JP4048680B2 - スローアウェイチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば圧延ロール等の被削材を深い切り込みで切削加工する重切削加工等に好適なスローアウェイチップ(以下、チップということがある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述したような圧延ロール等の重切削に用いるスローアウェイチップとして、例えば略正方形板状のものがあり、このチップでは着座面をなす下面に対向する上面の稜辺部が切刃とされ、上面の内側には切刃に続いて下り傾斜のすくい面とすくい面底部から立ち上がる昇り傾斜の隆起部が設けられてクランプするための挿通孔を有する中央平面部につながる構成を備えている。そして上面との交差稜線で切刃を形成する側面は逃げ角0°をなすネガの逃げ面とされている。
このようなチップを工具本体に装着して被削材を切削加工する場合、切刃で切削されて生成された切屑は切刃に交差する方向にすくい面を下り方向に走行し隆起部を上昇してカールされたりして排出されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のチップでは、隆起部を切屑が通過する際に面接触して擦過するために隆起部が過熱して切屑が隆起部に溶着し易く、また隆起部が切屑との擦過で高熱になり且つ摩耗し易いためにチップの寿命が短くなるという欠点がある。しかも隆起部で切屑が擦過することで切削抵抗が増大するという欠点もある。
本発明は、このような実情に鑑み、切屑との擦過による摩耗や発熱を抑制してチップ寿命を向上できるようにしたスローアウェイチップを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によるスローアウェイチップは、一の面の稜線部に切刃が形成されると共に、該切刃の内側にすくい面が形成され、このすくい面の内側に昇り傾斜の隆起部が設けられ、この隆起部には前記切刃に交差する方向に複数のスリットが配列されると共に、隆起部の内側に前記スリットに連通する溝部が設けられ、前記溝部の内側に隆起部と同一高さの第二隆起部が形成されて成ることを特徴とする。切削時に切刃で生成された切屑はすくい面を走行した後で隆起部を擦過しつつ走行するが、隆起部にはスリットが配列されているために切屑と隆起部との接触面積が少なく切屑との擦過による摩耗を抑制して隆起部に切屑が溶着するのを抑えて切屑離れを促進し、同時に隆起部で切屑との擦過によって発熱しても各スリットは溝部に連通しているために溝部を通して熱を逃がすことができるために切屑の溶着や隆起部の発熱による摩耗を抑制してチップ寿命を向上できる。
【0005】
また溝部の内側に隆起部と同一高さの第二隆起部が形成されているので、切削を繰り返すことで隆起部が徐々に摩耗して第二隆起部との間に段差が生じてブレーカを形成することができ、切屑のカールや折断処理等を促進できる。尚、このスローアウェイチップは略四角形板状とされ、一の面を着座面に対向する上面として4つの各稜辺部が切刃であってその内側にすくい面、スリットが配列された隆起部、溝部及び第二隆起部が順次設けられていてもよい。この場合にはコーナーチェンジして2コーナまたは4コーナ使用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付図面により説明する。
図1乃至図7は本発明の実施形態を示すものであり、図1は実施の形態によるスローアウェイチップの斜視図、図2は同じく平面図、図3は図2に示すスローアウェイチップの中央縦断面図、図4は図2に示すスローアウェイチップについてX−X線に沿う部分縦断面図、図5は図2に示すスローアウェイチップについてY−Y線に沿う部分縦断面図、図6は図2に示すスローアウェイチップについてZ−Z線に沿う縦断面図である。
本実施の形態によるスローアウェイチップ1は例えば超硬合金等からなり、略多角形板状、特に略四角形板状、例えば略正方形板状とされ、着座面をなす下面2に対向する上面3にすくい面が設けられるとともに各側面4が逃げ面とされている。
【0007】
上面3と各側面4とが交差する稜辺部はそれぞれ切刃6とされて全周に形成され、この切刃6にはランド7が全周に形成されている。上面3の中央部には上下面を貫通するクランプするための挿通孔8が穿孔されているが、これに代えて平面状のクランプ面としてもよい。また切刃6の逃げ面を構成する側面4は下面2と略直交していて逃げ角0°のネガとされている。逃げ角はポジ(正角)でもよいが、重切削をする際に切刃6の欠損を防ぐためにはネガの方が好ましい。
図2乃至図5に示す上面3において、各稜辺部の切刃6及びランド7の内側には挿通孔8に向かうに従って、先ず下面2に漸次近づく下り傾斜のすくい面9が形成され、更にすくい面9の底部で凹曲線を描いて適宜角度で立ち上がる昇り傾斜の隆起部10が設けられている。そのため、隆起部10は図2に示す平面視で四辺の切刃6に沿ってそれぞれ切刃6と略平行をなす略正方形枠状に形成されている。この場合、隆起部10の頂部は図4に示すように切刃6よりも下面2からの距離が低い位置にあるが同一高さまたは切刃6より高い位置にあっても良い。
【0008】
そして隆起部10では切刃6に交差する方向、図では略直交する方向に複数の凹溝状のスリット12が隆起部10の隆起形状に沿って形成され、各スリット12は例えば図6に示すように適宜位置の縦断面視において底部12aが略円弧状(図では例えば半径r=0.45mm)で両周辺部12b,12bが上方に向かって滑らかに広がる傾斜状の凹曲面をなしていて、所定間隔で切刃6の延在方向に配列されている。各切刃6に沿うスリット12の列において隣り合う辺の隆起部10,10が交差するコーナー部では1のスリット12と隣の辺の切刃6に沿うスリット列の1つのスリット12とが略直交して連通しているが、互いに分離していても良い。
また隆起部10の更に内側には例えば切刃6と略平行に断面視凹曲面状の溝部13が形成されており、この溝部13は図2に示す平面視で四辺の切刃6で構成する正方形と同様に各切刃6に沿って略正方形状をなして全周に連通して形成されている。しかもこの溝部13は各切刃6に沿って配列する複数のスリット12それぞれと連通する構成とされている。溝部13はスリット12より若干深いが同一深さでもよい。
更に溝部13の内側には隆起部10と同一高さの略平面状の中央隆起部14(第二隆起部)が設けられており、この中央隆起部14は上面3の中央に位置して平面視で例えば略正方形をなしており、その中央に挿通孔8が穿孔されている。
【0009】
本実施の形態によるスローアウェイチップ1は上述のように構成されているから、このチップ1が図示しない旋削工具等に下面2を着座面として装着されて上面3のコーナー刃で切り込み切刃6で被削材の切削加工を行なう場合、切刃6のすくい面9がポジであるから逃げ角がネガであっても切れ味が確保されている。切刃6で生成された切屑はすくい面9を走行した後、隆起部10に沿って上方に移動するが、この時隆起部10にはスリット12の列が所定間隔で設けられているために切屑と隆起部10との接触面積が少なく擦過を抑制できて摩擦熱を抑える。しかも隣り合うスリット12とスリット12との間で切屑と擦過して隆起部10が発熱しても、各スリット12は溝部13と連通しているために溝部13を通して隆起部12の熱を逃がすことができる。これに加えてスリット12は切屑の走行方向に沿って配列されているから接触面積も少なく、隆起部10に切屑が溶着するのを確実に抑制して切屑離れを促進させ、更には切削抵抗を軽減できる。
そして切屑は隆起部10の傾斜面でカールされ、折り曲げられる等して処理されて排出されることになる。
【0010】
そして繰り返して被削材を切削することで切屑との擦過で隆起部10が摩耗した場合、隆起部12はその高さがその内側の中央隆起部14より低くなる。すると、溝部13を挟んで隆起部10と中央隆起部14との間で段差が発生ために、この領域がブレーカとして機能することになり、隆起部10でカールされることなく乗り越える切屑があっても中央隆起部14との段差でカールされ折り曲げられて折断等の処理がなされ、切屑処理が一層促進されることになる。
【0011】
上述のように本実施の形態によれば、切屑による隆起部10の擦過を抑制すると共に隆起部10の発熱をスリット12及び溝部13を介して放出させ、隆起部10との切屑離れを促進して切削抵抗を軽減すると共に切屑の溶着を防止でき切屑処理をスムーズに行えてチップ寿命を向上できる。更に切削を繰り返すことで隆起部10が摩耗すれば中央隆起部14との段差がブレーカとして機能して切屑折断や排出性を一層促すことができる。
【0012】
尚、上述の実施の形態ではスリット12についてすくい面9にかからず隆起部10に設けるものとしたが、これに限定されることなく溝部13に連通していればよくスリット12の長さは任意である。またスリット12は切刃6に略直交する方向に延在する構成としたが、切刃に対して鈍角または鋭角で傾斜する方向に延びていてもよく、好ましくは切屑走行方向に沿って延びればよい。また同一列の各スリット12は互いに平行でなくても良くそれぞれの角度が微小角度程度互いに異なるものでもよい。
更に一の切刃6に対向する同列の各スリット12の途中部分で交差する第二の溝部を溝部13と平行または若干の角度をもたせて形成してもよい。この場合には切屑との擦過面積を一層減少させて放熱性を高めることができる。
【0013】
また、上述の実施の形態では略正方形板状のスローアウェイチップ1について説明したが、スローアウェイチップの形状はこれに限定されることはなく略三角形状や六角形状などの略多角形状や他の適宜形状のスローアウェイチップに本発明を適用できる。更に本発明によるスローアウェイチップを装着できる工具は、旋削工具に限らず転削工具でも良く、各種の切削工具に装着可能である。尚、上面3は一の面を、中央隆起部14は第二の隆起部をそれぞれ構成する。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるスローアウェイチップは、一の面の稜線部に切刃が形成されると共に、該切刃の内側にすくい面が形成され、このすくい面の内側に昇り傾斜の隆起部が設けられ、この隆起部には切刃に交差する方向に複数のスリットが配列されると共に、隆起部の内側にスリットに連通する溝部が設けられて成るから、スリットのために切屑と隆起部との接触面積が少なく切屑との擦過による隆起部の摩耗を抑制し、同時に隆起部で切屑との擦過によって発熱しても各スリットは溝部を通して放熱することができ、隆起部に切屑が溶着するのを抑えて切屑離れを促進し隆起部の摩耗を抑制してチップ寿命を向上できる。
【0015】
また溝部の内側に隆起部と同一高さの第二隆起部が形成されているから、切削を繰り返すことで隆起部が徐々に摩耗すると第二隆起部との間に段差が生じてブレーカを形成することができ、切屑のカールや折断処理等を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるスローアウェイチップの斜視図である。
【図2】 図1に示すスローアウェイチップの平面図である。
【図3】 図2に示すスローアウェイチップの中央縦断面図である。
【図4】 図2に示すスローアウェイチップについてX−X線に沿う部分縦断面図である。
【図5】 図2に示すスローアウェイチップについてY−Y線に沿う部分縦断面図である。
【図6】 図2に示すスローアウェイチップについてZ−Z線に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
1 スローアウェイチップ
3 上面
6 切刃
10 隆起部
12 スリット
13 溝部
14 中央隆起部(第二隆起部)
Claims (1)
- 一の面の稜線部に切刃が形成されると共に、該切刃の内側にすくい面が形成され、該すくい面の内側に昇り傾斜の隆起部が設けられ、該隆起部には前記切刃に交差する方向に複数のスリットが配列されると共に、前記隆起部の内側に前記スリットに連通する溝部が設けられ、前記溝部の内側に隆起部と同一高さの第二隆起部が形成されて成るスローアウェイチップ。
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