JP4168420B2 - 交換容易なバイブレータを備えた空気動式歯科用振動ハンドピース - Google Patents

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Description

本発明は、空気動式歯科用スケーラー(歯石除去装置)のような空気動式の歯科用振動ハンドピースに関する。
歯石除去や根管リーミングのような歯科処置に当たり、動力式の歯科用振動ハンドピースが使用されている。
典型的には、この種の歯科用振動ハンドピースは、手で把持可能な細長いケーシングと、その内部に収納された振動源(バイブレータ)と、バイブレータに装着された振動工具(歯石除去用のチップや根管リーミング用のファイル)で構成され、振動源で発生した振動によって工具を振動させることにより歯石除去や根管リーミングのような歯科処置を行うようになっている。
動力式の歯科用振動ハンドピースの振動源は、電歪変換器若しくは圧電変換器を用いて振動を発生させる電動式バイブレータと、圧縮空気を動力源とする空気動式バイブレータとに大別することができる。
前者の電動式バイブレータを備えた歯科用ハンドピースは、例えば、特開昭59-25738号および特開昭60-55941号に開示されている。この種の電動式バイブレータは、超音波帯域の振動数(約20,000Hz以上)で作動させることができるので、可聴帯域の騒音が発生しないという利点がある。 しかしながら、電動式バイブレータの難点は、電歪変換器などから放射された電磁波によって心臓ペースメーカーその他の医療用電子電気機器が誤動作するおそれがあるということである。 後者の空気動式バイブレータを備えた歯科用振動ハンドピースは、例えば、米国特許4,453,919号に開示されている。この空気動式バイブレータは、円盤状の作用室を有するケーシングと、この作用室内に運動可能に収容された円盤状の振動子(ロータ)と、作用室内に圧縮空気を接線方向に噴射する噴射ノズルとを備えている。 噴射ノズルから作用室内に圧縮空気を噴射すると、発生した旋回流の作用により振動子は揺動しながら回転し、作用室の側壁を叩いて振動を発生させる。バイブレータに発生した振動は細長いシャフトを介して歯石除去用チップに伝達され、チップの先端を楕円運動させることにより歯牙に作用する。 この空気動式のバイブレータには、電動式バイブレータにおけるような電磁波に起因する障害がないという利点がある。 しかしながら、この空気動式バイブレータの難点は、約6,000Hz以下の振動数でしか作動させることができないので、キーンという鋭い耳障りな騒音が発生するということである。 特公平6-28669号には、前掲米国特許4,453,919号に記載された空気動式歯科用ハンドピースを改良し、空気動式バイブレータに固有の耳障りな可聴騒音を低減するためバイブレータの振動数を超音波帯域に近づけることが提案されている。 このため、撓み振動モードの振動よりも弾性振動モードの振動の方がより多く歯石除去用チップに伝達するべくシャフトを短縮してあると共に、バイブレータはハンドピースの前端に配置してある。 特公平6-28669号の技術を利用すれば、振動子(ロータ)を小型化することにより振動数を超音波帯域(約20,000Hz)に近づけて、可聴騒音を大幅に低減することができる。 使用に伴いバイブレータの振動子や関連する部品が摩耗した時には、ユーザは歯科用ハンドピースをそのまゝ修理センターや製造工場に送って、摩耗部品を専門家に交換してもらわなければならなかった。このため、バイブレータの部品の交換が終わってハンドピースがユーザの手元に送り返されて来るまで、ユーザはハンドピースの使用を中断することを余儀なくされていた。 そこで、特開2003-79639号には、振動子の摩耗などによりバイブレータの出力が低下した時に何時でもユーザが簡単にバイブレータを交換することの可能な、使い捨て型バイブレータを備えた空気動式歯科用振動ハンドピースが提案されている。 この歯科用ハンドピースは細長いケーシングを備え、このケーシングは分離自在に螺合されたケーシング本体と前キャップとで構成されている。ケーシングの前端近傍にはバイブレータ収納部が形成されており、この収納部に空気動式バイブレータモジュールが交換可能に装着される。 バイブレータモジュールの交換に際しては、ねじを弛めることにより本体から前キャップを外すと、バイブレータモジュールの前半が本体から露出するので、バイブレータモジュールを指で掴んで本体から引き抜くことにより取り外す。新たなバイブレータモジュールを本体に装着し、前キャップを締め付けるだけで、ハンドピースは再び使用可能な状態となる。
一般に、動力式歯科用スケーラーのような歯科用振動ハンドピースを用いて歯科処置を行うに際しては、施術者は歯科用工具の先端を歯牙表面や歯周ポケットのような被処置部位に対して正確に位置決めしなければならない。そのためには、施術者がその親指と人差し指と中指との3点でハンドピースをシッカリと掴持することにより、ハンドピースの工具の先端を被処置部位に対して正確に位置決めできることが肝要である。
従って、ハンドピースが親指と人差し指と中指とでシッカリと掴持しやすいような太さ・形状に造られているかどうかは、適切な歯科処置を行うべく工具を歯牙の被処置部位に対して正確に位置決めする上で極めて重要なことである。
米国特許4,453,919号に記載された歯科用ハンドピースにおいては、バイブレータはハンドピースの後端近傍に配置してあり、バイブレータと振動工具とは細長いシャフトで連結されているので、ハンドピースの先端付近の内側にはシャフトしか存在しない。従って、ハンドピースを先細に形造り、ハンドピースのうち施術者の親指と人差し指と中指とがかかる先端部分(前キャップのところ)を充分細身に形成することができる。従って、施術者はシッカリとハンドピースを掴持することができる。
ところが、特公平6-28669号および特開2003-79639号に開示された歯科用ハンドピースにおいては、振動数を超音波帯域に近づけるため、バイブレータモジュールを出来るだけハンドピースの前端に配置しなければならないので、ハンドピースのうち施術者の親指と人差し指と中指とがかかる前寄りの部分にバイブレータモジュールを内蔵しなければならない。このため、ハンドピースのうち施術者の親指と人差し指と中指とがかかる前寄りの部分を細身に形成することに限界がある。
その結果としてハンドピースの前寄り部分が太くなると、施術者が親指と人差し指と中指とでハンドピースをシッカリと掴持するのが困難となり、指に力を入れにくくなる。これは工具の位置決めを不安定にするので、正確な歯科処置を行う障害となる。
ハンドピースの握り易さと使い勝手を向上させ、もって歯科処置を容易にするには、ハンドピースのうち施術者の指がかかる前キャップの部分を出来るだけ細くすることが望ましい。前キャップの外径を例えば1ミリメートル小さくしただけでも、握り易さは大幅に向上する。
そこで、本発明の目的は、交換可能なバイブレータを備えた空気動式歯科用振動ハンドピースを改良し、施術者の指がかかる部分を出来るだけ小径化することにより、グリップ性能を向上させることにある。
本発明の空気動式振動ハンドピースは、ケーシング本体と前記本体に分離自在に連結された前キャップとを備え、長手方向に延長するバイブレータ収納部が前端近傍に形成された細長いケーシングと;前記収納部内に交換可能に収容され、前部に歯科用振動工具が着脱自在に連結されるようになった空気動式バイブレータモジュールと;前記バイブレータモジュールを前記収納部内に位置決めしケーシングに対して防振支持する支持手段と、前記バイブレータモジュールに作用流体(圧縮空気と冷却水)を供給する作用流体供給手段と;前記バイブレータモジュールに振動工具を着脱する際に前記本体に対してバイブレータモジュールを回り止めするための回り止め手段とを備えている。
本発明の特徴は、
前記収納部とバイブレータモジュールは、前記ケーシング本体から前キャップを取り外した時にバイブレータモジュールの主要部が本体から前方に露出するべく構成されており、
前記回り止め手段は、バイブレータモジュールの後部と前記本体の前部との間に作用するべく構成されていることにある。
このように、回り止め手段がバイブレータモジュールの後部とケーシング本体の前部との間に作用するべく構成したので、前キャップのうち施術者が掴持する前寄り部分の内側には回り止め手段が存在せず、前キャップのこの部分にはバイブレータモジュールのみを内蔵すれば足りる。従って、前キャップのうち施術者が掴持する部分の外径は、回り止め手段がない分だけ小径化することができる。
その結果、施術者が親指と人差し指と中指とでハンドピースをシッカリと掴持するのが容易になり、工具を正確に位置決めし、正確な歯科処置を行うことが可能になる。
好ましい実施態様においては、バイブレータモジュールは小径の後部を備え、回り止め手段は、バイブレータモジュールの小径後部に形成された少なくとも1つの回り止め部材と、回り止め部材と協働するべく本体の前部に形成された少なくとも1つの相補的部材からなる。
これらの回り止め部材および相補的部材は、半径方向に形成してもよいし、軸方向に配置してもよい。
好ましい実施態様においては、回り止め部材はバイブレータモジュールの小径後部の外周に形成された係止部からなり、相補的部材は本体の前部の内周面に形成された凹部又は切欠きからなる。
好ましくは、回り止め部材はバイブレータモジュールの後部の外周に形成された多角形断面の成形部からなり、相補的部材は本体前部の内周面に形成された相補的断面の成形部からなる。
好ましい実施態様においては、前キャップの外周面のうち使用者の指が触れる領域は略六角形に面取りしてある。
これらの面取りは、使用者が指で掴持するハンドピースの有効外径を更に小径化するのを可能にする。
本発明の上記特徴や効果並びに他の特徴や効果は以下の実施例の記載につれて更に明らかにする。
図1から図6は本発明の空気動式歯科用振動ハンドピースの実施例を示す。
図1を参照するに、歯科用振動ハンドピース10は、例えば従来型の4穴式ホース継手12を介して歯科用ユニット(図示せず)からの歯科用ホース14に接続することにより、歯科用ユニットから圧縮空気と上水の供給を受けるように構成されている。このため、ハンドピース10の後端には、ホース継手12を螺合するための雄ねじ16が設けてある。
勿論、ハンドピース10の後端の継手部は、従来型のボールロック式又はワンタッチ式のホース継手を連結するように構成してもよい。
この実施例では、ハンドピース10は歯石を除去するための歯科用スケーラーとして使用するべく構成されており、ハンドピース10の前端には従来型の歯石除去用チップ(工具)18が着脱自在に螺着されるようになっている。
このハンドピース10を根管リーミングに使用する場合には、ハンドピースの前端には歯石除去用工具18に代えて根管ファイルを装着することができる。
ハンドピース10は、手で把持可能な細長いケーシング20を備え、このケーシング20内には交換可能な空気動式バイブレータアッセンブリ又はバイブレータモジュール22(図3および図6参照)が交換自在に装着されている。
バイブレータモジュール22を交換可能に収蔵するケーシング20は、互いに分離自在に螺合されたケーシング本体24と前キャップ26とで構成されている。
図2から分かるように、図示した実施例では、ケーシング本体24は外筒28とねじ継手30を備えている。
外筒28の前部の内周に設けた内ねじ32にねじ継手30の外周に設けた外ねじ34を螺合させ、外筒28とねじ継手30とを接着剤又はピン(図示せず)により固定することにより、外筒28とねじ継手30とは一体的に連結されている。
これに対して、前キャップ26は、その後部の内周に設けた内ねじ36をねじ継手30の外ねじ34に螺合させることにより、分離自在に外筒28に連結される。
前キャップ26は軸方向に延長する段付け孔38を備え、他方、ねじ継手30の前部には図6から良く分かるように前方へ開口した凹部40が形成されている。従って、前キャップ26をケーシング本体24のねじ継手30に螺合した時には、前キャップ26とケーシング本体24との間には、長手方向に延長するバイブレータ収納部42が形成される。バイブレータモジュール22はこの収納部42内に着脱可能かつ交換可能に収蔵される。
収納部42内に収納されたバイブレータモジュール22は、モジュール22の外周溝に装着した前後一対のOリング44、46によりケーシング20に対して軸方向および半径方向に位置決めされると共に防振支持される。
より詳しくは、前キャップ26の軸方向段付け孔38は肩部48(図2)を有し、モジュール22の外周溝に嵌合したOリング44をこの肩部48および段付け孔38に弾力的に係合させることによりモジュール22は前キャップ26に対して位置決めされかつ弾性支持される。
同様に、モジュール22の後部の外周溝に嵌合した他のOリング46をねじ継手30の位置決めスリーブ50(図2および図6参照)のテーパ状前端に弾力係合させることによりモジュール22はケーシング本体24に対して位置決めされかつ弾性支持される。
Oリング44、46は、また、後述するようにモジュール22と前キャップ26との間を気密にシールする役割も備えている。
バイブレータモジュール22は、基本的には前掲の米国特許4,453,919号に記載された原理に基づくもので、かつ、特公平6-28669号に記載されたバイブレータと基本的に同様の構造を有する。
図3の拡大断面図から分かるように、バイブレータモジュール22は円柱形の外形を有する金属ケーシング52を備え、このバイブレータ・ケーシング52には軸方向後方に開口したねじ付き孔54が形成してある。孔54内には穴開き円盤状の第1の端板56と空気噴射リング58と穴開き円盤状の第2の端板60とがこの順で嵌合してあり、これらはケーシング52のねじ付き孔54に螺合したリテーニングねじ62によって互いに一体的に強固に締結されている。
端板56、60の内側面と空気噴射リング58の内周面によって円盤状のロータ室64が画定されており、このロータ室64には穴開き円盤状のロータ(振動子)66が運動自在に収容してある。ロータ66の外径および軸方向厚さは、夫々、ロータ室64の内径および軸方向寸法よりも僅かに小さくしてあり、ロータ66がロータ室64内で振動運動し得るようになっている。
端板56、60とロータ66には中央孔が設けてあり、後述する水パイプをそれらに干渉することなく挿通できるようになっている。
バイブレータモジュール22は使い捨てモジュールとしてユーザに提供され、ロータ66や端板56、60の摩耗により出力が低下した時には新たなモジュールとそっくり交換することができる。
ロータ66はバイブレータが15,000Hz以上の高い振動数で振動するように出来るだけ小型化するのが望ましい。
空気噴射リング58には円周方向に離間された例えば3つの噴射ノズル68が形成してある。図3には概念的にしか示してないが、噴射ノズル68は米国特許4,453,919号に記載されているようにロータ室64に対して接線方向に開口しており、噴射ノズル68からロータ室64内に吹き込まれた空気が旋回流を形成するようになっている。
噴射ノズル68に圧縮空気を供給するため、ケーシング52の内周には噴射ノズル68に面する位置において内周溝70が形成してあり、この内周溝70は円周方向等間隔に離間した複数の半径方向入口ポート72(図3および図6参照)に連通している。
入口ポート72への圧縮空気の供給は、外筒28内を延長する圧縮空気供給パイプ74、圧縮空気供給パイプ74と整列してねじ継手30に形成した軸方向通路76、この軸方向通路76に連通する半径方向通路78、および、前キャップ26の内周とモジュール22の外周との間の環状隙間80(その前端はOリング44によってシールされ、後端はOリング81によってシールされている)を介して行われる。
圧縮空気供給パイプ74の後端は外筒28の後端に固定したねじ継手82を貫通して後方へ突出しており、ホース継手12に接続されるようになっている。
ロータ室64内の使用済みの空気は、端板60の中央孔と、リテーニングねじ62の中央孔84(図3)と、ねじ継手に設けた軸方向通路86(図2)と、
外筒28の内側空間88と、ねじ継手82に設けた排気パイプ90と、歯科用ホース12を介して歯科用ユニットに送り返される。
歯石除去中にチップ18や歯牙を冷却しかつ洗浄するための水をチップ18に供給するため、外筒28内には水供給パイプ92が配置してあり、その前端はねじ継手30に、後端はねじ継手82に支持してある。水供給パイプ92の後端(図1に現れている)は圧縮空気供給パイプ74および排気パイプ90とは異なる角位置に配置してある。
水供給パイプ92はねじ継手30の軸心のねじ孔に螺合した水パイプ94(図2および図6参照)に連通している。
図3から良く分かるように、バイブレータモジュール22はチップ18を着脱自在に装着するための先細のシャンク部96を備え、このシャンク部96にはチップ18の雄ねじ部98(図1)を螺合するための雌ねじ孔100(図2および図3)が設けてある。シャンク部96はその外周溝に装着したOリング101により前キャップ26に対して防振支持することができる。
モジュール22のシャンク部96には、雌ねじ孔100と同軸的に水通路102が設けてあり、図2に示したようにバイブレータモジュール22をケーシング20の収納部42内に装着した時には、水パイプ94が水通路102に連通するようになっている。
水パイプ94とモジュールのケーシング52とは例えば前後に並置した2つのOリング104(図3)によってシールされる。
チップ18を交換したりモジュール22を交換するにあたり、バイブレータモジュール22のシャンク部96に設けた雌ねじ孔100にチップ18をねじ込んだり弛めたりする際に、モジュール22が回転しないようにするため、モジュール22をケーシング本体24に対して回り止めしなければならない。
本発明によれば、モジュール22の回り止めは、モジュール22のリテーニングねじ62の後部をケーシング本体24の位置決めスリーブ50に噛み合わせることにより行われる。
このため、リテーニングねじ62の後部には機械加工などにより六角形断面の成形部106が形成してあると共に、位置決めスリーブ50の内周にはこの六角形成形部106の角部が進退自在に係合することの可能な6つの切欠き又は凹部108が機械加工などにより形成してある。これら6つの切欠き108は六角形成形部106に対応して円周方向等間隔に配置してある。
従って、モジュール22の回り止めは、六角形成形部106の角部が切欠き108に夫々噛み合うことにより行われる。
リテーニングねじ62自体は、接着またはピンによりバイブレータ・ケーシング52にロックされている。
このように、ケーシング本体24に対してモジュール22を回り止めするための六角形成形部106は、ケーシング52よりも小径のリテーニングねじ62を利用し、しかもその後端に形成したので、バイブレータモジュール22には、ケーシング52の外径よりも半径方向外側に突き出す部分は存在しない。従って、前キャップ26は、その内周面とケーシング52の外周面との間に必要最小限のクリアランスを残す程度まで小径化することができる。
こうして、本発明によれば、前キャップ26のうち指で掴持する部分の外径は、特開2003-79639号に開示されたハンドピースに比較して、約2mmほど小径化することができる。
本発明により達成される約2mmの小径化は、些か僅かなものであるが、これは使用者がその親指と人差し指と中指とでハンドピースを掴持するのを格段に容易にし、工具をシッカリと正確に位置決めするのを可能にする。その結果、より正確で的確な歯科処置が可能になる。
図1、図2、および図4を参照するに、前キャップ26の外周面のうち、使用者の指が触れる領域には、円周方向等間隔な6箇所に面取り110が加工してある。これらの面取り110は、使用者の親指と人差し指と中指との3本の指をよりハンドピースの軸心に近づけるのを可能にするので、ハンドピースの掴持を一層確実にする。
次に、この歯科用ハンドピース10の使用の態様とバイブレータモジュール22の交換の態様を説明する。
ハンドピース10の使用に際しては、ハンドピースに装着されたバイブレータモジュール22のねじ孔100にレンチを用いてチップ18を螺着し、ハンドピース10のねじ継手82の雄ねじ16にホース継手12を螺合し、歯科用ユニットのフットスイッチを操作することによりハンドピースへ圧縮空気と圧力水を供給する。
バイブレータ22への圧縮空気の供給を開始すると、噴射ノズル68からロータ室64内に接線方向に噴射された圧縮空気によりロータ室64内には旋回流が発生し、米国特許4,453,919号に記載された原理によりロータ66が運動し、振動を発生させる。バイブレータ22に発生した振動はシャンク部96を介してチップ18に伝達され、チップ18を超音波帯域に近い高い振動数で振動させる。
使用者はその親指と人差し指と中指とでハンドピースを掴持し、チップ18を被処置部位にあてがって歯科処置を行う。前述したように小径化されたハンドピースはシッカリと確実に掴持できるので、使用者はチップ18を正確に位置決めすることができる。
歯石除去中は、歯科用ユニットからの圧力水が水供給パイプ92、水パイプ94、水通路102、およびチップ18の中央水通路を介してチップの先端に供給され、歯牙とチップ18を冷却しかつ歯石破砕片を洗い流す。
ハンドピース10の使用に伴いロータ66や端板56、60が摩耗すると、バイブレータの出力が低下するであろう。その時には、ユーザは、以下のようにしてバイブレータモジュール22を簡単に交換することができる。
先ず、レンチを用いてチップ18を弛め、ハンドピース10のバイブレータモジュール22から取り外す。
次に、図4に示したように、片手でケーシング本体24を把持し、他方の手で前キャップ26を把持しながら、前キャップ26を弛めてケーシング本体24から取り外す。
前キャップ26をケーシング本体24から弛める時には、バイブレータモジュール22はリテーニングねじ62の後部の六角形成形部106が位置決めスリーブ50の切欠き108に嵌合することによりケーシング本体24に対して回り止めされており、モジュール22はケーシング本体24に対して相対回転できないので、水パイプ94とOリング104との間の摩擦は静止摩擦となる。
これに対して、前キャップ26はモジュール22に対して相対回転せられるので、前キャップ26とOリング44との間の摩擦はすべり摩擦となる。
従って、前キャップ26を回し弛めてケーシング本体24から取り外した時には、モジュール22は水パイプ94とOリング104との間の摩擦により図4および図5に示したようにケーシング本体24に付着しているであろう。
図4および図5から良く分かるように、この状態では、バイブレータモジュール22の大半はケーシング本体24から前方に露出しているので、容易に指で掴むことができる。
そこで、ユーザは、片方の手でケーシング本体24を掴み、他方の手の指でバイブレータモジュール22を掴んで引っぱることにより、図6に示したようにケーシング本体24からバイブレータモジュール22を容易に抜き取ることができる。使用済みのバイブレータモジュールは廃棄することができる。
モジュール22のリテーニングねじ62の六角形成形部106を位置決めスリーブ50の切欠き108に嵌合させながら、新たなバイブレータモジュール22をケーシング本体24に装着し、前キャップ26をケーシング本体24に螺合し、チップ18を装着するだけで、歯科用ハンドピース10は再び使用可能な状態となる。
このように、ロータの摩耗などによりバイブレータの出力が低下した時には何時でも、極めて簡単に、かつ、何等特殊な工具を使用することなく、バイブレータモジュールを交換することができる。
以上には本発明の特定の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の設計変更を施すことができる。例えば、リテーニングねじ62の回り止め用成形部106の断面形状は、卵形、長円形、三角形、四角形、五角形、その他の形状にし、位置決めスリーブ50の切欠きもこれと相補的な断面形状にすることができる。また、ハンドピースのケーシングの構成部品の数や形状は適宜変更することができる。
本発明の実施例に係る歯科用ハンドピースの側面図で、歯石除去用チップとホース継手を取り外したところを示す。 図1に示した歯科用ハンドピースの長手方向断面図である。 図2に示したバイブレータモジュールの拡大断面図で、空気噴射リングの噴射ノズルは概念的に示してある。 図1に示した歯科用ハンドピースの前キャップをケーシング本体に着脱するところを示す側面図である。 図1に示した歯科用ハンドピースの前キャップをケーシング本体に着脱するところを示す斜視図である。 図4および図5に示した歯科用ハンドピースのケーシング本体にバイブレータモジュールを着脱するところを示す斜視図である。
符号の説明
10: 歯科用振動ハンドピース
18: 振動工具
20: ケーシング
22: バイブレータモジュール
24: ケーシング本体
26: 前キャップ
42: バイブレータ収納部
44、46: 支持手段
74、76、78、80: 圧縮空気供給手段
106/108: 回り止め手段

特許出願人 株式会社 ミクロン
代 理 人 弁理士 伊藤 宏

Claims (5)

  1. ケーシング本体(24)と前記ケーシング本体(24)に分離自在に連結された前キャップ(26)とを備え、長手方向に延長するバイブレータ収納部(42)が前端近傍に形成された細長いケーシング(20)と、
    ケーシング(20)の前記収納部(42)内に交換可能に収容され、前部に歯科用振動工具(18)が着脱自在に連結されるようになった空気動式バイブレータモジュール(22)と、
    前記バイブレータモジュール(22)を前記収納部(42)内に位置決めしケーシング(20)に対して防振支持する支持手段(44、46)と、
    前記バイブレータモジュールに圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段(74、76、78、80)と、
    前記バイブレータモジュールに振動工具(18)を着脱する際に前記ケーシング本体(24)に対してバイブレータモジュール(22)を回り止めするための回り止め手段、
    とを備えた空気動式振動ハンドピース(10)において:
    前記収納部(42)とバイブレータモジュール(22)は、前記ケーシング本体(24)から前キャップ(26)を取り外した時にバイブレータモジュール(22)の主要部がケーシング本体(24)から前方に露出するべく構成されており、
    前記回り止め手段は、バイブレータモジュール(22)の後部と前記ケーシング本体(24)の前部(50)との間に作用するべく構成されていることを特徴とする空気動式歯科用振動ハンドピース。
  2. 前記バイブレータモジュールは小径の後部を備え、前記回り止め手段は、バイブレータモジュールの小径後部に形成された少なくとも1つの回り止め部材(106)と、前記回り止め部材と協働するべく前記ケーシング本体の前部に形成された少なくとも1つの相補的部材(108)からなることを特徴とする請求項1に基づく空気動式歯科用振動ハンドピース。
  3. 前記回り止め部材はバイブレータモジュールの小径後部の外周に形成された係止部(106)からなり、前記相補的部材は前記本体の前部の内周面に形成された凹部又は切欠き(108)からなる請求項2に基づく空気動式歯科用振動ハンドピース。
  4. 前記回り止め部材はバイブレータモジュールの後部の外周に形成された多角形断面の成形部(106)からなり、前記相補的部材は前記本体の前部の内周面に形成された相補的断面の成形部(108)からなることを特徴とする請求項2に基づく空気動式歯科用振動ハンドピース。
  5. 前キャップの外周面のうち使用者の指が触れる領域は略六角形に面取り(110)してあることを特徴とする請求項1から4のいづれかに基づく空気動式歯科用振動ハンドピース。
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