JP4043587B2 - 内視鏡用撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用撮像装置、特に内視鏡の接眼部に交換可能に取付けられる複数の撮像光学系と;この撮像光学系に接続されて、撮像光学系から入射した光束を複数の光束に分割する色分解プリズムと、分割された複数の光束を夫々受光する複数の固体撮像素子と、電気的に色シェーディングを補正する電気回路とを有する内視鏡用外付けカメラと;を備えた内視鏡用撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4781448号明細書に開示されているように、変倍光学系のフォーカシングを撮像光学系全体の移動で行なう場合、その移動量は、撮像光学系の焦点距離の二乗に比例することは周知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのような撮像光学系は、フォーカシングのための移動範囲を確保するために、全長を非常に長くする必要があった。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フォーカシング移動量が一定となる又はフォーカシング調整が不要となる撮像光学系を備え、全長の短縮が可能な内視鏡用撮像装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による内視鏡用撮像装置は、冒頭に記載した形式の内視鏡用撮像装置において、前記撮像光学系はフォーカシングのための正の屈折力をもつ第1群と、負の屈折力をもちバリエーター群である第2群と、正の屈折力をもつコンペンセーター群である第3群とからなる変倍光学系であり、下記の条件を満たすことを特徴としている。
1.1<f 1 /fw<0.9×√(ft/fw)
但し、f 1 は前記撮像光学系の最も物体側に配置された第1レンズ群の焦点距離、ftは望遠端における前記撮像光学系の焦点距離、fwは広角端における前記撮像光学系の焦点距離である。
【0006】
又、本発明の内視鏡用撮像装置は、下記の条件式を満たすことが好ましい。
|fft−ffw|<40mm
但し、fftは望遠端における前記撮像光学系の第1面を原点としたときの入射側焦点位置、ffwは広角端における前記撮像光学系の第1面を原点としたときの入射側焦点位置であり、各符号は像側を正、物体側を負とする。
又、本発明の内視鏡用撮像装置は、前記固体撮像素子の大きさが、1/3インチであることが好ましい。
又、本発明の内視鏡用撮像装置は、前記撮像光学系の入射側焦点位置が、前記撮像光学系の先端部から前記固体撮像素子方向に7mm付近の位置となることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態の説明に先立ち、本発明に係る内視鏡装置について説明する。
本発明に係る内視鏡用撮像装置は、冒頭に記載した形式の内視鏡用撮像装置において、電気回路による補正量が、撮像光学系の入射側焦点位置の関数となっているか、又は接眼部光学系の射出瞳位置の関数となっているように構成することが好ましい。そのように構成すれば、撮像光学系と内視鏡の組み合わせ、或いは変倍撮像光学系の変倍によって発生量が変化する色シェーディングを、適当な補正量をもって補正し、色シェーディングの発生の少ない良好な画像を提供することができる。
【0008】
又、本発明に係る内視鏡用撮像装置は、電気回路による補正値は電気回路内に記録されている複数の設定値から選択されるようにすることが好ましい。そのように構成すれば、使用者の作業性を向上させることができる。即ち、色シェーディングを補正する場合、使用する光学系毎に最適な色シェーディング補正値を調整して求めることは使用者にとって大変に煩わしい作業となるが、予め複数の電気的な色シェーディング補正の設定値を電気回路内に記録しておいて、接続する内視鏡又は撮像光学系に応じて例えばスイッチ等でそれらの設定値を選択するようにすれば、上記作業上の煩わしさは解消され得る。
【0009】
又、本発明に係る内視鏡用撮像装置は、上記設定値の少なくとも一つは、TWを画面垂直方向の最大像高における主光線傾角としたとき、条件式0.5°<|TW|<6゜を満足する入射光線に対して最適化された値であるようにすることが好ましい。そのように構成すれば、色シェーディングの少ない良好な画像を提供することができる。
【0010】
一般に、色シェーディング補正回路は、回路の単純化のため、色シェーディング発生量を入射角度と線形の関係であると見做して補正している。このため、入射角が大きくなり色シェーディング発生量との線形の類似関係から大きくずれると、適当な補正が不可能となり、画質への影響がでてしまう。一般に線形の関係と見做せる角度は、画面垂直方向の最大像高における主光線傾角にして約±6゜以下、より厳密に色シェーディングの補正を行なうには±4゜以下である。
【0011】
一方、補正値が微小量であると補正不足となり、光学系で発生した色シェーディングが残り、画質を劣化させる恐れがある。一般に、画像を観察する場合には、TW=±0.5゜相当の補正量では補正の効果が十分でない。
【0012】
そこで、光線の入射角と色シェーディング発生量との関係が線形と見做すことができ、適当な補正が可能であり、且つ補正の効果を十分に出すためには、設定値の少なくとも一つは、0.5°<|TW|<6゜を満たす入射光線に対して最適化された値であることが必要である。更に、より厳密な補正が可能であり且つ補正の効果を十分に出すためには、設定値のうち少なくとも一つは0.5°<|TW|<4゜を満たす入射光線に対して最適化された値であることが必要である。
【0013】
又、内視鏡用撮像装置は使用者が長時間手で保持して使用することが多いため、使用者の疲労を軽減するため或いは作業性を向上させるために、小型且つ軽量であることが必要である。そのためには、撮像光学系の全長を短縮することが重要である。撮像光学系の全長を短縮するためには、入射側焦点位置をより負側即ち軸外主光線傾角が負であることが必要である。従って、全長を短縮した撮像光学系を接続しても色シェーディングの少ない良好な画像を得るためには、色シェーディング補正の設定値のうち少なくとも一つは、−6°<TW<−0.5゜(符号は主光線が光軸に対して内側に向う方向を正とする)相当に最適化された値であることが必要である。色シェーディングをより厳密に補正するためには、色シェーディング補正の設定値のうち少なくとも一つは、−4°<TW<−0.5゜を満たすようにするとよい。
【0014】
ところで、内視鏡用撮像光学系においては、図1に示すように入射側焦点位置Fと像面Iへの射出角(画面垂直方向最大像高における主光線傾角)TW(図1は0<TWの場合を図示)との関係は、内視鏡の接眼光学系の射出瞳位置(=撮像光学系Lの入射瞳位置)Pと撮像光学系の入射側焦点距離との間隔Δ、最大像高をH、撮像光学系Lの焦点距離をfとしたとき、
tan TW=Δ・H/f2 (1)
となる。なお、ここでは撮像光学系Lから像面Iまでの距離は略撮像光学系Lの焦点距離に等しいとしている。これは、内視鏡の接眼レンズが投影する虚像までの距離が、撮像光学系の焦点距離fよりも十分に長いからである。
【0015】
なお、一般的に色分割プリズムは画面垂直方向の色シェーディングが発生するように配置されているため、以下の計算では最大像高Hは画面垂直方向の値である。固体撮像素子として一般的な1/3インチCCDを用いる場合、その画面垂直方向の像高は1.82mm、撮像光学系Lの焦点距離fは15〜40mm程度である。仮に、撮像光学系Lの焦点距離fを25mm、最大像高Hを1.82mm、前述のように光線の入射角と色シェーディング発生量との関係が線形と見做せるのは−6゜<TW<6゜の範囲であるとすると、(1)式より−36mm<Δ<36mmとなる。通常、撮像光学系の入射側焦点位置Fは撮像光学系の第1面から15mm程度の位置にあるので、撮像光学系の入射側焦点位置Fと入射瞳位置Pとの間の距離ff(符号は像側を正、物体側を負としている)は、
−21mm<ff<51mm (2)
とすればよい。
【0016】
なお、図2に示すように、通常、内視鏡の接眼部EPから撮像光学系Lの第1面までは枠の構成上3mm程度の距離が必要になるので、内視鏡接眼部EPから撮像光学系の入射側焦点位置Fまでの距離をff′とすれば、上記条件式(2)は
−18mm<ff′<54mm (3)
となる。又、より厳密に光線の入射角と色シェーディング発生量との関係が線形と見做せるのは、−4゜<TW<4゜の範囲であるが、この範囲に納めるためには、上述の計算と同様にH=1.82mm、f=25mmとして−24mm<Δ<24mmとなり、
−9mm<ff<39mm (4)
とすればよい。又、内視鏡接眼部EPから撮像光学系の入射側焦点位置Fまでの距離ff′は
−6mm<ff′<42mm (5)
となる。
【0017】
一般に、内視鏡特に内視鏡下外科手術等に用いられる硬性鏡では、眼視観察での利便性を考慮して、接眼光学系の射出瞳位置が接眼部より10mm程突出していることが多い。又、撮像光学系には、ゴミ,塵の内部への侵入を防止するためカバーガラスが設けられている。通常、枠の構成上の制約から内視鏡接眼部から撮像光学系のカバーガラスまでは3mm程(図2参照)の空間が必要であることから、内視鏡接眼光学系の射出瞳は撮像光学系の内部に7mm程入った位置にある(図2参照)。このため、内視鏡接眼光学系の射出瞳位置と撮像光学系の入射側焦点位置を合せてテレセントリック光学系とするためには、撮像光学系の入射側焦点位置を撮像光学系の内部7mmの付近にする必要がある。このため、特開平7−82398号公報に記載の装置においては、カバーガラスと第1レンズとの間を大きく確保し、これが撮像光学系の全長短縮の妨げとなっていた。
【0018】
撮像光学系の全長を短縮するためには、撮像光学系の入射側焦点位置を撮像光学系の第1面よりも前方即ちff<0mmとすることが必要である。又、前述のように色シェーディング発生量を適切に補正するには、条件式(2)も同様に満たす必要があるため、全長短縮を実現しながら色シェーディングの発生を防止するためには、下記の条件式を満たす必要がある。
−21mm<ff<0mm (6)
更に、より厳密に色シェーディングを補正するには条件式(4)を満たす必要があるので、全長短縮を実現しながら色シェーディングの発生をより厳密に防ぐには、下記の条件式を満たすことが必要である。
−9mm<ff<0mm (7)
【0019】
又、多種多様な手技に対応可能にするには、様々な焦点距離の撮像光学系を交換することで対応しなければならないが、変倍撮像光学系を使用すればこの要求に対応することができる。然しながら、一般に変倍光学系の場合には、変倍を行うことにより入射側焦点位置が変動するため、変倍中も色シェーディング発生量が補正可能な範囲、即ち色シェーディング発生量が線形近似できる範囲であるためには、撮像光学系の入射側焦点位置を変倍中、下記の条件式を満たすような位置に設定する必要がある。
−21mm<ff<51mm (8)
【0020】
又、変倍に応じて色シェーディング補正量を手動で変化させることは使用者にとって煩わしく、又これを自動化するためには変倍を検出する手段が必要となって、コスト及び装置の小型化の面で不利である。従って、本発明に係る内視鏡用撮像装置では、色シェーディング補正量を変えることなく、色シェーディングの変化を実使用の許容範囲内に抑えるために、望遠端におけるffをfft,広角端のffをffwとしたとき、撮像光学系の入射側焦点位置の変動を
|fft−ffw|<40mm (9)
の範囲に抑えるようにすれば、変倍による色シェーディングの変化を抑制し、良好な画像を提供することを可能となる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。図3は本発明に係る内視鏡用撮像装置の全体構成を示す概略図である。図中、1は内視鏡、2は内視鏡接眼部、3は内視鏡接眼部2に交換可能に取付けられる撮像光学系で、様々な用途に応じ得るようにするため、単焦点のもの(第1の撮像光学系)、変倍可能なもの(第2の撮像光学系)、主に泌尿器分野等で用いられる光軸を折り曲げるための反射面を有するもの等(第3の撮像光学系)各種構成のものが用意されている。4は撮像光学系3に接続可能なカメラヘッドで、内部に色分解プリズム5と、分解された各色光を受光する三個の固体撮像子6を備えている。7は三個の固体撮像素子6に接続されていて撮像素子6からの映像信号を処理するカメラコントロールユニットで、内部に、補正値として設定値1と設定値2の二種類の設定値を記録したメモリーを有する色シェーディング補正回路(図示せず)が設けられている。8はカメラコントロールユニット7に接続されたビデオモニターである。
【0022】
本発明に係る内視鏡用撮像装置は上記のように構成されているが、使用に当たり、カメラコントロールユニット7に設けられたスイッチ(図示せず)を操作して、上記第1又は第2の撮像光学系3を用いたときには設定値1を、反射面を有する撮像光学系3を用いたときには設定値2を選択する。この場合、設定値1はTW=−2゜、設定値2はTW=+4゜相当に最適化されており、全長の短縮を実現した撮像光学系3に対しても厳密な色シェーディングの補正ができるようにしている。なお、ここでTWは画面垂直方向の最大像高における主光線傾角であり、符号は主光線が光軸に対して内側に向く方向を正としている。ここで、TWが正の値となる主光線の状態とは、図1のように、レンズLを通過した主光線が光軸に近づくような状態を指し、負の場合は、図示しないがレンズLを通過した主光線が光軸から離れる状態を指す。
【0023】
これにより、使用者は色シェーディングの補正量を調整する作業が必要なくなり、適切な色シェーディングの補正値で使用することができる。なお、補正量の設定値はメモリー上に記録する代わりに電気回路として組み込んでおいても良い。
【0024】
尚、上記第1の撮像光学系3を用いる場合、ff=−4.7mmと設定しておけば、条件式(4)を満たし厳密な色シェーディング補正が可能である。又、上記第2の撮像光学系3を用いる場合、ffの値を望遠端でfft=−18.5mm、広角端でffw=14.6mmと設定しておけば、変倍中の入射側焦点位置は条件式(9)を満たし、変倍中も良好に色シェーディング補正が可能である。
【0025】
ところで、従来、これらの撮像光学系3のレンズを保持するための枠(以下、鏡枠という)は、そこに光が当たってフレアを発生するのを防止するため表面に黒色処理を施したアルミ等で作られている。特に最も内視鏡1寄りにあるカバーガラスの鏡枠に不要光が当たりフレアの原因となる可能性が高い。然しながら、このように鏡枠に黒色処理を施すことは製品コストを上げる結果となり好ましくない。このため、上記第1の撮像光学系では、フレアの発生を防ぐために、撮像光学系内部にフレア絞りを設けている。これにより鏡枠に光が当たることがなく、フレア発生のない良好な画像を提供することができる。
【0026】
又、最も不要光の当たり易いカバーガラスの鏡枠を遮光するには、フレア絞りはカバーガラスの直後に設けられるのが良い。本実施例においては、内視鏡1からの光束を遮ることなく良好にフレア防止効果を発揮させるために、直径4mmの円形開口を持つ絞りをカバーガラスの直後に設けた。また一般に、内視鏡特にリレー光学系を用いて像を伝送する硬性鏡は、負の像面湾曲が大きい。この場合、単体で良好に像面湾曲を補正した撮像光学系を接続すると、光学系全体では負の像面湾曲が発生していることになる。このため、中心付近に焦点を合わせると周辺では像が劣化する可能性がある。そこで、前記第1の撮像光学系3の代わりに第4の撮像光学系を用いてもよい。この第4の撮像光学系3は、物体側から順に配列された正の屈折力をもつ第1群と、負の屈折力をもつ第2群と、正の屈折力をもつ第3群とを有する撮像光学系であって、第2群の最終面の硝材の屈折率をn、曲率半径をrとしたとき、−(1/n−1)/r=−0.083を満たすようにすることにより、第2群の最終面で大きな正の像面湾曲を発生させ、内視鏡光学系と組み合わせたときに、中心から周辺まで良好な画像を得ることができるようにしている。
【0027】
なお、一般的には、第2群の最終面の硝材の屈折率をn、曲率半径をrとすると、−(1/n−1)/r<−0.07を満たすようにすると、十分に大きい正の像面湾曲を発生させ、内視鏡光学系と組み合わせたときに、中心から周辺まで良好な画像を得ることができる。前記第2の撮像光学系は、フォーカシングのための正の屈折力をもつ第1群と、負の屈折力をもちバリエーター群である第2群と、正の屈折力をもつコンペンセーター群である第3群とからなり、f1 を第1群の焦点距離、ftを望遠端での撮像光学系の焦点距離、fwを広角端での撮像光学系の焦点距離としたとき、下記の条件式を満たしている。
1.1<f1 /fw<0.9×√(ft/fw) (10)
【0028】
例えば、米国特許第4781448号明細書に開示されているように、変倍光学系のフォーカシングを撮像光学系全体の移動で行なう場合、その移動量は、撮像光学系の焦点距離の二乗に比例する。このため、フォーカシングのための移動範囲を確保するために非常に全長を長くする必要があった。一方、本発明における前記第2の撮像光学系は、第1群にフォーカシング群を設けて、変倍によらず、フォーカシング移動量が一定となるようにしており、全長の短縮を可能にしている。又、第3群を変倍に応じて移動させることで、変倍によらず像位置が変わらないようにしている。これにより、変倍時にフォーカシング調整が不要であるようになっている。
【0029】
又、変倍光学系においては、特開平9−325273号公報に開示されているように、物点と像点との間の距離を短縮し、撮像光学系をコンパクトにするためには、変倍中に第2群,第3群の結像倍率が同時に等倍になることが必要である。第2群、第3群の結像倍率が同時に等倍になるとき、撮像光学系全体の焦点距離fは第1群の焦点距離f1 と等しくなる。即ち、変倍中に第2群、第3群の結像倍率が同時に等倍になるためには、fw<f1 <ft即ち、
1<f1 /fw<ft/fw (11)
を満たすことが必要である。
【0030】
一方、第1群はフォーカシング時に移動するが、その移動量は焦点距離f1 の二乗に比例する。このため、f1 は小さい方が望ましい。そのため、第2群、第3群の結像倍率が同時に等倍となるのは、全変倍範囲の中間(fw・√(ft/fw)よりも広角側の焦点距離のときであることが好ましい。つまり、
f1 <fw・√(ft/fw) (12)
である。
【0031】
以上の説明から明らかなように、全長がコンパクトな変倍撮像光学系を実現するには、条件式(11)及び(12)より、
1<f1 /fw<√(ft/fw) (13)
を満たせば良い。この場合、更に前記条件式(10)を満たすことが望ましい。
【0032】
これに対して前記第2の撮像光学系は、f1 =25.6mm、fw=20.92mm、f1 /fw=1.22で条件式(10)を満たし、全長のコンパクトな変倍撮像光学系を実現している。
【0033】
又、前記第3の撮像光学系は、主に泌尿器分野等で用いられるが、泌尿器分野では眼視とビデオモニター8による観察とを併用することが多く、撮像光学系の光軸を内視鏡の光軸に対し直角方向に折り曲げる必要性があるため、撮像光学系内に光軸を折り曲げるための反射面が必要であり、反射面を入れるスペースを確保する必要がある。そのため、入射側焦点位置を撮像光学系の第1面から10mm以上内部に設定すると共に、色シェーディングが補正可能な範囲に収まるようにするために条件式(2)を満たすようにする必要がある。即ち、
10mm<ff<51mm (14)
である。これに対して、前記第3の撮像光学系では、ff=+17.9mmに設定して、光軸を折り曲げながら色シェーディングを適当に補正している。
【0034】
以下、前記第1乃至第4の撮像光学系の構成、数値データ及び収差特性について説明する。
第1の撮像光学系
図4(a)は第1の撮像光学系3の構成を示す断面図、(b)はフレアを防止するためのフレア絞りの正面図である。図中、3aはカバーガラス、3bは明るさ絞り(フレア絞り)であって、直径4mmの円形開口を有する。3cは結像レンズ系、3dはカバーガラスである。数値データは下記の通りである。
【0035】
【0036】
図5は収差図である。
【0037】
第2の撮像光学系
図6は第2の撮像光学系の構成を示す断面図で、(a)は広角端、(b)は標準位置、(c)は望遠端におけるレンズ配置を夫々示している。図中、3c′は結像光学系3c中の変倍系である。数値データは下記の通りである。
【0038】
広角端における結像光学系3cの焦点距離=20.92025、像高=2.553 、入射瞳の半径=1.7999、ff=14.6
標準位置における結像光学系3cの焦点距離=26.23735、像高=3.010 、入射瞳の半径=1.7999、ff=8.9
望遠端における結像光学系3cの焦点距離=40.52205、像高=3.010 、入射瞳の半径=1.7999、ff=−18.5
【0039】
【0040】
図7は広角端における収差図、図8は標準位置における収差図、図9は望遠端における収差図である。
【0041】
第3の撮像光学系
図10は第3の撮像光学系の構成を示す断面図である。図中、R1 ,R2 は撮像光学系中に含まれた一対の反射面で、実際には、反射面R2 はここで光軸を紙面垂直方向に折り曲げるように配置されている。数値データは下記の通りであるが、ここには内視鏡接眼光学系のデータも含まれている。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
図11は内視鏡の接眼光学系と組み合わせたときの収差図である。
【0047】
第4の撮像光学系
図12は第4の撮像光学系の構成を示す断面図である。数値データは下記の通りである。
【0048】
【0049】
図13は収差図である。
【0050】
なお、上記数値データにおいて、r1 ,r2 ,・・・・はレンズ等の各面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・・は各レンズ等の肉厚及び空気間隔、n1 ,n2 ,・・・・は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・・は各レンズのアツベ数である。
【0051】
以上説明したように、本発明の内視鏡用撮像装置は、特許請求の範囲に記載した特徴のほかに、下記の特徴を有している。
(1)内視鏡の接眼部に交換可能に取り付けられる複数の撮像光学系と;該撮像光学系に接続されて、該撮像光学系から入射した光束を複数の光束に分割する色分解プリズムと、分割された前記複数の光束を夫々受光する複数の固体撮像素子と、電気的に色シェーディングを補正する電気回路を有する内視鏡用外付けカメラと;を備えた内視鏡用撮像装置において、前記撮像光学系の入射側焦点位置と入射瞳位置との間の距離ffが下記の条件を満たすようにしたことを特徴とする内視鏡用撮像装置。
−21mm<ff<51mm
但し、ffは撮像光学系の第1面を原点としたときの入射側焦点位置であって、符号は像側を正、物体側を負とする。
【0052】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、色分解プリズムを使用しながら、射出瞳位置の異なる様々な内視鏡と入射側焦点位置の異なる様々な撮像光学系の組み合わせにおいても、色シェーディングの発生の少ない良好な画像を出力し得る内視鏡用撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡用撮像光学系における入射側焦点位置と画面垂直方向最大像高における主光線傾角との関係を説明するための図である。
【図2】内視鏡接眼部と撮像光学系との間の距離関係を説明するための図である。
【図3】本発明に係る内視鏡用撮像装置の全体構成を示す概略図である。
【図4】(a)は本発明による第1の撮像光学系の構成を示す断面図、(b)はフレアを防止するための明るさ絞りの正面図である。
【図5】第1の撮像光学系の収差図である。
【図6】本発明による第2の撮像光学系の構成を示す断面図で、(a)は広角端、(b)は標準位置、(c)は望遠端におけるレンズ配置を夫々示している。
【図7】第2の撮像光学系の広角端における収差図である。
【図8】第2の撮像光学系の標準位置における収差図である。
【図9】第2の撮像光学系の望遠端における収差図である。
【図10】本発明による第3の撮像光学系の構成を示す断面図である。
【図11】第3の撮像光学系の内視鏡接眼光学系と組み合わせたときの収差図である。
【図12】本発明による第4の撮像光学系の構成を示す断面図である。
【図13】第4の撮像光学系の収差図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
2 内視鏡接眼部
3 撮像光学系
4 カメラヘッド
5 色分解プリズム
6 固体撮像素子
7 カメラコントロールユニット
8 ビデオモニター
Claims (4)
- 内視鏡の接眼部に交換可能に取り付けられる複数の撮像光学系と;該撮像光学系に接続されて、該撮像光学系から入射した光束を複数の光束に分割する色分解プリズムと、分割された前記複数の光束を夫々受光する複数の固体撮像素子と、電気的に色シェーディングを補正する電気回路を有する内視鏡用外付けカメラと;を備えた内視鏡用撮像装置において、前記撮像光学系はフォーカシングのための正の屈折力をもつ第1群と、負の屈折力をもちバリエーター群である第2群と、正の屈折力をもつコンペンセーター群である第3群とからなる変倍光学系であり、下記の条件を満たすことを特徴とする内視鏡用撮像装置。
1.1<f 1 /fw<0.9×√(ft/fw)
但し、f 1 は前記撮像光学系の最も物体側に配置された第1レンズ群の焦点距離、ftは望遠端における前記撮像光学系の焦点距離、fwは広角端における前記撮像光学系の焦点距離である。 - 下記の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
|fft−ffw|<40mm
但し、fftは望遠端における前記撮像光学系の第1面を原点としたときの入射側焦点位置、ffwは広角端における前記撮像光学系の第1面を原点としたときの入射側焦点位置であり、各符号は像側を正、物体側を負とする。 - 前記固体撮像素子の大きさが、1/3インチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡用撮像装置。
- 前記撮像光学系の入射側焦点位置が、前記撮像光学系の先端部から前記固体撮像素子方向に7mm付近の位置となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用撮像装置。
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