JP4046747B2 - フッ素含有ハロゲン化炭化水素の分解 - Google Patents

フッ素含有ハロゲン化炭化水素の分解 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素原子を含むハロゲン化炭化水素の分解方法に関する。
不飽和の含フッ素モノマーの製造方法は原料の選択と熱や光を用いた反応条件の選定が重要である。触媒を用いた方法も種々検討されているがクロロトリフルオロエチレンの製造方法にはNi(特開平3−264542号公報)、Co、Pt、Pb、Ag、Cr23 、活性炭などが例示される。燐酸塩を用いる方法としては、米国特許3789016号にはNiまたはCrの燐酸塩をアルミナに担持した触媒が記載されている。この特許は特定のフッ素原子を含むハロゲン化炭化水素から特定の不飽和モノマーを合成したもので脱フッ化水素は起こらず、塩化水素の脱離が起こる。
特開昭62−61936号公報も特定のフッ素原子を含むハロゲン化炭化水素から特定の不飽和モノマーを合成したものであり、触媒として燐酸カルシウムで処理した活性炭で用いて良いとあるが、この場合にも脱フッ化水素反応は起こらず塩化水素の脱離が起こる。
燐酸塩ではないが燐酸を用いる方法としては特公昭47−35667号公報では燐酸を構成成分とするクロムおよびアルミニウム触媒を用いて特定の原料に対して、実質的にフッ化水素存在下でフッ素化はするが脱フッ化水素することなく塩化水素を脱離して含フッ素モノマーを合成している。
飽和の機能性含フッ素化合物として代替フロン(登録商標)があるがフッ素化オキシクロム触媒の研究例が多い。特公平2−25892号公報ではフッ化水素によるフッ素化反応において燐酸担持フッ化カルシウム触媒を用いている。
触媒によるフロン(登録商標)の分解反応は近年環境問題から多くの研究例が報告されている(触媒vol.34 page464,470 1992 年)。
燐酸塩を用いる方法としては日本化学会誌645頁(1991年)ではフロン(登録商標)12(CF2 Cl2 )の接触分解の触媒として燐酸アルミや燐酸ホウ素を提唱している。いずれも大過剰の酸素の存在下であり、酸素利用率(転化率)は2.5%程度と極めて低い。
燐酸アルミは活性が低くかつ活性低下も著しい。燐酸ホウ素は反応5時間程度の初期活性に変化はないが更に長時間、フッ化水素で触媒寿命試験が必要である。
特開平3−264542号公報 特開昭62−61936号公報 特公昭47−35667号公報 特公平2−25892号公報 触媒vol.34 page464,470 1992年 日本化学会誌645頁(1991年)
本発明は、フッ素原子を含むハロゲン化炭化水素を分解するに当たり、供給または生成する弗酸の存在下に反応を促進させる触媒がフッ素化されにくく触媒活性の著しい低下を防止し、長寿命化を達成することのできる方法を提供することを目的とする。
フロン(登録商標)合成には通常フッ化水素がフッ素化剤として使用される。またフロン(登録商標)の分解反応ではフッ化水素が副生する。よく用いられる触媒として金属酸化物があるが、金属酸化物の生成自由エネルギーよりも金属フッ化物の生成自由エネルギーの方が負に大きいためフッ化水素が共存すると金属酸化物は徐々にフッ化物に変化する。本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、実質的にフッ化水素の存在下に、ハロゲン化炭化水素を反応させる条件下で燐酸塩触媒を用いることを特徴とする方法を見いだしたものである。
本発明によれば、供給するまたは生成する弗酸の存在下に、ハロゲン化炭化水素を燐酸塩触媒を用いることで、分解反応を効率良く長期間行わせることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明においてハロゲン化炭化水素とはハロゲンで水素が置換された炭化水素をさし、中でもハロゲン化された脂肪族アルカンまたはアルケンが好適で、好ましい炭素数は1〜18であるがより好ましくは1〜12で、さらに好ましくは2〜6である。ハロゲンは塩素、臭素、またはフッ素を指し、これらの1種または2種以上のハロゲンで置換されていて、とりわけフッ素を含むハロゲン化炭化水素が好ましい。そのような化合物として、炭素数2のものを例にとれば、水素が1個存在する化合物C2 HF2 Cl3 、C2 HF3 Cl2 、C2 HF4 Cl、C2 HF5 、水素が2個存在する化合物C222 Cl2 、C223 Cl、C223 Br、C224 、水素が3個存在する化合物C23 FCl2 、C232 Cl、C233 、水素が4個存在する化合物C24 FCl、C242 、水素が5個存在する化合物C25 F、不飽和化合物としてC2 HCl3 、C22 Cl2などを例示する事ができる。これらは単一化合物でも混合物でも良い。炭素数3以上の化合物も容易に類推できる。
本発明における燐酸塩触媒について説明する。燐酸塩はオルト燐酸塩類をさし燐酸一水素塩や燐酸二水素塩も含まれる。また縮合燐酸塩も含まれ、ピロリン酸塩(酸性オルト燐酸塩の脱水縮合による)、トリポリ燐酸塩、テトラポリ燐酸塩、鎖状高分子燐酸塩(ハイポリ燐酸塩)、トリメタ燐酸塩、テトラメタ燐酸塩などの環状燐酸塩が入る。合成方法は金属塩により異なり、一般に知られている方法で良い。燐酸ナトリウム(Na3 PO4 )は燐酸二水素ナトリウムの濃水溶液に水酸化ナトリウムの濃水溶液を加え加熱濃縮後冷却して結晶を得る。燐酸マグネシウム(Mg3 (PO42 )はMg HPO4 の熱処理により得られる。燐酸カルシウム(Ca3 (PO42 )はアンモニア水をCaCl2 と燐酸の混合溶液に適下しろ過乾燥し、焼成して得られる。乾燥温度は実質的に70℃〜150℃であるが好ましくは80℃〜130℃である。あまり低温では乾燥の目的を達成せず、逆に高温に急激にさらすと触媒性能に悪い影響を与える。焼成は十分水分を切った後、300℃以上900℃以下、好ましくは400℃以上800℃以下、より好ましくは450℃以上700℃以下である。温度が低すぎると反応中にフッ素化されやすく、逆に高温すぎると表面積、細孔容積が著しく小さくなり触媒活性を犠牲にしてしまう。オートクレーブ中、水の存在下100℃以上の温度で水熱合成にて作ることもできる。溶融、焼成方法で調製しても良い。
燐酸塩を構成する金属は長周期型周期律表の1から13族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた元素が好ましくLi、Na、K等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、希土類、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、Bを例示する事ができる。更に好ましくは燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から4族および8から12族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素である。この中でも好ましい金属はアルカリ土類金属である。最も好ましくは燐酸マグネシウムである。
燐酸塩触媒は上記燐酸塩と更に長周期型周期律表の3から12族(新IUPAC命名法)元素からなる群から選ばれる元素を少なくとも1つ以上含む事ができる。例えばSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt,Cu、Ag、Au、Zn、Cdを例示する事ができる。
調製方法は担持法が一般的であるが沈澱法など他の方法でも良い。担持する場合は、原料塩は貴金属では塩化物、硝酸塩が好ましく、貴金属以外の金属は塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩などが使用される。担持量は反応の種類と金属の種類によるが0.01重量%以上20重量%以下である。より好ましくは0.02重量% 以上10重量% 以下である。少ない担持量では効果がなく多すぎると性能を低下させてしまう。
こうして調製された触媒は、反応系内において実質的にフッ化水素の存在する状態において、フッ素原子を含むハロゲン化炭化水素のハロゲン(特にフッ素との)を含む脱離反応やハロゲン(特にフッ素との)交換反応に優れた性能を示し産業上有用な不飽和フッ化炭化水素の製造や機能性フッ素化合物の合成に利用される。また、不要になったフロン(登録商標)類の分解反応にも有用である。
産業上有用な不飽和フッ素化炭化水素を得る方法としては原料であるフッ素原子を含むハロゲン化炭化水素であり炭素数2以上6以下が好ましい。炭素数2を例にとれば、すべてハロゲン置換された化合物C23 Cl3 、C24 Cl2、C25 Cl、水素が1個存在する化合物C2 HF2 Cl3 、C2 HF3 Cl2 、C2 HF4 Cl、C2 HF5 、水素が2個存在する化合物C222 Cl2 、C223 Cl、C223 Br、C224 、水素が3個存在する化合物C23 FCl2 、C232 Cl、C233 、水素が4個存在する化合物C24 FCl、C242 などに対し上記燐酸塩触媒と高温条件下接触させる。
場合により応促進ガスを供給することもできる。反応促進ガスとしては酸素、亜酸化窒素、水、塩素、水素などが利用できる。またそれらの組み合わせも可能である。希釈ガス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンにて希釈しても良い。特に好ましくは水素ガスである。供給すべき水素/原料との比は100倍から0.1倍である。好ましくは50倍から0.5倍である。より好ましくは20倍から1倍である。高い比は経済的理由から問題であり、低すぎる比は促進効果をもたらさない。
反応温度は原料のハロゲンを含んだ脱離性能により異なるが150℃以上700℃以下である。好ましくは200℃以上650℃以下である。低温では反応速度が低下し高温での反応ではコウキングしやすくなり触媒寿命が短くなる。
脱フッ化水素により生成するフッ化炭化水素は不飽和フッ化炭化水素であり、炭素数2〜6である。炭素数2のものを例にとれば、C2 HF3 Cl2 、C2 HF4 Cl、C2 HF5 、C222 Cl2 、C223 Cl、C223 Br、C224 、C232 Cl、C233 、C242 などに対し上記燐酸塩触媒と反応条件下接触させると、C22 Cl2 、C23 Cl、C24 、C2 HFCl2 、C2 HF2 Cl、C2 HF2 Br、C2 HF3 、C22 FCl、C222 、C23 Fなどが生成する。
以下さらに具体的に説明する。
原料として1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)の場合、好ましい触媒として燐酸マグネシウム(Mg3 (PO42 )を用いることができる。
更に好ましくはTi、V、Niのうち少なくとも1つ以上を燐酸マグネシウムに担持した触媒は活性が向上する。また、目的とする弗化ビニリデン(CF2 =CH2 )への選択性を向上させる成分は活性向上成分でもあるV、Ni以外にCo、Mn,Ag、Au、Feのうち少なくとも1つ以上を燐酸マグネシウムに担持した触媒が良好な効果を発現する。比較的低温で、目的化合物の選択性が高い触媒添加成分としてはPt、Ru、Pd、Auなどの貴金属類とNiでこのうち少なくとも1つ以上の成分を燐酸マグネシウムに担持した触媒が効果がある。
反応温度は300℃以上650℃以下で、より好ましくは400℃以上600℃以下である。反応促進ガスとして水素を用いる事ができる。原料と水素の比は原料:水素=1:0.5〜1:20、より好ましくは原料:水素=1:1〜1:10である。固定床で行うと空間速度(space time)は100/hr〜10000/hrでありより好ましくは300/hr〜3000/hrである。
反応器の材質は脱離する弗酸に耐えうる材質でインコネル、ニッケル、ハステロイCなどを用いることができる。
ハロゲン交換反応など機能性含フッ素化合物の合成への応用としては、炭素数2のものを例にとれば、すべてハロゲン置換された化合物C23 Cl3 、C24 Cl2 、C25 Cl、水素が1個存在する化合物C2 HF2 Cl3 、C2 HF3Cl2 、C2 HF4 Cl、C2 HF5 、水素が2個存在する化合物C222Cl2 、C223 Cl、C223 Br、水素が3個存在する化合物C23 FCl2 、C232 Cl、水素が4個存在する化合物C24 FCl、不飽和化合物としてC2 Cl4 、C2 HCl3 、C22 Cl2 などを燐酸塩触媒の存在下接触させフッ素化反応を進行させることができる。反応温度としては200℃以上500℃以下、好ましくは230℃以上450℃以下である。供給する弗酸は原料に対してモル比で1から30であり、好ましくは2から15である。弗酸の割合が低すぎると触媒への炭素質蓄積が増大し、触媒寿命が短くなる。一方弗酸の割合を増すと生産上コストがかかり現実的でない。
用いる燐酸塩触媒は燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から13族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素であり、より好ましくは燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から4族および8から12族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素である。上記の塩で好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩でありより好ましくは燐酸マグネシウム(Mg3 (PO42 )である。この燐酸塩と金属が長周期型周期律表の3から12族(新IUPAC命名法)元素からなる群から選ばれる元素を含む触媒を用いることができる。調製方法は担持法が一般的である。反応促進ガスとしては酸素などを供給することも可能である。その他は一般的に知られた情報をもとに生産することができる。
得られた生成物は飽和フッ化炭化水素の主成分が炭素数1以上6以下の飽和フッ化炭化水素であり、前述記載の、対応する原料と反応条件により水素化フッ化炭素が合成できる。特にジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、ヘキサフルオロブタンである。
微量の不飽和炭化水素及び/または含塩素化合物を含むハロゲン化炭化水素を精製する方法としてリン酸塩触媒の存在下、フッ化水素で前記ハロゲン化炭化水素をフッ素化し微量成分を除去することができる。
用いる燐酸塩触媒は燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から13族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素であり、より好ましくは燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から4族および8から12族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素である。上記の塩で好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩でありより好ましくは燐酸マグネシウム(Mg3 (PO42 )である。この燐酸塩と金属が長周期型周期律表の3から12族(新IUPAC命名法)元素からなる群から選ばれる元素を含む触媒を用いることができる。調製方法は担持法が一般的である。
得られた生成物は飽和フッ化炭化水素の主成分が炭素数1以上6以下の飽和フッ化炭化水素であり、前述記載の、対応する原料と反応条件により水素化フッ化炭素が合成できる。特にジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、ヘキサフルオロブタンである。
これらの主成分が含む微量成分は反応により含まれるなら、反応条件により種類、量は異なる。
テトラフルオロエタン(HFC134a)の製造において、たとえば2−クロロー1,1,1−トリクロロエタンを気相でフッ化水素と反応させることにより製造されるが、触媒、製造条件により微量不純物は変化する。これらの微量不純物としては不飽和炭化水素はCClF=CF2 、CHCl=CClF、CHCl=CF2 、CHF=CF2 、CHF=CHFなどが、含塩素化合物として、CCl22 、CH2 ClF、CClF2 CClF2 、CCl2 FCF3 、CClF2 CF3 、CHClFCF3 、CH2 ClCF3 などを例示できる。混合物組成の種類と割合により、反応条件は異なるがフッ化水素の存在下、微量不純物である不飽和炭化水素、含塩素化合物をフッ素化し除去することができる。反応温度としては150℃以上500℃以下が好ましく、180℃以上400℃以下がより好ましい。150℃以下では反応の進行が遅く、500℃以上では目的以外の反応が進行し副生物の増大を招く。触媒に対する原料ガスの空間速度は10ないし5000/hrの範囲をとることができる。特に好ましくは100ないし1000/hrが好ましい。空間速度が10/hr以下では生産性が低く、また5000/hr以上では除去率が低下する。原料に対する弗酸のモル比は1ないし60までの間が好ましく、経済性を考慮すると1ないし30までの間がより好ましい。
CFCなどのフロン(登録商標)の分解反応にも利用することができる。フロン(登録商標)としては、CFCl3 、CF2 Cl2 、CF3 Cl3 、CF4 Cl2 、CF5 Clなどを対象に反応促進ガスとして酸素または空気を供給し炭酸ガス、塩化水素、フッ化水素などに分解することができる。塩素、フッ素ガスを発生せさせないように水蒸気を存在させてもよい。反応温度は300℃から600℃の範囲であり燃焼法に比べて低温反応である。
本発明の燐酸触媒存在下分解反応を行う事ができる 用いる燐酸塩触媒は燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から13族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素であり、より好ましくは燐酸塩を構成する金属が長周期型周期律表の1から4族および8から12族(新IUPAC命名法)元素から選ばれた少なくとも1種の金属元素である。上記の塩で好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩でありより好ましくは燐酸マグネシウム(Mg3 (PO42 )である。この燐酸塩と金属が長周期型周期律表の3から12族(新IUPAC命名法)元素からなる群から選ばれる元素を含む触媒を用いることができる。調製方法は担持法が一般的である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1(燐酸マグネシウムの調製)
燐酸一水素マグネシウム(MgHPO4 ・3H2 O)をイナート雰囲気下で550℃3時間焼成し整粒した。この触媒を触媒Aとする。
実施例2(金属の担持)
2Mの硝酸銀(AgNO3 )水溶液を実施例1で調製した燐酸マグネシウムに含浸し蒸発乾固した。空気気流中550℃3時間焼成し更に水素気流中300℃3時間還元後、整粒した。燐酸マグネシウムに対し3重量%のAgが担持された。この触媒を触媒Bとする。
実施例3(燐酸カルシウムの調製)
0.3MのCaCl2 と0.3Mの燐酸の混合溶液に25%のアンモニア水を滴下し沈澱を得た。ろ過洗浄後、イナート雰囲気で550℃3時間焼成し整粒した。この触媒を触媒Cとする。
実施例4
2Mの硝酸銀(AgNO3 )水溶液を実施例3で調製した燐酸カルシウムに含浸し蒸発乾固した。空気気流中550℃3時間焼成し更に水素気流中300℃3時間還元後、整粒した。燐酸カルシウムに対し3重量%のAgが担持された。この触媒を触媒Dとする。
比較例1(Agを担持させたクロミアの調製)
硝酸クロムとアンモニア水の混合により調製したクロミアに実施例2と同様に硝酸銀を担持させ調製した。焼成還元後のクロミアに対して5重量%のAgが担持された。この触媒を触媒Eとする。
実施例5、6、比較例2(反応例)
反応は常圧固定床流通系反応装置を用いた。内径10mmのステンレス反応管に触媒1.50gを充填した。原料ガス組成は、CF3 CH3 :H2 :He=1:3:16とし全流量を30ml/minとした。得られた結果を表1に示した。
Figure 0004046747
転化率はF143a(CF3 CH3 )の反応器の入出の差から求めた。
選択性はF1132a(CF2 =CH2 )の生成量と転化率から求めた。
実施例7〜14(反応例)
実施例2に従って、硝酸銀のかわりに各々の金属塩を用いて触媒を調製した。金属の担持量はすべて燐酸マグネシウムに対して3重量%に成るよう調製した。得られた触媒を用いて所定の反応温度、実施例5と同様に反応を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 0004046747
実施例15〜28(反応例)
実施例7と同様に550℃にて反応を行い、得られた結果を表3に示す。
Figure 0004046747
実施例27(ピロリン酸塩)
ピロリン酸ナトリウムの水溶液を硝酸ニッケル水溶液に滴下して沈澱を得た。洗浄、乾燥、焼成後ピロリン酸ニッケル(Ni227 )を得た。実施例15と同様に550℃にて反応させた。F143a転化率は34.9%、F1132aの選択性は53.9%であった。
実施例28、29、30
実施例2の条件で反応温度500℃、触媒AであるMg3 (PO42 触媒を用いて反応の経時変化を調べた。
Figure 0004046747
反応時間24時間後、反応器から取り出した触媒のXRDパターンは全く変化が見られなかった。また触媒の比表面積は反応前で23m2 /g、反応後は22m2 /gでほとんど変化していなかった。
実施例31
常圧固定床流通系でインコネル製反応器を用いて、不飽和炭化水素CHCl=CF2 が205ppm含まれるテトラフルオロエタン(CFH2 CF3 )を250℃、原料に対する弗酸の比率(モル)は8、空間速度1000/hrの条件下で実施例19の触媒と接触させると5時間目のガスクロマトグラフィーによる分析では不飽和炭化水素CHCl=CF2 が検出されずにCF3 CH2 Clが生成した。反応時間50時間後も変化は認められなかった。
実施例32
実施例31の反応器を用いて弗酸/塩化メチレンの比を6モルとし210℃で実施例19の触媒で反応させた。主生成物はジフルオロメタンが32.0%であった。
実施例33
クロロジフルオロメタン/酸素/水蒸気/窒素=1/2/3/14のモル比で小型加熱環状炉にて480℃の条件で触媒Aを評価した。クロロジフルオロメタンの消失から計算するとジクロロジフルオロメタンの転化率は95.3%であった。酸素利用率(転化率)は23.8%であった。
本発明は、供給するまたは生成する弗酸の存在下に、ハロゲン化炭化水素を燐酸塩触媒を用いることで、分解反応を効率良く長期間行わせることができるので、産業上有用である。

Claims (3)

  1. 反応系内にフッ化水素の存在する状態で、マグネシウムを含む燐酸塩触媒とフッ素原子を含むハロゲン化炭化水素を接触させ、これを分解する方法。
  2. 酸素を供給しながら行う請求項1に記載の方法。
  3. 水を共存させる請求項1又は2に記載の方法。
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