JP4048103B2 - 陰電位治療器 - Google Patents

陰電位治療器 Download PDF

Info

Publication number
JP4048103B2
JP4048103B2 JP2002337051A JP2002337051A JP4048103B2 JP 4048103 B2 JP4048103 B2 JP 4048103B2 JP 2002337051 A JP2002337051 A JP 2002337051A JP 2002337051 A JP2002337051 A JP 2002337051A JP 4048103 B2 JP4048103 B2 JP 4048103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative potential
spacer
passage portion
treatment device
potential treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002337051A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004167015A (ja
Inventor
耕作 見谷
Original Assignee
西川リビング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 西川リビング株式会社 filed Critical 西川リビング株式会社
Priority to JP2002337051A priority Critical patent/JP4048103B2/ja
Publication of JP2004167015A publication Critical patent/JP2004167015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4048103B2 publication Critical patent/JP4048103B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陰電位治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体の近辺に陰電位に保った電極等を配置することにより肩凝り等に対する治療効果が得られることが知られている。従来より、かかる治療効果を有する採暖具が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この採暖具は、例えば、寝具に加温機能および陰電位発生機能を設けたものである。この採暖具を陰電位治療器として使用すると、人体が加温されるととともに人体に陰電位治療が施される。一方、この採暖具を寝具として使用すると、人体が加温され快適に過ごすことができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−180857号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、比較的高い気温の条件下においては、ヒータ等の電源がオフの状態であっても寝具の持つ保温性により人体が暑さを感じ、不快感を持つこともある。
【0005】
一方、電気毛布等の寝具は、加温効果により冬には快適であるが夏には使用されない。したがって、年間を通して快適に使用できる寝具が望まれる。
【0006】
本発明の目的は、高い気温環境下においても快適かつ効果的に陰電位治療を行うことができる陰電位治療器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明に係る陰電位治療器は、人体に陰電位治療を施すための陰電位治療器であって、人体が横たわるためのマット部と、マット部に設けられ陰電位を発生するための陰電位発生手段と、マット部の少なくとも一部の表面に沿った内部空間に気体の流れを形成する通気手段とを備え、通気手段は、マット部の対向する一辺から他辺に直線状に延びるように形成される通路部と、通路部の一端に設けられる気体吸入口と、通路部の他端に設けられる気体排出口と、通路部内に設けられたスペーサと、気体吸入口から通路部内のスペーサを通して気体排出口に向かう気体の流れを形成する気流形成手段とを有し、通路部のスペーサの上面は、含水性を有しかつ通気性を有さない生地で被覆され、通路部に沿ったスペーサの両側面および底面は、通気性を有しないカバーで被覆され、気体吸入口側および気体排出口側のスペーサの端面は開放されているものである。
【0009】
本発明に係る陰電位治療器においては、陰電位発生手段から陰電位が発生するとともに、マット部の表面に沿った内部空間に気体が流動する。それにより、人体の汗が内部空間で気化するとともに気化した水蒸気が流動する気体により内部空間から排出される。このときの気化熱により冷却効果および除湿効果が得られる。したがって、周囲の気温が高い場合には、冷却効果および除湿効果により精神的および肉体的に快適な状態が得られ、緊張緩和が促進される。その結果、陰電位治療の効果が向上する。
【0010】
また、通路部がマット部の対向する一辺から他辺に直線状に延びるように形成され、通路部の一端に気体吸入口が設けられ、通路部の他端に気体排出口が設けられ、通路部内にスペーサが設けられている。通路部のスペーサの上面は、含水性を有しかつ通気性を有しない生地で被覆され、通路部に沿ったスペーサの両側面および底面は、通気性を有しないカバーで被覆され、気体吸入口側および気体排出口側のスペーサの端面は開放されている。そして、気体吸入口から通路部内のスペーサを通して気体排出口に向かう気体の流れが形成される。
【0011】
この場合、気流形成手段により気体吸入口から周辺の気体が吸い込まれ、吸い込まれた気体は通路部を通り、排出口を通って排出される。したがって、絶えず通路部に気体が供給され、人体が放出しマット部に蓄積された熱および水蒸気を排出口より排出することができる。さらに、通路部内の温度が一定に保たれる。
また、通路部にスペーサが設けられているので、通路部内の気体の流れを確保することができるとともに通路部内を流動する気体は抵抗なく流動することができる。したがって、効率良く通路部内の気体を排出口から排出することができる。
さらに、通路部のスペーサの上面が含水性を有しかつ通気性を有さない生地で被覆されているので、人体が発汗しても汗が生地に吸収され、吸収された汗はスペーサ内を流動する気体により気化して排出口から排出される。また、絶えずスペーサ内に気体吸入口から気体が供給される。したがって、汗が気化することにより人体から熱が奪われ冷却効果が高まるとともに、スペーサ内の湿度が一定に保たれ、汗が効率良く気化する。
【0012】
気流形成手段は、気体排出口に設けられたファンを含んでもよい。この場合、気体排出口に設けられたファンが動作することにより通路部に供給された気体が効率良く排出口から排出され、小電力により通路部内に気体の流れを形成することができる。
【0013】
マット部に一辺から他辺に延びる凹部が形成され、通路部は、凹部内に設けられてもよい。この場合、通路部はマット部の一部に配置することができる。したがって、マット部全体に配置する必要がなくコストがかからない。また、使用者の好みにより通路部を配置することもできる。
【0015】
スペーサは、上面および下面を構成するメッシュ材と、上面のメッシュ材と下面のメッシュ材とを結合する複数の線材とからなってもよい。この場合、通路部内の気体は抵抗なく流動することができる。したがって、効率良く通路部内の気体を排出口から排出することができる。
【0016】
上面のメッシュ材の網目の寸法は、下面のメッシュ材の網目の寸法よりも大きくてもよい。この場合、人体と通路部内の気体が接する面積が大きくなる。したがって、通路部内の気体への熱伝導が効率良く行われる。
【0017】
複数の線材は、複数の方向を向き、略台形を構成するように編まれていてもよい。この場合、複数の線材は一方向を向かずに、多方向を向いている。したがって、スペーサの上面にかかる荷重は多方向に分散され、スペーサの上面に人体の体重程度の荷重がかかっても押し潰されない。さらに、人体の荷重が分散されるため、柔らかな感触を得ることができる。
【0019】
通路部は、厚さが5mm以上15mm以下であってもよい。この場合、通路部を流れる気体は人体近辺の空間を通って排出口から排出される。したがって、人体から発生した熱が効率良く排出口から排出される。
【0020】
マット部は、内部に加温手段をさらに備えてもよい。この場合、加温手段により加温することが可能である。したがって、気温の低い環境下においても人体に温感を与えつつ快適な状態で陰電位治療効果を発揮することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る陰電位治療器について説明する。
【0025】
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る陰電位治療器を説明する概略図、図1(b)は、図1(a)のA−A線拡大断面図、図1(c)は、図1(b)のB部の拡大断面図である。図1の陰電位治療器は、陰電位治療機能を有する寝具である。
【0026】
図1(a)、(b)に示すように、陰電位治療器1は、マット部2、通気部3、リモコン4および加温/陰電位発生部5を備える。さらに、通気部3は、吸入部10、通路部20および排出部30を備える。
【0027】
図1(c)に示すように、マット部2は、ウレタン等からなる矩形のクッション材2bからなる。クッション材2bは、例えば、長さ約2m、幅約1m、および厚さ約5cm〜10cmの寸法を有する。クッション材2bの中央部より一方の短辺に近い位置において一方の長辺から他方の長辺に延びる長方形の凹部が形成され、凹部内に通気部3の通路部20が設けられている。通路部20の一端部に吸入部10が設けられ、通路部20の他端部に排出部30が設けられている。
【0028】
通気部3の通路部20は、後述するハニカムスペーサ22を内部に有し、底面および両側面がスペーサカバー21で被覆され、上面および両端面が開放されている。ハニカムスペーサ22は内部を空気が抵抗なく通過することが可能なハニカム構造の立体メッシュ編み物である。ハニカムスペーサ22は、例えば、長さ約1m、幅約35cm、および厚さ1cmの寸法である。なお、ハニカムスペーサ22の厚さが5mmよりも小さい場合、ハニカムスペーサ22内の抵抗が大きくなり大型のファンが必要になることからコストがかかる。一方ハニカムスペーサ22の厚さが15mmを超える場合、冷却効果が弱まる。したがって、ハニカムスペーサ22の厚さは、5mm以上15mm以下が好ましく、7mm以上10mm以下がより好ましい。スペーサカバー21の素材は、通気性がない合成繊維等からなる不織布またはフィルムである。
【0029】
クッション材2bの下面側に後述するヒータおよび電床を含む加温/陰電位発生部5が配置されている。クッション材2b、加温/陰電位発生部5およびハニカムスペーサ22の外表面は、側生地2aにより被覆されている。側生地2aは、含水性を有し、かつ、通気性を有さない布等からなる。
【0030】
使用者によるリモコン4の操作に基づいて、マット部2および通気部3が制御される。使用者がリモコン4の操作により通気動作を選択すると、通気部3がオンする。それにより、排出部30の内部に設けられたファンが動作を開始し、吸入部10から周辺の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は通路部20を通り、排出部30内部に設けられたファンを通って排出される。
【0031】
また、使用者がリモコン4の操作により加温動作を選択すると、加温/陰電位発生部5内部に設けられたヒータがオンする。それにより、ヒータが発熱し、クッション材2bを伝ってマット部2全体を加温する。
【0032】
さらに、使用者がリモコン4の操作により陰電位治療を選択すると、加温/陰電位発生部5の内部に設けられた導体に負電位が与えられ、陰電位治療が行われる。
【0033】
図2は、図1の排出部30の構造を示す模式図である。
排出部30は、空気入口32および空気出口33a,33bを有し、ファン31a,31bを内蔵する。ファン31a,31bおよび空気出口33a,33bは排出部30の両側部にそれぞれ設けられている。
【0034】
ファン31a,31bが動作することにより空気入口32から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気はファン31a,31bを通って空気出口33a,33bから排出される。
【0035】
図3はハニカムスペーサ22の斜視図である。図4(a)はハニカムスペーサ22の平面図であり、図4(b)は図4(a)のC−C線断面図であり、図4(c)はハニカムスペーサ22の底面図である。
【0036】
図3に示すように、ハニカムスペーサ22は、ハニカム構造の立体メッシュ編み物である。ハニカムスペーサ22の上面および下面は適度な弾力性を有する合成繊維等を編むことにより得られる六角形のメッシュ材221,222からなり、上面のメッシュ材221と下面のメッシュ材222とは複数の繊維223で結合されている。
【0037】
図4に示すように、ハニカムスペーサ22の上面のメッシュ材221の網目の寸法はハニカムスペーサ22の下面のメッシュ材222の網目の寸法よりも大きく設定されている。それにより、図1(b)のスペーサカバー21を介して人体とハニカムスペーサ22内の空気が接する面積が大きく、スペーサ22内の空気への熱伝導が効率良く行われる。
【0038】
図4(b)に示すように、ハニカムスペーサ22の上面のメッシュ材221と下面のメッシュ材222とを結合する繊維223は一方向を向かず、多方向を向き、略台形を構成するように編まれている。それにより、ハニカムスペーサ22の上面にかかる荷重は多方向に分散され、ハニカムスペーサ22の上面に人体の体重程度の荷重がかかっても押し潰されない。さらに、人体の荷重が分散されるため、柔らかな感触を得ることができる。
【0039】
また、上面のメッシュ材221と下面のメッシュ材222とを結ぶ繊維223は非常に細く上面と下面との間の空間に占める空間占有率は非常に低い。それにより、上面と下面との間の空間では気体が抵抗なく流動することが可能である。
【0040】
図5は本発明の実施の形態に係る陰電位治療器1の回路図である。図5の陰電位治療器はコントローラ部200および加温/陰電位発生部5からなる。
【0041】
加温/陰電位発生部5にはヒータ210および温度センサ212が内蔵されている。ヒータ210は、第1の発熱導体210a、第2の発熱導体210bおよびシールド導体210cからなる。一方、温度センサ212は、感熱線212aおよびシールド導体212bからなる。本実施の形態では、ヒータ210のシールド導体210cおよび温度センサ212のシールド導体212bが陰電位付与のための電床240として用いられる。ヒータ210は、図1のクッション材2bの下面側のほぼ全面にわたって蛇行するように配置されている。
【0042】
コントローラ部200は、主としてダイオード201,202、陰電位発生回路(負電位発生回路)203、温度制御回路204、変圧器205、直流電源回路206、マイクロコンピュータ207、メインスイッチ209、サイリスタ213およびスイッチング素子214を含む。
【0043】
ラインL1はプラグ208の一方の電極に接続され、ラインL2はプラグ208の他方の電極に接続されている。ダイオード201のアノードはノードN1に接続され、カソードはラインL1に接続されている。ダイオード202のアノードはノードN1に接続され、カソードはラインL2に接続されている。これらのダイオード201,202が正電位側端子接続回路230を構成する。
【0044】
変圧器205の1次巻線205aはラインL1,L2間に接続されている。陰電位発生回路203の一方の電源端子203aは変圧器205の一方の2次巻線205bの一端に接続され、他方の電源端子203bはスイッチング素子214を介して2次巻線205bの他端に接続されている。陰電位発生回路203の正電位側端子231はノードN1に接続され、負電位側端子232はヒータ210のシールド導体210cおよび温度センサ212のシールド導体212bに接続されている。この陰電位発生回路203は、例えば両波2段重ね4倍電圧回路からなり、負電位側端子232からは例えば−600Vの負電位が出力される。
【0045】
変圧器205の他方の2次巻線205cには直流電源回路206が接続されている。マイクロコンピュータ207は、予め設定された制御プログラムおよび負電位発生パターンに従って、スイッチング素子214に負電位の発生タイミングおよび発生期間を制御するための制御信号SCを与えるとともに、陰電位発生回路203に負電位のレベルを切り換えるための制御信号VCを与える。
【0046】
また、マイクロコンピュータ207は、使用者によるリモコン4の操作に基づき、エアーファン31a,31bに制御信号SBを与え、エアーファン31a,31bの動作を制御する。さらに、マイクロコンピュータ207は、使用者によるリモコン4の操作に基づき、スイッチ209に制御信号SAを与えることによりスイッチ209をオンまたはオフさせ、第1の発熱導体210aおよび第2の発熱導体201bを制御する。マイクロコンピュータ207を動作させるための直流電圧は直流電源回路206により与えられる。
【0047】
ヒータ210の第1の発熱導体210aの一端と第2の発熱導体210bの一端との間にはダイオード211が接続されている。第1の発熱導体210aの他端はラインL1に接続され、第2の発熱導体210bの他端はサイリスタ213を介してラインL2に接続されている。温度センサ212の感熱線212aの両端は温度制御回路204に接続されている。温度制御回路204は、感熱線212aに流れる電流の値に基づいてサイリスタ213をオンオフ制御する。
【0048】
コンセント400の一方の電極は交流電源(商用電力供給用電源)ACの非活線(接地側電位線)401に接続され、他方の電極は交流電源ACの活線(非接地側電位線)402に接続されている。
【0049】
マイクロコンピュータ207から制御信号SAがスイッチ209に与えられてスイッチ209がオンすると、ラインL1からヒータ210の第1の発熱導体210a、ダイオード211、第2の発熱導体210bおよびサイリスタ213を介してラインL2に電流が流れる。それにより、ヒータ210の第1および第2の発熱導体210a,210bが発熱する。このとき、温度制御回路204は温度センサ212の感熱線212aに流れる電流の値に基づいてサイリスタ213をオンオフ制御することにより温度制御を行う。
【0050】
一方、ノードN1の電位はダイオード201,202により接地電位または負電位に保持される。マイクロコンピュータ207が制御信号SCによりスイッチング素子214をオンにすると、陰電位発生回路203の負電位側端子232から負電位が発生される。この負電位は電床240として働くヒータ210のシールド導体210cおよび温度センサ212のシールド導体212bに与えられる。これにより、陰電位治療機能が発揮される。陰電位発生回路203により発生される負電位のレベルはマイクロコンピュータ207の制御信号VCにより切り換えられる。
【0051】
図6の(a)は交流電源ACの交流電圧の波形図であり、(b)は電床240の電位の波形図である。図6の(a)に示すように、交流電源ACの交流電圧は+Eと−Eとの間で正弦波状に変化する。図6の(b)に示すように、電床240の電位は、交流電圧の正の半サイクルで−Vnとなり、負の半サイクルで−Vn−Eとなる。
【0052】
図7は図5に示されるヒータ210の構造を示す模式図である。
図7において、絶縁体からなる芯材221の周囲に導電性の箔または整列線からなる第1の発熱導体210aが螺旋状に巻回され、芯材221および第1の発熱導体210aの表面が樹脂からなる絶縁層222により被覆されている。絶縁層222の周囲には導電性の箔または整列線からなる第2の発熱導体210bが螺旋状に巻回され、絶縁層222および第2の発熱導体210bの表面が樹脂からなる絶縁層223により被覆されている。さらに、絶縁層223の周囲にはシールド導体210cが螺旋状に巻回され、絶縁層223およびシールド導体210cの表面が樹脂からなる絶縁層224により被覆されている。絶縁層224の周囲には熱融着層225が形成されている。
【0053】
次に、図8を参照しながら本実施例の採暖具におけるヒータ210の動作を説明する。
【0054】
図8に示すように第1の発熱導体210aおよび第2の発熱導210bの一端部どうしは電気的に接続されている。第1の発熱導体210aの端部から電流Iを供給すると、第1の発熱導体210aおよび第2の発熱導体210bには互いに逆方向に電流Iが流れる。
【0055】
それにより、第1の発熱導体210aの周囲には磁界+Hが発生し、第2の発熱導体210bの周囲には磁界−Hが発生する。磁界+Hおよび磁界−Hの向きは互いに反対となっている。したがって、磁界+Hと磁界−Hとが互いに相殺され、ヒータ210の周囲にはほとんど磁界が発生しない。
【0056】
また、第1の発熱導体210aおよび第2の発熱導体210bはシールド導体210cにより一体的に覆われ、シールド導体210cは負電位−Vnに保持されている。したがって、ヒータ210内の電界がシールド導体210cで遮蔽され、ヒータ210の外部には電界が発生しない。
【0057】
このように、ヒータ210の外部には磁界および電界がほとんど形成されず、電磁波がほとんど発生しない。また、シールド導体210cに負電位−Vnが付与されるので、陰電位治療機能が発揮される。さらに、シールド導体210cが第1および第2の発熱導体210a,210bから電気的に分離されているので、陰電位治療をヒータ加熱と独立に任意のタイミングで行なうことができる。
【0058】
また、本実施の形態に係るヒータ210においては、第1の発熱導体210a、第2の発熱導体210bおよびシールド導体210cが同軸に形成されているので、取り扱いが容易である。
【0059】
以上のように、本実施の形態に係る採暖具では、ヒータ210からほとんど電磁波が発生されることなく、陰電位治療機能が実現される。
【0060】
なお、本実施の形態では、第1の発熱導体210aおよび第2の発熱導体210bが同軸に配置されているが、第1の発熱導体210aおよび第2の発熱導体210bを互いに沿うように平行に配置してもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、第1および第2の導線として第1および第2の発熱導体210a,210bを用いているが、第1および第2の導線の一方を発熱導体により形成し、他方を単なる導体により形成してもよい。
【0062】
図9は、通気部3の動作を説明する図である。
ここで、一般に通常の気温環境下では人体5の温度は気温よりも高い。したがって、気温にほぼ等しい温度の通気部3と人体5とが接すると、その境界に温度勾配が発生する。それにより、熱の移動が生じて温度の高い人体5から温度の低い通気部3に熱が移動する。
【0063】
しかしながら、人体5は体温を一定に保つために常に熱を放出するため、通気部3に移動した熱が通気部3に蓄積され、通気部3の温度が上昇する。それにより、人体5と通気部3との境界における温度勾配が小さくなる。
【0064】
気温が比較的低い場合(例えば気温20℃)、人体5から通気部3に熱が移動して通気部3に熱が蓄積される。しかしながら、通気部3と通気部3周辺の空気との間に温度勾配が生じるため熱が空気中へ移動する。それにより、人体5と通気部3との境界における温度勾配は適度に保たれ、人体は不快感を持たない。一方、夏の夜等で気温が高い場合(例えば気温28℃)、熱が蓄積された通気部3と通気部3周辺の空気との間に生じる温度勾配が小さくなるため、通気部3から空気中へ熱がほとんど移動しない。したがって、人体5は暑さを感じる。また、人体5が発汗すると人体5と通気部3との境界の湿度が上昇する。それにより、人体5は不快感を持つようになる。
【0065】
本実施の形態における陰電位治療器においては、以下の動作により冷却効果および除湿効果が発揮され、陰電位治療が快適かつ効果的に行われる。
【0066】
以下、通気部3の動作について説明する。
使用者がリモコン4を操作して通気部3をオンすると、図2のファン31a,31bが動作する。それにより、吸入部10から周辺の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は通路部20を通り、排出部30のファン31a,31bを通って図2の空気出口33a,33bから排出される。それにより、通路部20の内部は常に気温と等しい温度に保たれる。したがって、人体5と通気部3との境界に生じる温度勾配は常に一定に保たれ、通気部3に熱が蓄積されない。
【0067】
また、人体5から発生する汗は含水性に富むスペーサカバー21に吸収される。スペーサカバー21に吸収された汗は通路部20を流れる空気により気化して排出部30から排出される。この場合、汗が気化することにより人体5から熱が奪われ、冷却効果が高まる。また、絶えず通路部20に空気が供給されるため通路部20内の湿度が一定に保たれ、汗が効率良く気化する。
【0068】
以下、通気部3の冷却効果および除湿効果を確かめるための実験結果を説明する。
【0069】
図10は、通気部3の冷却効果および除湿効果を確かめるための実験方法を説明する図である。
【0070】
図10に示すように、肘を吸入部10側にし、手を排出部30側にして掌がスペーサカバー21と接するようにスペーサカバー21上に被験者の腕全体が置かれ、その上からタオルケットがかぶせてある。スペーサカバー21上に置かれた掌および腕とスペーサカバー21との間に温湿度センサーX,Yが取り付けてあって、被験者の掌または腕とスペーサカバー21との境界の温度および湿度を30秒周期で測定することができる。実験室内の温度はほぼ30℃で一定であり、湿度はほぼ65%で一定であった。
【0071】
被験者の腕がスペーサカバー21上に置かれて所定の時間経過後に通気部3のオンおよびオフを繰り返し行った。
【0072】
図11は、図10で説明した実験結果を示すグラフである。
縦軸の第1軸(左側の軸)は温度を示し、縦軸の第2軸(右側の軸)は湿度を示し、横軸は時間を示す。図10に示すように被験者の腕がスペーサカバー21上に置かれた時点から測定された。測定開始から17分経過するまでは通気部3はオフであり、その後に通気部3がオンされた。このときのファン31a,31bに印加された電圧は50Vである。測定開始から37分経過後に通気部3がオフされ、測定開始から54分後に通気部3が再度オンされた。このときのファン31a,31bに印加された電圧は30Vである。
【0073】
グラフ上の折れ線aは実験室内温度の経時変化を示し、折れ線bは被験者の腕とスペーサカバー21との境界の温度の経時変化を示し、折れ線cは被験者の掌とスペーサカバー21との境界の温度の経時変化を示し、折れ線dは実験室内の湿度の経時変化を示し、折れ線eは被験者の腕とスペーサカバー21との境界の湿度の経時変化を示し、折れ線fは被験者の腕とスペーサカバー21との境界の湿度の経時変化を示す。
【0074】
折れ線aおよび折れ線dに示すように、実験室内の温度および湿度はほぼ一定に保たれている。
【0075】
まず、折れ線bおよび折れ線cに示すように、掌または腕とスペーサカバー21との境界の温度は、測定開始から徐々に上昇し、通気部3がオンされると下降して一定温度を保ち、通気部3がオフされると再度徐々に上昇し、通気部3がオンされると再度下降した。
【0076】
次に、折れ線eおよび折れ線fに示すように、掌および腕とスペーサカバー21との境界の湿度は、測定開始から徐々に上昇し、通気部3がオンされると急激に下降して一定湿度を保ち、通気部3がオフされると再度徐々に上昇し、通気部3がオンされると再度急激に下降した。
【0077】
なお、ファン31a,31bに印加する電圧は、30Vおよび50Vのどちらでもほぼ同様の結果が得られた。
【0078】
以上の結果より、通気部3が動作することにより通気部3に接する人体を効率良く冷却することができるとともに、湿度の上昇を抑えて人体が感じる不快感を取り除くことが可能であることがわかる。このような冷却効果および除湿効果により夏季等の気温が高い環境でも快適に陰電位治療を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、夏においては人体に冷感を与えつつ快適な状態で陰電位治療効果を発揮することができ、冬においては人体に温感を与えつつ快適な状態で陰電位治療効果を発揮することができる。
【0079】
本実施の形態においては、陰電位治療器1を人体に陰電位治療を施す陰電位治療器として使用しているが、人体に陰電位治療を施さずに寝具として使用してもよい。また、図1の構成に陰電位発生機能を設けない場合には、加温機能および冷却/除湿機能を有する寝具として用いることもできる。
【0080】
また、本実施の形態においては、通気部3の内部に空気を流動させているが、それに限られず、加温した空気を流動させてもよい。この場合、通気部3により人体が加温される。
【0081】
さらに、本実施の形態では、スペーサとしてハニカムスペーサ22を用いているが、これに限定されず、他の構造を有するスペーサを用いてもよい。
【0082】
本実施の形態においては、電床240が陰電位発生手段に相当し、通気部3が通気手段に相当し、吸入部が気体吸入口に相当し、排出部30が気体排出口に相当し、ファン31a,31bが気流形成手段およびファンに相当し、ハニカムスペーサ22がスペーサに相当し、ハニカムスペーサ22の上面のメッシュ材221および下面のメッシュ材222がメッシュ材に相当し、繊維223が複数の線材に相当し、ヒータ210が加温手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態に係る陰電位治療器を説明する概略図、(b)は、(a)のA−A線拡大断面図、(c)は、(b)のB部の拡大断面図である。
【図2】図1の排出部の構造を示す模式図である。
【図3】ハニカムスペーサの斜視図である。
【図4】(a)はハニカムスペーサの平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)はハニカムスペーサの底面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る陰電位治療器の回路図である。
【図6】(a)は交流電源ACの交流電圧の波形図であり、(b)は電床の電位の波形図である。
【図7】図5に示されるヒータの構造を示す模式図である。
【図8】図7のヒータの動作を説明するための図である。
【図9】冷却部の動作を説明する図である。
【図10】冷却部の冷却効果および除湿効果を確かめるための実験方法を説明する図である。
【図11】図10で説明した実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 陰電位治療器
2 マット部
2a 側生地
2b クッション材
2c 加温器
3 通気部
4 リモコン
5 加温/陰電位発生部
10 吸入部
20 通路部
21 スペーサカバー
22 ハニカムスペーサ
30 排出部
31a,31b ファン
32 空気入口
33a,33b 空気出口
200 制御部
203 陰電位発生回路
210 ヒータ
210a 第1の発熱導体
210b 第2の発熱導体
210c シールド導体
212 温度センサ
212a 感熱線
212b シールド導体
240 電床
300 加温部
AC 交流電源

Claims (8)

  1. 人体に陰電位治療を施すための陰電位治療器であって、
    人体が横たわるためのマット部と、
    前記マット部に設けられ陰電位を発生するための陰電位発生手段と、
    前記マット部の少なくとも一部の表面に沿った内部空間に気体の流れを形成する通気手段とを備え
    前記通気手段は、
    前記マット部の対向する一辺から他辺に直線状に延びるように形成される通路部と、
    前記通路部の一端に設けられる気体吸入口と、
    前記通路部の他端に設けられる気体排出口と、
    前記通路部内に設けられたスペーサと、
    前記気体吸入口から前記通路部内のスペーサを通して前記気体排出口に向かう気体の流れを形成する気流形成手段とを有し、
    前記通路部の前記スペーサの上面は、含水性を有しかつ通気性を有さない生地で被覆され、前記通路部に沿った前記スペーサの両側面および底面は、通気性を有しないカバーで被覆され、前記気体吸入口側および前記気体排出口側の前記スペーサの端面は開放されていることを特徴とする陰電位治療器。
  2. 前記気流形成手段は、気体排出口に設けられたファンを含むことを特徴とする請求項記載の陰電位治療器。
  3. 前記マット部に一辺から他辺に延びる凹部が形成され、
    前記通路部は、前記凹部内に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の陰電位治療器。
  4. 前記スペーサは、
    上面および下面を構成するメッシュ材と、
    前記上面のメッシュ材と前記下面のメッシュ材とを結合する複数の線材とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の陰電位治療器。
  5. 前記上面のメッシュ材の網目の寸法は、前記下面のメッシュ材の網目の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項記載の陰電位治療器。
  6. 前記複数の線材は、複数の方向を向き、略台形を構成するように編まれていることを特徴とする請求項または記載の陰電位治療器。
  7. 前記通路部は、厚さが5mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の陰電位治療器。
  8. 前記マット部は、内部に加温手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の陰電位治療器。
JP2002337051A 2002-11-20 2002-11-20 陰電位治療器 Expired - Fee Related JP4048103B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002337051A JP4048103B2 (ja) 2002-11-20 2002-11-20 陰電位治療器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002337051A JP4048103B2 (ja) 2002-11-20 2002-11-20 陰電位治療器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004167015A JP2004167015A (ja) 2004-06-17
JP4048103B2 true JP4048103B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=32700709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002337051A Expired - Fee Related JP4048103B2 (ja) 2002-11-20 2002-11-20 陰電位治療器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4048103B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004167015A (ja) 2004-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5720774A (en) Heating pad
JPH10165521A (ja) 治療用及び美容用の温熱器
JP4048103B2 (ja) 陰電位治療器
KR20100134366A (ko) 활성탄 탄소섬유를 이용한 우레탄 발열 건강패드
KR101040828B1 (ko) 스프링침대용 황토-숯 온돌장치
KR20190107517A (ko) 온열매트
JP3136119B2 (ja) 送風寝具
JP3096165U (ja) 医療用布団
KR200339069Y1 (ko) 전기매트
KR102661333B1 (ko) 면상 발열체가 적용된 커블체어용 커버
RU211183U1 (ru) Подушка для сна
KR200367202Y1 (ko) 온열식 전기침구
KR20190005067A (ko) 전위치료용 매트
JP3943562B2 (ja) 電位発生機能付き床暖房装置及び電位発生機能補助装置
RU21855U1 (ru) Матрас с регулируемым термообогревом внешней оболочки
RU211714U1 (ru) Подогреватель воздуха области головы спального места
KR101783155B1 (ko) 탄소필름이 적용된 매트
KR20230163687A (ko) 저전력 전도사로 형성된 발열패턴이 적용된 발열매트
KR20170142657A (ko) 내구성이 향상된 온열 매트.
JP2004239571A (ja) 床暖房付フリーアクセスフロア
JP3107664U (ja) 電界治療器用温熱付き足部電極
JPS5921514Y2 (ja) 電気採暖具
JP2003093429A (ja) 電熱式マット及びそれを備えたストレッチャー
JPH05168720A (ja) 電位治療用温熱布団
JPH05228198A (ja) サウナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071126

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees