JP4046257B2 - 耐食性に優れた複合磁性部材およびその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた複合磁性部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の燃料や油圧用作動油を扱うアクチュエ−タ等(以下、油量制御機器と記す)に適した、強磁性部と非磁性部を併せ持つ複合磁性部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の油量制御機器に使用される材料として、強磁性(一般には軟磁性)である固定子の一部に非磁性部を設けて磁束を可動片に洩らし、磁束を有効に利用する構造が用いられている。強磁性部品の一部に非磁性部分を設ける方法としては強磁性部品と非磁性部品をろう付けするか、レ−ザ−溶接する等の手法が行われてきた。これらの異種材を接合する手法に対し、本発明者らは、単一材を使用して、この単一材に冷間加工または熱処理によって強磁性部および非磁性部を設けた複合磁性材料を提案している。このような単一材の複合磁性材料を利用すると、気密性の確保、振動等による破損防止等、信頼性の確保という点で、強磁性体と非磁性体を接合した部品よりも優れたものとなる。
【0003】
たとえば本発明者らの提案による特開平9−157802号には、自動車の油量制御機器に適した複合磁性部材として、Niを0.5〜4.0%含有するマルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。この提案には、フェライトと炭化物よりなる焼鈍状態のマルテンサイト系ステンレス鋼で、最大透磁率μm200以上の強磁性特性が得られるC−Cr−Fe系合金にNiを適量添加することにより、マルテンサイト系ステンレス鋼の一部を加熱後冷却することにより得られる透磁率μ2以下の非磁性部のオ−ステナイトを安定化し、Ms点(オ−ステナイトがマルテンサイト化し始める温度)を−30℃以下にまで低下できることが開示されている。
【0004】
また、本願出願人の提案による特開平9−228004号には、磁気目盛等に使用される複合磁性材料として、Cr:10〜16%、C:0.35〜0.75%を含み、最大透磁率μm200以上の強磁性特性が得られるC−Cr−Fe系合金にMn:2%を超え7%以下、かつN:0.01〜0.05%添加することにより、加熱後冷却して得られる透磁率μ2以下の残留オ−ステナイトを安定化し、Ms点を−10℃以下にまで低下できることが開示されている。これらの提案は、単一材において最大透磁率200以上の強磁性部と、透磁率2以下でMs点が低い安定した非磁性部が得られるという点で優れたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平9−157802号や特開平9−228004号で提案した複合磁性部材は、最大透磁率μm200以上の強磁性部と、透磁率μ2以下の安定した非磁性部を併せ持つことができるという点では有利であるものの、フェライトと炭化物の組織を主体とする強磁性部の耐食性が、オ−ステナイトを主体とする非磁性部に比べて劣り、強磁性部の表面に錆が発生し易く、複合磁性部材を自動車等の油量制御機器として使用する際、部材表面の腐食劣化という点で大きな問題があった。
本発明の目的は、単一材で強磁性部と非磁性部を併せ持つ複合磁性部材の内、フェライトと炭化物組織よりなる強磁性部の耐食性を改良し、耐食性に優れた複合磁性部材およびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、複合磁性部材の内、フェライトと炭化物の組織よりなる強磁性部のミクロ組織を検討した結果、炭化物がCr炭化物を主体としていること、更に、このCr炭化物が形成されるために前記炭化物にCrが濃縮し、炭化物周辺のフェライト相マトリックスではCr濃度が欠乏していることを突き止めた。
また本発明者らの更なる検討の結果、強磁性部の腐食がCr炭化物周辺のCr濃度欠乏層を起点として始まることを突き止め、複合磁性部材に含まれるCrの量を、重量%で16.0%を超える濃度にまで高めることで、フェライト相マトリックスのCr濃度を12.0%以上にまで高め、強磁性部の耐食性ひいては複合磁性部材の耐食性を大きく改善できることを見いだした。
【0007】
また、本発明者らは特開平9−228004号で述べられている、Crが16.0%を超えるとフェライト組織が安定化するため、非磁性部のオ−ステナイトを形成することが困難との知見に対して、更なる検討を行った。
本発明者らは、これまでCrはフェライト形成元素であるため、Cr量が16.0%を超えるとフェライト相が安定となり、溶体化処理を行ってもオ−ステナイトの非磁性相は得られ難いと考えていた。ところが今回、Crが16.0%を超えた素材を1250℃で10分間の溶体化処理を施し水冷したところ、驚くべきことに透磁率2以下のオ−ステナイト相が得られることを見出した。
その結果、Cr量が16.0%を超えても、複合磁性部材の製造工程において溶体化処理を1050〜1300℃で行った後、水冷すればオ−ステナイト化できる、換言すれば非磁性化できることを突き止めた。
【0008】
また、さらに熱間加工後のA3変態点以下での焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下での焼鈍により得られる強磁性体のCr炭化物を最大粒径で0.1〜20μmの大きさで分散させることで、16.0%を超えるCrを添加させても25.0%以下であれば、従来の磁気特性を劣化させることなく、耐食性を向上できることを見出した。
【0009】
すなわち本発明は、重量%でC:0.30〜0.80%、Cr:16.0%を超えて25.0%以下、Ni:0.1〜4.0%、N:0.01〜0.06%とSi,Mn,Alの1種または2種以上を合計で2.0%以下、残部がFeと不可避不純物からなる組成を有し、強磁性部と非磁性部を有することを特徴とする耐食性に優れた複合磁性部材である。
本発明部材の、強磁性部の最大透磁率μmは200以上、非磁性部の透磁率μは2以下、の磁気特性を有する耐食性に優れた複合磁性部材である。
【0010】
また、炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された強磁性部を有する耐食性に優れた複合磁性部材である。
好ましくは、炭化物の最大粒径が5〜20μmに調整された強磁性部を有する耐食性に優れた複合磁性部材である。
【0011】
また、本発明の複合磁性部材を得るための製造方法は、複合磁性部材の素材を、熱間加工し、次いでA3変態点以下で焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍して得られた強磁性体の一部を局部的に加熱、急冷することにより非磁性部を形成することで耐食性に優れた複合磁性部材を得ることができる。
好ましくは、上記強磁性部の炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された耐食性に優れた複合磁性部材の製造方法であり、更に好ましくは、強磁性部の炭化物の最大粒径が5〜20μmに調整された耐食性に優れた複合磁性部材の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明の重要な特徴は、複合磁性部材の内、フェライトとCr炭化物よりなる強磁性部の耐食性を高めるために、複合磁性部材の母材に含まれるCr量を重量%で16.0%を超える濃度にまで高め、炭化物周辺のフェライト相マトリックスのCr濃度を12.0%以上にまで高めたことにある。
以下に、本発明の成分限定理由について述べる。
【0013】
Crはマトリックスに固溶するとともに、一部は炭化物となり、本発明部材の機械的強度と耐食性を確保する、本発明の最重要元素である。本発明においてCrの範囲を、16.0%を超えて25.0%以下としたのは、16.0%以下では炭化物周辺のフェライト相マトリックスのCr濃度が12.0%以下となり、十分な耐食性が得られない。また逆に25.0%を超えると耐食性には優れているものの、最大透磁率200以上の強磁性が得られないためである。Crのより望ましい範囲は16.0%を超えて20.0%以下である。
【0014】
Cは炭化物を形成し、本発明の基本となるC−Ni−Cr−Fe系合金の強度を確保する元素として重要である。また、Cはオ−ステナイトの安定化にも寄与する元素である。Cが0.30%未満では、オ−ステナイト変態温度以上に加熱後冷却した際、室温以下で安定した非磁性のオ−ステナイト組織を得ることが困難である。一方、0.80%を超えると硬くなり過ぎて冷間での加工が難しくなる。そのため本発明においては、Cの範囲を0.30〜0.80%に規定した。Cのより望ましい範囲は、0.45〜0.65%である。
【0015】
Niは非磁性部のMs点を効果的に低下する元素である。Niの範囲を0.1〜4.0%にしたのは、0.1%未満では非磁性部のMs点が下がり難く、4.0%を超えると成形が難しく、良好な軟磁性特性が得られ難くなるためである。Nはオ−ステナイト生成元素としてNiと同様の効果を有する元素である。Nの範囲を0.01〜0.06%としたのは0.01%未満では非磁性部のMs点を下げる効果が小さく、0.06%を超えると、硬くなり過ぎて成形性が劣化するためである。なお、本発明の部材は脱酸元素としてSi,Mn,Alの1種または2種以上を、特に磁気特性を劣化しない範囲として本発明においては合計で2%以下含有してもよい。
【0016】
次に本発明の透磁率の限定理由を述べる。
本発明の部材は強磁性部と非磁性部から成り、強磁性部の最大透磁率μm200以上としたのは、この範囲が本発明の複合磁性部材が用いられる用途の一つである、たとえば油量制御機器の部材として必要な特性であるからである。
また非磁性部の透磁率を2以下としたのは、これを超える範囲では磁束が通り易くなり非磁性部としての役割を果たさなくなるからである。
【0017】
次に炭化物の最大粒径の限定理由を述べる。
本発明においては、強磁性部の炭化物の最大粒径を0.1〜20μmの範囲に調整することが好ましい。これは、0.1μm未満の範囲では、フェライト相マトリックスに固溶するC量が多くなり過ぎて、強磁性部に必要とされる最大透磁率200以上の特性が得られず、逆に20μmを超える範囲では、加工性が悪くなるとともに、フェライト相マトリックスに固溶するC量が不足し、溶体化処理をしても非磁性のオ−ステナイト相が得られ難いからである。炭化物の最大粒径の望ましい範囲は5〜20μmである。
【0018】
本発明において、特に上記強磁性部の炭化物の最大粒径を5〜20μmに調整すれば、強磁性部の最大透磁率が230以上の磁気特性が容易に得られるようになるため、特に好ましい。
【0019】
次に製造工程の限定理由を述べる。
本発明で、熱間加工は炭化物の最大粒径を調整する重要な工程であり、その加熱温度は900〜1100℃の範囲が特に好ましい。これは、加熱温度が900℃未満ではマトリックスに固溶するC量が少なく炭化物の最大粒径が20μmを超え、逆に1100℃を超える温度では固溶C量が多くなり、最大粒径0.1μm以上の炭化物が得られないからである。
【0020】
また、熱間加工後にA3変態点以下で焼鈍するのは、炭化物を成長させ、部材の硬さを下げ、その後の冷間加工をし易くするためである。A3変態点以上の温度では炭化物の成長が十分でなく、硬さを下げる効果が小さいためである。
ここで、本発明で言うA3変態点とは、フェライト相がオ−ステナイト相に変態し始める温度であり、素材の化学組成により異なる。
オ−ステナイト形成元素であるC、Ni、N等の添加量が増加すると、A3変態点は低下し、逆にフェライト形成元素であるCrの添加量が増加するとA3変態点は上昇する。本発明で規定する素材の化学成分の範囲では、A3変態点は650〜1000℃の範囲である。
【0021】
さらに、冷間加工を行うのは、部材に歪を与えることにより、炭化物の加工誘起析出を起させるためであり、加工率は40〜90%を施すことが有効である。
また、冷間加工後に再度A3変態点以下で焼鈍するのは、冷間加工中に析出した炭化物を成長させ炭化物の最大粒径を0.1〜20μmの大きさに安定化させるためである。
熱間加工及び冷間加工後に焼鈍を行う際のより望ましい焼鈍温度の範囲はA3変態点からA3変態点以下200℃までである。
上述した本発明の方法により、炭化物粒径を5〜20μmの範囲に容易に調整可能となる。
【0022】
本発明においては、上述の工程により強磁性化された部材の一部に非磁性部を設ける方法としては、部材の一部を高周波加熱、レ−ザ−等で部分的に加熱、溶体化した後、急冷することが望ましい。この際の溶体化処理はオ−ステナイト相が得られる1050〜1300℃の温度範囲が特に有効である。また冷却方法としては、加熱後、ただちに水冷等の急冷を行うことが望ましい。
本発明は、上述した製造工程を施すことで、Crの添加量を高めても、磁気特性を劣化させることなく、強磁性体に非磁性部を容易に形成でき、かつ強磁性部の耐食性を高めることができたものである。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
本発明ではCrの含有量が重要となるので、真空溶解でCr含有量を種々に変えた10kgの鋼塊を得た後、鍛造を行い、更に1000℃で熱間圧延を行って、板厚4.0mmとした。この材料をA3変態点以下の780℃で焼鈍した後、酸化スケ−ルを除去し、冷間圧延により板厚1.5mmとした。表1に実験に供した部材の化学組成を示す。
部材No.1〜7は、C、Si、Ni、Mn等の添加量をほぼ等しくし、Cr添加量を変化させたものであり、部材No.6はCr添加量を低めたもの、部材No.7はCr添加量を高めたものである。
また、部材No.8は、特開平9−157802号に記載された複合磁性部材である。
【0024】
【表1】
Figure 0004046257
【0025】
この冷間圧延材をA3変態点以下の780℃で焼鈍して強磁性化した。得られた試料の一部を高周波加熱によって約1250℃で10分間保持後、水冷し、部分的に非磁性化した試料を得た。この試料表面をペ−パ−研磨した後、JIS Z 2371に記載される方法で塩水噴霧試験を行い、試料表面の発錆状況により耐食性を評価した。本発明では耐食性が優れていることの指標として、100時間の塩水噴霧の後、部材表面に発錆が認められるか否かで耐食性を判断し、○、×で表2に示した。
【0026】
また、強磁性部の炭化物周辺の、フェライト相マトリックスのCr濃度を、X線マイクロアナライザーを用いて測定し、更にCr炭化物の大きさも観察した結果、いずれの部材のCr炭化物も最大粒径が約7μmであることを確認した。炭化物の観察の一例として、部材No.2強磁性部のミクロ組織を図1に示す。
【0027】
さらに、高周波加熱による熱影響部以外の最大透磁率μmを求め、強磁性部の磁気特性を評価した。一方、高周波加熱によって得られた非磁性部は、X線回折分析により残留オ−ステナイトを主体とする相が形成されていることを確認し、透磁率μおよびMs点の測定を行った。それぞれの測定には、透磁率計、示差走査型熱量計を使用した。表2に結果を示す。
【0028】
【表2】
Figure 0004046257
【0029】
表2に示すように、非磁性部ではすべての部材で試料表面に発錆は認められない。Cr量が16.0%を超えて25.0%以下とした本発明の部材では、強磁性部のフェライト相のCr濃度が12.0%以上の範囲に維持されており、非磁性部同様に発錆が認められず、良好な耐食性を示すとともに、強磁性部においては最大透磁率μmが200を超える優れた強磁性特性が得られ、かつ非磁性部も透磁率2以下となったことを確認できた。
【0030】
本発明部材の非磁性部における透磁率μ及びMs点は、部材No.8で示す特開平9−157802号に記載された複合磁性部材と比較しても、ほとんど変わらず、複合磁性部材に必要な非磁性部の特性を維持できることがわかる。一方、Cr量が16.0%を超えない部材No.6及びNo.8では優れた磁気特性が得られるものの、強磁性部に発錆が確認され、本発明部材に比べて耐食性が劣ることがわかる。また逆にCr量が25.0%を超える部材No.7では優れた耐食性が得られるものの、強磁性部において最大透磁率μm200が得られないことがわかる。
【0031】
(実施例2)
本発明では強磁性部の炭化物の最大粒径も重要となるため、本発明部材である表1の部材No.2を、熱間加工温度を850〜1150℃の範囲で種々に変えて強磁性部の炭化物の最大粒径を調べ、耐食性と磁気特性を調査した。炭化物の最大粒径は部材を鏡面研磨後、化学的に腐食した試料を走査型電子顕微鏡で3000倍の視野で10視野以上観察し、観察される炭化物の最大粒径を求めた。熱間加工温度以外の部材製造工程ならびに耐食性と磁気特性の調査方法は(実施例1)と同じである。調査結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
Figure 0004046257
【0033】
表3に示す通り、No.2の部材はすべての熱間加工温度で優れた耐食性を示すことがわかる。
また、炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整した部材No.11〜14では優れた耐食性を示すとともに、強磁性部の最大透磁率200以上、非磁性部の透磁率2以下を満足している。この中でも特に炭化物の最大粒径を5〜20μmに調整した部材No.11とNo.12では強磁性部の最大透磁率が230以上の優れた磁気特性を有している。
一方、炭化物の最大粒径が0.1μm未満の部材No.15では優れた耐食性と非磁性特性が得られるものの、強磁性部の最大透磁率200以上が得られない。
逆に、炭化物の最大粒径が20μmを超える部材No.16では優れた耐食性と強磁性特性が得られるものの、透磁率2以下の非磁性部が得られないことがわかる。また炭化物の最大粒径を0.1〜20μmに調節するためには熱間加工温度を900〜1100℃にすることが有効であることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、単一材で強磁性部と非磁性部をもつC−Ni−Cr−Fe系合金のCr含有量を、16.0%を超えて25.0%以下にまで高め、適切な温度範囲での熱間加工と溶体化処理を行うことにより、フェライトと炭化物よりなる強磁性部の耐食性を飛躍的に改善するとともに従来と変わらない磁気特性を有する安定した非磁性部を得ることができ、複合磁性部材を自動車の油量制御機器に適用するに当たって欠くことのできない技術となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合磁性部材の一例を示す顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. 重量%でC:0.30〜0.80%、Cr:16.0%を超えて25.0%以下、Ni:0.1〜4.0%、N:0.01〜0.06%とSi,Mn,Alの1種または2種以上を合計で2.0%以下、残部がFeと不可避不純物からなる組成を有し、強磁性部と非磁性部を有することを特徴とする耐食性に優れた複合磁性部材。
  2. 強磁性部の最大透磁率μmは200以上、非磁性部の透磁率μは2以下の磁気特性を有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた複合磁性部材。
  3. 炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された強磁性部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性に優れた複合磁性部材。
  4. 炭化物の最大粒径が5〜20μmに調整された強磁性部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の耐食性に優れた複合磁性部材。
  5. 重量%でC:0.30〜0.80%、Cr:16.0%を超えて25.0%以下、Ni:0.1〜4.0%、N:0.01〜0.06%とSi,Mn,Alの1種または2種以上を合計で2.0%以下、残部がFeと不可避不純物からなる組成を有する複合磁性部材の素材を、熱間加工し、次いでA3変態点以下で焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍して得られた強磁性体の一部を、局部的に加熱、急冷することで非磁性部を形成することを特徴とする耐食性に優れた複合磁性部材の製造方法。
  6. 請求項5に記載の、強磁性部の炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整されたことを特徴とする耐食性に優れた複合磁性部材の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の、強磁性部の炭化物の最大粒径が5〜20μmに調整されたことを特徴とする耐食性に優れた複合磁性部材の製造方法。
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