JP4048264B2 - 交換容易なバイブレータを備えた空気動式歯科用振動装置 - Google Patents

交換容易なバイブレータを備えた空気動式歯科用振動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気動式歯科用スケーラー(歯石除去装置)のような手持式の空気動式振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯石除去や根管リーミングのような歯科処置に当たり、動力式の歯科用振動器具が使用されている。
典型的には、動力式の歯科用振動器具は、手で把持可能な細長い外ケースと、外ケースの内部に収納された振動源(バイブレータ)と、バイブレータに装着された振動工具(歯石除去用のチップや根管リーミング用のリーマー)で構成され、振動源で発生した振動によって工具を振動させることにより歯石除去や根管リーミングのような歯科処置を行うようになっている。
【0003】
歯科用の動力式振動器具の振動源は、電歪変換器若しくは圧電変換器を用いて振動を発生させる電動式バイブレータと、圧縮空気を動力源とする空気動式バイブレータとに大別することができる。
【0004】
前者の電動式バイブレータは、例えば、特開昭59-25738号および特開昭60-55941号に開示されている。この種の電動式バイブレータは、超音波帯域の振動数(約20,000Hz以上)で作動させることができるので、可聴帯域の騒音が発生しないという利点がある。
しかしながら、この電動式バイブレータの問題点は、電歪変換器などから放射された電磁波によって心臓ペースメーカーその他の医療用電子電気機器が誤動作するおそれがあるということである。
【0005】
後者の空気動式のバイブレータは、歯科用ユニットから供給された圧縮空気によりロータや振動子を運動させることにより振動を発生させるようになっている。従って、電磁波に起因する障害がないという利点がある。
しかしながら、空気動式バイブレータには、2つの問題が伴う。
第1の問題は、ロータや振動子のような可動部品が作動に伴い摩耗するので、寿命が尽きると交換しなければならず、メンテナンス(ユーザ自身が行う場合もあるし、専門の修理センターなどで行われる場合もある)を要するということである。
第2の問題は、一般に、ロータや振動子のような可動部品は亜音波帯域の振動数でしか作動させることができないので、患者に恐怖感や不安を与えるキーンという耳障りな騒音が発生するということである。
【0006】
米国再発行特許29,687号(Sertich)には、空気動式バイブレータを内蔵した歯科用スケーラーが開示されている。このバイブレータは、外ケース内に弾性支持されたシャフトと、このシャフトの周りに回転可能に嵌合されたスリーブ状のロータを備え、シャフトの噴射ノズルからロータの内側に圧縮空気を接線方向に吹き付けることによりロータを回転させてシャフトに振動を発生させるようになっている。
この空気動式スケーラーは、電磁波に起因する障害がないという前述した空気動式バイブレータの利点を享受するものである。
また、ロータはただ単にシャフトの周りに遊嵌した上で左右一対のOリングで規制してあるだけなので、作動に伴いロータが摩耗したり破損した時には、外ケースからシャフトを取り外し、ロータを位置決めしているOリングを取り外すことにより、ロータを容易に交換することができる。このようにロータ交換作業はユーザー自身でさえも簡単に行うことができるので、メンテナンス上も問題がない。
【0007】
しかしながら、この空気動式スケーラーにおいては、シャフトに発生する振動は、回転するロータによって細長いシャフトを加振することにより起こる撓み振動モードの振動であるので、3,000〜6,000Hzのオーダーの低い振動数の振動しか発生させることができない。その結果、患者に不安や恐怖感を与える耳障りな騒音を回避することができないという難点がある。
【0008】
米国特許4,453,919号には、歯科用スケーラーに振動源として内蔵された異なる形式の空気動式バイブレータの構造と作動原理が開示されている。この空気動式バイブレータは、円盤状の作用室を有する本体と、この作用室内に運動可能に収容された円盤状の振動子(ロータ)と、作用室内に圧縮空気を接線方向に噴射する噴射ノズルとを備えている。
噴射ノズルから圧縮空気を噴射すると、振動子は揺動しながら回転し、作用室の側壁を叩いて振動を発生させる。バイブレータの振動はシャフトを介して歯石除去用チップに伝達される。シャフトから歯石除去用チップに伝えられる振動は、撓み振動モードの振動と音響振動(弾性振動)モードの振動とを合成したものであると考えられる。
【0009】
特公平6-28669号(米国特許5,190,456号)には、前掲米国特許4,453,919号に記載された歯科用スケーラーを改良し、空気動式バイブレータに本来固有の耳障りな可聴騒音を低減するためバイブレータの振動数を超音波帯域に近づけることが提案されている。
このため、撓み振動モードの振動よりも音響振動(弾性振動)モードの振動の方がより多く歯石除去用チップに伝達するべくシャフトを短縮してあると共に、シャフトは撓み振動モードの振動の原因となる振動の節が発生しないようなやり方で支持してある。
特公平6-28669号の技術を利用すれば、振動子(ロータ)を小型化することにより、振動数を超音波帯域に近づけ、耳障りな騒音を低減することができる。例えば、振動子の直径を5mm程度まで小さくすれば、振動数を約15,000Hz以上に高め、可聴騒音を大幅に低減することができる。
【0010】
しかしながら、振動数の増加は振動子の摩耗を促進する。また、振動数が超音波帯域に近づく程度に振動子を小型化すれば、微小な振動子は摩耗の影響を受けやすくなり、これも振動子の寿命を短縮する。その結果、振動子をより頻繁に交換することが必要となるであろう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前述したように米国再発行特許29,687号(Sertich)に開示された歯科用スケーラーにおいてバイブレータのロータを容易に交換出来るのと異なり、特公平6-28669号に記載された歯科用スケーラーにおいては、ユーザ自身が振動子(ロータ)を首尾良く交換するのはかなり困難である。
【0012】
その理由は、第1に、バイブレータが細長い外ケース内の奥まったところに収納されているので、バイブレータ自体を外ケースから取り出すのが困難であることにある。
第2の理由は、バイブレータは多数の部品を組み立てることにより構成されているので、首尾良くバイブレータを外ケースから取り出したとしても、振動子を交換するには、更に、バイブレータを分解しなければならないからである。
第3の理由は、特公平6-28669号の原理に基づくバイブレータにおいては、有効な振動を発生させるには振動子の振動とバイブレータ本体の振動とがマッチングしなければならないので、振動子だけを交換しても所望のレベルの振動エネルギを発生させることが出来ないことがあるからである。
【0013】
このような理由により、特公平6-28669号に記載された歯科用スケーラーのバイブレータの振動子を交換するためには、ユーザは歯科用スケーラーをそのまゝ修理センターや製造工場に送って専門家による交換を受けなければならなかった。このため、振動子の交換が終わってスケーラーがユーザの手元に送り返されて来るまでユーザはスケーラーの使用を中断することを余儀なくされていた。
【0014】
そこで、本発明の目的は、バイブレータの振動子の交換が必要な時に歯科医などのユーザがバイブレータごと振動子を交換するのを容易ならしめるような“ユーザフレンドリー”の空気動式歯科用スケーラー(歯石除去装置)および振動装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、可聴騒音が大幅に低減する超音波帯域に近い高い振動数で作動させることが可能で、摩耗などのためにバイブレータの振動子の交換を要する時に、歯科医などのユーザが自ら外ケースを分解してバイブレータごと振動子を交換するのを勇気付けられるような、自己メンテナンス指向の構成を有する空気動式歯科用スケーラーおよび振動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気動式歯石除去装置および空気動式振動装置は、長手方向に延長する収納部が内部に形成された細長い外ケースと、この収納部に収容された交換可能な空気動式バイブレータ(モジュール型バイブレータ)と、バイブレータを外ケース内に弾力的に支持する支持手段と、高周波振動を発生させるべくバイブレータに作用流体を供給する作用流体供給手段と、バイブレータの前端に歯石除去工具を螺着するためのねじ式連結手段と、この連結手段に歯石除去工具を螺着したり取り外したりする際に外ケースに対してバイブレータを回り止めするための回り止め手段とを備えている。
【0016】
外ケースは互いに分離自在に螺合された細長いケース本体と短い前キャップとに分割してある。
バイブレータ収納部の少なくとも一部はケース本体に形成されていると共に少なくとも一部は前キャップに形成されており、もって、バイブレータの交換にあたりケース本体と前キャップとを分離したときにバイブレータの一部がケース本体又は前キャップから露出し、バイブレータを指で掴んでケース本体又は前キャップから引き抜くのを容易にするようになっている。
【0017】
このような構成であるから、振動子の摩耗などによる出力低下を感じた時に、ユーザがケース本体と前キャップとの螺合を弛めてケース本体と前キャップとを分離すると、バイブレータはケース本体および前キャップのいづれか一方に残留付着し、その一部はケース本体又は前キャップから露出するであろう。これにより、ユーザはバイブレータを交換できることを視覚的に示唆され、かつ、自分で交換することを試みることを勇気付けられるであろう。
【0018】
このようにバイブレータを交換できることを認識しかつ勇気付けられたユーザは、ケース本体又は前キャップから一部露出したバイブレータを手で掴んでケース本体又は前キャップから容易に引き抜くことができる。予め準備された新たなバイブレータをケース本体又は前キャップに装着し、ケース本体と前キャップとを再び螺合するだけで、この空気動式歯石除去装置および空気動式振動装置は再使用可能な状態となる。取り外した古いバイブレータは、修理に送るか、場合によっては使い捨てすることができる。
【0019】
このようにねじを弛めてケース本体と前キャップを分離し、古いバイブレータを掴んで取り外し、新たなバイブレータをケース本体又は前キャップに装着し、再びケース本体と前キャップとを互いに螺合するだけでバイブレータがそっくりと交換されるので、工具を使用することなく、必要なすべての作業を手だけで極めて容易に行うことができる。
従って、振動子の摩耗などによりバイブレータの出力が低下した時には何時でも即座にバイブレータを交換することができ、修理の待ち時間を無くすることができる。
交換される新たなバイブレータとしては、予め工場で組み立てた後に性能を検査し所定の性能基準を満たしたもののみがユーザに提供されるので、所望の高レベルの振動エネルギを発揮する。
【0020】
好ましい実施態様においては、収納部は外ケースの前端に隣接して配置してあり、前キャップの軸方向長さはバイブレータの軸方向長さの約半分であり、もって、ケース本体と前キャップとを分離したときにバイブレータの長さの約半分が指による掴持を可能にするべくケース本体又は前キャップから露出する。
このように、ケース本体と前キャップとを分離した時にバイブレータの長さの約半分がケース本体又は前キャップから露出するように長さを設定すれば、ケース本体と前キャップのいづれにバイブレータが残留してもバイブレータを容易に掴持することができる。
【0021】
或る実施態様においては、回り止め手段はバイブレータを前キャップに対して回り止めするようになっており、バイブレータの交換にあたりケース本体と前キャップとを分離したときにバイブレータが前キャップに残留するようになっている。
【0022】
好ましい実施態様においては、回り止め手段はバイブレータをケース本体に対して回り止めするようになっており、連結手段に歯石除去工具を螺着したり取り外したりする際に前キャップが回転トルクから免除されるようになっている。
このようにバイブレータをケース本体に対して回り止めした場合には、歯石除去工具の交換にあたりレンチを用いて歯石除去工具を弛めるときには、レンチから作用する回転トルクはケース本体によって受け止められるので、トルクが前キャップに作用することがないであろう。従って、レンチで歯石除去工具を弛めたときに前キャップが不本意に弛むことがない。他方、細長いケース本体は手でしっかりと掴持することができるので、レンチによるトルクに良く対抗することができる。
同様に、歯石除去工具をバイブレータに螺着するにあたりレンチを用いて歯石除去工具を締め付けると、レンチによる締め付けトルクはケース本体に受けとめられ、締め付けトルクが前キャップに作用しないので、前キャップがレンチによって不本意に増し締めされることがない。
【0023】
或る実施態様においては、回り止め手段は、ケース本体の内周に形成された少なくとも1つの係止用ノッチと、前記係止用ノッチと協働するべくバイブレータの外周に形成された少なくとも1つの係止用突起とを有する。
このような回り止め構造は、バイブレータに回り止めピンを打ち込むのに比して、機械加工が容易であり、部品点数が少ないという利点がある。
【0024】
好ましい実施態様においては、回り止め手段は、バイブレータの外周に形成された多角形断面(好ましくは六角形断面)の係止面を有する。
このような係止面の多角形断面形状は、ケース本体とバイブレータとを僅かな角度だけ相対回転させるだけでケース本体にバイブレータを装着することを可能にするので、バイブレータの交換が容易になる。
【0025】
好ましい他の実施態様においては、回り止め手段はバイブレータモジュール(即ち、モジュール型バイブレータ)をケース本体に対して回り止めするように構成されていて、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時にバイブレータモジュールがケース本体に残留するようになっており、前キャップの軸方向長さはバイブレータモジュールの軸方向長さより小さく設定してあり、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時に、ケース本体に残留したバイブレータモジュールの前部がケース本体から前方に露出し、使用者がバイブレータモジュールを掴んで交換するのを容易ならしめるようになっている。
【0026】
他の好適な実施態様においては、空気動式振動装置は、バイブレータモジュールを前キャップに対して軸方向に位置決めする位置決めスリーブを備え、回り止め手段はバイブレータモジュールをこの位置決めスリーブに対して回り止めするように構成されていて、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時にバイブレータモジュールが位置決めスリーブに残留するようになっており、ケース本体と前キャップとの継ぎ目は位置決めスリーブの前端よりも後方に位置しており、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時に、位置決めスリーブに残留したバイブレータモジュールの前部が位置決めスリーブから前方に露出し、使用者がバイブレータモジュールを掴んで交換するのを容易ならしめるようになっている。
【0027】
本発明の上記特徴や効果、ならびに、他の特徴や利点は、以下の実施例の記載に従い更に明らかにする。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1から図6は本発明の第1実施例に係る手持式歯科用スケーラー(歯石除去装置)を示す。
これらの図を参照するに、歯科用スケーラー10は、歯科用ホース12を介して歯科用ユニット(図示せず)に接続することにより歯科用ユニットから圧縮空気と水の供給を受ける歯科用ハンドピースとして構成されている。
歯科用スケーラー10は、手で把持可能な細長い中空筒状の外ケース14を備え、この外ケース14内には交換可能な空気動式バイブレータアッセンブリ又はバイブレータモジュール16が交換自在に装着されている。このハンドピースを歯科用スケーラー10として使用する場合には、バイブレータアッセンブリ(バイブレータモジュール)16の先端には従来型のスケーリングチップ(歯石除去工具)18が着脱自在に螺着される。このハンドピースを根管リーミングに使用する場合には、バイブレータアッセンブリ16にはスケーリングチップ18に代えて根管リーマーを装着することができる。
【0029】
外ケース14は、外ねじ20(図3および図6)付きの短い前キャップ22と内ねじ24(図3)付きの細長いケース本体26とに分かれており、キャップ22とケース本体26とを分離自在に互いに螺合することにより外ケース14が構成される。
【0030】
前キャップ22は軸方向段付け孔27を備え、バイブレータアッセンブリ16はキャップ22のこの軸方向段付け孔27内にクリアランスをもって部分的に嵌合可能な外形を有する。
図2および図6から良く分かるように、キャップ22の軸方向長さはバイブレータアッセンブリ16の軸方向長さの約半分にしてある。従って、図6(B)に示したように、キャップ22にバイブレータアッセンブリ16を装着した時には、キャップ22内にはバイブレータアッセンブリ16の前半しか収容されず、後半はキャップ22から露出するであろう。
【0031】
バイブレータアッセンブリ16は、基本的には前掲の米国特許4,453,919号の原理に基づくもので、かつ、特公平6-28669号(米国特許5,190,456号)のバイブレータと同様の構造を有する。従って、バイブレータアッセンブリ16の作動原理と構造の詳細についてはこれらの特許の記載を援用し、簡単に説明するに留める。
図3の拡大断面図から分かるように、バイブレータアッセンブリ16は段付け円柱形の金属ケーシング28を有し、このケーシング28には軸方向孔30が形成してある。孔30内には円盤状の第1の端板32と空気噴射リング34と円盤状の第2の端板36とがこの順で嵌合してあり、これらはケーシング28に螺合したリテーニングねじ38によって互いに一体的に強固に締結されている。
【0032】
端板32、36の内側面と空気噴射リング34の内周面によって円盤状のロータ(振動子)室40が画定されており、このロータ室40には穴開き円盤状のロータ(振動子)42が運動可能に収容してある。ロータ42の外径および軸方向厚さは、夫々、ロータ室40の内径および軸方向寸法よりも僅かに小さくしてあり、ロータ42がロータ室40内で振動運動し得るようになっている。
耐摩耗性を高めるため、端板32、36とロータ42は高速度鋼のような超硬合金で形成し、適当な表面処理を施すのが好ましい。
バイブレータを超音波帯域に近い15,000Hz以上の高い振動数で振動させるためには、ロータ42は出来るだけ小さくすることが望ましい。ロータ42の好ましい軸方向厚さは約0.4〜0.8mmであり、外径は好ましくは約5〜8mmである。
バイブレータアッセンブリ16はユーザがロータ交換のためにリテーニングねじ38を弛めて分解することが不要な使い捨て型のモジュール若しくはカートリッジとしてユーザに提供することができる。
【0033】
空気噴射リング34には円周方向に離間された例えば3つの噴射ノズル44が形成してある。図3には概念的にしか示してないが、噴射ノズル44は米国特許4,453,919号および特公平6-28669号に記載されているようにロータ室40に対して接線方向に開口しており、噴射ノズル44からロータ室40内に吹き込まれた空気が強い旋回流を形成するようになっている。
噴射ノズル44に圧縮空気を供給するため、バイブレータケーシング28の内周には噴射ノズル44に面する位置において内周溝46が形成してあり、この内周溝46は円周方向に離間した複数の半径方向入口ポート48(図6参照)に連通している。入口ポート48への圧縮空気の供給については後述する。
【0034】
歯石除去中に歯牙やスケーリングチップ18を冷却し洗浄するための水をスケーリングチップに供給するため、ケーシング28と端板32、36とリテーニングねじ38には中央貫通孔が形成してあり、そこに水パイプ50が延長させてある。水パイプ50に干渉することなくロータ42が運動するのを可能にするため、ロータ42にも中央貫通孔が形成してある。
水パイプ50の先端はスケーリングチップ18の雄ねじ部53(図1)を螺合するためにケーシング28の小径のシャンク部52に設けた雌ねじ孔54(図3)に開口させてある。水パイプ50とケーシング28とは1つ以上のOリング56(図3)によってシールされている。
【0035】
バイブレータの非作動時にロータ42が端板32、36の内側面に密着するのを防止するため、端板32、36の貫通孔には端板の軸方向厚さよりも僅かに長いブシュ58、60が圧入してある。これらのブシュの詳細は特開平10-314673号に開示されており、その記載はここに援用する。
ロータ室40内の使用済みの空気は、ブシュ60の内側とリテーニングねじ38の中央孔62(これは排気ポートとして作用する)を介して排気される。
【0036】
図3から良く分かるように、キャップ22の軸方向段付け孔27は後方に面した位置決め用肩部64を備え、バイブレータケーシング28もこの肩部64に相対峙する位置決め用肩部66を有する。ケーシング28の外周溝68にOリング70を装着し、肩部64と肩部66との間でOリング70が適当な圧力で圧縮されるように位置決めスリーブ(後述)によりバイブレータアッセンブリ16をキャップ22に向かって押し付けることにより、バイブレータアッセンブリ16はキャップ22に対して軸方向に位置決めされる。
Oリング70はバイブレータアッセンブリ16の振動からキャップ22を絶縁すると共に、キャップ22とバイブレータケーシング28との間を気密にシールする役割をも有する。
更に他のOリング72を用いてケーシング28のシャンク部52をキャップ22に対して防振支持することもできる。
【0037】
ケーシング28のシャンク部52に設けたねじ孔54にスケーリングチップ18をねじ込んだり弛めたりする際にバイブレータケーシング28が外ケース14内で回転しないようにケーシング28を回り止めしなければならない。図示した第1実施例では、ケーシング28はキャップ22に対して回り止めされている。このため、図3および図5に示したように、ケーシング28の大径部74とシャンク部52との間には長円形断面の区間76が形成してあると共に、キャップ22の内周面77も相補的な長円形断面に加工してあり、長円形断面区間76の側面がキャップ22の長円形内周面77に係合することによりキャップ22に対するケーシング28の回転が規制されるようになっている。バイブレータアッセンブリ16の振動が区間76を介してキャップ22に伝わるのを防止するため、区間76の外周溝78に防振用Oリング80を装着することができる。
【0038】
図1および図2を参照するに、歯科用スケーラー10には歯科用ユニットから延長する歯科用ホース12を従来の態様で接続できるようになっている。このため、歯科用ホース12の先端には従来型のホース継手の一方の部材(例えば、雄部材)82を取付けると共に、ケース本体26の手前側端部にはホース継手の他方の部材(例えば、雌部材)84を取付ける。図1および図2に示した実施例では、ホース側の継手部材は従来型のボールロック機構85を備えたプラグ部82からなり、ケース側の継手部材はこのプラグ部82を挿入可能な段付き孔86を備えたソケット部84からなる。ソケット部84はケース本体26の内側に挿入してあり、ケース本体26に螺合したねじ88によってケース本体26に固定されている。
【0039】
図示した実施例では、ソケット部84にはケース本体26と同心的な位置決めスリーブ90が一体形成してある。位置決めスリーブ90はバイブレータアッセンブリ16をキャップ22に対して軸方向に位置決めする役割を有する。バイブレータアッセンブリ16のリテーニングねじ38の外周溝にOリング94を装着し、バイブレータアッセンブリ16をキャップ22に押し込んだ上で、ねじ20と24を噛み合わせることによりキャップ22とケース本体26とを互いに螺合すると、図2および図3に示したように、位置決めスリーブ90は肩部64と肩部66との間でOリング70を圧縮しながらバイブレータアッセンブリ16をキャップ22に対して位置決めする。
【0040】
位置決めスリーブ90の前端はケース本体26の前端よりも後方に引っ込めてある。従って、ケース本体26の内側には、ケース本体26の前端と位置決めスリーブ90の前端との間において、バイブレータアッセンブリ16の後部を収納するための前方に開口した空洞91が形成される。この空洞91は、キャップ22の軸方向段付け孔27と協働して、バイブレータアッセンブリ16を収納するための収納部92を形成する。
【0041】
位置決めスリーブ90とケース本体26との間の環状隙間93は圧縮空気通路として作用する。この構造は歯科用スケーラー10の構造を簡素化するのに寄与する。
この環状隙間93は、一方において、ホース継手のソケット部84に設けた空気通路96(図2)を介してソケット部84のプラグ挿入孔86に連通しており、ホース継手のソケット部84にプラグ部82を差し込んだ時にはプラグ部82の空気供給ポート98(図1)と連通するに至る。環状隙間93は、他方において、バイブレータケーシング28の入口ポート48に連通しており、入口ポート48とケーシング28の内周溝46を介して噴射リング34の噴射ノズル44に圧縮空気を供給するようになっている。
ロータ室40内の使用済みの空気は、リテーニングねじ38の中央孔62(図2)と、位置決めスリーブ90と水パイプ50との間の環状隙間100と、ホース継手のソケット部84に設けた排気通路102を介して歯科用ホース12に送り返される。
洗浄冷却水は、従来同様、ホース継手のプラグ部82の中央水通路(図示せず)から水パイプ50を介してスケーリングチップ18の水供給通路104(図1)に供給される。水パイプ50の後端はソケット部84に強固に取り付けてある。
【0042】
この歯科用スケーラー10の使用に際しては、レンチを用いてバイブレータアッセンブリ16のねじ孔54にスケーリングチップ18を螺着し、外ケース14のホース継手のソケット部84に歯科用ホース12のプラグ部82を差し込み、バイブレータに圧縮空気を供給する。噴射ノズル44からロータ室40内に接線方向に噴射された圧縮空気によりロータ室40内には旋回流が発生し、米国特許4,453,919号に記載された原理によりロータ42が運動し、振動を発生させる。バイブレータ16に発生した振動は特公平6-28669号に記載された原理に基づいてスケーリングチップ18に伝達され、スケーリングチップ18を超音波帯域に近い高い振動数で振動させる。
【0043】
歯科用スケーラー10の使用に伴いロータ42および/又は端板32、36が摩耗すると、バイブレータ16の出力が低下するであろう。その時には、ユーザは、以下のようにしてバイブレータアッセンブリ16を交換することができる。
先ず、適当なレンチを用いてスケーリングチップ18をバイブレータアッセンブリ16から取り外す。次に、図6(A)に示したように、キャップ22のねじ20とケース本体26のねじ24を手で弛めることにより外ケース14をキャップ22とケース本体26とに分解し、キャップ22からケース本体26を分離する。
【0044】
バイブレータアッセンブリ16は回り止め手段76/77によりキャップ22に対して回り止めされているので、キャップ22とケース本体26とを互いに弛める時には、水パイプ50はOリング56内で回転しながら抜け、水パイプ50とOリング56との間の接触部の摩擦はすべり摩擦となる。これに対して、キャップ22とOリング70、72との間の接触部の摩擦は静止摩擦となる。
従って、キャップ22とケース本体26とを分離した時には、バイブレータアッセンブリ16はOリング70、72の摩擦により専らキャップ22に付着しているであろう。この状態ではバイブレータアッセンブリ16の約半分はキャップ22から露出しており、容易に指で掴持することができる。
そこで、図6(B)に示したように、片方の手の指でキャップ22を掴み、他方の手の指でバイブレータアッセンブリ16を掴んで引っぱることにより、図6(C)に示したようにキャップ22からバイブレータアッセンブリ16を容易に分離することができる。
【0045】
新たなバイブレータアッセンブリをキャップ22に装着し、キャップ22とケース本体26とを螺合し、スケーリングチップ18を取付けるだけで、歯科用スケーラー10は再び使用可能な状態となる。
このように、本発明によれば、ロータの摩耗などによりバイブレータの出力が低下した時には何時でも、誰でも極めて簡単に、かつ、何等特殊な工具を使用することなく、バイブレータアッセンブリを交換することができる。
出力の低下した使用済みのバイブレータアッセンブリは修理センターへ送るか、使い捨てにすることができる。
【0046】
図7および図8は本発明の第2実施例に係る歯科用スケーラーを示す。前述した第1実施例ではボールロック型のホース継手が用いてあるのに対して、この第2実施例に係る歯科用スケーラーは従来型のねじ式のホース継手を用いたことを特徴としている。第1実施例の構成要素と共通する構成要素は共通の参照番号で示し、説明は省略する。
相違点のみ説明するに、外ケース14のケース本体26に嵌合したホース継手雄部材84Aには外ねじ106が設けてあり、ホース継手雌部材82Aの内ねじ(図示せず)を螺合するようになっている。雌部材82Aは規格化された従来型の例えば4穴型のものであり得る。
ホース継手雄部材84Aには、空気通路96に連通した圧縮空気入口108と、排気通路102に連通した排気出口110と、水パイプ50に連通した水通路112と、水通路112に連通した水入口(図面では空気入口108の背後に隠れている)が設けてある。
この第2実施例に係る歯科用スケーラーの作動とバイブレータアッセンブリの交換の態様は第1実施例について前述したところと相違ない。
【0047】
図9から図11は本発明の第3実施例に係る歯科用スケーラーを示す。この第3実施例はバイブレータアッセンブリ16をケース本体26に対して回り止めしたことを特徴としている。これらの図においては第1実施例の構成要素と共通する構成要素は共通の参照番号で示し、説明は省略する。
相違点のみ説明するに、この実施例では、前キャップ22とケース本体26とを互いに螺合するための雌雄ねじ部は、ケース本体26の前部外周に形成された外ねじ120と前キャップ22の後部内周に形成された内ねじ122からなる。
このように、ケース本体26に外ねじ120を形成したので、ケース本体26の前部空洞91はねじ山のない円柱形の内周面124を呈する。
この前部空洞91の内周面124には、円周方向等間隔に離間された例えば6つのノッチ126が形成してある。夫々のノッチ126は空洞91の内周面124を軸方向にドリル加工若しくはフライス加工することにより容易に形成することができる。
【0048】
ケース本体26の内周面124のノッチ126に対応して、バイブレータアッセンブリ16のケーシング28とシャンク部52との間には六角形断面の係止部128が形成してある。この係止部128の断面寸法は、その六角形断面の夫々の角部が夫々のノッチ126にルーズに係合するように設定されている。
シャンク部52は図示したように前方に向かってテーパ状になっており、超音波帯域に近い高い振動数の弾性波振動を効果的にスケーリングチップ18に伝達するようになっている。
【0049】
バイブレータアッセンブリ16の交換に際しては、先ず、ケース本体26を手でしっかりと掴持しながら、レンチを用いてスケーリングチップ18を弛めてバイブレータアッセンブリ16から取り外す。第1実施例とは異なり、この第3実施例ではバイブレータアッセンブリ16は回り止め手段126/128によりケース本体26に対して回り止めされており、前キャップ22はレンチのトルクから免責されるので、レンチを用いてスケーリングチップ18を弛めるときに前キャップ22が不本意に弛むことがない。
【0050】
次に、図11に示したように、前キャップ22のねじ122とケース本体26のねじ120を手で弛めることにより前キャップ22とケース本体26を分離する。
前述したようにこの第3実施例ではバイブレータアッセンブリ16はケース本体26に対して回り止めされているので、キャップ22とケース本体26とを回して弛める時には、水パイプ50とOリング56との間の接触部の摩擦は静止摩擦となり、前キャップ22とOリング70、72との間の接触部の摩擦はすべり摩擦となる。
従って、前キャップ22とケース本体26とを分離した時には、バイブレータアッセンブリ16はOリング56の摩擦により図11に示したように専らケース本体26に付着しているであろう。
そこで、ユーザは、片方の手でケース本体26を掴み、他方の手の指でバイブレータアッセンブリ16を掴んで引っぱることにより、図10に示したようにケース本体26からバイブレータアッセンブリ16を分離することができる。
【0051】
新たなバイブレータアッセンブリをスケーラー10に装着するにあたっては、図10から理解できるように、バイブレータアッセンブリ16の係止部128の六角形断面の夫々の角部がケース本体26の内周面124の夫々のノッチ126に嵌合するように回転角度方向に位置決めしながらバイブレータアッセンブリ16をケース本体26に装着する。係止部128は六角形断面を有するので、前キャップ22とケース本体26とを最大60°相対回転させるだけで容易にバイブレータアッセンブリ16をケース本体26に装着することができる。
【0052】
次に、前キャップ22をケース本体26に螺合し、レンチを用いてスケーリングチップ18をバイブレータアッセンブリ16に螺着する。レンチによる締め付けトルクはケース本体26に受けとめられ、締め付けトルクが前キャップ22に作用しないので、前キャップ22がレンチによって不本意に増し締めされることがない。従って、前キャップ22は必要に応じて容易に手で弛めることができる。
【0053】
図12から図15は本発明の第4実施例に係る歯科用スケーラーを示す。これらの図においては前記実施例の構成要素と共通する構成要素は共通の参照番号で示し、説明は省略する。この実施例に用いたバイブレータアッセンブリ(モジュール)16は図9から図11に示した第3実施例のものと同じである。
この第4実施例は、第3実施例に較べて前キャップをかなり長くすると共に多少細くしたことを特徴としている。このため、バイブレータアッセンブリ16は位置決めスリーブに対して回り止めする構成となっている。
【0054】
より詳しくは、図12から図15を参照するに、前キャップ22Aはハンドピース10の全長の半分よりも長くしてある。これに対応して外ケース14のケース本体26Aは短くしてある。従って、前キャップ22Aと外ケース14のケース本体26Aとの間の継目は位置決めスリーブ90Aの前端よりもかなり後方に位置している。
【0055】
ハンドピース10の後部には、バイブレータアッセンブリ16に供給する圧縮空気およびスケーリングチップ18に供給する洗浄冷却水の流量を夫々制御するための従来型の弁ユニット130および132を備えている。これらの弁ユニット130および132を設けたのは、ユーザが必要に応じてバイブレータの出力および洗浄冷却水の流量を調節するのを可能にするためである。したがって、これらの弁ユニットを設けることは不可欠ではない。圧縮空気制御用の弁ユニット130には例えば特公平7-16497に記載された制御弁を使用することができ、洗浄冷却水制御用弁ユニット132には従来型のピンチバルブを使用することができる。
【0056】
位置決めスリーブ90Aからは前方に向かって筒状のハウジング134が延長させてあり、このハウジング134にはバイブレータアッセンブリ16を収納するための収納部92の一部を構成する空洞91が画成してある。図示したように、ハウジング134には円周方向に離間した複数の軸方向切欠き136が形成してある。これらの切欠き136は、図13に示したようにバイブレータアッセンブリ16の六角形断面の係止部128の夫々の角部を係合させることにより、バイブレータアッセンブリ16を位置決めスリーブ90Aに対して回り止めするようになっている。
【0057】
位置決めスリーブ90Aを利用してバイブレータアッセンブリ16の回り止めするようにしたので、第3実施例に比して前キャップ22Aを長くすることができる。これにより、第3実施例においてはキャップとケース本体とを連結するためにバイブレータモジュール16の半径方向外側の領域に配置してあった継手120/122を後方に変位させることができる。その結果、前キャップ22Aのうちバイブレータモジュール16の半径方向外側の領域にねじを加工する必要がなくなるので、その分だけ同領域の前キャップ22Aの肉厚を薄くすることができ、歯科処置の際にユーザが指で掴持する領域における前キャップ22Aの外径を可及的に縮小することが可能になる。
前キャップ22Aの外径を縮小できるのは僅か約1mmにすぎないが、可能な外径縮小がこのように僅かであっても、術者が前キャップを指でシッカリと掴持できる操作性が大幅に向上するので、スケーリングチップを歯牙に対して正確に位置決めすることが可能になる。
【0058】
前述した第3実施例では前キャップとケース本体とはねじ継手120/122によって連結されているが、この第4実施例では前キャップ22Aとケース本体26Aとはワンタッチ継手によって連結されている。即ち、図15に示したように、ケース本体26Aに嵌合した連結用中子142には半径方向孔140が設けてあり、そこには押しボタン(ロックピン)138が摺動可能に嵌合してある。この押しボタン138はコイルばね144によって半径方向外側に付勢されており、前キャップ22Aに設けた貫通孔146(図13)に係合するようになっている。
【0059】
使用時には、前キャップ22Aとケース本体26Aとは孔146に押しボタン138を嵌合させることによって互いに連結されている。バイブレータモジュール16は回り止め機構128/134/136によって位置決めスリーブ90Aに対して回り止めされているので、スケーリングチップ18をバイブレータモジュール16に螺合により着脱する際にレンチから加えられるトルクは、先ず位置決めスリーブ90Aに伝わり、そこから押しボタン138を介して前キャップ22Aに伝えられる。前キャップ22Aは充分に長くしてあり、従って手で把握しやすいので、前キャップ22Aを手でシッカリと握持すればレンチから加えられるトルクに対して良好に対抗することができる。
【0060】
バイブレータモジュール16を交換するには、先ずバイブレータモジュール16からスケーリングチップ18を取り外し、押しボタン138を押し込んで孔146から離脱させる。前キャップ22Aをケース本体26Aから分離した時には、バイブレータアッセンブリ16は図13に示したようにハウジング134に付着しているであろう。そこで、指で掴んで図14に示したように新たなバイブレータモジュールと容易に交換することができる。
【0061】
ハンドピースの日常の使用時には、前キャップ22Aをハンドピースから取り外して、前キャップ22Aだけをオートクレーブ滅菌や超音波洗浄に付すのが好ましい。前キャップ22Aはハンドピースの全長の大半をカバーしているので、前キャップのみを滅菌し洗浄するだけでハンドピース全体を実質的に衛生的かつ清浄に維持することができる。前キャップだけを滅菌すればよく、内部部品を加熱滅菌する必要がないので、内部部品の寿命を延長させることができる。
【0062】
図16および図17は他の実施例を示すもので、前記実施例と共通する構成要素は共通の参照番号で示す。
図16の実施例では、前キャップ22Aと外ケースの本体26Bとはねじ継手148で連結されており、止めねじ150によって互いにロックされている。止めねじ150は、前キャップ22Aを手で持った状態でスケーリングチップをバイブレータモジュール16に螺合する際に前キャップ22Aからケース本体26Bが不本意に弛むのを防止する役割を果たす。
【0063】
図17の実施例では、キャップ22Bはハンドピースのほぼ全長をカバーするような長さにしてあり、滅菌と把持を一層容易にするようになっている。キャップ22Bは、また、圧縮空気と洗浄冷却水の流量を制御するために本体26B内に組み込んである流量制御弁の調節ねじ152および154を外部から隠蔽する役割も有する。調節ねじ152および154を操作することにより一旦流量を設定したならば、キャップ22Bをロックピン138によって本体26Bに連結すれば調節ねじ152および154に触れることが出来ないので、設定流量が不本意に変わることがない。
【0064】
以上には本発明の特定の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の設計変更を施すことができる。例えば、回り止め用のノッチ126/136の数は、1、2、3又はそれ以上にし、係止部128はノッチの数に対応する数の突起又はピンで構成することができる。
また、スケーリングチップの代わりに根管リーマーを取り付ければ、この振動器具は根管リーミングに使用することができる。また、バイブレータアッセンブリの構成要素の数や形状は適宜変更することができる。特に、図示した実施例では水パイプを通すためロータと端板には中央開口が設けてあるが、スケーリングチップに洗浄冷却水を供給しない場合には中央開口は省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る歯科用スケーラーの側面図で、スケーリングチップを取り外したところを示す。
【図2】図1に示した歯科用スケーラーの長手方向断面図である。
【図3】図2の一部の拡大断面図で、空気噴射リングの噴射ノズルは概念的に示してある。
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図1および図2に示した歯科用スケーラーのバイブレータモジュールを交換する手順を示す。
【図7】本発明の第2実施例に係る歯科用スケーラーの側面図で、スケーリングチップを取り外したところを示す。
【図8】図7に示した歯科用スケーラーの長手方向断面図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る歯科用スケーラーの一部切欠き側面図である。
【図10】図9に示した歯科用スケーラーのバイブレータモジュールをケース本体に着脱するところを示す拡大斜視図である。
【図11】図9に示した歯科用スケーラーの前キャップをケース本体に着脱するところを示す側面図である。
【図12】図9と同様の図であるが、本発明の第4実施例に係る歯科用スケーラーを示す。
【図13】図12に示した歯科用スケーラーの斜視図で、キャップを本体から外したところを示す。
【図14】図10と同様の図で、図13に示したスケーラーのバイブレータモジュールをハウジングに着脱するところを示す。
【図15】図13のXV−XV線に沿った拡大断面図である。
【図16】本発明の他の実施例に係るスケーラーの一部切欠き側面図である。
【図17】本発明の他の実施例に係るスケーラーの一部切欠き側面図である。
【符号の説明】
10: 歯科用振動器具(歯科用スケーラー)
14: 外ケース
16: バイブレータモジュール
18: 振動工具(スケーリングチップ)
22: 前キャップ
26: ケース本体
28: バイブレータケーシング
38: リテーニングねじ
40: ロータ室
42: ロータ(振動子)
44: 噴射ノズル
50: 洗浄冷却水供給パイプ
54: ねじ式連結手段
64、66: 位置決め用肩部
70、94: 弾力支持手段
76/77、126/128、128/134/136: 回り止め手段
86、93: 作用流体供給手段
90: 位置決めスリーブ
92: バイブレータ収納部

Claims (15)

  1. 長手方向に延長する収納部が内部に形成された細長い外ケースと、
    前記収納部に収容された交換可能な空気動式バイブレータと、
    前記バイブレータを前記外ケース内に弾力的に支持する支持手段と、
    高周波振動を発生させるべく前記バイブレータに作用流体を供給する作用流体供給手段と、
    前記バイブレータの前端に振動工具を螺着するためのねじ式連結手段と、
    前記連結手段に振動工具を螺着したり取り外したりする際に外ケースに対してバイブレータを回り止めするための回り止め手段とを備え、
    前記外ケースは互いに分離自在に螺合された前キャップとケース本体とに分割してあり、
    前記収納部の少なくとも一部は前記ケース本体に形成されていると共に少なくとも一部は前記前キャップに形成されており、もって、バイブレータの交換にあたり前記ケース本体と前キャップとを分離したときにバイブレータの一部が前記ケース本体又は前キャップから露出することによりバイブレータを指で掴んでケース本体又は前キャップから引き抜くのを容易にするようになっていることを特徴とする空気動式振動装置。
  2. 前記収納部は外ケースの前端に隣接して配置してあり、前記前キャップの軸方向長さはバイブレータの軸方向長さの約半分であり、もって、前記ケース本体と前キャップとを分離したときにバイブレータの長さの約半分が指による掴持を可能にするべくケース本体又は前キャップから露出することを特徴とする請求項1に基づく空気動式振動装置。
  3. 前記回り止め手段はバイブレータを前記前キャップに対して回り止めするようになっており、バイブレータの交換にあたり前記ケース本体と前キャップとを分離したときにバイブレータが前キャップに残留することを特徴とする請求項1又は2に基づく空気動式振動装置。
  4. 前記回り止め手段はバイブレータを前記ケース本体に対して回り止めするようになっており、もって、前記連結手段に振動工具を螺着したり取り外したりする際に前記前キャップが回転トルクから免除されることを特徴とする請求項1又は2に基づく空気動式振動装置。
  5. 前記回り止め手段は、前記ケース本体の内周に形成された少なくとも1つの係止用ノッチと、前記係止用ノッチと協働するべくバイブレータの外周に形成された少なくとも1つの係止用突起とを有することを特徴とする請求項4に基づく空気動式振動装置。
  6. 長手方向に延長する収納部が前端に隣接して形成され、互いに分離自在に連結されたケース本体と前キャップとに分れた細長い外ケースと、
    前記収納部に交換可能に収容され振動発生用振動子を備えた空気動式バイブレータモジュールであって、振動工具を着脱自在に螺着するためのねじ式連結手段を前部に備えたものと、
    前記バイブレータモジュールを前記外ケース内に弾力支持する支持手段と、
    前記バイブレータモジュールを前記前キャップに対して軸方向に位置決めするための軸方向位置決め手段と、
    前記バイブレータモジュールに圧縮空気を供給して前記振動子を励起する圧縮空気供給手段と、
    前記バイブレータモジュールに振動工具を螺合により着脱する際に外ケースに対してバイブレータモジュールを回り止めするための回り止め手段、
    とを備えた空気動式振動装置において:
    前記回り止め手段はバイブレータモジュールを前記ケース本体に対して回り止めするように構成されていて、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時にバイブレータモジュールがケース本体に残留するようになっており、
    前記前キャップの軸方向長さはバイブレータモジュールの軸方向長さより小さく設定してあり、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時に、ケース本体に残留したバイブレータモジュールの前部がケース本体から前方に露出し、使用者がバイブレータモジュールを掴んで交換するのを容易ならしめるようになっていることを特徴とする空気動式振動装置。
  7. 長手方向に延長する収納部が前端に隣接して形成され、互いに分離自在に連結されたケース本体と前キャップとに分れた細長い外ケースと、
    前記収納部に交換可能に収容され振動発生用振動子を備えた空気動式バイブレータモジュールであって、振動工具を着脱自在に螺着するためのねじ式連結手段を前部に備えたものと、
    前記バイブレータモジュールを前記外ケース内に弾力支持する支持手段と、
    前記バイブレータモジュールを前記前キャップに対して軸方向に位置決めするための軸方向位置決め手段と、
    前記バイブレータモジュールに圧縮空気を供給して前記振動子を励起する圧縮空気供給手段と、
    前記バイブレータモジュールに振動工具を螺合により着脱する際に外ケースに対してバイブレータモジュールを回り止めするための回り止め手段、
    とを備えた空気動式振動装置において:
    前記軸方向位置決め手段は前記外ケース内を延長し前記ケース本体に固定された位置決めスリーブを備え、
    前記回り止め手段はバイブレータモジュールを前記位置決めスリーブに対して回り止めするように構成されていて、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時にバイブレータモジュールが位置決めスリーブに残留するようになっており、
    前記ケース本体と前キャップとの継ぎ目は前記位置決めスリーブの前端よりも後方に位置しており、もって、ケース本体と前キャップとを分離した時に、位置決めスリーブに残留したバイブレータモジュールの前部が位置決めスリーブから前方に露出し、使用者がバイブレータモジュールを掴んで交換するのを容易ならしめるようになっていることを特徴とする空気動式振動装置。
  8. 前記回り止め手段は、位置決めスリーブから前方に延長する筒状ハウジングと、前記ハウジングに形成された少なくとも1つの切欠きと、前記切欠きと協働するべくバイブレータモジュールの外周に形成された少なくとも1つの係止用突起とを有することを特徴とする請求項7に基づく空気動式振動装置。
  9. 前記前キャップの長さは装置の全長の二分の一よりも大きく、前キャップは装置の大部分をカバーしていることを特徴とする請求項7又は8に基づく空気動式振動装置。
  10. 前記係止用突起はバイブレータの外周に形成された多角形断面の係止部によって画成されていることを特徴とする請求項5又は8に基づく空気動式振動装置。
  11. バイブレータの外周に形成された前記係止部は六角形断面を有することを特徴とする請求項10に基づく空気動式振動装置。
  12. 前記ケース本体と前キャップとはワンタッチ継手によって連結されていることを特徴とする請求項1から11のいづれかに基づく空気動式振動装置。
  13. 前記ケース本体と前キャップとはねじ継手によって連結されており、止めねじによって互いにロックされていることを特徴とする請求項1から11のいづれかに基づく空気動式振動装置。
  14. 前記振動工具は歯石除去工具であり、前記振動装置は空気動式歯科用歯石除去装置である請求項1から13のいづれかに基づく装置。
  15. 前記ねじ式連結手段は前方に向かってテーパ状になっていることを特徴とする請求項1から14のいづれかに基づく装置。
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