JP4045497B2 - 光ディスク再生装置および光ディスク再生方法、並びに、スキュー検出装置およびスキュー検出方法 - Google Patents

光ディスク再生装置および光ディスク再生方法、並びに、スキュー検出装置およびスキュー検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク再生装置および光ディスク再生方法、並びに、スキュー検出装置およびスキュー検出方法に関し、特に、スキューセンサを用いることなくタンジェンシャルスキューを精度よく検出することができる、光ディスク再生装置および光ディスク再生方法、並びに、スキュー検出装置およびスキュー検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
装着された光ディスクが傾いている(スキューしている)ために発生する再生信号の歪みを防ぐために、例えば、製造時に光学ピックアップ部の取り付けの傾きが調整される。しかしながら、特に、タンジェンシャル方向の傾きに対して、製造時における角度の調整が困難で、調整のために製造コストが増加してしまうような場合、または、製造時に取り付け角度が調整されている場合であっても、例えば、回転中のディスクのばたつきによるタンジェンシャルスキューの変動や、ラジアルスキュー機構が動作している時のがたなどで生じるタンジェンシャルスキューのずれを補正する必要がある場合などにおいては、信号再生時に、光ディスクの傾きが検出され、その検出値を基に、タンジェンシャルスキューが補正されるようになされている。
【0003】
従来、光ディスク再生装置において、装着された光ディスクの傾きを検出するためには、スキューセンサが用いられていた。
【0004】
図1を用いて、スキューセンサを用いて光ディスクの傾きを検出するようになされている光ディスク再生装置について説明する。
【0005】
図示しないスピンドルモータにより回転駆動される光ディスク1に記録されている情報は、光学ピックアップ部2によって読み取られる。
【0006】
レーザダイオード11から出射されたレーザ光は、グレーティング12によって複数のビームに分割された後、ビームスプリッタ13に入射して、コリメータレンズ14を介して、対物レンズ15により、光ディスク1の記録面に集光される。光ディスク1による反射光は、対物レンズ15、コリメータレンズ14、ビームスプリッタ13およびマルチレンズ16を介して、光検出部(Photo Detector)17に入射する。
【0007】
光検出部17は、入射された光を電気信号に変換し、RF信号処理部18に供給する。RF信号処理部18は、光検出部17から供給された、光ディスク1からの読み出し信号について所要の処理を施すことで、例えば、再生データとしてのRF信号、並びに、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を生成する。RF信号処理部18は、RF信号をRFアンプ3に供給し、フォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号をサーボマトリクスアンプ4に供給する。
【0008】
サーボマトリクスアンプ4は、供給されたフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を増幅して、ピックアップ制御部7に供給する。
【0009】
RFアンプ3は、供給されたRF信号を増幅して、イコライザ5に供給する。イコライザ5は、供給された信号の特定の周波数成分を増幅したり、または、不要な周波数成分をカットして、復号処理部6に供給する。復号処理部6は、供給された信号を、光ディスク1に記録されている情報の、所定の記録方式に基づいて復号し、復号された情報を出力する。
【0010】
光ディスク1と光学ピックアップ部2との間に、タンジェンシャルスキューが生じている場合、光学ピックアップ部2から光ディスク1に対して照射されるビームの読み取りスポットにコマ収差が発生し、読み取りスポットの中心強度が低下する。同時に、一次回折リングの強度が増加し、スポットサイズが大きくなってしまう。このため、再生信号のクロストーク成分が増加してしまう。
【0011】
スキューセンサ19は、LED(Light Emitting Diode)19−1により発光され、光ディスク1によって反射された光を、レンズ19−2により受光し、その受光位置の偏りにより、光ディスク1と光学ピックアップ部2との傾きであるタンジェンシャルスキューを検出する。
【0012】
ピックアップ制御部7は、光学ピックアップ部2のスキューセンサ19より、タンジェンシャルスキュー検出値αの入力を受ける。
【0013】
ピックアップ制御部7は、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を基に、光学ピックアップ部2に対して、フォーカス制御およびトラッキング制御を実行するとともに、タンジェンシャルスキュー検出値αを基に、例えば、光学ピックアップ部2の光ディスク1に対する角度を制御することなどにより、タンジェンシャルスキューの補正を行う。また、ピックアップ制御部7は、光学ピックアップ部2に対して、ラジアルスキューも補正する。
【0014】
また、図1のように、スキューセンサ19を用いてタンジェンシャルスキューを検出する以外にも、検出信号の歪みが、タンジェンシャルスキュー量に略比例することから、RF信号の振幅および位相特性の劣化、いわゆる、アイパターンの劣化を基に、所定の2点のサンプリング点の差動演算により、光ディスクの傾きを検出することができる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開平8−273181号公報
【0016】
検出されたタンジェンシャルスキューの補正は、例えば、光学ピックアップ部2のコリメータレンズ14の並進、あるいは、角度の変更(回転)を行うことなどにより実行される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
スキューセンサ19を用いてタンジェンシャルスキューを検出する場合、スキューセンサ19の取付け位置精度が、タンジェンシャルスキューの検出精度に大きくかかわるため、光ディスク再生装置の組立てコストのコストアップの原因となっていた。また、光学ピックアップ部2の内部に、スキューセンサ19を設ける必要があるため、光学ピックアップ部2および光ディスク再生装置の小型化が困難となる要因となっていた。
【0018】
一方、検出信号の歪みによるアイパターンの劣化を基に、光ディスクの傾きを検出する場合、タンジェンシャルスキューを正しく検出するためには、信号の歪みがない状態における信号波形と、タンジェンシャルスキューにより発生した信号の歪みとを比較しなければならない。このため、タンジェンシャルスキューの検出は、検出信号に歪みを発生する部分と、歪みを発生しない部分が同時に発生するような、長周期ピット再生信号部分において実行される。
【0019】
具体的には、長周期ピット再生信号部分において、図2に示されるように、スポット31がピット再生信号部分であり、一次回折リング32がピット再生部分から離れている場合における検出信号と、図3に示されるように、スポット31および一次回折リング32が、いずれもピット再生信号部分である場合における検出信号との関係は、図4に示される検出信号位置aと、検出信号位置bとに対応する。すなわち、検出信号位置bにおいては、一次回折リング32がピット再生信号部分に発生するため、検出信号のレベルが変動してしまう。したがって、図4に示される検出信号位置aと、検出信号位置bとの信号レベルの差は、タンジェンシャルスキューの大きさに比例して大きくなる。
【0020】
しかしながら、長周期ピット再生信号の信号レベルは一定ではないため、検出信号値も、一定の値を取るものではない。特に、サンプリングの2点は、それぞれ、ピットエッジに近いため、その前後の信号ピットの符号間干渉の影響を受ける。タンジェンシャルスキューが発生している場合、符号間干渉の影響は、更に大きくなる。
【0021】
更に、タンジェンシャルスキューの補正は、タンジェンシャルスキュー検出値を基に、例えば、光学ピックアップ部2のコリメータレンズ14の並進、あるいは、光学ピックアップ部2の角度の変更(回転)を行うことなどにより実行されており、これらの並進、あるいは回転のための駆動機構が必要となっていたため、装置の小型化の妨げとなり、コストアップの原因となっていた。
【0022】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、タンジェンシャルスキューを精度よく検出することができるようにするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク再生装置は、光ディスクに記録された信号を再生する再生手段と、再生手段により再生された再生信号を用いて、再生手段に対する光ディスクの傾きを検出し、光ディスクの傾きを示す値を出力する第1の検出手段とを備え、第1の検出手段は、光ディスクに記録されている第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する第2の検出手段と、第2の検出手段より、第1の信号パターンが、第2の信号パターンであることが検出された場合、第1の信号パターンのうち、所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の再生信号を抽出する第1の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された2つの特定位置の再生信号の差を演算する演算手段とを備え、演算手段により演算される2つの特定位置の再生信号の差を用いて、再生手段に対する光ディスクの傾きを検出することを特徴とする。
【0024】
第1の検出手段により検出された光ディスクの傾きを示す値を基に、再生手段により再生された再生信号を波形等化する波形等化手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0026】
1チャネルクロック周期をTとして、光ディスクに記録されている信号のうち最も長い信号をmTとし、再生手段による光ディスクの再生に用いられるレーザ光の光スポット径の1/2以上の長さである信号をnTとした場合、第2の信号パターンは、nT−nT−mT−nT−nTで示される信号パターンであるものとすることができる。
【0027】
第1の検出手段には、第2の信号パターンに対応する第1のビット列を記憶する記憶手段と、再生手段により再生された再生信号をデジタル信号に変換する変換手段と、変換手段によりデジタル信号に変換された再生信号を所定のビット数だけ保持する第1の保持手段と、第1の保持手段により保持された再生信号の最上位ビットを抽出する第2の抽出手段と、第2の抽出手段により抽出された最上位ビットからなる所定のビット数の第2のビット列を保持する第2の保持手段とを更に備えさせるようにすることができ、第2の検出手段には、記憶手段に記憶されている第1のビット列と、第2の保持手段に保持されている第2のビット列とを比較することにより、第1の信号パターンが、第2の信号パターンと等しいことを検出させるようにすることができる。
【0028】
第1の検出手段により検出された光ディスクの傾きを示す値を基に、再生手段により再生された再生信号を波形等化する波形等化手段を更に備えさせるようにすることができ、波形等化手段には、第1の保持手段により保持された再生信号を用いて再生信号を波形等化させるようにすることができる。
【0029】
第1の検出手段には、変換手段によりデジタル信号に変換された再生信号の高域成分を増幅する増幅手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0030】
第1の検出手段には、第2の信号パターンに対応する第1のビット列を記憶する記憶手段と、再生手段により再生された再生信号をデジタル信号に変換する変換手段と、変換手段によりデジタル信号に変換された再生信号の高域成分を増幅する増幅手段と、増幅手段により高域成分が増幅された再生信号の最上位ビットを抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された最上位ビットを所定のビット数だけ保持する第1の保持手段と、第1の保持手段により保持された所定のビット数の最上位ビットからなる第2のビット列を保持する第2の保持手段とを更に備えさせるようにすることができ、第2の検出手段には、記憶手段に記憶されている第1のビット列と、第2の保持手段に保持されている第2のビット列とを比較することにより、第1の信号パターンが、第2の信号パターンと等しいことを検出させるようにすることができる。
【0031】
本発明の光ディスク再生方法は、光ディスクの再生信号を取得する取得ステップと、取得ステップの処理により取得された再生信号の第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する第1の検出ステップと、第1の検出ステップの処理により、第1の信号パターンが、第2の信号パターンであることが検出された場合、第1の信号パターンのうち、所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の再生信号を抽出する抽出ステップと、抽出ステップの処理により抽出された2つの特定位置の再生信号の差を演算する演算ステップと演算ステップの処理により得られた2つの特定位置の再生信号の差を用いて、光ディスクの傾きを検出する検出ステップとを含むことを特徴とする。
【0032】
本発明の光ディスク再生装置および光ディスク再生方法においては、光ディスクに記録された信号が再生され、再生信号の第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることが検出された場合、第1の信号パターンのうち、所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の再生信号が抽出され、抽出された2つの特定位置の再生信号の差が演算され、演算の結果得られた2つの特定位置の再生信号の差を用いて、光ディスクの傾きが検出される。
【0033】
本発明のスキュー検出装置は、光ディスクの再生信号を取得して、光ディスクに記録されている第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する検出手段と、検出手段より、第1の信号パターンが、第2の信号パターンであることが検出された場合、第1の信号パターンのうち、所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の再生信号を抽出する第1の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された2つの特定位置の再生信号の差を演算する演算手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
1チャネルクロック周期をTとして、再生信号のうち、最も長い信号をmTとし、再生信号を得るために用いられるレーザ光の光スポット径の1/2以上の長さである信号をnTとした場合、第2の信号パターンは、nT−nT−mT−nT−nTで示される信号パターンであるものとすることができる。
【0035】
第2の信号パターンに対応する第1のビット列を記憶する記憶手段と、再生手段により再生された再生信号をデジタル信号に変換する変換手段と、変換手段によりデジタル信号に変換された再生信号を所定のビット数だけ保持する第1の保持手段と、第1の保持手段により保持された再生信号の最上位ビットを抽出する第2の抽出手段と、第2の抽出手段により抽出された最上位ビットからなる所定のビット数の第2のビット列を保持する第2の保持手段とを更に備えさせるようにすることができ、検出手段には、記憶手段に記憶されている第1のビット列と、第2の保持手段に保持されている第2のビット列とを比較することにより、第1の信号パターンが、第2の信号パターンと等しいことを検出させるようにすることができる。
【0036】
本発明のスキュー検出方法は、光ディスクの再生信号を取得して、光ディスクに記録されている第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する第1の検出ステップと、検出ステップの処理により、第1の信号パターンが、第2の信号パターンであることが検出された場合、第1の信号パターンのうち、所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の再生信号を抽出する抽出ステップと、抽出ステップの処理により抽出された2つの特定位置の再生信号の差を演算する演算ステップと、演算ステップの処理により得られた2つの特定位置の再生信号の差を用いて、光ディスクの傾きを検出する検出ステップとを含むことを特徴とする。
【0037】
本発明のスキュー検出装置およびスキュー検出方法においては、光ディスクの再生信号の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる所定の信号パターンであるか否かが判断され、再生信号の信号パターンが、複数の信号長の組合せによる所定の信号パターンであると判断された場合、所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の再生信号が抽出され、抽出された2つの特定位置の再生信号の差が演算されて、光ディスクの傾きが検出される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0039】
図5は、本発明を適用した、第1の実施の形態における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【0040】
なお、従来の場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0041】
すなわち、本発明を適用した光ディスク再生装置は、光学ピックアップ部2に代わって、光学ピックアップ部51が設けられ、新たに、タンジェンシャルスキュー検出部52、制御部53、および、ドライブ54が設けられている他は、図1を用いて説明した光ディスク再生装置と、同様の構成を有するものである。また、図5の光学ピックアップ部51は、スキューセンサ19が省略されている他は、図1の光学ピックアップ部2と同様の構成を有するものである。
【0042】
上述したように、従来から、長周期ピットの再生信号の信号レベルを用いて、所定の2点のサンプリング点の差動演算により、光ディスクの傾きを検出することができるようになされてきた。しかしながら、長周期ピット再生信号の信号レベルは一定ではないため、検出信号値も、一定の値を取るものではない。特に、サンプリングの2点は、それぞれ、ピットエッジに近いため、その前後の信号ピットの符号間干渉の影響を受ける。タンジェンシャルスキューが発生している場合、符号間干渉の影響は、更に大きくなる。
【0043】
この問題を解決するため、タンジェンシャルスキュー検出部52においては、長周期ピットと、その前後の数ピットのパターンの組合せを限定して、対応するピットパターンにおける再生信号の信号レベルのみを用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようにすることにより、ピットエッジにおける前後の信号ピットの符号間干渉の影響による誤検出を防ぐようにすることができる。
【0044】
図5の光ディスク再生装置においては、最も長い周期の長周期ピットが14Tであり、4Tがスポット31のスポット径の1/2以上である場合、長周期ピット14Tに対して、その前後のピットパターンを4T−4Tに固定して、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである場合の再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するものとする。
【0045】
図5の光ディスク再生装置の動作について説明する。
【0046】
図示しないスピンドルモータにより回転駆動される光ディスク1に記録されている情報は、光学ピックアップ部51によって読み取られる。
【0047】
レーザダイオード11から出射されたレーザ光は、グレーティング12によって複数のビームに分割された後、ビームスプリッタ13に入射して、コリメータレンズ14を介して、対物レンズ15により、光ディスク1の記録面に集光される。光ディスク1による反射光は、対物レンズ15、コリメータレンズ14、ビームスプリッタ13およびマルチレンズ16を介して、光検出部17に入射する。
【0048】
光検出部17は、入射された光を電気信号に変換し、RF信号処理部18に供給する。RF信号処理部18は、光検出部17から供給された、光ディスク1からの読み出し信号について所要の処理を施すことで、例えば、再生データとしてのRF信号、並びに、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を生成する。RF信号処理部18は、RF信号をRFアンプ3に供給し、フォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号をサーボマトリクスアンプ4に供給する。
【0049】
サーボマトリクスアンプ4は、供給されたフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を増幅して、ピックアップ制御部7に供給する。
【0050】
RFアンプ3は、供給されたRF信号を増幅して、タンジェンシャルスキュー検出部52、および、イコライザ5に供給する。イコライザ5は、供給された信号の特定の周波数成分を増幅したり、または、不要な周波数成分をカットして、復号処理部6に供給する。復号処理部6は、供給された信号を、光ディスク1に記録されている情報の、所定の記録方式に基づいて復号し、復号された情報を出力する。
【0051】
制御部53は、タンジェンシャルスキュー検出部52の動作を制御する。
【0052】
また、制御部53には、必要に応じて、ドライブ54が接続され、磁気ディスク61、光ディスク62、光磁気ディスク63、もしくは、半導体メモリ64などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて制御部53にインストールされる。
【0053】
図6は、タンジェンシャルスキュー検出部52の構成を示すブロック図である。
【0054】
タンジェンシャルスキュー検出部52に供給されたRF信号は、A/D変換部71に供給される。A/D変換部71は、mビットの分解能で、供給されたアナログのRF信号を、デジタル信号に変換し、レジスタ72−1に供給する。
【0055】
レジスタ72−1乃至レジスタ72−nは、例えば、A/D変換部71の分解能mと同一の数のDフリップフロップなどの遅延回路により、それぞれ構成され、図示しないクロック信号発生部から、同一のクロックの供給を受ける。レジスタ72−1に供給されたmビットのRF信号は、次のクロックで、レジスタ72−2に供給され、次のクロックで、レジスタ72−3に供給される。すなわち、レジスタ72−1乃至レジスタ72−nで、シフトレジスタが構成される。
【0056】
前後の信号ピットの符号間干渉の影響を受けないで、タンジェンシャルスキューの検出を実行するため、タンジェンシャルスキュー検出部52においては、長周期ピットと、前後の数ピットのパターンの組合せを限定して、対応するピットパターンにおける再生信号の信号レベルを用いるようにすることにより、ピットエッジにおける前後の信号ピットの符号間干渉の影響を考慮して、タンジェンシャルスキューの検出が行われるようになされている。
【0057】
タンジェンシャルスキュー検出部52が、長周期ピットが14Tであり、その前後のピットパターンを4T−4Tに固定して、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである場合の再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、そのピットパターンを保持することができるように、レジスタ72−1乃至レジスタ72−32が設けられる(n=32)。
【0058】
レジスタ77およびレジスタ78には、レジスタ72−1乃至レジスタ72−nの出力信号のうち、タンジェンシャルスキューの検出に用いられる2箇所の出力信号がそれぞれ供給される。
【0059】
タンジェンシャルスキュー検出部52において、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである場合の再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、検出に用いられる2箇所のレジスタの出力信号は、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンが供給されたとき長周期ピットである14Tに含まれる位置である必要があり、14Tの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに近い位置であると好適である。したがって、図5のタンジェンシャルスキュー検出部52においては、レジスタ72−11の8ビットの出力信号が、レジスタ77に供給され、レジスタ72−22の8ビットの出力信号が、レジスタ78に供給されるようにすれば良い。
【0060】
なお、タンジェンシャルスキュー検出部52が、他のピットパターンの再生信号を用いてタンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給される信号の位置は、そのピットパターンに応じて異なるものとなることは言うまでもない。
【0061】
MSB(Most Significant Bit:最上位ビット)抽出部73−1乃至MSB抽出部73−nは、レジスタ72−1乃至レジスタ72−nと、同数設けられる。すなわち、レジスタ72−1乃至レジスタ72−32が設けられている場合、MSB抽出部73−1乃至MSB抽出部73−32が設けられる。MSB抽出部73−1乃至MSB抽出部73−nは、レジスタ72−1乃至レジスタ72−nの最上位ビットを抽出し、nビット列保持部74に供給する。
【0062】
検出ビット列保存部75には、ピットパターン4T−4T−14T−4T−4Tに対応して、予め定められたビット列が保存されている。比較部76は、検出ビット列保存部75に保存されている、予め定められているビット列と、nビット列保持部74に保持されたビット列とを比較し、これら2つのビット列が同一である場合、レジスタ77、および、レジスタ78に、入力信号の出力トリガ信号を供給する。レジスタ77、および、レジスタ78は、比較部76から、入力信号の出力トリガ信号が供給された場合にのみ、供給された8ビットのレベル信号を差動演算部79に供給する。
【0063】
すなわち、レジスタ77、および、レジスタ78は、予め定められている、ピットパターン4T−4T−14T−4T−4Tに対応するRF信号が、レジスタ72−1乃至72−nに保持されている場合の長周期ピット14Tに含まれ、かつ、長周期ピット14Tの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ付近の2箇所の信号レベルを、差動演算部79に供給する。
【0064】
差動演算部79は、長周期ピットの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ付近の2箇所の信号レベルの供給を受け、その差を演算して、タンジェンシャルスキュー検出値αとして出力する。
【0065】
このようにして、タンジェンシャルスキュー検出部52により検出されるタンジェンシャルスキュー検出値αは、図4を用いて説明した、タンジェンシャルスキュー発生時の信号波形の歪の大きさと正比例する値である。
【0066】
図5の説明に戻る。
【0067】
ピックアップ制御部7は、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を基に、光学ピックアップ部51に対するフォーカス制御およびトラッキング制御を実行するとともに、タンジェンシャルスキュー検出部52により検出されるジェンシャルスキュー検出値αを基に、例えば、光学ピックアップ部51の光ディスク1に対する角度を制御することなどにより、タンジェンシャルスキューの補正を行う。また、ピックアップ制御部7は、光学ピックアップ部51に対して、従来と同様の方法で、ラジアルスキューを補正することができるようにしても良い。
【0068】
このような構成にすることにより、スキューセンサ19を用いることなく、タンジェンシャルスキューを検出し、ピックアップ制御部7の処理により、タンジェンシャルスキューの補正を行うようにすることができる。
【0069】
次に、図7のフローチャートを参照して、第1の実施の形態におけるスキュー補正処理1について説明する。
【0070】
ステップS1において、図8を用いて後述するタンジェンシャルスキュー検出処理1が実行される。
【0071】
ステップS2において、ピックアップ制御部7は、スキュー出力を基に、光学ピックアップを制御して、タンジェンシャルスキューを補正し、処理が終了される。
【0072】
図8のフローチャートを参照して、図7のステップS1において実行されるタンジェンシャルスキュー検出処理1について説明する。
【0073】
タンジェンシャルスキュー検出部52のA/D変換部71は、ステップS31において、入力RF信号の供給を受け、ステップS32において、入力RF信号をA/D変換し、レジスタ72−1に順次供給する。
【0074】
ステップS33において、タンジェンシャルスキュー検出部52のレジスタ72−1乃至72−nは、供給されたデータを順次スライドさせて保存する。
【0075】
ステップS34において、タンジェンシャルスキュー検出部52のMSB抽出部73−1乃至73−nは、レジスタ72−1乃至72−nに保持されている最上位ビットを抽出し、nビット列保持部74にそれぞれ供給する。nビット列保持部74は、MSB抽出部73−1乃至73−nから供給されたnビットからなるビット列を一時保持する。
【0076】
ステップS35において、タンジェンシャルスキュー検出部52の比較部76は、nビット列保持部74に保持されたビット列と、検出ビット列保存部75に保存されている、ピット列4T−4T−14T−4T−4Tに対応する検出ビット列とを比較する。
【0077】
ステップS36において、タンジェンシャルスキュー検出部52の比較部76は、nビット列保持部74に保持されたビット列と、検出ビット列保存部75に保存されている検出ビット列とが一致したか否かを判断する。ステップS36において、検出ビット列と一致しないと判断された場合、処理は、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0078】
ステップS36において、検出ビット列と一致したと判断された場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給された、所定の2箇所のレジスタ保存値が、差動演算部79に供給されるので、タンジェンシャルスキュー検出部52の差動演算部79は、ステップS37において、供給された所定の2箇所のレジスタ保存値を差動演算し、ステップS38において、演算値をタンジェンシャルスキュー検出値αとして出力し、処理は、図7のステップS2に進む。
【0079】
このような処理により、タンジェンシャルスキュー検出値αが、スキューセンサを用いることなく、RF信号を基に求められ、タンジェンシャルスキュー検出値αに基づいて、タンジェンシャルスキューの補正が実行される。
【0080】
第1の実施の形態においては、タンジェンシャルスキュー検出部52により、タンジェンシャルスキューが検出され、従来における場合と同様にして、ピックアップ制御部7によりタンジェンシャルスキューが補正されるようになされていたが、ピックアップ制御部7によりタンジェンシャルスキューを補正するのではなく、タンジェンシャルスキュー検出値αに基づいて、タンジェンシャルスキューにより発生する再生RF信号の波形の歪(特性の劣化)を補正するようにしても良い。
【0081】
図9は、本発明を適用した第2の実施の形態における場合の光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【0082】
なお、図5を用いて説明した場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0083】
すなわち、図9の光ディスク再生装置は、制御部53に代わって、制御部101が設けられ、イコライザ5に代わって、波形等化部102が設けられ、ピックアップ制御部7に変わって、ピックアップ制御部103が設けられている他は、図5を用いて説明した光ディスク再生装置と、同様の構成を有するものである。
【0084】
制御部101は、タンジェンシャルスキュー検出部52の動作を制御するとともに、波形等化部102に所定の係数を供給し、その動作を制御する。
【0085】
ピックアップ制御部103は、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を基に、光学ピックアップ部51に対するフォーカス制御およびトラッキング制御を実行するとともに、例えば、光学ピックアップ部51の光ディスク1に対する角度を制御することなどにより、ラジアルスキューを補正する。
【0086】
波形等化部102は、RFアンプ3により増幅されたRF信号の供給を受け、タンジェンシャルスキュー検出部52により検出された、タンジェンシャルスキュー検出値α、並びに、制御部101から供給される係数Rおよび補正値Eを基に、波形等化処理を行い、復号処理部6に供給する。復号処理部6は、供給された信号を、光ディスク1に記録されている情報の、所定の記録方式に基づいて復号し、復号された情報を出力する。
【0087】
ここで、係数Rおよび補正値Eの値は、例えば、経験的にまたは実験的に、好適な波形等化処理が実行できるような値が設定され、制御部101により、波形等化部102に供給される。
【0088】
図10は、波形等化部102の構成を示すブロック図である。
【0089】
波形等化部102は、劣化した信号特性(ゲイン特性、位相特性)を正常な状態に戻すためのフィルタ処理を行うものであり、デジタルフィルタの一種である、トランスバーサルフィルタが用いられている。
【0090】
波形等化部102に供給されたRF信号は、A/D変換部121に供給される。A/D変換部121は、mビットの分解能で、供給されたアナログのRF信号を、デジタル信号に変換し、レジスタ122−1に供給する。
【0091】
レジスタ122−1乃至レジスタ122−nは、例えば、A/D変換部121の分解能mと同一の数のDフリップフロップなどの遅延回路により、それぞれ構成され、図示しないクロック信号発生部から、同一のクロックの供給を受ける。レジスタ122−1に供給されたmビットのRF信号は、次のクロックで、レジスタ122−2に供給され、次のクロックで、レジスタ122−3に供給される。すなわち、レジスタ122−1乃至レジスタ122−nで、シフトレジスタが構成される。
【0092】
加算部123−1には、レジスタ122−1の入力信号と、レジスタ122−1乃至122−nのうち、その中央位置よりもレジスタ122−2側である、レジスタ122−n以外の所定のレジスタ122の出力信号とが供給され、その加算結果が、係数乗算部124−1および差動演算部125−2のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−1では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−1のマイナス入力端子に供給する。
【0093】
加算部123−2には、レジスタ122−1乃至122−nのうち、その中央位置よりもレジスタ122−1側の所定のレジスタ122の出力信号と、最終段のレジスタ122−nの出力信号が供給され、その加算結果が、係数乗算部124−2および差動演算部125−1のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−2では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−2のマイナス入力端子に供給する。
【0094】
ここで、定数βは、0乃至1の値であり、光ディスク1の種類と、光学ピックアップ部51との組合せによって、最良の値を用いるようにすれば良い。その値は、例えば、経験的に、もしくは、実験にて求めても良いし、性能の良し悪しのみならず、コストダウンのために、回路構成が簡単になるような定数とするようにしても良い。
【0095】
具体的には、例えば、光ディスク1として、DVD(Digital Versatile Disk)が用いられた場合、波形等化部102の係数乗算部124−1または124−2においては、定数β=0.5付近に最良の補正効果を奏する値が存在し、0.4<β<0.6となる係数βを用いたときの補正効果は、ほとんど変わらない。したがって、DVDを再生する場合における波形等化部102の係数乗算部124−1または124−2の処理においては、定数βを、β=0.5とすれば、2進数演算で入力値を1ビットシフトして出力すればよいので、回路構成が非常に簡単なシフトレジスタで実現可能である。
【0096】
更に、例えば、光ディスク1の種類に対応して、複数の定数βの値を登録可能な記憶部を設けたり、ドライブ54に装着される磁気ディスク61乃至半導体メモリ64の記録媒体に光ディスク1の種類に対応した複数の定数βの値を記録させ、これらの記録媒体から、光ディスク1の種類に対応した複数の定数βの値を制御部101が読み込むことが可能なようにしてもよい。このようにした場合、制御部101は、波形等化部102を制御して、係数乗算部124−1および124−2が用いる定数βの値を切り替え、波形等化部102が光ディスク1の種類に対応した定数βの値を用いて波形等化を行うことができるようにすることができる。
【0097】
差動演算部125−1および差動演算部125−2は、それぞれ、供給された値を差動演算し、演算結果をスイッチ127に供給する。コンパレータ126は、タンジェンシャルスキュー検出部52から供給された、タンジェンシャルスキュー検出値αの値を極性判定し、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪が右上がりであるか右下がりであるかによって、スイッチ127を切り替える。
【0098】
また、タンジェンシャルスキュー検出部52から供給された、タンジェンシャルスキュー検出値αの値は、絶対値演算部128により絶対値処理された(タンジェンシャルスキュー検出値αが負の値である場合は、正の値に変換された)後、演算部129に供給される。
【0099】
演算部129は、絶対値演算部128から供給された、タンジェンシャルスキュー検出値αの絶対値|α|と、制御部101から供給された、係数Rおよび補正値Eを基に、次の式(1)により、波形等化部102におけるフィルタ特性を決定する、フィルタ係数Kを演算する。
【0100】
K=R×(|α|+E)・・・(1)
【0101】
係数乗算部130は、スイッチ127から供給された、差動演算部125−1または差動演算部125−2の演算結果に、演算部129により演算されて得られたフィルタ係数Kを乗算し、差動演算部131のマイナス入力端子に供給する。
【0102】
差動演算部131のプラス入力端子には、レジスタ122−1乃至122−nに保持されている信号のうち、その中央位置となる信号に対応するレジスタ122の出力値が供給される。差動演算部131は、レジスタ122−1乃至122−nに保持されている信号のうち、その中央位置となる信号から、係数乗算部130の出力を減算することによって、劣化した信号特性を劣化していない状態に補正し、イコライザ132に供給する。
【0103】
以上説明した、加算部123−1および123−2、係数乗算部124−1および124−1、差動演算部125−1および125−2、係数乗算部130、並びに、差動演算部131によって構成されるトランスバーサルフィルタのフィルタ伝達関数は、次の式(2)または式(3)で示される。
【0104】
Y´(m)=X(m)−K[{X(m−p)+X(m+q)}−β{X(m−q)+X(m+p)}] ・・・(2)
Y´´(m)=X(m)−K[{X(m−q)+X(m+p)}−β{X(m−p)+X(m+q)}] ・・・(3)
【0105】
式(2)および式(3)においては、レジスタ122−1乃至122−nの中央位置のレジスタの出力信号をX(m)とし、出力信号X(m)から時間pだけ遅延した時刻のRF信号(加算部123−1の一方の入力端子に供給される信号)をX(m−p)とし、出力信号X(m)から時間qだけ前の時刻のRF信号(加算部123−1の他方の入力端子に供給される信号)をX(m+q)とし、出力信号X(m)から時間qだけ遅延した時刻のRF信号(加算部123−2の一方の入力端子に供給される信号)をX(m−q)とし、出力信号X(m)から時間pだけ前の時刻のRF信号(加算部123−2の他方の入力端子に供給される信号)をX(m+p)としている。
【0106】
すなわち、式(2)および式(3)においては、q<pであり、式(2)は、スイッチ127が差動演算部125−1の出力を係数乗算部130に供給した場合のフィルタ伝達関数であり、式(3)は、スイッチ127が差動演算部125−2の出力を係数乗算部130に供給した場合のフィルタ伝達関数である。
【0107】
イコライザ132は、供給された信号の高域成分をブーストして、波形等化処理後の出力RF信号を生成し、復号処理部6に供給する。
【0108】
このようにして、波形等化部102により、タンジェンシャルスキュー検出値αを基に、タンジェンシャルスキューの発生により劣化した信号特性が、劣化していない状態に補正される。
【0109】
次に、図11のフローチャートを参照して、第2の実施の形態におけるスキュー補正処理2について説明する。
【0110】
ステップS51において、図8を用いて説明した、タンジェンシャルスキュー検出処理1が実行される。
【0111】
ステップS52において、図12および図13を用いて後述する波形等化処理1が実行されて、処理が終了される。
【0112】
図12および図13を用いて、図11のステップS52において実行される波形等化処理1について説明する。
【0113】
波形等化部102のA/D変換部121は、ステップS71において、入力RF信号の供給を受け、ステップS72において、入力RF信号をA/D変換し、レジスタ122−1に順次供給する。
【0114】
ステップS73において、波形等化部102のレジスタ122−1乃至121−nは、供給されたデータを順次スライドさせて保存する。
【0115】
ステップS74において、波形等化部102の差動演算部125−1は、第1の差動演算を実行し、波形等化部102の差動演算部125−2は、第2の差動演算を実行する。
【0116】
すなわち、加算部123−1には、レジスタ122−1の入力信号と、レジスタ122−1乃至122−nのうち、その中央位置よりもレジスタ122−2側の所定のレジスタ122の出力信号とが供給され、その加算結果が、係数乗算部124−1および差動演算部125−2のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−1では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−1のマイナス入力端子に供給する。
【0117】
加算部123−2には、レジスタ122−1乃至122−nのうち、その中央位置よりもレジスタ122−1側の所定のレジスタ122の出力信号と、最終段のレジスタ122−nの出力信号が供給され、その加算結果が、係数乗算部124−2および差動演算部125−1のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−2では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−2のマイナス入力端子に供給する。
【0118】
差動演算部125−1および差動演算部125−2は、それぞれ、供給された値を差動演算し、演算結果をスイッチ127に供給する。
【0119】
ステップS75において、波形等化部102のコンパレータ126は、タンジェンシャルスキュー検出値αを取得して、極性判定を行う。
【0120】
ステップS76において、波形等化部102のスイッチ127は、コンパレータ126から供給される、タンジェンシャルスキュー検出値αの極性判定結果を基に、係数乗算部130に供給するのは、第1の差動演算結果と、第2の差動演算結果との、いずれかの値とするのかを選択する。
【0121】
ステップS77において、波形等化部102の絶対値演算部128は、タンジェンシャルスキュー検出値αを取得して、絶対値演算を実行し、演算部129に供給する。
【0122】
ステップS78において、波形等化部102の演算部129は、制御部101から、係数Rおよび補正値Eを取得する。
【0123】
ここで、係数Rおよび補正値Eの値は、例えば、経験的にまたは実験的に、好適な波形等化処理が実行できるような値が設定され、制御部101により、波形等化部102に供給される。
【0124】
ステップS79において、波形等化部102の演算部129は、ステップS78において取得した係数Rおよび補正値Eと、絶対値演算部128から供給された、タンジェンシャルスキュー検出値αの絶対値|α|の値を基に、上述した式(1)を基に、フィルタ係数K=R(|α|+E)を算出する。波形等化部102の係数乗算部130は、スイッチ127から供給された、差動演算部125−1または差動演算部125−2の演算結果に、算出されたフィルタ係数Kを乗算して、差動演算部131のマイナス入力端子に供給する。
【0125】
ステップS80において、差動演算部131は、プラス入力端子に供給される、レジスタ122−1乃至122−nに保持されている信号のうち、その中央位置となる信号に対応するレジスタ122の出力値(中央値)と、係数乗算部130から供給される値との差動演算を実行して、イコライザ132に供給する。
【0126】
ステップS81において、波形等化部102のイコライザ132は、等化波形をイコライズ、すなわち、信号高域成分をブーストして、波形等化処理後の出力RF信号を生成して出力し、処理が終了される。
【0127】
このような処理により、光学ピックアップ部103の傾きを変更したり、コリメータレンズ14を並進させることなく、タンジェンシャルスキューの発生により劣化した波形を補正することができる。
【0128】
第2の実施の形態においては、タンジェンシャルスキュー検出部52と波形等化部102とを独立に構成し、それぞれが、シフトレジスタを内部に有するものとして説明したが、タンジェンシャルスキュー検出と波形等化に用いるシフトレジスタの全体、または一部を共有するように構成することも可能である。
【0129】
図14は、本発明を適用した第3の実施の形態における記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0130】
なお、図9を用いて説明した場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0131】
すなわち、図14の光ディスク再生装置は、制御部101に代わって、制御部151が設けられ、タンジェンシャルスキュー検出部52および波形等化部102に代わって、スキュー検出および波形等化部152が設けられている他は、図9を用いて説明した光ディスク再生装置と、同様の構成を有するものである。
【0132】
制御部151は、スキュー検出および波形等化部152に所定の係数を供給し、その動作を制御する。
【0133】
スキュー検出および波形等化部152は、タンジェンシャルスキューの検出および再生RF信号の波形等化を実行するものである。
【0134】
図15は、スキュー検出および波形等化部152の構成を示すブロック図である。
【0135】
なお、図6または図10を用いて説明した場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0136】
供給されたRF信号は、A/D変換部71に供給される。A/D変換部71は、mビットの分解能で、供給されたアナログのRF信号を、デジタル信号に変換し、レジスタ171−1に供給する。
【0137】
レジスタ171−1乃至レジスタ171−nは、例えば、A/D変換部71の分解能mと同一の数のDフリップフロップなどの遅延回路により、それぞれ構成され、図示しないクロック信号発生部から、同一のクロックの供給を受ける。レジスタ171−1に供給されたmビットのRF信号は、次のクロックで、レジスタ171−2に供給され、次のクロックで、レジスタ171−3に供給される。すなわち、レジスタ171−1乃至レジスタ171−nで、シフトレジスタが構成される。
【0138】
前後の信号ピットの符号間干渉の影響を受けないで、タンジェンシャルスキューの検出を実行するため、スキュー検出および波形等化部152においても、長周期ピットと、前後の数ピットのパターンの組合せを限定して、対応するピットパターンにおける再生信号の信号レベルを用いて、タンジェンシャルスキューの検出が行われるようになされている。スキュー検出および波形等化部152が、長周期ピットが14Tであり、その前後のピットパターンを4T−4Tに固定して、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである場合の再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、そのピットパターンを保持することができるように、レジスタ171−1乃至レジスタ171−32が設けられる(n=32)。
【0139】
レジスタ77およびレジスタ78には、レジスタ171−1乃至レジスタ171−nの出力信号のうち、タンジェンシャルスキューの検出に用いられる2箇所の出力信号がそれぞれ供給される。
【0140】
スキュー検出および波形等化部152において、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである場合の再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、検出に用いられる2箇所のレジスタの出力信号は、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンが供給されたとき長周期ピットである14Tに含まれる位置である必要があり、14Tの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに近い位置であると好適である。したがって、スキュー検出および波形等化部152においては、レジスタ171−11の8ビットの出力信号が、レジスタ77に供給され、レジスタ171−22の8ビットの出力信号が、レジスタ78に供給されるようにすれば良い。
【0141】
なお、スキュー検出および波形等化部152が、他のピットパターンの再生信号を用いてタンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給される信号の位置は、そのピットパターンに応じて異なるものとなることは言うまでもない。
【0142】
MSB抽出部73−1乃至MSB抽出部73−nは、レジスタ171−1乃至レジスタ171−nと、同数設けられる。すなわち、レジスタ171−1乃至レジスタ171−32が設けられている場合、MSB抽出部73−1乃至MSB抽出部73−32が設けられる。MSB抽出部73−1乃至MSB抽出部73−nは、レジスタ171−1乃至レジスタ171−nの最上位ビットを抽出し、nビット列保持部74に供給する。
【0143】
検出ビット列保存部75、比較部76、レジスタ77、レジスタ78、および、差動演算部79は、図6を用いて説明した場合と同様の処理を実行する。すなわち、比較部76は、nビット列保持部74に保持されているビット列と、検出ビット列保存部75に保存されているビット列とを比較して、それらが同一である場合に、レジスタ77およびレジスタ78に対して、供給された信号を出力するための信号を出力するようになされているので、レジスタ77、および、レジスタ78は、予め定められている、ピットパターン4T−4T−14T−4T−4Tに対応するRF信号が、レジスタ171−1乃至171−nに保持されている場合の長周期ピット14Tに含まれ、かつ、長周期ピット14Tの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ付近の2箇所の信号レベルを、差動演算部79に供給する。差動演算部79は、長周期ピットの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ付近の2箇所の信号レベルの供給を受け、その差を演算して、タンジェンシャルスキュー検出値αとして出力する。
【0144】
また、加算部123−1には、レジスタ171−1の入力信号と、レジスタ171−1乃至171−nのうち、その中央位置よりもレジスタ171−2側であり、レジスタ171−n以外の所定のレジスタ171の出力信号とが供給され、その加算結果が、係数乗算部124−1および差動演算部125−2のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−1では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−1のマイナス入力端子に供給する。
【0145】
加算部123−2には、レジスタ171−1乃至171−nのうち、その中央位置よりもレジスタ171−1側の所定のレジスタ171の出力信号と、最終段のレジスタ171−nの出力信号が供給され、その加算結果が、係数乗算部124−2および差動演算部125−1のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−2では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−2のマイナス入力端子に供給する。
【0146】
差動演算部125−1および差動演算部125−2、コンパレータ126、スイッチ127、絶対値演算部128、演算部129、係数乗算部130、差動演算部131、並びに、イコライザ132は、図10を用いて説明した場合と同様の処理を実行して、波形等化処理後の出力RF信号を生成し、復号処理部6に供給する。
【0147】
このようにして、スキュー検出および波形等化部152により、タンジェンシャルスキューが検出され、更に、タンジェンシャルスキューの発生により劣化した信号特性が、劣化していない状態に補正されて出力される。
【0148】
また、スキュー検出および波形等化部152を用いた第3の実施の形態の光ディスク再生装置においては、図11を用いて上述したスキュー補正処理2と同様にして、タンジェンシャルスキュー検出処理1と、波形等化処理1とが、レジスタ171−1乃至171−nを用いて実行されるので、その処理の説明については省略する。
【0149】
また、スキュー検出および波形等化部152に代わって、図16のブロック図に示されるように、パターン検出に用いる信号をイコライズすることにより、パターン検出精度を向上させることができるスキュー検出および波形等化部191を用いるようにすることもできる。
【0150】
スキュー検出および波形等化部191は、パターン検出に用いられる信号を保持する第1のレジスタと、タンジェンシャルスキュー検出値の演算および波形等化処理に用いられる信号を保持する第2のレジスタとの、2つのレジスタを有する。パターン検出に用いられる信号を保持する第1のレジスタであるレジスタ203−1乃至203−nの前段には、パターン検出精度を向上させるために、イコライザ201が設けられているが、タンジェンシャルスキューを検出するための信号は、正しくタンジェンシャルスキューを検出するために、イコライズすることはできない。
【0151】
A/D変換部71によってA/D変換された入力RF信号は、2系列に分かれ、一方は、イコライザ201により、高域成分がブーストされて、MSB抽出部202に供給されて、抽出された最上位ビットが、第1のレジスタを構成するレジスタ203−1乃至203−nに順次供給される。また、A/D変換部71によってA/D変換された入力RF信号のうちの他方は、遅延部204で、イコライザ201によるイコライズ処理およびMSB抽出部202による最上位ビットの抽出処理にかかる時間だけ遅延され、第2のレジスタを構成するレジスタ171−1乃至171−nに順次供給される。
【0152】
第1のレジスタを構成するレジスタ203−1乃至203−nと、第2のレジスタを構成するレジスタ171−1乃至171−nとは、図示しないクロック発生部から供給される、共通のクロックを受け、動作するので、レジスタ171−1に保持されているmビットのデータのうちの最上位ビットと同じデータがイコライズされたものが、レジスタ203−1に保持され、レジスタ171−2に保持されているmビットのデータのうちの最上位ビットと同じデータがイコライズされたものが、レジスタ203−2に保持され、同様にして、レジスタ171−nに保持されているmビットのデータのうちの最上位ビットと同じデータがイコライズされたものが、レジスタ203−nに保持される。
【0153】
スキュー検出および波形等化部191において、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、検出に用いられる2箇所のレジスタの出力信号は、レジスタ203−1乃至203−nに、4T−4T−14T−4T−4Tとなるパターンが供給されたときに、レジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータのうち、長周期ピットである14Tに含まれ、14Tの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに近い位置であると好適である。したがって、スキュー検出および波形等化部191においては、レジスタ171−11の8ビットの出力信号が、レジスタ77に供給され、レジスタ171−22の8ビットの出力信号が、レジスタ78に供給されるようにすれば良い。
【0154】
なお、スキュー検出および波形等化部191が、他のピットパターンの再生信号を用いてタンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給される信号の位置は、そのピットパターンに応じて異なるものとなることは言うまでもない。
【0155】
nビット列保持部74は、レジスタ203−1乃至203−nに保持されているデータの供給を受け、nビットのデータ列を一時保持する。
【0156】
検出ビット列保存部75、比較部76、レジスタ77、レジスタ78、および、差動演算部79は、図6または図15を用いて説明した場合と同様の処理を実行して、タンジェンシャルスキュー検出値αを検出して出力する。
【0157】
また、加算部123−1および123−2、係数乗算部124−1および124−2、差動演算部125−1および125−2、コンパレータ126、スイッチ127、絶対値演算部128、演算部129、係数乗算部130、差動演算部131、並びに、イコライザ132は、図15を用いて説明した場合と同様の処理を実行して、波形等化処理後の出力RF信号を生成し、復号処理部6に供給する。
【0158】
このようにして、スキュー検出および波形等化部191においては、ビット列の検出に用いる信号のみをイコライズするようにし、タンジェンシャルスキュー検出値の演算や、波形等化処理に用いる信号は、そのまま利用するようにしたので、タンジェンシャルスキュー検出値の演算の精度を下げることなく、所定のピットパターンを検出する処理の精度を向上させるようにすることができる。
【0159】
次に、図17のフローチャートを参照して、スキュー検出および波形等化部191を用いた場合のスキュー補正処理3について説明する。
【0160】
ステップS101において、図18を用いて後述するタンジェンシャルスキュー検出処理2が実行される。
【0161】
ステップS102において、図19を用いて後述する波形等化処理2が実行されて、処理が終了される。
【0162】
次に、図18のフローチャートを参照して、図17のステップS101において実行される、タンジェンシャルスキュー検出処理2について説明する。
【0163】
スキュー検出および波形等化部191のA/D変換部71は、ステップS121において、入力RF信号の供給を受け、ステップS122において、入力RF信号をA/D変換し、イコライザ201および遅延部204の2系列に出力する。
【0164】
ステップS123において、スキュー検出および波形等化部191のイコライザ201は、供給された信号の高域成分をブーストして、MSB抽出部202に供給する。MSB抽出部202は、供給された信号の最上位ビットを抽出する。また、スキュー検出および波形等化部191の遅延部204は、イコライザ201が信号をイコライズし、MSB抽出部202が最上位ビットを抽出して出力する処理のために必要な時間と同じ時間だけ供給されたデータを遅延する。
【0165】
ステップS124において、スキュー検出および波形等化部191のMSB抽出部202は、抽出した最上位ビットを、第1のレジスタであるレジスタ203−1に供給し、レジスタ203−1乃至203−nは、供給されたデータを順次スライドさせて保存する。
【0166】
ステップS125において、スキュー検出および波形等化部191の遅延部204は、遅延した信号を、第2のレジスタであるレジスタ171−1に供給し、レジスタ171−1乃至171−nは、供給されたデータを順次スライドさせて保存する。
【0167】
ステップS126において、スキュー検出および波形等化部191のレジスタ203−1乃至203−nは、保持されているデータをnビット列保持部74に供給し、nビット列保持部74は、nビットからなるビット列を一時保持する。
【0168】
ステップS127において、スキュー検出および波形等化部191の比較部76は、nビット列保持部74に保持されたビット列と、検出ビット列保存部75に保存されている、ピット列4T−4T−14T−4T−4Tに対応する検出ビット列とを比較する。
【0169】
ステップS128において、スキュー検出および波形等化部191の比較部76は、nビット列保持部74に保持されたビット列と、検出ビット列保存部75に保存されている検出ビット列とが一致したか否かを判断する。ステップS128において、検出ビット列と一致しないと判断された場合、処理は、ステップS121に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0170】
ステップS128において、検出ビット列と一致したと判断された場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給された、第2のレジスタであるレジスタ171−1乃至171−nのうちの所定の2箇所のレジスタ保存値が、差動演算部79に供給されるので、スキュー検出および波形等化部191の差動演算部79は、ステップS129において、第2のレジスタのうちの所定の2箇所のレジスタ保存値を差動演算し、ステップS130において、演算値をタンジェンシャルスキュー検出値αとして出力し、処理は、図17のステップS102に進む。
【0171】
このような処理により、ピットパターンの検出は、第1のレジスタに保持された、イコライズされた後の信号を用いて行われ、タンジェンシャルスキュー検出値αの算出は、第2のレジスタに保持されているイコライズされていないRF信号を基に求められる。そして、タンジェンシャルスキュー検出値αの算出に用いられた第2のレジスタであるレジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータと、タンジェンシャルスキュー検出値αに基づいて、次に説明する波形等化処理2が実行される。
【0172】
図19のフローチャートを参照して、図17のステップS102において実行される、波形等化処理2について説明する。
【0173】
ステップS141においてスキュー検出および波形等化部191の差動演算部125−1は、第1の差動演算を実行し、スキュー検出および波形等化部191の差動演算部125−2は、第2の差動演算を実行する。
【0174】
すなわち、加算部123−1には、図18のステップS125の処理により、レジスタ171−1乃至171−nに保持されている信号のうち、レジスタ171−1の入力信号と、その中央位置よりもレジスタ171−2側であり、レジスタ171−n以外の所定のレジスタ171の出力信号とが供給され、その加算結果が、係数乗算部124−1および差動演算部125−2のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−1では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−1のマイナス入力端子に供給する。
【0175】
また、加算部123−2には、レジスタ171−1乃至171−nに保持されている信号のうち、その中央位置よりもレジスタ171−1側の所定のレジスタ171の出力信号と、最終段のレジスタ171−nの出力信号が供給され、その加算結果が、係数乗算部124−2および差動演算部125−1のプラス入力端子に供給される。係数乗算部124−2では、供給された加算結果に、所定の定数βを乗算し、その結果を、差動演算部125−2のマイナス入力端子に供給する。
【0176】
差動演算部125−1および差動演算部125−2は、それぞれ、供給された値を差動演算し、演算結果をスイッチ127に供給する。
【0177】
ステップS142において、スキュー検出および波形等化部191のコンパレータ126および絶対値演算部128は、タンジェンシャルスキュー検出値αを取得する。
【0178】
ステップS143において、スキュー検出および波形等化部191のコンパレータ126は、ステップS142において取得したタンジェンシャルスキュー検出値αの極性判定を行う。スイッチ127は、コンパレータ126から供給される、タンジェンシャルスキュー検出値αの極性判定結果を基に、第1の差動演算結果と、第2の差動演算結果との、いずれかの値を選択し、係数乗算部130に供給する。
【0179】
ステップS144において、スキュー検出および波形等化部191の絶対値演算部128は、ステップS142において取得したタンジェンシャルスキュー検出値に対して絶対値演算を実行し、演算部129に供給する。
【0180】
ステップS145において、スキュー検出および波形等化部191の演算部129は、制御部151から、係数Rおよび補正値Eを取得する。
【0181】
ここで、係数Rおよび補正値Eの値は、例えば、経験的または実験的に、好適な波形等化処理が実行できるように設定され、制御部151により、スキュー検出および波形等化部191に供給される。
【0182】
ステップS146において、スキュー検出および波形等化部191の演算部129は、ステップS145において取得した係数Rおよび補正値Eと、絶対値演算部128から供給された、タンジェンシャルスキュー検出値αの絶対値|α|の値を基に、上述した式(1)を基に、フィルタ係数K=R(|α|+E)を算出する。スキュー検出および波形等化部191の係数乗算部130は、スイッチ127から供給された、差動演算部125−1または差動演算部125−2の演算結果に、算出されたフィルタ係数Kを乗算して、差動演算部131のマイナス入力端子に供給する。
【0183】
ステップS147において、差動演算部131は、プラス入力端子に供給される、レジスタ171−1乃至171−nに保持されている信号のうち、その中央位置となる信号に対応するレジスタ171の出力値(中央値)と、係数乗算部130から供給される値との差動演算を実行して、イコライザ132に供給する。
【0184】
ステップS148において、スキュー検出および波形等化部191のイコライザ132は、等化波形の信号高域成分をブーストして、波形等化処理後の出力RF信号を生成して出力し、処理が終了される。
【0185】
このような処理により、タンジェンシャルスキュー検出値αの算出に用いられた第2のレジスタであるレジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータと、タンジェンシャルスキュー検出値αに基づいて、波形等化処理が実行される。
【0186】
また、スキュー検出および波形等化部152や、スキュー検出および波形等化部191に代わって、図20のブロック図に示されるように、差動演算部131の後段のイコライザ132を省略させることができるスキュー検出および波形等化部221を用いるようにすることもできる。
【0187】
上述したように、タンジェンシャルスキューの検出に用いられる信号は、イコライズしてはならないが、波形等化のために用いられる信号を、フィルタリング処理前にイコライズすることにより、イコライザ132を省略することができる。
【0188】
スキュー検出および波形等化部221は、パターン検出および波形等化処理に用いられる信号を保持する第1のレジスタと、タンジェンシャルスキュー検出値の演算に用いられる信号を保持する第2のレジスタとの、2つのレジスタを有する。パターン検出および波形等化処理に用いられる信号を保持する第1のレジスタであるレジスタ171−1乃至171−nの前段には、パターン検出精度および波形等化処理の精度を向上させるために、イコライザ232が設けられているが、タンジェンシャルスキューを検出するための信号は、正しくタンジェンシャルスキューを検出するために、イコライズすることはできない。
【0189】
A/D変換部71によってA/D変換された入力RF信号は、2系列に分かれ、一方は、イコライザ232により、高域成分がブーストされて、第1のレジスタを構成するレジスタ171−1乃至171−nに順次供給される。また、A/D変換部71によってA/D変換された入力RF信号のうちの他方は、遅延部231で、イコライザ232によるイコライズ処理にかかる時間だけ遅延され、第2のレジスタを構成するレジスタ233−1乃至233−nに順次供給される。
【0190】
第1のレジスタを構成するレジスタ171−1乃至171−nと、第2のレジスタを構成するレジスタ233−1乃至233−nとは、図示しないクロック発生部から供給される、共通のクロックを受け、動作するので、レジスタ171−1に保持されているmビットのデータと対応する、イコライズされていないデータが、レジスタ233−1に保持され、レジスタ171−2に保持されているmビットのデータと対応する、イコライズされていないデータが、レジスタ233−2に保持され、同様にして、レジスタ171−nに保持されているmビットのデータと対応する、イコライズされていないデータが、レジスタ233−nに保持される。
【0191】
スキュー検出および波形等化部221において、4T−4T−14T−4T−4Tのパターンである再生信号を用いて、タンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、検出に用いられる2箇所のレジスタの出力信号は、レジスタ171−1乃至171−nに、4T−4T−14T−4T−4Tとなるパターンが供給されたときに、レジスタ233−1乃至233−nに保持されているデータのうち、長周期ピットである14Tに含まれ、14Tの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに近い位置であると好適である。したがって、スキュー検出および波形等化部191においては、レジスタ233−11の8ビットの出力信号が、レジスタ77に供給され、レジスタ233−22の8ビットの出力信号が、レジスタ78に供給されるようにすれば良い。
【0192】
なお、スキュー検出および波形等化部221が、他のピットパターンの再生信号を用いてタンジェンシャルスキューを検出するようになされている場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給される信号の位置は、そのピットパターンに応じて異なるものとなることは言うまでもない。
【0193】
MSB抽出部73−1乃至73−nは、レジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータの最上位ビットを抽出し、nビット列保持部74に供給する。nビット列保持部74は、MSB抽出部73−1乃至73−nに保持されているデータの供給を受け、nビットのデータ列を一時保持する。
【0194】
検出ビット列保存部75、比較部76、レジスタ77、レジスタ78、および、差動演算部79は、図6、図15、または、図16を用いて説明した場合と同様の処理を実行して、タンジェンシャルスキュー検出値αを検出して出力する。
【0195】
また、加算部123−1および123−2、係数乗算部124−1および124−2、差動演算部125−1および差動演算部125−2、コンパレータ126、スイッチ127、絶対値演算部128、演算部129、係数乗算部130、並びに、差動演算部131は、図15、または、図16を用いて説明した場合と同様の処理を実行して、波形等化処理後の出力RF信号を生成し、復号処理部6に供給する。
【0196】
このようにして、スキュー検出および波形等化部221においては、ビット列の検出と波形等化処理とを、イコライズされた共通のデータを用いて実行するようにし、タンジェンシャルスキュー検出値の演算は、イコライズされない信号をそのまま利用するようにしたので、タンジェンシャルスキュー検出値αの演算の精度を下げることなく、波形等化処理の最後段のイコライザを省略して、所定のピットパターンを検出する処理や、波形等化処理の精度を向上させるようにすることができる。
【0197】
次に、図21のフローチャートを参照して、スキュー検出および波形等化部221を用いた場合のスキュー補正処理4について説明する。
【0198】
ステップS171において、図22を用いて後述するタンジェンシャルスキュー検出処理3が実行される。
【0199】
ステップS172において、図23を用いて後述する波形等化処理3が実行されて、処理が終了される。
【0200】
次に、図22のフローチャートを参照して、図21のステップS171において実行される、タンジェンシャルスキュー検出処理2について説明する。
【0201】
スキュー検出および波形等化部221のA/D変換部71は、ステップS181において、入力RF信号の供給を受け、ステップS182において、入力RF信号をA/D変換し、イコライザ232および遅延部231の2系列に出力する。
【0202】
ステップS183において、スキュー検出および波形等化部221のイコライザ232は、供給された信号の高域成分をブーストする。また、スキュー検出および波形等化部221の遅延部231は、イコライザ232が信号をイコライズする処理のために必要な時間と同じ時間だけ、供給されたデータを遅延する。
【0203】
ステップS184において、スキュー検出および波形等化部221のイコライザ232は、イコライズされた信号を、第1のレジスタであるレジスタ171−1に供給し、レジスタ171−1乃至171−nは、供給されたデータを順次スライドさせて保存する。
【0204】
ステップS185において、スキュー検出および波形等化部221の遅延部231は、遅延した信号を、第2のレジスタであるレジスタ233−1に供給し、レジスタ233−1乃至233−nは、供給されたデータを順次スライドさせて保存する。
【0205】
ステップS186において、スキュー検出および波形等化部221のMSB抽出部73−1乃至73−nは第1のレジスタである、レジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータのうちの最上位ビットを抽出してnビット列保持部74に供給し、nビット列保持部74は、nビットからなるビット列を一時保持する。
【0206】
ステップS187において、スキュー検出および波形等化部221の比較部76は、nビット列保持部74に保持されたビット列と、検出ビット列保存部75に保存されている、ピット列4T−4T−14T−4T−4Tに対応する検出ビット列とを比較する。
【0207】
ステップS188において、スキュー検出および波形等化部221の比較部76は、nビット列保持部74に保持されたビット列と、検出ビット列保存部75に保存されている検出ビット列とが一致したか否かを判断する。ステップS188において、検出ビット列と一致しないと判断された場合、処理は、ステップS181に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0208】
ステップS188において、検出ビット列と一致したと判断された場合、レジスタ77およびレジスタ78に供給された、第2のレジスタであるレジスタ231−1乃至231−nのうちの所定の2箇所のレジスタ保存値が、差動演算部79に供給されるので、スキュー検出および波形等化部221の差動演算部79は、ステップS189において、第2のレジスタのうちの所定の2箇所のレジスタ保存値を差動演算し、ステップS130において、演算値をタンジェンシャルスキュー検出値αとして出力し、処理は、図21のステップS172に進む。
【0209】
このような処理により、タンジェンシャルスキュー検出のためのピットパターン検出処理と波形等化処理とを、イコライズされた信号を保持する同一のシフトレジスタを用いて実行するスキュー検出および波形等化部221において、ピットパターンが精度よく検出されるとともに、タンジェンシャルスキュー検出値αは、イコライズされていないRF信号を基に求められる。そして、ピットパターンの検出に用いられたイコライズされた信号を保持しているレジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータと、タンジェンシャルスキュー検出値αに基づいて、次に説明する波形等化処理3が実行される。
【0210】
図23のフローチャートを参照して、図21のステップS172において実行される波形等化処理3について説明する。
【0211】
ステップS201乃至ステップS207において、図19のステップS141乃至ステップS147と同様の処理が実行されて、処理が終了される。この処理に用いられるレジスタ171−1乃至171−nに保持されているデータは、イコライザ232によって、すでに、高域成分がブーストされているので、差動演算部131の演算結果を、更にイコライズする必要はない。
【0212】
したがって、図20のスキュー検出および波形等化部221においては、図15を用いて説明した、スキュー検出および波形等化部152、または、図16を用いて説明した、スキュー検出および波形等化部191において、最終段に設けられているイコライザ132を省略することができる。
【0213】
また、以上説明した波形等化処理は、図1を用いて説明した従来の光ディスク再生装置において用いられたスキューセンサ19により検出されたタンジェンシャルスキュー検出値αを用いて実行することも可能である。
【0214】
図24に、本発明の第4の実施の形態として、スキューセンサ19および波形等化部102を備える光ディスク再生装置の構成を示す。
【0215】
なお、従来の場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0216】
すなわち、図24の光ディスク再生装置は、イコライザ5に代わって、図9における波形等化部102が設けられ、ピックアップ制御部7に代わって、ピックアップ制御部103が設けられ、新たに、制御部251、および、ドライブ54が設けられている他は、図1を用いて説明した光ディスク再生装置と、同様の構成を有するものである。波形等化部102は、RFアンプ3から供給された入力RF信号を、スキューセンサ19により供給されたタンジェンシャルスキュー検出値αを用いて、波形等化処理を実行する。
【0217】
図25のフローチャートを参照して、図24の光ディスク再生装置が実行するスキュー補正処理5について説明する。
【0218】
ステップS231において、スキューセンサ19は、タンジェンシャルスキューを検出し、タンジェンシャルスキュー検出値αを、波形等化部102に供給する。
【0219】
ステップS232において、図12および図13を用いて説明した波形等化処理1が実行されて、処理が終了される。
【0220】
このようにすることにより、従来の、スキューセンサ19を備えた光学ピックアップ部2を用いた光ディスク再生装置においても、光学ピックアップ部2を傾けることなく、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正することができる。
【0221】
また、スキュー検出および波形等化部152、スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221は、2種類の波長の異なる光ディスクを再生することが可能な光ディスク再生装置に用いると好適である。
【0222】
図26に、本発明の第5の実施の形態として、2種類の波長の異なる光ディスクを再生することが可能な光ディスク再生装置の構成を示す。
【0223】
例えば、図26の光ディスク再生装置は、DVD(Digital Versatile Disc)301とCD(Compact Disc)302との、異なる2波長の光ディスクを再生することが可能なようになされている。ここで、図26、および、後述する図27においては、光学ピックアップ部311が、内部に保有する2つの光学系(図27を用いて後述する)を用いて、DVD301とCD302とに記録されている信号をそれぞれ再生することができることを示すために、DVD301とCD302とを並べて図示しているが、DVD301とCD302とは、一度に再生されるのではなく、いずれか一方に記録されている信号が再生されるものであり、それぞれ異なる位置に装着されて、異なる駆動系により駆動されるのではなく、同一の駆動系により駆動されるようにしても良い。
【0224】
光学ピックアップ部311には、ラジアルスキューセンサ312が設けられている。
【0225】
DVD301とCD302のラジアルスキューの補正は、共通の補正機構(ここでは、ラジアルスキューサーボ制御部315および駆動部316)により精度よく行うことが可能である。
【0226】
図26に示される光ディスク再生装置においては、光ディスク再生装置に光学ピックアップ部311が取り付られる際に、タンジェンシャル方向の傾き調整が行われる。このとき、DVD対物レンズ333(図27)とCD対物レンズ337(図27)との光学収差や、DVD対物レンズ333とCD対物レンズ337との取り付け誤差(いずれか一方が、製造時に傾いて取り付けられてしまうなど)が原因となり、DVD301とCD302に対して最良となる光ピックアップの傾き角は等しくならない場合がある。したがって、光学ピックアップ部311を取り付けるときには、再生レーザ波長が短いため誤差マージンが少ないDVD301に対して、タンジェンシャルスキューが発生しないように、傾き調整が行われ、この調整後に、光学ピックアップ部311のタンジェンシャル方向の傾きは、ネジ止めされるか、もしくは、接着されるかなどの手段によって、固定される。
【0227】
したがって、CD302の再生時には、タンジェンシャルスキューの発生により再生信号が劣化してしまう恐れがあるため、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)が用いられて、再生信号が補正されるようにすれば、コリメータレンズ14−2の並進、あるいは、光学ピックアップ部311の角度の変更(回転)を行うための駆動機構を用いることなく、タンジェンシャルスキューを補正することができる。
【0228】
制御部325は、図示しない操作入力部から入力されるユーザの操作入力、または、光学ピックアップ部311により再生されるDVD301またはCD302のTOC部分に記載されている情報を参照するなどして、光学ピックアップ部311において再生されているディスクの種類を判別し、センサ値補正制御部313に、ディスク種類判別信号を供給するとともに、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)に、処理に必要な係数Rおよび補正値Eを供給する。
【0229】
ラジアルスキューセンサ312は、DVD301とCD302とのいずれが再生されている場合であっても、装着されているDVD301またはCD302の両方のラジアル方向のスキューを検出し、検出値をセンサ値補正制御部313に供給する。センサ補正値保存部314には、ラジアルスキューセンサ312から供給される検出値を、再生されているディスクの種類(DVD301またはCD302)に対応して補正するための補正値が保存されている。センサ値補正制御部313は、制御部325から、ディスク種類判別信号の供給を受け、現在信号が再生されているディスクは、DVD301であるかCD302であるかに基づいて、対応するセンサ補正値をセンサ補正値保存部314から読み出す。
【0230】
そして、センサ値補正制御部313は、ラジアルスキューセンサ312から供給される検出値を、センサ補正値保存部314から読み出したセンサ補正値を用いて、DVD301またはCD302に対応する検出値に補正して、ラジアルスキューサーボ制御部315に出力する。
【0231】
ラジアルスキューサーボ制御部315は、センサ値補正制御部313から供給された補正後の検出値を基に、駆動部316を制御して、光学ピックアップ部311のラジアル方向の傾き角を調整する。
【0232】
光学ピックアップ部311の内部構成について、図27を用いて説明する。
【0233】
ラジアルスキューセンサ312は、装着されたDVD301またはCD302のラジアル方向のスキューを検出する。
【0234】
光学ピックアップ部311は、DVD301に記録された信号を再生する光学系と、CD302に記録された信号を再生する光学系とを備えている。まず、DVD301に記録された信号の再生系について説明する。
【0235】
レーザダイオード331から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ13に入射して、コリメータレンズ14−1およびミラー332を介して、DVD対物レンズ333により、DVD301の記録面に集光される。DVD301による反射光は、DVD対物レンズ333、ミラー332、コリメータレンズ14−1、およびビームスプリッタ13を介して、光検出部(Photo Detector)334に入射する。
【0236】
光検出部334は、入射された光を電気信号に変換し、所要の処理を施すことで、例えば、再生データとしてのRF信号、並びに、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を生成し、RF信号をRFアンプ3−2に供給し、フォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を、図示しないサーボマトリクスアンプに供給する。
【0237】
次に、CD302に記録された信号の再生系について説明する。
【0238】
CD用ホログラム集積素子335は、半導体レーザ、結合プリズム、ビームスプリッタ、グレーティング、検出レンズ、フォトICといった、対物レンズ系以外の光学素子を集積した素子である。
【0239】
CD用ホログラム集積素子335から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ14−2およびミラー336を介して、CD対物レンズ337により、CD302の記録面に集光される。CD302による反射光は、CD対物レンズ337、ミラー336、およびコリメータレンズ14−2を介して、CD用ホログラム集積素子335に入射する。
【0240】
CD用ホログラム集積素子335は、入射された光を電気信号に変換し、所要の処理を施すことで、例えば、再生データとしてのRF信号、並びに、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を生成し、RF信号をRFアンプ3−1に供給し、フォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を、図示しないサーボマトリクスアンプに供給する。
【0241】
図26の説明に戻る。
【0242】
光学ピックアップ部311の光検出部334から供給された、DVD301から読み出されたRF信号は、光学ピックアップ部311の傾きの調整により、タンジェンシャルスキューまたはラジアルスキューによる信号の歪が生じていない状態であるので、RFアンプ3−2で増幅され、DVDイコライザ321においてイコライジングされ、DVD信号復号部322によって復号されて出力される。
【0243】
一方、光学ピックアップ部311のCD用ホログラム集積素子335から供給された、CD302から読み出されたRF信号は、光学ピックアップ部311の傾きの調整により、ラジアルスキューによる信号の歪は生じていないが、タンジェンシャルスキューにより信号波形が歪んでいる可能性がある。したがって、CD用ホログラム集積素子335から供給されたRF信号は、RFアンプ3−1で増幅されたのち、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)に供給されて、タンジェンシャルスキューの検出および波形等化が行われたのち、CD信号復号部320に供給されて、復号される。
【0244】
なお、図26および図27を用いて説明した光ディスク再生装置においては、レーザ光の波長が短いものの方が、正しく信号を再生するための誤差マージンが少ないため、DVD301のタンジェンシャルスキューをより高精度に調整可能なように、製造時にメカニカルに調整するようにし、CD302のタンジェンシャルスキューの検出および補正は、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)を用いて実行するものとして説明したが、図28に示されるように、DVD301の再生信号(DVDイコライザ321から出力される信号)に対しても、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)を用いて、補助的にタンジェンシャルスキューの検出および補正を行うようにしても良いことは言うまでもない。
【0245】
メカニカルにタンジェンシャルスキューが補正されていることに加えて、補助的に、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正することにより、例えば、回転中のディスクのばたつきによるタンジェンシャルスキューの変動や、ラジアルスキュー機構が動作している時のがたなどで生じるタンジェンシャルスキューのずれを補正することが可能となる。
【0246】
すなわち、DVD301に対して施されるメカニカルなタンジェンシャルスキュー調整は、調整後固定されてしまう、静的な調整である。したがって、上述した、回転中のディスクのばたつきによるスキューの変動や、ラジアルスキュー機構が動作している時のがたなどで生じる、変動を伴うスキュー変動に対しては、充分な補正ができない場合が発生する。このような変動を伴うスキュー変動に対して、波形等化によるスキュー補正により、再生信号を補正すると好適である。したがって、メカニカルにタンジェンシャルスキューが補正されていることに加えて、補助的に、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正することにより、補助的な波形等化処理を用いない場合と比較して、再生特性が向上する。
【0247】
また、図26、図27、および図28を用いて説明した光ディスク再生装置においては、光学ピックアップ部311が、DVD301に記録されている信号を再生することができる機構と、CD302に記録されている信号を再生することができる機構とをそれぞれ備えるものとして説明したが、スキュー検出および波形等化部152、スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221は、2種類の波長の異なる光ディスクを、共通の機構を用いて再生することが可能な光ディスク再生装置に用いることも可能である。
【0248】
図29に、本発明の第6の実施の形態として、共通の光学系機構を用いて、2種類の波長の異なる光ディスクを再生することが可能な光ディスク再生装置のブロック図を示す。なお、図26における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0249】
図29の光ディスク再生装置も、図26を用いて説明した場合と同様に、例えば、DVD301とCD302のように、異なる複数の波長の光ディスクを再生することが可能なようになされている。図29および図30においては、光学ピックアップ部361が再生するDVD301またはCD302を、光ディスク351と称するものとする。
【0250】
光学ピックアップ部361には、ラジアルスキューセンサ312が設けられている。
【0251】
光ディスク351がDVD301であった場合においても、CD302であった場合においても、ラジアルスキューの補正は、共通の補正機構により精度よく行うことが可能である。タンジェンシャルスキューの補正については、レーザ光の波長が短いものの方が、正しく信号を再生するための誤差マージンが少ないため、レーザ光の波長が短いDVD301の再生時にタンジェンシャルスキューが発生しないように、光学ピックアップ部361のタンジェンシャル方向の取り付け角度が、製造時にメカニカルに調整されている。そして、CD302のタンジェンシャルスキューの検出および補正は、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)を用いて実行されるようになされている。
【0252】
制御部365は、図示しない操作入力部から入力されるユーザの操作入力、または、光学ピックアップ部361により再生された光ディスク351のTOC部分に記録されている情報を参照するなどして、光学ピックアップ部361において再生されているディスクの種類を判別して、センサ値補正制御部313、および、スイッチ362に、ディスク種類判別信号を供給するとともに、スキュー検出および波形等化部152に、処理に必要な係数Rおよび補正値Eを供給する。
【0253】
ラジアルスキューセンサ312は、光ディスク351のラジアル方向のスキューを検出し、検出値をセンサ値補正制御部313に供給する。センサ値補正制御部313は、制御部365から、ディスク種類判別信号の供給を受け、現在信号を再生している光ディスク351に対応するセンサ補正値をセンサ補正値保存部314から読み出して、ラジアルスキューセンサ312から供給される検出値を、光ディスク351に対応する検出値に補正して、ラジアルスキューサーボ制御部315に出力する。
【0254】
ラジアルスキューサーボ制御部315は、センサ値補正制御部313から供給された補正後の検出値を基に、駆動部316を制御して、光学ピックアップ部361の傾き角を調整する。
【0255】
光学ピックアップ部361の内部構成について、図30を用いて説明する。
【0256】
DVD・CD用ホログラム集積素子381は、従来の2波長対応光ピックアップに必要な、2つの半導体レーザ、結合プリズム、ビームスプリッタ、3ビームグレーティング、検出レンズ、フォトICといった対物レンズ系以外の光学素子を集積した素子である。
【0257】
DVD・CD用ホログラム集積素子381から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ14およびミラー336を介して、対物レンズ382により、光ディスク351の記録面に集光される。光ディスク351による反射光は、対物レンズ382、ミラー336、および、コリメータレンズ14を介して、DVD・CD用ホログラム集積素子381に入射する。
【0258】
DVD・CD用ホログラム集積素子381は、入射された光を電気信号に変換し、所要の処理を施すことで、例えば、再生データとしてのRF信号、並びに、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を生成し、RF信号をスイッチ362に供給し、フォーカスエラー信号、および、トラッキングエラー信号を、図示しないサーボマトリクスアンプに供給する。
【0259】
図29の説明に戻る。
【0260】
光学ピックアップ部361のDVD・CD用ホログラム集積素子381から供給され、スイッチ362に供給された、光ディスク351から読み出されたRF信号は、光学ピックアップ部361の傾きの調整により、ラジアルスキューによる信号の歪が生じていない状態であり、光ディスク351がDVD301である場合は、タンジェンシャルスキューによる信号の歪も発生していない。
【0261】
制御部365は、スイッチ362に、ディスク種類判別信号を出力する。再生されている光ディスク351がDVD301である場合、スイッチ361は、供給されたRF信号を、RFアンプ3−2に供給する。RFアンプ3−2で増幅された信号は、DVDイコライザ321においてイコライジングされ、DVD信号復号部322によって復号されて出力される。
【0262】
一方、再生されている光ディスク351がCD302である場合、スイッチ361は、供給されたRF信号を、RFアンプ3−1に供給する。RFアンプ3−1で増幅された信号は、光学ピックアップ部361の傾きの調整により、ラジアルスキューによる信号の歪は生じていないが、タンジェンシャルスキューにより信号波形が歪んでいる可能性がある。したがって、RFアンプ3−1で増幅されたRF信号は、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)に供給されて、タンジェンシャルスキューの検出および波形等化が行われたのち、CD信号復号部320に供給されて、復号される。
【0263】
従来、2種類の異なるディスクを再生することが可能な光ディスク再生装置において、製造時に光学ピックアップ部の角度を予め調整しておくことにより、両方のディスクのタンジェンシャルスキュー補正を精度よく行うことは、それぞれのディスクを再生するためのレーザ光の波長に差があることなどのため、困難であった。しかしながら、いずれか一方のディスクに対しては、製造時にタンジェンシャルスキューが発生しないように光学ピックアップ部の取り付け角度を予め調整して固定しておき、他方の光ディスクに対しては、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正するようにすることにより、2種類の異なるディスクを再生することが可能な光ディスク再生装置において、それぞれのディスクを再生するためのレーザ光の波長の差によらず、コリメータレンズの並進、あるいは、光学ピックアップ部の角度の変更(回転)を行うための駆動機構を用いることなく、精度よくタンジェンシャルスキューを補正することができる。
【0264】
なお、図29および図30を用いて説明した光ディスク再生装置においては、一方の光ディスク(特に、両者を比較して、再生に用いられるレーザ光の波長の短い方の光ディスクであると好適である)に対して、製造時に、光学ピックアップ部の角度を調整し、他方の光ディスクに対して、波形等化を施すことにより、タンジェンシャルスキュー補正を行うものとして説明したが、製造時に、一方の光ディスクに対するタンジェンシャル方向の傾きが調整されていた場合においても、図31に示されるように、光ディスク再生装置において再生可能な光ディスクの両方に対して、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正するようにするようにしても良いことは言うまでもない。
【0265】
すなわち、複数の光ディスクのうち、再生に用いられるレーザ光の波長の短い光ディスク(ここでは、DVD301)の再生信号(DVDイコライザ321から出力される信号)に対しても、スキュー検出および波形等化部152(スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221)を用いて、補助的にタンジェンシャルスキューの検出および補正が行われるようにしても良い。
【0266】
再生に用いられるレーザ光の波長の短い光ディスクに対して、メカニカルにタンジェンシャルスキューが補正されていることに加えて、補助的に、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪が補正されることにより、例えば、回転中のディスクのばたつきによるタンジェンシャルスキューの変動や、ラジアルスキュー機構が動作している時のがたなどで生じるタンジェンシャルスキューのずれを補正することが可能となる。波形等化処理によって、補助的に、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正することにより、補助的な波形等化処理を用いない場合と比較して、再生特性が向上する。
【0267】
更に、光ディスク再生装置において再生可能な光ディスクの種類は3つ以上であってもかまわなく、そのうち、複数の光ディスクに対して、波形等化処理によって、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪を補正するようにするようにしても良い。
【0268】
すなわち、再生可能な光ディスクの種類の数にかかわらず、レーザ光の波長が短い光ディスクに対して、タンジェンシャル方向の取り付け角度が調整されるので、複数の光ディスクのうち、少なくとも、レーザ光の波長が最も長い光ディスクに関しては、波形等化処理により、タンジェンシャルスキューにより発生した波形の歪が補正される。
【0269】
なお、以上においては、情報が記録された光ディスクから、情報を再生する光ディスク再生装置について説明したが、本発明は、光ディスクから情報を再生するのみならず、光ディスクに情報を記録することが可能な、光ディスク記録再生装置においても、適用可能であることは、言うまでもない。
【0270】
ここでは、図5および図9を用いて説明したタンジェンシャルスキュー検出部52、図9および図24を用いて説明した波形等化部102、または、図14、図26、図28、図29、および図31を用いて説明したスキュー検出および波形等化部152、スキュー検出および波形等化部191、または、スキュー検出および波形等化部221が、光ディスク再生装置の内部に備えられている場合について説明したが、これらは、光ディスク再生装置から独立させて、1つの装置として構成するようにしても良い。
【0271】
上述した一連の処理は、ソフトウェアにより実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0272】
この記録媒体は、図5、図9、または、図14に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク61(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク62(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク63(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ64などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。
【0273】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0274】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、光ディスクに記録された情報を再生することができる。特に、複数の信号長の組合せによる所定の信号パターンである場合の再生信号が抽出され、抽出された2つの特定位置の再生信号の差が演算されて、演算された2つの特定位置の再生信号の差を用いて光ディスクの傾きを検出することができる。
【0275】
また、他の本発明によれば、光ディスクの傾きを検出することができる他、特に、複数の信号長の組合せによる所定の信号パターンである場合の再生信号から抽出された2つの特定位置の再生信号の差が演算されて、演算された2つの特定位置の再生信号の差光ディスクの傾きを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】スポットと一次回折リングについて説明するための図である。
【図3】スポットと一次回折リングについて説明するための図である。
【図4】タンジェンシャルスキューによる信号波形の歪について説明するための図である。
【図5】本発明を適用した光ディスク再生装置の第1の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図6】図5のタンジェンシャルスキュー検出部の構成を示すブロック図である。
【図7】スキュー補正処理1について説明するためのフローチャートである。
【図8】タンジェンシャルスキュー検出処理1について説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明を適用した光ディスク再生装置の第2の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図10】図9の波形等化部の構成を示すブロック図である。
【図11】スキュー補正処理2について説明するためのフローチャートである。
【図12】波形等化処理1について説明するためのフローチャートである。
【図13】波形等化処理1について説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明を適用した光ディスク再生装置の第3の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図15】図14のスキュー検出および波形等化部の構成を示すブロック図である。
【図16】スキュー検出および波形等化部の、図15とは異なる構成を示すブロック図である。
【図17】図16のスキュー検出および波形等化部を有する場合のスキュー補正処理3について説明するためのフローチャートである。
【図18】タンジェンシャルスキュー検出処理2について説明するためのフローチャートである。
【図19】波形等化処理2について説明するためのフローチャートである。
【図20】スキュー検出および波形等化部の、図15または図16とは異なる構成を示すブロック図である。
【図21】図20のスキュー検出および波形等化部を有する場合のスキュー補正処理4について説明するためのフローチャートである。
【図22】タンジェンシャルスキュー検出処理3について説明するためのフローチャートである。
【図23】波形等化処理3について説明するためのフローチャートである。
【図24】本発明を適用した光ディスク再生装置の第4の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図25】図4の光ディスク再生装置が実行するスキュー補正処理5について説明するためのフローチャートである。
【図26】本発明を適用した光ディスク再生装置の第5の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図27】図26の光学ピックアップ部の構成を示すブロック図である。
【図28】図26の光ディスク再生装置を応用した構成を示すブロック図である。
【図29】本発明を適用した光ディスク再生装置の第6の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図30】図29の光学ピックアップ部の構成を示すブロック図である。
【図31】図29の光ディスク再生装置を応用した構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク, 19 スキューセンサ, 51 光学ピックアップ部, 52 タンジェンシャルスキュー検出部, 53 制御部, 71 A/D変換部, 72 レジスタ, 73 MSB抽出部, 74 nビット列保持部, 75 検出ビット列保持部, 76 比較部, 77,78 レジスタ, 79差動演算部, 101 制御部, 102 波形等化部, 121 A/D変換部, 122 レジスタ, 123 加算部, 124 係数乗算部, 125 差動演算部, 127 スイッチ, 130 係数乗算部, 131 差動演算部, 132 イコライザ, 103 ピックアップ制御部, 151 制御部, 152 スキュー検出および波形等化部, 171 レジスタ, 191 スキュー検出および波形等化部, 201 イコライザ, 202 MSB抽出部, 203 レジスタ, 204 遅延部, 221 スキュー検出および波形等化部, 231 遅延部, 232 イコライザ, 233 レジスタ, 301 DVD, 302 CD, 311 光学ピックアップ部, 325 制御部, 361 光学ピックアップ部, 362 スイッチ, 365 制御部

Claims (12)

  1. 装着された光ディスクに記録された情報を再生可能な光ディスク再生装置において、
    前記光ディスクに記録された信号を再生する再生手段と、
    前記再生手段により再生された再生信号を用いて、前記再生手段に対する前記光ディスクの傾きを検出し、前記光ディスクの傾きを示す値を出力する第1の検出手段と
    を備え、
    前記第1の検出手段は、
    前記光ディスクに記録されている第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する第2の検出手段と、
    前記第2の検出手段より、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンであることが検出された場合、前記第1の信号パターンのうち、前記所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の前記再生信号を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された2つの前記特定位置の前記再生信号の差を演算する演算手段と
    を備え、
    前記演算手段により演算される2つの前記特定位置の前記再生信号の差を用いて、前記再生手段に対する前記光ディスクの傾きを検出する
    ことを特徴とする光ディスク再生装置。
  2. 第1の検出手段により検出された前記光ディスクの傾きを示す値を基に、前記再生手段により再生された前記再生信号を波形等化する波形等化手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
  3. 1チャネルクロック周期をTとして、前記光ディスクに記録されている信号のうち最も長い信号をmTとし、前記再生手段による前記光ディスクの再生に用いられるレーザ光の光スポット径の1/2以上の長さである信号をnTとした場合、前記第2の信号パターンは、nT−nT−mT−nT−nTで示される信号パターンである
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
  4. 前記第1の検出手段は、
    前記第2の信号パターンに対応する第1のビット列を記憶する記憶手段と、
    前記再生手段により再生された再生信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段によりデジタル信号に変換された前記再生信号を所定のビット数だけ保持する第1の保持手段と、
    前記第1の保持手段により保持された前記再生信号の最上位ビットを抽出する第2の抽出手段と、
    前記第2の抽出手段により抽出された前記最上位ビットからなる所定のビット数の第2のビット列を保持する第2の保持手段と
    を更に備え、
    前記第2の検出手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第1のビット列と、前記第2の保持手段に保持されている前記第2のビット列とを比較することにより、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンと等しいことを検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
  5. 前記第1の検出手段により検出された前記光ディスクの傾きを示す値を基に、前記再生手段により再生された前記再生信号を波形等化する波形等化手段
    を更に備え、
    前記波形等化手段は、前記第1の保持手段により保持された前記再生信号を用いて前記再生信号を波形等化する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク再生装置。
  6. 前記第1の検出手段は、
    前記変換手段によりデジタル信号に変換された前記再生信号の高域成分を増幅する増幅手段
    を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク再生装置。
  7. 前記第1の検出手段は、
    前記第2の信号パターンに対応する第1のビット列を記憶する記憶手段と、
    前記再生手段により再生された再生信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段によりデジタル信号に変換された前記再生信号の高域成分を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段により高域成分が増幅された前記再生信号の最上位ビットを抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記最上位ビットを所定のビット数だけ保持する第1の保持手段と、
    前記第1の保持手段により保持された所定のビット数の前記最上位ビットからなる第2のビット列を保持する第2の保持手段と
    を更に備え、
    前記第2の検出手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第1のビット列と、前記第2の保持手段に保持されている前記第2のビット列とを比較することにより、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンと等しいことを検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
  8. 装着された光ディスクに記録された情報を再生可能な光ディスク再生装置の光ディスク再生方法において、
    前記光ディスクの再生信号を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップの処理により取得された前記再生信号の第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する第1の検出ステップと、
    前記第1の検出ステップの処理により、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンであることが検出された場合、前記第1の信号パターンのうち、前記所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の前記再生信号を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップの処理により抽出された2つの前記特定位置の前記再生信号の差を演算する演算ステップと
    前記演算ステップの処理により得られた2つの前記特定位置の前記再生信号の差を用いて、前記光ディスクの傾きを検出する検出ステップと
    を含むことを特徴とする光ディスク再生方法。
  9. 光ディスク再生装置に装着された光ディスクのスキューを検出するスキュー検出装置において、
    前記光ディスクの再生信号を取得して、前記光ディスクに記録されている第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する検出手段と、
    前記検出手段より、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンであることが検出された場合、前記第1の信号パターンのうち、前記所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の前記再生信号を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された2つの前記特定位置の前記再生信号の差を演算する演算手段と
    を備えることを特徴とするスキュー検出装置。
  10. 1チャネルクロック周期をTとして、前記再生信号のうち、最も長い信号をmTとし、前記再生信号を得るために用いられるレーザ光の光スポット径の1/2以上の長さである信号をnTとした場合、前記第2の信号パターンは、nT−nT−mT−nT−nTで示される信号パターンである
    ことを特徴とする請求項9に記載のスキュー検出装置。
  11. 前記第2の信号パターンに対応する第1のビット列を記憶する記憶手段と、
    前記再生手段により再生された再生信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段によりデジタル信号に変換された前記再生信号を所定のビット数だけ保持する第1の保持手段と、
    前記第1の保持手段により保持された前記再生信号の最上位ビットを抽出する第2の抽出手段と、
    前記第2の抽出手段により抽出された前記最上位ビットからなる所定のビット数の第2のビット列を保持する第2の保持手段と
    を更に備え、
    前記検出手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第1のビット列と、前記第2の保持手段に保持されている前記第2のビット列とを比較することにより、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンと等しいことを検出する
    ことを特徴とする請求項9に記載のスキュー検出装置。
  12. 光ディスク再生装置に装着された光ディスクのスキューを検出するスキュー検出装置のスキュー検出方法において、
    前記光ディスクの再生信号を取得して、前記光ディスクに記録されている第1の信号パターンが、所定の長さの信号を含む複数の信号長の組合せによる第2の信号パターンであることを検出する第1の検出ステップと、
    前記検出ステップの処理により、前記第1の信号パターンが、前記第2の信号パターンであることが検出された場合、前記第1の信号パターンのうち、前記所定の長さの信号に対応する部分に含まれる2つの特定位置の前記再生信号を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップの処理により抽出された2つの前記特定位置の前記再生信号の差を演算する演算ステップと、
    前記演算ステップの処理により得られた2つの前記特定位置の前記再生信号の差を用いて、前記光ディスクの傾きを検出する検出ステップと
    を含むことを特徴とするスキュー検出方法。
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