JP4043547B2 - 凝集剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、凝集剤に関し、特に、無機成分を主とする中性の凝集剤に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】
土木排水、下水道水、あるいは工場廃液に大量に含まれる有機、あるいは無機の非溶解物は、水中浮遊物となって河川や海に廃棄されて郊外の原因となっている。そこで最近では上記土木廃液等は該水中浮遊物が基準の濃度以下になるように処理されてから廃棄されているのであるが、その処理に要する時間と経費は莫大なものとなっている。例えば製紙工場で紙表面を滑らかにするために用いられている顔料の酸化チタンは、回収に非常に時間がかかり結果として製品コストが上がる原因となっている。また上水道源として用いられる川や湖の水には上記非溶解物が多量に含まれているので莫大な時間と経費をかけて処理した後に上水として供給されている。更に、海底浚渫時に発生する水中浮遊物処理、池のあおこ対策、海や湖の赤潮等、中浮遊物処理に対する需要は大きくなる一方である。
【0003】
上記凝集処理に使用される凝集剤としては種々のものが開発されている。例えば無機系ではアルミニウム塩(硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム(特公昭54−36413)、アンモニウムミョウバン、カリミョウバン、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム)、鉄塩(塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等)、有機系では、低分子塩、界面活性剤、天然あるいは合成の高分子物質等が開発され使用されている。
【0004】
無機系の凝集剤は一般に吸着補集力に優れているため、使用後の上澄液の透明度が良く、更に沈澱物から水分を分離し易いという特徴がある反面、凝集速度が遅くまた、おおむね酸性物質であるので、例えば特公昭54−36413号公報に示すように処理後にアルカリ性の中和剤、例えば消石灰、ソーダ灰、カセイソーダを投入して中和処理をする必要があった。
【0005】
上記酸性の無機凝集剤とアルカリ性の薬剤を併用する方法が例えば特開昭58−216706号公報に開示されている。しかしながら、後に説明する本願の凝集剤のように、酸性の無機凝集剤とアルカリ性の薬剤を反応させてその結果生成された物質を凝集剤とするものではない。
【0006】
有機系の凝集剤は、一般的に高価であり、更に、形成されるフロックは無機系の凝集剤を用いた場合に比して大きいが、吸着補集力に劣り、上澄液に濁りが残るといった問題がある他、沈澱物がべとついた感じとなり遠心分離機等によってもフロックからの水分の分離がし難いという難点がある。そこで、必要な場合には有機系の凝集剤に無機系の凝集剤を混入して使用しているのが現状である。
【0007】
更に、有機系の凝集剤は水に溶解し難く水溶液を作るのに、例えば数時間を要し、また逆に水溶液でなければ凝集効果がない(例えば特開昭58−216706実施例、あるいは特開昭60−87812比較例参照)。従って、水処理施設では有機系の凝集剤を水溶液にするための設備を必要としていた。
【0008】
また、本願出願人は特公平8−18016号にて(1)可溶性のアルミニューム塩または可溶性の鉄塩の中の少なくとも一種と、(2)アルカリ金属の炭酸塩と、(3)(1)剤と(2)剤を反応させたときに形成されるフロックの核となる粉体と(4)有機凝集剤粉末の一種を混合した凝集剤を提案している。
【0009】
この凝集剤は、上記公報に開示されているように多大な効果を発揮するが、粉体であるため、従来より使用されている液体凝集剤に対応できる凝集装置に対応できないことになり不都合でる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、安価であって、凝集速度が早い液体の凝集剤を提供することを目的とする。
【0011】
上記目的を達成するために本発明は以下の手段を採用している。
(1)可溶性のアルミニューム塩または可溶性の鉄塩の中の少なくとも一種、(2)アルカリ金属の炭酸塩、(3)(1)剤と(2)剤を反応させたときに形成されるフロックの核となる不溶性の粉体、(4)有機凝集剤粉末の一種の4種を混合した出発物質を水に0,5%〜5%添加して攪拌し液状の凝集剤を形成する。この液状の凝集剤は、このままでも用いることもできるが、沈殿物を濾過して除去することによって、当該液状の凝集剤は、より商品価値を高くすることができる。また、上記フロックの核となる不活性の粉体がカルシウム化合物またはフライアッシュを用いる。
【0012】
まず、本願に係る凝集剤の出発物質は(1)可溶性のアルミニューム塩または可溶性の鉄塩の中の少なくとも一種、(2)アルカリ金属の炭酸塩、(3)上記(1)剤と(2)剤が以下に説明するように反応したときに形成されるフロックの核となる不溶性の粉体、(4)有機凝集剤粉末の中の少なくとも一種よりなる。
【0013】
上記可溶性のアルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、カリミョウバン、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム等を用いることができ、上記鉄塩としては塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等を用いることができる。また、アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリ等を使用することが出来る。
【0014】
本発明では上記のように無機原料だけでなく、上記無機原料に加えて有機系の凝集剤を混入する。一般に有機凝集剤は水に非常に溶解し難く、水溶液になる迄に数時間を要する。従って、有機凝集剤を粉末の状態で被処理液に投入しても短時間で凝集効果を発揮することはないのであるが、本願発明のようにアルミニウム塩(鉄塩)とアルカリ金属の炭酸塩の存在下では有機凝集剤が粉末であっても効果を発揮する。この理由については充分に把握できていないが、被処理液に投入された直後に溶解した僅かな量の有機凝集剤が作用しているものと考えられる。
【0015】
上記、有機系の凝集剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系等があり、ここではいずれもポリアクリルアミド系のものを使用した。
更に、本発明ではフロック核になる中性あるいは中性に近い不溶性物質粉(若干水に溶解してアルカリ性を示す水酸化カルシュウム等も含む)を多くとも全体の80%を添加する。
【0016】
上記不溶性物質粉として、炭酸カルシュウム、石膏(2水石膏,半水石膏,無水石膏)、等の中性又は中性に近いカルシュウム化合物を用いることができる。また上記カルシュウム化合物に代えてあるいは加えて、石炭焼却灰(フライアッシュ)等の各種焼却灰を用いることも可能である。消石灰、セメント、高炉スラグ等のカルシュウム化合物も有効であるが、最終溶液がアルカリになる点を考慮する必要がある。
【0017】
これら、不溶性物質粉は以下に説明するように、上記混合物を水と攪拌して反応させたときに、フロックを形成する核となる。
上記各物質の配合割合は以下のような基準で考えることが出来る。すなわち可溶性のアルミニウム塩(鉄塩)とアルカリ金属の炭酸塩の割合は化学量論的に中性になる割合とする。例えば可溶性のアルミニウム塩として硫酸アルミニウム (純度58.7%)を、またアルカリ金属の炭酸塩として炭酸ナトリウムを使用した場合は、硫酸アルミニウム5対炭酸ナトリウム3あるいは硫酸アルミニウム3対炭酸ナトリウム2程度の量(重量割合)配合すればよい。但しこの比から多少逸脱しても本発明の凝集剤を得ることはできる。
【0018】
上記炭酸カルシウム等の不溶性物質粉は凝集剤全体の80重量%以下が添加される。この量より多くなると他の成分の混入割合が少なくなるので、該出発物質反応後に得られる凝集剤の凝集効果が弱くなる。
【0019】
上記有機系の凝集剤の添加量は、混合物の無機原料に対して0.1重量%以上は必要である。有機凝集剤の粉末の添加量が多くなると従来からの有機凝集剤が有している欠陥が顕著になり、その上限も処理される液の性質によって異なるが、例えば、上記の無機原料に対して90重量%まで加えることが出来る。このように有機系の凝集剤を添加しておくと無機系の原料のみで構成された凝集剤よりも遙かに凝集効果が大きくなり、また有機系の凝集剤のみを使用する場合に比して遙かに上澄み液の透明度が大きくなる。
【0020】
【実施の形態】
まず、硫酸バンド(硫酸アルミニウム濃度50%)48%、炭酸ナトリウム32%、炭酸カルシウム20%よりなり、ポリアクリルアミド系のノニオン有機凝集剤を上記無機物質の混合物に対して外掛けで1%添加したした混合物を得る。次いで、上記混合物を水に0.1%添加して攪拌する。このとき硫酸バンドと炭酸ナトリウムが反応して不溶性物質粉の炭酸カルシウムを核にフロックを形成して僅かな時間(例えば30秒程度)で、沈殿物となる。この液を濾紙で濾過して目的とする液状凝集剤を得る。
【0021】
図1はこの液状凝集剤0,5%を濃度が2,000ppmの沖縄の赤土混じりの被処理液に添加したときの凝集効果を、SS濃度と凝集時間との関係で現したものである。濃度が高い間の凝集効果を著しく優れていることが理解できる。
【0022】
次いで図2は縦軸のSS濃度、横軸に凝集剤の添加量をとり、30秒以内にSS濃度が10ppm 以下になる添加量を現したものである。この場合もSS濃度が高い程凝集剤の添加量が少なくてよいことが理解できる。
【0023】
更に、図3はSS濃度と沈降速度のと関係を示したものであり、凝集剤の添加量を0.5%としたときにSS濃度が100ppm 以下になるまでの時間を複数の濃度が異なる被処理液に添加した場合の結果を示したものである。この場合もSS濃度が高い程沈降速度が早くなっていることが理解できる。
【0024】
尚、上記では一番簡単な製造方法を示したが、以下のような製造工程によって得られた凝集剤であっても同様の効果を得ることができる。すなわち、(1)メタノール100リットルに対して上記(1)〜(4)の混合物を30〜70kg混入し、更に、塩水(19%濃度)を250〜350リットル添加して、攪拌する。
【0025】
(2) 別に塩水(19%濃度)400リットルに対して、フライアッシュ(石炭灰)20〜40kg消石灰5〜25kgを混入し攪拌する。
(3) 上記(1) の溶液に(2) の混合液を混入攪拌する。
【0026】
(4) (3) の混合液を90℃前後で4時間以上加温しメタノール分を揮発させ、その後常温まで冷却して、約4日間(96時間)沈降分離させ、上澄み液を採水する。
【0027】
このようにして得られた凝集剤を、被処理液に対して0.1〜1%添加すると、上記の例と同様の効果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は無機物を主成分にして生成された液状の凝集剤でありながら、従来の有機物を水に溶かし込んだ凝集剤と同様の沈降効果があり、しかも安価で取扱が簡単となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 特定濃度の被処理液に対するSS濃度と沈降速度との関係を示すグラフである。
【図2】 SS濃度と凝集剤の添加量との関係を示すグラフである。
【図3】 複数濃度の被処理液に対するSS濃度と凝集剤の添加量との関係を示すグラフである。
Claims (3)
- (1)可溶性のアルミニューム塩または可溶性の鉄塩の中の少なくとも1種、
(2)アルカリ金属の炭酸塩、
(3)(1)剤と(2)剤を反応させたときに形成されるフロックの核となる不溶性の粉体、
(4)有機凝集剤粉末の一種
を混合した出発物質を水に0.5%〜5%添加して形成したことを特徴とする凝集剤。 - (1)可溶性のアルミニューム塩または可溶性の鉄塩の中の少なくとも1種、
(2)アルカリ金属の炭酸塩、
(3)(1)剤と(2)剤を反応させたときに形成されるフロックの核となる不溶性の粉体、
(4)有機凝集剤粉末の一種
を混合した出発物質を水に0.5%〜5%添加した後、沈殿物を濾過して除去したことを特徴とする凝集剤。 - 上記フロックの核となる粉体がカルシウム化合物またはフライアッシュを用いた請求項1または請求項2に記載の凝集剤。
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