JP4046165B2 - 耐co2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特に油井管として用いられる場合にきわめて重要な特性となる耐CO2 腐食特性と耐硫化物応力割れ(SSC; Sulfide Stress Cracking)性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CO2 を多量に含むガスを生産する油井ならびにガス井の開発や2次回収のためのCO2 インジェクションが広く行われるようになっている。このような環境では鋼管の腐食が激しいため、耐CO2 腐食特性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管が多く使用されている。これまでのところ、よく使用されているのはAISI type 410,420系の鋼である。
しかし、近年、油井の深井戸化に伴い、より高温での耐CO2 腐食特性ならびに含H2 S環境下で割れ抵抗性を有する鋼のニーズが高まっている。
【0003】
このようなユーザーニーズに対し、耐CO2 腐食特性および耐SSC性を改善したマルテンサイト系ステンレス鋼として、特公平6−43626号公報にはNi,Mo添加鋼が、また、特開平2−217444号公報にはCuを選択元素としてNi,Moを添加した鋼などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような鋼にNiを数%添加するとAc1 点が600℃以下になるなど非常に低くなるため、焼戻し処理が低い温度範囲に限定され、調質可能な強度範囲がAPI(米国石油協会)の規格でP110級(YS(降伏応力)が 758〜861MPa)またはそれを超える非常に高い強度に限られるという難点を有する。材料強度が高まるほど含H2 S環境における材料の割れ抵抗性(耐SSC性)は低下することが、「金属の腐食損傷と防食技術」アグネ社刊(1983)p197などに記載されている。しかたがって、これらの鋼において良好な耐サワー性を得るには、L80級(YS; 551〜655MPa)あるいはC95級(YS; 655〜758MPa)程度に調質できる製造条件を見出すことと、添加元素の効果を明らかにすることが必要である。
【0005】
このような必要性に対し、焼戻し処理の前に2相域加熱処理を施すと比較的低い強度に調質でき、これに伴い靭性は改善されることが特開平5−112818号公報に開示されている。しかし、耐SSC性におよぼす効果については明確にされていない。さらに、その後の詳細な研究の結果、2相域加熱処理を施してもその条件によっては低強度に調質できない場合があるばかりか、引張試験の応力−歪曲線がきわめて低い弾性限を示し安定した強度を得ることが困難な場合もあることが明らかとなっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは多くの研究により、まず、耐SSC性はMoの添加と材料強度を低くすることにより、改善されることを知見した。図1に1%Mo含有鋼(図中、◆,◇)、Mo無添加鋼(●,○)を用いた場合のSSC感受性におよぼすH2 S分圧、pHの影響を示す。◇,○は割れが発生しなかったもの、◆,●は割れが発生したものを示す。1%のMoの添加によりSSCが発生する限界pHは5から4まで低下し、耐サワー性は向上することが明らかである。
【0007】
また、本発明者らは、添加元素の効果によりAc1 変態点が低く、かつ析出硬化能の強いMoあるいはさらにCuを含有したマルテンサイト系ステンレス鋼において、フェライト+オーステナイト2相域に加熱すればYSを低下させることが可能であるという知見を得た。これは2相域温度に加熱し逆変態オーステナイト相を混在させ、C,Cu,Niなどのオーステナイト安定化元素をオーステナイト相中に濃縮させることにより、母相中の不純物元素濃度を低め固溶強化もしくは析出強化能を低減させることに伴い、強度を安定して低下させることが可能となることに基づくものである。このとき、強度の低下効果はオーステナイト相分率に依存することと、強度の安定化は2相域加熱処理後の急冷によりもたらされることを明らかにした。
【0008】
図2に0.03%C−0.9%Cu−4.7%Ni−12.1%Cr−1.8%Mo−0.05%N鋼のYS(0.2%オフセット耐力)におよぼす熱処理条件、2相域温度におけるオーステナイト相分率の関係を示す(2相域加熱後水冷、本鋼のAc1 変態点;615℃、Ac3 変態点;820℃)。オーステナイト相分率が1.5%未満ではオーステナイト相が少なすぎ、一方、オーステナイト相分率が60%を超えると高すぎて、オーステナイト相が不純物の濃縮サイトとして有効に作用できず、母相をC95級以下の強度に調質することは困難である。
【0009】
また、2相温度域においてオーステナイト相分率が1.5%を超えて比較的小さい場合は、逆に降伏強度がL80級のそれよりも低くなり不安定になる場合がある。これについて本発明者らが詳細に研究を行った結果、2相域加熱処理後の冷却速度に依存し、冷却速度が遅い場合に顕著になることを明らかにした。図2中の○は2相域加熱後0.5℃/secで空冷したものであり、●は加速冷却により50℃/secで冷却したものである。○はL80級よりも低い強度範囲にあるのに対し、●はC95級の強度範囲に入ることが明らかである。
【0010】
したがって、2相域加熱処理後の徐冷による極端な強度低下は、オーステナイト相の安定化と残留オーステナイト相の存在に起因するものと考えた。すなわち、2相域加熱処理時のオーステナイト相分率が比較的低い場合には、オーステナイト相中でのオーステナイト安定化元素の濃度が非常に高くなる。このとき、2相域加熱処理後に空冷以下の遅い速度で冷却すると、オーステナイト相の安定化が生じるため、室温まで冷却してもマルテンサイト変態が完全には終了せず、残留オーステナイトを含む組織となる。残留オーステナイトの降伏強度は低いため、バルクの降伏強度はこれに伴い著しく低下したと考えられる。
【0011】
一方、このオーステナイト相の安定化は、2相域加熱処理後に比較的速い速度で冷却すれば防止可能であり、2相域加熱処理後直ちに2℃/sec以上の速度で冷却すれば良いことを見出した。これにより、L80,C95級に安定して調質できることを明らかにした。また、さらに引張強度も低く安定させ実質的に強度を低下させるには、2相域加熱処理の前に焼準処理を施すか、あるいはさらに2相域加熱処理後に焼戻し処理を施すと良いという知見を得た。
【0012】
本発明は上記の知見に基づいて構成したものであり、その要旨は次の通りである。すなわち重量%として、C:0.005〜0.05%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%あるいは必要に応じてさらにCu:0.2〜4%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却し、さらに必要に応じて、2相域加熱処理前にAc3+30℃以上Ac3+200℃以下の温度まで加熱し室温まで空冷以上の速度で冷却することと、また、必要に応じて2相域加熱処理後にAc1点以下Ac1−150℃以上の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法である。
【0013】
以下に本発明の内容をさらに詳しく説明する。まず、本発明におけるマルテンサイト系ステンレス鋼の成分限定理由を以下に述べる。
C:Cは最も強力なオーステナイト安定化元素であり、熱間加工時にキズや割れをもたらすδ−フェライト相の生成を抑える作用がある。そのため、添加することが望ましいが、0.005%未満の添加では上記効果は小さいために、それ以上の添加が必要である。一方、熱処理時にCrと結びついて炭化物を生成し、耐食性に有効な固溶Cr量の低下を招くばかりか、析出した炭化物はカソード反応サイトとなり腐食反応を促進するために耐食性の低下をもたらす。特に、C量が0.05%を超えると耐食性の低下が著しくなることから0.05%を添加量の上限とした。なお、熱間加工時のオーステナイト相安定性およびより安定な高耐食性を両立するには0.01〜0.03%の範囲に調整することが望ましい。
【0014】
Cr:Crは一般的な耐食性を向上させるために必要な元素である。その効果は添加量が11%未満の少ない含有量の場合には小さいことから、添加量の下限を11%とした。また、Crは強力なフェライト安定化元素であり、16%を超える過剰な添加では熱間加工時にδ相を生成して熱間加工性の低下をもたらす。したがって、添加量の範囲を11〜16%の間とした。望ましくは12〜15%が最適添加範囲である。
【0015】
Ni:Niはオーステナイト安定化元素であり、熱間加工温度域にてδ相の生成を抑える効果を有する。また、δ相が存在してもその形態を制御し、熱間加工性に無害となるような作用を示す。その効果は1.5%以上の添加によりもたらされるため、添加量の最小値を1.5%とした。しかしながら、多量に添加するとコストが上昇することと、マルテンサイトの不安定化が生じるために、その上限を6%とした。望ましくは3〜5%の添加が最適である。
【0016】
Mo:Moは図1を用いて説明したように、H2 Sを含む環境で耐局部腐食特性を向上させ、微小割れを抑える作用を有し、耐SSC性を改善させる。その効果は0.5%未満の添加では不十分であることから、添加量の最小値を0.5%とした。一方、強力なフェライト安定化元素であり、3%を超える添加を行うと熱間加工温度域でδ相を生成させ、熱間加工性の低下をもたらす。このような知見から添加量の範囲を0.5〜3%とした。ただし、より安定した耐SSC性を付与するには、1%以上の添加が望ましい。
【0017】
Cu:CuはCO2 を含む環境での耐食性を向上させる作用がある。特に、Niとの複合添加により耐食限界温度を200℃程度まで高めることが可能となることから、含CO2 環境での耐食性が必要な場合には添加することが望ましい。ただし、0.2%未満の添加ではその効果が不十分である。また、過剰に添加すると熱間加工温度域でオーステナイト粒界に偏析し、粒界強度を低下させて熱間加工性の劣化をもたらす。特に、この熱間加工性の低下はCu量が4%を超えると著しくなる。したがって、Cuの添加範囲は0.2〜4%とした。望ましくは0.5%以上の添加が最適である。
【0018】
このような化学成分を有する鋼は熱間加工し室温まで放冷することにより、大部分がマルテンサイトより構成される組織を示す。これをAc1 点以上Ac3 点以下の2相域温度に加熱すると、過飽和のC原子がCr,Moなどと結合して炭化物の形で析出した、いわゆる焼戻しマルテンサイト組織と、旧オーステナイト粒界あるいはC,Niなどのオーステナイト安定化元素が濃化した領域において、これらのオーステナイト安定化元素が凝集して生成した逆変態オーステナイトを大部分とする共存組織を呈する。
【0019】
このとき、焼戻しマルテンサイト組織内では析出した炭化物の凝集、粗大化が生じCが再溶解して、逆変態オーステナイト相を新たに生成するか、あるいは近くにあるオーステナイト相へのCの固相拡散が繰り返し起こる。こうして、母相である焼戻しマルテンサイト中のC,Ni濃度が低下し、析出強化ならびに固溶体強化の効果が低下するために全体の強度は低下する。
【0020】
このとき、図2で示したように、オーステナイト相分率を1.5%以上60%以下として2℃/sec以上で冷却した場合にYSはL80,C95級に安定することが明らかである。オーステナイト相分率が1.5%未満ならびに60%を超える場合には、C95級を超える高い強度となる。これは、オーステナイト相分率1.5%未満では、オーステナイト安定化元素の凝集サイトとしての量が十分でないこと、また、オーステナイト相分率が60%超ではオーステナイト相が過剰でありC,Niなどの濃度差がつきにくくオーステナイト安定化元素が十分に拡散できないことに起因するものと思われる。
【0021】
このような理由から、2相域加熱処理の温度範囲をオーステナイト相分率で1.5〜60%となる温度域に限定した。特に、より安定した強度調質を可能とするには、オーステナイト相分率で3〜40%の温度域が望ましい。また、特にオーステナイト相分率が低い領域では、2相域加熱後に空冷程度の遅い速度で冷却することにより降伏強度が異常に低下する場合がある。これは2相域加熱時に生成したオーステナイト相が安定化し、マルテンサイト変態せずに一部残留オーステナイトを含むことに起因すると思われる。したがって、この残留オーステナイトの安定化に基づく強度低下を回避するには、オーステナイト相の安定化を防ぐ必要がある。このためには、2相域加熱処理後直ちに2℃/sec以上で冷却すれば良いことを見出したので、この冷速を2相域加熱処理後の冷却条件とした。
【0022】
また、強度の均質化、安定化をもたらし、さらに優れた耐サワー性および靭性を得るためには、2相域加熱処理前の焼準処理と2相域加熱処理後の焼戻し処理のいずれか一方または両方を施せば良いことも明らかにした。
【0023】
まず、焼準処理はオーステナイト粒径を同等のサイズ・形状に調整し、それにより2相域加熱時の逆変態オーステナイトのサイズ・形状をほぼ等しく揃える効果に基づき、強度低下効果を安定的にもたらすことを目的に、必要に応じて行う。しかし、このときの加熱温度がAc3+30℃未満の場合にはオーステナイト相中で炭化物あるいは炭窒化物などが析出し、その後に2相域加熱処理を施しても十分に再溶解せずに析出強化作用をもたらすために、十分に強度が低下しない。また、加熱温度がAc3+200℃を超える場合には、炭化物が完全に固溶することに伴い、オーステナイト粒が急激に成長し、いわゆる結晶粒の粗大化が生じる。このようにオーステナイト粒径が粗大な場合には、2相域加熱時の逆変態オーステナイトは不均一に生成するために、安定した強度低下が得られないだけでなく、靭性が低下する。
【0024】
このようなことから、焼準処理の加熱温度はAc3+30℃〜Ac3+200℃の範囲が好ましい。特に、2相域加熱処理による効果を安定なものとするには、Ac3+50℃〜Ac3+200℃の範囲に加熱することが望ましい。このオーステナイト化処理の後は、冷却途中での炭化物などの結晶粒界への析出を防止することを目的に、空冷以上の速度にて室温まで冷却する必要がある。
【0025】
また、2相域加熱処理の後に必要に応じて焼戻し処理を施す。この処理は2相域加熱後にマルテンサイト組織中に残存する固溶Cなどの析出ならびに転位の回復を起こさせ、強度の安定化・靭性の向上をもたらすものであり、これにより、降伏強度はやや上昇するが、引張強度は低下し、さらにより安定な強度・靭性を得ることが可能となる。ただし、加熱温度がAc1点−150℃未満であると、炭化物などが微細に析出して析出強化作用をもたらすことから、強度が過剰に上昇してしまうため、Ac 1 点−150℃を加熱温度の下限とした。また、Ac1点を超える加熱処理は2相域加熱処理の繰り返しであり意味をなさないことから、Ac 1 点を焼戻し処理の加熱温度の上限とした。望ましくは、Ac1点−100℃からAc1点の間で加熱した方が強度低下と強度安定化効果は大きい。
【0026】
以上のように、Ac1 点が低く焼戻し温度を高く設定することのできないマルテンサイト系ステンレス鋼においても、2相域加熱処理を採用し、さらに必要に応じて、熱間加工後2相域加熱処理前に焼準処理と2相域加熱処理後に焼戻し処理のいずれか一方もしくは両方を施すことにより、L80級もしくはC95級への安定的な調質を可能とし耐サワー性ならびに靭性を向上させることが可能となる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の内容をさらに詳細に説明する。
表1に示す成分の鋼を用い、強度・靭性、耐CO2 腐食特性、耐SSC特性を調べた。各鋼について測定した変態点(Ac1 ,Ac3 ,Ms ,Mf )を表1に併記した。
各鋼に施した熱処理条件および特性の結果を表2に示す。
【0028】
表2中で、γ相分率は2相域加熱処理時のオーステナイト相分率(面積率)を示し、冷速とは2相域加熱処理後の室温までの平均冷速を示す。YSは0.2%オフセット耐力である。靭性は2mmVノッチ入り試験片を用い−40℃でシャルピー衝撃試験を行ったときの衝撃吸収エネルギーの値(vE-40 ;J)で評価した。耐CO2 腐食特性は160℃の人工海水中に4MPa のCO2 を飽和させた環境での腐食速度(C.R.;mm/y)で示した。腐食速度が0.1mm/y以下であればこの環境で耐食性を有するといえる。また、耐SSC特性は、10%H2 S+N2 の混合ガスをpH;3.5の5%NaCl溶液中で飽和させた環境下で、定荷重引張試験を行ったときのRs値(=σth/YS)により評価した。σthは720時間で破断を生じないしきい応力値である。YSがL80級以上(551MPa)であり、かつRsが0.8以上であれば耐SSC性が良好であると評価できる。
【0029】
本発明鋼はすべて油井管のグレードでL80級(YS;551MPa〜655MPa)あるいはC95級(YS;655MPa〜758MPa)を有すると同時に靭性、耐CO2 腐食特性ならびに耐SSC性に優れていることがわかる。一方、比較鋼はいずれも強度がL80級、C95級からはずれているか、上記特性のうちいずれかが発明鋼に比べて劣っていることが明らかである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明法にしたがって成分および熱処理をして得られ強度調整されたマルテンサイト系ステンレス鋼は耐CO2 腐食特性と耐サワー性が極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】含硫化水素環境下での割れ感受性におよぼすMo量の影響を示す図。
【図2】強度(YS=0.2%オフセット耐力)におよぼす熱処理条件および2相域加熱時のオーステナイト相分率を示す図。
Claims (8)
- 重量%で、C:0.005〜0.05%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%で、C:0.005〜0.05%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却し、Ac1点以下Ac1−150℃以上の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%として、C:0.005〜0.05%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3+30℃以上Ac3+200℃以下の温度まで加熱し室温まで空冷以上の速度で冷却し、続いてAc1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%として、C:0.005〜0.05%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3+30℃以上Ac3+200℃以下の温度まで加熱し室温まで空冷以上の速度で冷却し、続いてAc1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却し、Ac1点以下Ac1−150℃以上の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%として、C:0.005〜0.05%、Cu:0.2〜4%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%で、C:0.005〜0.05%、Cu:0.2〜4%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却し、Ac1点以下Ac1−150℃以上の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%で、C:0.005〜0.05%、Cu:0.2〜4%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3+30℃以上Ac3+200℃以下の温度まで加熱し室温まで空冷以上の速度で冷却し、続いてAc1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
- 重量%で、C:0.005〜0.05%、Cu:0.2〜4%、Ni:1.5〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3+30℃以上Ac3+200℃以下の温度まで加熱し室温まで空冷以上の速度で冷却し、続いてAc1点以上Ac3点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分率が面積率で1.5%以上60%以下となる温度まで加熱して室温まで2℃/sec以上の速度で冷却し、Ac1点以下Ac1−150℃以上の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。
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