JP4048583B2 - 映像信号伝送方法、映像信号出力装置、付加情報抽出方法および付加情報抽出装置 - Google Patents

映像信号伝送方法、映像信号出力装置、付加情報抽出方法および付加情報抽出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複製制御情報や著作権情報などの付加情報を映像信号に重畳して伝送する映像信号伝送方法、映像信号出力装置、これらの方法、装置により付加情報が重畳された映像信号から付加情報を抽出する付加情報抽出方法および付加情報抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
VTR(ビデオテープレコーダ)やデジタルVTR、あるいはDVD(デジタルビデオディスク)の再生装置、記録再生装置などが広く提供されるようになり、これらの装置で再生が可能な数多くのソフトウエアが提供されるようになってきている。
【0003】
しかし、一方で、このように豊富に提供されるようになったソフトウエアが無制限に複製されてしまうおそれがあるという問題がある。そこで、複製禁止、複製許可、あるいは、複製の世代制限を制御内容として指示する複製防止制御信号や著作権情報信号を映像信号などの主情報信号に付加しておくことにより、複製防止制御を行ったり、不正に複製された主情報信号の使用を防止するなどの方策が施されるようになってきている。
【0004】
例えば、主情報信号が映像信号である場合には、映像信号に影響を与えることがないように、複製防止制御信号や著作権情報信号などの付加情報信号は、映像信号の垂直帰線消去期間の未使用水平区間に重畳しておくようにすることが行われている。また、主情報信号がデジタル信号であり、DVDなどのディスクに記録される場合には、付加情報信号を、例えばデジタル情報信号のブロック単位のデータに付加されるヘッダ部や、その他のTOC(Table of Contents)のエリアなど、デジタル情報信号とは領域的に区別されるようなエリアに記録するなどのことが行われている。
【0005】
そして、このように映像信号の垂直帰線消去区間に重畳された付加情報信号や、デジタル情報信号のブロック単位のデータに付加されるヘッダ部、あるいは、TOCなどに記録された付加情報信号に基づいて、主情報信号の再生制御や記録制御を行うことにより、複製防止制御や不正に複製された主情報信号の使用を防止するなどのことが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のように、付加情報信号は、主情報信号に直接重畳するのではなく、映像信号の垂直帰線消去区間や、デジタル情報信号のヘッタ部など、間接的な部分に付加するようにしている。このため、フィルタリングや改ざんにより、比較的容易に付加情報信号が欠落してしまい、記録装置や再生装置で、必要な付加情報信号を検出することが不可能になる場合を生じる。特に、付加情報信号として、不正な複製を防止するための制御情報や、著作権情報などが付加される場合、このような付加情報信号の欠落のため、当初の目的を達成できない状態を現出しまうことになる。
【0007】
また、上述のような間接的な部分への付加情報信号の付加の場合には、デジタル情報信号をアナログ信号に変換したときには、主情報信号しか得られないため、付加情報信号は欠落してしまうことになる。このことは、付加情報信号として上述のような複製防止制御信号を重畳して、不正なデジタル情報信号の複製が防止できるような施策が施されていても、アナログ信号に変換されたときには、もはや複製防止施策は全く意味を成さなくなってしまう状態になることを意味している。
【0008】
以上のような付加情報信号の欠落の問題点およびアナログ信号に変換したときの問題点を解決する付加情報信号の重畳方式として、本出願人は、先に、複製防止制御信号などの付加情報信号をスペクトラム拡散し、このスペクトラム拡散した付加情報信号を映像信号に重畳して、映像信号をデジタル記録あるいはアナログ記録する方式を提案している(特願平7−339959号参照)。
【0009】
この方式においては、拡散符号として用いるPN(PseudorandomNoise)系列の符号(以下、PN符号という)を十分に早い周期で発生させて、これを付加情報信号に対して掛け合わせることによりスペクトラム拡散し、狭帯域、高レベルの複製防止制御信号などの付加情報信号を、映像信号や音声信号には影響を与えることのない広帯域、微小レベルの信号に変換させる。そして、このスペクトラム拡散された付加情報信号、すなわち、スペクトラム拡散信号をアナログ映像信号に重畳して記録媒体に記録するようにする。この場合、記録媒体に記録する映像信号は、アナログ、デジタルのどちらでも可能である。
【0010】
この方式においては、複製防止制御信号などの付加情報信号は、スペクトラム拡散されて広帯域、微小レベルの信号として映像信号に重畳されるため、例えば違法に複製しようとする者が、重畳された複製防止制御信号を映像信号から取り除くことは難しい。
【0011】
一方、逆スペクトラム拡散することにより重畳された複製防止制御信号などの付加情報信号を検出して、利用することは可能である。したがって、例えば、映像信号とともに複製防止制御信号を確実に記録装置側に提供することができると共に、この記録装置側において、この複製防止制御信号を検出し、検出した複製防止制御信号に応じた複製制御を確実に行うことができる。
【0012】
この場合、主情報信号のどこにスペクトラム拡散された付加情報信号が重畳されているかが、逆スペクトラム拡散を行って付加情報信号を検出する検出側において分からないと、迅速に付加情報信号を検出することができない。スペクトラム拡散された付加情報信号が主情報信号のどこから重畳されているかが分からない場合には、検出側において、付加情報信号の重畳開始位置を検出しなければならないが、この重畳開始位置の検出には時間がかかることが多い。
【0013】
そこで、例えば主情報信号が映像信号である場合には、映像同期信号を基準として、フィールド毎や複数フィールド毎、あるいは、水平区間毎や複数水平区間毎にスペクトラム拡散した付加情報信号を重畳することが考えられる。
【0014】
しかし、このように映像同期信号を基準にして映像信号の予め決められた区間毎に付加情報信号を重畳するようにした場合には、映像信号の予め決められた区間毎に、映像同期信号に対して同じ位置からスペクトラム拡散された付加情報信号が重畳されるので、この映像信号を再生した場合には、重畳されているスペクトラム拡散された付加情報信号が知覚されやすくなってしまう。
【0015】
このことを簡単に説明するため、例えば、図11A、Bに示すように、数値で現せば0と1とで現すことができるスペクトラム拡散された付加情報信号(スペクトラム拡散信号)を、2つのパターンPT1、PT2により現すものとする。
【0016】
このパターンPT1、PT2により現されるスペクトラム拡散信号を、映像同期信号を基準にして、例えば、1フレーム毎に映像信号に重畳する場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置STPは、映像同期信号を基準として定められるので、図11Cに示すように、各フレームFLにおいて、同じ位置となる。
【0017】
そして、スペクトラム拡散信号の伝送経路での劣化や、スペクトラム拡散信号の検出効率の向上、あるいは、スペクトラム拡散信号の改ざん防止などを考慮して、複数フレームに渡って同じスペクトラム拡散信号を重畳した場合には、各フレームの同じ部分には、例えば、図11Dに示すように、同じパターンのスペクトラム拡散信号が重畳されていることになる。
【0018】
このように複数フレームにわたり同じスペクトラム拡散信号が同じ位置から重畳された映像信号を再生した場合には、図11Eに示すように、ディスプレイ100の表示画面101に表示される画像には、映像信号の各フレームに重畳されているスペクトラム拡散信号が定常的なノイズとして表れてしまい、知覚されやすくなる。
【0019】
スペクトラム拡散信号が重畳された映像信号を再生する場合、映像信号に重畳されたスペクトラム拡散信号を除去したのちに再生するわけではないので、いかにスペクトラム拡散信号が微小レベルの信号であるとしても知覚される可能性がある。特に、フレーム内の画像の輝度の周波数成分が低い場合、すなわち、輝度成分の変化が少ないフレームの画像の場合にその可能性が大きい。
【0020】
この発明は、以上の点にかんがみ、映像信号に重畳された付加情報が、映像信号により再生される画像を劣化させることがないように、付加情報を映像信号に重畳して伝送する伝送方法、出力装置、これらの伝送方法、出力装置が用いられて、付加情報が重畳された映像信号から付加情報を抽出する抽出方法および抽出装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の映像信号伝送方法は、
微小レベルの付加情報を映像信号の映像同期信号に同期する映像信号区間毎に重畳して伝送する映像信号伝送方法であって、
前記微小レベルの付加情報を重畳する前記映像信号区間毎に画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値を検出して、検出した前記特性値が、予め決められた基準値より小さい場合に、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち易い画像であると判定し、それ以外の場合には、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち難い画像であると判定し、
当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ちやすい画像であると判定した場合には、当該映像信号区間における重畳開始位置を、直前の映像信号区間における重畳開始位置とは異なる位置に変更し、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち難い画像であると判定した場合には、当該映像信号区間における重畳開始位置を、直前の映像信号区間における重畳開始位置と同じにして、前記微小レベルの付加情報を当該映像信号区間に重畳することを特徴とする。
【0022】
この請求項1に記載の発明の映像信号伝送方法によれば、付加情報が重畳される映像信号区間の映像信号により再生される画像の特性(高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値に基づいて判別することが可能な特性)が、例えば変化の少ないフラットな画像である場合のように、重畳される付加情報の影響を受けやすく、付加情報が目立つ可能性のあるものである場合に、付加情報の重畳開始位置が変更される。
【0023】
これにより、付加情報の影響を受けやすい画像を形成する映像信号区間に対してのみ、付加情報の重畳開始位置を変更することができるので、無駄に付加情報の重畳開始位置の変更を行うことがなく、効率よくかつ効果的に付加情報の重畳開始位置を変更することができるようにされる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明の映像信号伝送方法は、請求項1に記載の映像信号伝送方法であって、
前記重畳開始位置を変更する場合には、発生させた乱数に基づいて決まる位置に変更することを特徴とする。
【0025】
この請求項2に記載の発明の映像信号伝送方法によれば、付加情報の重畳開始位置は、各映像信号区間において、発生させた乱数に基づいて変更するようにされる。これにより、各映像信号区間の付加情報の重畳開始位置は、ランダムに分散されるので、映像信号に重畳された付加情報が、当該映像信号により形成される画像に定常的なノイズとして現れることを確実に防止することができる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明の映像信号伝送方法は、請求項1に記載の映像信号伝送方法であって、
前記重畳開始位置を変更する場合には、予め設定された複数の重畳開始可能位置の中から、発生させた乱数に基づいて選択される位置に変更することを特徴とする。
【0027】
この請求項3に記載の発明の映像信号伝送方法によれば、例えば、映像信号区間内に重畳開始位置とすることができる複数の重畳開始可能位置を予め設定しておく。これらの重畳開始可能位置のそれぞれに、発生させる乱数を割り当てておき、発生させた乱数に基づいて、付加情報の重畳開始位置が一意に決まるようにされる。
【0028】
これにより、重畳開始位置は、予め決められる複数の重畳開始可能位置の中で、ランダムに変更されるので、映像信号に重畳された付加情報が、当該映像信号により形成される画像に定常的なノイズとして現れることを確実に防止することができる。また、付加情報の重畳開始位置は、予め設定された複数の重畳開始可能位置のうちのいずれかであるので、付加情報の重畳開始位置が特定しやすくなる。すなわち、付加情報の検出を行いやすくすることができる。
【0029】
また、請求項4に記載の発明の映像信号伝送方法は、請求項1に記載の映像信号伝送方法であって、
前記重畳開始位置を変更する場合には、予め設定された複数の重畳開始可能位置について、予め決められた順番で前記重畳開始位置を変えるようにするための固定パターン位置情報に基づいて変更することを特徴とする。
【0030】
この請求項4に記載の発明の映像信号伝送方法によれば、映像信号区間内に重畳開始位置とすることができる複数の重畳開始可能位置が予め設定され、この複数の重畳開始可能位置の中で、予めきめられた順番で重畳開始位置を変えるようにするための固定パターン位置情報が用意される。この固定パターン位置情報が決まれば、付加情報の重畳開始位置が一意に決まるようにされるとともに、付加情報の重畳開始位置を予め決められたパターンで、変更するようにされる。
【0031】
これにより、固定パターン位置情報に基づいて、映像信号に重畳される付加情報の重畳開始位置を各映像信号区間で異ならせることができるので、映像信号により形成される画像に、当該映像信号に重畳された付加情報が定常的なノイズとして現れることを防止することができる。また、予め決められたパターンにしたがって、付加情報の重畳開始位置を変えることができるので、映像信号に重畳された付加情報を検出する場合にも、重畳開始位置が特定しやすく、付加情報の検出を行いやすくすることができる。
【0032】
また、請求項5に記載の発明の映像信号伝送方法は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の映像信号伝送方法であって、
前記重畳開始位置を変更する場合には、前記映像信号により形成される画像の水平方向、または、垂直方向、あるいは、水平方向および垂直方向に変えるようにすることを特徴とする。
【0033】
この請求項5に記載の発明の映像信号伝送方法によれば、付加情報の重畳開始位置は、付加情報が重畳された映像信号により再生される画像の水平方向、または、垂直方向に変えるというように、一次元的に変更することができると共に、水平方向および垂直方向に変えるというように2次元的に変えるようにすることができるようにされる。
【0034】
これにより、微小レベルの付加情報の量や、この付加情報を重畳する映像信号区間の大きさなどに応じて、付加情報の重畳開始位置を効果的に変えることができる。
【0043】
また、請求項6に記載の発明の映像信号伝送方法は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の映像信号伝送方法であって、
前記付加情報は、スペクトラム拡散されることにより微小レベルの信号とされたものであることを特徴とする。
【0044】
この請求項6に記載の発明の映像信号伝送方法によれば、付加情報はスペクトラム拡散されることにより、広帯域、微小レベルの信号とされるので、いずれの映像信号区間にも、同じ程度に広帯域、微小レベルの信号とされた付加情報を重畳することができる。また、スペクトラム拡散されて重畳された付加情報は、逆スペクトラム拡散を行うことにより、確実かつ正確に抽出することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、この発明による映像信号伝送方法、映像信号出力装置、付加情報抽出方法および付加情報抽出装置の一実施の形態を説明する。
【0046】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の映像信号出力装置(以下単に出力装置という)10を説明するための図である。この実施の形態の出力装置は、アナログ映像信号の供給を受けて、これをデジタル化し、このデジタル化した映像信号に、スペクトラム拡散することにより広帯域、微小レベルの信号とした、例えば、複製防止制御信号や著作権情報などの付加情報を重畳する。そして、この微小レベルの付加情報を重畳したデジタル映像信号を圧縮して出力することができるものである。
【0047】
このように、この実施の形態の出力装置は、デジタル映像信号に付加情報を重畳して出力することができるものであり、例えば、デジタル映像信号に付加情報を重畳して、例えばDVDなどの記録媒体に記録する記録装置や記録再生装置、あるいは、デジタル映像信号に付加情報を重畳して送出する映像送出装置などに適用されるものである。
【0048】
図1に示すように、この実施の形態の出力装置10は、A/D変換回路1、加算回路2、MPEGエンコーダ3、乱数発生部4、重畳位置設定部5、重畳位置制御部6、初期重畳位置情報保持部7、付加情報発生部8、PN符号発生部9、乗算回路11、基準タイミング発生部12を備えている。
【0049】
この第1の実施の形態の出力装置10には、アナログ映像信号S1が入力され、A/D変換回路1と、基準タイミング信号発生部12とに供給される。A/D変換回路1は、アナログ映像信号S1をデジタル映像信号S2に変換し、これを加算回路2に供給する。
【0050】
一方、基準タイミング信号発生部12は、アナログ映像信号S1から検出される映像同期信号に同期したタイミング信号やクロック信号を形成するもので、例えば図2に示すように、基準タイミング検出部121と、PLL回路122と、タイミング信号生成部123とを備えて構成することができる。
【0051】
基準タイミング検出部121は、アナログ映像信号S1から、基準タイミング信号として映像同期タイミング信号DSを生成する。この実施の形態においては、基準タイミング信号として垂直同期信号を用いるもので、基準タイミング検出部121は、アナログ映像信号S1から垂直同期信号のタイミングを示す信号DSを生成し、これをPLL回路122およびタイミング信号生成部123に供給する。
【0052】
PLL回路122は、垂直同期信号のタイミングに同期したクロック信号CLKを生成する。このクロック信号CLKは、タイミング信号生成部123に供給されると共に、この出力装置10の各部にも供給される。
【0053】
タイミング信号生成部123は、垂直同期信号のタイミングに同期した信号DSとクロック信号CLKとに基づいて、例えば、付加情報発生部8やPN符号発生部9に供給する拡散同期タイミング信号TMなど、この出力装置10の各部で用いられる各種のタイミング信号を発生させ、これらを出力装置10に各部に供給する。
【0054】
付加情報発生部8は、デジタル映像信号S2に重畳しようとする付加情報信号FSを記憶する記憶部を備え、この記憶部には予め付加情報信号FSが格納されている。
【0055】
この付加情報信号FSとしては、複製防止制御などの制御情報、著作権情報などの複製防止用信号などが例として挙げられる。著作権情報としては、例えば当該出力装置10を特定する装置番号が用いられる。この装置番号がデジタル映像信号S2に重畳して記録されていれば、複製された履歴を追跡することが容易にできるものである。
【0056】
この実施の形態では、付加情報信号FSとしては、複製防止制御信号が用いられ、この複製防止制御信号が記憶されている例えばROMが、前述したように付加情報発生部8に付加情報を記憶する記憶部として設けられている。
【0057】
付加情報発生部8では、これに供給される拡散同期タイミング信号TMとクロック信号CLKに同期して、読み出し信号を生成し、この読み出し信号によりデジタル映像信号S2に重畳する付加情報信号FSを出力して、乗算回路11に供給する。この場合、付加情報信号FSはクロックCLKにより付加情報信号列として乗算回路11に供給される。
【0058】
拡散同期タイミング信号TMは、付加情報信号FSのスペクトラム拡散に用いるPN符号列の同期タイミング信号であり、この実施の形態において、この拡散同期タイミング信号TMは、垂直同期信号に同期し、2垂直区間(1フレーム)を1周期とする信号として生成されている。
【0059】
PN符号発生部9は、付加情報発生部8において発生された付加情報信号FSをスペクトラム拡散するための拡散符号として、PN(Pseudorandom Noize;疑似ランダム雑音)符号列PSを発生させる。
【0060】
図3は、PN符号発生部9の構成例を示す図である。この例のPN符号発生部9は、例えば12段のシフトレジスタを構成する12個のDフリップフロップREG1〜REG12と、このシフトレジスタの適宜のタップ出力を演算するイクスクルーシブオア回路EX−OR1〜EX−OR3とからなっている。
【0061】
このPN符号発生部9には、クロック信号CLKと、イネーブル信号ENと、拡散同期タイミング信号(初期化信号)TMが供給される。イネーブル信号ENは、PN符号発生部9を動作状態にするための信号であり、この実施の形態のおいては、この出力装置10に電源が投入されることにより生成されて、PN符号発生部9に供給される。
【0062】
PN符号発生部9は、イネーブル信号ENに応じて動作が可能な状態になる。そして、PN符号発生部9は、拡散同期タイミング信号TMによりリセットされて、PN符号列PSをその先頭から生成するものであり、この実施の形態では、クロック信号CLKに同期してM系列のPN符号列PSを発生する。PN符号発生部9からのPN符号列PSは、乗算回路11に供給される。
【0063】
乗算回路11は、PN符号発生部9からのPN符号列PSを用いて、付加情報発生部8からの付加情報信号FSをスペクトラム拡散し、デジタル映像信号S2に重畳しても、デジタル映像信号に大きな影響を与えることのない、広帯域、微小レベルのスペクトラム拡散信号を形成する。
【0064】
図4は、映像信号に重畳されるスペクトラム拡散信号と、映像信号との関係をスペクトルで示したものである。付加情報信号は、これに含まれる情報量は少なく、低ビットレートの信号であり、図4(a)に示されるように狭帯域の信号である。これにスペクトラム拡散を施すと、図4(b)に示すような広帯域幅の信号となる。このときに、スペクトラム拡散信号レベルは帯域の拡大比に反比例して小さくなる。
【0065】
このスペクトラム拡散信号を、後述する加算回路2において、デジタル映像信号S2に重畳させるのであるが、この場合に、図4(c)に示すように、映像信号のダイナミックレンジより小さいレベルで、スペクトラム拡散信号を重畳させる。このように重畳することにより映像信号の劣化がほとんど生じないようにすることができる。したがって、スペクトラム拡散信号が重畳された映像信号がモニター受像機に供給されて、映像が再生された場合に、スペクトラム拡散信号の影響はほとんどなく、良好な再生映像が得られるものである。
【0066】
しかし、後述するように、重畳されたスペクトラム拡散信号を検出するために、スペクトラム逆拡散を行うと、図4(d)に示すように、スペクトラム拡散信号が再び狭帯域の信号として復元される。十分な帯域拡散率を与えることにより、逆拡散後の付加情報信号の電力が情報信号を上回り、検出可能となる。
【0067】
この場合、映像信号に重畳された付加情報信号は、映像信号と同一時間、同一周波数内に重畳されるため、周波数フィルタや単純な情報の置き換えでは削除および修正が不可能である。
【0068】
したがって、必要な付加情報信号を映像信号などの情報信号に重畳して記録することにより、映像信号に付随して、付加情報信号を確実に伝送することができる。しかも、上述の実施の形態のように、映像信号などの情報信号に比べて低い信号電力でスペクトラム拡散された付加情報信号を情報信号に重畳するようにした場合には、情報信号の劣化を最小にすることができる。
【0069】
したがって、付加情報信号として、例えば複製防止用信号を映像信号などの情報信号に重畳した場合には、複製防止用信号の改ざんや除去が上述のように困難であるので、不正な複製を確実に防止することができる複製防止制御が可能になる。
【0070】
この実施の形態においては、前述したように、1フレーム周期の拡散同期タイミング信号TMに基づいて発生される、1フレーム周期のPN符号列を用いてスペクトラム拡散を行い、形成されたスペクトラム拡散信号1フレーム毎に重畳するようにする。また、スペクトラム拡散信号は、映像信号をモニターに供給して映像を表示したときに、その映像を乱さない微小レベルでデジタル映像信号S2に対して重畳される。例えば、1画素分を8ビットで表現するようにする場合に、この8ビットサンプルのデジタル映像信号の最下位ビットやその次のビット目に、スペクトラム拡散信号を加算して重畳するようにする。
【0071】
ところが、前述したように、スペクトラム拡散信号の伝送経路での劣化や、スペクトラム拡散信号の検出効率の向上などを考慮して、例えば、複数フレームに渡って同じスペクトラム拡散信号を重畳する場合がある。スペクトラム拡散信号は、前述したように、デジタル映像信号の例えば最下位ビットに加算されて重畳されるが、このように、微小レベルの信号として重畳されても、同じスペクトラム拡散信号が、各フレーム内の同じ位置を重畳開始位置として、複数フレームにわたり重畳された場合には、図11Eに示したように定常ノイズとして知覚されやすくなってしまう。
【0072】
そこで、この実施の形態の出力装置10は、乱数発生部4において発生させた乱数に基づいて、付加情報を重畳する映像信号区間である1フレーム毎に、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置をランダムに変更するようにする。
【0073】
この実施の形態の出力装置10において、乱数発生部4は、基準タイミング発生部12からのタイミング信号に応じて、1フレーム毎に乱数R1を発生させ、これを重畳位置設定部5に供給する。
【0074】
この実施の形態においては、乱数発生部4において発生される乱数R1のそれぞれは、予め設定された複数の重畳開始可能位置のうちの1つに対応するようにされており、重畳位置設定部5は、供給された乱数R1に基づいて、この乱数R1に対応する重畳開始位置を示す重畳位置情報TJを重畳位置制御部6に供給する。この実施の形態において、重畳位置情報TJは、後述もするように、今回のフレームのスペクトラム拡散信号の重畳開始位置が予め定められた基準位置から、水平方向および垂直方向にどれだけ離れた位置にあるかを示す情報である。
【0075】
つまり、この実施の形態においては、図5Aに示すように、フレームFLの左上端部(有効画面の一番先頭)を原点として、(水平方向の位置,垂直方向の位置)が、(h,v)である位置が初期重畳位置(基準位置)となるようにされている。そして、図5Bに示すように、水平方向には位置hを基準として、±a、垂直方向には位置vを基準として、±bの範囲内でスペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更することができるようにされている。この明細書において、これら、h,v,a,bのそれぞれは正の整数である。
【0076】
したがって、この実施の形態の出力装置10は、1フレーム内において、−a≦h≦a、−b≦v≦bの範囲内で、水平方向には画素単位に、垂直方向にはライン単位に、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変えることができる。
【0077】
以下においては、説明を簡単にするため、この実施の形態に出力装置10は、図5Bに示すように、1フレーム内において、−a≦h≦a、−b≦v≦bの範囲内にある9か所の重畳開始可能位置をスペクトラム拡散信号の重畳開始位置とすることができるようにされたものとして説明する。つまり、重畳開始位置をフレーム内の座標位置として、(水平方向の位置,垂直方向の位置)で表すと、図5Bに示すように、この実施の形態においては、位置(h,v)、位置(h+a,v−b)、位置(h,v−b)、位置(h−a,v−b)、位置(h−a,v)、位置(h−a,v+b)、位置(h,v+b)、位置(h+a,v+b)、位置(h+a,v)のそれぞれをスペクトラム拡散信号の重畳開始位置として、選択することができるようにされている。
【0078】
そして、重畳位置設定部5においては、乱数発生部4からの乱数R1は、図5Bに示した9個の重畳開始可能位置のいづれかに対応するようにされており、乱数R1に基づいて、これに対応する重畳位置情報TJが決まるようにされている。この実施の形態においては、重畳位置情報TJは、重畳開始位置の基準位置(h,v)からのずれを示す情報であり、乱数発生部4からの乱数R1が位置(h,v)を重畳開始位置とするものであるときには、重畳位置設定部5は、重畳位置情報TJとして、(0,0)を重畳位置制御部6に供給する。同様に、乱数R1が位置(h+a,v−b)、を重畳開始位置とするものであるときには、重畳位置設定部5は、重畳位置情報TJとして、(a,−b)を重畳位置制御部6に供給する。このように、重畳位置設定部5から出力される重畳位置情報TJは、基準位置(h,v)を基準として、重畳開始位置を示す情報である。
【0079】
初期重畳位置情報保持部7は、前述の初期重畳位置を示す初期重畳位置情報STを保持するメモリを備え、基準タイミング信号発生部12からのタイミング信号に応じて、初期重畳位置情報STをメモリから読み出して、重畳位置制御部6に供給する。前述したように、初期重畳位置情報STは、スペクトラム拡散信号SFの重畳開始位置を設定するに当たっての1フレーム内の基準位置を示すものである。
【0080】
重畳位置制御部6は、重畳位置情報TJと初期重畳位置情報STとに基づいて、乗算回路11からのスペクトラム拡散信号SFの重畳開始位置を制御する。この実施の形態において、重畳位置制御部6は、初期重畳位置情報STと重畳位置情報TJとに基づいて、スペクトラム拡散信号SFを重畳するフレーム上の重畳開始位置を設定し、この設定した重畳開始位置からデジタル映像信号S2に対してスペクトラム拡散信号SFを重畳するように、加算回路2に供給するスペクトラム拡散信号SFの出力タイミングを制御する。
【0081】
例えば、乱数発生部4からの乱数R1に基づいて、重畳位置設定部5から重畳位置制御部6に供給された重畳位置情報TJが、(a,b)である場合には、重畳位置制御部6は、図5Cに示すように、位置(h+a,v+b)からデジタル映像信号S2に対し、スペクトラム拡散信号SFを重畳するように、スペクトラム拡散信号SFの重畳開始位置を制御する。このように、重畳位置制御部6は、重畳位置設定部5からの重畳位置情報TJと、初期重畳位置情報STとに基づいて、重畳開始位置を変更することができるものである。
【0082】
そして、乗算回路11からのスペクトラム拡散信号SFは、重畳位置制御部6により重畳開始位置が制御され、加算回路2に供給される。そして、加算回路2において、デジタル映像信号S2に対して、重畳位置制御部6により定められた重畳開始位置よりスペクトラム拡散信号SFが重畳される。これにより加算回路2からは、スペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号S3が出力され、MPEGエンコーダ3に供給される。
【0083】
MPEGエンコーダ3は、スペクトラム拡散信号SFが重畳されたデジタル映像信号S3に対して、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式のデータ圧縮処理を行い、圧縮したデジタル映像信号S4を形成し、これを出力する。
【0084】
そして、このMPEGエンコーダ3において、圧縮されたデジタル映像信号S4は、例えば、DVDやデジタルVTRなどの記録媒体に記録されたり、あるいは、電話回線などの通信回線を通じて、または、無線で、各種の映像情報処理装置に伝送するようにされる。
【0085】
このように、この実施の形態の出力装置10は、図6Aに示すように、スペクトラム拡散された付加情報であるスペクトラム拡散信号のデジタル映像信号に対する重畳開始位置を、フレーム毎に変更する。これにより、連続する複数フレームに同じ内容のスペクトラム拡散信号を重畳した場合でも、各フレームにおいてのスペクトラム拡散信号のデジタル映像信号に対する重畳位置を異ならせることができる。つまり、連続する複数フレームに同じ内容のスペクトラム拡散信号を重畳した場合でも、クロック信号CLKに基づいて、発生されたPN符号によって拡散された1チップ毎のスペクトラム拡散信号の重畳位置は、各フレーム異なるようにされる。
【0086】
これにより、スペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号が再生された場合に、当該デジタル映像信号に重畳されているスペクトラム拡散信号が定常的なノイズとなることがなく、図6Bに示すようにランダムノイズとなるようにして目立たせないようにすることができる。したがって、スペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号を再生しても、これに重畳されたスペクトラム拡散信号が定常的なノイズとして目立つこともなく、良好な画像を再生することができる。
【0087】
次に、この第1の実施の形態の出力装置10により、微小レベルの付加情報であるスペクトラム拡散信号が重畳されるとともに圧縮されて出力されたデジタル映像信号の供給を受けて、これに重畳されているスペクトラム拡散信号を抽出し、抽出した情報を利用するようにする付加情報抽出装置について説明する。
【0088】
以下に説明する付加情報抽出装置は、例えば、デジタル映像信号に重畳されている付加情報に基づいて、再生制御を行うデジタルVTRやDVDの再生装置のような映像信号の再生装置や、デジタル映像信号に重畳されている付加情報に基づいて記録制御を行うデジタルVTRやDVDの記録装置などの映像信号の記録装置に適用されるものである。
【0089】
図7は、この実施の形態の付加情報抽出装置20を説明するためのブロック図である。図7に示すように、この実施の形態の付加情報抽出装置20は、MPEGデコーダ21、D/A変換回路22、出力制御部23、逆拡散部24、PN符号発生部25、付加情報判定部26、基準タイミング発生部27を備えている。
【0090】
この実施の形態の付加情報抽出装置20には、前述したように、図1に示した出力装置10からの複製防止制御信号がスペクトラム拡散されて形成されたスペクトラム拡散信号が重畳されて圧縮されたデジタル映像信号S21が入力され、MPEGデコーダ21に供給される。
【0091】
MPEGデコーダ21は、基準タイミング信号発生部27からのタイミング信号、クロック信号の供給を受けて、MPEG方式で圧縮されているデジタル映像信号S21を伸長処理して、デジタル映像信号S22を形成し、これをD/A変換回路22と逆拡散部24とに供給する。
【0092】
D/A変化回路22は、基準タイミング信号発生部27からのタイミング信号とクロック信号とに応じて、デジタル映像信号S22をアナログ映像信号S23に変換し、これを出力制御部23に供給する。
【0093】
基準タイミング信号発生部27は、この付加情報抽出装置20の各部に供給するタイミング信号やクロック信号を形成し、これらを各部に供給するものである。この実施の形態において、基準タイミング信号発生部27は、PN符号発生部25に対しては、デジタル映像信号S22の各フレームの先頭を示すタイミング信号TMと、このタイミング信号TMに同期するクロック信号CLKとを供給する。
【0094】
つまり、基準タイミング信号発生部27は、デジタル映像信号S22に対して、スペクトラム拡散時に出力装置10のPN符号発生部9において用いられたタイミング信号TM、クロック信号CLKと同じタイミング信号TM、クロック信号CLKを形成して、これらをPN符号発生部25に供給する。
【0095】
PN符号発生部25は、図3を用いて前述した出力装置10のPN符号発生部9と同様に構成されたものであり、タイミング信号TMに基づくタイミング毎に、クロック信号CLKに応じて、出力装置10においてスペクトル拡散時に用いられたPN符号列と同じPN符号列PSをその先頭から発生させる。つまり、PN符号発生部25は、1フレーム毎に、クロック信号CLKに応じてPN符号列PSをその先頭から発生させて、これを逆拡散部24に供給する。
【0096】
逆拡散部24は、乗算回路を備え、MPEGデコーダ21からのデジタル映像信号S22に対して、PN符号列PSを掛け合わせることにより、逆スペクトル拡散を行って、デジタル映像信号S22に重畳されている付加情報FSを抽出する。
【0097】
この実施の形態においては、スペクトラム拡散された付加情報であるスペクトラム拡散信号の重畳開始位置は、デジタル映像信号のフレーム毎に変えられている。つまり、この実施の形態においては、図5Bに示したように、9か所のうちのいづれかが重畳開始位置となるように、発生させた乱数に基づいて、各フレーム毎にスペクトラム拡散信号の重畳開始位置が決められている。
【0098】
このため、逆拡散部24においては、図5Bに示した9つの重畳開始可能位置のそれぞれからPN符号列PSを掛け合わせることにより逆スペクトラム拡散を行う。そして、逆スペクトラム拡散を行うことにより、予め決められたレベル以上の信号が得られたか否かを確認し、予め決められたレベル以上の信号が得られた重畳開始可能位置からの逆スペクトラム拡散により得られる信号を付加情報FSとして、付加情報判定部26に供給する。
【0099】
つまり、デジタル映像信号S22に対して、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置から正しく逆スペクトラム拡散用のPN符号列を掛け合わせることができなかったときには、PN符号列PSと、これが掛け合わされるスペクトラム拡散信号が重畳された映像信号との相関は低いので、デジタル映像信号S22およびこれに重畳されているスペクトラム拡散信号は、逆スペクトラム拡散用のPN符号列PSにより拡散されて、逆スペクトラム拡散により得られる信号のレベルは小さくなる。
【0100】
これに対して、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置から逆スペクトラム拡散用のPN符号列を正しく掛け合わせることができた場合には、逆スペクトラム拡散用のPN符号列PSとは相関の少ない映像信号成分は拡散されて、そのレベルは小さくなるが、逆拡散のPN符号列PSと同じ拡散符号列PSにより拡散されている付加情報FSのレベルは大きくなり、スペクトラム拡散前の高レベル、狭帯域の付加情報FSとして検出することが可能となる。
【0101】
このようにして、この実施の形態において、逆拡散部24は、各フレームにおいて、図5Bに示したように、予め決められた9か所のそれぞれから逆スペクトラム拡散を行うことによって、スペクトラム拡散信号の正確な重畳開始位置を検出し、この検出した正確な重畳開始位置から逆スペクトラム拡散を行うことによって、スペクトラム拡散信号としてデジタル映像信号S22に重畳されている付加情報FSをデジタル映像信号S22から抽出する。
【0102】
付加情報判定部26は、逆スペクトラム拡散を行うことによって、抽出された付加情報列FSに基づいて、元の付加情報を復元し、当該付加情報は、どのような内容を示すものかを判定し、その判定内容に応じた制御信号CTLを形成して、これを出力制御部23に供給する。
【0103】
この実施の形態においては、前述したように、デジタル映像信号に重畳されている付加情報は、当該デジタル映像信号に対する複製防止制御信号である。このため、付加情報判定部26は、復元した付加情報が、当該デジタル映像信号の複製を禁止するものである場合には、例えば、出力を禁止する制御信号CTLを形成し、復元した付加情報が複製を許可するものであるときには、出力を許可する制御信号CTLを検出して出力制御部23に供給する。
【0104】
出力制御部23は、付加情報判定部26からの制御信号CTLに基づいて、D/A変換回路22からのアナログ映像信号S23の出力制御を行う。つまり、付加情報判定部26からの制御信号CTLが出力を禁止するものであるときには、アナログ映像信号S23をこの付加情報抽出装置20から出力しないようにし、付加情報判定部26からの制御信号CTLが出力を許可するものであるときには、アナログ映像信号S23を、この付加情報抽出装置20から出力する。
【0105】
このように、この実施の形態の付加情報抽出装置20は、各フレーム毎に重畳開始位置が異なるようにされて重畳されたスペクトラム拡散信号を迅速に検出して、出力制御などに用いることができる。
【0106】
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態の映像信号出力装置(以下単に出力装置という)30を説明するための図である。この第2の実施の形態の出力装置30は、図1を用いて前述した出力装置10と同様に、デジタル映像信号に付加情報を重畳して、例えばDVDなどの記録媒体に記録する記録装置や記録再生装置、あるいは、デジタル映像信号に付加情報を重畳して送出する映像送出装置などに適用されるものである。
【0107】
図8に示すように、この実施の形態の出力装置30は、A/D変換回路1、加算回路2、MPEGエンコーダ3、固定パターン位置情報発生14、重畳位置設定部5、重畳位置制御部6、初期重畳位置情報保持部7、付加情報発生部8、PN符号発生部9、乗算回路11、基準タイミング発生部12を備えている。この第2の実施の形態の出力装置30は、固定パターン位置情報発生14以外の各部は、図1を用いて前述した出力装置10と同様に構成されたものである。
【0108】
そして、この第2の実施の形態において、出力装置30の固定パターン位置情報発生部14は、各フレーム毎に変えるようにするスペクトラム拡散信号の重畳開始位置を、予め決められたパターンにしたがって変えるようにするための位置情報を発生させる。
【0109】
この第2の実施の形態においても、図5Bに示したように、9個の重畳開始可能位置の中のいづれかの位置を重畳開始位置とすることができるようにされているが、第1の実施の形態の場合にように、発生させた乱数に応じて各フレーム毎にランダムに重畳開始位置を変更するものではなく、重畳開始位置の変更パターンは、予め決められているものである。
【0110】
この第2の実施の形態のスペクトラム拡散信号の重畳開始位置の変更方法に付いて、図5を用いて前述した第1の実施の形態に場合と同様に、各フレーム内においての重畳開始位置を、(水平方向の位置,垂直方向の位置)で表すものとして説明する。
【0111】
この第2の実施の形態においては、例えば、初期初期重畳位置情報保持部7が保持する初期重畳位置情報STが示す位置(h,v)を最初のフレームのスペクトラム拡散信号の重畳開始位置とする。そして、フレームが変わるごとに、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を、位置(h,v)→位置(h+a,v−b)→位置(h,v−b)→位置(h−a,v−b)→位置(h−a,v)→位置(h−a,v+b)→位置(h,v+b)→位置(h+a,v+b)→位置(h+a,v)→位置(h,v)というように、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を予めきめら決められた順序で変更する。
【0112】
固定パターン位置情報発生部14は、上述のように、予め定められた複数の重畳開始可能位置の中で、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を予め決められた順序で変更するため固定パターン位置情報を有しており、基準タイミング信号発生部12からのタイミング信号に基づいて、1フレーム毎にスペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するための固定パターン位置情報K1を発生させ、これを重畳位置設定部5に供給する。
【0113】
この実施の形態において、固定パターン位置情報発生部14で発生させる固定パターン位置情報K1は、図5Bに示した重畳開始位置となり得る9個の各位置に対応して予め定められた数値情報である。
【0114】
例えば、位置(h,v)を重畳開始位置とする場合には「0」、位置(h+a,v−b)を重畳開始位置とする場合には「1」、位置(h,v−b)を重畳開始位置とする場合には「2」というように、図5Bに示した9個の位置に対応して定められた数値情報が、固定パターン位置情報K1として用意されている。この他、この実施の形態においては、位置(h−a,v−b)の場合には「3」を、位置(h−a,v)の場合には「4」を、位置(h−a,v+b)の場合には「5」を、位置(h,v+b)の場合には「6」を、位置(h+a,v+b)の場合には「7」を、位置(h+a,v)の場合には「8」を固定パターン位置情報K1として、重畳位置設定部5に供給することができるようにされている。
【0115】
重畳位置設定部5は、固定パターン位置情報発生部14からの固定パターン位置情報K1に基づいて、スペクトラム拡散信号の重畳位置情報TJを設定し、これを重畳位置制御部6に供給する。この第2の実施の形態の場合にも、重畳位置設定部5は、初期重畳位置情報保持部7からの初期重畳位置を基準として、水平方向、垂直方向にどれだけずらすかを示す情報を重畳位置情報TJとする。
【0116】
すなわち、この実施の形態において、重畳位置設定部5は、たとえば、固定パターン位置情報K1=「0」のときには、重畳位置情報TJ=(0,0)を出力し、情報K1=「1」のときには、重畳位置情報TJ=(a,−b)を出力する。このように、重畳位置設定部5は、固定パターン情報発生部14からの固定パターン位置情報K1に基づいて、重畳位置情報TJを設定し、これを重畳位置制御部6に供給する。
【0117】
重畳位置制御部6は、前述した第1の実施の形態に場合と同様に、重畳位置情報TJと初期重畳位置情報STとに基づいて、乗算回路11からのスペクトラム拡散信号SFの重畳開始位置を制御する。重畳位置制御部6は、例えば、重畳位置情報TJが、(0,0)の場合には、重畳開始位置は、初期重畳位置のままであると判断し、乗算回路11からのスペクトラム拡散信号SFを、図5Bに示した位置(h,v)から重畳するようにスペクトラム拡散信号の重畳開始位置を制御する。
【0118】
同様に、重畳位置制御部6は、重畳位置設定部5からの重畳位置情報TJが、(a,−b)のときには、位置(h+a,v−b)からスペクトラム拡散信号をデジタル映像信号S2に重畳するように制御し、また、重畳位置情報TJが、(0,−b)のときには、位置(h,v−b)からスペクトラム拡散信号をデジタル映像信号S2に重畳するように制御する。
【0119】
このように、この第2の実施の形態の出力装置30においては、1フレーム毎に、予め決められた順序で、スペクトラム拡散信号SFの重畳開始位置を変更する。これにより、前述の第1の実施の形態の出力装置10と同様に、連続する複数フレームに同じ内容のスペクトラム拡散信号を重畳した場合でも、各フレームにおいてのスペクトラム拡散信号のデジタル映像信号S2に対する重畳位置を異ならせることができる。したがって、スペクトラム拡散信号が当該デジタル映像信号に対して定常的なノイズとなることもなく、スペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号を再生した場合でも、良好な再生画像を得ることができる。
【0120】
なお、この第2の実施の形態の出力装置30により、スペクトラム拡散された付加情報であるスペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号から、当該付加情報を抽出する場合には、図7を用いて前述した付加情報抽出装置20を用いることにより、逆スペクトラム拡散を行って、付加情報を抽出することができる。
【0121】
この場合、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置は、予め決められた順序(パターン)で変更するようにされる。このため、この重畳開始位置の変更順序を付加情報抽出装置20に与えておくことにより、スペクトラム拡散信号の重畳位置を検出することなく、例えば、タイミング発生回路11により発生させるタイミングを制御して、各フレームのスペクトラム拡散信号の重畳開始位置から逆スペクトラム拡散を行って、付加情報を抽出することができる。
【0122】
すなわち、スペクトラム拡散信号の重畳位置を、フレーム毎に変更するようにしても、迅速かつ正確に逆スペクトラム拡散を行って、デジタル映像信号に重畳されている付加情報を検出することができる。
【0123】
なお、重畳開始位置の変更パターンは、この第2の実施の形態において用いたパターンに限るものではなく、様々なパターンを用いるようにすることができる。つまり、重畳開始位置の変更パターンは、固定パターン位置情報発生部14において発生させる、固定パターン位置情報K1の発生順を変えることにより、変更することができる。
【0124】
[第3の実施の形態]
前述もしたように、スペクトラム拡散した付加情報であるスペクトラム拡散信号を映像信号に重畳する場合、重畳したスペクトラム拡散信号がノイズとして目立ちやすいか否かは、スペクトラム拡散信号が重畳される映像信号が形成する画像の特性によっても異なるものである。
【0125】
例えば、輝度値が高い明るい画像や、輝度成分の変化の激しい画像の場合には、スペクトラム拡散信号を重畳しても、これがノイズとして目立つことは少ないが、輝度値が低い暗い画像や、輝度成分の変化の少ない、平坦な画像の場合には、スペクトラム拡散信号を重畳すると、これがノイズとして目立ちやすい。
【0126】
そこで、この第3の実施の形態においては、スペクトラム拡散信号を重畳する映像信号の画像の特性を考慮して、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するか否かを決めるようにする。つまり、スペクトラム拡散信号を重畳した場合に、スペクトラム拡散信号がノイズとして知覚しやすい画像の場合には、重畳開始位置を変更するようにし、スペクトラム拡散信号がノイズとして知覚されにくい画像の場合には、重畳開始位置を変更しないようにして、重畳開始位置の変更回数を最小限に押さえるようにする。
【0127】
このようにすることにより、不必要な重畳開始位置の変更を行うこともないし、また、重畳開始位置の変更回数が少なくなれば、逆スペクトラム拡散時においいて、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置の検出がしやすくなり、逆スペクトラム拡散処理より迅速かつ正確に行うようにすることができる。
【0128】
図9は、この第3の実施の形態の映像信号出力装置(以下単に出力装置という)40を説明するための図である。この第3の実施の形態の出力装置40は、図1を用いて前述した出力装置10と同様に、デジタル映像信号に付加情報を重畳して、例えばDVDなどの記録媒体に記録する記録装置や記録再生装置、あるいは、デジタル映像信号に付加情報を重畳して送出する映像送出装置などに適用されるものである。
【0129】
図9に示すように、この実施の形態の出力装置40は、A/D変換回路1、加算回路2、MPEGエンコーダ3、乱数発生部4、重畳位置設定部5、重畳位置制御部6、初期重畳位置情報保持部7、付加情報発生部8、PN符号発生部9、乗算回路11、基準タイミング発生部12を備えると共に、メモリ41、画像情報特性判定部42を備えている。この第3の実施の形態の出力装置40は、メモリ41および画像情報特性判定部42以外の各部は、図1を用いて前述した出力装置10と同様に構成されたものである。
【0130】
この第3の実施の形態の出力装置40は、前述の第1の実施の形態の出力装置10の場合と同様に、スペクトラム拡散された付加情報であるスペクトラム拡散信号SFを映像信号の1フレーム毎に重畳して出力するものである。
【0131】
この第3の実施の形態の出力装置40において、メモリ41は、デジタル映像信号を一時記憶するバッファとして用いられるものであり、この実施の形態においては、1フレーム分のデジタル映像信号を記憶するフレームメモリである。
【0132】
この出力装置40に入力されたアナログ映像信号S11は、A/D変換回路1において、デジタル映像信号S12に変換され、これがメモリ41に一時記憶される。メモリ41へのデジタル映像信号S12の書き込み、および、メモリ12からのデジタル映像信号S13の読み出しは、基準タイミング発生部12からのタイミング信号とクロック信号とに基づいて行うようにされる。
【0133】
画像情報特性判定部42は、メモリ41に一時記憶されたデジタル映像信号を参照し、当該1フレーム分のデジタル映像信号により再生される画像は、スペクトラム拡散信号が重畳された場合に、重畳されたスペクトラム拡散信号がノイズとして目立つ可能性が小さい画像か、目立つ可能性が大きい画像かを判定し、目立つ可能性が大きい画像であると判定した場合に、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するように指示する指示信号J1を重畳位置設定部5に供給する。
【0134】
この実施の形態において、画像情報特性判定部42は、例えば1フレーム分の映像信号を、8画素×8画素のブロックに分割し、各ブロックの輝度値を求める。そして、画像情報特性判定部42は、各ブロックの輝度値と、予め設定される平均輝度値との差(ずれ)を検出する。
【0135】
画像情報特性判定部42は、各ブロックの輝度値が平均輝度値より大きい場合には、メモリ41に一時記憶されている画像は、スペクトラム拡散信号を重畳した場合に、スペクトラム拡散信号がノイズとして目立つことが少ない明るい画像であると判断する。また、各ブロックの輝度値が平均輝度値より小さい場合には、メモリ41に一時記憶されている画像は、スペクトラム拡散信号を重畳した場合に、スペクトラム拡散信号がノイズとして目立ちやすい暗い画像であると判断する。
【0136】
そして、画像情報特性判定部42は、スペクトラム拡散信号がノイズとして目立ちやすい暗い画像であると判断した場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するように指示する指示信号J1を重畳位置設定部5に供給する。
【0137】
重畳位置設定部5は、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、乱数発生部4からの乱数R1に基づいて、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を示す重畳位置情報TJを形成し、これを重畳位置制御部6に供給するものである。しかし、この第3の実施の形態において、重畳位置設定部5は、画像情報特性判定部42からの重畳開始位置を変更するように指示する指示信号J1が供給されたときにのみ、乱数R1に応じて重畳位置情報TJを設定して、これを重畳位置制御部6に供給する。
【0138】
重畳位置制御部6は、第1の実施の形態において前述したように、重畳位置設定部5からの重畳位置情報TJと、初期重畳位置情報保持部7からの初期重畳位置情報STとに基づいて定められる位置を重畳開始位置としてスペクトラム拡散信号を、前述のメモリ41から読み出されて、加算回路2に供給されるデジタル映像信号S13に重畳するように制御する。
【0139】
この第3の実施の形態においては、上述のように、画像情報特性判定部42において、メモリ41に一時記憶されている画像が、スペクトラム拡散信号が重畳されたときに、これが目立ちやすい暗い画像であると判断された場合にしか、重畳位置設定部5からの重畳位置情報TJは、重畳位置制御部6に供給されない。このため、重畳位置情報TJが新たに供給されないときには、重畳位置制御部6は、前のフレームの重畳開始位置を、新たなフレームの重畳開始位置する。つまり、この場合には、重畳開始位置は変更されない。
【0140】
このように、この第3の実施の形態においては、スペクトラム拡散信号SFを重畳するフレームの画像が、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が大きい暗い画像の場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更し、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が小さい明るい画像の場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更しないようにする。
【0141】
これにより、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が大きい暗い画像のフレームに対しては、前のフレームとは重畳開始位置が変えられる。このため、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が大きい暗い画像の連続するフレームに、同じスペクトラム拡散信号が重畳された場合でも、前のフレームとは、重畳開始位置が異なるようにされるので、映像信号に重畳されたスペクトラム拡散信号が定常的なノイズとして目立つことがないようにすることができる。
【0142】
また、明るい画像に、広帯域、微小レベルのスペクトラム拡散信号を重畳しても、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立つ可能性は少ないので、明るい画像のフレームに対しては、重畳開始位置を変えないようにする。これにより、重畳開始位置の変更回数を必要最小限に押さえることができる。また、この場合、すべてのフレームにおいて、重畳開始位置が変えられるわけではないので、逆スペクトラム拡散を行って、映像信号にスペクトラム拡散信号として重畳されている付加情報を抽出する場合に、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置が見つけやすくなる。
【0143】
なお、この第3の実施の形態の出力装置40により、スペクトラム拡散された付加情報であるスペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号から、当該付加情報を抽出する場合には、図7を用いて前述した付加情報抽出装置20を用いることにより、逆スペクトラム拡散を行って、付加情報を抽出することができる。
【0144】
この場合、各フレームの重畳開始位置は、前のフレームと同じである場合が多くなるので、逆スペクトラム拡散を行う場合に、前のフレームの重畳開始位置と同じ位置からの逆スペクトラム拡散により得られた信号が、所定レベル以上か否かを優先的に検出することにより、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置が変更されないフレームにタイミングするスペクトラム拡散信号をより早く検出することが逆拡散部24によりより早く行うことが可能となる。
【0145】
また、図7に示した付加情報抽出装置20に、この第3の実施の形態の出力装置40の場合と同様に、フレームメモリと、画像情報特性判定部とを設け、付加情報抽出装置20において、各フレームの画像の特性を判定する。そして、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立つ可能性が少ない明るい画像であると判定した場合には、そのフレームのスペクトラム拡散信号の重畳開始位置は、直前のフレームの重畳開始位置と同じであると判断し、直前のフレームの重畳開始位置として逆スペクトラム拡散を行うようにすることもできる。
【0146】
[第4の実施の形態]
図10は、第4の実施の形態の映像信号出力装置(以下単に出力装置という)50を説明するための図である。この第4の実施の形態の出力装置50は、前述した実施の形態の出力装置のそれぞれと同様に、デジタル映像信号に付加情報を重畳して、例えばDVDなどの記録媒体に記録する記録装置や記録再生装置、あるいは、デジタル映像信号に付加情報を重畳して送出する映像送出装置などに適用されるものである。
【0147】
図10に示すように、この実施の形態の出力装置50は、A/D変換回路1、加算回路2、MPEGエンコーダ3、固定パターン位置情報発生部14、重畳位置設定部5、重畳位置制御部6、初期重畳位置情報保持部7、付加情報発生部8、PN符号発生部9、乗算回路11、基準タイミング発生部12、メモリ41、画像情報特性判定部42を備えている。
【0148】
このように、この第4の実施の形態の出力装置50は、乱数発生部4に変えて、固定パターン位置情報発生部14を搭載するようにしたものであり、それ以外の各部分は、第3の実施の形態の出力装置40と同様に構成されたものである。また、メモリ41および画像情報特性判定部42を搭載したことを除けば、図8を用いて前述した第2の実施の形態の出力装置30と同様に構成されたものである。
【0149】
図10に示すこの第4の実施の形態の出力装置50のメモリ41は、第3の実施の形態において説明したように、1フレーム分のデジタル映像信号を一時記憶するバッファとして用いられるものであり、A/D変換回路1からのデジタル映像信号S12が、一時記憶される。
【0150】
画像情報特性判定部42は、前述した第3の実施の形態の場合と同様に、メモリ41に一時記憶されたデジタル映像信号を、8画素×8画素のブロックに分割し、各ブロックの輝度値を求め、この輝度値と予め設定される平均輝度値との差(ずれ)を検出する。
【0151】
画像情報特性判定部42は、各ブロックの輝度値が平均輝度値より大きい場合には、メモリ41に一時記憶されている画像は、重畳されたスペクトラム拡散信号がノイズとして目立つことが少ない明るい画像であると判断する。また、各ブロックの輝度値が平均輝度値より小さい場合には、メモリ41に一時記憶されている画像は、重畳されたスペクトラム拡散信号がノイズとして目立ちやすい暗い画像であると判断する。
【0152】
そして、画像情報特性判定部42は、スペクトラム拡散信号がノイズとして目立ちやすい暗い画像であると判断した場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するように指示する指示信号J1を重畳位置設定部5に供給する。
【0153】
重畳位置設定部5は、前述した第2の実施の形態の場合と同様に、固定パターン位置情報発生部14からの固定パターン位置情報K1に基づいて、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を設定するための重畳位置情報TJを形成し、これを重畳位置制御部6に供給する。この第4の実施の形態の場合には、重畳位置設定部5は、画像情報特性判定部42からの重畳開始位置を変更するように指示する指示信号J1が供給されたときにのみ、前述した第2の実施の形態の場合と同様にして、固定パターン位置情報発生部からの情報K1に基づいて重畳位置情報TJを設定し、これを重畳位置制御部6に供給する。
【0154】
重畳位置制御部6は、第2の実施の形態において前述したように、重畳位置設定部5からの重畳位置情報TJと、初期重畳位置情報保持部7からの初期重畳位置情報STとに基づいて重畳開始位置を設定する。そして、この設定した重畳開始位置からスペクトラム拡散信号SFを、メモリ41から読み出されて加算回路2に供給されたデジタル映像信号13に重畳するように制御する。
【0155】
そして、この第4の実施の形態においても、前述の第3の実施の形態の出力装置40の場合と同様に、画像情報特性判定部42において、メモリ41に一時記憶されている画像が、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立ちやすい暗い画像であると判断された場合にしか、重畳位置設定部5からの重畳位置情報TJは、重畳位置制御部6に供給されない。したがって、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置の変更は、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立つ可能性の大きな、輝度値が平均輝度値より低い暗い画像の場合にしか変更されない。
【0156】
このように、この第4の実施の形態においても、第3の実施の形態の場合と同様に、スペクトラム拡散信号SFを重畳するフレームの画像が、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が大きい暗い画像の場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更し、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が小さい明るい画像の場合には、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更しないようにされる。
【0157】
これにより、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が大きい暗い画像のフレームに対しては、前のフレームとは重畳開始位置が変えられる。このため、重畳されたスペクトラム拡散が目立つ可能性が大きい暗い画像の連続するフレームに、同じスペクトラム拡散信号が重畳された場合でも、前のフレームとは、重畳開始位置が異なるようにされるので、映像信号に重畳されたスペクトラム拡散信号が定常的なノイズとして目立つことがないようにすることができる。
【0158】
また、明るい画像に、広帯域、微小レベルのスペクトラム拡散信号を重畳しても、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立つ可能性は少ないので、明るい画像のフレームに対しては、重畳開始位置を変えないようにする。これにより、重畳開始位置の変更回数を必要最小限に押さえることができる。
【0159】
なお、この第4の実施の形態の出力装置50により、スペクトラム拡散された付加情報であるスペクトラム拡散信号が重畳されたデジタル映像信号から、当該付加情報を抽出する場合にも、図7を用いて前述した付加情報抽出装置20を用いることにより、逆スペクトラム拡散を行って、付加情報を抽出することができる。
【0160】
なお、前述の第3、第4の実施の形態において、画像情報特性判定部42は、スペクトラム拡散信号を重畳する映像信号の画像が、明るい画像か、暗い画像かに応じて、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するか否か判定するようにした。しかし、これに限るものではない。
【0161】
例えば、画像の高周波成分の値や、輝度値の分散の情報を算出し、この算出した情報に基づいて、スペクトラム拡散信号を重畳した場合に、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立つ可能性の大きい画像か、重畳されたスペクトラム拡散信号が目立つ可能性が小さい画像かを判定することができる。
【0162】
つまり、画像の周波数成分が高い場合には、その画像は変化が激しく、スペクトラム拡散信号を重畳してもこれが目立つことの少ない画像であると判断することができる。逆に、画像の周波数成分が低い場合には、その画像は変化が少なく、スペクトラム拡散信号を重畳した場合には、これが目立ちやすい画像であると判断することができる。
【0163】
また、例えば、予めきめられたブロックの範囲内において、そのブロックを構成する各画素の輝度値が、一定ではなく、分散している場合には、そのブロックの画像は、輝度値の変化が大きい画像であり、スペクトラム拡散信号を重畳してもこれが目立つ可能性が小さい画像であると判断することができる。また、そのブロックを構成する各画素の輝度値は、あまり変化していない場合には、そのブロックの画像は、輝度値の変化の少ない画像であり、スペクトラム拡散信号を重畳した場合には、これが目立つ可能性の大きな画像であると判断することができる。
【0164】
このように、画像情報特性判定部42において、画像の高周波成分の値や、輝度値の分散の情報を算出し、この算出した情報に基づいて、画像の特性を判別することができる。
【0165】
また、画像の特性の判定は、輝度値と平均輝度値との差や、画像の高周波成分の値、あるいは、輝度値の分散などの情報のうちの1つに基づいて決めるものに限ることなく、これらの複数の情報に基づいて、スペクトラム拡散信号を重畳する画像の特性を判定するようにすることもできる。
【0166】
例えば、輝度値と平均輝度値との差の情報と画像の高周波成分の値とに基づいて、画像の特性を判定するようにしたり、輝度値と平均輝度値との差の情報と輝度値の分散とに応じて、画像の特性を判定するようにすることもできる。もちろん、画像の高周波成分の値と輝度値の分散とに基づいて、画像の特性を判定するようにすることもできるし、輝度値と平均輝度値との差の情報と、画像の高周波成分の値と、輝度値の分散との3つの情報に基づいて、スペクトラム拡散信号を重畳する画像の特性を判定するようにすることもできる。
【0167】
また、画像の特性を判定するための情報としては、輝度値、画像の高周波成分の値、輝度値の分散などの情報に限るものではなく、画像の特性を判定するために用いることができる画像に関する様々な情報を用いることができる。
【0168】
また、前述の第3、第4の実施の形態においては、1フレームのデジタル映像信号を8画素×8画素のブロックに分割し、このブロックごとに画像の特性を判定するようにしたが、これに限るものではなく、任意の大きさのブロックに分割し、当該任意の大きさのブロック毎に画像の特性を判別するようにすることができる。
【0169】
また、前述の第3、第4の実施の形態において、メモリ41は、1フレーム分のデジタル映像信号を記憶するフレームメモリであるものとして説明したが、複数フレーム分のデジタル映像信号を記憶することができる記憶容量の大きなメモを用いるようにしてもよい。
【0170】
このように複数フレーム分のバッファメモリを用いるようにした場合には、画像の動き、すなわち空間方向の画像の変化をも考慮して、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更する画像と、変更しない画像とを判別することもできる。
【0171】
つまり、前述の第3、第4の実施の形態においては、1フレーム内においての輝度値と平均輝度値との差に応じて、画像の特性を判別するいうにした。しかし、少なくとも、2フレーム分のデジタル映像信号を記憶するメモリを用いるようにすれば、今回の処理の対象となっているフレームの映像信号と、その直前のフレームの映像信号とを保持するようにし、例えば、両フレーム間の差分を求めるなどして、両フレームの映像信号を比較する。
【0172】
そして、両フレーム間の映像信号の相関が高い場合には、今回の処理の対象となっているフレームに対しては、当該フレームの画像の動きは小さいものと判断する。この場合、当該フレームに対して、直前のフレームと同じ位置からスペクトラム拡散信号を重畳した場合には、スペクトラム拡散信号が目立つ可能性が大きいので、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を直前のフレームとは異なるようにする。
【0173】
また、両フレーム間の映像信号の相関が低い場合には、今回の処理の対象となっているフレームの映像信号は、直前のフレームの映像信号とは大きく異なっている、すなわち、動きが大きいものと判断する。この場合には、当該フレームに対して、直前のフレームと同じ位置からスペクトラム拡散信号を重畳しても、画像自体が大きく変化しているため、スペクトラム拡散信号が目立つ可能性が少ないので、今回の処理の対象となっているフレームについては、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更しないようにすることができる。
【0174】
このように、映像信号の空間方向の変化をも考慮して、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更するか否かを判断するようにすることにより、より効果的にスペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変更することができる。
【0175】
また、前述の実施の形態においては、1フレーム毎に、複数フレームにわたり、同じスペクトラム拡散信号を重畳するものとして説明した。この場合、例えば、付加情報が2ビットの信号である場合には、同じスペクトラム拡散信号を重畳する複数フレームの前半部分の複数フレームにおいては、各フレームの上半分の映像信号には、2ビット目の付加情報をスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号を重畳し、この前半部分の各フレームの下半分の映像信号には、1ビット目の付加情報をスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号を重畳するようにする。
【0176】
そして、同じスペクトラム拡散信号を重畳する複数フレームの後半部分の複数フレームにおいては、この後半部分の各フレームの上半分の映像信号には、1ビット目の付加情報をスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号を重畳し、この後半部分の各フレームの下半分の映像信号には、2ビット目の付加情報をスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号を重畳するようにする。
【0177】
つまり、同じスペクトラム拡散信号を重畳する複数フレームの前半部分と後半部分とで、付加情報のビット位置が異なるスペクトラム拡散信号を重畳するようにする。このようにすることにより、同じスペクトラム拡散信号を複数フレームにわたり重畳するようにしても、前半の複数フレームと、後半の複数フレームとでは、異なるスペクトラム拡散信号が重畳されることになるので、スペクトラム拡散された付加情報が、定常的なノイズとして知覚されやすくなることを防止することができる。
【0178】
そして、同じスペクトラム拡散信号を重畳する複数フレームの前半部分と後半部分とで、付加情報のビット位置が異なるスペクトラム拡散信号を重畳するようにすると共に、スペクトラム拡散信号を重畳する各フレームにおいて、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変えるようにすることにより、映像信号に重畳されたスペクトラム拡散信号をより目立たないようにすることができる。
【0179】
また、上述のように、同じスペクトラム拡散信号を重畳する複数フレームの前半部分の複数フレームと後半部分の複数フレームというように、予め決められたフレーム数毎に、重畳する付加情報のビット位置を異なるようにする他、以下のようにしてもよい。
【0180】
例えば、出力するデジタル映像信号をMPEG方式で圧縮する場合であって、複数のPピクチャーを含む複数フレームにわたって、同じスペクトラム拡散信号を重畳する場合には、Pピクチャー毎に付加情報のビット位置を反転するようにすることもできる。
【0181】
そして、前述のように、複数フレーム毎に、重畳する付加情報のビット位置を異なるようにした場合には、重畳する付加情報のビット位置が反転されたフレームは、何フレームごとに付加情報のビット位置を反転させるかを示す情報や、Pピクチャーの位置などに基づいて、把握することができるので、スペクトラム拡散された付加情報が重畳された映像信号から付加情報を抽出する場合には、付加情報のビット位置が反転されているフレームについては、抽出した付加情報のビット位置を反転させることにより、元の付加情報を得ることができる。
【0182】
また、前述した第3、第4の実施の形態の出力装置40、出力装置50は、出力するデジタル映像信号をMPEG方式のデータ圧縮を行って、圧縮したデジタル映像信号を出力するようにした。このMPEG方式のデータ圧縮においては、連続する複数フレーム分の映像信号を用いて、動き補償を行うようにするが、この動き補償を行うための連続する複数フレームの映像信号を、画像情報特性判定部42において利用するようにすることもできる。この場合には、バッファメモリ41を設ける必要もない。
【0183】
なお、前述の第1、第2、第3、第4の実施の形態においては、いずれの場合にも、1フレーム毎にスペクトラム拡散信号を重畳するものとして説明したが、これに限るものではない。
【0184】
例えば、前述した実施の形態のように、出力するデジタル映像信号をMPEG方式で圧縮する場合には、Pピクチャーから次のPピクチャーまでを、スペクトラム拡散信号を重畳する1映像信号区間とするなど、複数フレーム分の映像信号区間をスペクトラム拡散信号を重畳する映像信号区間とすることもできる。
【0185】
もちろん、1垂直区間(1フィールド)毎、複数垂直区間毎をスペクトラム拡散信号を重畳する映像信号区間となるようにすることもできる。この場合には、1垂直区間毎、複数垂直区間毎にスペクトラム拡散信号の重畳開始位置を変えるようにすることができる。
【0186】
また、1水平区間毎、あるいは、複数水平区間毎にスペクトラム拡散信号を重畳することもできる。この場合、第3、第4の実施の形態にように、画像の特性をも考慮する場合に、デジタル映像信号を一時記憶するバッファメモリは、1ラインメモリ、複数ラインメモリにすることができる。つまり、記憶容量の小さなメモリで対応することができる。
【0187】
また、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置は、水平方向および垂直方向に2次元的に変更する場合に限るものではなく、水平方向だけ、あるいは、垂直方向だけというように、一次元的に変更するようにしてももちろんよい。
【0188】
また、前述の第1、第2、第3、第4の実施の形態においては、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置は、図5Bに示したように、9個の重畳開始可能位置のいずれかになるようにするものとして説明した。しかし、重畳開始位置は、図5Bに示した例に限らず、水平方向には1画素毎、垂直方向には1ライン毎に任意の数の重畳開始可能位置を設定することができる。
【0189】
また、前述の第1、第2、第3、第4の実施の形態においては、基準重畳位置情報保持部7に保持されている初期重畳位置(基準位置)を基準にして、各重畳開始位置を設定するようにした。この基準位置は、スペクトラム拡散信号を重畳する映像信号区間の任意の位置に設定することができる。このように、基準位置を変更することにより、重畳位置設定部5からの重畳位置情報を変えることなく、スペクトラム拡散信号の重畳開始位置をスペクトラム拡散信号を重畳する映像信号区間の様々な位置に変更することができる。
【0190】
また、乱数発生部4において発生させた乱数R1や、固定パターン位置情報発生部14において発生させた固定パターン位置情報K1そのものを位置情報として用いるようにすることもできる。つまり、前述の実施の形態の出力装置のように、基準位置となる初期重畳位置情報を用いないようにすることもできる。
【0191】
また、前述の実施の形態においては、付加情報は、スペクトラム拡散することにより広帯域、微小レベルの信号となるようにして、この付加情報をスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号を映像信号に重畳するようにしたが、付加情報はスペクトラム拡散することにより形成したスペクトラム拡散信号に限るものではない。他の方法により微小レベル信号とした付加情報を重畳する場合にこの発明を適用することができる。
【0192】
また、前述の実施の形態においては、微小レベルの付加情報を重畳する主情報信号は、デジタル映像信号として説明したがデジタル映像信号に限るものではなく、アナログ映像信号を主情報信号とする場合にもこの発明を適用することができる。
【0193】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、連続する複数の映像信号区間にわたって、同じ付加情報が重畳された場合にも、映像信号に重畳された付加情報が定常的なノイズとなって、知覚されないようにすることができる。つまり、映像信号に重畳された付加情報が、その映像信号により再生される画像を劣化させることがないようにすることができる。
また、付加情報の影響を受けやすい画像を形成する映像信号区間に対してのみ、付加情報の重畳開始位置を変更することができるので、無駄に付加情報の重畳位置の変更を行うことがなく、効率よくかつ効果的に付加情報の重畳開始位置を変更することができる。また、映像信号に重畳された付加情報の検出効率の向上をも図ることができる。
また、客観的に画像の特性を判別することができる。これにより、どの映像信号区間においても、同じ基準で画像の特性を判別することができる。
【0194】
また、請求項2に記載の発明によれば、各映像信号区間の付加情報の重畳開始位置は、乱数に基づいてランダムに分散されるので、映像信号に重畳された付加情報が、当該映像信号により形成される画像に定常的なノイズとして現れることを確実に防止することができる。
【0195】
また、請求項3に記載の発明によれば、付加情報の重畳開始位置は、予め決められる複数の重畳開始可能位置の中で、ランダムに変更することができる。このため、映像信号に重畳された付加情報が、当該映像信号により形成される画像に定常的なノイズとして現れることを確実に防止することができる。また、付加情報の重畳開始位置は、予め設定された複数の重畳開始可能位置のうちのいずれかであるので、付加情報の重畳開始位置が特定しやすくなり、付加情報の検出を行いやすくすることができる。
【0196】
また、請求項4に記載の発明によれば、予め決められたパターンで、付加情報の重畳開始位置を変更することができるので、映像信号に重畳された付加情報が定常的なノイズとして現れることを防止することができる。また、予め決められたパターンにしたがって、付加情報の重畳開始位置を変えることができるので、映像信号に重畳された付加情報を検出する場合にも、重畳開始位置が特定しやすく、付加情報の検出を行いやすくすることができる。
【0197】
また、請求項5に記載の発明によれば、付加情報の重畳開始位置を1次元的にも、2次元的にも変更することができるので、付加情報の重畳開始位置を効果的に変えることができる。
【0201】
また、請求項6に記載の発明によれば、付加情報はスペクトラム拡散されることにより、広帯域、微小レベルの信号とされるので、いずれの映像信号区間にも、同じ程度に広帯域、微小レベルの信号とされた付加情報を重畳することができる。スペクトラム拡散されて重畳された付加情報は、逆スペクトラム拡散を行うことにより、確実かつ正確に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による映像信号出力装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した映像信号出力装置の基準タイミング発生部を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示し映像信号出力装置のPN符号発生部の構成例を示す図である。
【図4】情報信号とこれに重畳されるスペクトラム拡散信号の関係を説明するための図である。
【図5】この発明による映像信号出力装置の一実施の形態において行われる付加情報の重畳開始位置の変更処理を説明するための図である。
【図6】この発明による映像信号出力装置の一実施の形態において行われる付加情報の重畳開始位置の変更処理を説明するための図である。
【図7】この発明による映像信号出力装置において、付加情報が重畳された映像信号から付加情報を抽出する付加情報抽出装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図8】この発明による映像信号出力装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図9】この発明による映像信号出力装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図10】この発明による映像信号出力装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図11】映像信号の1フレーム毎に同じ位置からスペクトラム拡散信号を重畳させる場合について説明するための図である。
【符号の説明】
1…A/D変換回路、2…加算回路、3…MPEGエンコーダ、4…乱数発生部、5…重畳位置設定部、6…重畳位置制御部、7…初期重畳位置情報保持部、8…付加情報発生部、9…PN符号発生部、11…乗算回路、12…基準タイミング発生部、14…固定パターン位置情報発生部、21…MPEGデコーダ、22…D/A変化回路、23…出力制御部、24…逆拡散部、25…PN符号発生部、26…付加情報判定部、27…基準タイミング発生部、41…メモリ、42…画像情報特性判定部、10、30、40、50…映像信号出力装置、20…付加情報抽出装置

Claims (10)

  1. 微小レベルの付加情報を映像信号の映像同期信号に同期する映像信号区間毎に重畳して伝送する映像信号伝送方法であって、
    前記微小レベルの付加情報を重畳する前記映像信号区間毎に画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値を検出して、検出した前記特性値が、予め決められた基準値より小さい場合に、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち易い画像であると判定し、それ以外の場合には、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち難い画像であると判定し、
    当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ちやすい画像であると判定した場合には、当該映像信号区間における重畳開始位置を、直前の映像信号区間における重畳開始位置とは異なる位置に変更し、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち難い画像であると判定した場合には、当該映像信号区間における重畳開始位置を、直前の映像信号区間における重畳開始位置と同じにして、前記微小レベルの付加情報を当該映像信号区間に重畳することを特徴とする映像信号伝送方法。
  2. 前記重畳開始位置を変更する場合には、発生させた乱数に基づいて決まる位置に変更することを特徴とする請求項1に記載の映像信号伝送方法。
  3. 前記重畳開始位置を変更する場合には、予め設定された複数の重畳開始可能位置の中から、発生させた乱数に基づいて選択される位置に変更することを特徴とする請求項1に記載の映像信号伝送方法。
  4. 前記重畳開始位置を変更する場合には、予め設定された複数の重畳開始可能位置について、予め決められた順番で前記重畳開始位置を変えるようにするための固定パターン位置情報に基づいて変更することを特徴とする請求項1に記載の映像信号伝送方法。
  5. 前記重畳開始位置を変更する場合には、前記映像信号により形成される画像の水平方向、または、垂直方向、あるいは、水平方向および垂直方向に変えるようにすることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の映像信号伝送方法。
  6. 前記付加情報は、スペクトラム拡散されることにより微小レベルの信号とされたものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の映像信号伝送方法。
  7. 微小レベルの付加情報を映像信号の映像同期信号に同期する映像信号区間毎に重畳して出力する映像信号出力装置であって、
    微小レベルの付加情報を形成する情報形成手段と、
    前記微小レベルの付加情報を重畳する前記映像信号区間毎に画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値を検出して、検出した前記特性値が、予め決められた基準値より小さい場合に、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ちやすい画像であると判定し、それ以外の場合には、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち難い画像であると判定する特性判定手段と、
    前記特性判定手段により、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ちやすい画像であると判定された場合には、当該映像信号区間における重畳開始位置を、直前の映像信号区間における重畳開始位置とは異なる位置に変更し、当該映像信号区間の画像は付加情報が目立ち難い画像であると判定された場合には、当該映像信号区間における重畳開始位置を、直前の映像信号区間における重畳開始位置と同じにする重畳開始位置設定手段と、
    前記開始位置設定手段により設定された前記重畳開始位置から、前記情報形成手段により形成された前記微小レベルの付加情報を前記映像信号に重畳する付加情報重畳手段と
    を備えることを特徴とする映像信号出力装置。
  8. 画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値が予め決められた基準値より小さいために、付加情報が目立ち易いと判定された映像信号区間の画像に対しては、直前の映像信号区間の画像とは異なる重畳開始位置から微小レベルの付加情報が重畳され、画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値が予め決められた基準値より大きいために、付加情報が目立ち難いと判定された映像信号区間の画像に対しては、直前の映像信号区間の画像と同じ重畳開始位置から微小レベルの付加情報が重畳されている映像信号から、前記付加情報を抽出する付加情報抽出方法であって、
    前記映像信号区間内において、前記微小レベルの付加情報の重畳が開始される可能性のある複数の位置のうち、直前の映像信号区間と同じ重畳開始位置から優先して、前記付加情報の抽出を開始し、前記付加情報が抽出できないときには、前記付加情報の検出開始位置を前記複数の位置の他の位置に順次に変更して重畳されている前記付加情報を抽出することを特徴とする付加情報抽出方法。
  9. 前記微小レベルの付加情報は、スペクトラム拡散されたものであり、逆スペクトラム拡散を行うことにより、前記付加情報を抽出するようにすることを特徴とする請求項8に記載の付加情報抽出方法。
  10. 画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値が予め決められた基準値より小さいために、付加情報が目立ち易いと判定された映像信号区間の画像に対しては、直前の映像信号区間の画像とは異なる重畳開始位置から微小レベルの付加情報が重畳され、画像の高周波成分の値、平均輝度値、輝度値の分散値、直前のフレームの画像と比較して得られる画像の動きの大きさのうちの1つ以上の特性値が予め決められた基準値より大きいために、付加情報が目立ち難いと判定された映像信号区間の画像に対しては、直前の映像信号区間の画像と同じ重畳開始位置から微小レベルの付加情報が重畳されている映像信号から、前記付加情報を抽出する付加情報抽出装置であって、
    前記映像信号区間内において、微小レベルの前記付加情報の重畳が開始される可能性のある複数の位置のうち、直前の映像信号区間と同じ重畳開始位置から優先して、前記付加情報の抽出を開始し、前記付加情報が抽出できないときには、前記付加情報の検出開始位置を前記複数の位置の他の位置に順次に変更して重畳されている前記付加情報を抽出する付加情報抽出手段を備えることを特徴とする付加情報抽出装置。
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