可能な容量を増やすことができる。従って、ユーザはサーバの空き容量を意識することなく、ファイルを自由に保存することができる。
【0013】
本発明のファイル保存システムにおいて、
前記端末は、前記ユーザからファイル保存の指示があった場合、前記管理データに基づいて、前記複数のサーバの空き容量を算出し、その算出した空き容量と保存すべきファイルのサイズとの関係が所定の関係にある場合に、前記複数のサーバ以外の前記ネットワークに接続されているサーバにファイル保存の許可を求めるように、前記表示部にメッセージを表示することが好ましい。
【0014】
このように、ファイルを保存する際に、サーバの空き容量と保存すべきファイルのサイズとの関係が所定の関係にある場合に、新たなサーバにファイル保存許可を求めるよう、メッセージを表示することにより、ユーザは、新たなサーバへファイル保存の許可を求めて、ファイルを保存することが可能な容量を増やすかどうかを、自分の意思で判断することができる。
【0015】
本発明のファイル保存システムにおいて、
ファイルはフォルダに属するものとしてフォルダ構造を用いて前記ファイルのリストを表示する場合、前記フォルダ構造は、前記ファイルが保存されている前記複数のサーバにおける実際のフォルダ構造には依存しないことが好ましい。
【0016】
このように、サーバにおける実際のフォルダ構造に依存しないことにより、表示されるファイルリストにおけるフォルダ構造は、ユーザの利用しやすいように構築することができる。
【0017】
本発明の第2のファイル保存システムは、複数のユーザに対してファイルを保存することをそれぞれ許可している複数のサーバと、各ユーザによってそれぞれ利用される複数の端末と、を備え、これらがネットワークを介して接続されているファイル保存システムであって、
各ユーザおよび各ユーザの保存したファイルに関する管理データは、前記複数のサーバのうち、特定のサーバに保存されていることを要旨とする。
【0018】
このように、特定のサーバが管理データを保存することにより、各ユーザや、各ユーザの保存したファイルの管理を統一的に行うことができる。
【0019】
本発明の第3のファイル保存システムは、複数のユーザに対してファイルを保存することをそれぞれ許可している複数のサーバと、各ユーザによってそれぞれ利用される複数の端末と、を備え、これらがネットワークを介して接続されているファイル保存システムであって、
或るユーザおよび該ユーザの保存したファイルに関する管理データは、前記複数のサーバのうち、前記ユーザによって設定されたサーバに保存されることを要旨とする。
【0020】
このように、ユーザによって設定されたサーバに、そのユーザおよびそのユーザの保存したファイルに関する管理データを保存することにより、ユーザ毎に、その管理データを保存するサーバが異なることになるため、特定のサーバにアクセスが集中することを防ぐことができる。
【0021】
本発明の第4のファイル保存システムは、複数のユーザに対してファイルを保存することをそれぞれ許可している複数のサーバと、各ユーザによってそれぞれ利用される複数の端末と、を備え、これらがネットワークを介して接続されているファイル保存システムであって、
或るユーザによって利用される端末が、そのユーザの保存したファイルに関する管理データを必要とする場合、前記端末は、前記ユーザの保存したファイルに関する情報の問い合わせを、前記ネットワークを介して各サーバに中継させながら伝搬させ、各サーバから返送されてくる回答を集めて、それら回答に基づいて、前記管理データを生成することが好ましい。
【0022】
このような構成を採ることにより、各サーバは管理データを保存する必要がなく、また、特定のサーバにアクセスが集中する恐れもなくなる。
【0023】
なお、本発明は、上記したファイル保存システムの態様の他、端末としての態様として実現することもできる。さらには、装置発明の態様に限ることなく、ファイル保存方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。さらには、それら端末や方法を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.ファイル保存システムの構成:
B.ファイルサーバへのアクセス:
C.ファイルサーバ保存ファイルリストの表示:
D.ファイルサーバへのファイル保存:
E.新たなファイルサーバへの登録:
F.ファイル保存システムのハードウェア構成
G.変形例:
G−1.変形例1:
G−2.変形例2:
G−3.変形例3:
G−4.変形例4:
【0025】
A.ファイル保存システムの構成:
図1は本発明の一実施例としてのファイル保存システムを示す説明図である。本実施例のファイル保存システムは、図1に示すように、端末100と、複数のファイルサーバ200,300,400と、これら端末100およびファイルサーバ200,300,400を接続するネットワーク500と、を備えている。なお、図1では、ネットワーク500に接続されている端末は1つ、ファイルサーバは3つしか描かれていないが、ネットワーク500には、その他にも、多数の端末やファイルサーバが接続されている。
【0026】
これらのうち、端末100は、ユーザが種々の指示を入力するための入力部102と、種々の表示画面を表示するための表示部104と、ネットワーク500を介してファイルサーバとの間でデータをやりとりするための通信部106と、画像ファイルや管理データのコピーなどを格納するためのファイル格納部108と、入力部102からの指示に従って、種々の制御を行うための制御部110と、を備えている。
【0027】
また、ファイルサーバ200,300,400は、それぞれ、ネットワーク500を介して端末100や他のファイルサーバとの間でデータ等のやりとりを行うための通信部206,306,406と、ユーザから送られてきた画像ファイルなどを保存するためのファイル保存部208,308,408と、ファイル保存部208,308,408に保存されたファイルを管理すると共に、種々の制御を行うための管理部210,310,410と、をそれぞれ備えている。
【0028】
また、ファイルサーバ200,300,400のファイル保存部208,308,408には、それぞれ、登録された各ユーザ毎にファイル保存領域が割り当てられており、そのファイル保存領域には、各ユーザの有する画像ファイルが保存されている。なお、各ファイルサーバ上に確保されるファイル保存領域の記憶容量は、予め、各ユーザ毎にそれぞれ決まっている。
【0029】
ここで、或るユーザが或るファイルサーバに登録されているとは、そのユーザがそのファイルサーバに対し画像ファイルの保存を許可されているということであり、具体的には、そのユーザに与えられたID及びパスワードを用いて、そのファイルサーバへのアクセスが可能であり、そのユーザに割り当てられたファイル保存領域に画像ファイルの保存が可能であることである。
【0030】
また、ファイルサーバ200のファイル保存部208には、何れかのファイルサーバに登録されている全てのユーザや、それらユーザが登録されているファイルサーバに保存した全ての画像ファイルなどを管理するための管理データMも保存されている。
【0031】
前提として、端末100は、或るユーザAによって所有されている。そのユーザAは、ファイルサーバ200および300にそれぞれ登録されており、ファイルサーバ200にアクセスするためのIDid1Aおよびパスワードpw1Aと、ファイルサーバ300にアクセスするためのIDid2Aおよびパスワードpw2Aを持っている。なお、ファイルサーバ400には登録されていない。
【0032】
従って、ファイルサーバ200のファイル保存部208と、ファイルサーバ300のファイル保存部308には、ユーザAが専有するファイル保存領域が、それぞれ割り当てられており、それらには、ユーザAの有する画像ファイルがそれぞれ保存されている。なお、端末100のファイル格納部108には、これらファイルサーバに保存されている画像のサムネイル画像のファイルが格納されている。
【0033】
また、ファイルサーバ200のファイル保存部208に保存されている管理データMには、ユーザAや、ユーザAがファイルサーバ200,300に保存した画像ファイルなどを管理するための管理データMAが含まれている。なお、端末100のファイル格納部108にも、このユーザAに関する管理データMAのコピーMA’が格納されている。
【0034】
ここで、管理データMの内容を、ユーザAに関する管理データMAを一例として説明する。管理データMAには、まず、ユーザA自身についての管理データとして、ユーザAの名前、ファイルサーバに対するID(この場合、id1A,id2A)、ファイルサーバに対するパスワード(この場合、pw1A,pw2A)と、が含まれている。次に、ユーザAが保存した画像ファイルについての管理データとしては、各画像ファイルのファイル名、各画像ファイルの保存されている場所を表すURL(Uniform Resource Locator)、各画像ファイルの作成日および更新日時、並びに各画像ファイルのサイズなどが含まれている他、端末側で保存ファイルリストを表示する際に用いる仮想的なフォルダ構造に関する情報も含まれている。
【0035】
B.ファイルサーバへのアクセス:
それでは、まず、ユーザAが端末100を用いて、ファイルサーバにアクセスする場合の動作について説明する。
【0036】
ユーザAが、端末100の入力部102を操作して、ファイルサーバアクセス用のアプリケーションプログラムを立ち上げると、制御部110はそのアプリケーションプログラムに従って動作し、まず、通信部106を制御して、ネットワーク500を介して、予めデフォルトとして設定されているファイルサーバ200に接続する。そして、制御部110は、ファイル格納部108に格納されている管理データMAのコピーMA’を参照し、ファイルサーバ200にアクセスするためのIDid1Aおよびパスワードpw1Aをファイルサーバ200に送信する。
【0037】
これに対し、ファイルサーバ200の管理部210は、そのIDid1Aおよびパスワードpw1Aを通信部206を介して受信し、ファイル保存部208内の管理データMと照合して、アクセスを求めているユーザが、登録されているユーザAであることを特定する。そして、管理部210は、そのユーザAの端末100に対して、アクセスの許可を与える。
【0038】
端末100の制御部110は、ファイルサーバ200からアクセス許可が与えられると、ファイルサーバ200に対しユーザAに関する管理データMAの送信を求め、ファイルサーバ200からその管理データMAが送信されたら、その管理データMAに基づいて、ファイル格納部108に格納されている管理データMAのコピーMA’を最新のものに更新する。
【0039】
通常、ユーザAが端末100のみを用いてファイルサーバにアクセスするようにしていれば、ファイルサーバ200に保存されている管理データMAと端末100に格納されている管理データMAのコピーMA’とは常に一致しているが、例えば、ユーザAが2つ以上の端末を用いてファイルサーバにアクセスし得る場合には、或る端末でファイルサーバに保存されている画像ファイルを追加・削除などすると、当然、管理データMAも変更されるため、次回、別の端末でファイルサーバにアクセスした際に、ファイルサーバ200に保存されている管理データMAとその別の端末に格納されている管理データMAのコピーMA’とは異なることになり、そのため、そのコピーMA’を最新のものに更新する必要があるからである。
【0040】
次に、端末100の制御部110は、更新した管理データMAのコピーMA’を参照して、ファイルサーバに保存されている画像ファイルが追加・削除などされている場合(すなわち、別の端末によってそのような追加・削除などがされている場合)には、それに応じて、ファイル格納部108に格納されているサムネイル画像ファイルの追加・削除を行う。削除の場合は、格納されていた対応するサムネイル画像を削除するだけであるが、追加の場合は、以下のように動作する。
【0041】
すなわち、端末100の制御部110は、管理データMAのコピーMA’を参照して、2つのファイルサーバ200,300のうち、その追加された画像ファイルが保存されているファイルサーバにアクセスし、追加された画像についてのサムネイル画像のファイルの送信を要求する。例えば、その要求されたファイルサーバがファイルサーバ300である場合、その要求に対して、ファイルサーバ300の管理部310は、ファイル保存部308から対応する画像ファイルを読み出し、その画像ファイルに基づいてサムネイル画像のファイルを作成した上で、端末100に送信する。端末100の制御部110は、そのサムネイル画像のファイルを受信すると、ファイル格納部108に格納する。こうして、ファイルサーバに保存されている画像ファイルと、端末100に格納されているサムネイル画像ファイルと、を一致させることができる。
【0042】
C.ファイルサーバ保存ファイルリストの表示:
次に、端末100の制御部110は、ファイル格納部108に格納されている管理データMAのコピーMA’を参照して、表示部104に、図2に示すようなファイルサーバ保存ファイル表示画面600を表示させる。
【0043】
図2は図1における端末100の表示部104に表示されるファイルサーバ保存ファイル表示画面600を示す説明図である。
【0044】
図2に示すように、この表示画面600には、左側に、ファイルサーバ保存ファイルリスト602を有しており、このファイルサーバ保存ファイルリスト602には、ファイルサーバ200および300に保存されているユーザAの各画像ファイルのファイル名や、それら画像ファイルの属するフォルダ名などが、ツリー表示にて表示されている。制御部110は、このファイルサーバ保存ファイルリスト602を、上述した管理データMAに含まれる仮想的なフォルダ構造に関する情報に基づいて作成している。
【0045】
すなわち、本実施例においては、ファイルサーバ保存ファイルリスト602に表示されるフォルダ構造は仮想的なものであり、実際のファイルサーバに構築されているフォルダ構造とは異なっている。しかも、各画像ファイルは、それぞれ、その画像ファイルがファイルサーバ200に保存されているのか、ファイルサーバ300に保存されているのかを区別することなく表示しており、全ての画像ファイルが、2つのファイルサーバではなく、あたかも1つのファイルサーバに保存されているように、ユーザに見せている。
【0046】
従って、本実施例においては、ユーザは、それぞれのファイルサーバを意識することなく、保存した各画像ファイルを容易に把握することができる。
【0047】
図3は図2のファイルサーバ保存ファイルリスト602に表示される仮想的なフォルダ構造を示す説明図であり、図4はファイルサーバ200,300に実際に構築されているフォルダ構造を示す説明図である。
【0048】
図3に示すように、ファイルサーバ保存ファイルリスト602に表示される仮想的なフォルダ構造は、まず、"User A's Pictures"をルートフォルダとし、その下位フォルダとして、"Pictures 01","Pictures 02"などのフォルダが存在している。そして、フォルダ"Pictures 01"には、"Image011.jpg"〜"Image014.jpg"の4つの画像ファイルが属しており、フォルダ"Pictures 02"には、"Image021.jpg","Image022.jpg"の2つの画像ファイルが属している。
【0049】
しかしながら、各画像ファイルが保存されている場所を示すURLを見ると、フォルダ"Pictures 01"内の画像ファイル"Image011.jpg"は、"fileserverα/userA/folder03/"であり、画像ファイル"Image012.jpg"は、"fileserverβ/userA/folder02/"であり、画像ファイル"Image013.jpg"は、"fileserverα/userA/folder01/であり、画像ファイル"Image014.jpg"は、":fileserverβ/userA/folder03/"であり、また、フォルダ"Pictures 02"内の画像ファイル"Image021.jpg"は、"fileserverβ/userA/folder02/"であり、画像ファイル"Image022.jpg"は、"fileserverα/userA/folder03/"であり、同じフォルダに属していても、実際にその画像ファイルが保存されているURLはバラバラである。
【0050】
そこで、これらURLに基づいて、実際にファイルサーバに保存されている各画像ファイルのフォルダ構造を見ると、図4に示す如くになっている。図3および図4において、"File Server α"および"File Server β"は、ファイルサーバ200および300にそれぞれ対応している。
【0051】
例えば、図2のファイルサーバ保存ファイルリスト602では、フォルダ"Pictures 02"に属するものとして表示されていた画像ファイル"Image022.jpg"は、実際には、図4(a)に示すように、ファイルサーバ200(すなわち、"File Server α")のフォルダ"UserA"の下位フォルダであるフォルダ"Folder03"内に保存されていることがわかる。一方、ファイルサーバ保存ファイルリスト602では、同じフォルダ"Pictures 02"に属するものとして表示されていた画像ファイル"Image021.jpg"は、実は、図4(b)に示すように、ファイルサーバ200(すなわち、"File Server α")とは異なるファイルサーバ300(すなわち、"File Server β")のフォルダ"UserA"の下位フォルダであるフォルダ"Folder02"内に保存されていることがわかる。
【0052】
このように、ファイルサーバ保存ファイルリスト602に表示されるフォルダ構造は仮想的なものであり、実際のファイルサーバに構築されているフォルダ構造とは異なっており、ファイルサーバ保存ファイルリスト602では、全ての画像ファイルが、あたかも1つのファイルサーバに保存されているように、表示されている。
【0053】
次に、図2に示すファイルサーバ保存ファイル表示画面600において、ユーザAが端末100の入力部102を操作して、ファイルサーバ保存ファイルリスト602中の、例えば、先ほどの"Image022.jpg"というファイル名の画像ファイルを選択すると、制御部110は、ファイル格納部108から、選択されたファイル名に対応するサムネイル画像のファイルを読み出して、表示部104に表示された表示画面600の右側に、そのサムネイル画像をプレビュー604として表示させる。これにより、ユーザAは、ファイルサーバに保存されている画像ファイルの内容を容易に確認することができる。
【0054】
さらに、このように、ファイルサーバ保存ファイルリスト602中の、所望の画像ファイルのファイル名を選択した状態で、ユーザAが入力部102を操作して、図2に示す"DOWN LOAD"ボタン606を押すと、制御部110は、その選択した画像ファイルのダウンロード処理を開始する。
【0055】
すなわち、制御部110は、まず、ファイル格納部108に格納されている管理データMAのコピーMA’を参照して、その選択した画像ファイル("Image022.jpg")の保存されている場所を示すURL(すなわち、"fileserverα/userA/folder03/")を読み出す。そして、その読み出したURLに基づいて、2つのファイルサーバ200,300のうち、その選択した画像ファイルの保存されているファイルサーバ、すなわち、200にアクセスし、その画像ファイルの送信を要求する。その要求に対し、ファイルサーバ200の管理部210は、ファイル保存部208から対応する画像ファイル("Image022.jpg")を読み出して、端末100に送信する。端末100の制御部110は、その画像ファイルを受信すると、ファイル格納部108に格納する。
【0056】
このようにして、ファイルサーバに保存されている画像ファイルを容易に、自分の端末100にダウンロードすることができる。
【0057】
D.ファイルサーバへのファイル保存:
次に、ユーザAが端末100を用いて、ファイルサーバに画像ファイルを追加して保存する場合の動作について説明する。
【0058】
まず、ユーザAが入力部102を操作して、図示せざるメニュー画面から端末格納ファイル表示画面を選択すると、端末100の制御部110は、表示部104に、図5に示すような端末格納ファイル表示画面700を表示させる。
【0059】
図5は図1における端末100の表示部104に表示される端末格納ファイル表示画面700を示す説明図である。
【0060】
図5に示すように、この表示画面700には、左側に、端末格納ファイルリスト702を有しており、この端末格納ファイルリスト702には、端末100に格納されているデータやプログラムなどのファイル名や、それらデータやプログラムの属するフォルダ名などが、ツリー表示にて表示されている。
【0061】
そこで、ユーザAが端末100の入力部102を操作して、端末格納ファイルリスト702の中から例えばデータを選択すると、そのデータが画像ファイルである場合には、端末格納ファイル表示画面700の右側に、その画像のサムネイル画像が表示される。具体的には、例えば、図5に示すように、"Imageα.jpg"というファイル名の画像ファイルを選択すると、制御部110は、ファイル格納部108から、選択されたファイル名に対応する画像ファイルを読み出して、その画像のサムネイル画像のファイルを作成し、そのファイルに基づいて、端末格納ファイル表示画面700の右側に、そのサムネイル画像をプレビュー704として表示させる。こうして、ユーザAは、今からファイルサーバに保存しようとしている画像ファイルの内容を確認することができる。
【0062】
その後、このように、端末格納ファイルリスト702中の、所望の画像ファイルのファイル名を選択した状態で、ユーザAが入力部102を操作して、図5に示す"UP LOAD"ボタン706を押すと、制御部110は、図5に示す端末格納ファイル表示画面700上に、図6に示すように、新たに保存先選択ウインドウ800を表示する。
【0063】
図6は図1における端末100の表示部104に表示される保存先選択ウインドウ800を示す説明図である。
【0064】
図6に示すように、この保存先選択ウインドウ800には、左側に、図2のファイルサーバ保存ファイルリスト602と同様のリスト802を有している。すなわち、このファイルサーバ保存ファイルリスト802に表示されているフォルダ構造も、上述したとおり仮想的なものである。
【0065】
そこで、ユーザAが入力部102を操作して、ファイルサーバ保存ファイルリスト802の中から、選択した上記画像ファイル("Imageα.jpg")を保存したいフォルダとして、例えば、"Pictures 01"を選択し、SETボタン807を押すと、制御部110は、選択されたフォルダを上記画像ファイルの保存先として設定すると共に、その画像ファイルのアップロード処理を開始する。但し、フォルダ構造自体、仮想的なものであるため、設定した保存先はあくまで仮想的な保存先となる。
【0066】
図7は制御部110が実行するアップロード処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
図7に示すアップロード処理が開始されると、制御部110は、まず、ユーザAが登録している各ファイルサーバ200,300の空き容量の合計Tを算出する(ステップS102)。具体的には、制御部110は、ファイル格納部108に格納されている管理データMAのコピーMA’を参照して、2つのファイルサーバ200,300のそれぞれについて、ユーザAに割り当てられているファイル保存領域のうち、未だ画像ファイルが保存されていない領域のサイズ、すなわち、空き容量を計算し、それらの和を求めて、合計Tを算出する。
【0068】
次に、選択された画像ファイル、すなわち、今からファイルサーバに保存しようとしている画像ファイル("Imageα.jpg")のサイズSを確認し(ステップS104)、そのファイルサイズSと空き容量の合計Tとを比較する(ステップS106)。なお、このとき、空き容量に余裕を持たせるために、ファイルサイズSと実際に比較する値は、空き容量の合計TからマージンΔを引いた値としている。
【0069】
比較の結果、ファイルサイズSの方が小さい場合には、ファイルサーバの空き容量が十分多いため、選択された上記画像ファイルをファイルサーバに保存することが可能であると判断して、制御部110は、予め設定されている画像ファイルの保存先振り分け方法に従って、自動的に、その画像ファイルの保存先を決定する(ステップS108)。具体的には、例えば、保存先振り分け方法が「ライダムに振り分ける」であるとすると、制御部110は、発生した乱数値に応じて、偶数値ならば、ファイルサーバ200を、奇数値ならばファイルサーバ300を、それぞれ、保存先として決定して、ランダムに保存先を振り分けるようにする。
【0070】
なお、保存先振り分け方法としては、「ランダムに振り分ける」という方法の他に、画像ファイルのサイズに応じて振り分けるようにしても良いし、更新日時に応じて振り分けるようにしても良い。さらに、ファイルサーバへのアクセス頻度や、ネットワーク500上の混み具合などを考慮して、振り分けるようにしても良い。
【0071】
従って、上述したとおり、図6の保存先選択ウインドウ800において設定された保存先は、あくまで仮想的な保存先であるため、制御部110は、その仮想的な保存先とは無関係に、上記画像ファイルの保存先を決定することになる。
【0072】
次に、制御部110は、その決定した保存先のファイルサーバにアクセスし、その画像ファイルを送信する(ステップS110)。例えば、その保存先のファイルサーバがファイルサーバ300である場合には、制御部110は、選択された上記画像ファイルを、ネットワーク500を介してファイルサーバ300に送信することになる。
【0073】
これにより、図7に示す制御部110によるアップロード処理は一応終了する。
【0074】
一方、保存先であるファイルサーバ300では、管理部310が、通信部306を介して、送信されてきた画像ファイルを受信して、ファイル保存部308におけるユーザAのファイル保存領域に、その画像ファイルを保存する。そして、管理部310は、ネットワーク500を介してファイルサーバ200にアクセスし、上記画像ファイルがファイルサーバ300に新たに保存されたことを通知する。この際、その画像ファイルの所有者名や、URLや、更新日時など、その画像ファイルに関する関連情報も併せて通知する。
【0075】
また、端末100の制御部110も、ネットワーク500を介してファイルサーバ200にアクセスし、上記画像ファイルに関する関連情報として、先にユーザAによって設定された仮想的な保存先の情報を通知する。
【0076】
ファイルサーバ200では、管理部210がそれらの通知を受けると、ファイル保存部208に保存されているユーザAに関する管理データMAに、上記画像ファイルが新たに保存されたことを、上記関連情報と共に登録する。
【0077】
その後、ファイルサーバ200の管理部210は、管理データMAの内容が変更されたので、端末100の制御部110に対し、その管理データMAを送信し、端末100では、制御部110がその管理データMAを受信すると、その管理データMAに基づいて、ファイル格納部108に格納されている管理データMAのコピーMA’を最新のものに更新する。
【0078】
なお、ファイルサーバ300に追加して保存された画像のサムネイル画像ファイルは、図5に示す端末格納ファイル表示画面700において、保存したい画像ファイルを選択した際に、プレビュー704を表示するために、制御部110によって既に作成されているので、110は、この作成したサムネイル画像ファイルをファイル格納部108に保存しておく。
【0079】
E.新たなファイルサーバへの登録:
ところで、図7に示す制御部110によるアップロード処理において、ステップS106における比較の結果、ファイルサイズSの方が大きい場合には、ファイルサーバの空き容量が不足してきているため、新たなファイルサーバへの登録が必要であると判断して、制御部110は、ユーザAが登録可能なファイルサーバのリストの中から、ユーザAがまだ登録していないファイルサーバを1つ、今回登録する新たなファイルサーバとして選択する(ステップS112)。その選択したファイルサーバが、例えば、図1に示すファイルサーバ400であるとすると、制御部110は、そのファイルサーバ400の場所を表すURLに基づいて、そのファイルサーバ400に接続する。
【0080】
なお、これらユーザAが登録可能なファイルサーバのリストや、それらファイルサーバの場所を表すURLなどの情報は、端末100がファイル格納部108に予め持っていても良いし、制御部110が既に登録されているファイルサーバ200などに問い合わせるようにしても良い。
【0081】
次に、制御部110は、ファイルサーバ400にアクセスするためのIDおよびパスワードとして、例えば、id3Aおよびpw3Aを用意し、それらをファイルサーバ400に送信して、ユーザAの登録要求を行う(ステップS114)。
【0082】
前述したとおり、ユーザのファイルサーバへの登録とは、そのユーザに対しそのファイルサーバへの画像ファイルの保存許可を与えることと言えるので、上記したユーザAの登録要求は、ユーザAに対してファイル保存許可を与えるよう要求することに他ならない。
【0083】
ファイルサーバ400では、管理部410が、それらIDid3Aおよびパスワードpw3Aを受信して、ユーザAからの登録要求を受け取ると、それらIDid3Aおよびパスワードpw3Aに基づいて、ユーザAの登録を行う。そして、その登録が完了すると、管理部410は、ネットワーク500を介してファイルサーバ200にアクセスし、ユーザAの登録が行われたことを報告する。このとき、ユーザAに関する情報として、ユーザAのIDid3Aおよびパスワードpw3Aも併せて知らせる。
【0084】
ファイルサーバ200では、管理部210がその報告を受け取ると、ファイル保存部208に保存されているユーザAに関する管理データMAに、ユーザAがファイルサーバ400に登録されたことを、そのIDid3Aおよびパスワードpw3Aと共に登録する。
【0085】
また、ファイルサーバ400の管理部410は、ネットワーク500を介して端末100にもアクセスし、端末100に対してユーザAの登録が完了したことを通知する。
【0086】
端末100では、制御部110が、その登録完了通知を受信する(ステップS116)と、表示部104に、ユーザAが新たにファイルサーバ400に登録されたことを表示させ(ステップS118)、ユーザAに知らせる。これにより、ユーザAは、新たなファイルサーバへの登録が行われて、画像ファイルを保存することが可能な容量が増えたことを認識する。
【0087】
こうして、ユーザAの新たなファイルサーバ400への登録が完了すると、制御部110は、再度、ステップS106における比較を行う。比較の結果、今度は、保存すべき上記画像ファイルのサイズSの方が小さいと判定されるため、上述したとおり、制御部110は、保存先振り分け方法に従って、その画像ファイルの保存先を決定する(ステップS108)。この際、その保存先の候補として、ファイルサーバ200および300の他に、新たにファイルサーバ400を加えた上で、それらの中から、上記画像ファイルの保存先を決定することになる。そして、制御部110は、その決定した保存先のファイルサーバにアクセスして、その画像ファイルを送信し(ステップS110)、図7に示すアップロード処理を終了する。
【0088】
このようにして、本実施例においては、ファイルサーバに画像ファイルを追加して保存するとき、端末100の制御部110は、ファイルサーバの空き容量が十分であるかどうかを判定した上で、空き容量が十分でない場合には、新たなファイルサーバを選択して、ユーザの登録要求を行い、自動的に、ユーザの画像ファイルを保存することが可能な容量を増やしていく。従って、ユーザはファイルサーバの空き容量を意識することなく、画像ファイルを自由に保存することができる。
【0089】
F.ファイル保存システムのハードウェア構成
ところで、本実施例ののファイル保存システムにおいて、図1に示すファイルサーバとしては、パーソナルコンピュータや、ワークステーションなど、種々のコンピュータを適用することができる。また、端末としては、パーソナルコンピュータや、モバイルコンピュータや、ハンドヘルドコンピュータや、情報携帯端末や、携帯電話や、セット・トップ・ボックスや、ゲーム機などを適用することができる。また、ネットワーク500としては、インターネットや、イントラネットや、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、ワイドエリアネットワーク(WAN)など、各種ネットワークを適用することができる。
【0090】
ここで、図1に示す端末100やファイルサーバ200,300,400のハードウェアの構成について簡単に説明する。
【0091】
図9は図1に示す端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。端末100は、図9に示すように、コンピュータプログラムに従って種々の処理や制御を行なうためのCPU50と、各種周辺装置との間でデータなどのやり取りを行なうためのI/O部52と、上記コンピュータプログラムを記憶したり、処理中に得られたデータなどを記憶したりするためのメモリ54と、キーボードやマウスやタブレットなどから成り、ユーザからの指示などを入力するための入力装置56と、CRTや液晶ディスプレイなどから成り、種々の表示画面を表示するためのモニタ58と、モデムやターミナルアダプタやネットワークカードなどから成り、ネットワークを介して他の装置と通信を行なうための通信装置60と、各種の情報を格納するためのハードディスク装置62と、上記コンピュータプログラムの書き込まれたCD−ROM64を読み取るためのCD−ROMドライブ装置66と、を備えている。
【0092】
このうち、CPU50,I/O部52およびメモリ54は、図1に示す制御部110に対応し、入力装置56は入力部102に対応し、モニタ58は表示部104に対応し、通信装置60は通信部106に対応し、ハードディスク装置62、CD−ROMドライブ装置66およびメモリ54は、ファイル格納部108に対応する。
【0093】
本実施例では、メモリ54に記憶された上記コンピュータプログラムは、記録媒体であるCD−ROM64に記録された形態で提供され、CD−ROMドライブ装置66により読み取られることによって、端末100内に取り込まれる。取り込まれたコンピュータプログラムは、ハードディスク装置62に転送され、その後、起動時などにメモリ54に転送される。あるいは、読み取られたコンピュータプログラムは、ハードディスク装置62を介さず、直接、メモリ54に転送するようにしても良い。
【0094】
このように、本実施例では、コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録する「記録媒体」としてCD−ROMを利用することを述べたが、その他にも、フレキシブルディスクや光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0095】
また、コンピュータプログラムは、このような記録媒体に記録された形態での提供の他、ネットワーク500を介して、コンピュータプログラムを供給するプログラムサーバ(図示せず)にアクセスし、プログラムサーバから端末100内に取り込むようにしても良い。
【0096】
また、上記コンピュータプログラムの一部は、オペレーティングシステムプログラムによって構成するようにしても良い。
【0097】
一方、ファイルサーバ200,300,400も、図9に示したハードウェア構成と、基本的には同様の構成を成している。すなわち、CPU50,I/O部52およびメモリ54は、図1に示す管理部210,310,410に対応し、通信装置60は通信部206,306,406に対応し、ハードディスク装置62、CD−ROMドライブ装置66およびメモリ54は、ファイル保存部208,308,408に対応している。なお、図1では図示していないが、入力装置56に対応する入力部や、モニタ58に対応する表示部を有していても良い。
【0098】
G.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0099】
G−1.変形例1:
上記した実施例においては、ファイルサーバの空き容量が十分でない場合、端末100の制御部110は、自動的に、新たなファイルサーバを選択して、ユーザの登録要求を行っていたが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、新たなファイルサーバへの登録を実行するか否かを、ユーザ自身が判断し得るようにしても良い。
【0100】
そのような場合、端末100の制御部110は、以下のような処理を行うことになる。すなわち、図7に示したアップロード処理におけるステップS106において、比較の結果、保存すべき画像ファイルのサイズSの方が大きいと判定した場合、制御部110は、表示部104に、新たなファイルサーバへの登録を勧めるメッセージを表示させる。なお、このメッセージは、既に登録されているファイルサーバの空き容量が十分ではないことを示すメッセージであっても良い。これにより、ユーザAは、新たなファイルサーバへの登録を実行するかどうかを判断する。
【0101】
そして、ユーザAが登録を実行することを決意し、入力部102を操作して、その旨を指示した場合には、制御部110は、表示部104に、図8に示すようなファイルサーバ登録画面900を表示させる。
【0102】
図8は図1における端末100の表示部104に表示されるファイルサーバ登録画面900を示す説明図である。図8に示すように、ファイルサーバ登録画面900の左側には、ユーザAが登録可能なファイルサーバのリスト902が表示される。これらのうち、"File Server α"および"File Server β"は、前述したとおりファイルサーバ200および300にそれぞれ対応しており、これらのファイルサーバには既にユーザAは登録済みであるので、取り消し線が付されている。従って、ユーザAが新たに登録できるのは、"File Server γ"以降のファイルサーバである。
【0103】
次に、ユーザAが入力部102を操作して、ファイルサーバリスト902の中から、例えば、"File Server γ"を選択して、ファイルサーバリスト902の下にあるURLボタン904を押すと、Webブラウザのアプリケーションプログラムが立ち上がって、制御部110はそのアプリケーションプログラムに従って動作する。ここで、"File Server γ"は、前述したとおり、ファイルサーバ400に対応している。制御部110は、"File Server γ"のURLに基づいて、ネットワーク500を介してファイルサーバ400に接続し、ファイルサーバ400に対し、Webデータの送信を要求する。そして、ファイルサーバ400からWebデータが送信されてきたら、それに基づいて、表示部104に登録用のWebページ(図示せず)を表示する。
【0104】
ユーザAが入力部102を操作して、その登録用Webページ内のID入力欄とパスワード入力欄に、ファイルサーバ400にアクセスするためのIDおよびパスワードとして、例えば、前述のid3Aおよびpw3Aを入力すると、制御部110は、その入力されたIDid3Aおよびパスワードpw3Aをファイルサーバ400に送信する。ファイルサーバ400では、管理部410が、それらIDid3Aおよびパスワードpw3Aを受信すると、それらに基づいてユーザAの登録を行う。そして、登録が完了すると、管理部410は、端末100に対して登録完了を通知する。
【0105】
端末100では、制御部110が、その登録完了通知を受信すると、その旨を表示部104に表示する。そして、ユーザAが入力部102を操作して、図8のファイルサーバ登録画面900の右側にあるID入力欄906とパスワード入力欄907に、先ほど、登録用Webページにおいて入力したのと同じIDid3Aおよびパスワードpw3Aをそれぞれ入力して、送信ボタン910を押すと、制御部110は、再び、ファイルサーバアクセス用のアプリケーションプログラムに従って動作し、ファイルサーバ200に対して、IDid3Aおよびパスワードpw3Aを送信する。
【0106】
ファイルサーバ200の管理部210は、それらIDid3Aおよびパスワードpw3Aを受信すると、ファイル保存部208に保存されているユーザAに関する管理データMAに、ユーザAのファイルサーバ400に対するIDおよびパスワードとして、id3Aおよびpw3Aを登録する。
【0107】
こうして、ユーザAの判断に基づいた新たなファイルサーバ400への登録は完了する。
【0108】
G−2.変形例2:
上記した実施例においては、登録されている全てのユーザおよびそれらユーザの保存した全ての画像ファイルは、ファイルサーバ200のファイル保存部208に保存されている管理データMによって、一元的に管理されている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、以下に述べるように、分散して管理するようにしても良い。
【0109】
例えば、ユーザが希望するファイルサーバが、そのユーザおよびそのユーザの保存した画像ファイルを管理するようにしても良い。具体的には、例えば、ユーザAがこのファイル保存システムにおいて初めてファイルサーバに登録を行う際に、ユーザAが登録可能な複数のファイルサーバの中から、ユーザAが希望するファイルサーバを選択し、そのファイルサーバへの登録を行うことにより、そのファイルサーバが、ユーザAおよびそのユーザAが保存する画像ファイルを管理するための管理データMAを保存するサーバとなるようにする。
【0110】
このように、ユーザが希望するファイルサーバを、そのユーザおよびそのユーザの保存した画像ファイルを管理するサーバとすることにより、ユーザ毎に、そのユーザに関する管理データを保存するファイルサーバが異なることになるため、1つのファイルサーバにアクセスが集中することを防ぐことができる。
【0111】
また、他の方法として、何れのファイルサーバにも管理データを保存せず、端末100が、ユーザAに関する管理データを必要とする場合に各ファイルサーバから情報を集めるようにしても良い。具体的には、端末100の制御部110は、ファイル格納部108に格納されている、ユーザAに関する管理データMAのコピーMA’を最新のものに更新しようとする場合、既に登録されているファイルサーバの中から、予め設定されたファイルサーバにアクセスし、ユーザAの保存した画像ファイルを有しているかどうかの問い合わせを行う。これに対し、その問い合わせの行われたファイルサーバの管理部は、自分の持っているファイルリストを検索して、その結果を返すと共に、さらにその問い合わせを他のファイルサーバに中継して行う。そして、その結果も同じように中継して返す。こうして、ネットワーク500上に存在する各ファイルサーバは、いわゆるバケツリレー式に、問い合わせとその結果を中継しながら送り、ネットワーク500上を伝搬させる。こうして、最終的に、端末100の制御部110には、各ファイルサーバからの問い合わせに対する結果が集められることになる。そして、制御部110は、その結果をまとめ上げて、ユーザAに関する管理データMAを作成し、ファイル格納部108に格納されているコピーMA’を最新のものに更新する。
【0112】
このような方法を用いることにより、各ファイルサーバは管理データを保存する必要がなく、また、1つのファイルサーバにアクセスが集中する恐れもなくなる。
【0113】
G−3.変形例3:
上記した実施例では、ファイルサーバから保存している画像ファイルをダウンロードする際、送信される画像ファイルは保存されていた画像ファイルそのままであったが、ユーザからの要求に応じて、ファイルサーバの管理部は、画像のサイズや解像度を変更したり、所定の画像処理を施してから、画像ファイルを送信するようにしても良い。
【0114】
G−4.変形例4:
上記した実施例では、ファイルサーバに保存されるファイルは、画像ファイルのみであったが、本発明は画像ファイルに限定されるものではなく、テキストファイルや、音声ファイルや、プログラムファイルや、管理ファイルなど、種々のファイルを保存の対象として良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのファイル保存システムを示す説明図である。
【図2】図1における端末100の表示部104に表示されるファイルサーバ保存ファイル表示画面600を示す説明図である。
【図3】図2のファイルサーバ保存ファイルリスト602に表示される仮想的なフォルダ構造を示す説明図である。
【図4】ファイルサーバ200,300に実際に構築されているフォルダ構造を示す説明図である。
【図5】図1における端末100の表示部104に表示される端末格納ファイル表示画面700を示す説明図である。
【図6】図1における端末100の表示部104に表示される保存先選択ウインドウ800を示す説明図である。
【図7】制御部110が実行するアップロード処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図1における端末100の表示部104に表示されるファイルサーバ登録画面800を示す説明図である。
【図9】図1に示す端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
50…CPU
52…I/O部
54…メモリ
56…入力装置
58…モニタ
60…通信装置
62…ハードディスク装置
64…CD−ROM
66…CD−ROMドライブ装置
100…端末
102…入力部
104…表示部
106…通信部
108…ファイル格納部
110…制御部
200,300,400…ファイルサーバ
206,306,406…通信部
208,308,408…ファイル保存部
210,310,410…管理部
500…ネットワーク
600…ファイルサーバ保存ファイル表示画面
602…ファイルサーバ保存ファイルリスト
604…プレビュー
700…端末格納ファイル表示画面
702…端末格納ファイルリスト
704…プレビュー
800…保存先選択ウインドウ
802…ファイルサーバ保存ファイルリスト
804…SETボタン
900…ファイルサーバ登録画面
902…ファイルサーバリスト
904…URLボタン
906…ID入力欄
907…パスワード入力欄
910…送信ボタン
Claims (6)
- 或るユーザに対してファイルを保存することをそれぞれ許可している複数のサーバと、前記ユーザによって利用される端末と、を備え、これらがネットワークを介して接続されているファイル保存システムであって、
前記端末は、入力部と、表示部と、格納部と、通信部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、前記格納部に格納されている、前記サーバに保存されている前記ファイルを管理するための管理データに基づいて、前記表示部に、仮想的に、各ファイルが1つのサーバに保存されているように、前記ファイルのリストを表示し、
前記制御部は、前記入力部を介して、前記ユーザからファイル保存の指示があった場合、前記複数のサーバの中から、予め設定された保存先振り分け方法に基づいて、保存先となるサーバを決定し、保存すべきファイルを、前記通信部から、決定した前記サーバに送信し、
前記制御部は、前記入力部を介して、前記ユーザからサーバへの登録実行の指示があった場合、前記表示部に、前記ユーザの登録可能なサーバのリストを表示し、前記ユーザによって登録対象として選択されたサーバに対し、前記通信部を介して、前記ユーザに関する情報の登録を要求して、前記サーバから、ユーザ登録完了の通知を受け取ることを特徴とするファイル保存システム。 - 請求項1に記載のファイル保存システムにおいて、
前記制御部が、ファイルはフォルダに属するものとしてフォルダ構造を用いて前記ファイルのリストを前記表示部に表示する場合、前記フォルダ構造は、前記ファイルが保存されている前記複数のサーバにおける実際のフォルダ構造には依存しないことを特徴とするファイル保存システム。 - 複数のサーバとネットワークを介して接続され、前記複数のサーバにそれぞれファイルを保存することが許可されている或るユーザによって利用される端末であって、
入力部と、表示部と、格納部と、通信部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、前記格納部に格納されている、前記サーバに保存されている前記ファイルを管理するための管理データに基づいて、前記表示部に、仮想的に、各ファイルが1つのサーバに保存されているように、前記ファイルのリストを表示し、
前記制御部は、前記入力部を介して、前記ユーザからファイル保存の指示があった場合、前記複数のサーバの中から、予め設定された保存先振り分け方法に基づいて、保存先となるサーバを決定し、保存すべきファイルを、前記通信部から、決定した前記サーバに送信し、
前記制御部は、前記入力部を介して、前記ユーザからサーバへの登録実行の指示があった場合、前記表示部に、前記ユーザの登録可能なサーバのリストを表示し、前記ユーザによって登録対象として選択されたサーバに対し、前記通信部を介して、前記ユーザに関する情報の登録を要求して、前記サーバから、ユーザ登録完了の通知を受け取ることを特徴とする端末。 - 請求項3に記載の端末において、
前記制御部が、ファイルはフォルダに属するものとしてフォルダ構造を用いて前記ファイルのリストを前記表示部に表示する場合、前記フォルダ構造は、前記ファイルが保存されている前記複数のサーバにおける実際のフォルダ構造には依存しないことを特徴とする端末。 - 複数のサーバとネットワークを介して接続され、前記複数のサーバにそれぞれファイルを保存することが許可されている或るユーザによって利用されるコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータの格納部に格納されている、前記サーバに保存されている前記ファイルを管理するための管理データに基づいて、前記コンピュータの表示部に、仮想的に、各ファイルが1つのサーバに保存されているように、前記ファイルのリストを表示する機能と、
前記コンピュータの入力部を介して、前記ユーザからファイル保存の指示があった場合、前記複数のサーバの中から、予め設定された保存先振り分け方法に基づいて、保存先となるサーバを決定し、保存すべきファイルを、前記コンピュータの通信部から、決定した前記サーバに送信する機能と、
前記入力部を介して、前記ユーザからサーバへの登録実行の指示があった場合、前記表示部に、前記ユーザの登録可能なサーバのリストを表示し、前記ユーザによって登録対象として選択されたサーバに対し、前記通信部を介して、前記ユーザに関する情報の登録を要求して、前記サーバから、ユーザ登録完了の通知を受け取る機能と、
を前記コンピュータの制御部に実現させるためのコンピュータプログラム。 - 請求項5に記載のコンピュータプログラムにおいて、
ファイルはフォルダに属するものとしてフォルダ構造を用いて前記ファイルのリストを前記表示部に表示する場合、前記フォルダ構造は、前記ファイルが保存されている前記複数のサーバにおける実際のフォルダ構造には依存しないことを特徴とするコンピュータプログラム。
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