JP4046319B2 - 注型装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば遮断器等の受配電機器に用いるブッシング、絶縁操作ロッドや支持碍子などの高電圧用エポキシ樹脂注型品を短時間で大量生産する注型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速注型とはエポキシ樹脂注型品を短時間で硬化成形する製造手法であり、一般に高速注型装置は、樹脂混合タンクと真空室を介して配管で接続された注型金型と金型を駆動する開閉装置で構成される。
【0003】
注型にはシリカ粉やアルミナ粉を充填した反応性の高いエポキシ樹脂が用いられ、樹脂は混合タンク内で真空脱泡しながら硬化剤と撹拌混合される。
【0004】
金型には予め予熱乾燥した金属導体やインサートを設置し、金型を真空室内で開閉装置によって閉鎖し真空室を真空にした後、金型底部に設けられた注入口から混合タンクを加圧することによって樹脂注入を行う。
【0005】
金型に樹脂が充填された後は、混合タンク側から0.1〜0.5MPa程度の樹脂圧力を与えたまま加熱硬化させる。
【0006】
通常、高速注型では注入前の樹脂温度をポットライフ(可使時間)を確保するために40〜60℃と低温に設定し、一方の金型には短時間に硬化物を得るために120℃以上の高温が設定される。
【0007】
この技術では樹脂量10kg以上の大型の注型品を、20〜60分という非常に短時間で離型することができる。金型を開放し離型した注型品は、2次硬化炉に投入され樹脂の反応が終了するまで完全に硬化される。
【0008】
このような高速注型の製造手法を用いて3個以上の注型品を同時に一括して製造する技術は、例えば特開2001−38744号公報に記載されている。これには、熱板に搭載した金型に3個以上の注型品形状の彫り込み、即ち注型キャビティーを設けるとともに、注型キャビティーに樹脂を注入するための分岐配管を金型内部に配置し、同時に3個以上の注型品を一括して注型する技術が開示されている。
【0009】
また、熱板に搭載した金型に、図8に示すように、注型キャビティー81を複数列、複数段に配置し、これらの注型キャビティー81に樹脂を注入するための分岐配管を金型内部に配置することも既に考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
高速注型では樹脂の反応性が高く硬化発熱も大きくなるため、注入する樹脂の温度、圧力、注入速度などの条件の偏差や金型の温度バランス、硬化時間などの製造条件によって、注型品の耐クラック性、寸法精度、部分放電特性が大きく左右され不良率が上昇するおそれがある。
【0011】
また金型内部の樹脂硬化のバランスがくずれると、注型品の残留応力は増大し収縮マーク等の発生によって、耐クラック性能や寸法精度が低下し、応力による導体と樹脂間の剥離や残留ボイドによって部分放電特性等の電気特性が著しく低下する。
【0012】
高速注型の生産性を向上するため複数の製品形状を金型に彫り込み、同時に注型する高サイクル化の試みは碍子などの小形絶縁部品に適用した例はあるが、この場合樹脂注入配管を金型外で分岐させることが一般的な手法であった。しかし、配管内の温度や樹脂粘度の制御が課題となり、注入時間のばらつきが大きくなり注型条件の偏差を無視することができなくなくなるため、高電圧部品に適用することが困難であった。
【0013】
一方、型内に分岐配管を持つ金型は熱可塑性樹脂を用いたインジェクション成形等では実績があり、配管中の樹脂をショットごとに除去するため注入バランスが得られやすい利点があるが、熱硬化性樹脂を用いる高速注型の場合、型内配管の樹脂硬化が早く注入経路が先に閉塞するため、配管経路から未硬化樹脂によって供給される注型品の収縮補償が阻害され、高速注型が正常に作動しないという課題があり、特開2001−38744号公報においては、これに対する種々の対策が為されている。
【0014】
ところが、熱板に搭載した金型に、図8に示すように、注型キャビティー81を複数列、複数段に配置したものにおいては、特に温度制御が難しい。即ち、複数列、複数段に配置された各注型キャビティー81の樹脂が硬化するまでに配管内の樹脂が硬化してしまう。そこで、垂直配管82の後方(熱板側)に断熱のための冷却溝83を設けて垂直配管82の温度を低くする必要があるが、このように構成すると各注型キャビティー81の樹脂が、この垂直配管82の低い温度の影響を受けてしまうというような問題が生じる。
【0015】
また、金属埋め込み物を伴う複雑な形状を持つ注型品を注型する場合は、特に樹脂注入、硬化バランスが重要となる。硬化速度が遅いと離型時に十分な強度を確保することができず、一方硬化速度が速いと、金型に拘束されたまま樹脂の 収縮が進行するため、残留ひずみが生じて導体部やインサートの剥離が発生し部分放電特性が低下したり、クラックに至ったりすることがあった。
【0016】
以上の課題は、特にエポキシ樹脂の耐熱性が高くなる程顕著になり、硬化・収縮が大きくなるためにプロセス制御が難しくなる。従来の技術では、耐熱性を表す物性であるガラス転移温度が100℃を越える樹脂を用いる注型品の大量生産は課題が多く、耐熱性の観点からも高電圧部品への適用が困難であった。
【0017】
そこで本発明の目的は、金型に注型品形状の彫り込みを複数列、複数段に配置し、耐クラック性、寸法精度、部分放電特性の優れた複数の注型品を同時に一括して注型することができる注型装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る注型装置は、金型加熱用の熱源を有し、金型内部に注型品形状の彫り込みを横方向に複数列、上下に複数段に配置し、各列の注型品形状の彫り込みに樹脂を注入するための配管を各列の最下段の注型品形状の彫り込みに接続し、各列の注型品形状の彫り込みの各段間を結ぶ連結パスを設け、注型品形状の彫り込みを含めた金型の温度が最下段から上段に向かって高くなるように温度勾配をつけ、複数の注型品を同時に一括して注型できるようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る注型装置は、金型加熱用の熱源を有し、金型内部に注型品形状の彫り込みを横方向に複数列、上下に複数段に配置し、各列の注型品形状の彫り込みに樹脂を注入するための配管を各列の最下段の注型品形状の彫り込みに接続し、各列の注型品形状の彫り込みの各段間を結ぶ連結パスを設け、金型加熱用の熱源を上下に複数段に分割し、各段の熱源の昇温時間に差をつけてステップ状に昇温するように制御する制御手段を設け、制御手段は、金型への樹脂の注入完了後、上段部の温度を所定値に上昇させ、所定時間後に中段部の温度を所定値に上昇させ、更に所定時間後に下段部の温度を所定値に上昇させるように制御を行うものとし、複数の注型品を同時に一括して注型できるようにしたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る注型装置によれば、注型の一工程で、高電圧絶縁部品などの注型品の大量生産が可能となる。例えば、6kV以上の高電圧絶縁部品などを、シリカ、アルミナ等の無機材料を充填した耐熱性エポキシによって注型して大量に生産することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態として22〜77kV・C-GIS用絶縁操作ロッド12個を同時に一括して注型可能な高速注型装置の構成を、図面を参照して説明する。
【0023】
(注型装置の基本的構成)
まず、この実施形態の基本的な構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は熱板上に搭載する高速注型金型(左右の金型のうち一方の右の金型)の正面図を示す。また、図2は、熱板上に搭載した高速注型金型の側面図を示す。高速注型の真空開閉にはスイス・スーター社製金型真空開閉装置を用いた。高速注型では温度設定が可能な熱板1上に任意の形状の金型2が搭載できる基本構造を取り、熱板1に取り付けられた略左右対称の金型2は油圧の開閉装置によって駆動し真空室の中で閉鎖する機構を持つ。
【0024】
図1および図2の高速注型装置では、熱板1に搭載した金型2内部に注型品形状の彫り込み、即ち注型キャビティー5を6列、2段に配置する。
【0025】
そして、金型2内部に樹脂注入のための配管や連結パスを配置する。即ち、金型2内部の下方の位置に、横方向に分岐配管3を配置し、その中央部が注入口4に接続されている。分岐配管3と下段の各列の注型キャビティー5との間には、分岐配管3と下段の各列の注型キャビティー5の下部とを接続する垂直配管6が設けられている。また下段の各列の注型キャビティー5と、上段の対応する各列の注型キャビティー5との間には、下段の各列の注型キャビティー5の上部と上段の対応する各列の注型キャビティー5の下部とを結ぶ連結パス18が設けられている。なお、下段の各列の注型キャビティー5は、上段の対応する各列の注型キャビティー5に供給される樹脂についての注入樹脂パスの一部としての役割も果たしている。
【0026】
従って、金型2下部の注入口4から供給した樹脂は分岐配管3、各列の垂直配管6を通って、各列の下段の注型キャビティー5に導入され、更に連結パス18を通って、各列の上段の注型キャビティー5に導入される。
【0027】
このようにして、金型2下部の注入口4から供給される注型樹脂を6分割し、上下二段に製品を配置した注型キャビティー5内に樹脂を分配、真空注入し、熱硬化によって同時に12個の注型品を硬化させる構成をとる。
【0028】
注型樹脂には、硬化物のガラス転移温度が110℃を越えるビス・フェノール型液状エポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤に約70重量%のシリカ粉を充填したものを予め真空予熱攪拌した後、注入を行った。
【0029】
この構成の注型法によると、12個の絶縁操作ロッドを一工程で一括して真空高速注型することができ、寸法精度、耐クラック性、部分放電特性、機械特性の優れた絶縁操作ロッドを、従来の注型法の192倍、高速注型の12倍の生産性で製造することができる。
【0030】
(樹脂注入パスへの熱伝達を遮断する構成)
次に、樹脂注入パスにおける樹脂硬化を遅延させるため樹脂注入パスへの熱伝達を遮断する構成について、図1および図2を参照して説明する。
【0031】
金型2には左右型ともに、熱板1から分岐配管3への熱伝達を遮断する矩形冷却溝6を配置するとともに、熱板1から垂直配管7、下段の注型キャビティー5(上段の注型キャビティー5に供給される樹脂の注入樹脂パスの一部となっている)および連結パス18への熱伝達を遮断するためにこれらに沿って管状冷却溝8を配置するように加工する。
【0032】
このような構成により、金型2に自然な温度バランスが生成され、短時間に樹脂を硬化させても液状樹脂による収縮補充がスムーズになり、収縮マークやクラックの発生を防ぎ内部応力の低下を図ることができる。
【0033】
なお、矩形冷却溝6と管状冷却溝8としては、単に溝を形成するだけでも熱伝達を遮断する効果はあるが、更に矩形冷却溝6と管状冷却溝8の冷却効率を高めるため、溝に冷却ノズル9を与え、常に一定量のエアーをパージさせるようにしてもよい。また、冷却効率を一層向上させるため、冷媒として水などの液体冷媒を循環させる構成をとってもよい。
【0034】
このように、冷却媒体を流すことにより強制冷却が可能になり、急速に樹脂を硬化させても収縮マークやクラックの発生を防ぎ内部応力の低下を図ることができる。
【0035】
以上説明したように、樹脂注入パスに沿ってその背面(熱板側)に溝を設け、樹脂注入パス中の樹脂硬化を遅延させることによって、型内の樹脂硬化の収縮分を樹脂注入パス中の樹脂が圧力補償するシステムが確実に働き、寸法精度、機械特性、および電気特性を向上させることができる。
【0036】
(樹脂注入パスの構成)
次に、樹脂注入パスの構成について図1〜図3を参照して説明する。
【0037】
上段の注型キャビティー5と下段の注型キャビティー5とを結ぶ連結パス18に図示のように円形状の彫り込みを加工して、この円形状の彫り込みの幅方向の断面積(図3のX−X断面の断面積)S1が、注型キャビティー5の幅方向の断面積(図3のY−Y断面の断面積)S2の2.0%以上50%以下となるようにする。断面積S1が断面積S2の2.0%未満の場合は、この部分における樹脂の硬化が速く、上段の注型キャビティー5に対する樹脂の収縮補充ができなくなる。また、断面積S1が断面積S2の50%を越えると、樹脂のロスが多くなる。
【0038】
このような構成により、各段の注型キャビティー5を結ぶ樹脂の導入パスの最適化が図られるため、段間の樹脂の収縮補充がよりスムーズになり収縮マークやクラックの発生を防ぎ内部応力の低下を図ることができる。
【0039】
また、連結パス18の円形状の彫り込みの、上段及び下段の注型キャビティー5との接続部分には図示のようにくさび形状16の彫り込みを形成する。また、下段の注型キャビティー5と垂直配管7とを接続する部分にもくさび形状16の彫り込みを形成する。
【0040】
このように、注型品を分ける樹脂注入パスに形成されたくさび形状16の彫り込みによって注型品の分割が容易になり、離型時の注型品の破損が無くなり、加工工程も低減させることができる。
【0041】
また、垂直配管7は注型品の形状やキャビティー数にかかわらず注型キャビティー5までの距離が等しくなる構成を与える。
【0042】
(熱板のヒーター温度制御のための構成)
次に、熱板のヒーター温度制御のための構成について、図2、図4、及び図5を参照して説明する。
【0043】
金型2加熱用の熱板1のヒーター17の温度制御については、熱板1の全面に亘って一定の温度、例えば130℃としてもよいが、このように一定の温度としたのでは樹脂材料の反応性と温度バランスが適切でない場合には、ヒーター17を上下に多段に分割して制御を行ない、金型2の上部から底部にかけて温度勾配を発生させるように制御してもよい。例えば、熱板1の上部(図2に示すTuの部分)の温度21、熱板1の中段部(図2に示すToの部分)の温度22、熱板1の底部(図2に示すTdの部分)の温度23を、それぞれ図4に示すように制御してもよい。
【0044】
ところで、このように上部の温度21、中段部の温度22、底部の温度23を、図4に示すように、それぞれ140℃、135℃、130℃とすると、上部の方の樹脂の硬化が過剰に進み、収縮によるストレスが大きくなる場合がある。
【0045】
これを回避するために、金型2加熱用の熱板1の分割したヒーター17にプログラムによってステップ制御を与え、昇温時間の差によって図5に示すような時間−温度制御を与える。即ち、図5に示すように、樹脂注入完了後、中段部の温度22、底部の温度23は110℃のままで、まず上部の温度21を140℃に上げ、所定時間後に中段部の温度22を140℃に上げ、更に所定時間後に底部の温度23を140℃に上げるように制御する。このような温度制御により、金型2上部から底部にかけての硬化序列を与えることが可能となり、外部から収縮補充を制御することができる。
【0046】
以上のようにして、金型温度制御の最適化を図ることにより、型内の樹脂硬化の収縮分を樹脂注入パス中の樹脂が圧力補償する硬化序列が理想的となり、寸法精度、機械特性、および電気特性を向上させることができる。
【0047】
(脱泡機構)
次に、各列注型キャビティーの最上部に設けられた脱泡機構について、図1を参照して説明する。
【0048】
各列注型キャビティー5の最上部に各列独立に0.1〜1.0mmの樹脂流出用の第1スリット10を配置し、注型品の樹脂容量に対して4〜8%の容量を持つトラップ11に導いた後、さらに金型2外部に至る20〜100μmの第2スリット12を配置する。
【0049】
各列注型キャビティー5の最上部に設けたこのような構成の脱泡機構により、真空脱泡が容易になり、ボイド欠陥や収縮痕、ウェルドマーク(樹脂流れ痕)が無く、部分放電特性の良い注型品を得ることができる。
【0050】
(インサートの金型への取り付け、およびねじ穴加工)
次に、インサート(埋金)の金型への取り付け、およびねじ穴加工について、図1、図6、及び図7を参照して説明する。
【0051】
図6に示すように、操作ロッドには完成した製品を機器に取り付けるために必要なねじ穴加工を施したインサート13を埋設する。このインサート13は、このインサート13のねじ穴24に螺合するねじ25を有する専用の内型(金属製座金)14にセットし、金型2に取り付けられる。この内型14の座部にはマグネット15を配置する。
【0052】
このように、遮断器の操作ロッドや支持碍子に埋設するインサート13を固定する内型(金属製座金)14の支持にマグネット15を利用することにより、インサート15設置時のハンドリングが容易となり、またマグネット15の離脱効果によって注型樹脂の硬化収縮時に発生するインサート13と樹脂との間の剥離が防止され、部分放電特性、機械強度を改善することができる。
【0053】
また、上述のようにインサート13にあらかじめねじ穴加工を施して注型を行う代わりに、ねじ穴加工のないインサート13を、マグネット15を内装した内型(金属製座金)14に取り付けて注型を行ない、必要なねじ穴加工については、注型工程後、即ち離型して2次硬化し冷却した後に、ねじ穴加工するようにしてもよい。なお、このように、ねじ穴加工のないインサート13を、マグネット15を内装した内型(金属製座金)14に取り付けて注型を行う場合、図7に示すように、インサート13の端部の形状に対応した形状の浅い凹部26を内型(金属製座金)14に形成し、この位置にインサート13を取り付けるようにすれば、容易に位置決めを行うことができる。
【0054】
このように、注型工程後にねじ穴加工することにより、ねじ部のシール不良によってねじ部に樹脂が入り込むことがなくなるので、ねじ部のシール機構が単純になり、後工程が容易になり、注型工程のリードタイムを低減させることができる。従って、加工工程を含むトータルのリードタイムを短縮することができる。
【0055】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、熱板1に金型2を搭載する構成としている。しかしながら、大量の製品を生産する高速注型装置を一製品の専用機として使用する場合は、金型内にヒーターを配置するように構成してもよい。この場合、金型の温度分布をより精密に設定することができ、とくに樹脂注入パスの断熱設計が容易になる利点がある。
【0056】
また、上述の脱泡機構における第2のスリット12は、樹脂注入時には真空導入のための通気口として働き、樹脂硬化工程ではスリット部の樹脂を早く固めることによって自己シールする機能を持つ。そこで、この第2のスリット12の金型背面にスポットヒータを配置することは、シール性能を制御する上で効果的である。
【0057】
さらに上述の実施形態では、12個の絶縁操作ロッド形状の彫り込みを上下二段に配置し高速注型を実施したが、注型品形状の彫り込みの三段以上の配置も可能である。また同一注型品の複数取りの他に異種部品、たとえばブッシング、碍子などを同時に注型することも可能である。これらの場合の注型装置の構成は全て上述の実施形態の場合と同様の構成とすることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、金型に注型品形状の彫り込みを複数列、複数段に配置し、耐クラック性、寸法精度、部分放電特性の優れた複数の注型品を同時に一括して注型することができ、耐クラック性、寸法精度、部分放電特性の優れた、信頼性の高い高電圧注型部品を大量に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における熱板上に搭載する高速注型金型の正面図。
【図2】 本発明の一実施形態における熱板上に搭載した高速注型金型の側面図。
【図3】 本発明の一実施形態における注型キャビティーおよび連結パスの部分を拡大して示す図。
【図4】 本発明の一実施形態における熱板の温度制御の例を説明するための図。
【図5】 本発明の一実施形態における熱板の温度制御の他の例を説明するための図。
【図6】 本発明の一実施形態におけるインサートを金型へ取り付ける部分を示す断面図。
【図7】 本発明の一実施形態におけるインサートを金型へ取り付ける部分の他の例を示す正面図。
【図8】 注型キャビティーを複数列、複数段に配置した従来例の分岐配管を説明するための図。
【符号の説明】
1…熱板
2…金型
3…分岐配管
4…注入口
5…注型キャビティー
6…矩形冷却溝
7…垂直配管
8…管状冷却溝
9…冷却ノズル
10…第1スリット
11…トラップ
12…第2スリット
13…インサート
14…内型(金属製座金)
15…マグネット
16…くさび形状
17…熱板ヒーター
18…連結パス
21…熱板上部温度
22…熱板中段部温度
23…熱板底部温度
24…ねじ穴
25…ねじ
26…凹部

Claims (2)

  1. 金型加熱用の熱源を有し、金型内部に注型品形状の彫り込みを横方向に複数列、上下に複数段に配置し、各列の注型品形状の彫り込みに樹脂を注入するための配管を各列の最下段の注型品形状の彫り込みに接続し、各列の注型品形状の彫り込みの各段間を結ぶ連結パスを設け、注型品形状の彫り込みを含めた前記金型の温度が最下段から上段に向かって高くなるように温度勾配をつけ、複数の注型品を同時に一括して注型できるようにしたことを特徴とする注型装置。
  2. 金型加熱用の熱源を有し、金型内部に注型品形状の彫り込みを横方向に複数列、上下に複数段に配置し、各列の注型品形状の彫り込みに樹脂を注入するための配管を各列の最下段の注型品形状の彫り込みに接続し、各列の注型品形状の彫り込みの各段間を結ぶ連結パスを設け、前記金型加熱用の熱源を上下に複数段に分割し、各段の熱源の昇温時間に差をつけてステップ状に昇温するように制御する制御手段を設け、前記制御手段は、前記金型への樹脂の注入完了後、上段部の温度を所定値に上昇させ、所定時間後に中段部の温度を前記所定値に上昇させ、更に所定時間後に下段部の温度を前記所定値に上昇させるように制御を行うものとし、複数の注型品を同時に一括して注型できるようにしたことを特徴とする注型装置。
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