JP4045163B2 - マイナスイオン発生装置及び空気清浄装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生装置及びマイナスイオン発生装置を備えた空気清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、使用者に清涼感を与えることや、空間に存在する微生物の繁殖の防止、空間内の空気清浄のために、マイナス(負)イオンを発生させるマイナスイオン発生装置が提案されている。
このマイナスイオン発生装置には、主として2つの方式がある。一つは、コロナ放電方式と呼ばれる方式であり、例えば、特許文献1に開示されている。このコロナ放電方式では、空気流路中に高電圧が印加された放電電極と接地電極とが互いに近接されて設けられている。そして、放電電極と接地電極との間に生じたコロナ放電によって、空間の酸素分子等に電子が付着し、マイナスイオンが発生する。この方式によれば、ある程度安定したマイナスイオン発生量が得られる。しかし、コロナ放電によりオゾンが発生してしまう恐れがあるので、安定性を考慮してオゾンがほとんど発生しないような条件(電圧、電極間距離)に設定しておく必要があるが、そのような条件では十分なマイナスイオン量が得られないことがある。
【0003】
もう一つは、電子放射式と呼ばれる方式であり、例えば、特許文献2に開示されている。この電子放射式では、空気流路中には放電電極のみが設けられている。かかる放電電極には負極性の高電圧が印加されている。一方、大気中に分散・浮遊している塵埃や水分子等は大地とほぼ等しい電位(すなわち接地電位)もしくは正の電位を持つので、放電電極から塵埃等へ向けて電子が放出される。この電子が大気中の酸素分子等に付着することにより、マイナスイオンが発生する。この方式によれば、オゾン発生の心配は少ない。しかし、気流の乱れ・湿度変化・塵等の存在等の影響を受けてマイナスイオン発生量が安定しないという欠点がある。また、十分な発生量が得られるとも言えない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−342192号公報
【特許文献2】
特開平9−232068号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のマイナスイオン発生装置では、オゾンの発生を抑制しつつ安定してマイナスイオンの発生量を確保することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、オゾンの発生を抑制しつつ安定してマイナスイオンの発生量を確保することができるマイナスイオン発生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるマイナスイオン発生装置は、周囲環境(大地、大気)に対して負の電位を有するマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生手段と、周囲環境(大気、大地)に対して負の電位をとることが可能なマイナスイオン放出体とを備え、このマイナスイオン放出体が前記マイナスイオン発生手段の近傍に設置されているものである。マイナスイオンとマイナスイオン放出体とが同じ負極性をとるため、両者の間に反発方向のクーロン力が発生し、このクーロン力によってマイナスイオンがマイナスイオン発生手段から離れる方向に加速される。その結果、マイナスイオン発生装置から外部へと放出されるマイナスイオンの量をより多く確保することができる。
【0008】
ここで、気流をマイナスイオン発生装置の内部へと導いてマイナスイオンを外部へと放出させようとする場合、上記のクーロン力によるマイナスイオンの加速方向と気流の方向とを一致させると効率が良い。そのため、マイナスイオン放出体はマイナスイオン発生手段よりも風上に設置され得るものとすることが望ましい。
【0009】
また、マイナスイオン発生手段として前述のコロナ放電方式または電子放射式の構成をとる場合、マイナスイオン放出体の電位を放電電極の電位よりも高くして、放電電極とマイナスイオン放出体との間に電場を形成することが望ましい。これにより、マイナスイオンが電場に沿ってマイナスイオン放出体に一旦接近し、マイナスイオン放出体の表面近傍で上述の通り加速されるので、マイナスイオン発生装置から外部へと放出されるマイナスイオンの量をより多く確保することができる。
【0010】
また、マイナスイオン放出体は、放電電極が形成する電場中に置かれて帯電することにより負の電位をとるものであることが好ましい。絶縁状態にあるマイナスイオン放出体は電場の影響を受けて分極し、放電電極から放出される電子を引き付け、自然に負極性に帯電してある電位に安定する。したがって、マイナスイオン放出体の電位を安定させるための手段を別途に講じる必要が無い。
さらに、マイナスイオン発生手段とマイナスイオン放出体との相対的な位置を変更可能な相対位置可変手段を備えることが好ましい。このような構成により、電界発生手段に加える電圧を調整することなく、オゾンが発生しないように調整したり、マイナスイオン発生量を調節したりすることができる。
【0011】
また、マイナスイオン放出体を、特定の気体成分を除去する気体成分除去体と兼用するとよい。このような構成により、マイナスイオン放出体の他に気体成分除去体を設ける必要がなくなるため、装置を小型化でき、また、気流に対する障害物を減らすことができる。
【0012】
他方、本発明にかかる空気清浄装置は、上述のマイナスイオン発生装置と、集塵手段と、気流発生手段とを備えるものである。特に、マイナスイオン放出体に、空気中に含まれる特定の成分を除去するための除去手段を兼用させた空気清浄装置とすれば、装置を小型化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
複数の発明の実施の形態を用いて、本発明を説明する。
【0014】
発明の実施の形態1.
まず、図1を用いて、本実施の形態1にかかるマイナスイオン発生装置を有する空気清浄装置の構成について説明する。この空気清浄装置は、マイナスイオン放出体1、放電電極2、接地電極3、電源4、気流発生手段5、二段式電気集塵装置6、筐体7、絶縁体8を備えている。なお、21は空気の流路、22は流入口、23は流出口、24はマイナスイオン発生装置の上流部、25はマイナスイオン発生装置の下流部であり、これらが空気清浄装置内の空気の流れを示している。
【0015】
マイナスイオン放出体1は、本発明において特徴的な構成である。このマイナスイオン放出体1は、所定の表面積を有し、導電体・半導体・絶縁体のいずれの材質から成るものであっても良く、電界中に置かれることで帯電するものである。ただし、マイナスイオン放出体1が導電体又は半導体から成る場合、マイナスイオン放出体1は、周囲から絶縁されて電位が浮いたものであり、この実施の形態1においては、放電電極2、接地電極3及び筐体7のいずれに対しても導電状態にないように構成される。但し、マイナスイオン放出体1は、完全に他の構成によって電圧が印加されていないことを意味するものではなく、後述する実施の形態のように外部から電圧(電位)が与えられてもよい。図1に示す例では、マイナスイオン放出体1は、電位を浮いたものとするために、絶縁体8を介して筐体7に保持されている。マイナスイオン放出体1は、放電電極2及び接地電極3よりも空気流路上の上流に配置されており、帯電することで生じたマイナスイオンが気流によって放出される。
【0016】
マイナスイオン放出体1の構成例を図2に示す。好適な実施例では、マイナスイオン放出体1は、紙、セラミック又は金属、アルミ等により構成され、この紙面内に長方形形状を有し、かつ紙面垂直方向に所定の厚さを有するハニカム構造体である。このハニカム構造の基体表面の一部あるいは全体に酸化チタン等の触媒材料が塗布されている。ハニカム構造体には気流の方向(紙面垂直方向)に沿った多数の空隙11が構成されており、その空隙11を気流が通過する。空隙11の数を多くすることにより、マイナスイオン放出体1の表面積を実質的に拡大しマイナスイオンの発生量を増加させることが可能となる。また、このマイナスイオン放出体1は、二段式電気集塵装置6で発生したオゾンを分解するために設けられたオゾン分解触媒を兼用したものであるが、このように兼用することにより、空気清浄のために設けられた気体成分除去体をマイナスイオン放出体1としても兼用することにより、マイナスイオンを発生させるために新たなマイナスイオン放出体を設ける必要がなくなるので、装置を小型化でき、また、圧力損失も減らすことができる。
【0017】
なお、マイナスイオン放出体1として兼用するものは上記のオゾン分解触媒に限らず、紫外線(UV)ランプとともに用いられる光触媒等を利用するようにしてもよい。また、集塵装置として機械式フィルタを用い、気体成分除去手段として、活性炭を用いたタイプの空気清浄装置にあっては、マイナスイオン放出体として活性炭を利用してもよい。
【0018】
図1の説明に戻る。筐体7の一端には流入口22が、他端には流出口23が、それぞれ開口するように設けられている。また、筐体7の内部には流路21が設けられており、流入口22と流出口23とを連通している。流路21の途中に、流路21を完全に塞ぐように、上述のマイナスイオン放出体1が設けられている。ただし、マイナスイオン放出体1は、必ずしも流路21を完全に塞ぐように設けられる必要はない。筐体7は静電気防止剤を含む合成樹脂材料で形成されているため導電性を有するので、マイナスイオン放出体1の端部と筐体7との間に絶縁体8を設けて、マイナスイオン放出体1を筐体7から電気的に絶縁している。もし、筐体7が静電気防止剤を含まない合成樹脂材料で形成されているときには、絶縁体8を用いる必要はない。マイナスイオン放出体1で仕切られた流路21のうち、流入口22側が上流部24を、流出口23側が下流部25を、それぞれ形成する。放電電極2は、筐体7の流路21の下流部25の任意の内壁面上に設置されている。また、接地電極3は、放電電極2と、オゾンの発生しないように決定された距離だけ離間して筐体7の流路21の下流部25の任意の位置に設置される。この例では、放電電極2と接地電極3間の距離は、9cmである。また、この例では、マイナスイオン放出体1と、放電電極2・接地電極3間を結ぶ線分との距離は、放電電極2・接地電極3間の距離よりも短くしている。
【0019】
電源4は、商用電源から入力される単相100ボルトの交流を、トランス(図示なし)で昇圧し、整流ブリッジ及びコンデンサ(いずれも図示なし)により整流・平滑化して、直流電源に変換するものである。電源4の負極は放電電極2に電気的に接続されている(以下、「接続」という記載は「電気的な接続」を意味する)。また、電源4の正極は接地電極3に接続されると共に、図示しない金属製シャーシに接続されている。一般的に、商用電源を建物内で使用するために、コンセント及びこれに着脱可能なプラグが用いられる。このようなコンセントにおいては、電源電極とは別に大地に接地された専用の接地極が設けられているか、あるいは電源電極の一方が大地に接地されていて接地極を兼任している。上記の金属製シャーシは、抵抗器及びプラグを介して上記のコンセントの接地極に接続される。したがって、この金属製シャーシに接続されている接地電極3も接地されて大地と同じ電位になる。この例にかかる電源4は、時間的に変動しないマイナス6kVの直流電圧を出力する。なお、この直流電圧として、時間的な変動を伴う広義の直流電圧を適用することもできる。すなわち脈流や断続的な電圧印加(矩形波)を用いても良い。放電電極2に印加する電圧は、発生するマイナスイオン量、オゾン量との関係を考慮して決定される。図3に放電電極2への出力電圧とマイナスイオン量及びオゾン量の関係を示す。図3に示されるように、出力電圧を増加させると、マイナスイオン量及びオゾン量の双方とも増加するが、先にマイナスイオン量の方が増加し始める。そのため、通常は、オゾン量が増加し始めない領域内でマイナスイオンをより多くを発生させる出力電圧が選択される。
【0020】
気流発生手段5は、空気流路21に気流を発生させるものである。例えば、送気ファンにより構成される。この気流発生手段5は、イオン風によって気流を発生させる手段も含む。なお、この気流発生手段5の位置は図示位置に限らない。例えば、下流部25の中に設けるようにしても良い。
【0021】
二段式電気集塵装置6は、空気中の塵や埃等を除去する機能を有し、周知の集塵装置が適用可能である。このような二段式電気集塵装置6では、少量のオゾンが発生するので、下流側にオゾン分解触媒を設けることが多い。
【0022】
次に、本実施の形態にかかるマイナスイオン発生装置の動作について説明する。流入口22から流入した空気は、まず二段式電気集塵装置6を通る。二段式電気集塵装置6によって、塵や埃等が除去された空気は、気流発生手段5によって空気流路中をマイナスイオン放出体1の方向へ流れる。
【0023】
このとき、マイナスイオン放出体1が負に帯電する過程は次のように推測される。放電電極2に電源4によって数kVの負の直流電圧が印加されているため、接地された接地電極3との間に電界が発生する。この電界により、図1に示すような電気力線(電界)が生じる。電界中に置かれたマイナスイオン発生体1が導電材料で形成されていれば静電誘導により、また絶縁材料で形成されていれば分極により、いずれの場合もマイナスイオン発生体1の表面に局所的な正電荷が一時的に生じる。一方、放電電極2から放出された電子あるいはこの電子を帯電した気体分子等(マイナスイオン)が電気力線に沿って移動し、マイナスイオン放出体1に近付く。すると、マイナスイオン放出体1の表面に現れている正電荷との間にクーロン力(引力)が働き、この電子あるいは気体分子等がマイナスイオン放出体1の表面に捕捉される。このようにして、当該マイナスイオン放出体1における負電荷量が過剰となり、マイナスイオン放出体1が負に帯電して安定する。
【0024】
空気流路21内の空気は、気流発生手段5によってマイナスイオン放出体1の空隙11を通過する。このとき、マイナスイオン放出体1は、負に帯電し、電荷が蓄積されているため、空気の流れにともなってマイナスイオンを放出する。マイナスイオン放出体1からはこのようにしてマイナスイオンが放出される。
【0025】
なお、放電電極2によって負の電気の供給がされるため、ここで前述のコロナ放電式あるいは電子放射式と同じ原理によってマイナスイオンが放出される。
【0026】
マイナスイオン放出体1の空隙11を通過した空気は、流路21の下流部25において、放電電極2と接地電極3との間、放電電極2とマイナスイオン放出体1との間、マイナスイオン放出体1と接地電極3との間にそれぞれに形成された電界上を通過する。このとき、これらの電界内では、若干のコロナ放電が生じている。すなわち、放電電極2から接地電極3およびマイナスイオン放出体1に向けて電子が放出される。また、マイナスイオン放出体1から接地電極3に向けても電子が放出される。そして、これらの放電によって、放電電極2及び接地電極3付近の気体(特に酸素分子)に電子が付着してマイナスイオンが発生する。従って、放電電極2と接地電極3との間を通過した空気はさらにマイナスイオンを含んだ状態となる。このとき、マイナスイオン放出体1が負に帯電しているので、マイナスイオン放出体1の近傍にあるマイナスイオンはクーロン力(反発力)を受けて、マイナスイオン放出体1とは逆の方向、すなわち流出口23の方向に加速され、装置外部に放出される。このように、マイナスイオンがマイナスイオン放出体1から受けるクーロン力の方向と、流路21を流れる気流の方向(風向)とを概ね一致させてあるので、流出口23から放出されるマイナスイオンの量を、従来に比べて多くすることができる。言い換えれば、放電電極2及び接地電極3によって形成される電界を気流が横切って流れるように、さらにはマイナスイオン放出体1からマイナスイオンが受けるクーロン力の方向に気流が流れるように、流路21とマイナスイオン放出体1と放電電極2及び接地電極3との位置関係を定めたので、流出口23から放出されるマイナスイオンの量を多くすることができる。このとき放電電極2と接地電極3とマイナスイオン放出体は、オゾンが発生しないような十分な距離をおいて配置されているため、装置外部に放出される空気にはオゾンが含まれないか又は極めて少量となる。
【0027】
以上のように、本実施の形態1にかかるマイナスイオン発生装置では、マイナスイオン放出体1に電荷をためて気流によりマイナスイオンを放出するようにしたため、オゾンの発生を抑制しつつ安定してマイナスイオンの発生量を確保することができる。そして、本実施の形態では、放電電極2と接地電極3とマイナスイオン放出体1はそれぞれに印加された電圧に対して、空気流路中でオゾンが発生しにくい距離だけ離れて設置しており、オゾンが多量に発生してしまうことがないようにしている。
【0028】
発明の実施の形態2.
本実施の形態2にかかるマイナスイオン発生装置では、マイナスイオン放出体1をあらゆる方向へ移動可能としている。具体的には、図4に示すように、気流発生手段5側、気流の流れる方向、筐体7の放電電極2が設けられた側、筐体7の接地電極3が設けられた側に移動可能としている。
【0029】
マイナスイオン放出体1の移動機構としては、種々の方式が含まれる。例えば、マイナスイオン放出体1をネジにより固定し、当該ネジを回転させることにより移動させるようにしてもよい。また、筐体7にマイナスイオン放出体1の嵌め込み部分を複数設け、当該複数の嵌め込み部分のいずれかに嵌め込み位置を変えることによって移動させてもよい。要は、通常の使用時には放電電極2に対するマイナスイオン放出体1の位置を固定でき、調整時には放電電極2に対するマイナスイオン放出体1の位置を変更できるように、周知の機構を適宜採用すれば良い。
【0030】
本実施の形態2にかかるマイナスイオン発生装置では、マイナスイオン放出体1を移動可能とした点以外は、実施の形態1にかかるマイナスイオン発生装置と同様であるため、実施の形態1と同様に動作し、同様の効果を奏する。
【0031】
マイナスイオン発生量の調整手段としては、電圧を可変とすることが一般的であるが、電気部品や電極周囲の絶縁性能等のハードウェア仕様を最大電圧に耐えられるように設計する必要があり、言い換えれば過剰スペックにせざるを得ないという問題がある。これに対し、本実施の形態2では、放電電極2への印加電圧を変えずマイナスイオン放出体1を移動可能として、マイナスイオン放出体1の帯電量が変化することや電界自体の変化によってマイナスイオン発生量を調整するようにしたので、必要十分なスペックでの設計が可能である。
【0032】
発明の実施の形態3.
本実施の形態3にかかるマイナスイオン発生装置では、図5に示されるように、マイナスイオン放出体1を設けているが、接地電極を設けておらず、放電電極2のみが設けられている。即ち、このマイナスイオン発生装置は、いわゆる電子放射方式を採用している。
【0033】
当該マイナスイオン発生装置では、空気流路中には放電電極2から電子が飛び出し、酸素分子等に付着することにより、マイナスイオンが発生する。そして、この実施の形態においても放電電極周囲に形成される電界により帯電させられる位置にマイナスイオン放出体1が設けられているため、実施の形態1と同様に当該マイナスイオン放出体1からもマイナスイオンが放出される。
【0034】
本実施の形態3にかかるマイナスイオン発生装置では、マイナスイオン放出体1に電荷をためて気流によりマイナスイオンを放出するようにしたため、オゾンの発生を抑制しつつ安定してマイナスイオンの発生量を確保することができる。そして、放電電極2のみ有し、接地電極3を有しない電子放射式であるため、さらに一層高いレベルでオゾンの発生量を抑制することができる。
【0035】
発明の実施の形態4.
本実施の形態4にかかるマイナスイオン発生装置では、図6に示されるように、本実施の形態3と同様に、マイナスイオン放出体1を設けているが、接地電極を設けておらず、放電電極2のみが設けられている。即ち、このマイナスイオン発生装置は、上述した電子放射方式を採用している。
【0036】
本実施の形態4にかかるマイナスイオン発生装置では、特に、マイナスイオン放出体1をあらゆる方向へ移動可能としている。具体的には、図4に示すように、気流発生器5側、気流の流れる方向、筐体7の放電電極2が設けられた側、その反対側に移動可能としている。
【0037】
本実施の形態4にかかるマイナスイオン発生装置では、マイナスイオン放出体1に電荷をためて気流によりマイナスイオンを放出するようにしたため、オゾンの発生を抑制しつつ安定してマイナスイオンの発生量を確保することができる。そして、放電電極2のみ有し、接地電極3を有しない電子放射式であるため、さらに一層高いレベルでオゾンの発生量を抑制することができる。
【0038】
マイナスイオン発生量の調整手段としては、電圧を可変とすることが一般的であるが、電気部品や電極周囲の絶縁性能等のハードウェア仕様を最大電圧に耐えられるように設計する必要があり、言い換えれば過剰スペックにせざるを得ないという問題がある。これに対し、本実施の形態4では、放電電極2への印加電圧を変えずマイナスイオン放出体1を移動可能として、マイナスイオン放出体1の帯電量が変化することや電界自体の変化によってマイナスイオン発生量を調整するようにしたので、必要十分なスペックでの設計が可能である。
【0039】
発明の実施の形態5.
本実施の形態5にかかるマイナスイオン発生装置では、図7に示されるように、本実施の形態3と同様に、マイナスイオン放出体1を設けているが、接地電極を設けておらず、放電電極2のみが設けられている。即ち、このマイナスイオン発生装置は、いわゆる電子放射方式を採用している。
【0040】
本実施の形態5にかかるマイナスイオン発生装置では、特に、放電電極2をあらゆる方向へ移動可能としている。
【0041】
本実施の形態5にかかるマイナスイオン発生装置では、マイナスイオン放出体1に電荷をためて気流によりマイナスイオンを放出するようにしたため、オゾンの発生を抑制しつつ安定してマイナスイオンの発生量を確保することができる。そして、放電電極2のみ有し、接地電極3を有しない電子放射式であるため、さらに一層高いレベルでオゾンの発生量を抑制することができる。
【0042】
マイナスイオン発生量の調整手段としては、電圧を可変とすることが一般的であるが、電気部品や電極周囲の絶縁性能等のハードウェア仕様を最大電圧に耐えられるように設計する必要があり、言い換えれば過剰スペックにせざるを得ないという問題がある。これに対し、本実施の形態5では、放電電極2への印加電圧を変えず放電電極2を移動可能として、マイナスイオン放出体1の帯電量が変化することや電界自体の変化によってマイナスイオン発生量を調整するようにしたので、必要十分なスペックでの設計が可能である。
【0043】
発明の実施の形態6.
本実施の形態6にかかるマイナスイオン発生装置の構成を図8に示す。図に示されるように、この例では、放電電極2が複数設けられ、一列に並んで配置されている。また、この放電電極2の列に対向して、一定間隔離れた位置に四角柱状の接地電極3が設けられている。
【0044】
例えば、放電電極2と接地電極3間の距離は1cmとし、放電電極2に対して印加する電圧は−1kVとすることができる。
【0045】
このような構成によっても、上述の発明の実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0046】
発明の実施の形態7.
本実施の形態7にかかるマイナスイオン発生装置の構成を図9に示す。図に示されるように、この例では、ポリプロピレン製のパイプ7が2本平行して設けられ、その内部にステンレス製のパイプ12、13が固定されている。さらに、ポリプロピレン製のパイプ7の一方に放電電極2と接地電極3が設けられている。
【0047】
このような構成によっても、上述の発明の実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0048】
発明の実施の形態8.
図10に実施の形態8の回路図を示す。31は商用電源、32は第一の整流平滑回路、33はスイッチングコントロール部、34は昇圧トランス、35は第二の整流平滑回路である。商用電源31から供給される交流電力は、第一の整流平滑回路32、スイッチングコントロール部33、昇圧トランス34及び第二の整流平滑回路35を介して高圧の直流電力に変換される。第二の整流平滑回路35の負極側に放電電極2及びマイナスイオン放出体1が接続されており、両者は同電位となっている。また、第二の整流平滑回路の正極側は接地電極3に接続されると共に、図示しないシャーシを介して大地と同電位となるように接地されている。このように、マイナスイオン放出体1に対して強制的に電位を与えるようにしてもよい。この場合、マイナスイオン放出体1は、上述のごとくマイナスイオンにクーロン力(反発力)を与えるのみならず、放電電極としても機能する。また、マイナスイオン放出体1の電位を、放電電極2の電位と接地電極3の電位との間の電位に設定しようとする場合は、第二の整流平滑回路の正極35と負極との間に二つの直列の分圧抵抗器を接続し、これらの抵抗器で分圧されて生じた中間的な電位にマイナスイオン放出体を接続すれば良い。あるいは、昇圧トランス及び整流平滑回路をさらにもう一組設けることにより異なる電位を得て、その電位をマイナスイオン放出体に与えても良い。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、マイナスイオンの発生量を確保することができるマイナスイオン発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるマイナスイオン発生装置を有する空気清浄装置の構成を示す図である。
【図2】本発明にかかるマイナスイオン発生体の構成を示す図である。
【図3】放電電極に対する出力電圧とマイナスイオン量及びオゾン量の関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかるマイナスイオン発生装置を有する空気清浄装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3にかかるマイナスイオン発生装置を有する空気清浄装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態4にかかるマイナスイオン発生装置を有する空気清浄装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態5にかかるマイナスイオン発生装置を有する空気清浄装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態6にかかるマイナスイオン発生装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態7にかかるマイナスイオン発生装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態8にかかるマイナスイオン発生装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 マイナスイオン発生体 2 放電電極
3 接地電極 4 電源 5 気流発生手段
6 集塵装置
21 流路 22 流入口 23 流出口 24 上流部 25 下流部
31 商用電源 32 第一の整流平滑回路
33 スイッチングコントロール部 34 昇圧トランス
35 第二の整流平滑回路
Claims (6)
- 周囲環境に対して負の電位を有するマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生手段と、
周囲環境に対して負の電位をとることが可能なマイナスイオン放出体とを備え、
前記マイナスイオン放出体が前記マイナスイオン発生手段の近傍且つ風上に設置されているマイナスイオン発生装置。 - 請求項1記載のマイナスイオン発生装置であって、
前記マイナスイオン発生手段は、正極および負極を有する直流電源と、直流電源の負極に電気的に接続された放電電極とを少なくとも有しており、
前記マイナスイオン放出体は、前記放電電極の電位以上であってかつ接地電極の電位よりも低い電位をとり得るものであるマイナスイオン発生装置。 - 請求項2記載のマイナスイオン発生装置であって、
前記マイナスイオン放出体は、前記放電電極が形成する電場中に置かれて帯電することにより負の電位をとるものであるマイナスイオン発生装置。 - 請求項1乃至3いずれかに記載のマイナスイオン発生装置であって、
前記マイナスイオン発生手段と前記マイナスイオン放出体との相対的な位置を変更可能な相対位置可変手段を備えるマイナスイオン発生装置。 - 請求項1乃至4いずれかに記載のマイナスイオン発生装置であって、
前記マイナスイオン放出体に、空気中に含まれる特定の成分を除去するための除去手段を兼用させてなるマイナスイオン発生装置。 - 請求項1乃至5いずれかに記載のマイナスイオン発生装置と、
集塵手段と、
気流発生手段とを備える空気清浄装置。
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