JP4046954B2 - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は組み付け作業性を向上させた静油圧式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車や自動車の無段変速機として静油圧式のものが知られている。このような静油圧式の無段変速機は、例えば特公平7−56340号公報、特開平4−203553号公報などに開示されている。その概略構成を図4に示す。
【0003】
図4に示すように、この静油圧式無段変速機は、エンジンのクランク軸側と接続される定容量型の斜板式油圧ポンプPと、駆動輪側に接続される可変容量型の斜板式油圧モータMとを有している。油圧ポンプPと油圧モータMとは、通常の負荷運転中には低圧路であるが減速時つまり逆負荷運転中には高圧路となる内側油路(低圧油路)52、並びに通常の負荷運転中には高圧路であるが逆負荷運転中には低圧路となる外側油路(高圧油路)53とを介して油圧閉回路を構成すべく接続されている。油溜87から油を吸い上げる補給ポンプ88に連なる補給油路47は、第1逆止弁95を介して内側油路52に接続されると共に、第2逆止弁96を介して外側油路53に接続されている。
【0004】
また、内側油路52及び外側油路53間には、運転者のクラッチ操作に応じて作動するクラッチ弁69が介設されている。これらのクラッチ弁69は、両油路52、53間を遮断するクラッチオン位置、両油路52、53間を連通するクラッチオフ位置、並びに両油路52、53を連通したまま外部に開放する連通・放出位置の三つの位置を切り換え可能となっている。
【0005】
外側油路53と内側油路52との間には調圧弁97が設けられている。この調圧弁97により、通常の負荷運転中、つまり加速時に、高圧側である外側油路53の油路が一定値以上になった場合、外側油路53の作動油の一部を内側油路52に導いて、外側油路53内の油圧が過大になるのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成の静油圧式無段変速機において、定容量の斜板式油圧ポンプPは、ポンプ斜板(入力軸)に対し所定の傾斜角度で組み付けられるプレートと、出力軸と一体のシリンダブロックに形成された多数のシリンダ孔内にそれぞれ摺動可能に収容され、外端が前記プレートに係合されるポンププランジャ(ピストン)とを有している。前記プレートと前記ポンププランジャ外端との係合は、プレートの表面に形成されたディンプル穴に前記各ポンププランジャの外端の球状部を当接させることによりなされている。
【0007】
一方、シリンダブロックにおいて、各シリンダ孔の内側には半径方向にバルブ孔が形成され、そこに、半径方向に移動可能に分配弁が収容され、これらの分配弁の放射方向への往復移動によりシリンダ孔が内側油路と外側油路とに切り換えられる。分配弁の移動は分配弁の頭部が、前記ポンプ斜板に設けられたリング状の偏心カムによって駆動される。従って、油圧ポンプPはポンプ斜板(入力軸)の回転によりプレートを揺動させてポンププランジャを往復動させ、また、偏心カムにより分配弁を移動させて内側油路と外側油路との切換える動作を行うため、これら部品の組付けを正確に行わなければ、油圧ポンプによる正確な吸入、吐出を実現することができない。その内でも特に、プレートに対するポンププランジャの組付けは、所定の傾斜角度で組付けられるプレート上のディンプル穴にポンププランジャの外端を正確に位置決めして当接させなければならない。
【0008】
従来、プレートとポンププランジャとの位置合わせは、作業者が手作業により、ポンプ斜板を回転させながら、ポンププランジャの先端半球状部とプレートのディンプル穴との接触を触感で合わせていた。
【0009】
しかし、作業者の触感に頼っていたので、プレートのディンプル穴とポンププランジャの位置が定まらないことがある。特に、量産の短いタクトで、熟練していない作業者が組み付ける際に、ポンププランジャがプレートのディンプル穴に収まらず、ディンプル穴の外に乗り上げてしまうことがあるなど、組み付けにかなりの時間がかかり、コストアップの原因ともなっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の構成は、定容量の斜板式油圧ポンプと可変容量の斜板式油圧モータとの間に油圧閉回路を構成した静油圧式無段変速機において、前記油圧ポンプは、ポンプ斜板当該ポンプ斜板に対して所定の傾斜角度で回転自在に設けられるプレート、及び当該プレートに係合するプランジャを有し、当該プレートにはディンプル穴が形成され、当該プランジャは当該ディンプル穴に当接することで当該プレートに係合し、当該ポンプ斜板及び当該プレートに、当該プレートに当該プランジャを係合させるときに位置決め治具と係合する係合部を設けたことを特徴とする静油圧式無段変速機。
【0011】
上記構成の静油圧式無段変速機によれば、プレート及びポンプ斜板に、当該ポンプ斜板及びプレートを出力軸と一体のシリンダブロックに組み付ける作業においてプレートにプランジャを係合させるときに位置決め治具と係合する係合部を設けたことにより、組み付けに際しては、プレート及びポンプ斜板に設けた係合部に位置決め治具を係合させることでポンプ斜板にプレートが固定される結果、プレートのディンプル穴の位置とプランジャの位置とが定まるため、プレートとプランジャとの係合を容易かつ正確に行うことができ、油圧ポンプを正確に組立てることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、自動二輪車等の車輌のパワーユニットに適用した実施の一形態に係る静油圧式無段変速機の構造を、その縦断面である図1に基づき説明する。
【0013】
図1において、斜板式油圧ポンプPは、一次減速装置の出力ギヤ2aを備えた入力筒軸5と、この入力筒軸5の内周壁にボールベアリング6を介して相対回転自在に支持されたポンプシリンダ7と、このポンプシリンダ7にその回転軸線を囲むように環状配列で設けられた多数のシリンダ孔8と、シリンダ孔8内にそれぞれ摺動自在に嵌合された複数のポンププランジャ9と、各ポンププランジャ9の外端に前面を係合、当接させるプレート10と、このプレート10をポンプシリンダ7の軸線と直交する仮想トラニオン軸センターO1を中心にしてポンプシリンダ7の軸線に対して一定角度傾斜させた状態に保持すべくアンギュラコンタクトベアリング13及びラジアルベアリング14を介して該プレート10を支承するポンプ斜板12とから構成される。ポンプ斜板12は前記入力筒軸5と一体に形成される。前記ポンプ斜板12は、入力筒軸5の回転時、ポンププランジャ9にプレート10、ベアリング13、14を介して往復動を与えて吸入及び吐出行程を繰り返させる。
【0014】
前記プレート10の表面にはポンププランジャ9と同数のディンプル穴10aが形成されている。ポンププランジャ9の外端は半球状部9aとなっており、この半球状部9aがディンプル穴10aに係合する。
【0015】
油圧モータMは、シリンダブロックBの前記ポンプシリンダ7と一体をなし、かつ前記ポンプシリンダ7と同軸上で図1の右方に位置するモータシリンダ17と、該モータシリンダ17にその回転軸線を囲むように設けられたシリンダ孔18と、シリンダ孔18内にそれぞれ摺動可能に嵌合された複数のモータプランジャ19と、各モータプランジャ19の外端に前面を係合、当接させるプレート20と、アンギュラコンタクトベアリング27及びラジアルベアリング28を介して前記プレート20を支承するモータ斜板22と、該モータ斜板22の背面を支承するモータ斜板アンカ23とから構成される。
【0016】
相互に当接するモータ斜板22及びモータ斜板アンカ23の対向当接面22a、23aは、モータシリンダ17の軸線とトラニオン軸センターO2との交点を中心とする球面状に形成される。しかもモータ斜板22は、前記トラニオン軸センターO2回りの相対回転を可能としてモータ斜板アンカ23に支承される。
【0017】
モータ斜板アンカ23のモータシリンダ17側端部には筒状のシリンダホルダ24が連設され、このシリンダホルダ24とモータシリンダ17の外周との間にはボールベアリング25が介設される。
【0018】
プレート20は、モータ80に連結されているボールねじ機構79によりモータ斜板22がトラニオン軸センターO2回りに回動せしめられることにより、モータシリンダ17の軸線に対し直角となる直立位置と、ある角度で傾倒する最大傾斜位置との間で作動するものであり、その傾斜状態では、モータシリンダ17の回転に伴いモータプランジャ19に往復動を与えて膨張及び収縮行程を繰り返させることができる。
【0019】
ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17は相互に一体に結合されてシリンダブロックBを構成するものであり、前述のようにこのシリンダブロックBと出力軸31とが一体になっている。
【0020】
出力軸31のシリンダブロックBを境にして一方側は、プレート10及びポンプ斜板12を貫通するものであり、アンギュラコンタクトボールベアリング33を介してポンプ斜板12の端部を支承する。また、ポンプ斜板12とケーシング4との間にはボールベアリング35が介設される。
【0021】
出力軸31のシリンダブロックBを境にして他方側は、プレート20、モータ斜板22及びモータ斜板アンカ23を貫通するように延びている。出力軸31の端部側(図1中右方端側)においてはアンギュラコンタクトベアリング41を介してモータ斜板アンカ23が支承される。モータ斜板アンカ23はケーシング4と一体とされている。出力軸31の軸方向外方側で出力軸31の外周には第2次減速装置の入力ギヤ3aが取り付けられる。
【0022】
シリンダブロックBと一体の中空の出力軸31の内部は補給油路47となっている。出力軸31の一端部(図1中左方端部)において補給油路47は、オイルフィルタ89、補給ポンプ88を介して油溜87に接続されている。なお、出力軸31の他端部において補給油路47はプラグ48で閉塞されているか、もしくは、絞りをもって開放されている。
【0023】
ポンプシリンダ7のシリンダ孔8群とモータシリンダ17のシリンダ孔18群との間において、出力軸31の外周面には環状の溝が形成され、出力軸31に一体的に嵌合されるシリンダブロックBの内周面とで環状の内側油路52が形成されている。また、シリンダブロックBの外周面には環状の溝が形成され、シリンダブロックBの外周面に一体的に嵌合されたリング体56の内周面とで環状の外側油路53が形成されている。
【0024】
ポンプシリンダ7のシリンダ孔8群とモータシリンダ17のシリンダ孔18群との間におけるシリンダブロックBの内側油路52と外側油路53との間の環状隔壁、並びに外側油路53の外周壁すなわちリング体56を放射状に貫通するようにして、前記シリンダ孔8と同数の第1弁孔57がシリンダ孔8群側に設けられ、やはり前記シリンダ孔18と同数の第2弁孔58がシリンダ孔18群側にそれぞれ設けられている。各シリンダ孔8と各第1弁孔57とはポンプポート59により連通されており、各シリンダ孔18と各第2弁孔58とはモータポート60により連通されている。
【0025】
前記第1弁孔57にはスプール型の第1分配弁61が、また前記第2弁孔58には同じくスプール型の第2分配弁62がそれぞれ摺動自在に嵌合される。そして、第1分配弁61の外端にはそれら第1分配弁61を囲む第1偏心輪(偏心カム)63が、また第2分配弁62の外端にはそれら第2分配弁62を囲む第2偏心輪(偏心カム)64が、それぞれスリップリング(又はボールベアリング)65、66を介して係合される。
【0026】
第1分配弁61の外端部は第1偏心輪63と同心関係の第1エキスパンドリング67により相互に連結され、また第2分配弁62の外端部は第2偏心輪64と同心関係にある第2エキスパンドリング68により相互に連結される。
【0027】
第1偏心輪63は入力筒軸5に一体に設けられるものであり、前記ポンプ斜板12の斜動中心(仮想トラニオン軸センターO1)に沿ってシリンダブロックBの中心から所定距離だけ偏心して位置される。また、第2偏心輪64は前記シリンダホルダ24に連設されるものであり、前記モータ斜板20の傾動中心(仮想トラニオン軸センターO2)に沿ってシリンダブロックBの中心から所定距離だけ偏心して位置される。
【0028】
ここで、第1分配弁61の作用について説明すると、入力筒軸5とポンプシンダ7すなわちシリンダブロックBとの間に相対回転が生じると、各第1分配弁61は、第1偏心輪63により第1弁孔57において前記偏心距離の2倍の距離をストロークとしてポンプシリンダ7の半径方向内方位置及び外方位置間を往復動される。そして、油圧ポンプPの吐出領域では、第1分配弁61は前記内方位置側を移動して、対応するポンプポート59を外側油路53に連通すると共に内側油路52とを不通にし、それにより吐出行程中のポンププランジャ9によりシリンダ孔8から外側油路53へ作動油が圧送される。
【0029】
また、油圧ポンプPの吸入領域では、第1分配弁61は前記外方位置側を移動して、対応するポンプポート59を内側油路52に連通すると共に外側油路53とを不通にし、それにより吸入行程中のポンププランジャ9により内側油路52からシリンダ孔8に作動油が吸入される。
【0030】
第2分配弁62の作用について説明すると、モータシリンダ17すなわちシリンダブロックBが回転すると、各第2分配弁62は、第2偏心輪64により第2弁孔58において前記偏心距離の2倍の距離をストロークとしてシリンダブロックBの半径方向内方位置及び外方位置間を往復動される。油圧モータMの膨張領域では、第2分配弁62は前記内方位置側を移動し、対応するモータポート60を外側油路53に連通すると共にモータポート60及び内側油路52間を不通にし、それにより外側油路53から膨張行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18に高圧の作動油が供給される。
【0031】
また、油圧モータMの収縮領域では、第2分配弁62は前記外方位置側を移動し、対応するモータポート60を内側油路52に連通すると共にモータポート60及び外側油路53間を不通にし、それにより収縮行程中のモータプランジャ19のシリンダ孔18から内側油路52へ作動油が排出される。
【0032】
かくしてシリンダブロックBは、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププランジャ9を介してポンプ斜板12から受ける反動トルクと、モータシリンダ17が膨張行程のモータプランジャ19を介してモータ斜板22から受ける反動トルクとの和によって回転され、その回転トルクは出力軸31から2次減速装置に伝達される。この場合、入力筒軸5に対する出力軸31の変速比は次式によって与えられる。
【0033】
変速比=1+(油圧モータMの容量/油圧ポンプPの容量)
【0034】
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変えることができる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプランジャ19のストロークにより決定されるので、モータ斜板22を直立位置から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比を1から或る値まで無段階に制御することができる。
【0035】
図1では表れていないが、シリンダブロックBの外周部には120度ずつ等間隔でかつ相互に隣接する第1弁孔57間並びに第2弁孔58間に図1に示したクラッチ弁が設けられている。このクラッチ弁は、クラッチレバーの操作により、内側油路52と外側油路53との間を遮断するクラッチオン位置と、このクラッチオン位置から移動して、内側油路52と外側油路53との間を連通するクラッチオフ位置と、このクラッチオフ位置から更に移動して内側油路52と外側油路53との間を連通すると共に内側油路52及び外側油路53を外部に開放する連通・放出位置とを切り換え可能となっている。
【0036】
図2には静油圧式無段変速機の組み立ての一工程を示す。図3には(a)にはポンプ斜板組立体の断面、同図(b)にはプレート10の正面を示す。
【0037】
図3(a)に示すように、ポンプ斜板組立体161は、油圧ポンプPのケースを構成する入力筒軸5内(ポンプ斜板12に該当する部分)にアンギュラコンタクトベアリング13及びラジアルベアリング14によりプレート10が中心軸線に対し一定角度傾斜させた状態で支持されてなる。プレート10の表面には、ポンププランジャ9の端部の球状部9aと係合されるディンプル穴10aが所定数(ここでは7個)形成される。プレート10の背面に、図3(b)に示すように切り欠き162が形成される。入力筒軸5内にはシリンダブロックBのポンプシリンダ7を回転自在に支持するためのボールベアリング6も嵌合される。尚、入力筒軸5のポンプ斜板12のフランジ部12aには後述する位置決め治具の位置決めのための係合部として切り欠き12bが形成されている。入力筒軸5の端部のフランジ部5aは、一次減速機の出力ギヤ2aを取り付けるためのボルト穴、及び、ギヤの位置決めのためのノック穴5bがあけられている。
【0038】
図2に示すように、治具ベース163には、出力軸31とシリンダブロックBとの組立体164が設置される。シリンダブロック・出力軸組立体164は、出力軸31と一体のシリンダブロックBのポンプシリンダ7のシリンダ孔8にポンププランジャ9を組み付け、さらに第1弁穴57に第1分配弁61を組み込んでなる。第1分配弁61は第1エキスパンドリング67により結合され、その外側にはスリップリング65が設けられる。
【0039】
治具ベース163は上面が基準面165となっており、この基準面165に凹部が設けられ、その底面が、シリンダブロックBを受けるための受け面166となっている。受け面166には、出力軸31を導き入れかつ位置決めするための位置決め孔167が形成されている。また、基準面165にはポンプ斜板組立体161の位置決めのためのピン穴168があけられている。
【0040】
治具ベース163の位置決め孔167に出力軸31を挿入し、シリンダブロックBのモータシリンダ17側の端面を受け面166で受けさせて、入力筒軸5の端面が基準面165上に載せられる。治具ベース163に対するシリンダブロック・出力軸組立体164の位置決めは出力軸31に設けられたスプラインの溝を埋めて山を潰した山潰し部32を利用して成される。
【0041】
ポンプ斜板組立体161はシリンダブロック・出力軸組立体164の上方から挿入され、入力筒軸5の端部内側がスリップリング65に嵌合され、ベアリング6がシリンダ7に嵌合され、ポンプ斜板組立体161の端面が治具ベース163の基準面165上に載せられる。入力筒軸5のフランジ部5aのノック穴5bと基準面165のピン穴168とが合わされ、そこに位置決めピン169が挿入され、ポンプ斜板組立体161の位置合わせがなされる。
【0042】
ポンプ斜板組立体161の入力筒軸5のポンプ斜板12側の端部に位置決め用治具171が嵌合される。位置決め用治具171は、リング状をなすベース部172と、ベース部172から突出し、ポンプ斜板12のフランジ部12aに設けられた切り欠き12bに嵌合する基準合わせ部173と、基準合わせ部173から延び、先端に球状の位置合わせ部174を有する所定の長さの位置合わせ軸175とからなっている。
【0043】
この位置決め用治具171の位置合わせ軸175の先端の位置合わせ部174をプレート10の背面の切り欠き(溝)162に嵌合させることにより、プレート10とポンプ斜板とを固定してディンプル穴10aとポンププランジャ9との位置合わせがなされる。つまり、治具ベース163に対しシリンダブロック・出力軸組立体164の位置が決められ、治具ベース163に対しポンプ斜板組立体161の位置が決められ、ポンプ斜板組立体161に対し位置決め用治具171の位置が決められ、この位置決め用治具171でディンプル穴10aに対応する切り欠き162との位置合わせを行うので、ディンプル穴10aとポンププランジャ9との位置が一義的に決まり、その位置合わせが容易かつ正確になされるのである。
【0044】
以上の位置合わせ及び組み付けが終了すると、位置決め用治具171が入力筒軸5から外され、そこに、出力軸31に対し入力筒軸5を支持するためのベアリング33が嵌め込まれる。その後、ポンプ斜板組立体161は治具ベース163から外され、油圧モータM側のアセンブリー、部品の組み付けがなされる。
【0045】
尚、位置決め用の治具171、切り欠き162としては上記のものに限らず、種々の形状のものが採用可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る静油圧式無段変速機によれば、定容量の斜板式油圧ポンプと可変容量の斜板式油圧モータとの間に油圧閉回路を構成した静油圧式無段変速機において、前記油圧ポンプのプレート及びポンプ斜板に、当該ポンプ斜板及びプレートを組み付けるときに位置決め治具と係合する係合部を設けたので、プレートのディンプル穴とポンププランジャの位置が一義的に定まることから、熟練者でなくても油圧ポンプの組み付けを簡単かつ正確に行うことができるようになり、組み付けタクトタイムを短縮でき、コストダウンともなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静油圧式無段変速機の概略構成図である。
【図2】静油圧式無段変速機の組み付け作業状態を示す断面図である。
【図3】(a)はポンプ斜板組立体の断面図であり、(b)はポンプ斜板の正面図である。
【図4】静油圧式無段端変速機の概略構成図である。
【符号の説明】
4 ケーシング、 5 入力筒軸、
8 シリンダ孔、 7 ポンプシリンダ、
10 プレート、 10a ディンプル穴
12 ポンプ斜板、 12a 切り欠き、
17 モータシリンダ、 18 シリンダ孔、
22 モータ斜板、 31 出力軸、
47 補給油路、 52 内側油路、
53 外側油路、 56 リング体、
61 第1分配弁、 62 第2分配弁、
63 第1偏心輪、 64 第2偏心輪、
67 第1エキスパンドリング、 68 第2エキスパンドリング、
88 補給ポンプ、 95 第1逆止弁、
96 第2逆止弁、97 調圧弁、
161 ポンプ斜板組立体、 162 切り欠き、
163 治具ベース、 164 シリンダブロック・出力軸組立体、
171 位置決め用治具、 173 位置合わせ部、
174 位置合わせ軸、 B シリンダブロック、
P 斜板式油圧ポンプ、 M 斜板式油圧モータ、

Claims (2)

  1. 定容量の斜板式油圧ポンプと可変容量の斜板式油圧モータとの間に油圧閉回路を構成した静油圧式無段変速機において、
    前記油圧ポンプは、ポンプ斜板当該ポンプ斜板に対して所定の傾斜角度で回転自在に設けられるプレート、及び当該プレートに係合するプランジャを有し、
    当該プレートにはディンプル穴が形成され、当該プランジャは当該ディンプル穴に当接することで当該プレートに係合し、
    当該ポンプ斜板及び当該プレートに、当該プレートに当該プランジャを係合させるときに位置決め治具と係合する係合部を設けたことを特徴とする静油圧式無段変速機。
  2. 前記ポンプ斜板は、軸受を介して前記静油圧式無段変速機の出力軸に支承され、
    前記位置決め治具は、前記出力軸の一端側から挿入されて前記ポンプ斜板と前記プレートとに係合し、
    前記プレートと前記プランジャとの係合が終了した後は、前記位置決め治具を外し、そこに前記軸受が嵌め込まれることを特徴とする請求項1記載の静油圧式無段変速機。
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